JP7578401B2 - 皮膚老化抑制剤 - Google Patents
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Description
また、老化した細胞は周囲の細胞に対しても老化細胞様の反応を惹起させる因子を放出し、組織・器官の老化を加速させる。このため、老化細胞を取り除くと個体や組織の老化を遅らすことができ、既に生じた老化症状を改善できることが示唆されている(例えば、非特許文献1参照)。
すなわち、本発明の要旨は以下に関する。
[2] ロスマノールおよびその類縁体が、下記式(I)で表される化合物である、[1]に記載の発現促進剤。
R1およびR2は、それぞれ独立に、水素、酸素、ヒドロキシ、または炭素数1~6のアルキルオキシであり、
R3は、カルボキシ、もしくは炭素数1~6のアルコキシカルボニルであるか、またはR4またはR5と一緒になって-CO-O-であり、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、酸素、ヒドロキシ、もしくは炭素数1~6のアルキルオキシであり、
環に結合する水素は、それぞれ独立に、酸素、炭素数1~6のアルキル、炭素数2~6のアルケニルもしくはアルキニル、または炭素数1~6のアルキルオキシで置換されてもよい。)
[3] ロスマノールおよびその類縁体が、カルノシン酸、ロスマノールおよびイソロスマノールから選ばれる1種または2種以上である、[1]または[2]に記載の発現促進剤。
[4] 芳香族ヒドロキシ酸が、トリヒドロキシ安息香酸である、[1]~[3]のいずれかに記載の発現促進剤。
[5] 芳香族ヒドロキシ酸が、ガルス酸である、[1]~[4]のいずれかに記載の発現促進剤。
[6] ロスマノールおよびその類縁体から選ばれる1種または2種以上、並びに芳香族ヒドロキシ酸から選ばれる1種または2種以上の組合せからなる、LINC00942の発現促進剤。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の発現促進剤からなる、皮膚老化抑制剤。
[8] [7]に記載の皮膚老化抑制剤を含む、皮膚老化抑制用組成物。
[9] 皮膚老化抑制が、肌弾力性低下防止、しわ防止、たるみ防止、シミ形成防止、くすみ防止および毛穴拡大防止から選ばれる1種または2種以上である、[8]に記載の組成物。
[10] 医薬部外品を含む化粧料である、[8]または[9]に記載の組成物。
[11] シソ抽出物、ラベンダー抽出物、セージ抽出物、ローズマリー抽出物、およびクマツヅラ抽出物のいずれか1種または2種以上からなる、LINC00942の発現促進剤。
[12] [11]に記載の発現促進剤からなる、皮膚老化抑制剤。
[13] [12]に記載の皮膚老化抑制剤を含む、皮膚老化抑制用組成物。
[14] 皮膚老化抑制が、肌弾力性低下防止、しわ防止、たるみ防止、シミ形成防止、くすみ防止および毛穴拡大防止から選ばれる1種または2種以上である、[13]に記載の組成物。
[15] 医薬部外品を含む化粧料である、[13]または[14]に記載の組成物。
<LINC00942の発現促進剤>
本発明の一態様は、ロスマノールおよびその類縁体、シソ目植物抽出物および芳香族ヒドロキシ酸から選ばれる1種または2種以上からなる、LINC00942の発現促進剤(以下、「本発明の発現促進剤」ということがある)に関する。
本発明の発現促進剤としては、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
本発明の発現促進剤として用いられるロスマノールおよびその類縁体は、LINC00942の発現促進作用を有するものであれば、限定されない。ロスマノールおよびその類縁体は、シソ、ラベンダー、セージ、ローズマリー、クマツヅラ等のシソ目(Lamiales)植物等に含まれる、ロスマノールおよびロスマノール類縁化合物である。ロスマノールおよびその類縁体の由来は、限定されない。ロスマノールおよびその類縁体は、1種または2種以上の組合せをLINC00942の発現促進剤として使用できる。
炭素数1~6のアルキルオキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ等が挙げられる。
炭素数1~6のアルコキシカルボニルとしては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、n-ペントキシカルボニル、n-ヘキソキシカルボニル等が挙げられる。
アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル等が挙げられる。
アルケニルは、前記アルキルのいずれか1カ所以上に炭素・炭素二重結合を有する炭素数2~6の直鎖状、または分岐鎖状のアルケニルである。例えば、ビニル、1-プロペニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル等が挙げられる。
