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JP7575683B2 - 高炉用含炭塊成鉱及びそれを用いた高炉の操業方法 - Google Patents

高炉用含炭塊成鉱及びそれを用いた高炉の操業方法 Download PDF

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Description

本発明は、高炉用含炭塊成鉱及びそれを用いた高炉の操業方法に関する。
鉄鋼業においては、高炉法が銑鉄製造工程の主流を担っている。高炉法においては、高炉の炉頂から高炉用鉄系原料(主として焼結鉱)及びコークスを高炉内に交互かつ層状に装入する一方で、高炉下部の羽口から熱風を高炉内に吹き込む。熱風は、熱風とともに吹き込まれる微粉炭、及び、高炉内のコークスと反応することで、高温の還元ガス(ここでは主としてCOガス)を発生させる。すなわち、熱風は、コークス及び微粉炭をガス化させる。還元ガスは、高炉内を上昇し、鉄系原料を加熱しながら還元する。鉄系原料は、高炉内を降下する一方で、還元ガスにより加熱及び還元される。その後、鉄系原料は溶融し、コークスによってさらに還元されながら高炉内を滴下する。鉄系原料は、最終的には炭素を5質量%弱含む溶銑(銑鉄)として炉床部に溜められる。炉床部の溶銑は、出銑口から取り出され、次の製鋼プロセスに供される。したがって、高炉法では、コークス及び微粉炭等の炭材を還元材として使用する。
ところで、近年、地球温暖化防止が叫ばれ、温室効果ガスの一つである二酸化炭素(COガス)の排出量削減が社会問題になっている。上述したように、高炉法では、還元材として炭材を使用するので、大量のCOガスを発生する。したがって、鉄鋼業はCOガス排出量において主要な産業のひとつとなっており、その社会的要請に応えねばならない。具体的には、高炉操業での更なる還元材比(溶銑1トンあたりの還元材使用量であり、RARとも称される)の削減が急務となっている。
還元材比を低減させるための技術の1つとして、含炭塊成鉱を焼結鉱の一部に代替して使用することが知られている。ここに、含炭塊成鉱は、鉄鉱石等の酸化鉄原料と炭材とを配合し、塊成化させたものである。含炭塊成鉱においては、酸化鉄原料と炭材とが近接しているため、カップリング効果により炭材中のカーボン(C成分)がガス化しやすい。このため、含炭塊成鉱を高炉用鉄系原料として使用することで、還元材比の低減が期待される。
一方で、金属鉄にカーボンのガス化促進(カーボン反応性促進)の触媒作用があることはよく知られている。このような金属鉄の触媒作用を利用したフェロコークスも広く検討されている。フェロコークスは、例えば低品位の石炭と鉄鉱石とを混合して成型した後、空気を遮断した状態で加熱することで製造される。
特許文献1及び非特許文献1、2には、含炭塊成鉱及びフェロコークスの技術を併用した技術、すなわち含炭塊成鉱にさらに金属鉄(M.Fe)を混合する技術が開示されている。
特開2012-92389号公報
井口ほか:鉄と鋼、88巻(2002年)、9号、P.479-486 西村ほか:CAMP-ISIJ、18巻(2005年)、P.929
しかし、金属鉄を含有する含炭塊成鉱において、金属鉄とカーボンとの好適な組み合わせ条件はこれまで全く知られておらず、上述した含炭塊成鉱及びフェロコークスの利点を十分に生かしているとは言い難かった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、還元材比をより低減することが可能な高炉用含炭塊成鉱及びそれを用いた高炉の操業方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、カーボン、金属鉄、及び酸化鉄を合計で70質量%以上含有する高炉用含炭塊成鉱であって、カーボンの含有量が高炉用含炭塊成鉱の総質量に対して15~25質量%であり、金属鉄とカーボンの質量比が0.4~0.8であることを特徴とする、高炉用含炭塊成鉱が提供される。
