JP7543870B2 - プライマー、太陽電池用裏面保護シートおよび太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
また、特許文献4では、着色剤として赤色系顔料、青色系顔料、および黄色系顔料を配合したプライマーを使用した裏面保護シートが開示されている。
さらには、屋外の厳しい使用環境を再現するために湿熱試験とUV照射試験を繰り返すという過酷な耐久性試験を行った場合、黒味や接着力が低下してしまうことも問題である。
(メタ)アクリル系共重合体(A)、および着色剤(C)を含み、
プライマーの不揮発分100質量%中、着色剤(C)を10~40質量%含み、
着色剤(C)は、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料、およびイソインドリン系黄色顔料を含み、
下記(1)~(4)のすべてを満たすプライマーに関する。
(1)80≦Mv+Mb+My
(2)25≦Mv’≦40
(3)40≦My’≦55
(4)63.5≦Mb’+1.42Mv’≦73.5
(Mv、Mb、Myは、それぞれ、着色剤(C)の合計100質量%中の、ジオキサジン系紫色顔料の含有率、フタロシアニン系青色顔料の含有率、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率であり、
Mv’、Mb’、My’は、それぞれ、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料およびイソインドリン系黄色顔料の合計100質量%中の、ジオキサジン系紫色顔料の含有率、フタロシアニン系青色顔料の含有率、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率である。)
また、本明細書において、「(メタ)アクリル系共重合体」は、「アクリル系共重合体」、「メタクリル系共重合体」、「アクリル系-メタクリル系共重合体」を包含する意である。太陽電池は、太陽光発電ともいう。
なお、本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
また、以下に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のプライマーは、光反射性フィルム、およびプライマー層を備える太陽電池用裏面保護シートのプライマー層を形成するために用いられる。
プライマーは、(メタ)アクリル系共重合体(A)、および着色剤(C)を含み、必要に応じて、ポリイソシアネート化合物(B)、ポリオール(D)、およびその他成分を含有してもよい。
また、プライマーの不揮発分100質量%中に、着色剤(C)を10~40質量%含み、着色剤(C)としてジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料、イソインドリン系黄色顔料を含む。
さらに下記(1)~(4)のすべてを満たす。
(1)80≦Mv+Mb+My
(2)25≦Mv’≦40
(3)40≦My’≦55
(4)63.5≦Mb’+1.42Mv’≦73.5
(Mv、Mb、Myは、それぞれ、着色剤(C)の合計100質量%中の、ジオキサジン系紫色顔料の含有率、フタロシアニン系青色顔料の含有率、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率であり、
Mv’、Mb’、My’は、それぞれ、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料およびイソインドリン系黄色顔料の合計100質量%中の、ジオキサジン系紫色顔料の含有率、フタロシアニン系青色顔料の含有率、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率である。)
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、反応性官能基を有するモノマー、またはその他モノマーから適宜選択したモノマーを常法に従い重合した共重合体である。ここで「モノマー」とは、エチレン性不飽和結合を有する化合物を意味する。
反応性官能基を有するモノマーは、例えば、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、N-メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
その他モノマーは、例えば、ベンジルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価は、具体的には0.1~100mgKOH/gが好ましく、1~50mgKOH/gがより好ましく、2~30mgKOH/gがさらに好ましい。水酸基価がこの範囲にあることで、湿熱試験後の剥離強度の低下を抑制し易い。
