JP7533559B2 - タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents
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Description
[1]スチレンブタジエンゴムを50質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、
シリカ80質量部以上、
可塑剤30質量部以上、および、
アミノグアニジン弱酸塩
を含んでなるタイヤ用ゴム組成物、
[2]アミノグアニジン弱酸塩が、重炭酸アミノグアニジンおよびアミノグアニジンリン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つである、上記[1]記載のタイヤ用ゴム組成物、
[3]アミノグアニジン弱酸塩の含有量が、0.01~10質量部である、上記[1]または[2]記載のタイヤ用ゴム組成物、
[4]可塑剤が樹脂およびオイルを含むものであり、樹脂の含有量が5質量部以上でありかつオイルの含有量が5質量部以上である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物、
[5]ゴム成分が、天然ゴムおよびブタジエンゴムからなる群から選択される少なくとも一つをさらに含むものである、上記[1]~[4]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物、
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物から構成されたタイヤ部材を有するタイヤ、
に関する。
本実施形態において、ゴム成分はスチレンブタジエンゴム(SBR)を50質量%以上含有する。ゴム成分を構成するSBR以外のゴムとしては、特に限定されず、従来、タイヤ工業で用いられるものをいずれも好適に用いることができる。ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)およびポリイソプレンゴム(IR)を含むイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴムや、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl-IIR)およびフッ素化ブチルゴム(F-IIR)を含むハロゲン化ブチルゴムなどのブチル系ゴムがあげられる。これらのゴム成分は、SBRを50質量%以上含むものである限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、本実施形態の効果をより良好に発揮できるという理由から、SBR以外に、さらに、NRおよびBRの少なくとも一つを含有するものであることが好ましく、または、SBR以外にNRおよびBRの少なくとも一つのみを含むものであることが好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば未変性の乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)や溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)、これらを変性した変性乳化重合スチレンブタジエンゴム(変性E-SBR)や変性溶液重合スチレンブタジエンゴム(変性S-SBR)などの変性SBRがあげられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性された変性SBR、スズ、ケイ素化合物などでカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するものなど)などがあげられる。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、伸展油を加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。例えば、JSR(株)製のもの、旭化成ケミカルズ(株)製のもの、日本ゼオン(株)製のものなどを使用することができる。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等のタイヤ工業において一般的なもの(非改質NR)を使用することができる他、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度化天然ゴムなどの改質天然ゴムなども使用することができる。
BRとしては、特に限定されず、この分野で通常使用されるものをいずれも好適に用いることができる。例えば、ハイシス-1,4-ポリブタジエンゴム(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)、変性ブタジエンゴム(変性BR)などの各種BRを用いることができる。このようなBRとして、例えば、宇部興産(株)製のもの、日本ゼオン(株)製のもの、ランクセス社製のなどを好適に用いることができる。
本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、充填剤としてシリカを含有することを特徴とする。シリカを含有することにより、低燃費性向上効果が好適に得られ、高い補強性を得ることができる。
充填剤としては、シリカ以外に、さらにその他の充填剤を用いてもよい。そのような充填剤としては、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどこの分野で一般的に使用される充填剤をいずれも用いることができる。これらの充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。充填剤として、シリカ以外のものを用いる場合、ゴム強度の観点から、カーボンブラックが好ましい。すなわち充填剤としては、シリカおよびカーボンブラックを含むものであることが好ましく、あるいは、シリカおよびカーボンブラックのみからなるものであることが好ましい。
カーボンブラックとしては特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができる。そのようなシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリメトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド基を有するシランカップリング剤;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT-Z100、NXT-Z45、NXTなどのメルカプト基を有するシランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル基を有するシランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系のシランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系のシランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、2-クロロエチルトリメトキシシラン、2-クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系のシランカップリング剤;などがあげられる。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、スルフィド系、メルカプト系がシリカとの結合力が強く、低燃費特性に優れるという点から好ましい。また、メルカプト系を使用すると、低燃費特性および耐摩耗性を好適に向上できるという点からも好ましい。
本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、アミノグアニジン弱酸塩を含有することを特徴とする。