本発明の他の観点によれば、上記の高炉用含炭塊成鉱を用いた高炉の操業方法であって、高炉用含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を5~30kg/t-HMとすることを特徴とする、高炉の操業方法が提供される。
本発明の上記観点によれば、還元材比をより低減することが可能な高炉用含炭塊成鉱及びそれを用いた高炉の操業方法を提供することができる。
本実施形態に係る金属鉄とカーボンとの組み合わせの範囲と従来の範囲とを対比して示すグラフである。 金属鉄とカーボンの好ましい質量比を説明するためのグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。本発明者は、金属鉄を含む高炉用含炭塊成鉱(以下、単に「含炭塊成鉱」とも称する)の組成について鋭意検討し、その結果、金属鉄とカーボンとの好適な組み合わせ条件を見出すことができた。そして、本発明者は、このような知見の下、本実施形態に係る含炭塊成鉱及びそれを用いた高炉の操業方法に想到することができた。なお、本実施形態において、「カーボン」とは、含炭塊成鉱等に使用される「炭材」そのものではなく、「炭材」に含まれる「炭素(C)成分」を意味するものとする。「酸化鉄」には、ウスタイト(FeO)、マグネタイト(Fe)及びヘマタイト(Fe)が含まれる。また、本実施形態に係る単位の「/t-HM」は、溶銑1トンの製造に必要な量、いわゆる原単位を示す。本実施形態において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。以下、本実施形態に係る含炭塊成鉱及びそれを用いた高炉の操業方法について詳細に説明する。
<1.含炭塊成鉱の組成>
本実施形態に係る含炭塊成鉱は、少なくともカーボン、金属鉄、及び酸化鉄を合計で含炭塊成鉱の総質量に対して70質量%以上含有する。この条件が満たされない場合、還元材比を十分に低減することができない。つまり、含炭塊成鉱は、主にカーボン、金属鉄、及び酸化鉄で構成されるが、残部はスラグ(CaO、SiO、Al等)、結晶水などで構成される。カーボン、金属鉄、及び酸化鉄の含有量が少ないことは、その分スラグ成分が増加することになる。したがって、高炉内でスラグ成分の溶解に必要な還元材が増大し、ひいては還元材比が増大する。
さらに、本実施形態に係る含炭塊成鉱では、カーボンの含有量が高炉用含炭塊成鉱の総質量に対して15~25質量%である。カーボンの含有量がこの範囲内の値となる場合に、カーボンによる効果が効果的に現れ、ひいては、還元材比が低減する。ここに、カーボンによる効果としては、酸化鉄にカーボンが近接することによるカーボンのガス化促進効果(所謂カップリング効果)、金属鉄の触媒作用によるカーボンのガス化促進効果等が挙げられる。カーボン含有量の好ましい上限値は20質量%である。つまり、カーボン含有量は、好ましくは15~20質量%である。
カーボンの含有量が15質量%未満となる場合、カーボンによる効果を十分に享受できず、還元材比が十分に低減しない。つまり、含炭塊成鉱からは還元ガス(CO)が容易に発生するため、還元材比の低減に寄与する。しかし、カーボンの含有量が15質量%未満となる場合、そもそも含炭塊成鉱から発生する還元ガス自体が少なくなるので、還元材比が十分に低減しない。
一方、カーボンの含有量が25質量%を超えると、含炭塊成鉱中の酸化鉄の含有量、すなわち被還元酸素量(酸化鉄に結合した酸素量)が極端に少なくなる。このため、カーボンによる効果を十分に享受できない。つまり、含炭塊成鉱からは還元ガス(CO)が容易に発生する。しかし、カーボンの含有量が25質量%を超えると、還元ガスの直近に存在する被還元酸素が少なくなるため、還元ガスによる効果を十分に享受できない。すなわち、カーボンによる効果を十分に享受できない。さらに、カーボンの含有量が25質量%を超えると、含炭塊成鉱の熱間強度が低下して、操業が不安定化する可能性もある。これらの結果、還元材比が十分に低減しないのみならず、かえって上昇してしまう可能性もある。
