JP7533194B2 - 燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 - Google Patents
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Description
ここで、燃料ガスが供給される上述した一方の電極を燃料極、酸化剤ガスが供給される上述した他方の電極を空気極とする。これらの電極は、高分子電解質、白金系の貴金属などの触媒を担持したカーボン粒子(触媒担持粒子)を有する電極触媒層、及びガス通気性と電子伝導性とを兼ね備えたガス拡散層を備えている。これらの電極を構成するガス拡散層は、セパレータと対向するように、すなわち電極触媒層とセパレータとの間に配置される。
この低コスト化の手段の一つに、加湿器の削減が挙げられる。膜電極接合体の中心に位置する高分子電解質膜には、パーフルオロスルホン酸膜や炭化水素系膜が広く用いられている。そして、優れたプロトン伝導性を得るためには飽和水蒸気圧雰囲気に近い水分管理が必要とされており、現在、加湿器によって外部から水分供給を行っている。そこで、低消費電力やシステムの簡略化のために、加湿器を必要としないような、低加湿条件下であっても、十分なプロトン伝導性を示す高分子電解質膜の開発が進められている。
例えば、特許文献5には、導電性炭素質粉末とポリテトラフルオロエチレンから構成された湿度調整フィルムが、湿度調節機能を示してドライアップを防止する方法が記載されている。
本発明は、固体高分子形燃料電池に用いられた場合に、電極反応で生成した水の除去を阻害せずに低加湿条件下での保水性が改善され、低加湿条件下でも高い発電性能を示す電極触媒層を有した燃料電池用膜電極接合体を提供することを目的とする。
以下に、本開示の実施形態について添付図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本開示の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定されるものではない。本開示の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
まず、本実施形態に係る膜電極接合体11について説明する。
図1に示すように、膜電極接合体11は、高分子電解質膜1と、高分子電解質膜1を高分子電解質膜1の上下各面から狭持する電極触媒層2(図1中、上側に示す)及び電極触媒層3(図1中、下側に示す)とを備える。さらに、膜電極接合体11の2つの電極触媒層2、3は、高分子電解質膜1の平面方向に2つの領域に分けられている。より詳細には、図1中上側に示す電極触媒層2は、電極触媒層2に流入するガスの入口側に配置される第一の電極触媒部2aと、ガスの出口側に配置される第二の電極触媒部2bとを有する。同様に、図中下側に示す電極触媒層3は、電極触媒層3に流入するガスの入口側に位置する第一の電極触媒部3aと、ガスの出口側に位置する第二の電極触媒部3bとを有する。
(a)触媒担持粒子と、繊維状物質と、高分子電解質と、を含む。繊維状物質は疎水性繊維状物質と親水性繊維状物質で構成される。
(b)第二の電極触媒部2b(又は3b)における、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比は、第一の電極触媒部2a(又は3a)における、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比よりも大きい。
疎水性繊維状物質及び親水性繊維状物質を含む繊維状物質全体の平均繊維長が0.7μm以上30μm以下の範囲内に含まれることが好ましく、10μm以上20μm以下の範囲内に含まれることがより好ましい。
(c)第一の電極触媒部2a(又は3a)における、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比(疎水性繊維状物質の質量/繊維状物質の質量)は0.1以上0.45以下の範囲内であり、第二の電極触媒部2b(又は3b)における、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比(疎水性繊維状物質の質量/繊維状物質の質量)は0.55以上0.9以下の範囲内である。
また、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比について、第二の電極触媒部2b(又は3b)における質量比(疎水性繊維状物質の質量/繊維状物質の質量)は、0.55以上0.9以下であることが好ましく、0.65以上0.8以下であることがより好ましい。
