JP7581589B2 - 呈味向上剤 - Google Patents
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Description
[1]α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有する、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を有効成分とする呈味向上剤(以下、「本発明の呈味向上剤」ということがある)。
[2]分岐グルカンまたはその還元物を糖組成物の形態で含んでなり、該糖組成物が分岐グルカンまたはその還元物を20質量%以上含有し、かつ、ヨード呈色値(ヨード呈色試験における波長660nmの吸光度)が0.05以下であるものである、上記[1]に記載の呈味向上剤。
[3]分岐グルカンまたはその還元物の分岐構造の直鎖状グルカンへの結合様式がα-1,6-結合である、上記[1]または[2]に記載の呈味向上剤。
[4]分岐グルカンまたはその還元物の分岐構造が直鎖状グルカンの非還元末端に結合した1~2個のグルコース残基である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の呈味向上剤。
[5]α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有する、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を添加してなる飲食品。
[6]分岐グルカンまたはその還元物を糖組成物の形態で添加してなり、該糖組成物が分岐グルカンまたはその還元物を20質量%以上含有し、かつ、ヨード呈色値(ヨード呈色試験における波長660nmの吸光度)が0.05以下であるものである、上記[5]に記載の飲食品。
[7]前記糖組成物を飲食品全体に対して0.1~30質量%で添加してなる、上記[5]または[6]に記載の飲食品。
[8]飲食品が乳風味飲食品、果汁含有飲食品、ビールテイスト飲料、菓子または調味料である、上記[5]~[7]のいずれかに記載の飲食品。
[9]α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有する、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を原材料に添加することを含んでなる、飲食品の製造方法。
[10]α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有する、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を飲食品に添加することを含んでなる、飲食品の呈味向上方法。
[11]分岐グルカンまたはその還元物を糖組成物の形態で添加してなり、該糖組成物が分岐グルカンまたはその還元物を20質量%以上含有し、かつ、ヨード呈色値(ヨード呈色試験における波長660nmの吸光度)が0.05以下であるものである、上記[10]または[11]に記載の方法。
[12]飲食品が乳風味飲食品、果汁含有飲食品、ビールテイスト飲料、菓子または調味料である、上記[9]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有する、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を含有する糖組成物であって、前記分岐グルカンまたはその還元物の含有量が20質量%以上であり、かつ、ヨード呈色値(ヨウ素デンプン反応における波長660nmの吸光度)が0.05以下である、糖組成物。
[14]糖組成物全体に対する重合度1~3の糖質の含有量、重合度4~6の糖質の含有量、重合度7以上の糖質の含有量がそれぞれ、0~60質量%、20~100質量%、0~50質量%である、上記[13]に記載の糖組成物。
を使用することができる。
であるクライスターゼL-1およびクライスターゼT-5(いずれも天野エンザイム社)から選択することができる。
・ノンアルコール飲料(果汁含有飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、炭酸飲料、アイソトニック飲料、アミノ酸飲料、スポーツ飲料、コーヒー、カフェオレ、ココア飲料、茶系飲料、栄養ドリンク、ノンアルコールビール、ノンアルコールチューハイ、ノンアルコールカクテル、ニアウォーター、フレーバーウォーターなど)やアルコール飲料(ビール、発泡酒、リキュール、チューハイ、清酒、ワイン、果実酒、カクテル、蒸留酒など)などの飲料類