さらに、金属鉄とカーボンの質量比(M.Fe/T.C)が0.4~0.8である。この場合、金属鉄の触媒作用によるカーボンのガス化促進効果が十分に得られ、還元材比が低減する。金属鉄とカーボンの質量比が0.4未満となる場合、カーボンのガス化促進効果が十分に得られず、特に50~150kg/t-HMで高炉操業を行う場合に、還元材比が十分に低減しない。一方、金属鉄とカーボンの質量比が0.8を超える場合、カーボン量が相対的に低くなり、カーボンによる効果を十分に享受できない。つまり、金属鉄は十分に存在するのでカーボンのガス化は十分に促進されるが、そもそも発生する還元ガス自体が少なくなるので、還元材比が十分に低減しない。すなわち、カーボンによる効果を十分に享受できない。金属鉄とカーボンの質量比(M.Fe/T.C)の好ましい下限値は0.5であり、好ましい上限値は0.7である。
図1は、本実施形態に係る金属鉄とカーボンとの組み合わせの範囲と従来の範囲とを対比して示すグラフである。
図1の横軸は含炭塊成鉱に含まれるカーボン(T.C)の含有量(質量%)を示し、縦軸は含炭塊成鉱に含まれる金属鉄(M.Fe)の含有量(質量%)を示す。グラフL1はM.Fe/T.C=0.8を示し、グラフL2はM.Fe/T.C=0.4を示す。グラフL3、L4はそれぞれカーボン含有量=15質量%、25質量%を示す。したがって、グラフL1~L4で囲まれる領域A1が本実施形態に係る含炭塊成鉱が満たすべき条件(金属鉄とカーボンとの組み合わせ条件)を示す。
一方、領域Bは非特許文献2に開示された範囲を示し、点C1、点C2、及びこれらを連結するグラフCは特許文献1に開示された範囲を示す。図示は省略するが、非特許文献1では、概ねカーボン含有量を10質量%程度としている。したがって、いずれの範囲も本実施形態に係る含炭塊成鉱が満たすべき範囲を外れている。
図2は、含炭塊成鉱に含まれる金属鉄とカーボンの好ましい質量比を説明するためのグラフである。具体的には、図2は、含炭塊成鉱に含まれる金属鉄とカーボンとの質量比(M.Fe/T.C)と、還元材比RAR(kg/t-HM)との関係を含炭塊成鉱に含まれるカーボン含有量(含炭塊成鉱の総質量に対する質量%)毎に示す。図2の横軸は含炭塊成鉱に含まれる金属鉄とカーボンの質量比(M.Fe/T.C)を示し、縦軸は還元材比RAR(kg/t-HM)を示す。還元材比は後述の実施例で測定された値である。なお、実施例では高炉を模擬したBIS炉(内藤ほか:鉄と鋼、87巻(2001年)、No.5、P.357-364)により還元材比を測定した。詳細な試験条件は後述する実施例と同様とし、含炭塊成鉱由来のカーボン原単位は20kg/t-HMとした。
点P10はカーボン含有量=15質量%となる場合におけるM.Fe/T.C及び還元材比の測定値を示し、グラフL10は点P10を連結したグラフである。点P20はカーボン含有量=25質量%となる場合におけるM.Fe/T.C及び還元材比の測定値を示し、グラフL20は点P20を連結したグラフである。グラフL30、L40はそれぞれM.Fe/T.C=0.4、0.8を示す。グラフL10~L40で囲まれる領域A2が本実施形態に係る含炭塊成鉱が満たすべき条件(金属鉄とカーボンとの組み合わせ条件)を示す。点P30は含炭塊成鉱を使用しないベース操業(カーボン含有量=0質量となる操業)を示す。図1及び図2から明らかな通り、領域A1、A2の条件を満たす場合、還元材比がカーボン含有量=0質量となる操業と比べて大きく低減していることがわかる。また、カーボン含有量が同一の条件下で比較してみると、金属鉄とカーボンとの質量比(M.Fe/T.C)が0.4~0.8となる場合に、還元材比が大きく低減していることがわかる。つまり、本実施形態の目的は、含炭塊成鉱中のカーボンを如何に効率よく使用するかという点にあるので、カーボン含有量が同一となる含炭塊成鉱同士で還元材比の低減効果を比較する必要がある。
含炭塊成鉱は上記の条件を満たしていればよいが、さらにC/Oが1.0~2.0程度であってもよい。この場合、還元材比がさらに低減される場合がある。なお、C/O中のCは含炭塊成鉱中のカーボンを示し、Oは含炭塊成鉱中の被還元酸素を示す。C/Oはこれらのモル比を示す。また、含炭塊成鉱の粒度も特に制限されず、従来の含炭塊成鉱と同程度であってもよい。例えば、含炭塊成鉱の粒度は5~15mm程度であってもよい。なお、含炭塊成鉱の粒度は目開きの異なる篩で分級することができる。目開き15mmの篩から落ち、目開き5mmの篩に残る含炭塊成鉱の粒度は、5~15mmの範囲内となる。
