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JP7528630B2 - 乗物用内装材の製造方法 - Google Patents

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JP7528630B2
JP7528630B2 JP2020139785A JP2020139785A JP7528630B2 JP 7528630 B2 JP7528630 B2 JP 7528630B2 JP 2020139785 A JP2020139785 A JP 2020139785A JP 2020139785 A JP2020139785 A JP 2020139785A JP 7528630 B2 JP7528630 B2 JP 7528630B2
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Description

本発明は、乗物用内装材の製造方法に関する。
従来、乗物用内装材の製造方法として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の乗物用内装材の製造方法(発泡成形品の射出成形方法)では、成形金型を閉じて成形キャビティを形成後、該成形キャビティ内を圧縮エア等により加圧して発泡樹脂原料中の発泡剤の発泡圧以上の圧力状態とし、この状態で発泡樹脂原料を射出充填すること、が開示されている。
特開2004-25696号公報
しかしながら、特許文献1に開示の工程では、成形キャビティ内を加圧するエアが、射出された発泡樹脂原料と成形金型の成形面との間に入り込んで、成形品の表面に比較的大きい凹凸状の変形(アバタ)が生じる可能性が考えられる。一方、発泡樹脂原料が成形キャビティ内を充満する前に発泡してしまうと、成形品の表面に筋状の模様(スワールマーク)が生じる虞がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、表面にアバタやスワールマーク等の外観不良が生じることを抑制できる乗物用内装材の製造方法を提供することを目的とする。また、軽量性や剛性が向上した乗物用内装材を製造することを目的とする。
本発明は、乗物用内装材の製造方法であって、一対の成形型を型閉じしてなる成形空間に発泡性樹脂を射出する射出工程と、前記成形空間に気体を流し、前記成形空間を流動する発泡性樹脂を前記気体で加圧する加圧工程と、を含み、前記射出工程では、前記成形空間に通じる第1ゲートと第2ゲートとを通して発泡性樹脂を射出するものとし、前記第1ゲートを通して発泡性樹脂を前記成形空間に射出した後に、前記第2ゲートを通して発泡性樹脂を前記成形空間に射出することに特徴を有する。
このような乗物用内装材の製造方法によると、第1ゲートを通して先に射出された発泡性樹脂が、第2ゲートを通して後に射出された発泡性樹脂と合流し、当該合流した発泡性樹脂が第1ゲート側から第2ゲート側に向かう方向(下流側の方向)へ拡がりやすくなる。これにより、気体の加圧で発泡が抑制された発泡性樹脂を、成形空間における下流側に素早く充満させやすくすることができる。
また、上記乗物用内装材の製造方法は、前記成形空間に発泡性樹脂が充満した後、型閉じした前記一対の間の距離を大きくして前記成形空間を拡張するコアバック工程の前において、型閉じした前記一対の成形型の間の距離を保ちつつ、前記成形空間に発泡性樹脂を追加して射出する追加射出工程を含むこととすることができる。
成形空間に射出された発泡性樹脂は、その外側の層が、成形型の成形面に接触することで内側よりも先に冷えて硬化したスキン層を形成する。上記のような乗物用内装材の製造方法によると、追加で射出された発泡性樹脂がスキン層よりも内側の層を流動し、発泡することで、スキン層を成形型の成形面側へ押し付けることができる。これにより、発泡性樹脂と成形型の成形面との間に入り込んだ気体を押しつぶすことができる。
また、上記乗物用内装材の製造方法は、前記成形空間に発泡性樹脂が充満した後、型閉じした前記一対の成形型の間の距離を大きくして前記成形空間を拡張するコアバック工程を含み、前記コアバック工程では、前記成形空間に発泡性樹脂を追加して射出することすることができる。
