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JP7541866B2 - 地物推定装置、及び地物推定方法 - Google Patents

地物推定装置、及び地物推定方法 Download PDF

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JP7541866B2 JP2020134658A JP2020134658A JP7541866B2 JP 7541866 B2 JP7541866 B2 JP 7541866B2 JP 2020134658 A JP2020134658 A JP 2020134658A JP 2020134658 A JP2020134658 A JP 2020134658A JP 7541866 B2 JP7541866 B2 JP 7541866B2
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Description

本願発明は、レーザー計測により得られた計測点の集合(以下、「計測点群」という。)を用いて地物の種類を推定する技術に関するものであり、より具体的には、計測されなかった点を利用して地物の種類を推定する地物推定装置と地物推定方法に関するものである。
近年、計測技術の進歩とともに地形情報(空間情報)の需要が高まっており、道路上や沿道に設置された施設をより高度に管理することを目的にその形状や設置位置といった施設の空間情報を要望する管理者が増加している。また現在、官民一体となって推進しているSociety5.0の実現にとっても、社会インフラストラクチャー(以下、単に「社会インフラ」という。)の高度な維持管理が重要な課題とされており、そのためにも施設等の空間情報は欠くことのできない極めて重要な情報となっている。
従前、道路施設の空間情報を取得するには、目的の地物に対してTS(Total Station)等を用いた直接的な測量を行っていたが、近時では特定の地物を対象にすることなく網羅的に空間情報を取得する計測手法が採用されることも多い。例えば、航空写真測量やMMS(Mobile Mapping System)などが、網羅的に空間情報を取得する代表的な計測手法である。このうちMMSは、レーザースキャナやカメラ、自己位置を取得するための衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)、IMU(Inertial Measurement Unit)、オドメトリなどのセンサを搭載した移動車両を利用する手法であり、すなわち車道上を移動しながらレーザースキャナによって大量の計測点(計測点群)を得ることができる計測技術である。
レーザースキャナによる計測(以下、単に「レーザー計測」という。)は、計測したい対象にレーザーパルスを照射し、その反射信号を受けて計測する手法である。より詳しくは、照射時刻と受信時刻の時間差を計測することで照射位置から計測点(レーザーパルスが反射した地点)までの距離を求め、さらにGNSSといった測位手段によってレーザーパルスの照射位置(x,y,z)を取得するとともに、IMUといった慣性計測手段によって照射姿勢(ω,φ,κ)を取得することで、計測点の3次元座標を得ることができる。MMSによるレーザー計測では、レーザースキャナのレーザー発射部が内部で回転しながらレーザーを照射する機構とされ、その結果、車両の走行に伴って車道軸に対して斜方向にレーザーが照射されて大量の計測点が取得される。
ところで、MMSによって得られる計測点は膨大な数であるが故に、目的の地物を抽出することは容易ではない。例えば、オペレーターがCAD(Computer-Aided Design)ソフトなどを使用しながら手動で図化することも行われていたが、図化に要するコストが増大するうえ、オペレーターによる誤判断(ヒューマンエラー)が避けられない。
大量のレーザー計測データの中から目的の地物を自動的に抽出できれば、オペレーターによる作業は著しく軽減され、ヒューマンエラーも排除できる。そこで特許文献1では、レーザー計測で得られた大量の計測データから、街灯、電柱、標識といった柱状の地物を自動抽出することができる発明を開示している。
特開2017-9616号公報
特許文献1で開示される発明によれば、MMSによって得られた計測点群から自動的に柱状の地物を抽出できるうえ、柱状物が有する面状物(標識や看板など)や立体物なども選別することができる。そのためオペレーターの労力は大幅に低減され、その作業時間を短縮することができ、しかもオペレーターの個性に伴うばらつきや誤りを回避することができる。しかしながら、特許文献1の発明では自動抽出することができる対象は柱状の地物に限られ、すなわち柱状の地物であればその種類について推定できるものの、柱状の地物を含む多種多様な地物に対してそれぞれ種類を推定することは難しい。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、MMSによって得られた計測点群を用いて計測対象である地物の種類を推定することができる地物推定装置と地物推定方法を提供することにある。
