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JP7578401B2 - 皮膚老化抑制剤 - Google Patents

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JP7578401B2
JP7578401B2 JP2020012419A JP2020012419A JP7578401B2 JP 7578401 B2 JP7578401 B2 JP 7578401B2 JP 2020012419 A JP2020012419 A JP 2020012419A JP 2020012419 A JP2020012419 A JP 2020012419A JP 7578401 B2 JP7578401 B2 JP 7578401B2
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本発明は、LncRNA発現促進剤、同発現促進剤からなる皮膚老化抑制剤、同皮膚老化抑制剤を含む皮膚老化抑制用組成物等に関する。
生物を構成する細胞は加齢により老化する。細胞は、生体反応を担っており、生命活動を担う組織・器官を形成・維持しており、細胞の老化は個体の老化にも繋がる。
また、老化した細胞は周囲の細胞に対しても老化細胞様の反応を惹起させる因子を放出し、組織・器官の老化を加速させる。このため、老化細胞を取り除くと個体や組織の老化を遅らすことができ、既に生じた老化症状を改善できることが示唆されている(例えば、非特許文献1参照)。
したがって、老化細胞は抗老化のターゲットとして期待されている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、非侵襲的に老化細胞を取り除くことは実施が難しいという課題があった。
一方、近年、細胞老化をコントロールする生体成分として、タンパク質をコードしていないRNAであるノンコーディングRNA(ncRNA)が報告されている(例えば、非特許文献3参照)。このncRNAの中には塩基数200以上のRNAである長鎖ncRNA(LncRNA)が知られており、LncRNAは8200種ほど存在すると推測されている(例えば、非特許文献4参照)。LncRNAに関して、近年、若齢および老齢ドナーから皮膚を採取し、発現量が比較され、いくつかのLncRNAの量が加齢により変化していることが報告されている(例えば、非特許文献5参照)。
加齢により発現が増加するNESPAS、FLJ46906、HOTAIRのLncRNAと、加齢により発現が減少するSNHG5、LOC100292680(別名「LINC00942」であり、これらは同一のLncRNAを示す)、IPWのLncRNAが、特に細胞老化の抑制効果を判断するのに有力な指標であり、該LncRNAを指標として皮膚老化を抑制する効果を判断できることが報告されている(例えば、特許文献1および2参照)。
他方、シソ目植物に含まれるカルノシン酸、ロスマノールおよびイソロスマノール等のロスマノールおよびその類縁体は抗酸化作用を有することが知られているが、抗老化等の作用については知られていない。
特開2015-130857号公報 特開2017-112892号公報
Baker DJ. et al., Nature. (2011), 479, 232-236 Naylor RM. et al., Clin Pharmacol Ther. (2013) 93, 105-116 Abdelmohsen K. et al., Wiley Interdiscip Rev RNA. (2015) 6, 615-629 Cabili MN. et al., Genes Dev. (2011), 25, 1915-1927 Chang ALS. et al., J Invest Dermatol. (2012), 133, 394-402
抗老化の化粧料等への要望は高く、新たな皮膚老化抑制素材が求められている。このような要望に対応するため、本発明はなされたものであり、本発明は、新たな皮膚老化抑制素材を提供することを課題とする。
本発明者らは、新たな皮膚老化抑制素材を求めて各種素材について検討を行ったところ、シソ目植物に含まれるカルノシン酸、ロスマノール、イソロスマノール等のロスマノールおよびその類縁体、その他にガルス酸等の芳香族ヒドロキシ酸といった化合物がLncRNAであるLINC00942の発現を促進(または亢進)する効果を有し、皮膚老化抑制素材として有効であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下に関する。
[1] ロスマノールおよびその類縁体、並びに芳香族ヒドロキシ酸から選ばれる1種または2種以上からなる、LINC00942の発現促進剤。
[2] ロスマノールおよびその類縁体が、下記式(I)で表される化合物である、[1]に記載の発現促進剤。
Figure 0007578401000001
(式中、
R1およびR2は、それぞれ独立に、水素、酸素、ヒドロキシ、または炭素数1~6のアルキルオキシであり、
R3は、カルボキシ、もしくは炭素数1~6のアルコキシカルボニルであるか、またはR4またはR5と一緒になって-CO-O-であり、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、酸素、ヒドロキシ、もしくは炭素数1~6のアルキルオキシであり、
