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JP7550550B2 - 塗布具 - Google Patents

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JP7550550B2 JP2020111931A JP2020111931A JP7550550B2 JP 7550550 B2 JP7550550 B2 JP 7550550B2 JP 2020111931 A JP2020111931 A JP 2020111931A JP 2020111931 A JP2020111931 A JP 2020111931A JP 7550550 B2 JP7550550 B2 JP 7550550B2
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Description

本発明は、インクや、液状化粧料などの液状物を紙や皮膚などの塗布対象物に塗布する塗布具に関し、更に詳しくは、自然素材を塗布部の構成部材として用いることで、廃棄してしまっても、より環境に対して悪影響の少ない塗布具に関する。
従来、環境に優れた筆記具などのペン先等として、
1) 生分解性樹脂をペン先に用いることで、廃棄したとしても土壌に還りやすくなるため、従来の合成樹脂と較べて環境に対して優れた堆肥化分解性筆記具(例えば、特許文献1参照)、
2) 使用後、土中等に廃棄することにより速やかに分解・資化され得る繊維束芯を装着した筆記具として、毛管現象を生じ得る空隙を有するように生分解性繊維(ポリ乳酸繊維等)を生分解性樹脂からなるバインダー樹脂により結合させた生分解性繊維束芯を装着した筆記具(例えば、特許文献2参照)
などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1及び2は、生分解性の樹脂を用いたものであるが、自然素材を用いたものでないため、未だ環境に対して満足といえるものでなく、より環境に対して悪影響の極めて少ない塗布具の出現が望まれているのが現状である。
る。
特開2000-43470号公報(特許請求の範囲、図1等) 特開2001-1680号公報(特許請求の範囲、図4等)
本発明は、上記従来技術の課題などに鑑み、これを解消しようとするものであり、自然素材を塗布部の構成部材として用いることで、環境にやさしく、廃棄してしまっても、より環境に対して悪影響の少ない塗布具を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等を解決するために鋭意検討した結果、特定の自然素材を塗布部の構成部材として用いることにより、上記目的の塗布具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の塗布具は、塗布部が木材由来の原材料から構成されることを特徴とする。
前記塗布部は多孔化処理されていることが好ましい。
前記塗布部の側面または内面に溝を有していることが好ましい。
前記塗布部の1時間あたりの吸水率が5%以上であることが好ましい。
本発明によれば、塗布部が自然素材である木材由来の原材料から構成されているため、廃棄してしまっても、より環境に対して悪影響の極めて少ない塗布具が提供される。
(a)は本発明の塗布具に用いる塗布部の多孔化処理前の一例を示す正面図、(b)は多孔化処理後の正面図である。 (a)は本発明の塗布具に用いる塗布部の多孔化処理後の他例を示す上面図、(b)は縦断面図、(c)は正面図である。 (a)は本発明の実施形態の一例を示す塗布具の縦断面図、(b)は、(a)の塗布具からキャップを取り外した状態の縦断面図である。 (a)~(n)は本発明の塗布具に用いる塗布部の他例をそれぞれ示す各正面図である。 本発明の実施例における塗布部の形状を示す斜視図である。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して詳しく説明する。
