本開示の第1態様の光源装置は、第1、第2および第3のレーザー光源と、複数の前記第1のレーザー光源の光を偏光合成し、かつ、第2のレーザー光源または第3のレーザー光源の光を透過する第1の偏光ミラーと、前記第1のレーザー光源の光と、前記第2のレーザー光源または第3のレーザー光源の光を合成する第1のダイクロイックミラーと、複数の前記第3のレーザー光源の光を偏光合成し、かつ、前記第1、第2のレーザー光源の光を透過、または第1、第2のレーザー光源のいずれかの光を透過する第2の偏光ミラーと、前記第1、第2および第3のレーザー光源の光を合成する第2のダイクロイックミラーとを備える。
本開示の第2態様の光源装置においては、第1の偏光ミラーと第1のダイクロイックミラーは交差して配置されてもよい。
本開示の第3態様の光源装置においては、第2の偏光ミラーと第2のダイクロイックミラーは交差して配置されてもよい。
本開示の第4態様の光源装置においては、第1、第2および第3のレーザー光源と、複数の前記第1のレーザー光源の光を偏光合成する第1の偏光ミラーと、前記第1のレーザー光源の光と前記第2のレーザー光源または第3のレーザー光源の光を合成する第1のダイクロイックミラーと、複数の前記第3のレーザー光源の光を偏光合成し、かつ、前記第1、第2のレーザー光源の光を透過、または第1、第2のレーザー光源のいずれかの光を透過する第2の偏光ミラーと、前記第1、第2および第3のレーザー光源の光を合成する第2のダイクロイックミラーとを、備えてもよい。
本開示の第5態様の光源装置においては、第1、第2および第3のレーザー光源は、それぞれ緑色、青色、赤色のレーザー光源であってもよい。
本開示の第6態様の光源装置においては、第1、第2のレーザー光源と、複数の前記第1のレーザー光源の光を偏光合成し、かつ、第2のレーザー光源の光を透過する偏光ミラーと、前記第1のレーザー光源の光と前記第2のレーザー光源の光を合成するダイクロイックミラーとを備えてもよい。
本開示の第7態様の光源装置においては、第1、第2のレーザー光源は、それぞれ赤色、青色のレーザー光源であってもよい。
本開示の第8態様の光源装置においては、偏光ミラーとダイクロイックミラーは交差して配置されてもよい。
本開示の第9態様の光源装置においては、第1、第2および第3のレーザー光源は半導体レーザーであってもよい。
本開示の第10態様の投射型表示装置においては、光源と、前記光源からの光を集光し被照明領域に照明する照明光学系と、映像信号に応じて画像を形成する画像形成素子と、前記画像形成素子で形成された画像を拡大投写する投写レンズを備え、前記光源が第1態様から第9態様のいずれか1つに記載の光源装置であってもよい。
本開示の第11態様の投射型表示装置においては、画像形成素子がミラー偏向型のデジタル・マイクロ・ミラー(DMD)であってもよい。
本開示の第12態様の投射型表示装置においては、画像形成素子が液晶パネルであってもよい。
以下本開示を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本開示の実施の形態を示す第1の光源装置46の構成図である。
光源装置46は、緑色レーザー光源22、26と、青色レーザー光源30と、赤色レーザー光源37、41とを備える。緑色レーザー光源22は、複数の緑色半導体レーザー素子を配置した緑色半導体レーザー基板20とコリメートレンズアレイ21とを有する。緑色レーザー光源26は、複数の緑色半導体レーザー素子を配置した緑色半導体レーザー基板24とコリメートレンズアレイ25とを有する。青色レーザー光源30は、複数の青色半導体レーザー素子を配置した青色半導体レーザー基板28とコリメートレンズアレイ29とを有する。赤色レーザー光源37は、複数の赤色半導体レーザー素子を配置した赤色半導体レーザー基板35とコリメートレンズアレイ36とを有する。赤色レーザー光源41は、複数の赤色半導体レーザー素子を配置した赤色半導体レーザー基板39とコリメートレンズアレイ40とを有する。光源装置46は、更に放熱板23、27、31、38、42と、第1の偏光ミラー32と、第1のダイクロイックミラー33,34と、第2のダイクロイックミラー43、44と、第2の偏光ミラー45とを備える。第1のダイクロイックミラー33,34は青反射のダイクロイックミラーであって、第2のダイクロイックミラー43、44は青、緑反射のダイクロイックミラーである。図中には、レーザー光源から出射する光と、第1の偏光ミラー32、第2の偏光ミラー45、第1のダイクロイックミラー33、34、第2のダイクロイックミラー43、44へ入射および出射する光の偏光方向を示している。緑色レーザー光源を第1のレーザー光源、青色レーザー光源を第2のレーザー光源、赤色レーザー光源を第3のレーザー光源とする。
緑色レーザー光源22は、24個(6×4)の緑色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した緑色半導体レーザー基板20とコリメートレンズアレイ21で構成される。緑色半導体レーザー基板20は、525±8nm波長幅で緑の色光を発光し、第1の偏光ミラー32に対してP偏光となる光を出射する。緑色半導体レーザー基板20を出射した光は、対応するコリメートレンズアレイ21により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板23は緑色半導体レーザー基板20を冷却するものである。
緑色レーザー光源26は、24個(6×4)の緑色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した緑色半導体レーザー基板24とコリメートレンズアレイ25で構成される。緑色半導体レーザー基板24は、525±8nm波長幅で緑の色光を発光し、第1の偏光ミラー32に対してS偏光となる光を出射する。緑色半導体レーザー基板24を出射した光は、対応するコリメートレンズアレイ25により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板27は緑色半導体レーザー基板24を冷却するものである。
青色レーザー光源30は、12個(3×4)の青色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した青色半導体レーザー基板28とコリメートレンズアレイ29で構成される。青色半導体レーザー基板28は、465±8nmの波長幅で青の色光を発光し、第1の偏光ミラー32に対してP偏光となる光を出射する。青色半導体レーザーは、赤、緑の半導体レーザーに対して、発光効率が高いことや所望の白色光色度に必要な光出力が小さいため、1/4程度の半導体レーザー個数で構成している。青色半導体レーザー基板28を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ29により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板31は青色半導体レーザー基板28を冷却するためのものである。