環に結合する水素は、それぞれ独立に、酸素、炭素数1~6のアルキル、炭素数2~6のアルケニルもしくはアルキニル、または炭素数1~6のアルキルオキシで置換されてもよい。)
[3] ロスマノールおよびその類縁体が、カルノシン酸、ロスマノールおよびイソロスマノールから選ばれる1種または2種以上である、[1]または[2]に記載の発現促進剤。
[4] 芳香族ヒドロキシ酸が、トリヒドロキシ安息香酸である、[1]~[3]のいずれかに記載の発現促進剤。
[5] 芳香族ヒドロキシ酸が、ガルス酸である、[1]~[4]のいずれかに記載の発現促進剤。
[6] ロスマノールおよびその類縁体から選ばれる1種または2種以上、並びに芳香族ヒドロキシ酸から選ばれる1種または2種以上の組合せからなる、LINC00942の発現促進剤。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の発現促進剤からなる、皮膚老化抑制剤。
[8] [7]に記載の皮膚老化抑制剤を含む、皮膚老化抑制用組成物。
[9] 皮膚老化抑制が、肌弾力性低下防止、しわ防止、たるみ防止、シミ形成防止、くすみ防止および毛穴拡大防止から選ばれる1種または2種以上である、[8]に記載の組成物。
[10] 医薬部外品を含む化粧料である、[8]または[9]に記載の組成物。
[11] シソ抽出物、ラベンダー抽出物、セージ抽出物、ローズマリー抽出物、およびクマツヅラ抽出物のいずれか1種または2種以上からなる、LINC00942の発現促進剤。
[12] [11]に記載の発現促進剤からなる、皮膚老化抑制剤。
[13] [12]に記載の皮膚老化抑制剤を含む、皮膚老化抑制用組成物。
[14] 皮膚老化抑制が、肌弾力性低下防止、しわ防止、たるみ防止、シミ形成防止、くすみ防止および毛穴拡大防止から選ばれる1種または2種以上である、[13]に記載の組成物。
[15] 医薬部外品を含む化粧料である、[13]または[14]に記載の組成物。
本発明によれば、LINC00942の発現を促進する効果を有する、新たな皮膚老化抑制素材を提供することができる。
以下、本発明について説明する。
<LINC00942の発現促進剤>
本発明の一態様は、ロスマノールおよびその類縁体、シソ目植物抽出物および芳香族ヒドロキシ酸から選ばれる1種または2種以上からなる、LINC00942の発現促進剤(以下、「本発明の発現促進剤」ということがある)に関する。
本発明者らは、新たな皮膚老化抑制素材を求めて各種素材について検討を行ったところ、ロスマノールおよびその類縁体、芳香族ヒドロキシ酸が、皮膚老化抑制作用を有することを知見した。また、ロスマノールおよびその類縁体、シソ目植物抽出物および芳香族ヒドロキシ酸が、LINC00942の発現促進作用を有することを知見した。このようにして、本発明のLINC00942の発現促進剤は、見出されたものである。
本発明の発現促進剤としては、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
≪ロスマノールおよびその類縁体≫
本発明の発現促進剤として用いられるロスマノールおよびその類縁体は、LINC00942の発現促進作用を有するものであれば、限定されない。ロスマノールおよびその類縁体は、シソ、ラベンダー、セージ、ローズマリー、クマツヅラ等のシソ目(Lamiales)植物等に含まれる、ロスマノールおよびロスマノール類縁化合物である。ロスマノールおよびその類縁体の由来は、限定されない。ロスマノールおよびその類縁体は、1種または2種以上の組合せをLINC00942の発現促進剤として使用できる。
ロスマノールおよびその類縁体としては、例えば、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007578401000002
式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素、酸素、ヒドロキシ、または炭素数1~6(好ましくは炭素数1~3、より好ましくは炭素数1~2)のアルキルオキシである。ただし、R1またはR2が酸素のときは、二重結合で環に結合する。R1およびR2は、好ましくはヒドロキシ、またはアルキルオキシである。
炭素数1~6のアルキルオキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ等が挙げられる。
R3は、カルボキシ、もしくは炭素数1~6(好ましくは炭素数1~3、より好ましくは炭素数1~2)のアルコキシカルボニルであるか、またはR4またはR5と一緒になって-CO-O-である。R3は、好ましくはカルボキシ、またはR4またはR5と一緒になって-CO-O-である。R3が、R4またはR5と一緒になって-CO-O-である場合、Rと結合しないR4またはR5は、好ましくは水素以外である。
炭素数1~6のアルコキシカルボニルとしては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、n-ペントキシカルボニル、n-ヘキソキシカルボニル等が挙げられる。
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、酸素、ヒドロキシ、もしくは炭素数1~6(好ましくは炭素数1~3、より好ましくは炭素数1~2)のアルキルオキシである。アルキルオキシの具体例としては、上記と同様である。R4およびR5は、好ましくは、水素、ヒドロキシ、またはアルキルオキシである。