なお、重量平均分子量は、樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の値である。例えば、カラム(昭和電工(株)製KF-805L、KF-803L、及びKF-802)の温度を40℃として、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、流速を0.2ml/minとし、検出をRI、試料濃度を0.02質量%とし、標準試料としてポリスチレンを用い、測定することができる。
なお、本発明におけるガラス転移温度とは、乾燥させて不揮発分100質量%にした樹脂について、示差走査熱量分析(DSC)によって計測したガラス転移温度のことをいう。
例えば、ガラス転移温度は、試料約10mgを秤量したサンプルを入れたアルミニウムパンと、試料を入れていないアルミニウムパンとをDSC装置にセットし、これを窒素気流中で、液体窒素を用いて-100℃まで急冷処理し、その後、20℃/分で200℃まで昇温し、DSC曲線をプロットする。このDSC曲線の低温側のベースライン(試験片に転移および反応を生じない温度領域のDSC曲線部分)を高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点から、補外ガラス転移開始温度(Tig)を求め、これをガラス転移温度として求めることができる。
換言すると、炭素-炭素二重結合一つあたりの(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量である。例えば、重量平均分子量が50,000の(メタ)アクリル系共重合体(A)が有する炭素-炭素二重結合の個数が20であれば、この官能基当量は2,500と計算できる。なお、ここで重量平均分子量が50,000の(メタ)アクリル系共重合体(A)は、実際は様々な分子量を有する共重合体分子の混合物となっているが、二重結合当量を計算する場合はすべての分子が50,000であると仮定する。そして1分子当たりの炭素-炭素二重結合の個数はモノマーの重量比から計算できる。例えば(メタ)アクリル系共重合体(A)のモノマー質量100質量%のうち、グリシジル基に付加したアクリル酸(分子量72.06g/mol)が2.88質量%含まれる場合、分子量が50,000のアクリル樹脂1分子あたりの炭素-炭素二重結合の個数は50,000×(2.88/100)÷72.06≒20となり、20個となる。なお、(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は先述した方法で測定することができる。
プライマーには、ポリイソシアネート化合物(B)を用いてもよい。ポリイソシアネート化合物(B)は、(メタ)アクリル系共重合体(A)がイソシアネート基と反応可能な官能基を有する場合、硬化剤として働きプライマーを架橋させ耐久性を向上させることができる。(メタ)アクリル系共重合体(A)の官能基はイソシアネート基と反応するものであれば特に限定されないが、反応性や安全性などの観点から水酸基が好ましい。
鎖式脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1、2-プロピレンジイソシアネート、2、3-ブチレンジイソシアネート、1、3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2、4、4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
環状脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、3-イソシアネートメチル-3、5、5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1、3-シクロペンタンジイソシアネート、1、3-シクロヘキサンジイソシアネート、1、4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2、4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2、6-シクロヘキサンジイソシアネート、4、4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1、4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω、ω’-ジイソシアネート-1、3-ジメチルベンゼン、ω、ω’-ジイソシアネート-1、4-ジメチルベンゼン、ω、ω’-ジイソシアネート-1、4-ジエチルベンゼン、1、4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1、3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ポリイソシアネート化合物(B)は、基材への密着性を向上する観点からブロック化ポリイソシアネート化合物であることが好ましい。
本明細書で着色剤(C)は、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料、およびイソインドリン系黄色顔料を必須成分として含有し、必要に応じてその他着色剤を含有することができる。
その他着色剤としては、有彩色顔料等が挙げられる。