緑色レーザー光源22、26と青色レーザー光源30からのレーザー光は、それぞれP偏光、S偏光、P偏光で、第1の偏光ミラー32と第1のダイクロイックミラー33、34に入射する。第1の偏光ミラー32と第1のダイクロイックミラー33、34は、それぞれ入射角が45度となる配置である。第1のダイクロイックミラー33、34は、第1の偏光ミラーと交差して配置している。
図2に、第1の偏光ミラー32の分光特性を示す。分光特性は、入射角が45度でのP偏光とS偏光の分光透過率を示している。分光特性は、第1の偏光ミラー32のガラス基板上にTiO2などの高屈折率材料とSiO2などの低屈折率材料を交互に86層の光学薄膜を形成し、設計した事例である。第1の偏光ミラー32は、緑色レーザー光に対しては偏光ビームスプリッタとして作用し、青色レーザー光に対しては青透過のダイクロイックミラーとして作用する特性である。第1の偏光ミラー32は、P偏光の青色のレーザー光とP偏光の緑色レーザー光を95%以上で透過し、S偏光の緑色レーザー光を95%以上で反射する。
第1のダイクロイックミラー33、34は青反射のダイクロイックミラーであって、緑色レーザー光を95%以上で透過し、青色レーザー光を97%以上で反射する特性である。透過率が50%となる半値波長はP偏光で485nm、S偏光で505nmである。
第1の偏光ミラー32と第1のダイクロイックミラー33、34に入射した複数の緑色レーザー光は、第1のダイクロイックミラーを透過しつつ、偏光合成される。また、青色レーザー光は、第1の偏光ミラー32を透過しつつ、第1のダイクロイックミラー33、34で反射される。第1の偏光ミラーと第1のダイクロイックミラーは交差して構成されるため、複数の緑色レーザー光源と青色レーザー光源からの光を、小型に合成することができる。合成された緑色と青色のレーザー光は、第2のダイクロイックミラー43、44と第2の偏光ミラー45に入射する。
赤色レーザー光源37は、24個(6×4)の赤色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した赤色半導体レーザー基板35とコリメートレンズアレイ36で構成される。赤色半導体レーザー基板35は、640±8nmの波長幅で赤の色光を発光し、第2の偏光ミラー45に対してS偏光となる光を出射する。赤色半導体レーザー基板35を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ36により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板38は赤色半導体レーザー基板35を冷却するためのものである。
赤色レーザー光源41は、24個(6×4)の赤色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した赤色半導体レーザー基板39とコリメートレンズアレイ40で構成される。赤色半導体レーザー基板39は、640±8nmの波長幅で赤の色光を発光し、第2の偏光ミラー45に対してP偏光となる光を出射する。赤色半導体レーザー基板39を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ40により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板42は赤色半導体レーザー基板39を冷却するためのものである。
赤色レーザー光源37、41からのレーザー光は、それぞれS偏光、P偏光で、第2の偏光ミラー45と第2のダイクロイックミラー43、44に入射する。第2の偏光ミラー45と第2のダイクロイックミラー43、44は、それぞれ入射角が45度となる配置である。第2のダイクロイックミラー43、44は、第2の偏光ミラー45と交差して配置している。
図3に、第2の偏光ミラー45の分光特性を示す。分光特性は、入射角が45度でのP偏光とS偏光の分光透過率を示している。分光特性は、第2の偏光ミラー45のガラス基板上にTiO2などの高屈折率材料とSiO2などの低屈折率材料を交互に89層の光学薄膜を形成し、設計した事例である。第2の偏光ミラー45は、赤色レーザー光に対しては偏光ビームスプリッタとして作用し、緑色レーザー光と青色レーザー光に対しては、それぞれ緑透過、青透過のダイクロイックミラーとして作用する特性である。第2の偏光ミラー45は、P偏光の赤色のレーザー光と、P偏光とS偏光の緑色レーザー光と、P偏光とS偏光の青色レーザー光を95%以上で透過し、S偏光の赤色レーザー光を95%以上で反射する。
第2のダイクロイックミラー43、44は青、緑反射のダイクロイックミラーであって、赤色レーザー光を95%以上で透過し、緑色レーザー光と青色レーザー光を97%以上で反射する特性である。透過率が50%となる半値波長はP偏光で580nm、S偏光で605nmである。
第2の偏光ミラー45と第2のダイクロイックミラー43、44に入射した複数の赤色レーザー光は、第2のダイクロイックミラー43、44を透過しつつ、偏光合成される。また、緑色レーザー光と青色レーザー光は、第2の偏光ミラー45を透過しつつ、第2のダイクロイックミラー43、44で反射される。第2の偏光ミラーと第2のダイクロイックミラーは交差して構成されるため、複数の赤色レーザー光源と複数の緑色レーザー光源と青色レーザー光源からの光を、小型に合成することができる。このようにして、青、緑、赤色レーザー光が、小型、高効率で合成されて、光源装置を出射する。
緑色レーザー光源と赤色レーザー光源、青色レーザー光源は、それぞれ48個、48個、12個の半導体レーザー素子を配置した構成を示したが、高輝度化のため、それぞれ、より多数の半導体レーザー素子を用いて構成してもよい。
第1のレーザー光源を緑色レーザー光源とし、第3のレーザー光源を赤色レーザー光源として説明したが、これに限定されない。例えば、第1および第2の偏光ミラーと、第1および第2のダイクロイックミラーの特性を変更して、第1のレーザー光源を赤色レーザー光源、第3のレーザー光源を緑色レーザー光源としてもよい。
以上のように、本開示の光源装置は、青、緑、赤色のレーザー光源と、偏光ビームスプリッタとダイクロイックミラーの特性を備えた偏光ミラーと、ダイクロイックミラーを配置することにより、小型、高効率で広色域な光源装置を構成することができる。
