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JP7552146B2 - イバブラジンを含有する錠剤 - Google Patents

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JP7552146B2 JP2020143547A JP2020143547A JP7552146B2 JP 7552146 B2 JP7552146 B2 JP 7552146B2 JP 2020143547 A JP2020143547 A JP 2020143547A JP 2020143547 A JP2020143547 A JP 2020143547A JP 7552146 B2 JP7552146 B2 JP 7552146B2
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Description

本発明は、イバブラジンを含有する錠剤に関する。
高齢化の進展によって、複数の慢性疾患を併有する患者の数が増加している。このような患者は、1回の服用時点で複数の薬剤を服用することが多いため、服用すべき薬剤の数又は種類を間違えるという問題が生じている。また、1回の服用量を明確にするため、1個の薬剤を収容するポケットが縦横複数列に配置されたPTP(Press Through Pack)シートを1ポケット毎に切り離すことにより、薬剤を包装ごと服用する事故も発生している。
複数の薬剤の安全かつ容易な服用を支援するため、一包化調剤が行われている。一包化調剤とは、1回の服用時点で服用すべき複数の薬剤をまとめて1袋にすることをいう。一包化調剤は、患者の処方箋ごとに服用時別に複数の薬剤を揃える必要があり、手作業では非常に煩雑で時間がかかる。多くの調剤薬局は、作業の効率化のため、特許文献1及び2に記載されるような分包機を導入している。したがって、一包化調剤に供する薬剤には、分包機への適応性が求められる。
イバブラジンは、下記式:
Figure 0007552146000001
で表される化合物、すなわち、3-(3-{[((7S)-3,4-ジメトキシビシクロ[4,2,0]オクタ-1,3,5-トリエン-7-イル)メチル]-メチルアミノ}プロピル)-7,8-ジメトキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-3-ベンズアゼピン-2-オンである。イバブラジンは、心臓の洞結節に発現するHCNチャネルを阻害することで、心臓のペースメーカー電流である過分極活性化陽イオン電流(I)を抑制する作用を有しており、慢性安定狭心症又は慢性心不全の治療薬として使用されている(例えば非特許文献1)。
国際公開第2014/112221号 特開2005-342123号公報
医薬品添付文書:Corlanor(R)(イバブラジン錠剤) 製造販売元アムジェン社
イバブラジンは、その適応症が慢性安定狭心症又は慢性心不全であるため、一包化調剤に供する薬剤の1つになり得るが、これまでイバブラジンの分包機への適応性については検討されておらず、本発明者らが初めて検討する課題である。
特許文献1の図1に示される分包機100は、錠剤供給ユニット2から供給される錠剤を服用時期などの分包単位で分包ユニット5により分包する装置である。
錠剤ユニット2は、錠剤を1錠ごとに排出可能な複数の固定カセット21を備えており、固定カセットの各々は装着部211に着脱可能に装着されている。
固定カセット21は、特許文献1の図3に示されるように、多数の錠剤が収容される錠剤収容部212と、錠剤収容部212に収容された錠剤を個別に排出する錠剤排出部213とを備えている。錠剤排出部213は、固定カセット21の筐体で回転可能に支持されたローター214と、ローター214の外周を覆う内壁214Aとを備えている。ローター214の外周面には、所定の配置間隔でリブ215及び216が形成され、リブ215及び216並びに内壁214Aによって囲まれた間隙217が間欠的に形成されている。間隙217の高さは3錠分の高さに相当し、間隙217の幅は1錠分の幅に相当する。間隙217に収容された3錠のうち、上の2錠は仕切板220により排出が規制され、下の1錠のみが排出される。
カセットから排出された錠剤は、特許文献2の図1(c)に示されるように、導管14を通って分包ユニット17(特許文献1の分包ユニット5に相当)まで落下する。したがって、分包機に供される薬剤は、前記落下に伴って、錠剤の割れが生じないことが求められる。
また、錠剤が多湿下などの環境で保存される場合、錠剤の厚みが変化し、分包機内の間隙217の通過性に問題が生じ錠剤の詰まりが発生したり、分包機による錠剤の個数の計測に支障が出る場合がある。分包機への適応性を高めるためには、錠剤の厚みの変化率が小さいことが求められる。
さらに、一包化調剤に錠剤を供するための包装体としては、カセットへの易充填性の観点から、バラ包装やボトル包装体が好まれる。
したがって、本発明の第1の目的は、落下時の割れの発生率が低減された、イバブラジンを含有する錠剤を提供することにある。
本発明の第2の目的は、落下時の割れの発生率が低減されているとともに、多湿下にあっても厚みの変化率が低減された、イバブラジンを含有する錠剤を提供することにある。
本発明の第3の目的は、分包機への適応性に優れた、イバブラジンを含有する錠剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、イバブラジンを含有する錠剤の絶対硬度を所定の値以上にすることにより、落下時の割れの発生率を低減でき、分包機への適応性に優れ、一包化調剤に供する錠剤として有用であることを見出した。また、本発明者らは、イバブラジンを含有する錠剤に、セルロース及びその誘導体、無水リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、並びにクロスポビドンからなる群から選択される少なくとも一種の薬学的に許容される添加剤を含有させることにより、落下時の割れの発生率と多湿下での厚みの変化率とのバランスをとることができ、多湿下にあっても厚みの変化率を低減できること、例えば錠剤を一包化調剤に供するための包装体(バラ包装又はボトル包装の包装体など)で提供でき、錠剤を分包機に供しても、分包機内での錠剤の詰まりの発生、分包機による錠剤の個数の計測ミスなどを防止でき、分包機への適応性をより高めることができることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1]イバブラジン又はその薬学的に許容される塩を含有する錠剤であって、0.18kgf/mmより高い絶対硬度を有する、錠剤。
[2]一包化調剤に供するための、[1]に記載の錠剤。
[3]バラ包装又はボトル包装で包装された、[1]又は[2]に記載の錠剤。
[4]分包機の錠剤カセットに充填するための、[1]~[3]のいずれかに記載の錠剤。
[5]セルロース及びその誘導体、無水リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、並びにクロスポビドンからなる群から選択される少なくとも一種の薬学的に許容される添加剤(好ましくは、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、及び無水リン酸水素カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の薬学的に許容される添加剤)を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の錠剤。
[6]錠剤中の前記添加剤の含有率が、1質量%以上(好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上)である、[5]に記載の錠剤。
[7]前記添加剤がセルロースであり、錠剤中のセルロースの含有率が、56.5質量%以下(好ましくは39.2質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、特に好ましくは22質量%以下)である、[5]又は[6]に記載の錠剤。
[8]前記添加剤が無水リン酸水素カルシウムであり、錠剤中の無水リン酸水素カルシウムの含有率が、40質量%以下である、[5]又は[6]に記載の錠剤。
[9]前記添加剤がクロスカルメロースナトリウムであり、錠剤中のクロスカルメロースナトリウムの含有率が、39.2質量%以下である、[5]又は[6]に記載の錠剤。
[10]120cmの高さからステンレス面に落下させたときの割れ発生率が10個中1個以下である、[1]~[9]のいずれかに記載の錠剤。
[11]錠剤中の水分含量が、錠剤の総量を100質量%としたとき、7.5質量%以下である、[1]~[10]のいずれかに記載の錠剤。
[12]30℃75%RH条件下で1ヶ月間保存後の錠剤の水分含量変化率が30%以下である、[1]~[11]のいずれかに記載の錠剤。
[13]30℃75%RH条件下で14日間又は1ヶ月間保存後の錠剤の錠厚変化率が4%以下(好ましくは3.84%以下)である、[1]~[12]のいずれかに記載の錠剤。