第二の電極触媒部2b(又は3b)における、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比が0.9を超える場合は、低加湿条件下で水の保持が困難となり、プロトン伝導性が低下する場合がある。
また、第一の電極触媒部2a(又は3a)における、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比が0.45を超える場合と、第二の電極触媒部2b(又は3b)における、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比が0.55に満たない場合は、電極触媒層内に形成される細孔における疎水性と親水性の差が少なくなり、高い発電性能を示すことが困難になる場合がある。
次に、図2を用いて、本発明の一実施形態に係る膜電極接合体11を備えた固体高分子形燃料電池について説明する。
図2に示す固体高分子形燃料電池12は、膜電極接合体11と、一対のガス拡散層4、5と、一組のセパレータ10a、10bと、を備える。ガス拡散層4は、膜電極接合体11の電極触媒層2と対向するように配置される。ガス拡散層5は、電極触媒層3と対向するように配置される。電極触媒層2とガス拡散層4とによって、空気極(カソード、正極)6が形成される。電極触媒層3とガス拡散層5とによって、燃料極(アノード、負極)7が形成される。
固体高分子形燃料電池12において、一対のセパレータ10a、10bが、高分子電解質膜1、一対の電極触媒層2、3、および、一対のガス拡散層4、5を挟持する。図2に示す固体高分子形燃料電池12は、単セル構造を有した燃料電池の一例であるが、固体高分子形燃料電池は、セパレータ10a又はセパレータ10bを介して複数のセルが積層された構造を有してもよい。
次に、上記構成(a)、(b)、(c)を有する膜電極接合体11の製造方法の一例を説明する。
上記構成(a)、(b)、(c)を有する膜電極接合体11は、下記の触媒インク作製工程と触媒部形成工程と積層工程とを含む方法で製造される。
触媒インク作製工程は、触媒が担持されたカーボン粒子からなる触媒担持粒子と、疎水性繊維状物質及び親水性繊維状物質を含む繊維状物質と、高分子電解質と、溶媒と、を含む触媒インクを製造する工程である。触媒インク作製工程では、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比の異なる二種類の触媒インクを作製する。繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比が小さい触媒インクを第一の触媒インク、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比が大きい触媒インクを第二の触媒インクとした。
触媒部形成工程において、基材に対する、第一の触媒インクの塗布領域と上記第二の触媒インクの塗布領域とが重ならいように第一の触媒インク及び第二の触媒インクの塗布を行う。これにより、第一の電極触媒部2a(又は3a)及び第二の電極触媒部2b(又は3b)を有する電極触媒層2(又は3)が形成される。
電極触媒層2、3を高分子電解質膜1の上下各面に貼り付けることで、膜電極接合体11が得られる。電極触媒層2、3の両方が上述の方法で製造されたものであってもよいし、一方が上述の方法で製造され、他方が従来の方法で製造されたものであってもよい。
以下、膜電極接合体11及び固体高分子形燃料電池12について更に詳細に説明する。
高分子電解質膜1としては、プロトン伝導性を有するものであれば良く、例えば、フッ素系高分子電解質膜又は、炭化水素系高分子電解質膜を用いることができる。フッ素系高分子電解質膜として、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子株式会社製Flemion(登録商標)、旭化成株式会社製Aciplex(登録商標)、ダブリュー.エル.ゴア アンド アソシエーツ社製Gore Select(登録商標)等を用いることができる。
電極触媒層2、3は、触媒インクを用いて高分子電解質膜1の両面に形成される。電極触媒層2、3用の触媒インクは、触媒が担持されたカーボン粒子からなる触媒担持粒子、疎水性繊維状物質と親水性繊維状物質の繊維状物質、高分子電解質、及び溶媒を含み、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比の異なる二種類の組成を用いる。