<2.含炭塊成鉱の製造方法>
次に、本実施形態に係る含炭塊成鉱の製造方法について説明する。製造方法自体は特に制限されず、含炭塊成鉱が上述した条件を満たすように各原料を配合し、成型すればよい。
含炭塊成鉱を製造するための原料としては、酸化鉄原料、炭材、バインダ等が挙げられる。酸化鉄原料の種類は問われず、従来の含炭塊成鉱に使用される酸化鉄原料を特に制限なく使用することができる。酸化鉄原料の例としては、表1に示す組成の転炉ダスト、高炉1次灰、焼結ダスト等が挙げられる。表1中の各数値は酸化鉄原料の総質量に対する各成分の質量%である。また、表1中の「T.Fe」は金属鉄、酸化鉄を含む全鉄を意味し、「T.C」は酸化鉄原料に含まれるカーボンを意味する。複数種類の酸化鉄原料を混合して使用してもよいし、いずれかの酸化鉄原料を単独で使用してもよい。ただし、本実施形態では、含炭塊成鉱に金属鉄を配合する必要があるので、少なくとも金属鉄を含有する酸化鉄原料を使用する必要がある。この点、表1に示す高炉1次灰は金属鉄を50質量%以上含むので、本実施形態に係る含炭塊成鉱を製造するための酸化鉄原料として好適である。つまり、金属鉄を50質量%以上含む酸化鉄原料を使用することで、金属鉄とカーボンの質量比(M.Fe/T.C)の調整が容易になる。また、金属鉄分が不足する場合、別途還元鉄粉やスクラップなどの金属鉄源を購入し、それを適宜使用してもよい。ただし、省資源、リサイクルの観点からは、なるべく金属鉄源を使用せず、転炉ダスト、高炉1次灰、焼結ダスト等を使用することが好ましい。
Figure 0007575683000001
含炭塊成鉱の原料となる炭材の種類も特に制限されず、従来の含炭塊成鉱に使用される炭材を本実施形態でも好適に使用することができる。例えば、炭材としては、コークス、石炭、無煙炭、コークスダスト(コークスの製造過程で生じるダスト)、石炭チャー等が挙げられる。
含炭塊成鉱の原料となるバインダの種類も特に制限されず、従来の含炭塊成鉱に使用されるバインダを本実施形態でも好適に使用することができる。例えば、バインダとしては、水硬性バインダ、より具体的にはセメント(早強ポルトランドセメント等)が挙げられる。
各原料の成分は、一般的な化学分析法あるは蛍光X線分析法によって特定することができる。そこで、各原料を含炭塊成鉱が上述した条件を満たすように配合し、成型すればよい。例えば、配合原料及び適量の水分をペレタイザー、ブリケットマシーン等の造粒機で混錬及び成型した後、養生する(バインダを硬化させる)ことで含炭塊成鉱とすればよい。
<3.高炉の操業方法>
つぎに、本実施形態に係る高炉の操業方法について説明する。本実施形態では、鉄系原料(焼結鉱等)の一部を本実施形態に係る含炭塊成鉱に代替して高炉の操業を行う。ここで、含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を5~30kg/t-HMとすることが好ましい。この場合、還元材比がより低減する。含炭塊成鉱由来のカーボン原単位が5kg/t-HM未満では、還元材比を十分に低減することができない場合がある。一方、含炭塊成鉱由来のカーボン原単位が30kg/t-HMを超えた場合、還元材比の改善効果が飽和する。上記以外の操業は従来の高炉の操業方法と同様に行えばよい。
次に、本実施形態の実施例を説明する。本実施例では、本実施形態の効果を検証するために、以下の試験を行った。もちろん、本発明は以下に説明する実施例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
まず、表1に示す酸化鉄原料、実機コークスダスト、試薬鉄粉(純度98%)、及び早強ポルトランドセメントを準備した。酸化鉄原料、実機コークスダストの成分は蛍光X線分析法で特定した。また、各原料の粒度はd50(体積基準)で50μm、53μm、50μm、13μmであった。ここで、各原料のd50はレーザー回折式粒度分布測定装置を用いた以下の測定方法によって測定した。すなわち、測定対象となる試料を水でスラリー化し、分散剤としてヘキサメタりん酸ナトリウム溶液を少量添加した。ついで、混合液の撹拌及び超音波照射により混合液中に試料を分散させた。ついで、この混合液をレーザー回折式粒度分布測定装置にセットし、粒度分布を測定し、d50を特定した。
