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JP7576413B2 - 接合体および基板保持部材 - Google Patents

接合体および基板保持部材 Download PDF

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JP7576413B2
JP7576413B2 JP2020138526A JP2020138526A JP7576413B2 JP 7576413 B2 JP7576413 B2 JP 7576413B2 JP 2020138526 A JP2020138526 A JP 2020138526A JP 2020138526 A JP2020138526 A JP 2020138526A JP 7576413 B2 JP7576413 B2 JP 7576413B2
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Description

本発明は、接合体および基板保持部材に関する。
半導体を製造する際に使用され、内部に設けられたヒータ等の電極に対して外部から給電するための給電端子が接続される導電パッドを備える接合体が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された接合体としてのウェハー支持部材は、Au-Ni系ろう材が被覆された給電端子を備えている。特許文献2には、接合体を備えるウェハー載置装置が記載されている。引用文献2において、ウェハー載置装置が備える電極と給電ロッドとは、Au-Niロウ接合層を介して接合されている。特許文献3には、セラミックス部材と金属接合部材とが、チタンなどの活性金属を含有する接合層により接合された構造が記載されている。
特開2000-49217号公報 特開2017-183329号公報 特開平11-12053号公報
しかしながら、Au-Niろう材は、セラミックスとの濡れ性が悪い。このため、特許文献1,2のように、接合層にAu-Niろう材が用いられた場合、セラミックスを含む表面導電パッドとの接合部に隙間が生じ、接合強度が弱くなるおそれがある。また、特許文献3に記載のように、接合層に活性金属を含有する高ヤング率のろう材が用いられた場合、接合層が脆くなるため、熱サイクル使用時に接合層にクラックが発生し、クラックが伸展して接合体が破損するおそれがある。そのため、より高強度であり、同じ条件で製造された複数のサンプルで接合層のクラックによる接合体の破損の少ない接合体が望まれていた。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、より高強度で接合層のクラックによる接合体の破損の少ない接合体を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。接合体であって、セラミックスを含む受電電極を有するセラミックス部材と、導電性を有する金属端子と、前記セラミックス部材と前記金属端子との間に配置される応力緩和部であって、第1ろう材を介して前記受電電極に接合されると共に、第2ろう材を介して前記金属端子に接合される応力緩和部と、を備え、前記第1ろう材は、ニッケル(Ni)を主成分とし、引張強度が100MPa以上であり、前記第2ろう材は、金(Au)を主成分とし、ヤング率が90GPa以上150GPa以下であることを特徴とする、接合体。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
(1)本発明の一形態によれば、接合体が提供される。この接合体は、セラミックスを含む受電電極を有するセラミックス部材と、導電性を有する金属端子と、前記セラミックス部材と前記金属端子との間に配置される応力緩和部であって、第1ろう材を介して前記受電電極に接合されると共に、第2ろう材を介して前記金属端子に接合される応力緩和部と、を備え、前記第1ろう材は、引張強度が100MPa以上であり、前記第2ろう材は、ヤング率が150GPa以下である。
この構成によれば、受電電極と金属端子との間に応力緩和部が装填されることにより、受電電極と金属端子との材質の違いに起因する熱膨張率の差によって生じる熱応力を減衰させることができる。また、受電電極と応力緩和部とを接合する第1ろう材は、受電電極が共材のセラミックスを有するため、セラミックス部材に対する濡れ性が悪いと、受電電極と応力緩和部との接合部に隙間を生じさせるおそれがある。接合部に隙間が生じると、セラミックス部材と応力緩和部とが十分に接合されず、十分な接合強度が得られない場合がある。この点、本構成の接合体によれば、第1ろう材の引張強度が100MPa以上であるため、受電電極と応力緩和部との接合に十分な強度が得られる。また、応力緩和部と金属端子間の接合材に高ヤング率のろう材が用いられると、応力緩和部と金属端子との熱膨張率の差によって、熱サイクル時に応力緩和部と金属端子間の接合材にクラックが発生して接合体が破損するおそれがある。この点、本構成の接合体によれば、第2ろう材のヤング率は、150GPa以下であるため、熱サイクル時における応力緩和部と金属端子間の接合材のクラックの発生および伸展を抑制できる。すなわち、この構成によれば、より高強度で、第2ろう材のクラックによる接合体の破損が少ない接合体を提供できる。
