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JP7516701B2 - ビナフチルカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

ビナフチルカルボン酸類の製造方法 Download PDF

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JP7516701B2 JP2021518373A JP2021518373A JP7516701B2 JP 7516701 B2 JP7516701 B2 JP 7516701B2 JP 2021518373 A JP2021518373 A JP 2021518373A JP 2021518373 A JP2021518373 A JP 2021518373A JP 7516701 B2 JP7516701 B2 JP 7516701B2
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Description

本発明は、ビナフチルカルボン酸類の製造方法に関する。詳しくは、特定の水分量を含有する炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンからなる晶析溶媒を使用する、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの製造方法に関する。
近年、ビナフタレン骨格を有するジカルボン酸成分を重合成分とする、ポリエステル樹脂やポリエステルカーボネート樹脂は、高屈折率および低複屈折等の光学特性に優れ、高度の耐熱性を具備することから、光ディスク、透明導電性基盤、光学フィルター等の光学部材の原料として期待されている。中でも、下記化学式で表される化学構造を有する、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル(以下、「化合物A」という。)を重合成分として製造される樹脂は、特に、光学特性に優れるとして着目されている(例えば、特許文献1~4等)。
上記式で表される化合物Aの製造方法としては、下記反応式に示すように、1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオールとクロロ酢酸エチル等のハロゲン化酢酸エステルとを反応させて、得られたジエステル体を加水分解する方法が知られている(例えば、特許文献5等)。しかしながら、当該反応により得られた化合物Aは、精製されることなく粗生成物のまま、塩化チオニルや塩化オキサリル等により酸クロライド体に変換されて使用されることが多いため、精製方法の検討や報告は未だなされていない。
特開2001-072872号公報 特開2018-002893号公報 特開2018-002894号公報 特開2018-002895号公報 特開2008-024650号公報
本発明は、上述した事情を背景としてなされたものであって、光学特性に優れる樹脂原料として好適な化合物Aの新たな製造方法の提供を課題とする。
本発明者は、上述の課題解決のために鋭意検討した結果、特定の溶媒を用いて晶析する際に、晶析溶液中の水分量を特定の範囲とすることにより、高純度な化合物Aの精製収率を向上させ得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明は以下の通りである。
1.2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル及び炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンから選択される1種以上を含む溶液中の水分量を、2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲として晶析する工程(1)を含む、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの製造方法。
2.下記工程(1)、工程(2)を含むことを特徴とする、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの製造方法。
工程(1):2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル及び炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンから選択される1種以上を含む溶液中の水分量を、2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲に調整する。
工程(2):工程(1)の溶液から、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルを晶析する。
3.上記工程(1)の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルが、1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオールと、ハロゲン化酢酸またはハロゲン化酢酸エステルとの反応により得られたものであることを特徴とする、1.または2.記載の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの製造方法。
本発明によれば、従来の製造方法に比べて極めて高い収率により、高純度な化合物Aを得ることが可能である。特に、化合物Aの精製収率を向上させることができるため、工業的な製造方法として優れている。
