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JP7552881B2 - 高炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、羽口前の高炉内で高濃度還元ガスを発生させる高炉の操業方法に関し、詳しくは、高炉内の融着帯及び滴下帯におけるスラグの性状を改善し、高炉内の通気性を向上させる高炉の操業方法に関する。
近年、温室効果ガスの一つであるCOガス(二酸化炭素ガス)の排出量削減の動きが高まっている。高炉による製鉄法では、還元材として炭材を使用するため、多量のCOガスが発生する。したがって、鉄鋼業はCOガスの排出量において主要な産業のひとつとなっており、COガスの排出量削減という社会的要請に応えねばならない。具体的には、高炉操業での更なる石炭由来の還元材比の削減が急務となっている。石炭由来の還元材比とは、溶銑1トンを製造するために要した石炭由来のコークス及び石炭由来の還元ガスの合計質量をいう。
還元材は、炉内で熱となって装入物を昇温させる役割と、炉内の鉄系原料である鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、鉄鉱石のペレットを還元する役割がある。還元材比を低減させてCOガスの排出量を削減するには、炉内の熱量を保ちながら、還元材の還元効率を高める必要がある。
COガスの排出量削減を目的とした還元材として、水素が注目されている。水素による鉄鉱石の還元は吸熱反応であるが、その吸熱量は直接還元反応(反応式:FeO+C→Fe+CO)よりも小さく、水素による還元速度はCOガスによる還元速度よりも速い。このため、高炉への水素系ガスの吹き込みにより、COガスの排出量削減、及び、還元効率の向上を同時に図ることができる。
高炉の安定操業のためには、高炉内の鉄系原料が融着している融着帯の通気性を確保することが必要である。しかしながら、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを発生させる高炉操業、及び、従来の操業よりも炉内還元ガス濃度が高くて還元反応速度が速い高炉操業においては、高炉内の通気性が明らかになっていない。
高炉は、銑鉄を生産すると同時に、副産物である高炉スラグ(FeO、CaO、Al、MgO、及びSiOなどで構成される酸化物)を多量に産出する。炉内の通気性を良好に保つには、産出される高炉スラグの粘度を低く抑え、通液性を確保できる原料設計をすることが必要である。
上記課題に類似した問題を解決するための従来技術として、特許文献1~3に開示される技術が提案されている。
特許文献1には、炉頂からコークスを装入し、羽口から補助燃料を吹き込む高炉操業が開示されている。特許文献1によると、コークス及び補助燃料のAlとSiOとの比(Al/SiO)を0.6以上とし、高炉スラグの塩基度((CaO+Al+MgO)/SiO)を1.8以上とすることで、高炉スラグの性状が改善し、通気性及び通液性を向上できるとしている。
特許文献2には、出銑1トン当り150kg以上の微粉炭を羽口から熱風とともに高炉内に吹き込む高炉操業法が開示されている。特許文献2によると、炉頂から装入されるコークスを除く装入物の80%以上に、SiO成分が4.0~4.8質量%、MgO成分が1.2~2.4質量%、CaO成分が6.0~9.0質量%、Al成分が1.9~2.5質量%の焼結鉱を用いることで、スラグ組成のFeO成分が低下しても滴下スラグの粘度を低く抑えられるとしている。
特許文献3には、通常使用される焼結鉱中のAl量に応じて、副原料の配合比率を調整して高強度(SI>92%)且つ高被還元性(RI>70%)の焼結鉱を用いる高炉操業方法が開示されている。特許文献3によると、高強度且つ高被還元性の焼結鉱と、通常使用される焼結鉱との副原料の配合比率の差に相当する量の副原料を高炉羽口から吹き込むことで、長期的に安定して高鉱石/還元材比操業を行えるとしている。
特開2004-10948号公報 特開平9-13107号公報 特開2005-298923号公報
しかしながら、これら従来技術は、何れも、羽口からSiO粉末などの副原料、CaOやSiOなどを含む補助燃料または微粉炭を吹き込む高炉操業を対象としており、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを発生させる高炉操業における装入原料成分やスラグ成分については言及していない。