・アイスクリーム、アイスキャンディー、シャーベット、かき氷、フラッペ、フローズンヨーグルト、ゼリー 、プリン、ババロア、水羊羹などの冷菓類
・水飴、果実のシロップ漬、氷みつ、チョコレートシロップ、カラメルシロップなどのシロップ類
・フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、バタークリーム、カスタードクリームなどのペースト類
・マーマレード、フルーツソース、ブルーベリージャム、苺ジャムなどのジャム類
・食パン、ロールパン、ブリオッシュ、蒸しパン、あんパン、クリームパンなどのパン類
・ビスケット、クラッカー、クッキー、ワッフル、マフィン、スポンジケーキ、パイなどの焼菓子類
・シュークリーム、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、ヌガー、キャンディなどの洋菓子類
・せんべい、あられ、おこし、求肥、餅類、まんじゅう、大福、ういろう、餡類、錦玉、カステラ、飴玉などの和菓子類
・醤油、魚醤、味噌、ひしお、マヨネーズ、ドレッシング、三杯酢、天つゆ、麺つゆ、ウスターソース、オイスターソース、ケチャップ、焼き鳥のタレ、焼き肉のタレ、漬け込みタレ、甘味料、粉飴、食酢、すし酢、カレールウ、中華の素、シチューの素、スープの素、ダシの素、複合調味料、みりん、新みりん、テーブルソルト、テーブルシュガーなどの各種調味料類
・パスタソース、ミートソース、トマトソース、ホワイトソース、デミグラスソース、カレーソース、ハヤシソース、グレービーソース、ハンバーグソース、サルサソース、ステーキソースなどのソース類
・糠漬け、粕漬け、味噌漬け、福神漬け、べったら漬、奈良漬け、千枚漬、梅干しなどの漬物類
・たくわん漬の素、白菜漬の素、キムチの素などの漬物の素
・ハム、ベーコン、ソーセージ、ハンバーグ、ミートボールなどの畜肉製品類
・魚肉ハム、魚肉ソーセージ、カマボコ、チクワ、干物などの魚肉製品類
・塩ウニ、カラスミ、塩辛、なれずし、酢コンブ、さきするめ、田麩などの各種珍味類
・海苔、山菜、するめ、小魚、貝などで製造される佃煮類
・煮豆、煮魚、ポテトサラダ、コンブ巻などの惣菜食品
・乳製品、魚肉、畜肉、果実、野菜などの瓶詰類や缶詰類
・天ぷら、トンカツ、フリッター、唐揚げ、竜田揚げなどの揚げ物用衣類
・うどん、そば、中華麺、パスタ、春雨、ビーフン、餃子の皮、シューマイの皮などの麺類
・プリンミックス、ホットケーキミックス、即席ジュース、即席コーヒー、即席汁粉、即席スープなどの即席食品類
糖組成分析は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して行った。分析カラムはMCI GEL CK04S(三菱ケミカル社)を用い、超純水を溶離液として流速0.4mL/分、カラム温度70℃で分析を行った。検出には示差屈折率検出器(RID-10A、島津製作所社)を使用し、分析時間は35分とした。得られるクロマトグラムのピーク面積より各重合度成分の含有量を求めた。
分岐グルカンの含有量を次の方法で確認した。5質量%に調整した糖液1mLに1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)に溶解した10mg/mL β-アミラーゼ#1500(ナガセケムテックス社)50μLを添加し、55℃にて1時間作用させ、煮沸失活させた。これをアンバーライトMB4(オルガノ社)にて脱塩した後、0.45μmフィルターにてろ過したものを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供した。酵素処理後に残存する重合度4以上の糖質を分岐グルカンとした。
酵素反応は、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に溶解した1%可溶性デンプン(ナカライテスク社)0.9mlに適宜水で希釈した酵素溶液0.1mlを添加し、40℃に10分間保持した。これに40mM水酸化ナトリウム水溶液を2.5ml添加して反応を停止した。生成したβ-シクロデキストリンをフェノールフタレイン法により測定した。具体的には、0.1mg/mlフェノールフタレインおよび2.5mM炭酸ナトリウムからなる溶液0.3mlを前記溶液に添加し、攪拌後550nmの吸光度を測定した。0~0.1mg/mlの範囲で作成したβ-シクロデキストリンの標準曲線に基づき生成したβ-シクロデキストリン量を求めた。