ただし、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率は、下記(1)~(4)のすべてを満たす。
(1)80≦Mv+Mb+My
(2)25≦Mv’≦40
(3)40≦My’≦55
(4)63.5≦Mb’+1.42Mv’≦73.5
(Mv、Mb、Myは、それぞれ、着色剤(C)の合計100質量%中の、ジオキサジン系紫色顔料の含有率、フタロシアニン系青色顔料の含有率、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率であり、
Mv’、Mb’、My’は、それぞれ、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料およびイソインドリン系黄色顔料の合計100質量%中の、ジオキサジン系紫色顔料の含有率、フタロシアニン系青色顔料の含有率、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率である。)
ジオキサジン系紫色顔料は、ジオキサジン骨格を有する紫色顔料であり、例えば、C.I.Pigment Violet 23が挙げられる。なお、ここでいう紫色系顔料とは、C.I. Pigment Violetに分類される顔料である。
フタロシアニン系青色顔料は、フタロシアニン骨格を有する青色顔料であり、例えば、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:1、C.I.Pigment Blue 15:2、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 15:6、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 79が挙げられる。これらのなかでも耐候性、および色調の面でC.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:1、C.I.Pigment Blue 15:2、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4が好ましい。
イソインドリン系黄色顔料は、イソインドリン骨格を有する黄色顔料であり、例えば、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 185が挙げられる。なお、ここでいう黄色系顔料とは、C.I. Pigment Yellowに分類される顔料である。これらのなかでも色調の面でC.I.Pigment Yellow 139が特に好ましい。なお、文献によってはイソインドリン系黄色顔料とイソインドリノン系黄色顔料を混同して記載しているものもあるが、本明細書ではこれらを区別する。プライマーに含有される必須の着色剤としてはイソインドリン系黄色顔料であることが重要である。
本命発明においてイソインドリノン系黄色顔料は、その他有彩色顔料に該当する。
(1)80≦Mv+Mb+My
を満たす。
着色剤(C)中の、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料、およびイソインドリン系黄色顔料の合計含有率が、80質量%以上であれば、充分な黒味を有し、封止材等への接着力に優れ、過酷な耐久性試験を実施した後でも黒味と接着力が良好なプライマー層を形成することができる。
Mv+Mb+My(質量%)は、90≦Mv+Mb+Myであることがより好ましく、さらには95≦Mv+Mb+Myであることが好ましい。
(2)25≦Mv’≦40
(3)40≦My’≦55
(4)63.5≦Mb’+1.42Mv’≦73.5
を満たす。
なお、Mb’の下限値および上限値は25≦Mv’≦40かつ63.5≦Mb’+1.42Mv’≦73.5の条件から必然的に決まり、6.7≦Mb’≦38である。Mb’を横軸、Mv’を縦軸にグラフを描いたものを図1に示す。図1において平行四辺形に囲まれる範囲が25≦Mv’≦40かつ63.5≦Mb’+1.42Mv’≦73.5を満たす範囲である。
なお、単位質量あたりの効果がジオキサジン系紫色顔料の方が高いため、1.42の係数が掛けられる。
着色剤(C)は、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料、およびイソインドリン系黄色顔料に加えて、必要に応じて、着色剤(C)中20質量%以下、好ましくは、10質量%以下であれば、その他の有彩色顔料を含有してもよい。
その他有彩色顔料としては有機有彩色顔料、または無機有彩色顔料が挙げられる。
これらのなかでも耐湿熱性、耐候性に優れることからアンスラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ベンゾイミダゾロン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料が好ましい。
プライマー中の着色剤(C)の安定性を向上するために、分散剤を用いてもよい。