触媒粒子が、白金、金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、及び、イリジウムから選ばれた1種又は2種以上の金属である場合、電極反応性に優れ、電極反応を効率良く安定して行うことができる。触媒粒子が、白金、金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、及び、イリジウムから選ばれた1種又は2種以上の金属である場合、電極触媒層2、3を備えた固体高分子形燃料電池12が高い発電特性を示すので好ましい。
カーボン粒子の平均粒子径は、10nm以上1000nm以下の範囲内に含まれることが好ましく、10nm以上100nm以下の範囲内に含まれることがより好ましい。ここで、平均粒子径とは、SEM像から求めた平均粒子径である。カーボン粒子の平均粒子径が10nm以上1000nm以下の範囲内に含まれる場合、触媒の活性及び安定性が向上するため好ましい。また、カーボン粒子の平均粒子径が10nm以上1000nm以下の範囲に含まれる場合には、電子伝導パスが形成されやすくなり、また、2つの電極触媒層2、3のガス拡散性および触媒の利用率が向上するため好ましい。
また、触媒担持粒子を覆う疎水性被膜の膜厚は、十分に生成水を撥水する膜厚であることが好ましい。疎水性被膜の膜厚は、具体的には2nm以上であることが好ましい。疎水性被膜がこれよりも薄くなると生成水が滞留し、活性点への反応ガスの供給が阻害される場合がある。すなわち、疎水性被膜が2nm以上の厚さを有することによって、生成水の滞留を抑え、これによって、活性点に対する反応ガスの供給が阻害されることが抑えられる。
親水性繊維状物質は、親水性を持つものであれば特に制限されず、親水性を持つように作られた導電性繊維を用いても良いし、親水性を持たない導電性繊維に親水性を付与しても良い。親水性の付与方法としては、例えばオゾンや酸素プラズマ処理、電解酸化、混酸処理などが挙げられる。これらの親水性繊維状物質は、1種のみを単独で使用してもよいが、2種以上を併用しても良い。
触媒が担持されたカーボン粒子を触媒インクにおいて分散させるために、触媒インクに分散剤が含まれていても良い。分散剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等を挙げることができる。
触媒インクを基材上に塗布する塗布方法としては、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法等を採用することができる。
電極触媒層2、3の製造に用いる基材としては、転写シートを用いることができる。
セパレータ10(10a、10b)としては、カーボンタイプあるいは金属タイプのもの等を用いることができる。なお、ガス拡散層4、5とセパレータ10(10a、10b)はそれぞれ一体構造となっていても良い。また、セパレータ10(10a、10b)もしくは電極触媒層2、3が、ガス拡散層4、5の機能を果たす場合は、ガス拡散層4、5は省略しても良い。
固体高分子形燃料電池12は、ガス供給装置、冷却装置等、その他付随する装置を組み立てることにより製造することができる。
本実施形態に係る膜電極接合体11の電極触媒層2、3において、ガスの入口側に設ける第一の電極触媒部2a(又は3a)における繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比を、ガスの出口側に設ける第二の電極触媒部2b(又は3b)での質量比と比較して小さくする。
この構成によれば、ガスの入口側に設ける第一の電極触媒部2a(又は3a)で保水性を高め、ガスの出口側に設ける第二の電極触媒部2b(又は3b)で水の除去を促進することができ、低加湿条件下でも高い発電特性を得ることができる。
なお、上記実施形態においては、電極触媒層2及び3のそれぞれに第一の電極触媒部と第二の電極触媒部とを設けた場合について説明したが、これに限るものではなく、電極触媒層2及び3のそれぞれに、三つ以上の電極触媒部を設けてもよい。電極触媒層2及び3それぞれに三つ以上の電極触媒部を設ける場合には、ガスの上流側に近いほど、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比が、ガスの下流側の電極触媒部よりも小さくなるようにすることが好ましい。
また、膜電極接合体11において、高分子電解質膜1の両面に形成される電極触媒層2及び3のうち、一方の電極触媒層2又は3のみに、第一の電極触媒部と第二の電極触媒部とが設けられていてもよい。
また、図1では電極触媒層2又は3の第一の電極触媒部と第二の電極触媒部が同等の面積で二分割されている(電極触媒層2に対する第一の電極触媒部の面積率が50%)の例を示しているが、これに限定されない。