[14]フィルムコーティングを有する、[1]~[13]のいずれかに記載の錠剤。
[15]錠剤中のポリエチレングリコールの含有率が0.86質量%未満(好ましくは0.38質量%以下、より好ましくは0.19質量%以下)である、[14]に記載の錠剤。
[16]2500Lx曝光条件下で20日間保存後の錠剤中の類縁物質総量が1%以下である、[15]に記載の錠剤。
[17]40℃75%RH条件下で2ヶ月間又は60℃60%RH条件下で1ヶ月間保存後の錠剤中の類縁物質総量が1%以下である、[15]又は[16]に記載の錠剤。
[18]フィルムコーティング上に染料インクによる印刷が施されており、
前記フィルムコーティングが基剤を含有し、さらに添加剤を含有していてもよく、
前記フィルムコーティング中、添加剤としてのポリエチレングリコールの含有率が、フィルムコーティングの総量を100質量%としたとき、22.3質量%未満である、
[14]に記載の錠剤。
[19]前記フィルムコーティング中、添加剤としてのポリエチレングリコールの含有率が、10質量%以下である、[18]に記載の錠剤。
[20]前記フィルムコーティング中、添加剤としてのポリエチレングリコールの含有率が、5質量%以下である、[18]又は[19]に記載の錠剤。
[21]前記基剤が、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも一種を含む、[18]~[20]のいずれかに記載の錠剤。
[22]前記錠剤中のポリエチレングリコールの含有率が、錠剤の総量を100質量%としたとき、0.86質量%未満である、[18]~[21]のいずれかに記載の錠剤。
[23]前記錠剤中のポリエチレングリコールの含有率が、錠剤の総量を100質量%としたとき、0.38質量%以下である、[18]~[22]のいずれかに記載の錠剤。
[24]前記錠剤中のポリエチレングリコールの含有率が、錠剤の総量を100質量%としたとき、0.19質量%以下である、[18]~[23]のいずれかに記載の錠剤。
[25]40℃75%RH条件下で6ヶ月間保存後の印字部面積変化率が30%以下である、[18]~[24]のいずれかに記載の錠剤。
本発明により、落下時の割れの発生率が低減された、イバブラジンを含有する錠剤が提供される。また、本発明により、落下時の割れの発生率が低減されているとともに、多湿下にあっても厚みの変化率が低減された、イバブラジンを含有する錠剤が提供される。さらに、本発明により、分包機への適応性に優れた、イバブラジンを含有する錠剤が提供される。また、本発明により、曝光下又は多湿下にあっても類縁物質の生成を抑制することができる、イバブラジンを含有する錠剤が提供される。さらに、本発明により、フィルムコーティング上に染料インクによる印刷が施された、イバブラジンを含有するフィルムコーティング錠であって、多湿下にあっても染料インクのにじみ又は消失を抑制することができる、フィルムコーティング錠が提供される。
図1は、30℃75%RH条件下で14日間又は1ヶ月間保存後の錠厚変化率を、結晶セルロース添加率を変化させて測定した結果を示す。 図2は、40℃75%RH条件下で14日間又は1ヶ月間保存後の錠厚変化率を、結晶セルロース添加率を変化させて測定した結果を示す。 図3は、30℃75%RH条件下で14日間又は1ヶ月間保存後の錠厚変化率を、無水リン酸水素カルシウム添加率を変化させて測定した結果を示す。 図4は、40℃75%RH条件下で14日間又は1ヶ月間保存後の錠厚変化率を、無水リン酸水素カルシウム添加率を変化させて測定した結果を示す。 図5は、30℃75%RH条件下で14日間又は1ヶ月間保存後の錠厚変化率を、クロスカルメロースナトリウム添加率を変化させて測定した結果を示す。 図6は、40℃75%RH条件下で14日間又は1ヶ月間保存後の錠厚変化率を、クロスカルメロースナトリウム添加率を変化させて測定した結果を示す。 図7は、30℃75%RH条件下で1ヶ月間保存後の水分含量変化率を、結晶セルロース添加率を変化させて測定した結果を示す。 図8は、30℃75%RH条件下で1ヶ月間保存後の水分含量変化率を、クロスカルメロースナトリウム添加率を変化させて測定した結果を示す。 図9は、30℃75%RH条件下で1ヶ月間保存後の水分含量変化率を、無水リン酸水素カルシウム添加率を変化させて測定した結果を示す。 図10は、2500Lx曝光条件下で20日間保存後、40℃75%RH条件下で2ヶ月間保存後、又は60℃60%RH条件下で1ヶ月間保存後の類縁物質総量を、PEG添加率を変化させて測定した結果を示す。 図11は、PEG添加率を変化させた場合の初期の印字状態及び加湿後の印字状態を示す写真である。 図12は、PEG添加率を変化させた場合の初期の印字部分面積、加湿後の印字部分面積、及び印字部分面積の変化率を示すグラフである。 図13は、PEG添加率が0.86%の場合の6ヶ月加湿後の印字状態を示す写真である。
<錠剤>
本発明の錠剤(以下、単に「錠剤」という。)は、イバブラジン又はその薬学的に許容される塩を含有する。
錠剤の絶対硬度の下限は、落下時の割れの発生率を低減する点から、0.18kg/mm超であり、好ましくは0.20kg/mm以上であり、より好ましくは0.22kg/mm以上であり、さらに好ましくは0.23kg/mm以上である。また、錠剤の絶対硬度の上限は、特に制限されないが、通常、0.90kg/mm以下であり、好ましくは0.85kg/mm以下である。
なお、本明細書において、数値範囲の下限及び上限は任意に組み合わせることができる。また、各数値は、四捨五入により当該値になるものを含むことができる。
本明細書において、「絶対硬度」とは、慣用の硬度計により測定した錠剤硬度、及び錠剤の断面積を用いて、下記式:
絶対硬度(kgf/mm)=錠剤硬度(破壊強度、kgf)/錠剤の断面積(mm)
により算出した値である。絶対硬度は、任意の時点の絶対硬度であってもよいが、初期の絶対硬度であることが好ましい。本明細書において、「初期」とは、製造直後;最終包装(医薬品の販売又は授与のための包装であり、法令に規定された表示等を施して市場に出荷又は流通する製品としての形態)から取り出した直後;一包化調剤に供される時点(例えば、分包機の錠剤カセットへの充填直前又は充填中)などの意味で用いる。
薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、これら2種以上の組合せなどが挙げられる。これらのうち、塩酸塩が好ましい。
錠剤中のイバブラジン又はその薬学的に許容される塩の含有率の下限は、特に限定されないが、錠剤の総量を100質量%としたとき、例えば1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。錠剤中のイバブラジン又はその薬学的に許容される塩の含有率の上限は、特に限定されないが、錠剤の総量を100質量%としたとき、例えば30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
錠剤中のイバブラジン又はその薬学的に許容される塩の含有量は、イバブラジンの質量を基準として、例えば、約2.5~約7.5mgの範囲から選択され、約2.5mg、約5mg、又は約7.5mgであってもよい。ここで、「約」とは、記載されている値に対して許容可能な誤差範囲内を意味し、例えば、記載されている値に対して±5%の範囲内を意味する。
イバブラジン又はその薬学的に許容される塩は、他の活性成分と組み合わせてもよい。他の活性成分としては、例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(エナラプリルなど)、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、α遮断薬、β遮断薬、Ca拮抗剤、利尿剤、血糖降下剤、脂質降下剤、血小板凝集抑制剤、抗不整脈剤、骨粗鬆症治療剤、冠拡張剤、これら2種以上の組合せが挙げられる。
錠剤は、さらに、セルロース及びその誘導体、無水リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、並びにクロスポビドンから選択された少なくとも一種の薬学的に許容される添加剤(以下、「添加剤A」という。)を含有することが好ましい。添加剤Aを使用することにより、錠剤の絶対硬度と厚みの変化率とのバランスをとることができ、分包機への適応性(一包化調剤への適応性)をより高めることができる。
錠剤中の添加剤Aの含有率の下限は、添加剤Aの種類によっても異なるが、錠剤の総量を100質量%としたとき、0質量%超が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上が特に好ましい。錠剤がフィルムコーティング錠である場合、素錠中の添加剤Aの含有率の下限は、素錠の総量を100質量%としたとき、0質量%超が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上が特に好ましい。