すなわち、本発明の製造方法の提供は、樹脂原料等の工業的な使用において非常に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物Aは下記化学式で表される化合物である。
<合成方法について>
本発明の化合物Aの合成方法については、特に制限はないが、例えば、公知の1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオールを出発原料として、クロロ酢酸等のハロゲン化酢酸を反応させる合成方法(a)や、クロロ酢酸エチル等のハロゲン化酢酸エステルを反応させてジエステル体を得るエーテル化反応を行い、次いで、このジエステル体を加水分解する合成方法(b)が挙げられる。
上記合成方法(a)では、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩や水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物などの塩基存在下で反応を行うため、目的物である化合物Aはアルカリ金属塩として得られる。
また、上記合成方法(b)では、ジエステル体を加水分解するため、加水分解反応に使用する水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物により、目的物である化合物Aはアルカリ金属塩として得られる。
すなわち、上記合成方法(a)、(b)何れの場合も、得られたアルカリ金属塩は、酸を使用して化合物Aに変換するが、その際に生じた無機物を除去するために水洗処理が必要となる。この水洗処理に使用した水が、次いで行う化合物Aの晶析工程に持ち込まれると、晶析工程により得られる化合物Aの精製収率が大きく低下することを新たに見出し、本発明を完成したものである。
<工程(1)、(2)について>
本発明の製造方法は、炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンから選択される1種以上の晶析溶媒を使用して、晶析することを特徴とするものである。
ここで、使用可能な炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンとしては、ジエチルケトン(炭素原子数5)、メチルイソブチルケトン(炭素原子数6)、メチルアミルケトン(炭素原子数7)、メチルヘキシルケトン(炭素原子数8)等が挙げられ、中でも、水の溶解度が低いメチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルヘキシルケトンが好ましい。
本発明における晶析溶媒は、本発明の効果を損なわない限り、炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトン以外の有機溶媒を併用してもよいが、炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンのみからなることが好ましい。
本発明の工程(1)に用いる化合物Aは、化合物Aを含む反応液を処理して得られる粗結晶、該粗結晶を再結晶した結晶、化合物Aを含む溶液から溶媒を留出除去された残液等が挙げられる。非晶質のものでもよい。化合物A自体は2種類の鏡像異性体が存在するが、本発明の晶析工程に用いる化合物Aとしてはラセミ体が好ましく、得られる結晶もラセミ体が好ましい。
本発明の製造方法の工程(1)において、晶析する溶液中の水分量を、2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲とすることが重要である。中でも、上限値は1.7重量%以下であることが好ましく、1.0重量%以下であることがより好ましい。また、下限値は0.03重量%以上であることが好ましく、0.05重量%以上であることがより好ましい。
なお、本発明における水分量は、カールフィッシャー法で測定した水分含有量を意味する。
工程(1)で使用する炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンの量としては、化合物A100重量部に対して、250~1000重量部が好ましく、300~800重量部がより好ましく、400~600重量部がさらに好ましい。温度を上げて結晶すべてを溶解させる際は常圧下でも加圧下でもよく、450重量部以下では加圧下が好ましい。
化合物Aを炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンに溶解して得られた溶液中の水分量を、2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲に調整してから冷却して晶析すれば良く、例えば、該溶液から蒸留により該鎖状脂肪族ケトンを留出させながら、残留溶液中の水分量を2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲に調整して、冷却して結晶を析出させる手法が簡便である。
本発明の工程(2)における、結晶を析出させる温度としては90~120℃が好ましく、95~105℃がより好ましい。溶媒留出にかける時間としては、2~15時間が好ましく、4~10時間がより好ましく、6~8時間がさらに好ましい。