本発明における高炉操業では羽口前の炉内で生成される還元ガスの濃度が非常に高い。このため、炉内で鉄系原料の還元率の上昇及びスラグ中FeO濃度の減少が起こり、スラグ中FeO成分が上記の従来技術に記載される操業範囲よりも低い範囲まで低下する。上記の従来技術は、スラグ中FeO成分が更に低下した場合について考慮していない。
つまり、羽口前の炉内で発生する高濃度還元ガスが、図1(図1の説明は後述する)の領域Aの範囲内(Hガス=0~100体積%、Nガス=0~71体積%、COガス=0~100体積%を含む範囲内)となるように操業した場合、従来の操業以上に、鉄系原料の低温からの還元が促進され、炉下部における鉄系原料の到達還元率が上昇する。この場合、従来の操業方法のままでは、スラグ中FeO成分の減少によりスラグ通液性が低下し、スラグがコークス層の空隙中に滞留し、炉内通気抵抗が増加して吹き抜けが誘発されることが懸念される。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、その目的は、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを発生させる高炉操業を実施するに際し、スラグ性状を改善してスラグ中のFeO成分が減少しても高炉内の融着帯及び滴下帯における通気性を確保できる、高炉の操業方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 高炉の炉頂から鉄系原料、副原料及びコークスを装入し、高炉の羽口から羽口前の炉内で高濃度還元ガスを発生させるガスを吹き込む高炉の操業方法であって、前記鉄系原料と前記副原料との原料総成分の塩基度を所定範囲内にする、高炉の操業方法。
[2] 前記原料総成分の塩基度を1.0以上1.7以下の範囲内にする、[1]に記載の高炉の操業方法。
[3] 前記高濃度還元ガスは、ボッシュガス組成として表すと、Hガス、Nガス及びCOガスで構成され、Hガス、Nガス及びCOガスの割合が、Hガス-Nガス-COガスの3元系ダイアグラムにおけるHガス;0体積%、Nガス;0体積%、COガス;100体積%の点と、Hガス;100体積%、Nガス;0体積%、COガス;0体積%の点と、Hガス;29体積%、Nガス;71体積%、COガス;0体積%の点と、Hガス;0体積%、Nガス;37体積%、COガス;63体積%の点との4点で囲まれる領域内の組成であり、0~100体積%の範囲内のHガスと、0~71体積%の範囲内のNガスと、0~100体積%の範囲内のCOガスとを含む、[1]に記載の高炉の操業方法。
[4] 前記高濃度還元ガスは、ボッシュガス組成として表すと、Hガス、Nガス及びCOガスで構成され、Hガス、Nガス及びCOガスの割合が、Hガス-Nガス-COガスの3元系ダイアグラムにおけるHガス;0体積%、Nガス;0体積%、COガス;100体積%の点と、Hガス;100体積%、Nガス;0体積%、COガス;0体積%の点と、Hガス;29体積%、Nガス;71体積%、COガス;0体積%の点と、Hガス;0体積%、Nガス;37体積%、COガス;63体積%の点との4点で囲まれる領域内の組成であり、0~100体積%の範囲内のHガスと、0~71体積%の範囲内のNガスと、0~100体積%の範囲内のCOガスとを含む、[2]に記載の高炉の操業方法。
[5] 前記高濃度還元ガス中のHガス量は0~500Nm/溶銑-tonの範囲内である、[1]から[4]のいずれかに記載の高炉の操業方法。
本発明では、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを発生させる高炉操業を実施するに際し、鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度(質量%CaO/質量%SiO)を所定範囲内にする。これにより、高炉内の融着帯及び滴下帯で生成するスラグの粘度が最適化され、高炉内でのスラグの通液性が操業可能範囲に制御され、その結果、高炉内のガス通気性を良好に保ち、高炉の安定操業を実現できる。