(2)上記態様の接合体において、前記第2ろう材は、ヤング率が90GPa以上であってもよい。
第2ろう材のヤング率が低すぎると、第2ろう材に変形が起こりやすく引張強度が低下する可能性がある。この点、本構成の接合体によれば、第2ろう材のヤング率は90GPa以上であるため、接合体がより高い引張強度を有することができる。
(3)上記態様の接合体において、前記第1ろう材は、ニッケル(Ni)を主成分としてもよい。
この構成によれば、第1ろう材は、Niを主成分とするため、より高い強度を有している。そのため、より高い引張強度を有する接合体を提供できると共に、ろう付け時および熱サイクル時のクラックの発生および伸展を抑制できる。
(4)上記態様の接合体において、前記第1ろう材は、リン(P)を含んでいてもよい。
この構成によれば、第1ろう材がPを含むことにより、第1ろう材の液相出現温度が低下する。そのため、接合体の製造において、より低い温度で受電電極と応力緩和部とを接合できるため、接合体を製造しやすくなる。
(5)上記態様の接合体において、前記第1ろう材は、クロム(Cr)を含んでいてもよい。
この構成によれば、第1ろう材がCrを含むことにより、第1ろう材の強度および高温耐酸化性が向上する。そのため、接合体が長時間大気中に放置された場合における、金属端子の外れを抑制できる。
(6)上記態様の接合体において、前記第2ろう材は、金(Au)を主成分としてもよい。
この構成によれば、第2ろう材がAuを含むことにより、第2ろう材のヤング率が低くなり、第2ろう材が柔軟性を有するため、耐クラック性を有する。
(7)上記態様の接合体において、前記第2ろう材は、ニッケル(Ni)を含んでいてもよい。
この構成によれば、第2ろう材はNiを含むため、Niを含んでいない第2ろう材と比較して、液相出現温度が低くなる。このように、第2ろう材の液相出現温度が低くなることにより、第1ろう材による接合と第2ろう材による接合とを同時に実施可能となるため、接合体をより容易に製造できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、接合体、基板保持装置、半導体製造装置、セラミックスヒータ、およびこれらを備える部品、およびこれらの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の実施形態としての接合体を備える基板保持部材の概略断面図である。 受電電極と第2給電ロッドとの接合についての説明図である。 第1ろう材および第2ろう材が異なる接合体の実施例1~6および比較例1~5の物性についての説明図である。 接合体の製造方法のフローチャートである。 セラミックス部材の製造方法のフローチャートである。
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態としての接合体10を備える基板保持部材100の概略断面図である。基板保持部材100は、プラズマエッチングやイオン注入、電子ビーム露光等を行う半導体製造装置の一部である。基板保持部材100は、半導体ウェハーW(以下、単に「ウェハーW」とも呼ぶ)の固定・平面度矯正・搬送等を行い、かつ、ウェハーWを所定の温度に加熱する加熱装置として利用される。
図1に示されるように、基板保持部材100は、載置面10FでウェハーWを保持する接合体10と、接合体10の載置面10Fの反対側に接続されている中空のシャフト20と、を備えている。接合体10は、セラミックスを含む受電電極(図1では不図示)を有するセラミックス部材11と、セラミックス部材11内に配置された抵抗発熱体13と、受電電極に電力を供給するための導電性の第2給電ロッド(金属端子)15と、を備えている。
セラミックス部材11は、例えばアルミナ、窒化アルミニウム、YAG、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、イットリア、スピネル、ムライト、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウムといったセラミックスにより形成されている。受電電極は、W(タングステン)とセラミックスとで形成されている。抵抗発熱体13は、ビア導体(図1では不図示)と受電電極と第2給電ロッド15とを介して電力が供給され、接合体10が保持しているウェハーWを加熱するためのヒータ電極として機能する。図1では分割して示されている抵抗発熱体13は、電気的に直列に接続されている。なお、図1に示される矩形状の抵抗発熱体13は、簡略化されて示されたものである。