(実施の形態2)
図4は本開示の実施の形態を示す第2の光源装置の構成図である。
光源装置76は、緑色レーザー光源52、56と、赤色レーザー光源60、67と、青色レーザー光源71とを備える。緑色レーザー光源52は、複数の緑色半導体レーザー素子を配置した緑色半導体レーザー基板50とコリメートレンズアレイ51とを有する。緑色レーザー光源56は、複数の緑色半導体レーザー素子を配置した緑色半導体レーザー基板54とコリメートレンズアレイ55とを有する。赤色レーザー光源60は、複数の赤色半導体レーザー素子を配置した赤色半導体レーザー基板58とコリメートレンズアレイ59とを有する。赤色レーザー光源67は、複数の赤色半導体レーザー素子を配置した赤色半導体レーザー基板65とコリメートレンズアレイ66とを有する。青色レーザー光源71は、複数の青色半導体レーザー素子を配置した青色半導体レーザー基板69とコリメートレンズアレイ70とを有する。光源装置76は、更に放熱板53、57、61、68、72と、第1の偏光ミラー62と、第1のダイクロイックミラー63、64と、第2のダイクロイックミラー73、74と、第2の偏光ミラー75とを備える。第1のダイクロイックミラー63、64は赤反射のダイクロイックミラーであって、第2のダイクロイックミラー73、74は青反射のダイクロイックミラーである。図中には、レーザー光源から出射する光と、第1の偏光ミラー62、第2の偏光ミラー75、第1のダイクロイックミラー63、64、第2のダイクロイックミラー73、74へ入射および出射する光の偏光方向を示している。緑色レーザー光源を第1のレーザー光源、青色レーザー光源を第2のレーザー光源、赤色レーザー光源を第3のレーザー光源とする。
緑色レーザー光源52は、24個(6×4)の緑色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した緑色半導体レーザー基板50とコリメートレンズアレイ51で構成される。緑色半導体レーザー基板50は、525±8nm波長幅で緑の色光を発光し、第1の偏光ミラー62に対してP偏光となる光を出射する。緑色半導体レーザー基板50を出射した光は、対応するコリメートレンズアレイ51により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板53は緑色半導体レーザー基板50を冷却するものである。
緑色レーザー光源56は、24個(6×4)の緑色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した緑色半導体レーザー基板54とコリメートレンズアレイ55で構成される。緑色半導体レーザー基板54は、525±8nm波長幅で緑の色光を発光し、第1の偏光ミラー62に対してS偏光となる光を出射する。緑色半導体レーザー基板54を出射した光は、対応するコリメートレンズアレイ55により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板57は緑色半導体レーザー基板54を冷却するものである。
赤色レーザー光源60は、24個(6×4)の赤色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した赤色半導体レーザー基板58とコリメートレンズアレイ59で構成される。赤色半導体レーザー基板58は、640±8nmの波長幅で赤の色光を発光し、第1の偏光ミラー62に対してP偏光となる光を出射する。赤色半導体レーザー基板58を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ59により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板61は赤色半導体レーザー基板58を冷却するためのものである。
緑色レーザー光源52、56と赤色レーザー光源60からのレーザー光は、それぞれP偏光、S偏光、P偏光で、第1の偏光ミラー62と第1のダイクロイックミラー63、64に入射する。第1の偏光ミラー62と第1のダイクロイックミラー63、64は、それぞれ入射角が45度となる配置である。第1のダイクロイックミラー63、64は、第1の偏光ミラーと交差して配置している。
図5に、第1の偏光ミラー62の分光特性を示す。分光特性は、入射角が45度でのP偏光とS偏光の分光透過率を示している。分光特性は、第1の偏光ミラー62のガラス基板上にTiO2などの高屈折率材料とSiO2などの低屈折率材料を交互に72層の光学薄膜を形成し、設計した事例である。第1の偏光ミラー62は、緑色レーザー光に対しては偏光ビームスプリッタとして作用し、赤色レーザー光に対しては赤透過のダイクロイックミラーとして作用する特性である。第1の偏光ミラー62は、P偏光の赤色のレーザー光とP偏光の緑色レーザー光を95%以上で透過し、S偏光の緑色レーザー光を95%以上で反射する。
第1のダイクロイックミラー63、64は赤反射のダイクロイックミラーであって、緑色レーザー光を95%以上で透過し、赤色レーザー光を97%以上で反射する特性である。透過率が50%となる半値波長はP偏光で580nm、S偏光で605nmである。
第1の偏光ミラー62と第1のダイクロイックミラー63、64に入射した複数の緑色レーザー光は、第1のダイクロイックミラー63、64を透過しつつ、偏光合成される。また、赤色レーザー光は、第1の偏光ミラー62を透過しつつ、第1のダイクロイックミラー63、64で反射される。第1の偏光ミラーと第1のダイクロイックミラーは交差して構成されるため、複数の緑色レーザー光源と赤色レーザー光源からの光を、小型に合成することができる。合成された緑色と赤色のレーザー光は、第2のダイクロイックミラー73、74と第2の偏光ミラー75に入射する。
赤色レーザー光源67は、24個(6×4)の赤色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した赤色半導体レーザー基板65とコリメートレンズアレイ66で構成される。赤色半導体レーザー基板65は、640±8nmの波長幅で赤の色光を発光し、第2の偏光ミラー75に対してS偏光となる光を出射する。赤色半導体レーザー基板65を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ66により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板68は赤色半導体レーザー基板65を冷却するためのものである。