図1は、Hガス-Nガス-COガスの3元系ダイアグラムのガス成分組成において、本実施形態に係る高炉の操業方法で羽口前の炉内で生成させる高濃度還元ガスの成分範囲をボッシュガス組成として示す図である。 図2は、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを生成させる試験において、溶融物滴下量に及ぼす原料総成分の塩基度の影響を示すグラフである。 図3は、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを生成させる試験において、通気抵抗指数KSに及ぼす原料総成分の塩基度の影響を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明する。本実施形態に係る高炉の操業方法は、高炉の炉頂から鉄系原料、副原料及びコークスを高炉内に交互に且つ層状に装入するとともに、高炉の下部に設けられた羽口から高炉内にガスを吹き込み、羽口から吹き込んだガスにより、羽口前の高炉内で高濃度還元ガスを生成させる高炉操業方法である。鉄系原料には、例えば、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、鉄鉱石のペレット、還元鉄及び鉄スクラップが含まれる。副原料には、SiO、CaOが単独または複合して含まれる。使用する鉄系原料、副原料及びコークスの種類は特に制限されず、従来の高炉操業に使用される鉄系原料、副原料及びコークスであれば本発明においても好適に使用できる。
高濃度還元ガスを生成させるためのガスは、高炉内の鉄系原料を還元する還元成分を含む。ここで、高炉内の鉄系原料を還元する還元成分には、鉄系原料を還元できる成分であるCOガス、Hガス、炭化水素ガスだけでなく、コークスとの反応または分解反応などによって還元ガスを生成する成分であるCOガス、HOガスなども含まれる。
図1は、Hガス-Nガス-COガスの3元系ダイアグラムのガス成分組成において、本実施形態に係る高炉の操業方法で羽口前の炉内で生成させる高濃度還元ガスの成分範囲をボッシュガス組成として示す図である。本実施形態における高濃度還元ガスとは、当該高濃度還元ガスを用いて鉄系原料を900℃で180分間還元した際の平均還元率が80%以上になる還元ガスである。この還元ガスをボッシュガス組成で表すと、Hガス、Nガス及びCOガスで構成され、Hガス、Nガス及びCOガスの割合(但し、Hガス+Nガス+COガス=100体積%としたときの割合)が、図1に斜線部で示す領域A(本発明の操業の範囲)の範囲内であり、0~100体積%の範囲内のHガス、0~71体積%の範囲内のNガス、0~100体積%の範囲内のCOガスを含むガス組成である。
領域Aは、Hガス-Nガス-COガスの3元系ダイアグラムにおいて、点O(Hガス;0体積%、Nガス;0体積%、COガス;100体積%)、点P(Hガス;100体積%、Nガス;0体積%、COガス;0体積%)、点Q(Hガス;29体積%、Nガス;71体積%、COガス;0体積%)及び点R(Hガス;0体積%、Nガス;37体積%、COガス;63体積%)の4点で囲まれる範囲内である。また、図1には、従来の一般的な高炉操業範囲のガス組成を比較して示す。この領域Aのうち、点O(Hガス;0体積%、Nガス;0体積%、COガス;100体積%)、点P(Hガス;100体積%、Nガス;0体積%、COガス;0体積%)、点Q’(Hガス;43体積%、Nガス;57体積%、COガス;0体積%)及び点R’(Hガス;0体積%、Nガス;14体積%、COガス;86体積%)の4点で囲まれる範囲内は、鉄系原料を900℃で180分間還元した際の平均還元率が90%以上になるので、炉内の融着帯におけるスラグ成分中のFeO含有量が著しく低下する。このため、この成分範囲の高濃度還元ガスを羽口の炉内で生成させる場合には、スラグを含む溶融物の滴下量回復に向けた原料総成分の塩基度(質量%CaO/質量%SiO)の調整による効果がさらに高くなる。
本発明者らは、高炉を模擬した縮尺1/4の小型試験炉を用い、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを生成させる試験を行い、炉内の融着帯及び滴下帯でのスラグ成分の調査を行った。表1に、小型試験炉で使用した鉄系原料の成分組成の一例を示す。
Figure 0007552881000001
小型試験炉において、鉄系原料、副原料及びコークスの配合を特許文献2に記載された操業方法と同じく、鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度が2.0である配合にして、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを生成させる試験を行った。この試験条件では、炉内の融着帯におけるスラグ成分は、FeO成分が3.5質量%未満、SiO成分が25.4~28.3質量%、Al成分が8.6~9.2質量%、CaO成分が52.5~56.7質量%、MgO成分が5.3~7.3質量%と算出された。スラグの塩基度が約2.0と高くなり、スラグの滴下量が従来の試験の10分の1程度まで減少したことにより、ガス通気性が安定して試験が継続可能な範囲外まで悪化した。