このような乗物用内装材の製造方法によると、コアバック工程において追加で射出された発泡性樹脂がスキン層よりも内側の層を流動し、成形空間が拡張されると共に発泡することで、スキン層を成形型の成形面側により押し付けることができる。これにより、発泡性樹脂と成形型との間に入り込んだ気体を好適に押しつぶし、成形型のパーティングライン等から成形型の外側に当該気体を排出することができる。また、スキン層よりも内側の層において発泡性樹脂を程よく発泡させることができ、スキン層の厚みとその内側の層の厚みを好適なものとすることができる。これにより、軽量性や剛性等が向上した乗物用内装材を得ることができる。
また、上記加圧工程では、前記成形空間に射出された発泡性樹脂の流動方向に対向する方向から前記気体を流すこととすることができる。成形空間を流動する発泡性樹脂は、その流動方向における先端部分が比較的高温の状態で気体に曝される部分であるため、発泡しやすい部分とされる。しかしながら、上記のような乗物用内装材の製造方法によると、当該発泡性樹脂の先端部分を効果的に加圧して発泡を抑制することができる。
また、前記第1ゲートは、前記成形型において、射出された発泡性樹脂を前記乗物用内装材の端部として成形する部分に通じていることとすることができる。このような乗物用内装材の製造方法によると、第1ゲートから成形空間に射出された発泡性樹脂は、成形型において、乗物用内装材の端部を成形する部分から、例えば乗物用内装材の中央部を成形する部分に向かって流動することとなる。即ち、成形空間を流動する発泡性樹脂の流動方向が一方向に流動しやすくなるので、成形型において成形空間に流す気体の流入口を、例えば当該一方向に対向する方向から気体が流れるように配する等、まとめて配することができ、効率的に発泡性樹脂を加圧することができる。
また、上記加圧工程では、前記成形型において、前記第1ゲートと前記第2ゲートの間の部分と、前記第2ゲートに対して前記第1ゲートとは反対側の部分と、から気体を流すこととすることができる。このような乗物用内装材の製造方法によると、各ゲートから射出された発泡性樹脂に対し迅速に気体の圧力を加えることができ、発泡性樹脂が成形空間を充満する前に生じる当該発泡性樹脂の発泡を好適に抑制することができる。
本発明によれば、表面にアバタやスワールマーク等の外観不良が生じることを抑制できる乗物用内装材の製造方法を提供することが可能となる。また、軽量性や剛性が向上した乗物用内装材を製造することが可能となる。
実施形態に係るドアトリムを成形する成形型の一部を示す断面図 成形型を上方から視た図 第1ゲートを通して発泡性樹脂を射出した状態を示す断面図 第2ゲートを通して発泡性樹脂を射出した状態を示す断面図 成形空間に発泡性樹脂が充満した状態を示す断面図 成形空間に発泡性樹脂を追加して射出した状態を示す断面図 上型を下型から離間させて成形空間を拡大した状態を示す断面図 変形例において成形空間に発泡性樹脂を追加して射出した状態を示す断面図
<実施形態>
本発明の実施形態を図1から図7によって説明する。本実施形態では、自動車(乗物)のドアに取り付けられるドアトリム(乗物用内装材)の製造方法について説明する。図7に示すように、ドアトリム100は、一対の成形型1を型閉じしてなる成形空間Sに射出された発泡性樹脂Rが、発泡及び硬化してなる板状体とされる。発泡性樹脂Rとしては、例えばポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂と発泡剤とを混合したものを採用することができる。発泡剤としては、例えば化学発泡剤や物理発泡剤を採用することができる。化学発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤や、N-N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン-3,3’-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド類、p-トルエンスルホニルセミカルバジド等の有機系発泡剤を採用することができる。物理発泡剤としては、例えば、炭酸ガスや窒素ガス等を採用することができる。
図1に示すように、一対の成形型1は、上型10と、上型10に対向するように下方に配された下型20と、を備える。上型10は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって、下型20に対し上下方向へ移動が可能な可動型とされる。図1では、上型10を下型20に近接させて一対の成形型1を型閉じした状態を示している。型閉じした状態の一対の成形型1には、上型10の成形面10Aと下型20の成形面20Aとの間に成形空間Sが設けられる。