酵素反応は、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.2)に溶解した0.25%マルトース80μlに0.05%トリトンX-100を含む10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.2)で適宜希釈した酵素溶液20μlを添加し、37℃に10分間保持した。反応10分で反応液50μlを抜き出し、2Mトリス塩酸緩衝液(pH7.0)100μlと混合して反応を停止した。これにグルコースCII-テストワコー(和光純薬社)を40μl添加した後、室温に1時間保持して発色させ、490nmの吸光度を測定した。生成したグルコース量は0~0.01%の範囲で作成したグルコースの標準曲線に基づき算出した。
酵素反応は、20mM塩化カルシウムを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)100μlに5mg/mlワキシーコーンスターチ(日本食品化工社)350μlを添加し、45℃に5分間保持したものに同緩衝液にて適宜希釈した酵素溶液100μl添加して45℃に15分間保持した。これに反応失活用ヨウ素液(6.35mg/mlヨウ素および83mg/mlヨウ化カリウムからなる溶液2mlと0.1N塩酸8mlを混合したもの)500μlを添加して反応を停止した。この反応停止液を室温に15分間保持し、これに純水10ml添加したものの610nmの吸光度を測定した。
固形分濃度5.0%の糖組成物水溶液1mLに0.05Mヨウ素水溶液100μLを加え、よく撹拌した後に1cm石英セルにいれ、660nmの吸光度を分光光度計(U-2900、日立ハイテクサイエンス社)で測定した。得られた吸光度から、超純水を試験溶液として同様に測定して得た吸光度を減じたものを、その糖組成物のヨード呈色値とした。
30%(w/w)DE6.5コーンスターチ液化液を温度53℃、pH6.0に調整し、これにパエニバシルス・エスピーのシクロデキストリン生成酵素を対固形分1g当たり0.3単位、マイロイデス・オドラータスのイソアミラーゼを対固形分1g当たり200単位、プルラナーゼ「アマノ」3(天野エンザイム社)を対固形分1g当たり0.2mg、トランスグルコシダーゼL「アマノ」(天野エンザイム社)を対固形分1g当たり3.75単位、クライスターゼL-1(天野エンザイム社)を対固形分1g当たり0.06mg添加して50時間糖化した。これを80℃に加温し、クライスターゼL-1を対固形分1g当たり0.15mg添加して1時間作用させた。続いて、定法に従い精製、濃縮した。得られた糖組成物(糖組成物1)中のDP4~6の分岐グルカン含有量を測定したところ、33.7%であった。なお、パエニバシルス・エスピーのシクロデキストリン生成酵素はAgr. Biol. Chem., 40(9), 1785-1791(1976)の記載に従って調製し、マイロイデス・オドラータスのイソアミラーゼは特開平5-227959号公報に従って調製した。
製造例1で製造した糖組成物をゲルろ過クロマトグラフィー(Toyopearl HW-40S、東ソー社、以下同様)に供し、重合度1~3が主成分となるように分画した。得られた糖組成物(糖組成物2)中のDP4~6の分岐グルカン含有量を測定したところ、12.1%であった。
製造例1で製造した糖組成物をゲルろ過クロマトグラフィーに供し、重合度4~6が主成分となるように分画した。得られた糖組成物(糖組成物3)中のDP4~6の分岐グルカン含有量を測定したところ、67.6%であった。
製造例1で製造した糖組成物をゲルろ過クロマトグラフィーに供し、重合度7以上が主成分となるように分画した。得られた糖組成物(糖組成物4)中のDP4~6の分岐グルカン含有量を測定したところ、19.9%であった。
デキストリン(パインデックス#4、松谷化学工業社)をゲルろ過クロマトグラフィーに供し、重合度4~6が主成分となるように分画した。得られた糖組成物(糖組成物5)中のDP4~6の分岐グルカン含有量を測定したところ、9.5%であった。なお、当該分岐グルカンは、非還元末端ではなく直鎖状グルカンの内部に原料澱粉由来の分岐構造を有する分岐グルカンと推定される。
上記製造例で調製した糖組成物2~4を用いて乳飲料を調製し、呈味向上効果を評価した。使用した糖組成物の糖組成、DP4~6の分岐グルカン含有量およびヨード呈色値を表1に示した。また、乳飲料は表2の配合(質量%)で調製した。牛乳には「みなさまのお墨付き 牛乳 成分無調整(西友社)」を使用した(以下、同様)。