青色レーザー光源71は、12個(3×4)の青色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した青色半導体レーザー基板69とコリメートレンズアレイ70で構成される。青色半導体レーザー基板69は、465±8nmの波長幅で青の色光を発光し、第2の偏光ミラー75に対してS偏光となる光を出射する。青色半導体レーザーは、赤、緑の半導体レーザーに対して、発光効率が高いことや所望の白色光色度に必要な光出力が小さいため、1/4程度の半導体レーザー個数で構成している。青色半導体レーザー基板69を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ70により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板72は青色半導体レーザー基板69を冷却するためのものである。
赤色レーザー光源67からのレーザー光はS偏光で、第2の偏光ミラー75と第2のダイクロイックミラー74に入射する。第2の偏光ミラー75と第2のダイクロイックミラー73、74は、それぞれ入射角が45度となる配置である。第2のダイクロイックミラー73、74は、第2の偏光ミラー45と交差して配置している。
第2の偏光ミラー75の分光特性は図3に示す特性である。第2の偏光ミラー75は、赤色レーザー光に対しては偏光ビームスプリッタとして作用し、緑色レーザー光と青色レーザー光に対しては、それぞれ緑透過、青透過のダイクロイックミラーとして作用する特性である。第2の偏光ミラー75は、P偏光の赤色のレーザー光と、P偏光とS偏光の緑色レーザー光と、P偏光とS偏光の青色レーザー光を95%以上で透過し、S偏光の赤色レーザー光を95%以上で反射する。
第2のダイクロイックミラー73、74は青反射のダイクロイックミラーであって、赤色レーザー光と緑色レーザー光を95%以上で透過し、青色レーザー光を97%以上で反射する特性である。透過率が50%となる半値波長はP偏光で475nm、S偏光で495nmである。
第2の偏光ミラー75と第2のダイクロイックミラー73、74に入射した複数の赤色レーザー光は、第2のダイクロイックミラー73、74を透過しつつ、偏光合成される。また、緑色レーザー光と青色レーザー光は、第2の偏光ミラー75を透過しつつ、第2のダイクロイックミラー73、74で、それぞれ透過、反射する。第2の偏光ミラーと第2のダイクロイックミラーは交差して構成されるため、複数の赤色レーザー光源と複数の緑色レーザー光源と青色レーザー光源からの光を、小型に合成することができる。このようにして、青、緑、赤色レーザー光が、小型、高効率で合成されて、光源装置を出射する。
図4における出射光は、図1の実施の形態1における出射光の位置とは異なり、出射光の光軸を中心として、90度回転した場合であっても、その光軸に対してレーザー光源が対称配置となる構成である。
緑色レーザー光源と赤色レーザー光源、青色レーザー光源は、それぞれ48個、48個、12個の半導体レーザー素子を配置した構成を示したが、高輝度化のため、それぞれ、より多数の半導体レーザー素子を用いて構成してもよい。
第1のレーザー光源を緑色レーザー光源とし、第3のレーザー光源を赤色レーザー光源として説明したが、これに限定されない。例えば、第1および第2の偏光ミラーと、第1および第2のダイクロイックミラーの特性を変更して、第1のレーザー光源を赤色レーザー光源、第3のレーザー光源を緑色レーザー光源としてもよい。
以上のように、本開示の光源装置は、青、緑、赤色のレーザー光源と、偏光ビームスプリッタとダイクロイックミラーの特性を備えた偏光ミラーと、ダイクロイックミラーを配置することにより、小型、高効率で広色域な光源装置を構成することができる。
(実施の形態3)
図6は本開示の実施の形態を示す第3の光源装置の構成図である。
光源装置104は、緑色レーザー光源82、86と、赤色レーザー光源91、96と、青色レーザー光源101とを備える。緑色レーザー光源82は、複数の緑色半導体レーザー素子を配置した緑色半導体レーザー基板80とコリメートレンズアレイ81とを有する。緑色レーザー光源86は、複数の緑色半導体レーザー素子を配置した緑色半導体レーザー基板84とコリメートレンズアレイ85とを有する。赤色レーザー光源91は、複数の赤色半導体レーザー素子を配置した赤色半導体レーザー基板89とコリメートレンズアレイ90とを有する。赤色レーザー光源96は、複数の赤色半導体レーザー素子を配置した赤色半導体レーザー基板94とコリメートレンズアレイ95とを有する。青色レーザー光源101は、複数の青色半導体レーザー素子を配置した青色半導体レーザー基板99とコリメートレンズアレイ100とを有する。光源装置104は、更に放熱板83、87、92、97、102と、第1の偏光ミラー88と、第1のダイクロイックミラー93と、第2の偏光ミラー98と、第2のダイクロイックミラー103とを備える。第1のダイクロイックミラー93は赤反射のダイクロイックミラーであって、第2のダイクロイックミラー103は青反射のダイクロイックミラーである。図中には、レーザー光源から出射する光と、第1の偏光ミラー88、第2の偏光ミラー98、第1のダイクロイックミラー93、第2のダイクロイックミラー103へ入射する光の偏光方向を示している。緑色レーザー光源を第1のレーザー光源、青色レーザー光源を第2のレーザー光源、赤色レーザー光源を第3のレーザー光源とする。本開示の第1、第2の光源装置と、主に異なるのは、第1の偏光ミラーと第1のダイクロイックミラー、第2の偏光ミラーとダイクロイックミラーが、それぞれ交差しない配置であって、交差部での光損失を生じない構成である。
緑色レーザー光源82は、24個(6×4)の緑色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した緑色半導体レーザー基板80とコリメートレンズアレイ81で構成される。緑色半導体レーザー基板80は、525±8nm波長幅で緑の色光を発光し、第1の偏光ミラー88に対してP偏光となる光を出射する。緑色半導体レーザー基板80を出射した光は、対応するコリメートレンズアレイ81により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板83は緑色半導体レーザー基板80を冷却するものである。