図1及び図2に示すように、上型10は、射出装置から射出される発泡性樹脂Rが成形空間Sに向かって流動する流路となる第1ゲート11、第2ゲート12、及び第3ゲート13を備える。各ゲート11,12,13は、左右方向に延びる一直線上にこの順で並んでおり、それぞれ成形空間Sに繋がっている。各ゲート11,12,13は、図示しない制御弁を備えており、射出された発泡性樹脂Rを成形空間Sに流入させるタイミングを調整できる構成とされる。図2に示すように、各ゲート11,12,13のうち、最も左側に配された第1ゲート11は、上型10における左側の部分であって、射出された発泡性樹脂Rをドアトリム100の端部として成形する端部成形部10Lに通じている。
上型10は、図示しないエアーポンプから成形空間Sに空気(気体)を流入させる流路となる複数の気体流入部14,15を備える。気体流入部14,15は、上型10において、第1ゲート11と第2ゲート12との間の部分のやや前側(図2において下側)に設けられた中間気体流入部14と、第3ゲート13の右側の部分(第2ゲート12に対して第1ゲート11とは反対側の部分)に設けられた複数の右側気体流入部15と、からなる。複数の右側気体流入部15は、前後方向に延びる一直線上に並んで配されている。尚、成形空間Sのうち、第1ゲート11側(左側)を上流側、右側気体流入部15側(右側)を下流側とする。
続いて、ドアトリム100の製造方法について各図を参照しつつ説明する。ドアトリム100の製造方法は、大別すると、成形空間Sに発泡性樹脂Rを射出する射出工程と、成形空間Sに空気を流し、成形空間Sを流動する発泡性樹脂Rを空気で加圧する加圧工程と、を含む。射出工程では、図1に示すように、上型10を下型20に近接させて一対の成形型1を型閉じし、上型10と下型20との間に成形空間Sを設ける(このときの上型10の成形面10Aと下型20の成形面20Aとの間の距離をL1とする)。そして、第1ゲート11を通して発泡性樹脂Rを成形空間Sに射出する。このとき、発泡性樹脂Rを射出する圧力が5MPa、その射出する速度が75mm/sとなる条件で、発泡性樹脂Rを成形空間Sに射出する。一方、射出工程と並行して、加圧工程では、中間気体流入部14と、複数の右側気体流入部15(図2参照)と、から空気を流入して成形空間Sを高圧な状態に保つ。このとき、各気体流入部14,15から流入する空気の圧力が10MPaとなる条件で、空気を成形空間Sに流入する。尚、加圧工程は、射出工程が行われている間だけではなく、射出工程の前に行われていてもよい。
図3に示すように、第1ゲート11を通して成形空間Sに射出された発泡性樹脂Rは、第2ゲート12及び第3ゲート13側の方向(下流側の方向)に流動する。そして、発泡性樹脂Rの流動方向に位置する各気体流入部14,15から(発泡性樹脂Rの流動方向に対向する方向から)気体を流入させることで、発泡性樹脂Rの先端R1における発泡が抑制される。このとき、発泡性樹脂Rのうち、上型10の成形面10Aや下型20の成形面20Aに触れた部分RAは、その内側の層RBよりも先に冷えて硬化した層状のスキン層を形成する。発泡性樹脂Rのうち、スキン層RAの内側の層RBは、未硬化状態であり、下流側(もしくは上流側)へ流動することが可能な層である。従って、成形空間Sに順次射出される発泡性樹脂Rは、スキン層RAが形成された部分においては、その内側の層RBとして下流側に流動する。
図4に示すように、成形空間Sを下流側の方向へ流動する発泡性樹脂Rが第2ゲート12に到達したとき(より詳しくは、発泡性樹脂Rの先端R1が、第2ゲート12において成形空間S側に開口をなす開口部12Aを超えて下流側の方向へ流動したとき)に、第2ゲート12を通して発泡性樹脂R2を成形空間Sに射出する。第2ゲート12を通して成形空間Sに射出された発泡性樹脂R2は、成形空間Sを流動する発泡性樹脂Rに合流し、下流側に向かって流動する。これにより、第2ゲート12を通して成形空間Sに射出された発泡性樹脂R2が、上流側に流動しにくくなり、第1ゲート11を通して成形空間Sに射出され成形空間Sを下流側に流動する発泡性樹脂Rに対し正面からぶつかることを抑制することができる。尚、仮に流動方向が異なる発泡性樹脂同士が正面からぶつかる形で合流した場合、その合流部分(ウェルドと呼ぶ)において外観不良を生じたり、破断しやすくなったりする。
