JP7536568B2 - 成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)連続強化繊維に樹脂が含侵されたFRPシートが複数積層され、底面と側面で形成される稜線を有する成形体において、
前記複数のFRPシートの少なくとも1層が、連続強化繊維が前記稜線と交差する方向に配置され、かつ該連続強化繊維が前記稜線の形成される稜線部で分離された繊維分離層からなることを特徴とする成形体。
(2)前記繊維分離層が、前記複数のFRPシートの積層の中立軸よりも前記底面と側面がなす角度の小さい側の部位に配置されている、(1)に記載の成形体。
(3)前記繊維分離層が、前記稜線部に沿ってスリットが入っている層からなる、(1)または(2)に記載の成形体。
(4)前記繊維分離層が、前記稜線部でその両側のFRPシートが突き合わされた層からなる、(1)または(2)に記載の成形体。
(5)前記稜線が異なる方向に複数本形成され、底面の周囲に2面以上の側面が設けられている、(1)~(4)のいずれかに記載の成形体。
(6)前記連続強化繊維が炭素繊維である、(1)~(5)のいずれかに記載の成形体。
(7)連続強化繊維に樹脂が含浸されたFRPシートを複数積層し、底面と側面で形成される稜線を有する形状を形成する積層工程と、樹脂を硬化させる工程と、を有する成形体の製造方法において、
前記積層工程にて、連続強化繊維が前記稜線と交差する方向に配置され、かつ該連続強化繊維が前記稜線の形成される稜線部で分離された繊維分離層を、少なくとも、前記複数のFRPシートの積層の中立軸よりも前記底面と側面がなす角度の小さい側の部位に配置することを特徴とする成形体の製造方法。
(8)連続強化繊維からなる繊維層を複数積層し、底面と側面で形成される稜線を有する形状を形成する積層工程と、積層された複数の繊維層に樹脂を含浸する樹脂含浸工程と、樹脂を硬化させる工程と、を有する成形体の製造方法において、
前記積層工程にて、連続強化繊維が前記稜線と交差する方向に配置され、かつ該連続強化繊維が前記稜線の形成される稜線部で分離された分離繊維層を、少なくとも、前記複数の繊維層の積層の中立軸よりも前記底面と側面がなす角度の小さい側の部位に配置することを特徴とする成形体の製造方法。
図1は、本発明の一実施態様に係る成形体を示しており、図1(A)は斜視図、図1(B)は稜線部の拡大縦断面図である。図1に示す成形体1においては、図1(A)に示すように、連続強化繊維に樹脂が含侵されたFRPシート2が複数積層され、底面と側面で形成される稜線を有する、つまり、底面部3と側面部4で形成される稜線部5を有する成形体1が構成されている。稜線は符号6で表し、図1(B)に示すように、FRPシート2の連続強化繊維を符号7で、樹脂を符号8で表す。この成形体1の上記複数のFRPシート2の少なくとも1層が、連続強化繊維7が稜線6と交差する方向に配置され、かつ該連続強化繊維7が稜線6の形成される稜線部5で分離された繊維分離層9からなる。図示例では、稜線部5はL字形断面部に形成されており、合計6層の積層されたFRPシート2のうち、L字形断面における内側の(底面部3と側面部4がなす角度の小さい側の部位の)3層が繊維分離層9に形成されている。図示例では、FRPシート2は合計6層に積層されているから、複数のFRPシート2の積層の中立軸は積層方向に3層目と4層目の間に存在することになり、上記3層の繊維分離層9は、底面部3と側面部4がなす角度の小さい側の部位に配置されている。積層数については、10層以上でも可であり、好ましくは8層以下、さらに好ましくは4~6層が好ましい。
電気・電子機器用各種筐体やカバー、車両用などの各種バッテリー収納ケースや制御機器収納あるいは保護ケース、医療用カセッテなどを例示できる。
実施例においては、図4に示すように、図1に示したのと同様の形態の、合計6層のFRPシートの積層構成を有する各種の成形体サンプルを作成し、1ply目から6ply目までの積層構成を変えて試験した。とくに、稜線6が形成される稜線部5で連続強化繊維が分離された繊維分離層9の積層配置構成を変えたサンプル1~4について、側面部の内倒れの発生の有無を確認した。図4に示すサンプルは、後述の表1におけるサンプル2に相当している。
長さ450mm、幅375mm、高さ15mm、板厚1.2mmの箱型形状で隣り合う2面の立壁部が開口となっている図3の(D)に示した成形品を成形した。使用した材料は弾性率230GPa、引張強度3.5GPaの炭素繊維を綾織りにしエポキシ樹脂を含侵したプリプレグ(東レ(株)製F6347G-51K)である。成形方法は、オートクレーブであり、上下型は金属(アルミニウム)で中子にナイロンを用いた。積層構成は6層とも製品長手方向を0度とし、最外層以外の層は全て各面ごとにカットされたプリプレグを突き当てて積層し、最外層に当たる6層目は立壁の中央で突き当てとなるよう2枚のカットパターンを積層した。成形温度130度とした。