環に結合する水素は、それぞれ独立に、酸素、炭素数1~6の直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状アルキル、炭素数2~6の直鎖状、分岐鎖状のアルケニルもしくはアルキニル、または炭素数1~6のアルキルオキシで置換されてもよい。
アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル等が挙げられる。
アルケニルは、前記アルキルのいずれか1カ所以上に炭素・炭素二重結合を有する炭素数2~6の直鎖状、または分岐鎖状のアルケニルである。例えば、ビニル、1-プロペニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル等が挙げられる。
アルキニルは、前記アルキルのいずれか1カ所以上に炭素・炭素三重結合を有する炭素数2~6の直鎖状、または分岐鎖状のアルキニルである。例えば、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル等である。
アルキルオキシの具体例としては、上記と同様である。
ロスマノールおよびその類縁体は、限定されないが、好ましくはカルノシン酸、ロスマノール、イソロスマノール、11,12-ジ-O-メチルイソロスマノール、12-O-カルノシン酸、ロスマノール-9-エチルエーテル、エピロスマノール、7-メチル-エピロスマノールであり、より好ましくはカルノシン酸、ロスマノールまたはイソロスマノールである。
ロスマノールおよびその類縁体は、常法に基づいて製造、クロマトグラフィー等を用いて分離精製されたものを用いることができ、市販されたものを用いることもできる。
≪シソ目植物抽出物≫
本発明の発現促進剤として用いられるシソ目植物抽出物は、LINC00942の発現促進作用を有するものであれば、限定されない。シソ目植物抽出物は、シソ目の果実、および/または葉、および/または茎、および/または根を、水、および/または有機溶媒で抽出することで得ることができる。
使用可能な有機溶媒として、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール、アセトン等の脂肪族ケトン、ジオキサン、エチルエーテル等の脂肪族エーテル、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の脂肪酸エステル、ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類、およびこれらの溶媒の2種以上の混合物が例示できる。
≪芳香族ヒドロキシ酸≫
本発明の発現促進剤として用いられる芳香族ヒドロキシ酸は、LINC00942の発現促進作用を有するものであれば、限定されない。芳香族ヒドロキシ酸としては特に限定されないが、例えば、モノヒドロキシ安息香酸誘導体としてサリチル酸、クレオソート酸(ホモサリチル酸、ヒドロキシ(メチル)安息香酸)、バニリン酸、シリング酸、ジヒドロキシ安息香酸誘導体としてピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、トリヒドロキシ安息香酸誘導体として、ガルス酸、フェニル酢酸誘導体として、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、ケイヒ酸・ヒドロケイヒ酸誘導体として、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸等が挙げられ、これらの異性体であってもよい。芳香族ヒドロキシ酸として、好ましくはトリヒドロキシ安息香酸誘導体であり、より好ましくはガルス酸である。芳香族ヒドロキシ酸は、1種または2種以上の組合せをLINC00942の発現促進剤として使用できる。
ガルス酸は、別名、没食子酸ともいい、月見草抽出物や赤ワイン抽出物、メリッサ葉抽出物等に含まれる化合物である。本発明に用いるガルス酸の由来は、限定されない。
上記化合物は、常法に基づいて製造、分離精製されたものを用いることができ、市販されたものを用いることもできる。
本発明の別の一態様としては、ロスマノールおよびその類縁体から選ばれる1種または2種以上、並びに芳香族ヒドロキシ酸から選ばれる1種または2種以上の組合せからなる、LINC00942の発現促進剤が挙げられる。
LINC00942の発現促進作用は、例えば、特開2015-130857号公報に記載の方法に基づいて、確認できる。
<皮膚老化抑制剤>
本発明のさらなる一態様は、本発明の発現促進剤からなる、皮膚老化抑制剤(以下、「本発明の皮膚老化抑制剤」ということがある)に関する。
本発明の皮膚老化抑制剤は、LINC00942の発現促進作用を有し、肌弾力性改善効果、しわ防止効果、たるみ防止効果、シミ形成防止効果、くすみ防止効果、毛穴拡大防止効果から選択される1種以上の効果を奏し、後述するように化粧料、医薬部外品、食品、医薬品等に配合されることで、アンチエイジング効果を奏する。
<皮膚老化抑制用組成物>
本発明のさらなる一態様は、本発明の皮膚老化抑制剤を含む、皮膚老化抑制用組成物(以下、「本発明の組成物」ということがある)に関する。