本願発明は、水部や、表面の凹凸が顕著な物体、反射率の低い物体、地物の境界に対してはレーザーパルスが反射し難いというむしろ短所ともいえるレーザー計測の性質を活用し、すなわちレーザー計測により得られた計測点群のうち計測されなかった点(以下、「欠測点」という。)を利用して地物の種類を推定する、という従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
本願発明の地物推定装置は、レーザー計測により得られた計測点群を用いて計測対象の種類を推定する装置であり、計測間隔算出手段と着目計測点抽出手段、グループ設定手段、推定手段を備えたものである。このうち計測間隔算出手段は、連続する2つの計測点の計測時刻に基づいて2点間の計測間隔を求める手段であり、着目計測点抽出手段は、計測間隔が間隔閾値を超える2つの計測点を着目計測点として抽出する手段である。またグループ設定手段は、点間距離が距離閾値を下回る着目計測点を集合した着目計測点グループを設定する手段であり、推定手段は、着目計測点グループの形状に基づいてその着目計測点グループに対応する計測対象の種類を推定する手段である。
本願発明の地物推定装置は、形状テーブル(地物の種類と着目計測点グループの形状によって構成されるテーブル)を記憶する形状テーブル記憶手段をさらに備えたものとすることもできる。この場合、推定手段は、グループ設定手段によって設定された着目計測点グループの形状と、形状テーブル記憶手段に記憶された着目計測点グループの形状とを照合することによって、計測対象の種類を推定する。
本願発明の地物推定装置は、着目計測点グループの形状に加え、着目計測点グループを構成する計測点の高さ情報に基づいて、計測対象の種類を推定するものとすることもできる。
本願発明の地物推定装置は、補完点設定手段をさらに備えたものとすることもできる。この補完点設定手段は、着目計測点抽出手段が抽出した2つの着目計測点の間に、1又は2以上の補完点を設定する手段である。また補完点設定手段は、計測間隔に基づいて設定する補完点の数を推定するとともに、2つの着目計測点に基づいて補完点の位置(3次元座標)を算出する。この場合、グループ設定手段は、点間距離が距離閾値を下回る着目計測点と補完点によって着目計測点グループを設定する。
本願発明の地物推定方法は、レーザー計測により得られた計測点群を用いて計測対象の種類を推定する方法であり、計測間隔算出工程と着目計測点抽出工程、表示工程、推定工程を備えた方法である。このうち計測間隔算出工程では、連続する2つの計測点の計測時刻に基づいて2点間の計測間隔を求め、着目計測点抽出工程では、計測間隔が間隔閾値を超える2つの計測点を着目計測点として抽出する。また表示工程では、着目計測点を表示手段に表示し、推定工程では、オペレーターが表示手段に表示された着目計測点を目視することによって複数の着目計測点からなる着目計測点グループに対して計測対象の種類を推定する。
本願発明の地物推定方法は、一般計測点(計測点群のうち着目計測点を除く計測点)と着目計測点をそれぞれ異なる表示色で表示手段に表示する方法とすることもできる。
本願発明の地物推定装置、及び地物推定方法には、次のような効果がある。
(1)本願発明の地物推定装置は、大量の計測点群の中から目視など人の判断を介することなく地物を抽出するとともにその種類を推定することから、人為的なミスが排除され、しかも短時間で結果を得ることができる。
(2)本願発明の地物推定方法は、欠測点の両側に位置する着目計測点を表示することから、容易かつ直感的に地物を抽出するとともにその種類を推定することができる。
(a)は実際のレーザー計測で得られた多数の走査線を示す平面図、(b)は3本の走査線とその走査線上にある計測点を模式的に示すモデル。 (a)は1つの欠測点の前後に取得された着目計測点を説明するモデル図、(b)は2つの欠測点の前後に取得された着目計測点を説明するモデル図。 本願発明の地物推定装置の主な構成を示すブロック図。 本願発明の地物推定装置の主な処理の流れを示すフロー図。 6つの着目計測点によって構成される着目計測点グループを模式的に示すモデル図。 人孔を表す着目計測点グループを模式的に示すモデル図。 地物の種類を推定する処理の流れを示すフロー図。 着目計測点グループの基本形状を分類する処理の流れを示すフロー図。 形状テーブルの一例を示すモデル図。 本願発明の地物推定方法の主な工程の流れを示すフロー図。 (a)は表示手段に表示された着目計測点を模式的に示すモデル図、(b)は表示手段に異なる表示色で表示された一般計測点と着目計測点を模式的に示すモデル図。