錠剤中の添加剤Aの含有率の上限は、錠剤の総量を100質量%としたとき、56.5質量%以下が好ましく、56質量%以下がより好ましい。また、錠剤がフィルムコーティング錠である場合、素錠中の添加剤Aの含有率の上限は、素錠の総量を100質量%としたとき、58.5質量%以下が好ましく、58質量%以下がより好ましい。
添加剤Aのうち、セルロースには、例えば、結晶セルロース及び粉末セルロースが含まれる。ここで、「結晶セルロース」は、微結晶セルロースを包含する概念である。
添加剤Aのうち、セルロース誘導体としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなどが挙げられる。添加剤Aにおけるセルロース誘導体には、通常、後述のフィルムコーティングの基剤となる成分は含まれない。
セルロース及びその誘導体としては、セルロース及びクロスカルメロースナトリウムが好ましく、結晶セルロース及びクロスカルメロースナトリウムがより好ましい。なお、通常、結晶セルロースは賦形剤として用いられ、クロスカルメロースナトリウムは崩壊剤として用いられる。
錠剤中(又は素錠中)のセルロース及びその誘導体の含有率の下限及び上限は、それぞれ、錠剤中(又は素錠中)の添加剤Aの含有率で記載した下限及び上限に設定することができる。セルロース及びその誘導体は、その含有率を増大させるにつれて、錠剤の絶対硬度を増大させることができ、その含有率を低下させるにつれて、錠厚変化率を低下させることができる。
錠剤中のセルロース(特に結晶セルロース)の含有率の上限は、錠剤の総量を100質量%としたとき、56.5質量%以下が好ましく、40質量%以下が好ましく、39.2質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下がさらにより好ましく、22.5質量%以下が特に好ましく、22質量%以下が特により好ましい。錠剤がフィルムコーティング錠である場合、素錠中のセルロース(特に結晶セルロース)の含有率の上限は、素錠の総量を100質量%としたとき、58.5質量%以下が好ましく、41質量%以下が好ましく、40.5質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下がさらにより好ましく、23質量%以下が特に好ましい。
また、錠剤中のセルロース誘導体(特にクロスカルメロースナトリウム)の含有率の上限は、錠剤の総量を100質量%としたとき、39.2質量%以下(例えば25質量%以下)が好ましく、20質量%以下(例えば15質量%以下)がより好ましく、10質量%以下(例えば7質量%以下)がさらに好ましく、5質量%以下(例えば4.9質量%以下)が特に好ましい。錠剤がフィルムコーティング錠である場合、素錠中のセルロース誘導体(特にクロスカルメロースナトリウム)の含有率の上限は、素錠の総量を100質量%としたとき、40.8質量%以下(例えば25質量%以下)が好ましく、20質量%以下(例えば15質量%以下)がより好ましく、10質量%以下(例えば7質量%以下)がさらに好ましく、5.2質量%以下(例えば5.1質量%以下)が特に好ましい。
添加剤Aのうち、無水リン酸水素カルシウムは、通常、賦形剤として用いられる。
錠剤中(又は素錠中)の無水リン酸水素カルシウムの含有率の下限は、錠剤中(又は素錠中)の添加剤Aの含有率で記載した下限に設定することができる。また、錠剤中の無水リン酸水素カルシウムの含有率の下限は、錠剤の総量を100質量%としたとき、5.5質量%以上、又は6質量%以上であることも好ましい。錠剤がフィルムコーティング錠である場合、素錠中の無水リン酸水素カルシウムの含有率の下限は、素錠の総量を100質量%としたとき、5.5質量%以上、又は6質量%以上であることも好ましい。無水リン酸水素カルシウムは、その含有率を増大させるにつれて、錠剤の絶対硬度を増大させることができる。
錠剤中(又は素錠中)の無水リン酸水素カルシウムの含有率の上限は、錠剤中(又は素錠中)の添加剤Aの含有率で記載した上限に設定することができる。また、錠剤中の無水リン酸水素カルシウムの含有率の上限は、錠剤の総量を100質量%としたとき、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、39.5質量%以下がさらに好ましい。錠剤がフィルムコーティング錠である場合、素錠中の無水リン酸水素カルシウムの含有率の上限は、素錠の総量を100質量%としたとき、45質量%以下が好ましく、41質量%以下がより好ましく、40.5質量%以下がさらに好ましい。無水リン酸水素カルシウムの含有率を低下させるにつれて、錠厚変化率を低下させることができる。
添加剤Aのうち、カルボキシメチルスターチナトリウム又はクロスポビドンは、通常、崩壊剤として用いられる。
錠剤中(又は素錠中)のカルボキシメチルスターチナトリウム又はクロスポビドンの含有率の下限は、錠剤中(又は素錠中)の添加剤Aの含有率で記載した下限に設定することができる。カルボキシメチルスターチナトリウム又はクロスポビドンは、その含有率を増大させるにつれて、錠剤の絶対硬度を増大させることができる。
錠剤中のカルボキシメチルスターチナトリウム又はクロスポビドンの含有率の上限は、錠剤の総量を100質量%としたとき、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、39.5質量%以下がさらに好ましい。錠剤がフィルムコーティング錠である場合、素錠中のカルボキシメチルスターチナトリウム又はクロスポビドンの含有率の上限は、素錠の総量を100質量%としたとき、45質量%以下が好ましく、41質量%以下がより好ましく、40.5質量%以下がさらに好ましい。カルボキシメチルスターチナトリウム又はクロスポビドンの含有率を低下させるにつれて、錠厚変化率を低下させることができる。
錠剤は、その他の薬学的に許容される添加剤(以下、「添加剤B」という。)を含有してもよい。添加剤Bとしては、添加剤A以外のものであれば、特に制限はなく、例えば、賦形剤、崩壊剤、崩壊補助剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤、香料、着色剤、抗酸化剤、湿潤剤などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
賦形剤としては、例えば、乳糖水和物、無水乳糖、白糖、精製白糖、D-マンニトール、D-ソルビトール、ブドウ糖、トレハロース、果糖、デンプン(例えば、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン)、デキストリン、マクロゴール20000、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム水和物、沈降炭酸カルシウム、カオリンなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン(例えば、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン)、カンテン末、部分アルファ―化デンプン、D-マンニトールなどが挙げられる。
崩壊補助剤としては、例えば、乳糖、マクロゴール1500、マクロゴール4000などが挙げられる。
結合剤としては、例えば、デンプン、デキストリン、プルラン、アラビアゴム、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、タルク、カルナウバロウ、サラシミツロウ、ミツロウ、ショ糖脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムなどが挙げられる。
矯味剤としては、例えば、白糖、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、5-イノシン酸ナトリウム、5-グアニル酸ナトリウムなどが挙げられる。
矯臭剤としては、例えば、トレハロース、リンゴ酸、マルトース、グルコン酸カリウム、アニス精油、バニラ精油、カルダモン精油などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート(ポリソルベート80など)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合物、ラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
香料としては、例えば、レモン油、オレンジ油、メントール、はっか油などが挙げられる。
着色剤としては、例えば、酸化鉄(三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄など)酸化チタンなどが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、L-システイン、亜硫酸ナトリウム、ビタミンEなどが挙げられる。
湿潤剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、マクロゴール、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