第2給電ロッド15は、シャフト20内に配置されて、一端が抵抗発熱体13に接続されて、他端が図示されていないヒータ電源に接続されている。なお、図1では、第2給電ロッド15と抵抗発熱体13との接続の詳細について図示されていないが、接続の詳細については、受電電極およびビア導体の形状も合わせて、図2と共に説明する。
図2は、受電電極12と第2給電ロッド15との接合についての説明図である。図2には、図1のX1部を拡大した概略断面図である。図2に示されるように、接合体10は、受電電極12と、受電電極12と抵抗発熱体13とを電気的に接続しているビア導体14と、セラミックス部材11と第2給電ロッド15との間に配置された応力緩和部16と、を備えている。応力緩和部16は、セラミックス部材11と第2給電ロッド15とを電気的に接続する。図2に示されるように、応力緩和部16は、第1ろう材17を介して受電電極12に接合されると共に、第2ろう材18を介して第2給電ロッド15に接合されている。なお、図2では、抵抗発熱体13の図示を省略し、抵抗発熱体13側のビア導体14の一部の図示を省略している。
本実施形態の応力緩和部16は、Wを主成分とし、結合相としてNi(ニッケル)と、鉄と、銅とを少なくとも一種類含むタングステン基焼結合金である。図2に示されるように、応力緩和部16の一部は、セラミックス部材11に凹むように形成された凹部11Mに挿入されている。凹部11Mおよび応力緩和部16の中心軸OLに対する横断面は、略円形状である。応力緩和部16の横断面は凹部11Mの横断面よりも小さいため、応力緩和部16の側面16Sと、凹部11Mとの間には間隙が形成されている。
受電電極12は、凹部11Mで一部が露出していて、第1ろう材17により応力緩和部16と接合されている。一方で、応力緩和部16は、中心軸OLに沿って第1ろう材17の反対側の面で、第2ろう材18により第2給電ロッド15に接合されている。本実施形態の第2給電ロッド15は、柔軟性のある純ニッケルで形成されている。
本実施形態の第1ろう材17は、引張強度が100MPa以上の材料で形成されている。また、本実施形態の第2ろう材18は、ヤング率が150GPa以下の材料で形成されている。第1ろう材17および第2ろう材18は、耐酸化性を有している。
図3は、第1ろう材17および第2ろう材18が異なる接合体10の実施例1~6および比較例1~5の物性についての説明図である。図3には、実施例1~6および比較例1~5における第1ろう材17および第2ろう材18の材質および物性と、強度試験の評価結果とが示されている。具体的には、第1ろう材17および第2ろう材18の材質として、合金名の規格(MBF-67(Ni系アモルファスろう材)、MBF-64(Ni系アモルファスろう材)、BNi-7(JIS規格)、BNi-9(JIS規格)、BAu-4(JIS規格))またはその他の記載(実施例5および比較例の第2ろう材)が示されている。図3には、第1ろう材17および第2ろう材18の材質に加えて、さらに、各材質の主成分および含有元素も示されている。MBF-67、MBF-64、BNi-7、およびBNi-9は、いずれも主成分(50%以上の成分)として、Niを含む合金である。また、BAu-4は、主成分としてAu(金)を含む合金である。なお、実施例5の第2ろう材18は、BAu-4に、活性金属としてのTi(チタン)を1重量%添加した材質である。比較例3の第2ろう材18は、Auである。
また、図3には、第1ろう材17および第2ろう材18の物性として、第1ろう材17の液相出現温度および引張強度と、第2ろう材18の液相出現温度およびヤング率と、が示されている。液相出現温度は、第1ろう材17または第2ろう材を加熱した場合に、液相が出現し始める温度である。
また、図3には、実施例1~6および比較例1~5に対する強度試験の評価結果として、第1ろう材17および第2ろう材18を用いてセラミックス部材11と第2給電ロッド15とを接合した場合のクラック発生の有無と、接合体10に対する熱サイクル試験時のクラック発生の有無およびクラック伸展と、接合体10に対する引張強度試験の結果と、接合体10を大気中に放置した場合の耐酸化性の評価結果と、が示されている。
ろう付け時のクラック発生の有無では、同条件で製造した複数のサンプルの内、クラックが全く発生していないサンプルを「○」と判定し、クラックの発生率が0%よりも高く50%未満であるサンプルを「△」と判定し、クラックの発生率が50%以上のサンプルを「×」と判定した。