本発明の塗布具は、塗布部が木材由来の原材料から構成されることを特徴とするものである。
本発明は、上記の如く、塗布部が木材由来の原材料から構成されることを特徴とするものであるので、塗布部以外の塗布具本体等の構成、インクや、液状化粧料などの塗布液(液状物)、これらの塗布液を塗布具本体から塗布部へ供給する機構などは特に限定されず、従来より用いられている各種の塗布具の構造などを適用することができるものである(これらの点等については後述する)。
また、本発明における塗布部は、従来において用いられていた合成樹脂製や繊維製などの発泡体、繊維束体、燒結体などから構成される塗布部を木材由来の原材料から構成するものであり、塗布部の形状、大きさ、塗布具の用途(筆記具であれば、アンダーラインマーカー、サインペン、筆記板用ペン、塗布具であれば、化粧液塗布具、修正液塗布具、薬液塗布具)により変動するものである。
本発明において、塗布部に用いる木材由来の原材料としては、針葉樹、広葉樹の各種の木材(樹木)が挙げられ、品種や生育地等に特に限定されるものではなく、各種の木材(樹木)を利用することができる。
塗布部の原材料となる木材(樹木)としては、ソテツ目、イチョウ目、マツ目、モクレン目、クスノキ目、コショウ目、キンポウゲ目、マンサク目、イラクサ目、クルミ目、ヤマモモ目、ブナ目、ヤナギ目、ツバキ目、アオイ目、ツツジ目、カキノキ目、バラ目、ヤマモガシ目、フトモモ目、ミズキ目、ビャクダン目、ニシキギ目、クロウメモドキ目、ムクロジ目、セリ目、シソ目、ゴマノハグサ目、マツムシソウ目などに含まれる各種木材(樹木)を用いることができ、本発明ではイネ科タケ亜科に属するタケ類も用いることができる。
例えば、ソテツ科(ソテツ属)、イチョウ科(イチョウ属)、マツ科(マツ属:ヤクタネゴヨウ、ハイマツ、アカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ;カラマツ属、トウヒ属:エゾマツ、オウショウトウヒ;ヒマラヤスギ属:レバノンスギ;トガサワラ属、ツガ属、モミ属)、ナンヨウスギ科(ナンヨウスギ属、アガチス属、ウォレミア属)、イヌマキ科〔=マキ科:イヌマキ属(=マキ属)〕、フィロクラドゥス科、コウヤマキ科(コウヤマキ属)、ヒノキ科(ヒノキ属:ヒノキ、サワラ;スギ属:スギ;スイショウ属、ヌマスギ属:ヌマスギ;、クロベ属:クロベ;アスナロ属:アスナロ、ヒバ;コノテガシワ属、イトスギ属、ビャクシン属:ビャクシン、カイズカイブキ、ハイビャクシン、ミヤマビャクシン、タマイブキ、キンイブキ、ネズ、ハイネズ;セコイア属:セコイア;メタセコイア属:メタセコイア;、セコイアデンドロン属:セコイアデンドロン;コウヨウザン属、タイワンスギ属)、イヌガヤ科(イヌガヤ属)、イチイ科(イチイ属:イチイ、キャラボク、ヨーロッパイチイ、カナダイチ、タイヘイヨウイチイ;、カヤ属:カヤ)、イネ科タケ亜科のホウライチク属、カンチク属、マダケ属(モウソウチク、マダケ、ハチク、ホテイチク)、ナリヒラダケ属、トウチク属、シホウチク属、メダケ属(メダケ、リュウキュウチク)、ヤダケ属(ヤダケ、ヤクシマダケ)、スズダケ属(スズタケ)などが挙げられる。
また、モクレン科(ユリノキ属:ユリノキ;、モクレン属:ハクモクレン、コブシ、ホオノキ、シモクレン、タムシバ;オガタマノキ属)、バンレイシ科(バンレイシ属、イランイラン属)、クスノキ科(ニッケイ属:クスノキ、セイロンイッケイ;、ゲッケイジュ属:ゲッケイジュ)、センリョウ科(センリョウ属:センリョウ)、キンポウゲ科、メギ科(ヒイラギナンテン属、ナンテン属:ナンテン)アケビ科、カツラ科(カツラ属:カツラ)、フサザクラ科、スズカケノキ科(スズカケノキ属:スズカケノキ)、マンサク科(トサミズキ属、マルバノキ属、イスノキ属、マンサク属、フウ属:フウ、モミジバフウ;、トキワマンサク属)、ニレ科(ニレ属:ハルニレ、オヒョウ;、ケヤキ属:ケヤキ)、クワ科(パンノキ属、コウゾ属、イチジク属:イチジク;クワ属:ヤマグワ)、クルミ科(クルミ属:オニグルミ;、サワグルミ属:サワグルミ、ペカン属:ペカン)、ヤマモモ科(ヤマモモ属:ヤマモモ)、カバノキ科(ハンノキ属:ハンノキ、ヤシャブシ;カバノキ属:ウダイカンバ、ダケカンバ、ミズメ、シラカバ;ハシバミ属:ハシバミ、ツノハシバミ、セイヨウハシバミ;、クマシデ属:サワシバ、クマシデ、アカシデ、イヌシデ;、アサダ属)、センダン科(マホガニー属)などが挙げられる。