添加剤Bは、賦形剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、及び滑沢剤から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
錠剤中(又は素錠中)の賦形剤の含有率は、例えば、50質量%以上、55質量%以上、又は60質量%以上であってもよく、75質量%以下、70質量%以下、又は65質量%以下であってもよい。
錠剤中(又は素錠中)の結合剤の含有率は、例えば、1質量%以上又は5質量%以上であってもよく、20質量%以下又は15質量%以下であってもよい。
錠剤中(又は素錠中)の崩壊剤の含有率は、例えば、10質量%以上、15質量%以上、又は20質量%以上であってもよく、30質量%以下又は25質量%以下であってもよい。
錠剤中(又は素錠中)の流動化剤の含有率は、例えば、0.1質量%以上であってもよく、1質量%以下又は0.5質量%以下であってもよい。
錠剤中(又は素錠中)の滑沢剤の含有率は、例えば、0.1質量%以上であってもよく、1質量%以下又は0.5質量%以下であってもよい。
錠剤の好適な例としては、下記の錠剤A~Cが挙げられる。
(A)イバブラジン又はその薬学的に許容される塩、賦形剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、及び滑沢剤を含む錠剤Aであって、賦形剤が結晶セルロースを含む錠剤A。
(B)イバブラジン又はその薬学的に許容される塩、賦形剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、及び滑沢剤を含む錠剤Bであって、賦形剤が無水リン酸水素カルシウムを含む錠剤B。(C)イバブラジン又はその薬学的に許容される塩、賦形剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、及び滑沢剤を含む錠剤Cであって、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含む錠剤C。
錠剤Aの好適な例としては、下記の錠剤A1、A2、A3が挙げられる。
(A1)錠剤Aにおいて、結晶セルロースの含有率が、錠剤の総量を100質量%としたとき、1~56.5質量%である、錠剤A1。
(A2)錠剤A又はA1において、賦形剤が乳糖水和物を含み、結合剤がデキストリンを含み、崩壊剤がトウモロコシデンプンを含む、錠剤A2。
(A3)錠剤A、A1、又はA2において、錠剤の総量を100質量%としたとき、
イバブラジン又はその薬学的に許容される塩の含有率が、1~10質量%であり、
賦形剤の含有率が、60~70質量%であり、
結合剤の含有率が、5~15質量%であり、
崩壊剤の含有率が、15~25質量%であり、
流動化剤の含有率が、0.1~1質量%であり、
滑沢剤の含有率が、0.1~1質量%である、錠剤A3。
錠剤Bの好適な例としては、下記の錠剤B1、B2、B3が挙げられる。
(B1)錠剤Bにおいて、無水リン酸水素カルシウムの含有率が、錠剤の総量を100質量%としたとき、1~40質量%である、錠剤B1。
(B2)錠剤B又はB1において、賦形剤が乳糖水和物を含み、結合剤がデキストリンを含み、崩壊剤がトウモロコシデンプンを含む、錠剤B2。
(B3)錠剤B、B1、又はB2において、錠剤の総量を100質量%としたとき、
イバブラジン又はその薬学的に許容される塩の含有率が、1~10質量%であり、
賦形剤の含有率が、60~70質量%であり、
結合剤の含有率が、5~15質量%であり、
崩壊剤の含有率が、15~25質量%であり、
流動化剤の含有率が、0.1~1質量%であり、
滑沢剤の含有率が、0.1~1質量%である、錠剤B3。
錠剤Cの好適な例としては、下記の錠剤C1、C2、C3が挙げられる。
(C1)錠剤Cにおいて、クロスカルメロースナトリウムの含有率が、錠剤の総量を100質量%としたとき、1~5質量%である、錠剤C1。
(C2)錠剤C又はC1において、賦形剤が乳糖水和物を含み、結合剤がデキストリンを含み、崩壊剤がトウモロコシデンプンを含む、錠剤C2。
(C3)錠剤C、C1、又はC2において、錠剤の総量を100質量%としたとき、
イバブラジン又はその薬学的に許容される塩の含有率が、1~10質量%であり、
賦形剤の含有率が、55~65質量%であり、
結合剤の含有率が、5~15質量%であり、
崩壊剤の含有率が、20~30質量%であり、
流動化剤の含有率が、0.1~1質量%であり、
滑沢剤の含有率が、0.1~1質量%である、錠剤C3。
錠剤は、例えば、素錠であってもよく、コーティング錠(例えば、糖衣錠、フィルムコーティング錠)であってもよい。これらのうち、コーティング錠が好ましく、フィルムコーティング錠がより好ましい。
素錠の製造方法は特に限定されないが、例えば、イバブラジン又はその薬学的に許容される塩及び必要な添加剤を混合したのち、打錠することで素錠を得ることができる。打錠工程の前に、造粒してもよいが、造粒せずに直接打錠してもよい。
フィルムコーティング錠は、素錠がフィルムコーティングで被覆された錠剤である。フィルムコーティングは、通常、基剤を含む。
基剤は、通常、水溶性基剤であり、具体例としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストリン、プルラン、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、(メタ)アクリル酸コポリマー、カルボキシビニルポリマー、白糖、マンニトール、ゼラチンなどが挙げられる。基剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。基剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。
錠剤中の基剤の含有率は、錠剤の総量を100質量%としたとき、例えば0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上であってもよく、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下であってもよい。フィルムコーティング中の基剤の含有率は、フィルムコーティングの総量を100質量%としたとき、例えば50質量%以上、好ましくは55質量%以上であってもよく、例えば80質量%以下、好ましくは75質量%以下であってもよい。
フィルムコーティングは、基剤に加えて、薬学的に許容される添加剤(以下、「添加剤C」という。)を含有してもよい。添加剤Cとしては、例えば、滑沢剤、可塑剤、着色剤が挙げられる。添加剤Cは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
滑沢剤としては、例えば、タルクが挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、トリアセチン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、クエン酸トリエチル、これら2種以上の組合せなどが挙げられる。これらのうち、ポリエチレングリコール以外の可塑剤が好ましい。
着色剤としては、例えば、酸化鉄(三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄など)、酸化チタン、これら2種以上の組合せなどが挙げられる。
フィルムコーティングは、基剤及び添加剤Cを含有することが好ましく、基剤、滑沢剤、及び着色剤を含有することがより好ましい。錠剤中の滑沢剤及び着色剤の各成分の含有率は、錠剤の総量を100質量%としたとき、例えば、0.01質量%以上(好ましくは0.1質量%以上)であってもよく、1質量%以下(好ましくは0.9質量%以下)であってもよい。フィルムコーティングの総量を100質量%としたとき、滑沢剤の含有率は、例えば5質量%以上(好ましくは10質量%以上)であってもよく、30質量%以下(好ましくは25質量%以下)であってもよく、着色剤の含有率は、例えば1質量%以上(好ましくは5質量%以上)であってもよく、25質量%以下(好ましくは20質量%以下)であってもよい。
フィルムコーティングの質量割合は、素錠100質量部に対して、例えば、1~15質量部、好ましくは2~10質量部である。
錠剤中のポリエチレングリコールの含有率の上限は、錠剤の総量を100質量%としたとき、0.86質量%未満が好ましく、0.38質量%以下がより好ましく、0.19質量%以下(例えば、0.15質量%以下、0.08質量%以下、又は0質量%)がさらに好ましい。フィルムコーティング中、添加剤(又は可塑剤)としてのポリエチレングリコールの含有率の上限は、フィルムコーティングの総量を100質量%としたとき、22.3質量%未満が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下(例えば、4質量%以下、2質量%以下、又は0質量%)がさらに好ましい。含有率が%未満または%以下で表されているとき、その範囲には0質量%が含まれる。固形製剤及び/又はフィルムコーティングがポリエチレングリコールを実質的に含有しないことも好ましい。ここで、「実質的に」とは、不可避的に含有される場合を除くことを意味する。また、「ポリエチレングリコール」とは、数平均分子量200~20000のポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール200、400、1500、4000、6000、20000)を包含する意味で用いる。ポリエチレングリコールの含有率が低いほど、曝光下又は多湿下における類縁物質の生成を抑制することができる。なお、固形製剤中又はフィルムコーティング中の可塑剤の含有率は、ポリエチレングリコールの含有率と同様の範囲から選択することができ、固形製剤又はフィルムコーティングが可塑剤を実質的に含有しないことも好ましい。