本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、さらに、可塑剤を含有することが好ましい。
樹脂としては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂、C5-C9系樹脂、スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂、粘着樹脂、架橋性樹脂、相溶化樹脂などがあげられる。
スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂とは、スチレンとα-メチルスチレンとを重合させて得られる樹脂である。
水添テルペン系樹脂は、テルペン系樹脂を水素添加(水添)することにより得られるものである。テルペン系樹脂への水素添加処理は、公知の方法で行うことができる。
粘着樹脂は、通常、ゴム成分と相溶または少なくとも半相溶となる特性を持ち、数百~数万の分子量を有するオリゴマーである。粘着樹脂を配合することにより、タイヤ成形時の未加硫物の粘着性(成形加工性)が向上する。ここで、粘着樹脂とは、特に限定されず、上述した以外の樹脂でゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)などがあげられる。フェノール系樹脂としては、例えば、BASF社製、田岡化学工業(株)製のものなど、クマロンインデン樹脂としては、例えば、新日鉄住金化学(株)製、JXTGエネルギー(株)製のものなど、スチレン樹脂としては、例えば、Arizona chemical社製ものなどを使用することができる。テルペン系樹脂としては、例えば、Arizona chemical社製、ヤスハラケミカル(株)製のものなどを使用することができる。ロジン系樹脂としては、例えば、ハリマ化成(株)製、荒川化学工業(株)製のものなどを使用することができる。なかでも、グリップ性能に優れるという理由から、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、およびアクリル樹脂を用いることが好ましい。
上記樹脂としては、可塑剤としての効果を良好に発揮するという観点から、液状のもの(液状樹脂)を好適に用いることができる。ここで、液状樹脂とは、室温(25℃)で硬化していない樹脂をいう。
オイルとしては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂などがあげられる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどがあげられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などがあげられる。また、動物油脂としては、オレイルアルコール、魚油、牛脂などがあげられる。なかでも、加工性に有利であるという理由からプロセスオイルが好ましく、環境への負荷低減という理由からは、多環式芳香族化合物(polycyclic aromatic compound:PCA)の含量の低いプロセスオイル(低PCA含量プロセスオイル)が好ましい。
液状ポリマーとしては、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103~2.0×105の液状ポリマーであることが好ましい。このような範囲とすることで、破壊特性、耐久性、成形加工性がバランスよく得られる傾向がある。
低温可塑剤としては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2-エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等のエステル系可塑剤などがあげられる。なかでも、低温時における可塑効果と耐摩耗性のバランスから、DOS、TOPが好ましく、低燃費性に優れるという理由から、DOSが好ましい。
可塑剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、30質量部以上である。該含有量は、低燃費性と耐摩耗性の観点からさらに限定された所定の範囲内であることが好ましいく、そのような範囲としては、35質量部以上が好ましく、40質量部以上がより好ましく、45質量部以上がさらに好ましい。また、可塑剤の含有量は、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、70質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。なお、可塑剤の含有量には、油展ゴムや不溶性硫黄に含まれるオイル成分以外に、後入れオイル(油展ゴムや不溶性硫黄に含まれるオイル成分とは別に配合されるオイル)も含まれる。
本実施形態に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般的に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
老化防止剤としては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、アミン・ケトン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、硫黄系老化防止剤、燐系老化防止剤などがあげられる。老化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、日本精鑞(株)製、パラメルト社製などのパラフィンワックスがあげられる。ワックスは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫剤としては、特に限定されず、公知の加硫剤を用いることができ、例えば、硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウム等の金属酸化物などがあげられる。なかでも、硫黄を用いることが好ましい。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などがあげられ、いずれも好適に用いられる。加硫剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫促進剤としては、特に限定されず、公知の加硫助剤を用いることができ、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系もしくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤などがあげられる。なかでも、スコーチ時間と加硫時間をバランス良くできるという理由からスルフェンアミド系、グアニジン系が好ましい。加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のタイヤ用ゴム組成物は、公知の方法で製造される。例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。混錬りに際しては、まず加硫剤と加硫促進剤以外の成分を混練した後、得られた混練物に加硫剤と加硫促進剤を加えて混練することができる。なお、アミノグアニジン弱酸塩の配合方法も、特に限定されず、粉体としてそのまま配合することができるが、そのような配合方法以外にも、例えば、溶媒に溶解させて溶液として配合する方法や、エマルジョン溶液として配合する方法などにより配合することもできる。
本実施形態のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤのトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビードなどの各タイヤ部材に用いることができる。特に、低燃費性、破壊強度および耐摩耗性に優れることから、本実施形態のタイヤ用ゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤとすることが好ましい。