緑色レーザー光源86は、24個(6×4)の緑色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した緑色半導体レーザー基板84とコリメートレンズアレイ85で構成される。緑色半導体レーザー基板84は、525±8nm波長幅で緑の色光を発光し、第1の偏光ミラー88に対してS偏光となる光を出射する。緑色半導体レーザー基板84を出射した光は、対応するコリメートレンズアレイ85により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板87は緑色半導体レーザー基板84を冷却するものである。
緑色レーザー光源82、86からのレーザー光は、それぞれP偏光、S偏光で、第1の偏光ミラー88に入射する。第1の偏光ミラー88は、入射角が45度の偏光ビームスプリッタであって、緑色レーザー光のP偏光を95%以上で透過し、S偏光を97%以上で反射する特性である。第1の偏光ミラー88で偏光合成した光は、第1のダイクロイックミラーである赤反射のダイクロイックミラー93を透過する。
赤色レーザー光源91は、24個(6×4)の赤色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した赤色半導体レーザー基板89とコリメートレンズアレイ90で構成される。赤色半導体レーザー基板89は、640±8nmの波長幅で赤の色光を発光し、第1のダイクロイックミラー93に対してP偏光となる光を出射する。赤色半導体レーザー基板89を出射した光は、対応するコリメートレンズアレイ90により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板92は赤色半導体レーザー基板89を冷却するためのものである。
赤色レーザー光源91からのレーザー光は、赤反射のダイクロイックミラー93で反射され、緑色レーザー光と合成される。合成されたP偏光の赤色レーザー光と、P偏光、S偏光の緑色レーザー光は第2の偏光ミラー98に入射する。
赤色レーザー光源96は、24個(6×4)の赤色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した赤色半導体レーザー基板94とコリメートレンズアレイ95で構成される。赤色半導体レーザー基板94は、640±8nmの波長幅で赤の色光を発光し、第2の偏光ミラー98に対してS偏光となる光を出射する。赤色半導体レーザー基板94を出射した光は、対応するコリメートレンズアレイ95により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板97は赤色半導体レーザー基板94を冷却するためのものである。
赤色レーザー光源96からのS偏光の赤色レーザー光は、第2の偏光ミラー98に入射する。第2の偏光ミラー98は、入射角が45度である。
図7に、第2の偏光ミラー98の分光特性を示す。分光特性は、入射角が45度でのP偏光とS偏光の分光透過率を示している。分光特性は、第2の偏光ミラー98のガラス基板上にTiO2などの高屈折率材料とSiO2などの低屈折率材料を交互に86層の光学薄膜を形成し、設計した事例である。第2の偏光ミラー98は、赤色レーザー光に対しては偏光ビームスプリッタとして作用し、緑色レーザー光に対しては緑透過のダイクロイックミラーとして作用する特性である。第2の偏光ミラー98は、P偏光の赤色のレーザー光とS偏光とP偏光の緑色レーザー光を95%以上で透過し、S偏光の赤色レーザー光を95%以上で反射する。
第2の偏光ミラー98で合成された赤色レーザー光と緑色レーザー光は、第2のダイクロイックミラーである青反射のダイクロイックミラー103を透過する。
青色レーザー光源101は、12個(3×4)の青色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した青色半導体レーザー基板99とコリメートレンズアレイ100で構成される。青色半導体レーザー基板99は、465±8nmの波長幅で青の色光を発光し、青反射のダイクロイックミラー103に対してS偏光となる光を出射する。青色半導体レーザーは、赤、緑の半導体レーザーに対して、発光効率が高いことや所望の白色光色度に必要な光出力が小さいため、1/4程度の半導体レーザー個数で構成している。青色半導体レーザー基板99を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ100により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板102は青色半導体レーザー基板69を冷却するためのものである。
第2のダイクロイックミラー103は、青反射のダイクロイックミラーであって、赤色レーザー光と緑色レーザー光を95%以上で透過し、青色レーザー光を97%以上で反射する特性である。透過率が50%となる半値波長はP偏光で475nm、S偏光で495nmである。
第2のダイクロイックミラー103に入射する赤色レーザー光と緑色レーザー光は透過し、青色レーザー光は反射され、白色光に合成される。
第1の偏光ミラー88と第1のダイクロイックミラー93、第2の偏光ミラー98と第2のダイクロイックミラー103は、それぞれ交差しないため、図1、図4に示す光源装置よりも大型化する。しかしながら、ミラー交差部での光損失がないため、より高効率な光源装置が構成できる。また、第1の偏光ミラー88で緑色レーザー光を偏光合成した後に、第1のダイクロイックミラー93で緑色と赤色のレーザー光を合成するように配置する場合、第1の偏光ミラー88の分光特性は、図5に示すような赤透過の特性は不問となる。これにより、緑色レーザー光の偏光ビームスプリッタ特性のみで構成できるため、第1の偏光ミラー88の光学薄膜層数が低減され、低コスト化できる。さらに、第2の偏光ミラー98で赤色レーザー光を偏光合成した後に、第2のダイクロイックミラー103で青色と赤、緑色のレーザー光を合成するように配置した場合、第2の偏光ミラー98の分光特性は、図3に示すような青色レーザー波長帯域での特性は不問となる。これにより、緑色レーザー光の透過と赤色レーザー光の偏光ビームスプリッタ特性で構成でき、第2の偏光ミラー98の光学薄膜層数が低減され、低コスト化できる。
緑色レーザー光源と赤色レーザー光源、青色レーザー光源は、それぞれ48個、48個、12個の半導体レーザー素子を配置した構成を示したが、高輝度化のため、それぞれ、より多数の半導体レーザー素子を用いて構成してもよい。
第1のレーザー光源を緑色レーザー光源とし、第3のレーザー光源を赤色レーザー光源として説明したが、これに限定されない。例えば、第1および第2の偏光ミラーと、第1および第2のダイクロイックミラーの特性を変更して、第1のレーザー光源を赤色レーザー光源、第3のレーザー光源を緑色レーザー光源としてもよい。