アルキニルは、前記アルキルのいずれか1カ所以上に炭素・炭素三重結合を有する炭素数2~6の直鎖状、または分岐鎖状のアルキニルである。例えば、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル等である。
アルキルオキシの具体例としては、上記と同様である。
本発明の発現促進剤として用いられるシソ目植物抽出物は、LINC00942の発現促進作用を有するものであれば、限定されない。シソ目植物抽出物は、シソ目の果実、および/または葉、および/または茎、および/または根を、水、および/または有機溶媒で抽出することで得ることができる。
使用可能な有機溶媒として、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール、アセトン等の脂肪族ケトン、ジオキサン、エチルエーテル等の脂肪族エーテル、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の脂肪酸エステル、ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類、およびこれらの溶媒の2種以上の混合物が例示できる。
本発明の発現促進剤として用いられる芳香族ヒドロキシ酸は、LINC00942の発現促進作用を有するものであれば、限定されない。芳香族ヒドロキシ酸としては特に限定されないが、例えば、モノヒドロキシ安息香酸誘導体としてサリチル酸、クレオソート酸(ホモサリチル酸、ヒドロキシ(メチル)安息香酸)、バニリン酸、シリング酸、ジヒドロキシ安息香酸誘導体としてピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、トリヒドロキシ安息香酸誘導体として、ガルス酸、フェニル酢酸誘導体として、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、ケイヒ酸・ヒドロケイヒ酸誘導体として、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸等が挙げられ、これらの異性体であってもよい。芳香族ヒドロキシ酸として、好ましくはトリヒドロキシ安息香酸誘導体であり、より好ましくはガルス酸である。芳香族ヒドロキシ酸は、1種または2種以上の組合せをLINC00942の発現促進剤として使用できる。
上記化合物は、常法に基づいて製造、分離精製されたものを用いることができ、市販されたものを用いることもできる。
本発明のさらなる一態様は、本発明の発現促進剤からなる、皮膚老化抑制剤(以下、「本発明の皮膚老化抑制剤」ということがある)に関する。
本発明の皮膚老化抑制剤は、LINC00942の発現促進作用を有し、肌弾力性改善効果、しわ防止効果、たるみ防止効果、シミ形成防止効果、くすみ防止効果、毛穴拡大防止効果から選択される1種以上の効果を奏し、後述するように化粧料、医薬部外品、食品、医薬品等に配合されることで、アンチエイジング効果を奏する。
本発明のさらなる一態様は、本発明の皮膚老化抑制剤を含む、皮膚老化抑制用組成物(以下、「本発明の組成物」ということがある)に関する。
本発明の皮膚老化抑制用組成物は、本発明の皮膚老化抑制剤を含み、その効果を妨げない限り、さらに化粧料、医薬部外品、食品、医薬品等に使用される成分を含有し、皮膚老化抑制用に用いることができる組成物である。
本発明の皮膚老化抑制用組成物は、化粧料、医薬部外品、食品、医薬品等として適用され、化粧料、医薬部外品、医薬品の場合には肌に組成物を塗布することで皮膚老化抑制用組成物の摂取を行い、食品の場合には、経口により摂取する。
また、皮膚老化防止組成物に含有させる皮膚老化抑制剤の種類は、1種類のみでなく2種類以上であってもよい。
化粧料に適用される場合、通常化粧料に使用される成分を広く配合することが可能であり、また、その剤形や用途についても、何ら限定されない。
本発明の皮膚老化抑制用組成物には、本発明の皮膚老化抑制剤以外に、さらに、同じまたは異なる機能を有する有効成分を配合してもよい。
有効成分としては、美白成分、しわ改善成分、抗炎症成分、動植物由来のエキス等が挙げられる。
られる。さらにその他の美白成分として、N-ベンゾイル-セリン、N-(p-メチルベンゾイル)セリン、N-(p-エチルベンゾイル)セリン、N-(p-メトキシベンゾイル)セリン、N-(p-フルオロベンゾイル)セリン、N-(p-トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N-(2-ナフトイル)セリン、N-(4-フェニルベンゾイル)セリン、N-(p-メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N-(p-メチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N-(2-ナフトイル)セリン メチルエステル、N-ベンゾイル-O-メチルセリン、N-(p-メチルベンゾイル)-O-メチルセリン、N-(p-メチルベンゾイル)-O-アセチルセリン、N-(2-ナフトイル)-O-メチルセリン、ナイアシンアミド、D-パントテニルアルコール等があげられる。