同様に、成形空間Sを下流側の方向へ流動する発泡性樹脂Rが第3ゲート13に到達したときに、第3ゲート13を通して発泡性樹脂を成形空間Sに射出する。第3ゲート13を通して成形空間Sに射出された発泡性樹脂は、成形空間Sを流動する発泡性樹脂Rに合流し、下流側に向かって流動する。各ゲート11,12,13から引き続き発泡性樹脂Rを成形空間Sに射出することで、図5に示すように、成形空間Sに発泡性樹脂Rが充満する。尚、この状態では、発泡性樹脂Rが成形空間Sに一通り行き渡った状態(発泡性樹脂Rが成形空間Sの左右側の端部や前後側の端部に至るまで拡がって流動した状態)とされる。成形空間Sに発泡性樹脂Rが充満した状態では、スキン層RAと成形型1の成形面10A,20Aとの間に気体が入り込んでいる場合(即ち、スキン層RAの一部が内側の層RB側に窪んでいる場合)がある。
次に、上型10と下型20の間の距離L1(図1参照)を一定に保ちつつ、図6に示すように、各ゲート11,12,13を通して発泡性樹脂Rを成形空間Sに追加して射出する(追加射出工程)。発泡性樹脂Rを成形空間Sに追加して射出する量としては、その追加前に成形空間Sに充満した発泡性樹脂Rの重さに比して5%の重さとなる量とすることができる。尚、成形空間Sに発泡性樹脂Rを追加して射出するために、例えば、各ゲート11,12,13から発泡性樹脂Rを射出する圧力を増加させてもよい。
図7に示すように、追加射出工程の後、上型10を下型20から離間させて成形空間Sを拡張する(コアバック工程)。このとき、上型10と下型20との間の距離L2が、射出工程から追加射出工程まで保持していた上型10と下型20との間の距離L1(図1参照)に比して約2倍の距離となるように、上型10を下型20から離間させる。これにより、発泡性樹脂Rのスキン層RAの内側の層RBを発泡させる。そして、上型10と下型20の距離をL2に保って所定時間経過させ、発泡性樹脂Rを硬化させる。その後、上型10を下型20からさらに離間させて一対の成形型1を開いた状態にし、発泡性樹脂Rからなる成形体としてのドアトリム100を得る。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、一対の成形型1を型閉じしてなる成形空間Sに発泡性樹脂Rを射出する射出工程と、成形空間Sに気体を流し、成形空間Sを流動する発泡性樹脂Rを気体で加圧する加圧工程と、を含み、射出工程では、成形空間Sに通じる第1ゲート11と第2ゲート12とを通して発泡性樹脂Rを射出するものとし、第1ゲート11を通して発泡性樹脂Rを成形空間Sに射出した後に、第2ゲート12を通して発泡性樹脂Rを成形空間Sに射出する、ドアトリム100の製造方法を示した。
このようなドアトリム100の製造方法によると、第1ゲート11を通して先に射出された発泡性樹脂Rが、第2ゲート12を通して後に射出された発泡性樹脂R(R2)と合流し、当該合流した発泡性樹脂Rが第1ゲート11側から第2ゲート12側に向かう方向(下流側の方向)へ拡がりやすくなる。これにより、気体の加圧で発泡が抑制された発泡性樹脂Rを、成形空間Sにおける下流側に素早く充満させやすくすることができる。
また、上記ドアトリム100の製造方法は、成形空間Sに発泡性樹脂Rが充満した後に、型閉じした一対の成形型1の間の距離L1を保ちつつ、成形空間Sに発泡性樹脂Rを追加して射出する追加射出工程を含む。
成形空間Sに射出された発泡性樹脂Rは、その外側の層が、成形型1の成形面に接触することでその内側の層RBよりも先に冷えて硬化したスキン層RAを形成する。上記のようなドアトリム100の製造方法によると、追加で射出された発泡性樹脂Rがスキン層RAよりも内側の層RBを流動し、発泡することで、スキン層RAを成形型1の成形面10A,20A側へ押し付けることができる。これにより、発泡性樹脂Rと成形型1の成形面10A,20Aとの間に入り込んだ気体を押しつぶすことができる。
また、上記加圧工程では、成形空間Sに射出された発泡性樹脂Rの流動方向に対向する方向から気体を流すこととする。成形空間Sを流動する発泡性樹脂Rは、その流動方向における先端R1部分が比較的高温の状態で空気に曝される部分であるため、発泡しやすい部分とされる。しかしながら、上記のようなドアトリム100の製造方法によると、当該発泡性樹脂Rの先端R1部分を効果的に加圧して発泡を抑制することができる。