以上のように、本開示の光源装置は、青、緑、赤色のレーザー光源と、偏光ビームスプリッタとダイクロイックミラーの特性を備えた偏光ミラーと、ダイクロイックミラーを交差せず配置することにより、より高効率で広色域な光源装置を構成することができる。
(実施の形態4)
図8は本開示の実施の形態を示す第4の光源装置の構成図である。
光源装置125は、赤色レーザー光源112、116と、青色レーザー光源120とを備える。赤色レーザー光源112は、複数の赤色半導体レーザー素子を配置した赤色半導体レーザー基板110とコリメートレンズアレイ111とを有する。赤色レーザー光源116は、複数の赤色半導体レーザー素子を配置した赤色半導体レーザー基板114とコリメートレンズアレイ115とを有する。青色レーザー光源120は、複数の青色半導体レーザー素子を配置した青色半導体レーザー基板118とコリメートレンズアレイ119とを有する。光源装置125は、更に放熱板113、117、121と、偏光ミラー122と、青反射のダイクロイックミラー123、124とを備える。図中には、レーザー光源から出射する光と、偏光ミラー122、ダイクロイックミラー123、124へ入射する光の偏光方向を示している。赤色レーザー光源を第1のレーザー光源、青色レーザー光源を第2のレーザー光源とする。図1、図4、図6の光源装置と、主に異なるのは、緑色のレーザー光源を備えていない点である。
赤色レーザー光源112は、24個(6×4)の赤色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した赤色半導体レーザー基板110とコリメートレンズアレイ111で構成される。赤色半導体レーザー基板110は、640±8nmの波長幅で赤の色光を発光し、偏光ミラー122に対してS偏光となる光を出射する。赤色半導体レーザー基板110を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ111により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板113は赤色半導体レーザー基板110を冷却するためのものである。
赤色レーザー光源116は、24個(6×4)の赤色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した赤色半導体レーザー基板114とコリメートレンズアレイ115で構成される。赤色半導体レーザー基板114は、640±8nmの波長幅で赤の色光を発光し、偏光ミラー122に対してP偏光となる光を出射する。赤色半導体レーザー基板114を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ115により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板117は赤色半導体レーザー基板114を冷却するためのものである。
赤色レーザー光源112、116からのレーザー光は、それぞれS偏光、P偏光で、偏光ミラー122とダイクロイックミラー123、124に入射する。偏光ミラー122とダイクロイックミラー123、124は、それぞれ入射角が45度となる配置である。ダイクロイックミラー123、124は、偏光ミラー122と交差して配置している。
青色レーザー光源120は、20個(5×4)の青色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した青色半導体レーザー基板118とコリメートレンズアレイ119で構成される。青色半導体レーザー基板118は、465±8nmの波長幅で青の色光を発光し、偏光ミラー122に対してP偏光となる光を出射する。青色半導体レーザーは、赤の半導体レーザーに対して、発光効率が高いことや所望の白色光色度に必要な光出力が小さいため、42%程度の半導体レーザー個数で構成している。青色半導体レーザー基板118を出射した光は対応するコリメートレンズアレイ119により、それぞれ集光され平行な光束に変換される。放熱板121は青色半導体レーザー基板118を冷却するためのものである。
青色レーザー光源120からのレーザー光はP偏光で、偏光ミラー122とダイクロイックミラー123、124に入射する。
図9に、偏光ミラー122の分光特性を示す。分光特性は、入射角が45度でのP偏光とS偏光の分光透過率を示している。分光特性は、偏光ミラー122のガラス基板上に、TiO2などの高屈折率材料とSiO2などの低屈折率材料を交互に58層の光学薄膜を形成し、設計した事例である。偏光ミラー122は、赤色レーザー光に対しては偏光ビームスプリッタとして作用し、青色レーザー光に対しては青透過のダイクロイックミラーとして作用する特性である。偏光ミラー122は、P偏光の赤色のレーザー光と、P偏光とS偏光の青色レーザー光を95%以上で透過し、S偏光の赤色レーザー光を95%以上で反射する。
ダイクロイックミラー123、124は青反射のダイクロイックミラーであって、赤色レーザー光を95%以上で透過し、青色レーザー光を97%以上で反射する特性である。透過率が50%となる半値波長はP偏光で485nm、S偏光で505nmである。
偏光ミラー122とダイクロイックミラー123、124に入射した複数の赤色レーザー光は、ダイクロイックミラーを透過しつつ、偏光合成される。また、青色レーザー光は、偏光ミラー122を透過しつつ、ダイクロイックミラー123、124で反射される。偏光ミラー122とダイクロイックミラー123、124は交差して構成されるため、複数の赤色レーザー光源と青色レーザー光源からの光を、小型に合成することができる。このようにして、青、赤色レーザー光が、小型で、高効率で合成されて、光源装置125を出射する。
偏光ミラーとダイクロイックミラーは、交差配置しているが、交差部の光損失が懸念される場合は、交差しない配置であってもよい。
以上のように、本開示の光源装置は、青、赤色のレーザー光源と、偏光ビームスプリッタとダイクロイックミラーの特性を備えた偏光ミラーと、ダイクロイックミラーの配置により、小型で、高効率な光源装置を構成することができる。
(実施の形態5)
図10は、本開示の実施の形態を示す第1の投写型表示装置である。画像形成手段として、3つのDMDを用いている。光源装置は本開示の実施の形態1で示す光源装置46である。第1の投射型表示装置は、光源装置46と、コンデンサレンズ130と、拡散板131と、回転拡散板132と、ロッド133と、リレーレンズ134と、反射ミラー135と、フィールドレンズ136とを備える。第1の投射型表示装置は、更に、全反射プリズム137と、空気層138と、カラープリズム139と、DMD142、143、144と、投写レンズ145とを備える。カラープリズム139は、青反射のダイクロイックミラー140、赤反射のダイクロイックミラー141を形成した3つのプリズムから構成される。