本実施形態のタイヤは、前記タイヤ用ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造できる。すなわち、タイヤ用ゴム組成物を未加硫の段階でタイヤのトレッドなどのタイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成形機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで本実施形態のタイヤを製造することができる。加硫温度は、タイヤ工業において一般的な加硫温度であれば特に限定されず、例えば120℃以上200℃以下であり、140℃以上が好ましく、180℃以下が好ましい。
本実施形態のタイヤは、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤを問わないが、空気入りタイヤであることが好ましい。また、空気入りタイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤなどの高性能タイヤ、ランフラットタイヤなど各種タイヤに用いることができる。
本明細書において、数値範囲を「10~100」と表現した場合、当該数値範囲は、特に断り書きの無い限り、その両端の値も含む意味である。
天然ゴム(NR):TSR20
スチレンブタジエンゴム(SBR):旭化成(株)のアサプレンE15
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のBR150B
シリカ:エボニック社製のウルトラシルVN3(N2SA(BET):175m2/g)
シランカップリング剤(カップリング剤):エボニック社製のSi69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
樹脂:アリゾナケミカル社製のSYLVATRAXX4401
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスオイル PA32
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
ステアリン酸
酸化亜鉛
硫黄
加硫促進剤1:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)
加硫促進剤2:1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)
アミノグアニジン弱酸塩1(AG弱酸塩1):アミノグアニジンリン酸塩
アミノグアニジン弱酸塩2(AG弱酸塩2):重炭酸アミノグアニジン
表1に示す配合内容のうち、各種薬品(硫黄ならびに加硫促進剤1および2を除く)を、バンバリーミキサーにて混練りし、混練り物を得る。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄ならびに加硫促進剤1および2を添加して混練りし、未加硫ゴム組成物を得る。
未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300に記載されている振動式加硫試験機(キュラストメーター)を用い、測定温度130℃で加硫試験を行って、時間とトルクとをプロットした加硫速度曲線を得る。加硫速度曲線のトルクの最小値をML、最大値をMH、その差(MH-ML)をMEとしたとき、ML+0.1MEに到達する時間t10(スコーチタイム)(分)を読み取る。基準比較例のスコーチタイムを100として下記計算式により指数表示する。数値が大きい程、スコーチタイムが長く、成形加工性に優れることを示す。
(成形加工性指数)=
{(各配合のスコーチタイム)/(基準比較例のスコーチタイム)}×100
未加硫ゴム組成物について、粘弾性測定装置(アルファテクノロジーズ社製、商品名:RPA2000)を用いて、170℃の加硫特性t90を求め、加硫時間とする。基準比較例の加硫時間を100として下記計算式により指数表示する。数値が大きい程、加硫時間が短いことを示す。
(加硫速度指数)={(基準比較例の加硫時間)/(各配合の加硫時間)}×100
加硫ゴム組成物からなる6号ダンベル型試験片を用いて、JIS K 6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に準じて、25℃雰囲気下にて引張試験を実施し、破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定する。そして、TB×EB/2(MPa%)の値を算出する。算出した値は、下記計算式により、基準比較例を100とする指数に変換する。数値が大きい程、破壊強度に優れることを示す。
(破壊強度指数)={(各配合の値)/(基準比較例の値)}×100
加硫ゴム組成物について、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各配合の損失正接(tanδ50℃)を測定し、基準比較例の低燃費性指数を100とし、下記計算式により、各配合の低燃費性を指数表示する。数値が大きい程、転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=
{(基準比較例のtanδ50℃)/(各配合のtanδ50℃)}×100
Claims (7)
- スチレンブタジエンゴムを50質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、
シリカ80質量部以上、
可塑剤30質量部以上、および、
アミノグアニジン弱酸塩
を含んでなるタイヤ用ゴム組成物であって、
可塑剤が樹脂およびオイルを含むものであり、樹脂の含有量が5質量部以上でありかつオイルの含有量が5質量部以上であるタイヤ用ゴム組成物。
〔但し、下記(イ)および(ロ)のゴム組成物を除く:
(イ)ゴム成分100質量部に対し、ω-9脂肪酸アミドを0.1~10質量部、および、粘着樹脂を0.1~100質量部含有するゴム組成物、
(ロ)ジエン系ゴム成分100質量部に対して、ステアリン酸、飽和脂肪酸金属塩、ならびに、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミドおよびアミドエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する離型剤、からなる群から選ばれる少なくとも1種を2.5~8.0質量部、軟化点が-40~170℃のレジンを1~50質量部、BET比表面積が80~270m 2 /gのシリカを30~140質量部、シリカ100質量部に対してシランカップリング剤を3~10質量部含有し、加硫前のゴム組成物中の未反応シランカップリング剤の量がジエン系ゴム成分100質量部に対して0~1.0質量部であるゴム組成物。〕 - スチレンブタジエンゴムを50質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、
シリカ80質量部以上、
可塑剤30質量部以上、および、
アミノグアニジン弱酸塩
を含んでなるタイヤ用ゴム組成物であって、
ゴム成分が、天然ゴムおよびブタジエンゴムからなる群から選択される少なくとも一つをさらに含むものであるタイヤ用ゴム組成物。 - ゴム成分が、スチレンブタジエンゴム50質量%以上に加えて、天然ゴムおよびブタジエンゴムをさらに含むものである、請求項1または2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- アミノグアニジン弱酸塩が、重炭酸アミノグアニジンおよびアミノグアニジンリン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- アミノグアニジン弱酸塩の含有量が、0.01~10質量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物から構成されたタイヤ部材を有するタイヤ。
- タイヤ部材がトレッドである請求項6記載のタイヤ。
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