以下に、本実施形態における固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法について具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本実施形態は下記の実施例及び比較例によって制限されるものではない。
〔触媒インクの調整〕
担持密度30質量%である白金担持カーボン触媒と、平均繊維長が1.5μmである疎水性繊維状物質(カーボンファイバー)及び親水性繊維状物質(酸化処理したカーボンファイバー)と、イオン交換容量が1.4meq/gである高分子電解質を含む20質量%高分子電解質溶液とを溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで30分間の分散処理を行い、第一の触媒インクを作製した。第一の触媒インクは、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比が0.3の組成比、繊維状物質に対する親水性繊維状物質の質量比が0.7の組成比として、カーボン粒子と繊維状物質と高分子電解質との配合比を質量比で1:0.3:0.8とした。
各触媒インクの溶媒は、超純水と1-プロパノールの体積比で1:1とした。また、各触媒インクにおける固形分含有量は、それぞれ8質量%となるように調整した。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートの基材に対し、作製した触媒インクをドクターブレード法で塗布し、大気雰囲気中80℃で乾燥させた。第一の触媒インクの塗布量は、燃料極(アノード)として白金担持量0.1mg/cm2になり、また、空気極(カソード)として白金担持量0.3mg/cm2になるように調整し、電極触媒層(第一の電極触媒部)を形成した。また、第二の触媒インクの塗布量は、燃料極(アノード)として白金担持量0.1mg/cm2になり、空気極(カソード)として白金担持量0.3mg/cm2になるように調整し、電極触媒層(第二の電極触媒部)を形成した。
それぞれの電極触媒層を形成した基材を5cm×2.5cmにそれぞれ打ち抜き、第一の電極触媒部がガスの入口側、第二の電極触媒部がガスの出口側となるように配置させて、5cm×5cmの電極触媒層とした。この電極触媒層を高分子電解質膜1の両面に配置させ、転写温度130℃、転写圧力5.0×106Paの条件でホットプレスを行い、膜電極接合体11を得た。
〔触媒インクの調整〕
担持密度30質量%である白金担持カーボン触媒と、平均繊維長が1.5μmである疎水性繊維状物質及び親水性繊維状物質と、高分子電解質溶液としてイオン交換容量が1.4meq/gである高分子電解質を含む20質量%高分子電解質溶液とを溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで30分間の分散処理を行い、触媒インクを作製した。触媒インクは、繊維状物質に対する疎水性繊維状物質の質量比が0.5の組成比、繊維状物質に対する親水性繊維状物質の質量比が0.5の組成比として、カーボン粒子と繊維状物質と高分子電解質との配合比を質量比で1:0.3:0.8とした。触媒インクの溶媒は、超純水と1-プロパノールの体積比で1:1とした。また、触媒インクにおける固形分含有量は、それぞれ8質量%となるように調整した。
これにより、触媒インクが得られた。この触媒インクは、実施例における第一の触媒インクと第二の触媒インクの全ての成分を一度に混合、分散して得られたものである。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートの基材に対し、作製した触媒インクをドクターブレード法で塗布し、大気雰囲気中80℃で乾燥させた。触媒インクの塗布量は、燃料極(アノード)として白金担持量0.1mg/cm2になり、空気極(カソード)として白金担持量0.3mg/cm2になるように調整し、電極触媒層を形成した。
〔膜電極接合体の作製〕
それぞれの電極触媒層を形成した基材を5cm×5cmにそれぞれ打ち抜き、この電極触媒層を高分子電解質膜の両面に配置させ、転写温度130℃、転写圧力5.0×106Paの条件でホットプレスを行い、膜電極接合体を得た。
〔発電特性〕