更に、ブナ科(クリ属:クリ;シイノキ属、ブナ属:ブナ、イヌブナ;、マテバシイ属、コナラ属:コナラ、ウバメガシ、ミズナラ、シラカシ;)、ヤナギ科(ハコヤナギ属:ヤマナラシ、セイヨウハコヤナギ;ヤナギ属:シダレヤナギ、ネコヤナギ;オオバヤナギ属、ケショウヤナギ属)、ツバキ科(ツバキ属:ヤブツバキ、サザンカ、カンツバキ、チャノキ; 、サカキ属:サカキ;、ヒサカキ属:ヒサカキ、ハマヒサカキ;ナツツバキ属:ナツツバキ、ヒメシャラ;、モッコク属:モッコク)、オトギリソウ科(オトギリソウ属:キンシバイ、ビョウヤガキ)、シナノキ科(シナノキ属:シナノキ)、パンヤ科(バオバブ属、バルサ属:バルサ)、ツツジ科(ドウダンツツジ属:ドウダンツツジ、サラサドウダン;、スノキ属:ナツハゼ;、ツツジ属)、リョウブ科(リョウブ属:リョウブ)、カキノキ科(カキノキ属:カキ、黒檀、マメガキ、ロウヤガキ)、エゴノキ科(エゴノキ属:エゴノキ、ハクウンボク)、アジサイ科(アジサイ属:アジサイ、ノリウツギ)、バラ科(ボケ属:カリン;、リンゴ属:リンゴ、オオウラジロノキ;、ウワミズザクラ属:ウワミズザクラ、カナメモチ属、サクラ属:アンズ、ウメ、エゾヤマザクラ、カスムザクラ、スモモ、モモ、リンボク、バクチノキ;、ナシ属、シャリンバイ属、ナナカマド属:ナナカマド;、ウラジロロノキ;、シモツケ属:ユキヤナギ)、マメ科(クララ属:エンジュ;、ハリエンジュ属:ハリエンジュ;、シタン属:カリン;、ツルサイカチ属(=ダルベルギア属):本紫檀、手違い紫檀)、ジンチョウゲ科(ジンチョウゲ属:ナニワズ、コショウノキ、カラスシキミ、ジンチョウゲ、オニシバリ)、フトモモ科(ユーカリ属:ユーカリ)、ザクロ科、ノボタン科(ノボタン属:ノボタン;、ティボウキナ属:シコンノボタン)、ミズキ科(ミズキ属:ミズキ;、アオキ属:アオキ;、サンシュユ属:サンシュユ;、ヤマボウシ属:ヤマボウシ、アメリカヤマボウシ;、ハナイカダ属)、ヤドリギ科(オオバヤドリギ属、マツグミ属、ヤドリギ属)、ニシキギ科(ニシキギ属:ニシキギ、マユミ、ツリバナ、コマユミ)、モチノキ科(モチノキ属:イヌツゲ、モチノキ、タラヨウ、アオハダ、ウメモドキ)、クロウメモドキ科(ケンポナシ属:ケンポナシ;、ナツメ属:ナツメ)、カエデ科(カエデ属:アサノハカエデ、イタヤカエデ、コハウチワカエデ、コミネカエデ、サトウカエデ、チドリノキ、トウカエデ、ハウチワカエデ、ヒトツバカエデ、ミツデカエデ、メグスリノキ)、トチノキ科(トチノキ属:トチノキ)、ウルシ科(ウルシ属:ツタウルシ、ヤマウルシ)、ミカン科(サンショウ属、ミカン属(キトルス属)、キンカン属、カラタチ属、ゲッキツ属:ゲッキツ)、ウコギ科(ウコギ属:コシアブラ、ヤマウコギ;、タラノキ属:タラノキ;、カクレミノ属:カクレミノ; 、タカノツメ属:タカノツメ;、ヤツデ属:ヤツデ;、キヅタ属:キヅタ;、ハリギリ属)、ウリノキ科(ウリノキ属:ウリノキ)、クマツヅラ科(ムラサキシキブ属:コムラサキ、ムラサキシキブ、ヤブムラサキ)、モクセイ科(レンギョウ属、トネリコ属:アオダモ、マルバアオダモ、ヤチダモ;、イボタノキ属、モクセイ属:キンモクセイ、ギンモクセイ、ヒイラギ;、ハシドイ属:ムラサキハシドイ)、スイカズラ科(スイカズラ属:スイカズラ;、ガマズミ属:ガマズミ、オオカメノキ、ゴマキ、ミヤマガマズミ;、タニウツギ属などが挙げられる。
これらの木材(樹木)の各目(針葉樹、広葉樹)、各科、各属の中で、好ましくは、入手性、加工性、多孔化処理性、吸水性、生産性などの点から、スギ科、ヒノキ科、マツ科、フトモモ科、パンヤ科、ナンヨウスギ科、バンレイシ科、イネ科タケ亜科、センダン科などに属する樹木を好適に用いることができ、更に好ましくは、マツ科のツガ属:ツガ、ヒオノキ科のヒノキ属のヒノキ、フトモモ科のユーカリ属のユーカリ、パンヤ科のバルサ属のバルサ、イネ科タケ亜科のマダケ属のモウソウチク、マダケ、ハチク、ホテイチク、メダケ属のメダケ、リュウキュウチク、スギ科のスギ属のスギ等を好適に用いることができる。