分散剤は、プライマーを製造する段階で加えてもよく、着色剤(C)と分散剤を用い、(メタ)アクリル系共重合体(A)や溶剤と共に分散処理し、あらかじめ分散体としてから、その他の(メタ)アクリル系共重合体(A)や溶剤等と混合して用いることもできる。
これにより着色剤(C)は、プライマー中での分散安定性がより向上することができる。
これらのなかでもアミン価が1~50mgKOH/gであることが好ましく、1~30mgKOH/gであることが特に好ましい。このような分散剤を用いることでプライマーの耐久性を向上させることができる。
プライマーは、ポリオール(D)を含んでいてもよい。
ポリオール(D)により、プライマー層に柔軟性を付与することができ、これによって湿熱試験の湿度、温度によって硬化剤との架橋が過剰に進み、硬くなって接着力が低下してしまうことを防いだり、着色剤(C)が含まれることによってアクリル系共重合体(A)の柔軟性が低下してしまうことを防ぐという効果が得られる。
ポリオール(D)としては、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびポリオレフィンポリオール等が挙げられ、ポリカーボネートポリオールまたはポリエステルポリオールが好ましい。
接着力や耐久性の点から、数平均分子量が500~6000である、ポリカーボネーポリオールまたはポリエステルポリオールがとくに好ましい。
本明細書のプライマーは、課題を解決できる範囲内であれば、例えば、無彩色粒子、架橋促進剤、溶剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、シランカップリング剤等を含有できる。
本発明のプライマーは、さらに無彩色の粒子(有機系粒子、無機系粒子)を含有できる。無彩色の粒子を含むと、プライマー層表面のタックを低減することができる。
また、無彩色の粒子は、その特性を損なわない程度に不純物を含んでいてもよい。また、微粒子の形状は、例えば、粉末状、粒状、顆粒状、平板状、繊維状、樹枝状等が挙げられる。
本発明のプライマーは課題を解決できる範囲内であれば、さらに架橋促進剤を添加できる。プライマーがポリイソシアネート化合物(B)を含有し、(メタ)アクリル系共重合体(A)やポリオールの水酸基とウレタン結合を形成して架橋する場合、触媒としての役割を果たす。架橋促進剤としてはスズ化合物、金属塩、塩基などが挙げられ、具体的にはオクチル酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、塩化スズ、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
プライマーは、溶剤を含むことが好ましい。溶剤は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;等が挙げられる。
次に本発明のプライマーの製造方法について説明する。プライマーは、(メタ)アクリル系共重合体(A)、着色剤(C)、必要に応じてイソシアネート化合物(B)、ポリオール(D)、分散剤、および溶剤等をディスパーなどを用いて均一に混合後、分散処理することにより製造することができる。
なお、前述したように、着色剤(C)の分散効率を高めるため、(メタ)アクリル系共重合体(A)、および分散剤等を使用する割合を少なく、着色剤(C)の濃度を高く設定した混合液を分散処理することによって、着色剤(C)を粉砕して細かくした顔料分散体をあらかじめ製造して用いることもできる。次いで、分散処理された混合液に残りの(メタ)アクリル系共重合体(A)や必要に応じてイソシアネート化合物(B)、ポリオール(D)その他成分を加えることで、所定の顔料濃度のプライマーが得られる。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、光反射性フィルム、およびプライマー層を備える。太陽電池モジュールが受け、かつ太陽電池素子が利用しきれなかった光はプライマー層を通過し光反射性フィルムで反射される。前記の反射光は、プライマー層を通過し、太陽電池素子に入光することで、前面に加え、裏面からも光を受けることができ、太陽電池素子の発電効率が向上する。
太陽電池用裏面保護シートは、表面保護部材、表面側封止材、発電セル、裏面側封止材、太陽電池用裏面保護シートを備えた太陽電池モジュールを作製するための加熱圧着工程で裏面側封止材と密着する。
プライマー層は、本発明のプライマーにより形成される。
プライマーを光反射性フィルム上に塗工、乾燥して形成されることが好ましい。
光反射性フィルムは、太陽電池素子が発電に利用可能な波長400~1200nmの光を反射できることが好ましい。光の反射は、例えば、所定の平均粒子径を有する二酸化チタンを配合する必要があるが、1種類では、前記波長領域の全てを反射することが難しい。そのため、平均粒子径が異なる2種類以上の二酸化チタンを配合することが好ましい。また、光反射フィルムは、2種類の二酸化チタンうち、一方を第一の光反射フィルム、他方を第二の光反射フィルムに分ける多層構成も好ましい。また、二酸化チタンの配合に代えて、または併用してフィルムを発泡させて、光反射機能を有する発泡フィルムを作製して使用することもできる。