スラグの滴下量を増加させるには、生成するスラグの塩基度を下げることが必要であると考えた。そこで、鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度を0.95~2.23の範囲内で変更させて、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを生成させる試験を行い、溶融物滴下量及び通気抵抗指数KSに及ぼす原料総成分の塩基度の影響を調査した。
溶融物滴下量は、試験中に滴下した溶融物を実験後に回収し、重量計でその総重量を測定した。通気抵抗指数KSは、炉内の温度が1000℃以上の領域において測定された圧力損失と、操業条件より推定される物性値とをもとに算出された通気抵抗K値(1/m)の積分値として算出した。
<通気抵抗指数KSの算出方法>
通気抵抗K値(1/m)は、下記の(1)式で算出される。
K=(ΔP/H)/(ρgas 0.7×μgas 0.3×vgas 1.7)・・・(1)
ここで、ΔPは圧力損失(Pa)であり、Hは炉内充填層層厚(m)であり、ρgasはガス密度(kg/m)であり、μgasはガス粘度(Pa・s)であり、vgasはガス流速(m/s)である。ΔPは、羽口と試験炉上部(充填層よりも上部空間)の炉壁に圧力計を設置して圧力の差分を計算することで求められる。Hは、充填層表面の位置を、例えば試験炉上部に穿孔した穴から測定用治具を差し込んで測定し、充填層表面位置と羽口が設置された位置との高さ方向の距離をHとして用いる。充填層表面の位置は、レーザー距離計を用いて測定してもよい。ρgasは、羽口から導入したガス成分と、炉内の温度と、炉内の圧力とから算出できる。μgasは、羽口から導入したガス成分と、炉内の温度とから算出できる。vgasは、羽口から導入したガス流量と、炉内の温度と、炉内の圧力とから算出できる。ここで、炉内の温度は、充填層に対応した位置の炉壁に複数の温度計を設置し、当該温度計の測定値の平均値を用いる。同様に、炉内の圧力は、充填層に対応した位置の炉壁に複数の温度計を設置し、当該圧力計の測定値の平均値を用いる。ΔPの算出に用いた羽口の圧力と、充填層上部の圧力との平均値を炉内の圧力として用いてもよい。
通気抵抗指数KSは、下記の(2)式で算出される。
Figure 0007552881000002
(2)式において、Tmaxは、炉内圧力損失を測定した最高温度であり、測定の都度異なるが1500~1650℃程度である。
図2は、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを生成させる試験において、溶融物滴下量に及ぼす原料総成分の塩基度の影響を示すグラフである。図2の横軸は原料総成分の塩基度(質量%CaO/質量%SiO)であり、縦軸は溶融物滴下量(g)である。
図3は、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを生成させる試験において、通気抵抗指数KSに及ぼす原料総成分の塩基度の影響を示すグラフである。図3の横軸は原料総成分の塩基度(質量%CaO/質量%SiO)であり、縦軸は通気抵抗指数KS(10℃/m)である。
図2に示すように、鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度が1.0~1.7の範囲内で、溶融物滴下量は増加した。また、図3に示すように、鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度が1.0~1.7の範囲内で、通気抵抗指数KSが目標値である2000以下に低下することが確認された。通気抵抗指数KSの目標値2000は、安定した試験が継続可能となる閾値である。安定した試験とは、充填層表面高さが時間に対して均一に低下し、吹き抜け等のトラブルが生じない試験を意味する。
これらの結果から、鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度を1.0~1.7の範囲内にすることで、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを生成させる試験を安定して行えることが確認された。
本実施形態に係る高炉の操業方法は、上記試験結果に基づきなされたものであり、高炉の炉頂から鉄系原料、副原料及びコークスを装入し、高炉の羽口から羽口前の炉内で高濃度還元ガスを発生させるガスを吹き込む高炉の操業方法であって、装入する鉄系原料と装入する副原料との原料総成分の塩基度を所定範囲内にする高炉操業方法である。