接合体10に対する熱サイクル試験では、窒素雰囲気下で室温(25℃)から700℃までの昇温および降温を300回行った。クラックの発生については、所定回数(例えば50サイクル)毎に確認し、クラックの伸展については確認されたクラックが伸展しているか否かによって判定した。熱サイクル試験時のクラックの発生の評価については、ろう付け時の評価と同じである。クラックの伸展の評価については、確認されたクラックの伸展が20%未満のサンプルを「○」と評価し、クラックの伸展が20%以上のサンプルを「×」と判定した。なお、実施例1~5のサンプルについては、クラックの発生が確認されたなかったため、クラックの伸展は「-」と表示した。
引張強度試験の評価では、ろう付け後のサンプルに対して、第2給電ロッド15の長手方向としての中心軸OLに沿って引張試験を行い、20kgfの荷重を加えても第1ろう材17および第2ろう材18の接合が外れなかったサンプルを「○」と判定し、複数のサンプルの内の1つでも接合が外れたサンプルを「×」と判定した。
耐酸化性試験の評価では、550℃の大気中に1000時間放置した複数のサンプルにおいて、いずれのサンプルでも第2給電ロッド15が外れなかった接合体10を「○」と判定し、複数のサンプルのうちの一部のサンプルの第2給電ロッド15が外れた接合体10を「△」と判定し、評価した全てのサンプルで第2給電ロッド15が外れた接合体10「×」と判定した。
図3に示されるように、実施例1~6の各接合体10に用いられる第1ろう材17の引張強度が110MPa以上であり、かつ、第2ろう材18のヤング率が150GPa以下である。一方で、比較例1~6の各接合体では、第1ろう材17の引張強度が110MPa未満の条件と、第2ろう材18のヤング率が150GPaを超える条件との少なくとも一方を満たしている。
図3に示されるように、実施例1~5の接合体10では、いずれのサンプルにもクラックが発生しておらず、かつ、引張強度試験の結果も良好である。さらに、実施例1~3および実施例5については、耐酸化性の評価結果も良好である。実施例6では、ろう付け時のクラック発生がなく、熱サイクル時でのクラック発生があるもののクラックの伸展がない。また、実施例6の引張強度試験の結果は良好である。さらに、実施例6の耐酸化性の評価結果も良好である。
比較例1~5は、第1ろう材17の引張強度が100MPa未満の条件と、第2ろう材18のヤング率が150GPaよりも高い条件との少なくとも一方を満たしている。その結果、比較例2のサンプルでは、ろう付け時にクラックが発生しているサンプルがある。また、熱サイクル試験では、比較例1,2,4のサンプルの50%以上でクラックが発生し、その内の比較例2,4では、発生したクラックが20%以上伸展している。また、引張強度試験では、比較例2,3,5のサンプルでは、第1ろう材17または第2ろう材18の接合が外れている。さらに、耐酸化性試験では、比較例1,4,5のサンプルでは、50%以上のサンプルで第2給電ロッド15が外れてしまっている。
図4は、接合体10の製造方法のフローチャートである。図4に示される接合体10の製造フローでは、初めに、受電電極12を有するセラミックス部材11が作製される(ステップS10)。次に、作製されたセラミックス部材11内の受電電極12と、第2給電ロッド15とが接合されて(ステップS20)、接合体10が製造される。
図5は、セラミックス部材11の製造方法のフローチャートである。図5に示されるように、セラミックス部材11の製造フローでは、初めに、セラミックス部材11の元となるグリーンシート用のスラリーが作製される(ステップS11)。本実施形態では、窒化アルミニウム(AlN)粉末100重量部に、酸化イットリウム(Y23(イットリア))粉末0.5重量部と、アクリル系バインダ20重合部と、適量の分散剤および可塑剤とが加えられた混合物に、有機溶剤(例えばトルエン)が加えられる。この混合物が、ボールミルにて20時間混合されることにより、グリーンシート用スラリーが作製される。
キャスティング装置により、作製されたスラリーがシート上に成形され、乾燥させられてグリーンシートが作製される(ステップS12)。作製されたグリーンシートに設けられた貫通孔に電極用ペーストが印刷されることにより、グリーンシートにビア導体14が形成される(ステップS13)。
ビア導体14が形成されたグリーンシートには、ヒータや分配等の電極パターンを有する受電電極12が形成される(ステップS14)。受電電極12は、メタライズ層の印刷および貫通孔を設けた後のビアの印刷により形成される。メタライズ層の印刷に用いられるペーストは、例えば、WやMoの粉末と、窒化アルミニウム粉末と、アクリル系バインダと、テルピネオール等の有機溶剤とを混合したペーストである。なお、ペーストとして混合される窒化アルミニウム粉末の量は、WおよびMoの量に対して調整される。
受電電極12が形成された複数(例えば20枚)のグリーンシートが積層されることにより、グリーンシート積層体(例えば厚さ8mm)が作製される(ステップS15)。グリーンシート積層体は、複数のグリーンシートが圧着され、必要に応じて外周が切断されることにより作製される。グリーンシート積層体は、マシニングにより周囲が切削加工されて、円板状の成形体として作製される。