本発明の皮膚老化抑制用組成物は、本発明の皮膚老化抑制剤を含み、その効果を妨げない限り、さらに化粧料、医薬部外品、食品、医薬品等に使用される成分を含有し、皮膚老化抑制用に用いることができる組成物である。
本発明の皮膚老化抑制用組成物は、化粧料、医薬部外品、食品、医薬品等として適用され、化粧料、医薬部外品、医薬品の場合には肌に組成物を塗布することで皮膚老化抑制用組成物の摂取を行い、食品の場合には、経口により摂取する。
本実施態様における、皮膚老化抑制用組成物中の皮膚老化抑制素材の含有量(配合量)は、限定されないが、通常0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上であり、通常80質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%である。上記範囲とすることで、好適にアンチエイジング効果を奏する皮膚老化防止組成物とすることができる。
また、皮膚老化防止組成物に含有させる皮膚老化抑制剤の種類は、1種類のみでなく2種類以上であってもよい。
皮膚老化抑制用組成物は、化粧品、医薬部外品、食品、医薬品等に適用することが可能であり、それぞれの用途に応じて、適宜必要な成分を含有させることができる。皮膚老化抑制用組成物は、常法に基づいて、本発明の皮膚老化抑制剤および化粧品、医薬部外品、食品、医薬品等に使用される任意成分を配合し、製剤化することで製造することができる。
皮膚老化抑制用組成物は、特に化粧料に適用させることが好ましい。
化粧料に適用される場合、通常化粧料に使用される成分を広く配合することが可能であり、また、その剤形や用途についても、何ら限定されない。
以下、化粧料に適用される場合、化粧料中に含有させることができる成分について説明する。
本発明の皮膚老化抑制用組成物には、本発明の皮膚老化抑制剤以外に、さらに、同じまたは異なる機能を有する有効成分を配合してもよい。
有効成分としては、美白成分、しわ改善成分、抗炎症成分、動植物由来のエキス等が挙げられる。
美白成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、アスコルビン酸グルコシド、3-О-エチルアスコルビン酸、トラネキサム酸、アルブチン、1-トリフェニルメチルピペリジン、1-トリフェニルメチルピロリジン、2-(トリフェニルメチルオキシ)エタノール、2-(トリフェニルメチルアミノ)エタノール、2-(トリフェニルメチルオキシ)エチルアミン、トリフェニルメチルアミン、トリフェニルメタノール、トリフェニルメタンおよびアミノジフェニルメタン、N-(p-トルイル)システイン酸、N-(p-メトキシベンゾイル)システイン酸等が挙げ
られる。さらにその他の美白成分として、N-ベンゾイル-セリン、N-(p-メチルベンゾイル)セリン、N-(p-エチルベンゾイル)セリン、N-(p-メトキシベンゾイル)セリン、N-(p-フルオロベンゾイル)セリン、N-(p-トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N-(2-ナフトイル)セリン、N-(4-フェニルベンゾイル)セリン、N-(p-メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N-(p-メチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N-(2-ナフトイル)セリン メチルエステル、N-ベンゾイル-O-メチルセリン、N-(p-メチルベンゾイル)-O-メチルセリン、N-(p-メチルベンゾイル)-O-アセチルセリン、N-(2-ナフトイル)-O-メチルセリン、ナイアシンアミド、D-パントテニルアルコール等があげられる。
これらの美白成分は、既に市販されているものもあれば、合成により入手することもできる。例えば、3-О-エチルアスコルビン酸は、特開平8-134055号公報に記載の公知の方法で合成することができる。市販品(日本精化製「VCエチル」)もあるので、これらを入手して使用することが可能である。1-トリフェニルメチルピペリジン、1-トリフェニルメチルピロリジン、2-(トリフェニルメチルオキシ)エタノール、2-(トリフェニルメチルアミノ)エタノール、2-(トリフェニルメチルオキシ)エチルアミン、トリフェニルメチルアミン、トリフェニルメタノール、トリフェニルメタン、アミノジフェニルメタンは特許文献WO2010/074052号パンフレットに、N-(o-トルオイル)システイン酸、N-(m-トルオイル)システイン酸、N-(p-トルオイル)システイン酸、N-(p-メトキシベンゾイル)システイン酸、N-(4-フェニルベンゾイル)システイン酸、N-(p-トルオイル)ホモシステイン酸、はWO/2011/058730号パンフレットに、N-ベンゾイル-セリン、N-(p-メチルベンゾイル)セリン、N-(p-エチルベンゾイル)セリン、N-(p-メトキシベンゾイル)セリン、N-(p-フルオロベンゾイル)セリン、N-(p-トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N-(2-ナフトイル)セリン、N-(4-フェニルベンゾイル)セリン、N-(p-メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N-(p-メチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N-(2-ナフトイル)セリン メチルエステル、N-ベンゾイル-O-メチルセリン、N-(p-メチルベンゾイル)-O-メチルセリン、N-(p-メチルベンゾイル)-O-アセチルセリン、N-(2-ナフトイル)-O-メチルセリン等はWO/2011/074643号パンフレットに、それぞれその合成方法が公開されているので、該開示に従い合成することができる。