また、第1ゲート11は、成形型1において、射出された発泡性樹脂Rをドアトリム100の端部として成形する端部成形部10Lに通じている。このようなドアトリム100の製造方法によると、第1ゲート11から成形空間Sに射出された発泡性樹脂Rは、成形型1において、ドアトリム100の端部を成形する端部成形部10Lから、ドアトリム100の中央部を成形する部分に向かって流動することとなる。即ち、成形空間Sを流動する発泡性樹脂Rの流動方向が一方向に流動しやすくなるので、成形型1において成形空間Sに流す気体の流入口(複数の右側気体流入部15)を、当該一方向に対向する方向から気体が流れるように配する等、まとめて配することができ、効率的に発泡性樹脂Rを加圧することができる。
また、上記加圧工程では、成形型1において、第1ゲート11と第2ゲート12の間の部分に設けられた中間気体流入部14と、第2ゲート12に対して第1ゲート11とは反対側の部分に設けられた右側気体流入部15と、から気体を流すこととする。このようなドアトリム100の製造方法によると、各ゲート11,12,13から射出された発泡性樹脂Rに対し迅速に気体の圧力を加えることができ、発泡性樹脂Rが成形空間Sを充満する前に生じる当該発泡性樹脂Rの発泡を好適に抑制することができる。
<変形例>
次に、本発明の変形例について説明する。本変形例では、上記実施形態と構造、工程、作用及び効果について重複する説明は省略する。図8では、成形空間Sに発泡性樹脂Rが充満した後、型閉じした一対の成形型1の間の距離を大きくして成形空間Sを拡張するコアバック工程の途中の状態を示している。このときの一対の成形型1の間の距離L3は、上記実施形態1において、成形空間Sに発泡性樹脂Rが充満したときにおける一対の成形型1の間の距離L1(図1参照)よりも大きく、距離L1の約2倍の距離L2(図7参照)よりも小さいものとする。尚、本変形例では、上記実施形態で説明した追加射出工程は行っていない。
コアバック工程では、上型10を下型20から徐々に離間させて、成形空間Sを徐々に拡張しつつ、各ゲート11,12,13を通して発泡性樹脂Rを成形空間Sに追加して射出する。発泡性樹脂Rを成形空間Sに追加して射出する量としては、その追加前(コアバック工程の前)に成形空間Sに充満した発泡性樹脂Rの重さに比して5%の重さとなる量とすることができる。このとき、成形空間Sに発泡性樹脂Rを追加して射出するために、例えば、各ゲート11,12,13から発泡性樹脂Rを射出する圧力を増加させてもよい。
このようにして樹脂を追加しつつ、一対の成形型1の間の距離がL2(図7参照)となるまで上型10を下型20から離間させて、発泡性樹脂Rのスキン層RA2の内側の層RB2を完全に発泡させる。そして、上型10と下型20の距離をL2に保って所定時間経過させ、発泡性樹脂Rを硬化させる。その後、上型10を下型20からさらに離間させて一対の成形型1を開いた状態にし、発泡性樹脂Rからなる成形体としてのドアトリムを得る。
このようなドアトリムの製造方法によると、コアバック工程において追加で射出された発泡性樹脂Rがスキン層RA2よりも内側の層RB2を流動し、成形空間Sが拡張されると共に発泡することで、スキン層RA2を成形型1の成形面10A,20A側により押し付けることができる。これにより、発泡性樹脂Rと成形型1との間に入り込んだ気体を好適に押しつぶし、成形型1のパーティングライン等から成形型1の外側に当該気体を排出することができる。また、スキン層RA2よりも内側の層RB2において発泡性樹脂Rを程よく発泡させることができ、スキン層RA2の厚みとその内側の層RB2の厚みを好適なものとすることができる。これにより、軽量性や剛性等が向上したドアトリムを得ることができる。
尚、本変形例では、コアバック工程においてのみ、発泡性樹脂を成形空間に追加して射出するものとしたが、これに限られない。例えば、成形空間に発泡性樹脂が充満した後、コアバック工程の前において、発泡性樹脂を成形空間に追加して射出し(第1追加射出工程と呼ぶ)、コアバック工程において、発泡性樹脂を成形空間にさらに追加して射出する(第2追加射出工程と呼ぶ)こととしてもよい。この場合、第1追加射出工程では、その追加前に成形空間に充満した発泡性樹脂の重さに比して5%の重さとなる量の発泡性樹脂を追加し、第2追加工程では、第1追加射出工程で追加した発泡性樹脂と同じ量の発泡性樹脂を追加することとすることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態以外にも、加圧工程のタイミングは適宜変更可能である。上記実施形態では、加圧工程は、射出工程に並行して行うものとしたが、これに限られない。例えば、加圧工程は、第1ゲートから射出された発泡性樹脂が成形空間を下流側に流動し始めたときに開始するものとしてもよい。