本願発明の地物推定装置、及び地物推定方法の実施形態の一例を、図に基づいて説明する。
1.定義
はじめに、本願発明の実施形態の例を説明するにあたって、ここで用いる用語の定義を示しておく。
(連続計測点)
既述したとおりレーザー計測は、計測対象にレーザーパルスを照射し、照射されたレーザーパルスが反射した点(計測点)の座標を取得する計測手法である。そしてMMSによるレーザー計測の場合、図1(a)に示すように多数の走査線(スキャンライン)Lが描かれるようにレーザーパルスが照射され、この走査線L上では図1(b)に示すように複数の計測点が得られる。図1(b)では、走査線L1と走査線L2、走査線L3を示しており、それぞれ走査線L1上では計測点P11~P13、走査線L2上では計測点P21~P24、走査線L3上では計測点P31~P33が得られている。
レーザー計測はレーザーパルスの照射時刻と受信時刻の時間差を計測することで照射位置から計測点の距離を求めると説明したように、計測点には照射時刻や受信時刻(以下、これらを総称して「計測時刻」という。)が記録されており、そのため取得された多数の計測点は計測時刻順に並べることができる。図1(b)では、走査線L1上における計測点P11~P13が計測時刻順に並んでおり、同様に、走査線L2上における計測点P21~P24や、査線L3上における計測点P31~P33も計測時刻順に並んでいる。便宜上ここでは、このように計測時刻順に並べたときに前後する計測点のことを「連続計測点」ということとする。例えば、計測点P11(前)と計測点P12(後)は連続計測点であり、計測点P22(前)と計測点P23(後)や、計測点P31(前)と計測点P32(後)も連続計測点である。
(計測間隔)
計測点は「計測時刻」という情報を具備していることから、2つの計測点を計測した時間差を求めることができる。便宜上ここでは、2つの計測点の計測時刻から得られる時間差のことを「計測間隔」、連続計測点の計測時刻から得られる時間差のことを特に「連続計測間隔」ということとする。例えば図2(a)では、計測点P11(前)と計測点P12(後)が連続計測点であり、その時間差を連続計測間隔MT1として示している。同様に、図2(b)では、計測点P13(前)と計測点P14(後)が連続計測点であり、その時間差を連続計測間隔MT3として示している。ところで、MMSによるレーザー計測ではレーザー発射部が一定角度ずつ回転しながらレーザーを照射する。そこで、2つの計測時刻から得られる時間差に代えて、2つのレーザー照射角度から得られる「角度差」を計測間隔とすることもできる。この場合、連続計測点のレーザー照射角度から得られる角度差が連続計測間隔とされる。
(着目計測点)
レーザースキャナが単位時間に照射するレーザーパルスの数(周波数)はその機械ごとに設定されており、つまりレーザーパルスを照射する時間間隔は一定であり、また受信する時間間隔も概ね一定となる。例えばMMSによるレーザー計測では300KHzのレーザースキャナが用いられることが多く、この場合、1/30,000sec(3.34μs)ごとにレーザーパルスが照射され、概ね3.34μsごとに反射したレーザーパルスを受信する。すなわち利用するレーザースキャナの仕様等を確認すれば、原則的な連続計測間隔はあらかじめ把握することができるわけである。
ところがレーザーパルスは、水部や、表面の凹凸が顕著な物体、反射率の低い物体、地物の境界に対しては反射しない(反射し難い)傾向にあることから、受信することができない「欠測点(計測されなかった点)」が生ずることもある。欠測点の発生を直接把握することはできないものの、このように欠測点があると連続計測間隔はレーザーパルス固有の照射間隔(例えば3.34μs)を大幅に超えることとなり、結果的に欠測点の発生を推定することができる。例えば図2(a)では、計測点P13(前)と計測点P14(後)の間に1つの欠測点が生じたため、計測点P13と計測点P14に係る連続計測間隔MT3は、他の連続計測間隔(連続計測間隔MT1や連続計測間隔MT5など)よりも長くなっており、したがって連続計測間隔MT3の値から回数(この場合は1回)とともに欠測点の発生を推定することができる。同様に図2(b)では、計測点P13(前)と計測点P14(後)の間に2つの欠測点が生じたため、計測点P13と計測点P14に係る連続計測間隔MT3は、他の連続計測間隔(連続計測間隔MT2や連続計測間隔MT4など)よりも長くなっており、したがって連続計測間隔MT3の値から回数(この場合は2回)とともに欠測点の発生を推定することができる。