化粧料における美白成分の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
しわ改善成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、ビタミンAまたはその誘導体、三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na、ナイアシンアミド、シクロヘキシルグリセリン、レチノール、レチナール、レチノイン酸、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールやウルソール酸ベンジルエステル、ウルソール酸リン酸エステル、ベツリン酸ベンジルエステル、ベンジル酸リン酸エステル、N-(p-トルイル)システイン酸、N-(p-メトキシベンゾイル)システイン酸等が挙げられる。
化粧料におけるしわ改善成分の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
動植物由来のエキスとしては、一般的に医薬品、化粧料、食品等に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、アケビエキス、アスナロエキス、アスパラガスエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アーモンドエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アロニアエキス、アンズエキス、イザヨイバラエキス、イチョウエキス、インドキノエキス、ウイキョウエキス、ウドエキス、エイジツエキス、エゾウコギエキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オタネニンジンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オレンジエキス、カキョクエキス、加水分解
コンキオリン液、加水分解シルク、カッコンエキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カンゾウエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、グアバエキス、クジンエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、黒米エキス、クローブエキス、クロレラエキス、クワエキス、ケイケットウエキス、ゲットウヨウエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コケモモエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シラカバ樹皮エキス、スギナエキス、スターフルーツエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センニンコクエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、トゲナシエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、ハトムギ種子エキス、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ヒノキエキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マジョラムエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、緑茶エキス、ライムエキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。
化粧料中における動植物由来エキスの含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
抗炎症成分としては、クラリノン、グラブリジン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、パントテニルアルコール、トラネキサム酸、ナイアシンアミド等が挙げられ、好ましくは、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸アルキルおよびその塩、並びに、グリチルレチン酸およびその塩である。
化粧料中における抗炎症成分の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
化粧料中に含有させることができるその他の成分を、以下に例示する。
油性成分としては、極性油、揮発性炭化水素油等が挙げられる。