ついで、これらの原料を適量の水と共に配合した後、ブリケットマシーンで成型した。ついで、成型した造粒物を養生した。以上の工程を酸化鉄原料の種類、各原料の配合比を変更して繰り返し行うことで、表2に示す組成の含炭塊成鉱(試験例No.1~22)を作製した。作製された含炭塊成鉱のうち、粒度が8~13mmのもの(目開き13mmの篩から落ち、目開き8mmの篩に残ったもの)を以下のBIS炉試験に使用した。
Figure 0007575683000002
表2中の各成分は、含炭塊成鉱中の各成分の質量%、モル比、原単位等を示す。例えば、「T.Fe」は含炭塊成鉱中の全鉄の質量%を示し、「M.Fe」は含炭塊成鉱中の金属鉄の質量%を示し、「T.C」は含炭塊成鉱中のカーボン含有量(質量%)を示す。「FeO」及び「Fe」は、含炭塊成鉱中の「酸化鉄」の含有量(質量%)を示す。「被還元酸素量」は、「酸化鉄」に結合した酸素の質量%を示す。「C+M.Fe+FeO+Fe」は、含炭塊成鉱中のカーボン、金属鉄、及び酸化鉄の合計の質量%を示す。各成分の質量%は、含炭塊成鉱の試料の総質量に対する質量%である。「M.Fe/T.C」は含炭塊成鉱中の金属鉄とカーボンの質量比を示し、C/Oは含炭塊成鉱中のカーボンと被還元酸素のモル比を示す。
ついで、BIS炉試験を行った。なお、BIS炉試験の詳細は「内藤ほか:鉄と鋼、87巻(2001年)、No.5、P.357-364)」に記載された通りであり、本試験もこの非特許文献に記載された方法に従って行った。具体的には、装入チャージ当りのT.C、T.Fe(ここでのT.C、T.Feは、装入チャージ全体の総質量に対する装入チャージ内のカーボンの質量%、全鉄の質量%を示す)が一定となるように焼結鉱量、コークス量をそれぞれ調整した。
また、含炭塊成鉱由来のカーボン原単位が表2に示す値となるように含炭塊成鉱の使用量を調整した。すなわち、T.Cが15.0質量%の含炭塊成鉱を使用する場合、含炭塊成鉱の使用量(原単位)を133kg/t-HMとし、T.Cが25.0質量%の含炭塊成鉱を使用する場合、含炭塊成鉱の使用量(原単位)を80kg/t-HMとした。さらに、還元材比が481kg/t-HM、コークス比が349kg/t-HMとなるように、送風温度1178℃、送風湿分18.6g/Nm、酸素富化率2.7%の下でボッシュガス組成(CO:36.0体積%、H:7.0体積%、N:57.0体積%)と送風量(1343Nm/t-HM)を設定した。
ここで、酸素富化率は、概略的には、熱風の総体積に対する熱風中の酸素の体積割合であり、酸素富化率(%)={(空気の送風量(流量)[Nm/min]×0.21+酸素富化量[Nm/min])/(空気の送風量[Nm/min]+酸素富化量[Nm/min])}×100-21であらわされる。また、Ore/Coke(焼結鉱とコークスの質量比)は4.63とした。
また、高炉内のアルカリ循環を考慮して、試薬KOHを、コークスに対して1.8質量%のK量となるように添加した。BIS炉で得られるシャフト効率をもとに、熱物質収支を取って、還元材比を評価した。この際に、還元材比は、熱風と共に吹き込まれる微粉炭+コークス+含炭塊成鉱中の炭材(ここでは実機コークスダスト)をコークス相当量に補正した量の原単位として評価した。また、含炭塊成鉱中のM.Feによる被還元酸素減少の効果は、還元ガス量を変更せず、実験データをヘマタイト補正することで間接的に評価した。つまり、M.Feには被還元酸素が結合していないので、M.Feの分だけ還元ガス量を減らす操業を行えば、装入チャージ中のM.Feが多いほどより少ない還元材で多くの還元鉄が見かけ上製造されることになる。しかし、本実施形態が得るべき効果は、M.Feに結合する酸素が存在しないことによる還元材比の低下ではなく、M.Feによる触媒作用による還元材比の低下である。そこで、本実施形態では、還元ガス量を減らさずにBIS試験を実施し、得られた結果をM.Feがすべてヘマタイトである状態に補正し、還元材比を評価した。また、比較のために、含炭塊成鉱を使用しないベース操業(図2の点P30に相当する操業)も行った。