本発明の塗布部の成形は、上記原材料となる木材(樹木)を裁断処理等して所定の塗布部の形状に加工し、該加工した塗布部前駆体を多孔化処理することにより、塗布部を得ることができる。
本発明の多孔化処理は、上記木材から加工された塗布部前駆体に所定の気孔率や、木材に含まれる非極性成分を除去などして塗布液(インクを含む)流出性や、物理的強度(せん断強度、折損強度)を充足するように加工するものである。難浸透性の木材を原材料とした塗布部前駆体は、内部まで均一に処理することは容易ではないが、下記多孔化処理することにより、目的の効果が十分に発揮される塗布部が得られるものとなる。
この多孔化処理としては、例えば、上記木材から得た処理前の塗布部前駆体を
1)凍結乾燥又は熱風乾燥の乾燥処理により多孔化する方法
2)加圧水で含浸処理後、凍結(冷凍)処理し、次いで、凍結乾燥又は熱風乾燥の乾燥処理により多孔化する方法、
3)超臨界二酸化炭素処理により多孔化する方法
4)上記1)の乾燥処理後、上記2)の処理及び/又は上記3)の処理をして多孔化する方法、が挙げられる。
上記1)の凍結乾燥は、氷点下20℃程度の低温により木材内部の水分を凍結させた状態で水分を昇華させると共に、水分以外の揮発性の有機物を真空下にて除去して多孔化する方法であり、熱風乾燥は、水分を蒸発させると共に、水分以外の揮発性の有機物を加熱により揮発させて多孔化する方法である。
上記2)の多孔化する方法は、例えば、水中において100MPa以上の圧力を加えて木材組織内部へ水を浸透させて含浸処理し、その後、水分の膨張による木材組織破壊のきっかけとなる凍結処理により多孔化する方法である。
上記3)の「超臨界二酸化炭素処理」は、温度が31.1℃以上、圧力が7.38MPa以上にした状態の二酸化炭素のことで、気体並の高い流動性・浸透性と液体並の強い溶解力を合わせ持っているものであり、木材のような材料(塗布部)に対して、気体のように速やかに内部まで浸透し、液体に近い溶解力で塗布部を多孔化することができるものである。用いる二酸化炭素は無毒・不燃性・不活性・安価であり、使用後も回収して再利用できることから、環境や人体に有害な有機溶媒に代わる環境低負荷型反応溶媒である。
具体的には、所定の木材を加工処理した塗布部(試料)を耐圧容器に入れ、真空ポンプで容器内を真空にした後に二酸化炭素を入れて密封し、超臨界状態(40℃、80気圧)で1~96時間処理することにより多孔化を行うことができる。
上記4)の多孔化する方法は、上記1)~上記3)の多孔化する方法の組み合わせであり、上記1)の凍結乾燥又は熱風乾燥の処理後、上記2)の加圧水含浸処理、凍結(冷凍)処理、乾燥(凍結又は熱風)処理及び/又は上記3)の超臨界二酸化炭素処理をして多孔化する方法である。
上記1)~4)の多孔化する方法は、上記原材料となる木材(樹木)種(各目、各科、各属、産地、各木材からの取得部位等)により、木材の組織、含まれる非極性成分等が異なるので、これらの物性を考慮して上記1)~4)の多孔化する方法が適用される。
本発明では、上記多孔化処理により塗布部の1時間当たりの吸水率が5%以上であることが好ましく、更に好ましくは、100~300%とすることが望ましい。
本発明において、「吸水率」とは、試料を水(液温25℃)に1時間浸漬させた後の重量から、初期の試料重量を差し引き、初期の試料重量で除して100を乗じることにより算出される、木材重量に対する水の重量を百分率で表した値を意味するものである。
上記所定の吸水率にするためには、上記1)~4)の多孔化処理法を好適に組み合わせること(少なくとも1種以上の組み合わせ)により調整することができる。
図1(a)は、本発明の塗布具に用いる塗布部10の多孔化処理前の一例を示す正面図、(b)は上記多孔化処理後、本実施形態では、上記1)の熱風乾燥処理の後、上記3)の超臨界二酸化炭素処理を行い多孔質材料とした塗布部10の正面図である。