(2)上記実施形態以外にも、気体流入部の位置、数、及び形は適宜変更可能である。例えば、気体流入部は、上記実施形態で例示したものに加えて、第2ゲートと第3ゲートの間に配されていてもよい。また、気体流入部は、下流側に配され、成形空間に対し長尺状の開口をなす構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、追加射出工程は、各ゲートの全てから発泡性樹脂を追加して射出するものとしたが、これに限られない。例えば、追加射出工程では、第1ゲート及び第2ゲートのみから発泡性樹脂を追加して射出するものとしてもよい。
(4)上記実施形態では、乗物用内装材としてドアトリムを例示したが、これに限られない。例えば、乗物用内装材として、インストルメントパネル、ルーフライニング等を採用してもよい。また、上記実施形態で例示した乗物用内装材の製造方法は、車両用に提供されるもの限られず、種々の乗物において提供されるものであってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記乗物用内装材の製造方法を適用することができる。
1…成形型、10…上型、11…第1ゲート、12…第2ゲート、13…第3ゲート、14…中間気体流入部、15…右側気体流入部、20…下型、100…ドアトリム、R…発泡性樹脂、S…成形空間

Claims (4)

  1. 一対の成形型を型閉じしてなる成形空間に発泡性樹脂を射出する射出工程と、
    少なくとも前記射出工程と並行して行われ、前記成形空間に気体を流し、前記成形空間を流動する発泡性樹脂を前記気体で加圧する加圧工程と、
    前記成形空間に発泡性樹脂が充満した後、型閉じした前記一対の成形型の間の距離を大きくして前記成形空間を拡張するコアバック工程と、を含み、
    前記成形型には、前記成形空間に通じるゲートである第1ゲート,第2ゲート,第3ゲートが、その順で一直線上に並んで設けられており、
    前記射出工程では、前記第1ゲートを通して発泡性樹脂を前記成形空間に射出した後に、前記第1ゲートから射出されて前記成形空間を流動する発泡性樹脂が前記第2ゲートに到達した時に前記第2ゲートを通して発泡性樹脂を前記成形空間に射出し、前記第1ゲートおよび前記第2ゲートから射出されて前記成形空間を流動する発泡性樹脂が前記第3ゲートに到達した時に前記第3ゲートを通して発泡性樹脂を前記成形空間に射出し、
    前記加圧工程では、前記第1ゲートから前記成形空間に射出された発泡性樹脂の流動方向に対向する方向から前記気体を流し、
    前記成形空間に発泡性樹脂が充満した後で前記コアバック工程の前において、型閉じした前記一対の成形型の間の距離を保ちつつ、前記成形空間に発泡性樹脂を追加して射出する追加射出工程を含む乗物用内装材の製造方法。
  2. 前記成形空間に発泡性樹脂が充満した後、型閉じした前記一対の成形型の間の距離を大きくして前記成形空間を拡張するコアバック工程を含み、前記コアバック工程では、前記成形空間に発泡性樹脂を追加して射出することを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装材の製造方法。
  3. 前記第1ゲートは、前記成形型において、射出された発泡性樹脂を前記乗物用内装材の端部として成形する部分に通じていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗物用内装材の製造方法。
  4. 前記加圧工程では、前記成形型において、前記第1ゲートと前記第2ゲートの間の部分と、前記第2ゲートおよび前記第3ゲートに対して前記第1ゲートとは反対側の部分と、から気体を流すことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用内装材の製造方法。
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