化粧料における美白成分の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
化粧料におけるしわ改善成分の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
コンキオリン液、加水分解シルク、カッコンエキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カンゾウエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、グアバエキス、クジンエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、黒米エキス、クローブエキス、クロレラエキス、クワエキス、ケイケットウエキス、ゲットウヨウエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コケモモエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シラカバ樹皮エキス、スギナエキス、スターフルーツエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センニンコクエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、トゲナシエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、ハトムギ種子エキス、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ヒノキエキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マジョラムエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、緑茶エキス、ライムエキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。
化粧料中における動植物由来エキスの含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
化粧料中における抗炎症成分の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
油性成分としては、極性油、揮発性炭化水素油等が挙げられる。
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ-2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソス
テアリン酸トリメチロールプロパンを挙げることができる。
さらに、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、オクチル メトキシシンナメート等も挙げられる。
また、天然油として、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸,キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
評価に使用した植物抽出物は、市販の植物エキスを用いた。すなわち、シソエキス(アミノアップ社)、ラベンダーエキス(丸善製薬社)、セージエキス(一丸ファルコス社)、ローズマリーエキス(香栄興業社)、クマツヅラエキス(セティ社)、ソウハクヒエキス(丸善製薬社)、チョウジエキス(一丸ファルコス社)、ニンジンエキス(丸善製薬社)、ブクリョウエキス(一丸ファルコス社)、ライムエキス(丸善製薬社)を用いた。
評価に使用した化合物は、市販の化合物を用いた。すなわち、ロスマノール(rosmanol)(PhytoLab社)、イソロスマノール(isorosmanol)(Sigma-Aldrich社)、カルノシン酸(carnosic acid)(東京化成株式会社社)、ガルス酸(gallic acid)(Supelco社)を用いた。
老化した細胞として68歳白人由来の真皮線維芽細胞を用いた。
10%FBS含有DMEM培地で継代培養した線維芽細胞を、96ウェルプレートに7000個/ウェルになる様に播種し、37℃、5% CO2環境下で24時間培養した。その後、各植物エキスを表1に示した各濃度(v/v%)含む培地に交換し、さらに24時間培養した。また、溶媒対照として各植物エキスの溶媒を評価エキスと同濃度(v/v%)含む培地で同様に培養した。