また、本発明では、上記多孔化処理した塗布部の側面及び/又は内面に長手方向(鉛直方向)に溝(部)を有していることが好ましい。
図2(a)は本発明の塗布具に用いる塗布部の多孔化処理後に、更に塗布部10に溝(部)11、11…を施した一例を示す上面図、(b)はその縦断面図、(c)はその正面図である。
上記塗布部10に形成する溝(部)11の幅、長さ、深さ及びその形状等は、塗布部の形状、大きさ、塗布部の形態などにより変動するものであり、塗布具本体から塗布部への塗布液の供給が効率よく、かつ塗布部で良好に塗布できればよく、特に限定されない。
本実施形態の塗布部10は、外形φ3mm、溝の長さは端面から端面までの12mmであり、溝幅0.2mm、溝深さ0.2mm、溝形状:ハコ状、溝本数は8本であり、その溝間隔も約1mmの所定間隔毎に形成したものとなっている。この実施形態の溝の構造は一例であり、塗布部の形状等、塗布具の構造、用途、塗布液の性状等により所定の設定がなされるものである。また、内面に溝部若しくは通気孔を形成する方法等としては、例えば、端面からの切削加工や、あらかじめ溝を形成した複数の材料を貼り合わせて内部に溝を形成する貼り合わせ加工などが挙げられる。
このように構成される本発明の塗布部は、インクや、液状化粧料などの液状物となる塗布液を紙や皮膚などの塗布対象物に塗布する塗布具に装着して使用に供されることとなる。
本発明の塗布具は、上述の如く、塗布部が木材由来の原材料から構成されることを特徴とするものであるので、塗布部以外の塗布具の構成、インクや、液状化粧料などの塗布液を塗布具本体から塗布部へ供給する機構などは特に限定されず、従来より用いられている各種の塗布具に適用することができる。
本実施形態の塗布具Aは、マーキングペンタイプのバルブ式の筆記具に適用したものであり、図3に示すように、ペン芯となる塗布部10、塗布具本体となる軸筒20、インクを吸蔵する液体吸蔵体35、弁機構40、キャップ部60を備えている。
軸筒20は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス等で形成されるものであり、水性インク、油性インク、熱変色性インクなどの粘度100mPa・s未満の低粘度の筆記具用インクを収容する有底筒状の後軸21と、ペン芯から構成される塗布部10を摺動保持する先軸30とを有している。
後軸21は、例えば、ポリプロピレン等からなる熱可塑性樹脂を使用して有底筒状体に成形され、筆記具本体として機能する。この後軸21全体及び先軸30は不透明又は透明(及び半透明)に成形されるが、外観上や実用上の観点からいずれを採用しても良い。また、後軸21の開口部22の外周部に先軸30が螺合等により固着される構造となっている。
先軸30は、後方側に後軸21の開口部22の外周部に螺合する筒状の大径部31と、前方側に筒状の中径部32、ペン芯からなる塗布部10を嵌合する筒状の小径部33とを有しており、例えば、PP等からなる合成樹脂などで成形されるものである。
上記塗布部10は、先軸30の小径部33内に保持されており、そのペン芯となる塗布部10の先端側は小径部33から露出した構造となっている。
液体吸蔵体35は、後述する弁機構40から流出するインクを吸蔵するものであり、先軸20の筒状の中径部22内に嵌入され、塗布部10の後部側外周に接するように設けられている。
この液体吸蔵体35は、天然繊維、合成樹脂繊維などの繊維束、フェルト等の繊維束を加工した繊維束体、または、硬質スポンジ、樹脂粒子焼結体等からなる樹脂粒子多孔体などから構成されるものである。
弁機構40は、上記軸筒20と塗布部10との間に設けられるものであり、上記塗布部10の後退に連動して後退可能な中空部41aを有する弁棒41と、該弁棒41を上記塗布部10の方向に付勢するスプリング部材42と、軸筒20から塗布部10への液体流路を閉鎖・開放する筒状の弁座体43と、上記弁棒41を摺動可能に保持する弁筒部44とを備えるものである。