作製された成形体の積層体は、450℃~600℃の範囲で脱脂された後、焼成される(ステップS16)。これにより、受電電極12を有するセラミックス部材11が作製され、セラミックス部材11の製造フローが終了する。
図4のステップS20では、作製されたセラミックス部材11の受電電極12と応力緩和部16との間に第1ろう材17(例えばMBF-67)を挟み、かつ、応力緩和部16と第2給電ロッド15との間に第2ろう材18(例えばBAu-4)を挟んだ状態で、加熱されることによりろう付けによる接合が行われる(ステップS20)。加熱条件としては、例えば、真空中において、10分間(min)~30分間で950℃~1150℃で加熱する。
なお、受電電極12と応力緩和部16との間、および、応力緩和部16と第2給電ロッド15との間に、ろう材を挟む代わりに、ろう材ペーストを塗布してもよい。また、第1ろう材17および第2ろう材18は、同じ加熱条件でろう付けされなくてもよく、例えば、第1ろう材17がろう付けされた後に、異なる加熱条件で第2ろう材18がろう付けされてもよい。図3に示される実施例5のろう付け接合では、第1段階として応力緩和部16と第2給電ロッド15とをろう付けした後に、第2段階として第1段階よりも低い温度で受電電極12と応力緩和部16とをろう付けしている。また、実施例6のろう付け接合では、第1段階として受電電極12と応力緩和部16とをろう付けした後に、第2段階として第1段階よりも低い温度で応力緩和部16と第2給電ロッド15とをろう付け接合している。
以上説明したように、本実施形態の接合体10は、セラミックス部材11と第2給電ロッド15との間に配置される応力緩和部16を備えている。応力緩和部16は、第1ろう材17を介してセラミックス部材11が有する受電電極12に接合されると共に、第2ろう材18を介して第2給電ロッド15に接合されている。受電電極12と第2給電ロッド15との間に応力緩和部16が装填されることにより、低熱膨張の受電電極12と高熱膨張の第2給電ロッド15との材質の違いに起因する熱膨張率の差によって生じる熱応力を減衰させることができる。また、表面電極12と応力緩和部16とを接合する第1ろう材17は、受電電極12が共在のセラミックスを有するため、セラミックス部材11に対する濡れ性が悪いと、受電電極12と応力緩和部16との接合部に隙間を生じさせるおそれがある。接合部に隙間が生じると、セラミックス部材11と応力緩和部16とが十分に接合されず、十分な接合強度が得られない場合がある。それに対し、本実施形態の第1ろう材17の引張強度が100MPa以上であるため、受電電極12と応力緩和部16との接合に十分な強度が得られる。また、応力緩和部16と第2給電ロッド15間の接合材に高ヤング率のろう材を用いられると、応力緩和部16と第2給電ロッド15との熱膨張の差によって、図3の比較例1,2,4に示されるように、熱サイクル試験時にろう材にクラックが発生して接合体10が破損するおそれがある。それに対し、本実施形態の第2ろう材18のヤング率は、150GPa以下であるため、図3の実施例1~6に示されるように、熱サイクル試験時におけるろう材にクラックの発生および伸展を抑制できる。すなわち、本実施形態によれば、より高強度で、第2ろう材18のクラックによる破損の少ない接合体10を提供できる。
また、第2ろう材18のヤング率が低すぎると、図3に示される比較例3のように、第2ろう材18に変形が起こりやすく引張強度が低下する可能性がある。それに対し、本実施形態の第2ろう材18のヤング率は、実施例1~6に示されるように110MPa(>90MPa)以上である。そのため、本実施形態の接合体10が、より高い引張強度を有することができる。
また、実施例1~6の第1ろう材17は、Niを主成分とするため、より高い強度を有している。その結果、本実施形態の接合体10は、より高い引張強度を有すると共に、ろう付け時および熱サイクル試験時の接合体10に対するクラックの発生および伸展を抑制できる。
また、実施例1~5の第1ろう材17の材質(MBF-67、MBF-64、BNi-7)はP(リン)を含んでいるため、第1ろう材17の液相出現温度が低下する。そのため、実施例1~5の接合体10の製造において、より低い温度で受電電極12と応力緩和部16とを接合できるため、接合体10を製造しやすくなる。
また、実施例1~6の第1ろう材17の材質(MBF-67、MBF-64、BNi-7、BNi-9)はCr(クロム)を含んでいるため、第1ろう材17の強度および高温耐酸化性が向上する。そのため、本実施形態の接合体10は、長時間大気中に放置された場合の第2給電ロッド15の外れを抑制できる。
また、実施例1~6の第2ろう材18は、Auを主成分とするため、ヤング率が低く、柔軟性を有する。その結果、本実施形態の接合体10は、耐クラック性を有する。