光源装置46から出射する青、緑、赤のレーザー光は、コンデンサレンズ130を透過後、拡散板131で拡散され、回転拡散板132へ集光する。拡散板131はガラス基板上に形成された微細なマイクロレンズをアレイ状に形成して拡散面を構成したものであり、入射する光を拡散する。拡散光の最大強度の50%となる半値角度幅である拡散角度は略2度であり、拡散による損失を抑制するため、拡散度合を小さくしている。回転拡散板132は、ガラス基板の一方の面に、微細な凹凸形状の拡散層を形成した円形拡散板と中央部にモーターを備えたものであり、回転制御が可能である。回転拡散板132の拡散角は略10度である。回転拡散板132により、レーザー光に起因するスクリーン上でのランダムな干渉パターンが時間的、空間的に高速変動して、スペックルノイズを解消することができる。また、拡散板131と合わせて、レーザー光源の微小な発光サイズと発光数に起因する微小な輝度むらも低減することができる。回転拡散板132で拡散された光はロッド133に入射する。
ロッド133への入射光はロッド内部で複数回反射することにより、光強度分布が均一化され出射する。ロッド133からの出射光はリレーレンズ134により集光され、反射ミラー135で反射した後、フィールドレンズ136を透過し、全反射プリズム137に入射する。全反射プリズム137は2つのプリズムから構成され、互いのプリズムの近接面には薄い空気層138を形成している。空気層138は臨界角以上の角度で入射する光を全反射する。フィールドレンズ136からの光は全反射プリズム137の全反射面で反射されて、カラープリズム139に入射する。カラープリズム139は3つのプリズムからなり、それぞれのプリズムの近接面には青反射のダイクロイックミラー140と赤反射のダイクロイックミラー141が形成されている。カラープリズム139の青反射のダイクロイックミラー140と赤反射のダイクロイックミラー141により、青、赤、緑の色光に分離され、それぞれDMD142、143、144に入射する。DMD142、143、144は映像信号に応じてマイクロミラーを偏向させ、投写レンズ145に入射する光と、投写レンズ145の有効外へ進む光とに反射させる。DMD142、143、144により反射された光は、再度カラープリズム139を透過する。カラープリズム139を透過する過程で、分離された青、赤、緑の各色光は合成され、全反射プリズム137に入射する。全反射プリズム137に入射した光は空気層138に臨界角以下で入射するため、透過して、投写レンズ145に入射する。このようにして、DMD142、143、144により形成された画像光がスクリーン(図示せず)上に拡大投写される。
画像形成手段にDMDを用いているため、液晶を用いた画像形成手段と比べて、耐光性、耐熱性が高い投写型表示装置が構成できる。さらに、3つのDMDを用いているため、色再現が良好で、明るく高精細な投写画像を得ることができる。光源装置として、76,104の光源装置を用いてもよい。
以上のように、本開示の第1の投写型表示装置は、青、緑、赤色のレーザー光源と、偏光ビームスプリッタとダイクロイックミラーの特性を備えた第1、第2の偏光ミラーと、第1、第2のダイクロイックミラーにより、小型化した光源装置を用いている。また、光源装置からの光を回転拡散板により、スペックルノイズを解消する。このため、スペックルノイズと輝度むらを解消しつつ、小型で、高効率な投写型表示装置が構成できる。
(実施の形態6)
図11は、本開示の実施の形態を示す第2の投写型表示装置である。画像形成手段として、3つのDMDを用いている。光源装置の一部は、本開示の実施の形態4で示す光源装置125である。ロッド133から投写レンズ145の構成は、本開示の実施の形態5の第1の投写型表示装置と同様である。第1の投写型表示装置と異なる構成は、光源装置として、青色レーザー光源152からの青色レーザー光で励起されて、緑、赤色成分を含む黄色光を蛍光する蛍光板160と、本開示の第4の光源装置を備えている点である。
青色レーザー光源152は、24個(6×4)の青色半導体レーザー素子を一定の間隔で2次元状に配置した青色半導体レーザー基板150とコリメートレンズアレイ151で構成される。青色半導体レーザー基板150は、455±8nmの波長幅で、直線偏光の青色レーザー光を出射する。この青色レーザー光源152は、上下方向に2つを配置して、構成している。
2つの青色レーザー光源152からの光は、レンズ154とレンズ155で集光した後、小径化され、略平行光に変換される。略平行光は、拡散板156で拡散された後、青透過のダイクロイックミラー157に入射する。青透過のダイクロイックミラー157を透過した光はコンデンサレンズ158、159により集光され、光強度がピーク強度に対して13.5%となる直径をスポット径と定義すると、スポット径が2~3mmのスポット光に重畳され、蛍光板160に入射する。拡散板156はそのスポット光の径が所望の径となるよう光を拡散させている。蛍光板160は蛍光体を形成したアルミニウム基板と中央部にモーターを備えた回転制御可能な円形基板である。蛍光板160に形成した蛍光体は青色光により励起され、緑、赤成分を含んだ黄色光を発光するCe付活YAG系黄色蛍光体である。この蛍光体の結晶母体の代表的な化学組織はY3Al5O12である。スポット光で励起された蛍光板160は、緑、赤成分の光含む黄色光を発光する。蛍光板160は、回転させることにより、励起光による蛍光板の温度上昇を抑制し、蛍光変換効率を安定に維持することができる。蛍光板160から出射した緑および赤の色光は、再びコンデンサレンズ159、158で集光され、略平行光に変換された後、青透過のダイクロイックミラー157で反射する。反射した蛍光は青、赤透過のダイクロイックミラー165に入射する。
一方、光源装置125を出射した青色レーザー光と赤色レーザー光は、コンデンサレンズ161、反射ミラー162を、それぞれ透過、反射後、拡散板163に集光する。拡散板163は拡散角度が10度の拡散板である。拡散板163で拡散された光はコンデンサレンズ164で集光され、略平行光に変換され後、青、赤透過のダイクロイックミラー165に入射する。青、赤透過のダイクロイックミラー165は、青色レーザー光465nmと赤色レーザー光640nmの波長帯域を透過し、蛍光を反射する特性である。青、赤透過のダイクロイックミラー165は、青色と赤色のレーザー光と蛍光とを高い効率で合成する。合成された青色、赤色レーザー光と蛍光は、コンデンサレンズ166でロッド133に集光される。