太陽電池モジュールは、表面保護部材、表面側封止材、発電セル、裏面側封止材、および本発明の太陽電池用裏面保護シートを備える。
本発明のプライマーを用いることで、充分な黒味を有し、封止材等への接着力に優れるだけでなく、このような過酷な耐久性試験を実施した後でも黒味と接着力が良好なプライマー層を形成することができる。
また、実施例中および表中に記載された原料(溶剤を除く)の配合量は不揮発分換算値(質量部)であり、表中の空欄は配合していないことを表す。
ガラス転移温度の測定は、前述した示差走査熱量測定(DSC)法により求めた。
なお、Tg測定用の試料は、測定する樹脂溶液を150℃で約15分、加熱し、乾固させたものを用いた。
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)
=[{(b-a)×F×28.05}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
共栓三角フラスコ中に約1gの試料を正確に量り採り、100mlのトルエン/エタノール混合液(容量比:トルエン/エタノール=2/1)を更に加えて、それらを混合する。次に、この溶液にフェノールフタレイン試液を指示薬として加え30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
酸価は次式により求めた。酸価は、樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
但し、
Sは試料の採取量(g)、
aは0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)、
Fは0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
ビーカーに0.1~3gの試料を0.1mgの桁まで計り取り、10mLの酢酸を加え試料が完全に溶解するまでゆっくり撹拌する。試験溶液を、自動滴定装置を用いて0.10mol/L過塩素酸酢酸溶液で600mV近辺の終点まで電位差滴定する。
試料のアミン価は次式により求めた。
アミン価(mgKOH/g)
={(V×F×5.611)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
V:試料滴定に要した0.10mol/L過塩素酸酢酸溶液の容量(ml)
F:0.10mol/L過塩素酸酢酸溶液の濃度ファクタ
[(メタ)アクリル系共重合体A1溶液]
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコにトルエン50部、メチルエチルケトン50部を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で100℃に昇温した。次にメチルメタクリレート10部、エチルメタクリレート10部、n-ブチルメタクリレート63部、2-エチルヘキシルメタクリレート15部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート2部、アゾビスイソブチロニトリル0.25部を含むモノマー混合液を滴下ロートを用いて2時間かけて滴下した。次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、重量平均分子量が72,000、水酸基価が8.6mgKOH/g、Tgが26℃、不揮発分50%の(メタ)アクリル系共重合体A1溶液を得た。
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコにトルエン50部、メチルエチルケトン50部を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で100℃に昇温した。次にメチルメタクリレート60部、n-ブチルメタクリレート10部、n-ブチルアクリレート17部、t-ブチルアクリレート9部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート4部、アゾビスイソブチロニトリル0.25部を含むモノマー混合液を滴下ロートを用いて2時間かけて滴下した。次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジブチルスズジラウレートを0.03部添加し、2-イソシアナトエチルメタクリレート2.3部をメチルエチルケトン2.3部に溶解したものを、40℃で撹拌しながら2時間かけて滴下した。さらに40℃で2時間撹拌した後、IRでイソシアネートピーク(2260cm-1)が消失したことを確認し、重量平均分子量が67,000、水酸基価が9.0mgKOH/g、Tgが39℃、二重結合当量が6910、不揮発分50%の側鎖にアクリロイル基を有する(メタ)アクリル系共重合体A2溶液を得た。
(メタ)アクリル系共重合体A1溶液の合成において、モノマー組成およびアゾビスイソブチロニトリルの添加量を表1のように変更したこと以外は、(メタ)アクリル系共重合体A1溶液と同様に合成を行い、不揮発分50%の(メタ)アクリル系共重合体A3、A5~A21溶液を得た。