培養終了時に、FastLane Cell SYBR Green Kit(キアゲン社 216213)とLINC00942特異的プライマー(キアゲン社 Hs_LINC00942_1_SG)を用いた定量的リアルタイムPCR法により、L
INC00942の発現量を解析し、溶媒対照での発現量を1とした場合の相対値を求めた。各群3ウェルずつ、n=3にて実施した。結果をもとに、溶媒対照群に対するDunnett検定を行い、溶媒対照群と比較して有意に大きい値であるかどうかを評価した。
結果を表1に示す。表1の植物名にて、シソエキスをシソ、ラベンダーエキスをラベンダー、セージエキスをセージ、ローズマリーエキスをローズマリー、クマツヅラエキスをクマツヅラ、ソウハクヒエキスをソウハクヒ、チョウジエキスをチョウジ、ニンジンエキスをニンジン、ブクリョウエキスをブクリョウ、ライムエキスをライムと示した。
シソ目植物に含まれる各種化合物について、LINC00942の発現促進作用を評価した。
老化した細胞として68歳白人由来の真皮線維芽細胞を用いた。
10%FBS含有DMEM培地で継代培養した線維芽細胞を、96ウェルプレートに7000個/ウェルになる様に播種し、37℃、5% CO2環境下で24時間培養した。その後、DMSOに溶解した評価化合物(表2)を終濃度0.0005%(w/v)含む培地に交換し、さらに24時間培養した。また、溶媒対照としてDMSOを0.1%(v/v%)含む培地で同様に培養した。
培養終了時に、FastLane Cell SYBR Green Kit(キアゲン社 216213)とLINC00942特異的プライマー(キアゲン社 Hs_LINC00942_1_SG)を用いた定量的リアルタイムPCR法により、LINC00942の発現量を解析し、溶媒対照での発現量を1とした場合の相対値を求めた。各群3ウェルずつ、n=3にて実施した。結果をもとに、溶媒対照群に対するDunnett検定を行い、溶媒対照群と比較して有意に大きい値であるかどうかを評価した。
結果を表2に示す。
上記シソ目植物含有化合物以外にも同様の作用を有する植物含有化合物があるか評価した結果、ガルス酸にLINC00942発現促進作用が認められた。また、ロスマノールとガルス酸との相乗について評価した。
老化した細胞として68歳白人由来の真皮線維芽細胞を用いた。
10%FBS含有DMEM培地で継代培養した線維芽細胞を、96ウェルプレートに7000個/ウェルになる様に播種し、37℃、5% CO2環境下で24時間培養した。その後、DMSOに溶解したロスマノールあるいはガルス酸を終濃度0.0005%(w/v)含む培地に交換し、さらに24時間培養した。または、ロスマノールとガルス酸の両方を各々終濃度0.0005%(w/v)含む培地に交換し、さらに24時間培養した。また、溶媒対照としてDMSOを0.1%(v/v%)含む培地で同様に培養した。
培養終了時に、FastLane Cell SYBR Green Kit(キアゲン社 216213)とLINC00942特異的プライマー(キアゲン社 Hs_LINC00942_1_SG)を用いた定量的リアルタイムPCR法により、LINC00942の発現量を解析し、溶媒対照での発現量を1とした場合の相対値を求めた。各群3ウェルずつ、n=3にて実施した。結果をもとに、溶媒対照群に対するDunnett検定を行い、溶媒対照群と比較して有意に大きい値であるかどうかを評価した。
結果を表3に示す。
ノールとガルス酸を両方添加した場合のLINC00942の相対値は、ロスマノールおよびガルス酸単独添加時のLINC00942の相対値を合計した値(3.63)よりも明らかに高いことが確認された。以上のことから、ロスマノールとガルス酸両方を添加した場合には、それぞれを単独に添加した場合と比較して相乗的な効果があることが確認された。
特開2015-130857号公報の実施例等に記載されるとおり、LINC00942の発現促進作用と皮膚老化抑制作用との相関が示されている。
したがって、シソ目植物抽出物、ロスマノールおよびその類縁体、およびガルス酸は、皮膚老化抑制効果を示すものと判断できる。
Claims (5)
- ロスマノールおよびその類縁体、並びに芳香族ヒドロキシ酸の組合せからなる、LINC00942の発現促進剤であって、
前記ロスマノールおよびその類縁体が、ロスマノールであり、
前記芳香族ヒドロキシ酸が、ガルス酸である、発現促進剤。 - 請求項1に記載の発現促進剤からなる、皮膚老化抑制剤。
- 請求項2に記載の皮膚老化抑制剤を含む、皮膚老化抑制用組成物。
- 皮膚老化抑制が、肌弾力性低下防止、しわ防止、たるみ防止、シミ形成防止、くすみ防止および毛穴拡大防止から選ばれる1種または2種以上である、請求項3に記載の組成物。
- 医薬部外品を含む化粧料である、請求項3または4に記載の組成物。
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