先味:飲食物を口に入れた直後に感じる呈味
中味:先味の後から飲食物を飲み込むまでに感じる呈味
後味:飲食物を飲み込んだ後に残る呈味
上記製造例で調製した糖組成物3および5を用いて乳飲料を調製し、呈味向上効果を評価した。使用した糖組成物の糖組成、DP4~6の分岐グルカン含有量およびヨード呈色値を表4に示した。また、乳飲料は表5の配合(質量%)で調製した。
上記製造例で調製した糖組成物1と各種分岐オリゴ糖を用いて乳飲料を調製し、呈味向上効果を評価した。使用した試験に用いた糖組成物の糖組成、DP4~6の分岐グルカン含有量およびヨード呈色値を表7に示した。また、乳飲料は表8の配合(質量%)で乳飲料を調製した。
市販のリンゴ果汁飲料(トロピカーナ、キリンビバレッジ社)に各糖組成物を表10の配合(質量%)で添加した。試験サンプルの先味、中味および後味の呈味(果汁感)の向上を、比較例7を0点として最大4点で4名のパネラーで評価した。
市販の豆乳飲料(豆腐もできます有機豆乳、スジャータめいらく社)に各糖組成物を表12の配合(質量%)で添加した。各サンプルの味質を5名のパネラーで評価した。糖組成物無添加の比較例10と比較して、高重合度のグルカンを主成分としDP4~6の分岐グルカンが29.0%、ヨード呈色値が0.118のブランチオリゴを添加した比較例11は全体的に平坦でのっぺりした印象なのに対して、DP4~6の分岐グルカンが33.7%、ヨード呈色値が0.011の糖組成物1を添加した実施例5は豆乳の味の厚みを自然に上げているとの評価であった。
市販の乳性飲料(カルピスウォーター、アサヒ飲料社)に各糖組成物を表13の配合(質量%)で添加した。各サンプルの味質を4名のパネラーで評価した。糖組成物無添加の比較例12と比較して、高重合度のグルカンを主成分としDP4~6の分岐グルカンが29.0%、ヨード呈色値が0.118のブランチオリゴを添加した比較例13は平坦な味になるのに対して、DP4~6の分岐グルカンが33.7%、ヨード呈色値が0.011の糖組成物1を添加した実施例6は中味および後味の厚みやコクを向上させ、飲みごたえに寄与していた。
市販のピーチ果汁飲料(GOKURI ふんわりピーチ、サントリー社)に糖組成物1を表14の配合(質量%)で添加した。サンプルの味質を5名のパネラーで評価した。糖組成物無添加の比較例14と比較して、DP4~6の分岐グルカンが33.7%、ヨード呈色値が0.011の製造例1の糖液を添加した実施例7は中味および後味の果汁感およびコクを向上させていた。
ノンアルコールビールを表15の配合(質量%)で調製した。サンプルの味質を5名のパネラーで評価した。高重合度のグルカンを主成分としDP4~6の分岐グルカンが29.0%、ヨード呈色値が0.118のブランチオリゴを添加した比較例15と比較して、DP4~6の分岐グルカンが33.7%、ヨード呈色値が0.011の糖組成物1を添加した実施例8は前半から中盤にかけて厚みと甘味を感じ、それが落差となりキレを感じた。また、実施例8はビール香料の香りを強く感じ、マスキングの有無の差が確認された。
発泡酒を次の方法で醸造した。表16の分量(g)の原材料を鍋に計量後、沸騰するまで加熱した。沸騰したのち、チェコ産ザーツホップを6.6g添加し、ケトルホッピングした。1時間の煮沸後、ワールプールを実施し、30分後麦冷し、麦汁3500mlを醗酵容器に移した。saflagerW34/70下面醗酵酵母(Fermentis社)を10.5g添加し、20分間のエアレーションの後、1週間から2週間程度主醗酵(12℃)を行った。主醗酵終了後、500ml瓶に移し、瓶内二次発酵を室温下で1週間行った。サンプル評価まで4℃で保存した。サンプルの味質を6名のパネラーで評価した。比較例16のボディ感を0点として±3点の範囲で点数化したところ、実施例9は1.8点の評価であった。DP4~6の分岐グルカンが33.7%、ヨード呈色値が0.011の糖組成物1を配合した実施例9は無添加の比較例16と比較して先味から中味のボディ感が付与され、飲みごたえが向上した。