フィルムコーティングは、1層又は2層以上の多層であってもよい。フィルムコーティングが多層である場合、最外層中、添加剤(又は可塑剤)としてのポリエチレングリコールの含有率の上限は、最外層の総量を100質量%としたとき、22.3質量%未満が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。なお、最外層中の可塑剤の含有率は、ポリエチレングリコールの含有率と同様の範囲から選択することができ、最外層が可塑剤を実質的に含有しないことも好ましい。
フィルムコーティング上には、染料インクによる印刷を施してもよい。印刷は、他の錠剤との識別のために利用することができる。例えば、一包化調剤時は、製品名等が記載されたPTPシートから錠剤が取り出されているため、薬剤師による監査(正しい錠剤が一包化されているかを確認する作業)の際等に、錠剤表面に印刷されている文字等により、他の錠剤と識別できることが好ましい。
錠剤は、保存の間(又は製造直後から服用までの間)に多湿な空気に曝される可能性がある。特に、分包機の錠剤カセット中や一包化後は、錠剤が多湿な空気に曝される可能性が高い。錠剤が多湿な空気に曝されると、染料インクによる印刷のにじみ又は消失が生じる場合があるが、フィルムコーティング中のポリエチレングリコールの含有率が低いほど、印刷のにじみ又は消失を抑制することができ、識別性を担保することができる。
フィルムコーティング上の印刷に用いられる染料インクとしては、例えば、
(1) 「FD&C染料」と称される、米国食品医薬品局(FDA)により施行された食品医薬品化粧品法のもとで人による摂取が認可された合成色素;
(2) 天然(通常は、植物)の供給源から由来する天然色素;
が挙げられる。
FD&C染料としては、例えば、レッド3号(エリスロシン)、レッド40号(アルーラレッド)、イエロー6号(サンセットイエローFCF)、イエロー5号(タートラジン)、グリーン3号(ファーストグリーンFCF)、ブルー1号(ブリリアントブルーFCF)、ブルー2号(インジゴチン)、これら2種以上の組合せなどが挙げられる。
天然色素としては、例えば、ポルフィリン系色素(クロロフィルなど)、カロチノイド系色素(カロテン、キサントフィルなど)、フラボノイド系色素(カルコン、アントシアニン、3-デオキシアントシアニン、フラボノイド重合体など)、キノイド系色素(アントラキノンなど)、ベタレイン、モナスカス、イリドイド、これら2種以上の組合せなどが挙げられる。
錠剤は、多湿下にあっても染料インクのにじみ又は消失を抑制することができる。例えば、40℃75%RH条件下で6カ月間保存後の印字部面積変化率は、30%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。前記印字部面積変化率は、0%以上であってもよいが、通常、0.01%以上である。印字部面積変化率は、初期の印字部面積からの変化率を意味する。印字部面積変化率は、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製 型式:VHX-5000)を用いて、輝度による自動面積測定により算出することができる。
錠剤中の水分含量は、錠剤の総量を100質量%としたとき、7.5質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、6.5質量%以下がさらに好ましく、通常、4質量%以上である。水分含量は、乳鉢及び乳棒による錠剤粉砕物を用いて、カールフィッシャー法により測定することができる。また、水分含量は、任意の時点の水分含量であり、初期の水分含量であってもよく、多湿下に曝露後(例えば、30℃75%RH条件下で1ヶ月間保存後)の水分含量であってもよい。
30℃75%RHの条件下で1ヶ月間保存後の水分含量変化率は、30%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。前記水分含量変化率は、0%であってもよいが、通常、0.1%以上である。なお、水分含量変化率は、初期の水分含量からの変化率を意味する。
錠剤の形状は、特に限定されず、例えば、丸形であってもよく、異形(例えば、オーバル形、菱形、三角形など)であってもよい。これらのうち、オーバル形が好ましい。
オーバル形の場合、長径は、例えば8~15mmであり、好ましくは10~12mmであり、短径は、例えば3~8mmであり、好ましくは4~6mmである。また、長径と短径の比(長径/短径)は、例えば1.1~3であり、好ましくは1.2~2.5である。
錠剤の厚みは、特に限定されず、例えば、2.4~3.5mmであり、分包機の錠剤カセットの通過性の点から、2.6mm±0.1mmが好ましい。設定値±0.1mm以内であれば、錠剤の詰まりなどの問題が発生することなく錠剤カセットを通過することができる。なお、錠剤の厚みは、任意の時点の厚みであり、初期の厚みであってもよく、多湿下に曝露後(例えば、30℃75%RH条件下で14日間又は1ヶ月間保存後)の厚みであってもよい。
30℃75%RH又は40℃75%RHの条件下で14日間又は1ヶ月間保存後の錠厚変化率は、例えば、4%以下であり、好ましくは3.84%以下である。錠厚変化率は、初期の厚みからの変化率を意味する。初期の厚みをTとすると、錠厚変化率は、(10/T)%以下であることも好ましい。分包機のカセット内は多湿環境になる場合があり、多湿下の錠厚変化率が低いほど、分包機内での錠剤の詰まり、分包機による錠剤の個数の計測ミスを防止することができ、分包機への適応性に優れる。
錠剤は、分包機(特に、自動分包機)への適応性に優れている。錠剤は、分包機の錠剤カセットに充填する用途に好適に使用することができる。錠剤カセットは、内部に収容された多数の錠剤を1個ずつ排出することが可能な形態である限り特に制限されないが、例えば、多数の錠剤が収容される錠剤収容部と、錠剤収容部に収容された錠剤を個別に排出する錠剤排出部とを備えており、錠剤排出部が、カセットの筐体で回転可能に支持されたローターと、ローターの外周を覆う内壁とを備え、ローターの外周面に、所定の配置間隔で複数のリブが形成され、複数のリブ及び内壁によって囲まれた間隙が間欠的に形成されたカセットであってもよい。錠剤カセットは、例えば、国際公開第2014/112221号、国際公開第2012/099189号、特開2005-342123号公報、特開2001-213401号公報、特開平9-39910号公報、特開平9-266940号公報などを参照することができる。
錠剤は、一包化調剤に供されるものであることが好ましい。
錠剤は、包装されていてもよい。包装形態は、特に制限されず、例えば、PTP包装、SP(Strip Package)包装、バラ包装又はボトル包装などが挙げられる。本明細書において、バラ包装とは、同一空間内に2以上の製剤が含まれる包装態様を意味する。分包機のカセットへの充填性に優れる点からは、バラ包装又はボトル包装が好ましい。ボトル包装としては、例えば、ガラス製ボトル包装、プラスチック製ボトル包装が挙げられる。
錠剤を120cmの高さからステンレス面に落下させたときの割れ発生率は、10個中1個以下であることが好ましく、10個中0個であることがより好ましい。ここで、「割れ」とは、1個の錠剤が2以上に分割されることをいい、分割されたものの大きさは、特に制限されないが、通常、目視可能な程度(例えば0.1~0.2mm程度)である。
2500Lx曝光条件下で20日間保存後の錠剤中の類縁物質総量は、1%以下であることが好ましい。また、前記類縁物質総量は、通常、検出限界以上である。一包化調剤後は光に曝露することが多く、曝光条件下での類縁物質総量が少ないほど、一包化調剤への適応性に優れる。ここで、「類縁物質」とは、製剤保管中に生成する構造既知もしくは構造未知の分解生成物などを指し、例えば、後述の分析条件による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析により検出された、イバブラジン以外の全てのピークを意味する。
40℃75%RH条件下で2ヶ月間又は60℃60%RH条件下で1ヶ月間保存後の錠剤中の類縁物質総量は、1%以下であることが好ましい。また、前記類縁物質総量は、通常、検出限界以上である。
錠剤中の類縁物質総量は、HPLCにより算出することができる。HPLCの試験条件は、次のとおりである。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm);