便宜上ここでは、欠測点の前後に取得された計測点のことを「着目計測点PS」ということとする。ただし欠測点の発生を直接把握することができないため、具体的には連続計測間隔があらかじめ定めた閾値(以下、「間隔閾値」という。)を上回る連続計測点が「着目計測点PS」とされる。例えば図2のケースでは、計測点P13と計測点P14がそれぞれ着目計測点PS1と着目計測点PS2とされる。なお間隔閾値は、例えばレーザーパルス固有の照射間隔(例えば3.34μs)に基づいて設定することができ、その照射間隔そのもの(つまり3.34μs)を間隔閾値としたり、あるいは照射間隔に係数を乗じた値を間隔閾値としたりするなど、適宜設定するとよい。また計測点群のうち着目計測点PSを除く計測点のことを便宜上ここでは「一般計測点PG」ということとする。例えば図2のケースでは、計測点P11や計測点P12、計測点P15などがそれぞれ一般計測点PG1や一般計測点PG2、一般計測点PG3などとされる。
上記したとおり、連続計測間隔を把握することによって、欠測された回数(つまり、欠測点の数)を推定することができる。また、欠測点の前後にある2つの着目計測点PSはその3次元座標が既知であるため、欠測点の3次元座標も推定することができる。そして欠測点の3次元座標を推定すると、これを仮想の計測点(以下、「補完点」という。)として設定することができる。例えば、2つの着目計測点PSの間に3つの欠測点があると推定された場合、2つの着目計測点PS間を線分と考え、この線分を4等分する中間点の3次元座標を求め、これを補完点として設定することができる。あるいは、2つの着目計測点PSと、これら着目計測点PSの前後に続く複数の一般計測点PGによって形成される線形に基づいて、補完点を設定することもできる。具体的には、着目計測点PSと一般計測点PGに基づいて、直線や曲線(カテナリー曲線や円弧、放物線など)を含む種々の線形を推定し、この線形上で2つの着目計測点PS間を等分するような中間点の3次元座標を求め、これを補完点として設定するわけである。
(点間距離)
レーザー計測によって得られた計測点には3次元座標が付与されることから、2つの計測点の距離を求めることができる。便宜上ここでは、2つの計測点の3次元座標から得られる距離のことを「点間距離」、連続計測点の3次元座標から得られる距離のことを特に「連続点間距離」ということとする。
2.地物推定装置
次に、本願発明の地物推定装置について詳しく説明する。なお、本願発明の地物推定方法は、本願発明の地物推定装置を用いて計測対象である地物の種類を推定する方法であり、したがってまずは本願発明の地物推定装置について説明し、その後に本願発明の地物推定方法について説明することとする。
図3は、本願発明の地物推定装置100の主な構成を示すブロック図である。この図に示すように本願発明の地物推定装置100は、計測間隔算出手段101と着目計測点抽出手段102、グループ設定手段103、推定手段104を含んで構成され、さらに補完点設定手段105や表示手段106、計測点群記憶手段107、形状テーブル記憶手段108などを含んで構成することもできる。
地物推定装置100を構成する計測間隔算出手段101と着目計測点抽出手段102、グループ設定手段103、推定手段104、補完点設定手段105は、専用のものとして製造することもできるし、汎用的なコンピュータ装置を利用することもできる。このコンピュータ装置は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリを具備しており、さらにマウスやキーボード等の入力手段やディスプレイを含むものもあり、例えばパーソナルコンピュータ(PC)やサーバー、あるいはタブレット型コンピュータ(iPad(登録商標)など)やスマートフォンといった携帯型端末機器などによって構成することができる。
また表示手段106は、着目計測点PSや一般計測点PGなどを表示することができるものであり、例えばパーソナルコンピュータの液晶ディスプレイを利用することができる。計測点群記憶手段107は計測点群データを、形状テーブル記憶手段108は後述する形状テーブルをそれぞれ記憶するものであり、コンピュータ装置の記憶装置を利用することもできるし、そのほかデータベースサーバに構築することもできる。データベースサーバに構築する場合、ローカルなネットワーク(LAN:Local Area Network)に置くこともできるし、インターネット経由(つまり無線通信)で保存するクラウドサーバーとすることもできる。
図4は、本願発明の地物推定装置100の主な処理の流れを示すフロー図であり、中央の列に実施する処理を示し、左列にはその処理に必要な入力情報を、右列にはその処理から生まれる出力情報を示している。以下、この図を参照しながら地物推定装置100の主な処理の流れについて説明する。