ロッド133から投写レンズ145についての説明は、実施の形態5で示した本開示の第1の投写型表示装置と同様である。
以上のように、本開示の第2の投写型表示装置は、青色光と赤色光にレーザー光を用い、緑色光と赤色光に蛍光板を用いることで、緑色光として、緑色レーザー光源を用いるよりも安価で、広色域な光源装置を構成することができる。青色レーザー光源と赤色レーザー光源からの光を、偏光ビームスプリッタとダイクロイックミラーの特性を備えた偏光ミラーにより、合成する光源装置を用いるため、小型で高効率な投写型表示装置が構成できる。
(実施の形態7)
図12は、本開示の実施の形態の第3の投写型表示装置である。画像形成手段として、TNモードもしくはVAモードであって、画素領域に薄膜トランジスタを形成したアクティブマトリクス方式の透過型の液晶パネルを用いている。光源装置は本開示の実施の形態2で示す光源装置76である。
第3の投射型表示装置は、コンデンサレンズ190、194と、拡散板191と、反射ミラー192と、回転拡散板193と、第1のレンズアレイ板200と、第2のレンズアレイ板201と、偏光変換素子202と、重畳用レンズ203とを備える。第3の投射型表示装置は、更に、青反射のダイクロイックミラー204と、緑反射のダイクロイックミラー205と、反射ミラー206、207、208と、リレーレンズ209、210とを備える。第3の投射型表示装置は、更に、フィールドレンズ211、212、213と、入射側偏光板214、215、216と、液晶パネル217、218、219とを備える。第3の投射型表示装置は、更に、出射側偏光板220、221、222と、赤反射のダイクロイックミラーと青反射のダイクロイックミラーから構成される色合成プリズム223と、投写レンズ224とを備える。
光源装置76から出射する青、緑、赤色のレーザー光は、コンデンサレンズ190、拡散板191、反射ミラー192を透過、反射後、回転拡散板193に集光する。回転拡散板193は、ガラス基板の一方の面に拡散層を形成した円形拡散板と中央部にモーターを備えたものであり、回転制御が可能である。回転拡散板193の拡散角は略10度である。回転拡散板193により、レーザー光に起因するスクリーン上でのランダムな干渉パターンが時間的、空間的に高速変動して、スペックルノイズを解消することができる。また、拡散板191と合わせて、レーザー光源の微小な発光サイズと発光数に起因する微小な輝度むらも低減することができる。回転拡散板193で拡散された光は、コンデンサレンズ194で集光され、略平行光に変換される。略平行光は、複数のレンズ素子から構成される第1のレンズアレイ板200に入射する。
第1のレンズアレイ板200に入射した光束は多数の光束に分割される。分割された多数の光束は、複数のレンズから構成される第2のレンズアレイ板201に収束する。第1のレンズアレイ板200のレンズ素子は、液晶パネル217,218、219と相似形の開口形状である。第2のレンズアレイ板201のレンズ素子は第1のレンズアレイ板200と液晶パネル217、218、219とが略共役関係となるようにその焦点距離を決めている。第2のレンズアレイ板201からの分割された光は、偏光変換素子202に入射する。偏光変換素子202は、偏光分離プリズムと1/2波長板により構成される。偏光変換素子202は、入射するP偏光の光はS偏光に変換し、入射するS偏光の光はS偏光で出射させる。偏光変換素子202を出射した光は重畳用レンズ203に入射する。重畳用レンズ203は第2のレンズアレイ板201の各レンズ素子からの出射した光を液晶パネル217、218、219上に重畳照明するためのレンズである。第1および第2のレンズアレイ板200、201と、重畳用レンズ203を照明光学系としている。重畳用レンズ203からの光は、色分離手段である青反射のダイクロイックミラー204、緑反射のダイクロイックミラー205により、青、緑、赤の色光に分離される。緑の色光はフィールドレンズ211、入射側偏光板214を透過して、液晶パネル217に入射する。青の色光は反射ミラー206で反射した後、フィールドレンズ212、入射側偏光板215を透過して液晶パネル218に入射する。赤の色光はリレーレンズ209、210や反射ミラー207、208を透過屈折および反射して、フィールドレンズ213、入射側偏光板216を透過して、液晶パネル219に入射する。3枚の液晶パネル217、218、219は、映像信号に応じた画素への印加電圧の制御により入射する光の偏光状態を変化させる。3枚の液晶パネル217、218、219は、更に、それぞれの入射側偏光板214、215、216および出射側偏光板220、221、222を組み合わせて光を変調し、緑、青、赤の画像を形成する。入射側偏光板214、215、216および出射側偏光板220、221、222は、それぞれの液晶パネル217、218、219の両側に透過軸を直交するように配置される。出射側偏光板220、221、222を透過した各色光は色合成プリズム223により、赤、青の各色光がそれぞれ赤反射のダイクロイックミラー、青反射のダイクロイックミラーによって反射し、緑の色光と合成され、投写レンズ224に入射する。
投写レンズ224に入射した光は、スクリーン(図示せず)上に拡大投写される。
画像形成手段には、時分割方式ではなく偏光を利用する3枚の液晶パネルを用いているため、カラーブレイキングがなく色再現が良好で、明るく高精細な投写画像を得ることができる。また、3つのDMD素子を用いた場合よりも、全反射プリズムが不要で、色合成用のプリズムが45度入射の小型プリズムになるため、投写型表示装置が小型に構成できる。
光源装置76は、出射光の光軸を回転軸として90度回転した配置としてもよい。90度回転した配置した場合は、幅方向がより小型な投写型表示装置が構成できる。光源装置76を用いる構成により、光源装置46を用いた構成よりも、小型化な投写型表示装置が構成できる。光源装置として、46、104に示す光源装置を用いてもよい。
以上のように、本開示の第3の投写型表示装置は、青、緑、赤色のレーザー光源と、偏光ビームスプリッタとダイクロイックミラーの特性を備えた第1、第2の偏光ミラーと、第1、第2のダイクロイックミラーにより、小型化した光源装置を用いている。また、光源装置からの光を回転拡散板により、スペックルノイズを解消する。このため、スペックルノイズと輝度むらを解消しつつ、小型で、高効率な投写型表示装置が構成できる。
画像形成手段として、透過型の液晶パネルを用いたが、反射型の液晶パネルを用いて構成してもよい。反射型の液晶パネルを用いることにより、より小型で高精細な投写型表示装置が構成できる。