カラム:内径約4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用パルミトアミドプロピルシリル化シリカゲルを充填する;
移動相:33.3mMリン酸二水素カリウム溶液(pH3.0)/アセトニトリル混液(22:3);
流量:イバブラジンの保持時間が約16分になるように調整する
錠剤中の類縁物質総量(%)は、標準物質のピーク面積(イバブラジンのピーク面積)に対するサンプル中の類縁物質のピーク面積の比率に標準物質の秤取量と補正係数を乗じた値の和である。ピーク面積は自動積分法により算出される値であり、補正係数は、標準物質の純度、標準溶液の希釈倍率、及びイバブラジン塩酸塩のイバブラジンへの分子量換算係数に基づいて算出される値である。
錠剤は、慢性安定狭心症及び慢性心不全からなる群より選択される少なくとも一種の疾患の治療又は予防に有用である。錠剤は、好ましくは慢性心不全、より好ましくは洞調律下での安静時心拍数が75回/以上の慢性心不全の治療又は予防に有用である。
錠剤の投与頻度は、特に制限されず、例えば、1日1回、2回、又は3回、2日に1回などであってもよく、好ましくは1日2回である。錠剤の投与時期は、朝、昼、又は夕のいずれであってもよく、食前又は食後のいずれであってもよく、好ましくは食後である。
錠剤は、他の固形製剤、例えば、作用を増強するための固形製剤、副作用を軽減するための固形製剤、他の疾患(生活習慣病など)を予防又は治療するための固形製剤などと組み合わせてもよい。これらの他の固形製剤は、例えば、顆粒、錠剤、カプセル剤などの経口製剤であってもよい。錠剤と他の固形製剤との組合せを一包化してもよい。
錠剤は公知の方法により製造することができる。例えば、イバブラジン又はその薬学的に許容される塩(又はそれを公知の造粒法により造粒し、必要に応じて乾燥、整粒、分級などを行って得られたもの)を、必要に応じて薬学的に許容される添加剤と混合し、打錠機(例えば、ロータリー打錠機、単発打錠機など)を用いて打錠することにより素錠を得ることができる。打錠圧は、通常、1~35kN/cm、好ましくは2~30kN/cm、より好ましくは3~25kN/cm、さらに好ましくは4~20kN/cm、特に好ましくは5~15kN/cmである。
素錠を、必要に応じてコーティング剤で被覆することにより、コーティング錠を得ることができる。乾燥後のコーティング剤の質量は、素錠を100質量%としたとき、例えば1~15質量%であり、好ましくは2~10質量%である。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、「%」は、特に断りのない限り、「質量%」を意味する。
実施例1:初期絶対硬度
<試験製剤Aの調製>
製剤例A1~A5の調製方法を下記に示す。打錠工程では、いずれの試験製剤も約9~10 kNの打錠圧で打錠した。またコーティング工程では、乾燥後のコーティング剤質量が素錠質量に対して約4%となるよう、必要量のコーティング液を噴霧した。
<製剤例A1:結晶セルロース0%>
イバブラジン塩酸塩28.3g、乳糖水和物214.6g、トウモロコシデンプン87.5g、デキストリン17.5g、軽質無水ケイ酸0.7g、及びステアリン酸マグネシウム1.4gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次に精製水60.1gにタルク6.4g、酸化チタン3.8g、及び三二酸化鉄0.04gを懸濁させ10%ヒプロメロース溶液102.4gと混ぜ、コーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径11.7mm、短径5.1mm、錠厚3.2mm)。
<製剤例A2:結晶セルロース2.9%>
イバブラジン塩酸塩28.3g、乳糖水和物204.1g、結晶セルロース10.5g、トウモロコシデンプン87.5g、デキストリン17.5g、軽質無水ケイ酸0.7g、及びステアリン酸マグネシウム1.4gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次に精製水105.6gにタルク9.6g、酸化チタン5.7g、及び三二酸化鉄0.06gを懸濁させ10%ヒプロメロース溶液153.6gと混ぜ、コーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径11.7mm、短径5.1mm、錠厚3.2mm)。
<製剤例A3:結晶セルロース4.8%>
イバブラジン塩酸塩28.3g、乳糖水和物197.1g、結晶セルロース17.5g、トウモロコシデンプン87.5g、デキストリン17.5g、軽質無水ケイ酸0.7g、及びステアリン酸マグネシウム1.4gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次に精製水105.6gにタルク9.6g、酸化チタン5.7g、及び三二酸化鉄0.06gを懸濁させ10%ヒプロメロース溶液153.6gと混ぜ、コーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径11.7mm、短径5.1mm、錠厚3.2mm)。
<製剤例A4:結晶セルロース22%>
イバブラジン塩酸塩28.3g、乳糖水和物134.4g、結晶セルロース80.2g、トウモロコシデンプン87.5g、デキストリン17.5g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次に精製水105.6gにタルク9.6g、酸化チタン5.7g、及び三二酸化鉄0.06gを懸濁させ10%ヒプロメロース溶液153.6gと混ぜ、コーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径11.7mm、短径5.1mm、錠厚3.1mm)。
<製剤例A5:結晶セルロース39.3%>
イバブラジン塩酸塩28.3g、乳糖水和物71.6g、結晶セルロース143.0g、トウモロコシデンプン87.5g、デキストリン17.5g、軽質無水ケイ酸0.7g、及びステアリン酸マグネシウム1.4gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次に精製水105.6gにタルク9.6g、酸化チタン5.7g、及び三二酸化鉄0.06gを懸濁させ10%ヒプロメロース溶液153.6gと混ぜ、コーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径11.7mm、短径5.1mm、錠厚3.2mm)。
上記の製剤例A1~A5の処方を以下の表1に示す。
<処方表>
Figure 0007552146000002
<測定方法>
製剤例A1~A5の硬度を硬度計(岡田精工株式会社製、「NEW SPEED CHECKER TS-75N」)にて測定し、下記算出式に従って絶対硬度を算出した。
絶対硬度の算出式:
絶対硬度(kgf/mm2)=錠剤硬度(破壊強度,kgf)/錠剤の断面積(mm2
<結果・考察>
下記表2に製剤例A1~A5の絶対硬度を示す。処方中の結晶セルロース添加率の増加に伴い錠剤の絶対硬度は上昇傾向を示した。
Figure 0007552146000003
実施例2:落下試験
<測定方法>
実施例1で調製したコーティング錠10錠を120cmの高さからステンレスバットにピンセットで長径方向を下にして1錠ずつ落下させ、その際に完全に割れた錠剤の数を評価した。
<結果・考察>
落下試験の結果を下記表3に示す。絶対硬度が0.18kgf/mm2である製剤例A1では、10錠中2錠の割れが発生した。一方、絶対硬度が0.22kgf/mm2以上である製剤例A2~A5では、錠剤の割れは0錠であった。
Figure 0007552146000004
実施例3:加湿下保存時の錠厚変化
<結晶セルロースを用いた試験製剤Bの調製>
結晶セルロースを用いた製剤例B1~B7の調製方法を下記に示す。打錠工程では、いずれの試験製剤も約8~10 kNの打錠圧で打錠した。またコーティング工程では、乾燥後のコーティング剤質量が素錠質量に対して約4%となるよう、必要量のコーティング液を噴霧した。
<製剤例B1:結晶セルロース0%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、乳糖水和物233.5g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース20.3g、タルク7.2g、酸化チタン4.9g、及び黒酸化鉄0.07gを混合し、精製水333.6gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
<製剤例B2:結晶セルロース4.8%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、乳糖水和物216.0g、結晶セルロース17.5g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース20.3g、タルク7.2g、酸化チタン4.9g、及び黒酸化鉄0.07gを混合し、精製水333.6gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