弁棒41は、弁体41bと、スプリング部材42の前端を保持する段部41cとを有し、その先端部がペン芯30の後端面に当接する構造となっている。
また、本実施形態では、更に、図1及び図2(a)に示すように、前記弁棒41の外周と液体吸蔵体35の内周面との間に隙間部36が形成されると共に、前記液体吸蔵体35の後端側と弁棒41の外周とに囲まれた弁座体43内に液溜まり部45を形成している。
上記隙間部36は、液体吸蔵体35の側面にも直接インクを浸透させるために形成するものであり、これにより液体吸蔵体35へのインクの濡れを促進せしめることができるものとなる。この隙間部36の幅方向、並びに、長手方向の長さは、液体吸蔵体35の液体吸蔵量、塗布部10の液体吸蔵量、ペン芯となる塗布部10のインク濡れ性、塗布部10のポンピング性、液溜まり部45の容積等を勘案して好適な長さ(塗布部10との径差0.03mm以上、長さ4.5mm以上)に設定される。
上記液溜まり部45の容積量は、隙間部36の容積より大きいことが望ましい。この液溜まり部45により、一度のポンピング操作(開弁操作)をすれば、液溜まり部45に溜まったインクが隙間部36に一度に全部流れこめないため、スポンジ上面からも濡れさせることが出来る上に、次のポンピング操作によらず、液溜まり部45のインクが常に液体吸蔵体35に接するようにすることでインク濡れを促進できるものとなる。
この弁機構40は、図1及び図2(a)に示すように、上記塗布部材となるペン芯30を押圧することにより、弁棒41がスプリング部材42の付勢力に抗して後退し、弁棒41に形成した弁体41bが弁座体43の弁座から離れ、軸筒20内のインクを塗布部10に供給せしめる構造となるものであり、塗布部10の押圧を解除すると、スプリング部材42の弾性力により弁体41bが弁座体43の弁座に当接して、軸筒20から塗布部10へのインクの流通を閉鎖するものとなる。なお、図示符号50は、軸筒10内に収容したインクを撹拌する撹拌ボールである。
キャップ部60は、図3に示すように、先軸30に小径部33の外周面に嵌合等により着脱自在に取り付けられるものであり、塗布部10を保護する内キャップ部61と、筒状型の外キャップ部62と、天冠63とから構成され、該天冠部63が係止部64により装着されている。
このように構成される本実施形態の液体塗布具Aでは、塗布部10を押圧(ポンピング動作を)すると、インクを液体吸蔵体35の側面並びに後端面の一部からインクを多孔化処理した所定の吸水率となる塗布部10に浸透させることができ、塗布部10で筆記又は塗布することができるものとなり、当該塗布部10が自然素材である木材由来の原材料から構成されているため、廃棄してしまっても、より環境に対して悪影響の極めて少ない塗布具が得られることとなる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の形態に変更することができる。
上記実施形態では、図1、図2では、各形状の塗布部を用いたが、各塗布具(筆記具を含む)の用途等のより、図4(a)~(n)に示される各形状の塗布部であってもよいものである。
また、上記実施形態では、バルブ式の筆記具としたが、バルブ式の他、中綿方式、直液方式等であっても良く、また、塗布具の塗布液は、筆記具用インクの他、マニキュア液、液状化粧料等とし、化粧具、その他液体を一般に塗布するものとしてもよいものである。
更に、上記実施形態の筆記具Aでは、塗布具本体となる軸筒などの断面を円筒状に形成したが、三角形状、楕円形状、四角形以上の方形状などの異形形状にしても良いものである。
次に、実施例となる試験例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記試験例等に限定されるものではない。
〔試験例〕
下記4種の木材(樹木)を用いて下記処理法(処理1~4)により多孔化処理などを行った塗布部前駆体(直方体:10×15×20mmに二面に二本のV溝加工:図5参照)を作製した。
下記表1に木材種(4種)と処理法(4種)の組み合わせからなる作成した各塗布部を示す。得られた塗布部前駆体の吸水率(1時間当たり)を上述の方法で算出した。