キャンディを次の方法で調製した。表17の分量(質量部)の原材料を坊主鍋に入れ、緩くゴムへらで攪拌しながら120℃まで達温させた。120℃に達温後、鍋肌を攪拌しながら150℃まで昇温させてテフロン(登録商標)シート上に飴を流し入れ、飴を均一に練った。適当な大きさの飴を作製し、デシケーター内で放冷した。上述の方法で調製したベース飴20gを電子レンジにて570Wで1分間、市販ミルクキャンディ(ミルキー、不二家社)40gを570Wで10秒間加熱して、しっかりと均一に混ぜ合わせた。約4gずつ測り取り、スタンピングを行った。サンプルの味質を8名のパネラーで評価した。DP4~6の分岐グルカンが33.7%、ヨード呈色値が0.011の糖組成物1を配合した実施例10は、一般的な配合の比較例17と比較して後半に乳味、味の厚み、コクを感じ、フレーバーリリースが良いという評価であった。
Claims (13)
- α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有し、かつ、前記分岐構造が直鎖状グルカンの非還元末端に結合した1~2個のグルコース残基である、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を有効成分とする呈味向上剤であって、前記分岐グルカンまたはその還元物を25質量%以上100質量%以下で含有する糖組成物である、呈味向上剤。
- 前記糖組成物のヨード呈色値(ヨード呈色試験における波長660nmの吸光度)が0.05以下である、請求項1に記載の呈味向上剤。
- 分岐グルカンまたはその還元物の分岐構造の直鎖状グルカンへの結合様式がα-1,6-結合である、請求項1または2に記載の呈味向上剤。
- α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有し、かつ、前記分岐構造が直鎖状グルカンの非還元末端に結合した1~2個のグルコース残基である、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を25質量%以上100質量%以下で含有する糖組成物を添加してなる飲食品。
- 前記糖組成物のヨード呈色値(ヨード呈色試験における波長660nmの吸光度)が0.05以下である、請求項4に記載の飲食品。
- 前記糖組成物を飲食品全体に対して0.1~30質量%で添加してなる、請求項4または5に記載の飲食品。
- 飲食品が乳風味飲食品、果汁含有飲食品、ビールテイスト飲料、菓子または調味料である、請求項4~6のいずれか一項に記載の飲食品。
- α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有し、かつ、前記分岐構造が直鎖状グルカンの非還元末端に結合した1~2個のグルコース残基である、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を25質量%以上100質量%以下で含有する糖組成物を原材料に添加することを含んでなる、飲食品の製造方法。
- α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有し、かつ、前記分岐構造が直鎖状グルカンの非還元末端に結合した1~2個のグルコース残基である、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を25質量%以上100質量%以下で含有する糖組成物を飲食品に添加することを含んでなる、飲食品の呈味向上方法。
- 前記糖組成物のヨード呈色値(ヨード呈色試験における波長660nmの吸光度)が0.05以下である、請求項8または9に記載の方法。
- 飲食品が乳風味飲食品、果汁含有飲食品、ビールテイスト飲料、菓子または調味料である、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
- α-1,4-グルコシド結合により構成された直鎖状グルカンと、少なくともその直鎖状グルカンの非還元末端に導入された分岐構造とからなる構造を有し、かつ、前記分岐構造が直鎖状グルカンの非還元末端に結合した1~2個のグルコース残基である、重合度が4~6の分岐グルカンまたはその還元物を含有する糖組成物であって、前記分岐グルカンまたはその還元物の含有量が25質量%以上100質量%以下であり、かつ、ヨード呈色値(ヨウ素デンプン反応における波長660nmの吸光度)が0.05以下である、糖組成物。
- 糖組成物全体に対する重合度1~3の糖質の含有量、重合度4~6の糖質の含有量、重合度7以上の糖質の含有量がそれぞれ、0~60質量%、25~100質量%、0~50質量%である、請求項12に記載の糖組成物。
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