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコにトルエン50部、メチルエチルケトン50部を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で100℃に昇温した。次にメチルメタクリレート20部、エチルメタクリレート10部、n-ブチルメタクリレート50部、2-エチルヘキシルメタクリレート16部、グリシジルメタクリレート2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート2部、アゾビスイソブチロニトリル0.25部を含むモノマー混合液を滴下ロートを用いて2時間かけて滴下した。次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。サンプリングを行い酸価が1mgKOH/g以下であることを確認し反応を終了した。次いで、冷却を行い、重量平均分子量が38,500、水酸基価が18.0mgKOH/g、Tgが31℃、二重結合当量が7280、不揮発分50%の側鎖にアクリロイル基を有する(メタ)アクリル系樹脂A4溶液を得た。
MMA:メチルメタクリレート
EMA:エチルメタクリレート
BMA:n-ブチルメタクリレート
2EHMA:2-エチルヘキシルメタクリレート
BA:n-ブチルアクリレート
tBA:t-ブチルアクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
AA:アクリル酸
MOI:2-イソシアナトエチルメタクリレート
なお、表2~表7に記載の着色剤には以下のものを使用した。
(着色剤(C))
[有彩色有機顔料]
PV23;C.I.Pigment Violet 23(ジオキサジン系):トーヨーカラー(株)製「LIONOGEN VIOLET FG6140」
PB15:3;C.I.Pigment Blue 15:3(フタロシアニン系):トーヨーカラー(株)製「LIONOL BLUE FG-7330」
PY139;C.I.Pigment Yellow 139(イソインドリン系):BASF社製「パリオトールイエローD1819」
PG36;C.I.Pigment Green 36(フタロシアニン系):BASF社製「Heliogen Green L9361」
PY109;C.I.Pigment Yellow 109(イソインドリノン系):BASF社製「イルガジンイエローL1030」
PY180;C.I.Pigment Yellow 180(ベンゾイミダゾロン系):クラリアント社製「PVファーストイエローHG」
PR122;C.I.Pigment Red 122(キナクリドン系):クラリアント社製「ホスタパームピンクE-02」
PR254;C.I.Pigment Red 254(ジケトピロロピロール系):BASF社製「イルガジンレッドL3661HD」
PV19;C.I.Pigment Violet 19(キナクリドン系):BASF社製「シンカシャバイオレットL5110」
PO71;C.I.Pigment Orange 71(ジケトピロロピロール系):BASF社製「イルガジンオレンジD2905」
PO61;C.I.Pigment Orange 61(イソインドリノン系):BASF社製「イルガジンオレンジL2890HD」
PR168;C.I.Pigment Red 168(アンスラキノン系):クラリアント社製「ホスタパームスカーレットGO」
PY138;C.I.Pigment Yellow 138(キノフタロン系):BASF社製「パリオトールイエローL0960HD」
PR170;C.I.Pigment Red 170(ナフトール系):クラリアント社製「ノバパームレッドF5RK」
[有彩色無機顔料]
PB28;C.I.Pigment Blue 28(コバルトブルー):アサヒ化成工業(株)製「Cobalt Blue1024」
PR101;C.I.Pigment Red 101(酸化鉄系):BASF社製「Sicotrans Red L2715D」
PY184;C.I.Pigment Yellow 184(ビスマスバナジウムイエロー):BASF社製「Sicopal Yellow K1120FG」
PB27;C.I.Pigment Blue 27(フェロシアン化物):大日精化工業(株)「MILORI BLUE FX-6940」
PV16;C.I.Pigment Violet 16(マンガンバイオレット):二酸化マンガンをリン酸アンモニウム、リン酸カリウムとともに溶融後、水洗して可溶物を除き得られたものをPigment Violet 16(マンガンバイオレット)として使用
分散剤1:ウレタン樹脂系ブロック共重合物(酸価なし、アミン価14mgKOH/g)
分散剤2:アクリル樹脂系ブロック共重合物(酸価なし、アミン価4mgKOH/g)
分散剤3:アクリル樹脂系ブロック共重合物(酸価なし、アミン価30mgKOH/g)
分散剤4:アクリル樹脂系ブロック共重合物(酸価なし、アミン価47mgKOH/g)
分散剤5:アクリル樹脂系ブロック共重合物(酸価なし、アミン価55mgKOH/g)