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ-2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソス
テアリン酸トリメチロールプロパンを挙げることができる。
さらに、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、オクチル メトキシシンナメート等も挙げられる。
また、天然油として、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
揮発性炭化水素油としては、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。
界面活性剤としては、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、イミダゾリン系両性界面活性剤(2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE-ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE-グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2-オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2-デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、等が挙げられる。
多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ヘキシレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール等が挙げられる。
増粘剤としては、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、
ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸,キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
粉体類としては、表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2-(2’-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類等が挙げられる。
化粧料中には、その他に、水、エタノール、香料、防腐剤、pH調整剤、着色料などを含有させることができる。
また、化粧料として適用される場合の剤型は、通常知られているローション剤形、乳液剤形、エッセンス剤形、クリーム剤形、粉体含有剤形等の何れをも取ることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の例示であり、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
<材料>
評価に使用した植物抽出物は、市販の植物エキスを用いた。すなわち、シソエキス(アミノアップ社)、ラベンダーエキス(丸善製薬社)、セージエキス(一丸ファルコス社)、ローズマリーエキス(香栄興業社)、クマツヅラエキス(セティ社)、ソウハクヒエキス(丸善製薬社)、チョウジエキス(一丸ファルコス社)、ニンジンエキス(丸善製薬社)、ブクリョウエキス(一丸ファルコス社)、ライムエキス(丸善製薬社)を用いた。
評価に使用した化合物は、市販の化合物を用いた。すなわち、ロスマノール(rosmanol)(PhytoLab社)、イソロスマノール(isorosmanol)(Sigma-Aldrich社)、カルノシン酸(carnosic acid)(東京化成株式会社社)、ガルス酸(gallic acid)(Supelco社)を用いた。
<実施例1>シソ目植物エキスによるLINC00942発現促進作用確認試験
老化した細胞として68歳白人由来の真皮線維芽細胞を用いた。
10%FBS含有DMEM培地で継代培養した線維芽細胞を、96ウェルプレートに7000個/ウェルになる様に播種し、37℃、5% CO2環境下で24時間培養した。その後、各植物エキスを表1に示した各濃度(v/v%)含む培地に交換し、さらに24時間培養した。また、溶媒対照として各植物エキスの溶媒を評価エキスと同濃度(v/v%)含む培地で同様に培養した。
培養終了時に、FastLane Cell SYBR Green Kit(キアゲン社 216213)とLINC00942特異的プライマー(キアゲン社 Hs_LINC00942_1_SG)を用いた定量的リアルタイムPCR法により、L
INC00942の発現量を解析し、溶媒対照での発現量を1とした場合の相対値を求めた。各群3ウェルずつ、n=3にて実施した。結果をもとに、溶媒対照群に対するDunnett検定を行い、溶媒対照群と比較して有意に大きい値であるかどうかを評価した。
結果を表1に示す。表1の植物名にて、シソエキスをシソ、ラベンダーエキスをラベンダー、セージエキスをセージ、ローズマリーエキスをローズマリー、クマツヅラエキスをクマツヅラ、ソウハクヒエキスをソウハクヒ、チョウジエキスをチョウジ、ニンジンエキスをニンジン、ブクリョウエキスをブクリョウ、ライムエキスをライムと示した。