また、得られた各塗布部を用いて、下記方法により液体塗布具を作製して下記評価法により塗布性を評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
(木材種)
A:栂(ツガ:マツ科ツガ属)
B:桧(ヒノキ:ヒノキ科ヒノキ属)
C:ユーカリ(フトモモ科ユーカリ属)
D:バルサ(パンヤ科バルサ属)
(処理法:処理1~4)
下記熱風乾燥を単独(処理1)で、また、下記処理法の組み合わせ(処理2~4)にて処理した(下記表1参照)。
熱風乾燥は、塗布部(試料)を温度120℃の熱風を用いて試料内の水分を蒸発させると共に、水分以外の揮発性の有機物を加熱により揮発させて多孔化した。
超臨界二酸化炭素は、塗布部(試料)を耐圧容器に入れ、真空ポンプで容器内を真空にした後に二酸化炭素を入れて密封し、超臨界状態(40℃、80気圧)で48時間処理して多孔化した。
凍結乾燥は、氷点下20℃の低温により木材内部の水分を凍結させた状態で水分を昇華させると共に、水分以外の揮発性の有機物を真空下にて除去して多孔化した。
加圧含浸後冷凍は、塗布部(試料)を試験耐圧容器に入れ、水中において700MPaの圧力を加えて木材組織内部へ水を浸透させて含浸処理し、その後、水分の膨張による木材組織破壊のきっかけとなる凍結処理により多孔化した。
処理1~4を、下記及び下記表1に記載した。
<処理1>熱風乾燥
<処理2>熱風乾燥→超臨界二酸化炭素
<処理3>凍結乾燥→加圧含浸後冷凍
<処理4>凍結乾燥→加圧含浸後冷凍→超臨界二酸化炭素
(液体塗布具の構成:図3準拠)
各部材の構成:
塗布部(ペン芯):各木材種×処理1~4(各吸水率)、両側部に各2本の溝部m:幅0.3mm,深さ0.3mmの溝加工:図5参照)
インク吸蔵体35:ウレタンスポンジ、気孔率75%、外形:φ15×15mm(空洞部;φ8×15mm)
弁棒、弁座体、弁筒:ポリエチレン製
スプリング部材:ステンレス製
軸筒、先軸:ポリプロピレン製
隙間部:容積0.20ml(片側の隙間1.6mm、長さ10mm)
液溜部:容積0.40ml
塗布液組成;下記組成の塗布液(全量100質量%)を用いた。
カーボンブラック分散液(プロピレングリコールモノメチルエーテル溶剤、固形分20質量%) 60質量%
テルペンフェノール樹脂 10質量%
エチルアルコール 30質量%
塗布性評価:
自動筆記試験機にて上質紙(JIS P3201に準拠;坪量範囲40~157g/m2、白色度75.0%以上)へ4.5m/minの速度で100m筆記して下記評価基準で評価した。
評価基準;
A:カスレなし。
B:20m以上100m以下でカスレが見られる。
Figure 0007550550000001
このように構成される本発明となる試験例の各塗布具では、上記表1、並びに、図3に示されるように、各木材種、処理1~4による各吸水率となる各塗布部10を押圧(ポンピング動作を)すると、インクを液体吸蔵体35の側面並びに後端面の一部からインクを多孔化処理した所定の吸水率となる塗布部10に浸透させることができ、塗布部10で筆記又は塗布することができるものとなり、当該塗布部10が上記表1に示される自然素材である木材由来の原材料から構成されているため、廃棄してしまっても、より環境に対しての負荷が極めて少ない塗布具を得られることが判った。
本発明の塗布具では、アンダーラインペン、ペイントマーカー、油性マーカー、水性マーカーと呼ばれるタイプの筆記具、マニキュア液、液状化粧料等の化粧具などに好適に適用することができる。
A 塗布具
10 塗布部
20 軸筒
21 後軸
30 先軸
35 液体吸蔵体
36 隙間部
40 弁機構
45 液溜まり部

Claims (1)

  1. 塗布部が木材由来の原材料のみから構成されると共に、多孔化処理され、かつ、断面T字形状の塗布部から構成され、筆記部側の直方体形状部分の二面の鉛直方向に、それぞれ二本のV溝加工を形成していることを特徴とする塗布具。
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