実施例および比較例で得られた各膜電極接合体を挟持するように、ガス拡散層としてカーボンペーパーを貼りあわせて、発電評価セル内に設置し、燃料電池測定装置を用いて電流電圧測定を行った。測定時のセル温度は80℃とし、運転条件は以下に示すフル加湿と低加湿を採用した。また、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして空気を用い、利用率一定による流量制御を行った。なお、背圧は50kPaとした。
〔運転条件〕
条件1(フル加湿):相対湿度 アノード100%RH、カソード100%RH
条件2(低加湿) :相対湿度 アノード30%RH、カソード30%RH
実施例で作製した膜電極接合体は、比較例で作製した膜電極接合体よりも、低加湿の運転条件下で優れた発電性能を示した。また、実施例で作製した膜電極接合体は、低加湿の運転条件下においても、フル加湿の運転条件下と同等レベルの発電性能であった。特に電流密度1.5A/cm2付近の発電性能が向上した。実施例で作製した膜電極接合体の電流密度1.5A/cm2におけるセル電圧は、比較例で作製した膜電極接合体の電流密度1.5A/cm2におけるセル電圧と比べて0.21V高い発電特性を示した。
また、フル加湿の運転条件下では、実施例で作製した膜電極接合体の電流密度1.5A/cm2におけるセル電圧は、比較例で作製した膜電極接合体の電流密度1.5A/cm2におけるセル電圧と比べて0.13V高い発電特性を示した。
実施例で作製した膜電極接合体と比較例で作製した膜電極接合体との発電特性の結果から、実施例で作製した膜電極接合体では、反応ガスの拡散性が高く、電極反応で生成した水の除去等を阻害していないことが確認された。
2…電極触媒層
2a…第一の電極触媒部
2b…第二の電極触媒部
3…電極触媒層
3a…第一の電極触媒部
3b…第二の電極触媒部
4…ガス拡散層
5…ガス拡散層
6…空気極(カソード)
7…燃料極(アノード)
8、8a、8b…ガス流路
9、9a、9b…冷却水流路
10、10a、10b…セパレータ
11…膜電極接合体
12…固体高分子形燃料電池
Claims (6)
- 高分子電解質膜を一対の電極触媒層で挟持し、当該電極触媒層との間にガス流路を形成する一対のセパレータで前記一対の電極触媒層を外側から挟持した燃料電池用の膜電極接合体であって、
前記一対の電極触媒層のうち少なくとも一方の電極触媒層は、前記高分子電解質膜と対向する第一の電極触媒部と第二の電極触媒部とを有し、
前記第一の電極触媒部は前記ガス流路の入口側用の電極触媒部であり、前記第二の電極触媒部は前記ガス流路の出口側用の電極触媒部であって、
前記第一の電極触媒部及び前記第二の電極触媒部のそれぞれは、触媒が担持されたカーボン粒子からなる触媒担持粒子と、繊維状物質と、高分子電解質と、を含み、
前記繊維状物質は疎水性繊維状物質と親水性繊維状物質とで構成され、
前記繊維状物質に対する前記疎水性繊維状物質の質量比は、前記第二の電極触媒部の前記質量比が、前記第一の電極触媒部の前記質量比よりも大きいことを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。 - 前記第一の電極触媒部における前記質量比は、0.1以上0.45以下の範囲内であり、
前記第二の電極触媒部における前記質量比は、0.55以上0.9以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用膜電極接合体。 - 前記疎水性繊維状物質及び前記親水性繊維状物質を含む繊維状物質の平均繊維長が0.7μm以上30μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した燃料電池用膜電極接合体。
- 前記疎水性繊維状物質の質量と前記親水性繊維状物質の質量とを合わせた繊維質量は、前記触媒担持粒子における担体の質量の0.05倍以上0.4倍以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池用膜電極接合体。
- 前記高分子電解質の質量は、前記触媒担持粒子における担体の質量の0.3倍以上1.0倍以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料電池用膜電極接合体。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料電池用膜電極接合体と、
前記燃料電池用膜電極接合体を挟持する一対のガス拡散層と、
対向して設けられ前記燃料電池用膜電極接合体及び前記一対のガス拡散層を挟持する一対のセパレータと、
を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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