Figure 0007578401000003
表1のEtOHはエタノール、BGは1,3-ブチレングリコールを示す。*はp<0.05、**はp<0.01、NSは有意差なしを示す。
上記結果のとおり、シソ目植物抽出物である、シソエキス、ラベンダーエキス、セージエキス、ローズマリーエキス、クマツヅラエキスに優れたLINC00942発現促進作用が認められた。
<実施例2>ロスマノールおよびその類縁体によるLINC00942発現促進作用確認試験
シソ目植物に含まれる各種化合物について、LINC00942の発現促進作用を評価した。
老化した細胞として68歳白人由来の真皮線維芽細胞を用いた。
10%FBS含有DMEM培地で継代培養した線維芽細胞を、96ウェルプレートに7000個/ウェルになる様に播種し、37℃、5% CO2環境下で24時間培養した。その後、DMSOに溶解した評価化合物(表2)を終濃度0.0005%(w/v)含む培地に交換し、さらに24時間培養した。また、溶媒対照としてDMSOを0.1%(v/v%)含む培地で同様に培養した。
培養終了時に、FastLane Cell SYBR Green Kit(キアゲン社 216213)とLINC00942特異的プライマー(キアゲン社 Hs_LINC00942_1_SG)を用いた定量的リアルタイムPCR法により、LINC00942の発現量を解析し、溶媒対照での発現量を1とした場合の相対値を求めた。各群3ウェルずつ、n=3にて実施した。結果をもとに、溶媒対照群に対するDunnett検定を行い、溶媒対照群と比較して有意に大きい値であるかどうかを評価した。
結果を表2に示す。
Figure 0007578401000004
表2のDMSOはジメチルスルホキシドを示す。*はp<0.05、**は p<0.01を示す。
上記結果のとおり、シソ目植物に含まれるロスマノールおよびその類縁体である、ロスマノール、イソロスマノールおよびカルノシン酸に優れたLINC00942の発現促進作用が認められた。
<実施例3>ガルス酸によるLINC00942の発現促進作用とロスマノールとの相乗効果確認試験
上記シソ目植物含有化合物以外にも同様の作用を有する植物含有化合物があるか評価した結果、ガルス酸にLINC00942発現促進作用が認められた。また、ロスマノールとガルス酸との相乗について評価した。
老化した細胞として68歳白人由来の真皮線維芽細胞を用いた。
10%FBS含有DMEM培地で継代培養した線維芽細胞を、96ウェルプレートに7000個/ウェルになる様に播種し、37℃、5% CO2環境下で24時間培養した。その後、DMSOに溶解したロスマノールあるいはガルス酸を終濃度0.0005%(w/v)含む培地に交換し、さらに24時間培養した。または、ロスマノールとガルス酸の両方を各々終濃度0.0005%(w/v)含む培地に交換し、さらに24時間培養した。また、溶媒対照としてDMSOを0.1%(v/v%)含む培地で同様に培養した。
培養終了時に、FastLane Cell SYBR Green Kit(キアゲン社 216213)とLINC00942特異的プライマー(キアゲン社 Hs_LINC00942_1_SG)を用いた定量的リアルタイムPCR法により、LINC00942の発現量を解析し、溶媒対照での発現量を1とした場合の相対値を求めた。各群3ウェルずつ、n=3にて実施した。結果をもとに、溶媒対照群に対するDunnett検定を行い、溶媒対照群と比較して有意に大きい値であるかどうかを評価した。
結果を表3に示す。
Figure 0007578401000005
表3のDMSOはジメチルスルホキシドを示す。***はp<0.001を示す。
上記結果のとおり、ガルス酸にLINC00942の発現促進作用が認められた。更に、ロスマ
ノールとガルス酸を両方添加した場合のLINC00942の相対値は、ロスマノールおよびガルス酸単独添加時のLINC00942の相対値を合計した値(3.63)よりも明らかに高いことが確認された。以上のことから、ロスマノールとガルス酸両方を添加した場合には、それぞれを単独に添加した場合と比較して相乗的な効果があることが確認された。
<被験物質の抗老化効果>
特開2015-130857号公報の実施例等に記載されるとおり、LINC00942の発現促進作用と皮膚老化抑制作用との相関が示されている。
したがって、シソ目植物抽出物、ロスマノールおよびその類縁体、およびガルス酸は、皮膚老化抑制効果を示すものと判断できる。
本発明は、化粧品、医薬部外品、食品、医薬品等に応用できる。

Claims (5)

  1. ロスマノールおよびその類縁体、並びに芳香族ヒドロキシ酸の組合せからなる、LINC00942の発現促進剤であって、
    前記ロスマノールおよびその類縁体が、ロスマノールであり、
    前記芳香族ヒドロキシ酸が、ガルス酸である、発現促進剤。
  2. 請求項1に記載の発現促進剤からなる、皮膚老化抑制剤。
  3. 請求項2に記載の皮膚老化抑制剤を含む、皮膚老化抑制用組成物。
  4. 皮膚老化抑制が、肌弾力性低下防止、しわ防止、たるみ防止、シミ形成防止、くすみ防止および毛穴拡大防止から選ばれる1種または2種以上である、請求項3に記載の組成物。
  5. 医薬部外品を含む化粧料である、請求項3または4に記載の組成物。
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