<製剤例B3:結晶セルロース22%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、乳糖水和物153.2g、結晶セルロース80.2g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース18.8g、タルク6.7g、酸化チタン4.5g、及び黒酸化鉄0.06gを混合し、精製水308.9gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
<製剤例B4:結晶セルロース39.3%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、乳糖水和物90.5g、結晶セルロース143.0g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース18.8g、タルク6.7g、酸化チタン4.5g、及び黒酸化鉄0.06gを混合し、精製水308.9gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
<製剤例B5:結晶セルロース56.5%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、乳糖水和物27.7g、結晶セルロース205.7g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース18.8g、タルク6.7g、酸化チタン4.5g、及び黒酸化鉄0.06gを混合し、精製水308.9gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
<製剤例B6:結晶セルロース64.1%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、結晶セルロース233.5g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース20.3g、タルク7.2g、酸化チタン4.9g、及び黒酸化鉄0.07gを混合し、精製水333.6gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
<製剤例B7:結晶セルロース73.8%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、結晶セルロース268.5g、トウモロコシデンプン70g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース18.8g、タルク6.7g、酸化チタン4.5g、及び黒酸化鉄0.06gを混合し、精製水308.9gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
上記の製剤例B1~B7の処方を以下の表4に示す。
<処方表>
Figure 0007552146000005
<無水リン酸水素カルシウム又はクロスカルメロースナトリウムを用いた試験製剤Cの調製>
無水リン酸水素カルシウム又はクロスカルメロースナトリウムを用いた製剤例1~4の調製方法を下記に示す。打錠工程では、いずれの試験製剤も約8 kNの打錠圧で打錠した。またコーティング工程では、乾燥後のコーティング剤質量が素錠質量に対して約4%となるよう、必要量のコーティング液を噴霧した。
<製剤例C1:無水リン酸水素カルシウム4.8%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、乳糖水和物216.0g、無水リン酸水素カルシウム17.5g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース18.8g、タルク6.7g、酸化チタン4.5g、及び黒酸化鉄0.06gを混合し、精製水308.9gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
<製剤例C2:無水リン酸水素カルシウム39.3%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、乳糖水和物90.5g、無水リン酸水素カルシウム143.0g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース18.8g、タルク6.7g、酸化チタン4.5g、及び黒酸化鉄0.06gを混合し、精製水308.9gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.4mm)。
<製剤例C3:クロスカルメロースナトリウム4.8%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、乳糖水和物216.0g、クロスカルメロースナトリウム17.5g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース18.8g、タルク6.7g、酸化チタン4.5g、及び黒酸化鉄0.06gを混合し、精製水308.9gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
<製剤例C4:クロスカルメロースナトリウム39.3%>
イバブラジン塩酸塩9.4g、乳糖水和物90.5g、クロスカルメロースナトリウム143.0g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース18.8g、タルク6.7g、酸化チタン4.5g、及び黒酸化鉄0.06gを混合し、精製水308.9gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た(オーバル型、長径約8.6mm、短径4.6mm、錠厚約2.6mm)。
上記の製剤例C1~C4の処方を以下の表に示す。
<処方表>
Figure 0007552146000006
<測定方法>
各製剤をビンに入れ、開封した状態で30℃75%RH又は40℃75%RHの安定性試験機に設置した。設置した安定性試験検体を定期的にサンプリングして錠剤の厚みを測定した。
<結果・考察>
各製剤を加湿条件下(30℃75%RH又は40℃75%RH)におき、2週間及び1カ月後にサンプリングした際の開始時からの錠剤厚みの変化を図1~図6に示す。
結晶セルロース添加率を増加させると加湿条件下では錠剤の厚みが厚くなり、変化率が増加することが示された。また、無水リン酸水素カルシウムやクロスカルメロースナトリウムの添加率を増加させた場合でも同様に錠剤の厚みが厚くなり、変化率が増加することが示された。変化率が4%以下であれば、カセット通過性に対して悪影響を及ぼさない。
実施例4:水分含量の測定
<試験製剤>
実施例3の処方表に示した製剤例B1~B7(結晶セルロース0~73.8%)及び製剤例C1~C4(無水リン酸水素カルシウム4.8%及び39.3%、並びにクロスカルメロースナトリウム4.8%及び39.3%)の製剤を用いた。
<測定方法>
各製剤をビンに入れ、開封した状態で30℃75%RHの安定性試験機に設置した。設置した安定性試験検体を定期的にサンプリングして、錠剤中の水分含量を測定した。水分含量は、サンプリングした錠剤を乳鉢及び乳棒により粉砕し、約100mgを秤取したのち、秤取した粉末を供して、カールフィッシャー法により算出した。
<結果・考察>
図7~9に各添加剤の添加率と水分含量の変化の関係を示す。錠剤中の結晶セルロース添加率が増えるにしたがって、水分含量および水分含量変化率は増加した。実施例3において30℃75%RH条件下で1ヶ月保存した際の錠剤厚みの変化率が4%以下であった錠剤は、水分含量が7.5%以下であり、また水分含量変化率が30%以下であった。
実施例5:純度安定性
<試験製剤の調製>
実施例3に記載した製剤例B2の素錠について、以下の製剤例D1~D6に記載した方法でコーティング錠を調製した。コーティングは、乾燥後のコーティング剤質量が素錠質量に対して約4%となるよう、必要量のコーティング液を噴霧した。
<製剤例D1:PEG0%>
精製水270gにヒプロメロース30gを溶解しヒプロメロース溶液を調製した。精製水132.1gにタルク8g、酸化チタン5.4g、及び黒酸化鉄0.07gを懸濁させ、必要量計り取ったヒプロメロース溶液に篩(200号篩)で篩過しながら加え、コーティング剤を得た。素錠約3000錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た。
<製剤例D2:PEG0.08%>
精製水270gにヒプロメロース30gを溶解しヒプロメロース溶液を調製した。精製水132.1gにタルク7.3g、酸化チタン5.4g、黒酸化鉄0.07g、及びポリエチレングリコール0.72gを懸濁させ、必要量計り取ったヒプロメロース溶液に篩(200号篩)で篩過しながら加え、コーティング剤を得た。素錠約3000錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た。