実施例1と同じ寸法、同じ材料、同じ成形方法で箱型成形品を成形した。積層構成は、6層とも製品長手方向を0度とし、中子側の3層は各面ごとにカットされたプリプレグを突き当てて積層し、4層目は長手側の側面とそれ以外の3面が繋がった2枚のカットパターンで積層、5層目は短手側の側面とそれ以外の3面が繋がった2枚のカットパターンで積層、最外層に当たる6層目は立壁の中央で突き当てとなるよう2枚のカットパターンを積層した。
実施例1と同じ寸法、同じ材料、同じ成形方法で箱型成形品を成形した。積層方法は、6層とも製品長手方向を0度とし、最外層の6層目は立壁の中央で突き当てとなるよう2枚のカットパターンを積層し、それ以外の奇数層は長手側の側面とそれ以外の3面が繋がった2枚のカットパターンで積層、偶数層は短手側の側面とそれ以外の3面が繋がった2枚のカットパターンで積層した。
実施例1と同じ寸法、同じ材料、同じ成形方法で箱型成形品を成形した。積層構成は、6層とも製品長手方向を0度とし、1層目と4層目は長手側の側面とそれ以外の3面が繋がった2枚のカットパターンで積層、2層目と3層目は各面ごとにカットされたプリプレグを突き当てて積層し、5層目は短手側の側面とそれ以外の3面が繋がった2枚のカットパターンで積層、最外層の6層目は立壁の中央で突き当てとなるよう2枚のカットパターンを積層した。
2、11a、11b FRPシート
3 底面部
4 側面部
5 稜線部
6 稜線
7 連続強化繊維
8 樹脂
9、9a、9b、9c 繊維分離層
12 突き合わせ線
13、14 スリット
21a、21b、21c、21d 底面
22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22i、22j、22k 側面
23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h、23i、23j、23k、23l、23m、23n、23o、23p、23q、23r 稜線
101 底面部
102 側面部
103 内倒れ
104 連続強化繊維
105 樹脂
106 稜線部
107 屈曲部連接線
Claims (4)
- 連続強化繊維に樹脂が含侵されたFRPシートが複数積層され、底面と側面で形成される稜線を有する成形体において、
前記複数のFRPシートの少なくとも1層が、連続強化繊維が前記稜線と交差する方向に配置され、かつ該連続強化繊維が前記稜線の形成される稜線部で分離された繊維分離層に形成されており、前記繊維分離層が、前記複数のFRPシートの積層の中立軸よりも前記稜線を形成する前記底面と側面がなす角度のうち小さい角度側の部位に配置されており、かつ、前記繊維分離層が、前記稜線部でその両側のFRPシートが突き合わされた層に形成されていることを特徴とする成形体。 - 前記稜線が異なる方向に複数本形成され、底面の周囲に2面以上の側面が設けられている、請求項1に記載の成形体。
- 前記連続強化繊維が炭素繊維である、請求項1または2に記載の成形体。
- 連続強化繊維に樹脂が含浸されたFRPシートを複数積層し、底面と側面で形成される稜線を有する形状を形成する積層工程と、樹脂を硬化させる工程と、を有する成形体の製造方法において、
前記積層工程にて、前記複数のFRPシートの少なくとも1層を、連続強化繊維が前記稜線と交差する方向に配置され、かつ該連続強化繊維が前記稜線の形成される稜線部で分離された繊維分離層に形成し、該繊維分離層を、前記複数のFRPシートの積層の中立軸よりも前記稜線を形成する前記底面と側面がなす角度のうち小さい角度側の部位に配置し、かつ、前記繊維分離層を、前記稜線部でその両側のFRPシートが突き合わされた層に形成することを特徴とする成形体の製造方法。
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JP2020153142A JP7536568B2 (ja) | 2020-09-11 | 2020-09-11 | 成形体およびその製造方法 |
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JP2011020397A (ja) | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Toray Ind Inc | 箱型成形品 |
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