分散剤6:アクリル樹脂系ブロック共重合物(酸価10mgKOH/g、アミン価57mgKOH/g)
(ポリオール(D))
C-590、C-1090、C-3090、C-5090;「クラレポリオールC-590、C-1090、C-3090、C-5090」(株)クラレ製MPD系ポリカーボネートポリオール
P-6010;「クラレポリオールP-6010」(株)クラレ製MPD系ポリエステルポリオール
(ポリイソシアネート化合物(B))
B1:住化コベストロウレタン(株)製「スミジュールBL3175」
B2:住化コベストロウレタン(株)製「スミジュールN3300」
<プライマー1>
(メタ)アクリル系共重合体、着色剤、分散剤、メチルエチルケトン(MEK)をディスパーで均一に撹拌した後、1mmφのジルコニアビーズを用いてビーズ分散することによって着色剤(C)を均一に分散した。その後、上記以外の成分であるポリイソシアネート化合物、架橋促進剤、MEK加えて均一に混合し、不揮発分比率で下記の組成となるように不揮発分20%のプライマー1を作製した。
C.I.Pigment Violet 23(PV23) 8.58部
トーヨーカラー(株)製「LIONOGEN VIOLET FG6140」
C.I.Pigment Blue 15:3(PB15:3) 8.58部
トーヨーカラー(株)製「LIONOL BLUE FG-7330」
C.I.Pigment Yellow 139(PY139) 12.84部
BASF社製「パリオトールイエローD1819」
・(メタ)アクリル系共重合体(A)
(メタ)アクリル系樹脂A1 61.85部
・分散剤
分散剤1:ウレタン樹脂系ブロック共重合物 3部
(酸価なし、アミン価14mgKOH/g)
・ポリイソシアネート化合物(B)
ポリイソシアネート化合物B1 3部
住化コベストロウレタン(株)製「スミジュールBL3175」
ポリイソシアネート化合物B2 1.9部
住化コベストロウレタン(株)製「スミジュールN3300」
・その他成分
架橋促進剤:ジブチルスズジラウレート 0.25部
続いて、得られたプライマー1をグラビアコーターで厚さ188μmの白色ポリエステルフィルムのコロナ処理面に塗布し、100℃1分で溶剤を乾燥させ、塗布量:5g/平方メートルのプライマー層を形成し、プライマー層付きポリエステルフィルムである太陽電池用裏面保護シート1を得た。
<プライマー2~73>
(メタ)アクリル系共重合体、着色剤、分散剤、ポリオール、ポリイソシアネート化合物、架橋促進剤を表2~表8に示す組成、および配合量(不揮発分比率)となるように配合した以外は、実施例1記載のプライマー1と同様にして、不揮発分20%のプライマー1~73を作製した。
プライマー1をプライマー2~73に変更した以外は、太陽電池用裏面保護シート1と同様にして太陽電池用裏面保護シート2~73を作製した。なお、太陽電池用裏面保護シート67のみ、プライマー層の乾燥後の塗布量を15g/平方メートルとした。
<プライマー74>
(メタ)アクリル系共重合体、着色剤、分散剤、ポリオール、ポリイソシアネート化合物、架橋促進剤を表2に示す組成、および配合量(不揮発分比率)となるように配合した以外は、実施例1記載のプライマー1と同様にして、不揮発分20%のプライマー74を作製した。
プライマー74をグラビアコーターで厚さ188μmの白色ポリエステルフィルムのコロナ処理面に塗布し、100℃1分で溶剤を乾燥させ、塗布量:5g/平方メートルのプライマー層を形成した。続いて、プライマー層の上に東洋モートン(株)製の太陽電池用裏面保護シート用ポリエステル系接着剤を塗布し、100℃1分で溶剤を乾燥させ塗布量:5g/平方メートルの接着剤層を形成した。その上に膜厚50μmの透明ポリエチレンフィルムをニップ温度60℃、圧力0.1MPa、スピード1m/minでラミネートし、60℃で7日間エージングし、太陽電池用裏面保護シート74を得た。
<プライマー75>
(メタ)アクリル系共重合体、着色剤、分散剤、ポリオール、ポリイソシアネート化合物、架橋促進剤を表8に示す組成、および配合量(不揮発分比率)となるように配合した以外は、実施例74記載のプライマー74と同様にして、不揮発分20%のプライマー75を作製した。
プライマー74をプライマー75に変更した以外は、太陽電池用裏面保護シート74と同様にして太陽電池用裏面保護シート75を作製した。
<プライマー76~88>
(メタ)アクリル系共重合体、着色剤、分散剤、ポリオール、ポリイソシアネート化合物、架橋促進剤を表8に示す組成、および配合量(不揮発分比率)となるように配合した以外は、実施例1記載のプライマー1と同様にして、不揮発分20%のプライマー76~88を作製した。
プライマー1をプライマー76~88に変更した以外は、太陽電池用裏面保護シート1と同様にして太陽電池用裏面保護シート76~88を作製した。なお、太陽電池用裏面保護シート85のみ、プライマー層の乾燥後の塗布量を15g/平方メートルとした。
プライマーおよび太陽電池用裏面保護シートの評価項目および評価方法は、以下の通りである。結果を表2~表8に示す。
以下の手順に従いEVAに対する初期の接着力と湿熱試験後、湿熱+紫外線照射サイクル耐久性試験後の接着力を求め、以下の基準で評価した。