結果を表2及び図2に示す。なお、図2は上述したように含炭塊成鉱由来のカーボン原単位が20kg/t-HMとなる際のデータをまとめたものである。表2の試験例No.1~6は、含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量(T.C)を15質量%とした例であり、試験例No.7~12は、含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量(T.C)を25質量%とした例である。試験例No.1~12では含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を20kg/t-HMで統一している。試験例No.13~22では、含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量を15質量%または25質量%としつつ、含炭塊成鉱由来のカーボン原単位、または含炭塊成鉱中のカーボン、金属鉄、及び酸化鉄の合計の質量%を変動させた例である。
まず、試験例No.1~6について検討すると、含炭塊成鉱が本実施形態の要件を満たし、さらに含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を5~30kg/t-HMの範囲内の20kg/t-HMとした試験例No.3~5では極めて良好な還元材比が得られた。具体的には、還元材比が490kg/t-HM以下となった。
一方、含炭塊成鉱の他の要件を満たさない試験例No.1、2、6は、含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量が同水準である試験例3~5に比べて還元材比が増加した。具体的には、試験例No.1、2では、金属鉄とカーボンの質量比(M.Fe/T.C)が0.4未満となっており、試験例No.6では、金属鉄とカーボンの質量比(M.Fe/T.C)が0.8を超えている。
つぎに、試験例No.7~12について検討すると、含炭塊成鉱が本実施形態の要件を満たし、さらに含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を5~30kg/t-HMの範囲内の20kg/t-HMとした試験例No.9~11では極めて良好な還元材比が得られた。具体的には、還元材比が480kg/t-HM以下となった。
一方、含炭塊成鉱の他の要件を満たさない試験例No.7、8、12は、含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量が同水準である試験例7~12に比べて還元材比が増加した。具体的には、試験例No.7、8では、金属鉄とカーボンの質量比(M.Fe/T.C)が0.4未満となっており、試験例No.12では、金属鉄とカーボンの質量比(M.Fe/T.C)が0.8を超えている。
つぎに、試験例No.13~16について検討する。試験例No.13~16は、試験例No.4において含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を変動させたものである。具体的には、試験例No.13では、含炭塊成鉱由来のカーボン原単位が5kg/t-HM未満となっている。含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量が同水準である試験例No.1、2、6と比べると試験例No.13でも還元材比の低減効果が得られたが、試験例No.3~5に比べると還元材比が若干増加した。
試験例No.14、15は、試験例No.4において含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を本実施形態の境界値である5kg/t-HMまたは30kg/t-HMとしたものである。試験例No.14、15では含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量が同水準である試験例No.3~5と同様の結果が得られた。