まず計測間隔算出手段101が計測点群記憶手段107から計測点群データを読み出すとともに、それぞれの計測点について計測間隔を算出する(図4のStep100)。そして着目計測点抽出手段102が、計測間隔と間隔閾値を照らし合わせることによって着目計測点PSを抽出する(図4のStep200)。具体的には、間隔閾値を上回る計測間隔に係る連続計測点を着目計測点PSとして抽出する。このとき、地物推定装置100が補完点設定手段105を備えるときは、2つの着目計測点PSや前後に続く複数の一般計測点PGに基づいて補完点を設定することもできる。
着目計測点PSが抽出されると、グループ設定手段103が「着目計測点グループGR」を設定する(図4のStep300)。ここで着目計測点グループGRについて、図5を参照しながら詳しく説明する。
図5は、6つの着目計測点PSによって構成される着目計測点グループGRを模式的に示すモデル図である。この図に示すように、接近している着目計測点PSを連結しながら集合したものが着目計測点グループGRである。より詳しくは、点間距離があらかじめ定めた閾値(以下、「距離閾値」という。)を下回る着目計測点PSどうしを連結していき、これら連結された複数の着目計測点PSからなる集合が着目計測点グループである。例えば図5では、着目計測点PS1と着目計測点PS3の点間距離が距離閾値を下回る距離(以下、「接近距離LA」という。)であり、したがって着目計測点PS1と着目計測点PS3は連結される。同様に、着目計測点PS3と着目計測点PS4の点間距離と、着目計測点PS4と着目計測点PS2の点間距離、着目計測点PS4と着目計測点PS5の点間距離、着目計測点PS5と着目計測点PS6の点間距離がそれぞれ接近距離LAであるため、着目計測点PS1~着目計測点PS6はすべて連結され、すなわち着計測点PS1~着目計測点PS6からなる着目計測点グループGRが構成される。なお図5に示すように、たとえ連続点間距離であっても接近距離LAとはならないケース(着目計測点PS1と着目計測点PS2のようなケース)もある一方、連続点間距離が接近距離LAではないにもかかわらず他の着目計測点PS(着目計測点PS3と着目計測点PS4)を介して連結されることによって結果的に同じ着目計測点グループGR内に属することもある。
また補完点設定手段105によって補完点が設定されたとき、グループ設定手段103は着目計測点PSと補完点によって着目計測点グループGRを設定する。つまり、着目計測点PSと補完点の点間距離が接近距離LAであれば、この着目計測点PSと補完点を連結し、さらに補完点どうしの点間距離が接近距離LAであれば、これら補完点どうしを連結することによって着目計測点グループGRを設定する。
本願の発明者は、着目計測点グループGRはレーザーパルスが反射し難い地物(水部や、表面の凹凸が顕著な物体、反射率の低い物体、地物の境界など)を示す傾向にあることを見出した。換言すれば、レーザーパルスが反射し難い地物は欠測点を生じやすく、つまり着目計測点PSが抽出されやすいことから、結果的に着目計測点グループGRも形成されやすいわけである。例えば、図6では人孔(マンホール)蓋を表す着目計測点グループGRを示している。人孔蓋は、その表面に水が溜まっていることがあり、しかもその表面は凹凸形状であるため、レーザーパルスが反射し難い地物の一つである。そのほか、オフィスビルや自動車のガラス窓、その表示が変更可能な可変式標識(特に、可変式道路標識)、比較的高層の建築物の縁部(いわゆる、スカイライン)などは、着目計測点PSが抽出されやすく、すなわち着目計測点グループGRが形成されやすい。
着目計測点グループGRが設定されると、推定手段104がその着目計測点グループGRに対応する地物の種類を推定する(図4のStep400)。以下、地物の種類を推定する処理について図7を参照しながら詳しく説明する。
まず着目計測点グループGRの基本形状を分類する(図7のStep410)。より詳しくは、図8に示すように着目計測点グループGRを線形状か面形状、立体形状のいずれかに分類する。着目計測点グループGRを構成する着目計測点PSが、例えば線で近似できるときは「線形状」と判定し(図8のStep411)、線で近似できないが図6のように平面で近似できるときは「面形状」と判定し(図8のStep412)、線や平面で近似できないときは「立体形状」と判定する。なお線や平面で近似する手法に関しては、従来用いられている種々の手法を採用することができる。
着目計測点グループGRの基本形状を分類すると、着目計測点グループGRの外形の形状を推定する(図7のStep420)。例えば、「線形状」に分類されるケースでは所定の曲線(例えば、カテナリー曲線)を求め、図6(b)に示す「面形状」に分類されるケースでは所定の平面形状(例えば円形)を求める。なお外形の形状を求める手法に関しては、従来用いられている種々の手法を採用することができる。