<製剤例D3:PEG0.15%>
精製水270gにヒプロメロース30gを溶解しヒプロメロース溶液を調製した。精製水132.1gにタルク6.6g、酸化チタン5.4g、黒酸化鉄0.07g、及びポリエチレングリコール1.44gを懸濁させ、必要量計り取ったヒプロメロース溶液に篩(200号篩)で篩過しながら加え、コーティング剤を得た。素錠約3000錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た。
<製剤例D4:PEG0.19%>
精製水270gにヒプロメロース30gを溶解しヒプロメロース溶液を調製した。精製水132.1gにタルク6.2g、酸化チタン5.4g、黒酸化鉄0.07g、及びポリエチレングリコール1.8gを懸濁させ、必要量計り取ったヒプロメロース溶液に篩(200号篩)で篩過しながら加え、コーティング剤を得た。素錠約3000錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た。
<製剤例D5:PEG0.38%>
精製水270gにヒプロメロース30gを溶解しヒプロメロース溶液を調製した。精製水132.1gにタルク4.4g、酸化チタン5.4g、黒酸化鉄0.07g、及びポリエチレングリコール3.6gを懸濁させ、必要量計り取ったヒプロメロース溶液に篩(200号篩)で篩過しながら加え、コーティング剤を得た。素錠約3000錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た。
<製剤例D6:PEG0.86%>
精製水270gにヒプロメロース30gを溶解しヒプロメロース溶液を調製した。精製水132.1gに酸化チタン5.4g、黒酸化鉄0.07g、及びポリエチレングリコール8gを懸濁させ、必要量計り取ったヒプロメロース溶液に篩(200号篩)で篩過しながら加え、コーティング剤を得た。素錠約3000錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た。
上記の製剤例D1~D6の処方を以下の表に示す。
<処方表>
Figure 0007552146000007
<測定方法>
各製剤をシャーレの上にのせ、2500lx、40℃75%RH、又は60℃60%RHの安定性試験機に設置した。設置した安定性試験検体を定期的にサンプリングして純度試験を実施した。
<純度試験>
類縁物質総量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した。HPLCの試験条件は、次のとおりである。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm);
カラム:内径約4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用パルミトアミドプロピルシリル化シリカゲルを充填する;
移動相:33.3mMリン酸二水素カリウム溶液(pH3.0)/アセトニトリル混液(22:3);
流量:イバブラジンの保持時間が約16分になるように調整する
類縁物質総量(%)は、標準物質のピーク面積(イバブラジンのピーク面積)に対するサンプル中の類縁物質のピーク面積の比率に標準物質の秤取量と補正係数を乗じた値の和である。ピーク面積は自動積分法により算出される値であり、補正係数は、標準物質の純度、標準溶液の希釈倍率、及びイバブラジン塩酸塩のイバブラジンへの分子量換算係数に基づいて算出される値である。
<結果・考察>
図10に安定性検体の分解生成物の生成率を示す。
PEGの添加率を高くすると各安定性試験検体において分解生成物が増加する傾向が認められた。
実施例6:印刷にじみ
<試験製剤の調製>
乳糖水和物216.0g、結晶セルロース17.5g、トウモロコシデンプン70g、デキストリン35g、軽質無水ケイ酸1.4g、及びステアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所株式会社製)を用いて打錠することにより素錠を得た。次にヒプロメロース20.3g、タルク7.2g、酸化チタン4.9g、黒酸化鉄0.07g、及び表7に示す割合のポリエチレングリコールを混合し、精製水333.6gに懸濁させコーティング剤を調製し、素錠を通気式コーティング機(フロイント産業株式会社製)に入れ、調製したコーティング剤を必要量噴霧しコーティング錠を得た。その後、錠剤印刷機で染料インクにて印字した。
処方を以下の表7に示す。
<処方表>
Figure 0007552146000008
<測定方法>
各処方の印字錠をシャーレの上にのせ、温度40℃、相対湿度75%の安定性試験機に設置し、定期的にサンプリングして印字のにじみを観察した。また、イニシャル品及び安定性試験機に設置してから7日後及び6カ月後のサンプルについて、写真撮影又はデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製 型式:VHX-5000)を用いた画像解析を実施した。具体的には、輝度による自動面積測定(抽出:輝度0-128、整形:穴埋めON、印字部以外の小さい粒を手動で除去した。)により、印字部右側の総面積を算出した。またイニシャル品の測定と同条件下で6カ月品を測定した。
<結果・考察>
図11に安定性試験設置前の印字状態の写真、及び加湿条件下に1週間置いた後の印字状態の写真を示す。PEGの添加率が0.86%の場合、加湿条件下で保管した場合に染料インクのにじみが認められた。
続いて画像解析の結果について図12に示す。PEGの添加率が0.86%の場合、イニシャル品と比較して6カ月品の印字部の面積は大きく変化し、にじみにより文字が消えたため面積が極端に小さくなった(図13)。
上記の結果から分かるように、染料インクのにじみは、フィルムコーティング中のPEGの添加率に依存し、素錠中の成分(活性成分など)には依存しない。したがって、イバブラジン又はその薬学的に許容される塩を含有するフィルムコーティング錠であっても、表7のようにフィルムコーティング中のPEGの添加率を変化させたとき、同様の結果が得られる。

Claims (17)

  1. イバブラジン又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される添加剤を含有する錠剤であって、0.18kgf/mmより高い絶対硬度を有する錠剤であり、前記添加剤がセルロース及び/又はその誘導体を含有する場合、該セルロース及び/又はその誘導体はカルメロース及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有することなく結晶セルロース及び/又はクロスカルメロースナトリウムを含有し、錠剤中の結晶セルロースの含有率は40質量%以下である、錠剤。
  2. 一包化調剤に供するための、請求項1に記載の錠剤。
  3. バラ包装又はボトル包装で包装された、請求項1又は2に記載の錠剤。
  4. 分包機の錠剤カセットに充填するための、請求項1~3のいずれかに記載の錠剤。
  5. 前記添加剤が、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、並びにクロスポビドンからなる群から選択される少なくとも一種の薬学的に許容される添加剤を含有する、請求項1~4のいずれかに記載の錠剤。
  6. 錠剤中の前記添加剤の含有率が、1質量%以上である、請求項5に記載の錠剤。
  7. 前記添加剤結晶セルロースである、請求項5又は6に記載の錠剤。
  8. 前記添加剤が無水リン酸水素カルシウムであり、錠剤中の無水リン酸水素カルシウムの含有率が、40質量%以下である、請求項5又は6に記載の錠剤。
  9. 前記添加剤がクロスカルメロースナトリウムであり、錠剤中のクロスカルメロースナトリウムの含有率が、39.2質量%以下である、請求項5又は6に記載の錠剤。
  10. 120cmの高さからステンレス面に落下させたときの割れ発生率が10個中1個以下である、請求項1~9のいずれかに記載の錠剤。
  11. 錠剤中の水分含量が、錠剤の総量を100質量%としたとき、7.5質量%以下である、請求項1~10のいずれかに記載の錠剤。
  12. 30℃75%RH条件下で1ヶ月間保存後の錠剤の水分含量変化率が30%以下である、請求項1~11のいずれかに記載の錠剤。
  13. 30℃75%RH条件下で14日間又は1ヶ月間保存後の錠剤の錠厚変化率が4%以下である、請求項1~12のいずれかに記載の錠剤。
  14. フィルムコーティングを有する、請求項1~13のいずれかに記載の錠剤。
  15. 錠剤中のポリエチレングリコールの含有率が0.86質量%未満である、請求項14に記載の錠剤。
  16. 2500Lx曝光条件下で20日間保存後の錠剤中の類縁物質総量が1%以下である、請求項15に記載の錠剤。
  17. 40℃75%RH条件下で2ヶ月間又は60℃60%RH条件下で1ヶ月間保存後の錠剤中の類縁物質総量が1%以下である、請求項15又は16に記載の錠剤。
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