試験例No.16では、含炭塊成鉱由来のカーボン原単位が30kg/t-HM超となっている。含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量が同水準である試験例No.1、2、6と比べると試験例No.16でも還元材比の低減効果が得られたが、試験例No.3~5に比べると還元材比が若干増加した。なお、この場合、還元材比の低減効果が飽和して485kg/t-HMとなった。しかし、含炭塊成鉱の熱間粉化量が増大し、シャフト部の通気抵抗が上昇したので、通気抵抗を一定とするためにコークス比を上昇させた結果、最終的にRARは495kg/t-HMとなった。
つぎに、試験例No.17~20について検討する。試験例No.17~20は、試験例No.10において含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を変動させたものである。具体的には、試験例No.17では、含炭塊成鉱由来のカーボン原単位が5kg/t-HM未満となっている。含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量が同水準である試験例No.7、8、12と比べると試験例No.17でも還元材比の低減効果が得られたが、試験例No.9~11に比べると還元材比が若干増加した。
試験例No.18、19は、試験例No.10において含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を本実施形態の境界値である5kg/t-HMまたは30kg/t-HMとしたものである。試験例No.18、19では含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量が同水準である試験例No.9~11と同様の結果が得られた。
試験例No.20では、含炭塊成鉱由来のカーボン原単位が30kg/t-HM超となっている。含炭塊成鉱に含まれるカーボンの含有量が同水準である試験例No.7、8、12と比べると試験例No.20でも還元材比の低減効果が得られたが、試験例No.9~11に比べると還元材比が若干増加した。なお、この場合、還元材比の低減効果が飽和して475kg/t-HMとなった。しかし、含炭塊成鉱の熱間粉化量が増大し、シャフト部の通気抵抗が上昇したので、通気抵抗を一定とするためにコークス比を上昇させた結果、最終的にRARは482kg/t-HMとなった。
試験例No.21、22では、カーボン、金属鉄、及び酸化鉄を合計で70質量%未満となっている。このため、還元材比が十分に低減しなかった。
試験例23は、試験例No.4において含炭塊成鉱のカーボン含有量を変動させたものである。具体的には、含炭塊成鉱のカーボン含有量が15%未満となっている。C/Oが十分高くないので、試験例No.4に比べると還元材比が増加した。
試験例24は、試験例No.10において含炭塊成鉱のカーボン含有量を変動させたものである。具体的には、含炭塊成鉱のカーボン含有量が25%超となっている。C/Oが過剰に高く、効率良く効果が発現しないのに加えて、含炭塊成鉱の炉内粉化が著しくなり高炉操業が不安定化したため、試験例No.10に比べると還元材比が増加した。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (2)

  1. カーボン、金属鉄、及び酸化鉄を合計で70質量%以上含有する高炉用含炭塊成鉱であって、
    前記カーボンの含有量が前記高炉用含炭塊成鉱の総質量に対して15~25質量%であり、
    前記金属鉄と前記カーボンの質量比が0.4~0.8であることを特徴とする、高炉用含炭塊成鉱。
  2. 請求項1記載の高炉用含炭塊成鉱を用いた高炉の操業方法であって、
    前記高炉用含炭塊成鉱由来のカーボン原単位を5~30kg/t-HMとすることを特徴とする、高炉の操業方法。
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