着目計測点グループGRの外形の形状を推定すると、その外形形状に係る寸法を算出する。(図7のStep430)。このとき、着目計測点グループGRの基本形状が線形状であるときはその外形形状に係る長さを求め、着目計測点グループGRの基本形状が面形状であるときはその外形形状に係る面積を求め、着目計測点グループGRの基本形状が立体形状であるときはその外形形状に係る体積を求めるとよい。また、外形形状に係る寸法に加え、その高さ情報も抽出するとよい(図7のStep440)。
着目計測点グループGRの基本形状と外形形状、その外形形状に係る寸法や高さ情報が得られると、その着目計測点グループGRに対応する地物の種類を決定する(図4のStep450)。より詳しくは、推定手段104が形状テーブル記憶手段108から形状テーブルを読み出すとともに、着目計測点グループGRに係る各種情報と形状テーブルを照らし合わせることによって地物の種類を決定する。
形状テーブルは、少なくとも「地物の種類」と「着目計測点グループの形状」を含むレコードによって構成されるデータテーブルであって、レコードにはそのほか外形形状に係る寸法や高さ情報を含むこともできる。また「着目計測点グループの形状」は、着目計測点グループGRの基本形状とすることもできるし、その外形形状とすることもできるし、基本形状及び外形形状とすることもできる。
例えば、図9に示す形状テーブルが設定されている場合、着目計測点グループGRの基本形状が線形状、外形形状が曲線、長さが12m、設置高さが路面から3m以上であれば、この着目計測点グループGRの種類は「電線」と推定される。また着目計測点グループGRの基本形状が面状形状、外形形状が円形、面積が0.3m2、設置高さが路面付近であれば、この着目計測点グループGRの種類は「人孔蓋」と推定される。
3.地物推定方法
続いて、本願発明の地物推定方法ついて図10を参照しながら説明する。なお、本願発明の地物推定方法は、ここまで説明した地物推定装置100を用いて地物の種類を推定する方法であり、したがって地物推定装置100で説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の地物推定方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.地物推定装置」で説明したものと同様である。もちろんあらかじめ定義した用語は、ここの説明でも適用される。
図10は、本願発明の地物推定方法の主な工程の流れを示すフロー図である。この図に示すように、はじめにレーザー計測を行い対象範囲の計測点群を取得する(図10のStep10)。計測点群を取得すると、オペレーターが地物推定装置100の計測間隔算出手段101を操作することによってそれぞれの計測点について計測間隔を算出し(図10のStep20)、さらにオペレーターが地物推定装置100の着目計測点抽出手段102を操作することによって着目計測点PSを抽出する(図10のStep30)。このとき、地物推定装置100が補完点設定手段105を備えるときは、2つの着目計測点PSや前後に続く複数の一般計測点PGに基づいて補完点を設定することもできる。
着目計測点PSを抽出すると、図11(a)に示すようにその着目計測点PSは表示手段106に表示される(図10のStep40)。このとき、着目計測点PSとともに一般計測点PGを表示手段106に表示することもできるし、さらに図11(b)に示すように一般計測点PG「黒色」とし着目計測点PSは「赤色」とするなどそれぞれ表示色を変えて表示することもできる。なお図11(b)では便宜上、一般計測点PGを「淡い色」で、着目計測点PS」を「濃い色」で表している。また補完点設定手段105によって補完点が設定されているときは、この補完点も表示手段106に表示するとよい。この補完点は、着目計測点PSと同色(例えば、赤色)で表示してもよいし、着目計測点PSや一般計測点PGとは異なる表示色(例えば、「水色」)で表示してもよい。
着目計測点PSが表示手段106に表示されると、オペレーターが表示手段106に表示された着目計測点PSを目視することによって着目計測点グループGPを認識するとともに、オペレーターの判断によって着目計測点グループGPに対して地物の種類を推定する(図10のStep50)。あるいは、オペレーターが地物推定装置100のグループ設定手段103を操作することによって着目計測点グループGPを設定し、さらにオペレーターが地物推定装置100の推定手段104を操作することによって地物の種類を推定することもできる。