ここで、装入する鉄系原料と装入する副原料との原料総成分の塩基度は1.0以上1.7以下の範囲内であることが好ましい。これにより、高炉炉下部における溶融物の滴下性と通気性を向上できる。鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度が1.0未満の場合、及び、鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度が1.7超の場合は、ともに、スラグの粘度が上昇して安定操業範囲外となるので好ましくない。
なお、装入する鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度は1.1以上1.7以下であることがより好ましく、1.4以上1.5以下であることがさらに好ましい。これにより、スラグの粘度がさらに低下し、溶融物の滴下性と通気性がさらに向上できる。原料調整に当たっては、スラグ量を400kg/溶銑-ton以下にすることが好ましい。スラグ量を400kg/溶銑-ton以下にすることで、低温度域から溶け出す溶融物量の増加による通気性の低下を抑制できる。
また、高濃度還元ガスは、当該高濃度還元ガス中のHガス量(炭化水素中の水素を含む)が0~500Nm/溶銑-tonの範囲内であることが好ましい。これにより、炉内温度の低下及び還元反応速度の低下を抑制できる。一方、高濃度還元ガス中のHガス量が500Nm/溶銑-tonを超えると、炉内温度が低下し、還元反応速度が低下するため、好ましくない。また、Hガスを単体で吹込む場合、羽口前温度を操業範囲内に保つためにHガスを加熱してから送風することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る高炉の操業方法では、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを発生させる高炉操業を実施するに際し、装入する鉄系原料と装入する副原料との原料総成分の塩基度を所定範囲内に制御する。これにより、高炉内の融着帯及び滴下帯で生成するスラグの粘度が最適化され、高炉内でのスラグの通液性が操業可能範囲に制御されて、高炉内のガス通気性を良好に保ち、安定操業を実現できる。
大型高炉を用いて、炉頂から鉄系原料、副原料及びコークスを交互に装入し、炉頂から装入する鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度を変化させて、羽口前の炉内で高濃度還元ガスを生成させる高炉操業試験を実施した。表2に、試験結果の一例を示す。
Figure 0007552881000003
表2に示すとおり、炉頂から装入する鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度を本発明の範囲とした発明例1~4では、滴下性及び通気性が良好で、安定操業が可能であることが確認された。一方、炉頂から装入する鉄系原料と副原料との原料総成分の塩基度が本発明の範囲外である比較例1~3では、十分な滴下量は得られず、通気性も不良であった。

Claims (2)

  1. 高炉の炉頂から鉄系原料、副原料及びコークスを装入し、高炉の羽口から羽口前の炉内で高濃度還元ガスを発生させるガスを吹き込む高炉の操業方法であって、
    前記高濃度還元ガスは、ボッシュガス組成として表すと、H ガス、N ガス及びCOガスで構成され、H ガス、N ガス及びCOガスの割合が、H ガス-N ガス-COガスの3元系ダイアグラムにおけるH ガス;0体積%、N ガス;0体積%、COガス;100体積%の点と、H ガス;100体積%、N ガス;0体積%、COガス;0体積%の点と、H ガス;29体積%、N ガス;71体積%、COガス;0体積%の点と、H ガス;0体積%、N ガス;37体積%、COガス;63体積%の点との4点で囲まれる領域内の組成であり、0~100体積%の範囲内のH ガスと、0~71体積%の範囲内のN ガスと、0~100体積%の範囲内のCOガスとを含み、
    前記鉄系原料と前記副原料との原料総成分の塩基度を1.0以上1.7以下の範囲内にする、高炉の操業方法。
  2. 前記高濃度還元ガス中のHガス量は0~500Nm/溶銑-tonの範囲内である、請求項1に記載の高炉の操業方法。
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