また、Auを主成分とする実施例1~4の第2ろう材18は、Niを含んでいるため、Niを含んでいない比較例3の第2ろう材よりも液相出現温度が低くなる。このように、第2ろう材18の液相出現温度が低くなることにより、第1ろう材17による接合と第2ろう材18による接合とを実施可能となるため、接合体10をより容易に製造できる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では接合体10の一例について説明したが、接合体10は、セラミックス部材11と第2給電ロッド15との間に配置される応力緩和部16を備え、第1ろう材17の引張強度が100MPa以上、かつ、第2ろう材18のヤング率が150GPa以下の範囲で種々変形可能である。例えば、セラミックス部材11、第2給電ロッド15、応力緩和部16、第1ろう材17、および第2ろう材18の形状および材質については変形可能である。接合体10の載置面10Fには、ウェハーWを保持しやすいような加工が施されていてもよい。
図3に示される実施例1~6の各パラメータは、接合体10の一例であり、例えば、第1ろう材17の材質については、引張強度が100MPa以上の範囲で変形可能である。また、第2ろう材18の材質についても、ヤング率が150GPa以下の範囲で変形可能である。実施例1~6の内、第1ろう材17の引張強度が最小の実施例2では、引張強度が110MPaであったが、変形例の第1ろう材17の引張強度は、例えば100MPaであってもよい。また、実施例1~6の内、第2ろう材18のヤング率が最大の実施例5では、ヤング率が130MPaであったが、変形例の第2ろう材18のヤング率は、例えば150GPaであってもよい。なお、第2ろう材18のヤング率は、130GPa以下がより好ましい。また、第2ろう材18のヤング率は、90GPa以上がより好ましい。
第2給電ロッド15は、低熱膨張の鉄-ニッケル-コバルト合金(コバール:登録商標)であってもよいし、ニッケル-リンめっきした銅で形成されていてもよい。第2給電ロッド15は、ニッケル-リンめっきした銅で形成されると、低抵抗かつ非磁性で、柔軟性および耐酸化性を有し、濡れを促進させる。また、第2給電ロッド15の材質として、純銅が用いられてもよい。
第1ろう材17と第2ろう材18との少なくとも一方は、中心軸OLに対する横断面に加えて、応力緩和部16の側面16Sに回り込んでいてもよいし、横断面の一部に接合していてもよい。第1ろう材17および第2ろう材18による接合部は、応力緩和部16等の形状に応じて変化してもよい。例えば、受電電極12は、凹部11Mに形成されずに、板状のセラミックス部材11の表面に、一部が露出するように形成されてもよい。応力緩和部16および第2給電ロッド15の横断面は、円形状である必要はなく、矩形状であってもよいし、一方が矩形状で、他方が円形状であってもよい。
接合体10を備える基板保持部材100は、接合体10を備える範囲で種々変形可能である。例えば、基板保持部材100は、シャフト20を備えていなくてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
10…接合体
10F…載置面
11…セラミックス部材
11M…凹部
12…受電電極
13…抵抗発熱体
14…ビア導体
15…第2給電ロッド(金属端子)
16…応力緩和部
16S…応力緩和部の側面
17…第1ろう材
18…第2ろう材
20…シャフト
100…基板保持部材
OL…中心軸
W…ウェハー

Claims (5)

  1. 接合体であって、
    セラミックスを含む受電電極を有するセラミックス部材と、
    導電性を有する金属端子と、
    前記セラミックス部材と前記金属端子との間に配置される応力緩和部であって、第1ろう材を介して前記受電電極に接合されると共に、第2ろう材を介して前記金属端子に接合される応力緩和部と、
    を備え、
    前記第1ろう材は、ニッケル(Ni)を主成分とし、引張強度が100MPa以上であり、
    前記第2ろう材は、金(Au)を主成分とし、ヤング率が90GPa以上150GPa以下であることを特徴とする、接合体。
  2. 請求項1に記載の接合体であって、
    前記第1ろう材は、リン(P)を含むことを特徴とする、接合体。
  3. 請求項に記載の接合体であって、
    前記第1ろう材は、クロム(Cr)を含むことを特徴とする、接合体。
  4. 請求項1に記載の接合体であって、
    前記第2ろう材は、ニッケル(Ni)を含むことを特徴とする、接合体。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の接合体を備えることを特徴とする、基板保持部材。
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