本願発明の地物推定装置、及び地物推定方法は、標識や信号機、植樹といった道路施設のほか、電柱や建物、斜面などの様々な地物の種類を推定する場合に利用することができる。本願発明によれば、地物の空間情報を好適に提供し、ひいては社会インフラの高度な維持管理につながることを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 本願発明の地物推定装置
101 計測間隔算出手段
102 着目計測点抽出手段
103 グループ設定手段
104 推定手段
105 補完点設定手段
106 表示手段
107 計測点群記憶手段
108 形状テーブル記憶手段
GR 着目計測点グループ
L 走査線
LA 接近距離
MT 計測間隔
PG 一般計測点
PS 着目計測点

Claims (6)

  1. レーザー計測により得られた計測点の集合である計測点群を用いて、計測対象の種類を推定する装置において、
    連続する2つの計測点の計測時刻に基づいて、2点間の計測間隔を求める計測間隔算出手段と、
    前記計測間隔が、あらかじめ定めた間隔閾値を超える2つの計測点を着目計測点として抽出する着目計測点抽出手段と、
    点間距離があらかじめ定めた距離閾値を下回る前記着目計測点を集合した着目計測点グループを設定するグループ設定手段と、
    前記着目計測点グループの形状に基づいて、該着目計測点グループに対応する計測対象の種類を推定する推定手段と、を備え、
    前記間隔閾値は、前記レーザー計測に用いられるレーザースキャナから照射されるレーザーパルス固有の照射間隔に基づいて定められた、
    ことを特徴とする地物推定装置。
  2. 地物の種類と、前記着目計測点グループの形状と、によって構成される形状テーブルを記憶する形状テーブル記憶手段を、さらに備え、
    前記推定手段は、前記グループ設定手段によって設定された前記着目計測点グループの形状と、前記形状テーブル記憶手段に記憶された前記着目計測点グループの形状と、を照合することによって、計測対象の種類を推定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の地物推定装置。
  3. 前記推定手段は、前記着目計測点グループの形状と、前記着目計測点グループを構成する前記計測点の高さ情報と、に基づいて計測対象の種類を推定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の地物推定装置。
  4. 前記着目計測点抽出手段が抽出した2つの前記着目計測点の間に、1又は2以上の補完点を設定する補完点設定手段を、さらに備え、
    前記補完点設定手段は、前記計測間隔に基づいて設定する前記補完点の数を推定するとともに、2つの前記着目計測点に基づいて該補完点の位置を算出し、
    前記グループ設定手段は、点間距離が前記距離閾値を下回る前記着目計測点と前記補完点によって前記着目計測点グループを設定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地物推定装置。
  5. レーザー計測により得られた計測点の集合である計測点群を用いて、計測対象の種類を推定する方法において、
    連続する2つの計測点の計測時刻に基づいて、2点間の計測間隔を求める計測間隔算出工程と、
    前記計測間隔が、あらかじめ定めた間隔閾値を超える2つの計測点を着目計測点として抽出する着目計測点抽出工程と、
    前記着目計測点を表示手段に表示する表示工程と、
    オペレーターが前記表示手段に表示された前記着目計測点を目視することによって、複数の前記着目計測点からなる着目計測点グループに対して計測対象の種類を推定する推定工程と、を備え、

    前記間隔閾値は、前記レーザー計測に用いられるレーザースキャナから照射されるレーザーパルス固有の照射間隔に基づいて定められた、
    ことを特徴とする地物推定方法。
  6. 前記表示工程では、前記計測点群のうち前記着目計測点を除く一般計測点を前記表示手段に表示するとともに、該一般計測点と前記着目計測点が異なる表示色で表示される、
    ことを特徴とする請求項5記載の地物推定方法。
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鈴木 貴大,サイズ未知のコンビニ主要4形状商品のための面プリミティブ検出に基づく3D認識手法,映像情報メディア学会技術報告 Vol.43 No.26 ITE Technical Report,日本,(一社)映像情報メディア学会 The Institute of Image Information and Television Engineers,2019年08月,第43巻,pp.27-30

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