得られた太陽電池用裏面保護シートのプライマー層の上にEVAフィルム(Ultra Pearl PV-45FR00S、サンビック社製)を2枚と白板ガラス板を重ね、この積層体を140℃に加熱したモジュールラミネータPVL0505S(日清紡メカトロニクス社製)の熱板の上に、白板ガラスが下になるように置き、1Torr程度に真空排気して5分間放置した。次いで、140℃を維持したまま大気圧でプレスし、15分間放置して太陽電池疑似モジュール1~3の3点作製した。
得られた太陽電池疑似モジュール1のポリエステルフィルム面をカッターで15mm幅でEVAフィルムに到達する程度に切り、プライマー層とEVAフィルムとの初期接着力を温度25℃相対湿度50%の雰囲気中で測定した。
得られた太陽電池疑似モジュール2を、恒温恒湿機を使用して、温度85℃相対湿度85%雰囲気中に2000時間曝し、湿熱試験を行った。その後、プライマー層とEVAフィルムとの接着力を上記同様に測定した。
得られた太陽電池疑似モジュール3を準備し、温度85℃相対湿度85%雰囲気中に1000時間曝し、湿熱試験を行った。その後、岩崎電気(株)製「アイスーパーUVテスターSUV-W161」を使用し、照度100mW/cm2、ブラックパネル温度63℃、湿度70%RHにて50時間紫外線照射を行った。再度、温度85℃相対湿度85%雰囲気中に1000時間曝した後、同じ条件で50時間紫外線照射し、湿熱+紫外線照射サイクル耐久性試験を実施した。その後、プライマー層とEVAフィルムとの接着力を上記同様に測定した。
(サンプル作製直後の黒味)
作製直後の太陽電池疑似モジュールを太陽光にかざしながら白板ガラス側からプライマー層の黒味を目視で確認した。
評価は10段階で行った。10点が特に黒味に優れており、3点以上が実用域である。2点、1点は実用不可である。
湿熱試験後の接着力を測定した太陽電池疑似モジュールを用いて、プライマー層の黒味を上記同様に評価した。
湿熱+紫外線照射サイクル耐久性試験後の接着力を測定した太陽電池疑似モジュールを用いて、プライマー層の黒味を上記同様に評価した。
Mv’、Mb’、My’は、それぞれ、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料およびイソインドリン系黄色顔料の合計100質量%中の、ジオキサジン系紫色顔料の含有率、フタロシアニン系青色顔料の含有率、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率である。
Claims (6)
- 光反射性フィルム、およびプライマー層を備える太陽電池用裏面保護シートのプライマー層を形成するために使用されるプライマーであって、
(メタ)アクリル系共重合体(A)、着色剤(C)およびポリオール(D)を含み、
(メタ)アクリル系共重合体(A)のガラス転移温度が、31~80℃(但し、50~80℃を除く)であり、
ポリオール(D)は、数平均分子量が500~6,000である、ポリカーボネートポリオールおよびポリエステルポリオールの少なくともいずれかを含み、
プライマーの不揮発分100質量%中、着色剤(C)を10~40質量%含み、
着色剤(C)は、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料、およびイソインドリン系黄色顔料を含み、
下記(1)~(4)のすべてを満たすプライマー。
(1)80≦Mv+Mb+My
(2)25≦Mv’≦40
(3)40≦My’≦55
(4)63.5≦Mb’+1.42Mv’≦73.5
(Mv、Mb、Myは、それぞれ、着色剤(C)の合計100質量%中の、ジオキサジン系紫色顔料の含有率、フタロシアニン系青色顔料の含有率、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率であり、
Mv’、Mb’、My’は、それぞれ、ジオキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料およびイソインドリン系黄色顔料の合計100質量%中の、ジオキサジン系紫色顔料の含有率、フタロシアニン系青色顔料の含有率、およびイソインドリン系黄色顔料の含有率である。) - (1)90≦Mv+Mb+Myを満たす、請求項1記載のプライマー。
- さらにポリイソシアネート化合物(B)を含み、かつ(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価が0.1~100mgKOH/gである、請求項1または2記載のプライマー。
- ポリオール(D)の含有率は、プライマーの不揮発分100質量%中、0.1~20質量%である、請求項1~3いずれか1項記載のプライマー。
- 光反射性フィルム、および請求項1~4いずれか1項記載のプライマーから形成されてなるプライマー層を備える太陽電池用裏面保護シート。
- 表面保護部材、表面側封止材、発電セル、裏面側封止材、および請求項5記載の太陽電池用裏面保護シートを備える太陽電池モジュール。
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