冷却による晶析時および結晶析出させた後の冷却速度としては、1時間あたり5~15℃が好ましく、7~12℃がより好ましい。また、結晶を析出させる際は、種晶を用いなくてもよいが、種晶を用いた方が好ましく、公知の製造方法により得られた結晶や種晶なしで析出させて得られた結晶を種晶として用いればよい。最終の冷却温度としては、20~60℃が好ましく、25~35℃がより好ましい。上記温度まで冷却後、析出した結晶をろ過操作により分離する。
<乾燥する工程について>
晶析により得られた結晶を乾燥することにより、晶析において使用した溶媒を除去することができる。晶析により得られた結晶を乾燥する際は、常圧でも減圧下でも良いが、工業的に実施する場合には、減圧下において実施する方がより効率的に、晶析において使用した溶媒を除去できることからも好適である。好ましくは減圧下60~120℃、より好ましくは減圧下70~110℃において実施することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.水分量の分析方法について
測定機器:カールフィッシャーMKS-520(京都電子工業(株)製)
滴定剤として、アクアミクロン滴定剤SS3mgを用いて滴定し、容量滴定法にて水分量を測定した。
2.純度分析方法について
測定装置 :高速液体クロマトグラフィー分析装置((株)島津製
作所製)
ポンプ :LC-20AD
カラムオーブン :CTO-20A
検出器 :SPD-20A
カラム :HALO-C18
オーブン温度 :50℃
流量 :0. 7ml/min
移動相 :(A)アセトニトリル、(B)0.1vol%リン酸

グラジエント条件:(A)体積%(分析開始からの時間)
30%(0min)→100%(12min)→100%(15min)
検出波長 :280nm
上記条件で測定後、目的化合物の液体クロマトグラフィー検量線を使用して、下記実施例、比較例で得られた目的化合物の純度(%)を算出した。
<合成例1>
2,2’- ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルカリウム塩の合成
1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオール1213g、アセトニトリル3638g、炭酸カリウム1346g、ヨウ化カリウム121gを4つ口フラスコに仕込み、70℃まで昇温し、同温で1時間撹拌した。クロロ酢酸エチル1460g、N-メチルピロリドン13gの混合溶液を調製した後、この混合溶液を反応液の温度を70~80℃に保ちながら滴下した。6時間撹拌後、水3032gを加え70℃まで昇温した後、水層を除去した。次いで、35%水酸化カリウム水溶液3392gを、反応液温度70~80℃に保ちながら滴下した。2時間後反応液を徐々に冷却して、25℃でろ過を行い、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルのカリウム塩の結晶2180g取得した。
<実施例1>
合成例1で取得したカリウム塩を乾燥して得た結晶50.0g、水100g、メチルイソブチルケトン265gを、4つ口フラスコに仕込み80℃まで昇温し溶解させた。濃塩酸30.0gを80~85℃に保ちながら滴下し、同温度で30分間撹拌した。静置後、水層を抜き取り、得られた油層に水を加えて撹拌し、水層を分離除去する水洗操作を水層のpHが4となるまで複数回行った。次いで常圧下、得られた油層から蒸留で水およびメチルイソブチルケトン147gを留出させた。留出途中95℃にて、従来公知の製造方法により得られた種晶を添加し結晶の析出を確認した。留出後の残留溶液中の水分量は0.1%であった。この残留溶液を30℃まで1時間あたり10℃の冷却速度で冷却して、ろ過し、次いで乾燥を行い化合物Aの結晶体38.3gを取得した。収率は91.0%、純度は99.9%であった。
<実施例2>
合成例1で取得したカリウム塩を乾燥して得た結晶50.0g、水100g、メチルイソブチルケトン265gを、4つ口フラスコに仕込み80℃まで昇温し溶解させた。濃塩酸30.0gを80~85℃に保ちながら滴下し、同温度で30分間撹拌した。静置後、水層を抜き取り、得られた油層に水を加えて撹拌し、水洗を分離除去する水洗操作を水層のpHが4となるまで複数回行った。次いで常圧下、得られた油層から蒸留で水およびメチルイソブチルケトン147gを留出させた。留出途中95℃にて、従来公知の製造方法により得られた種晶を添加し結晶の析出を確認した。この後、残留溶液中の水分量が0.4%になるように水を加えた後に、残留溶液を30℃まで1時間あたり10℃の冷却速度で冷却して、ろ過し、次いで乾燥を行い化合物Aの結晶体38.2gを取得した。収率は90.9%、純度は99.9%であった。
<実施例3>
上記実施例2において、水およびメチルイソブチルケトンを留出させた後の残留溶液中の水分量を、0.7%になるように調整する以外は同様の操作を行い、化合物Aの結晶体38.2gを取得した。収率は90.9%、純度は99.9%であった。
<実施例4>
上記実施例2において、水およびメチルイソブチルケトンを留出させた後の残留溶液中の水分量を、1.0%になるように調整する以外は同様の操作を行い、化合物Aの結晶体37.8gを取得した。収率は90.1%、純度は99.9%であった。
<実施例5>
上記実施例2において、水およびメチルイソブチルケトンを留出させた後の残留溶液中の水分量を、1.3%になるように調整する以外は同様の操作を行い、化合物Aの結晶体36.8gを取得した。収率は87.7%、純度は99.9%であった。
<実施例6>
上記実施例2において、水およびメチルイソブチルケトンを留出させた後の残留溶液中の水分量を、1.7%になるように調整する以外は同様の操作を行い、化合物Aの結晶体36.4gを取得した。収率は86.6%、純度は99.9%であった。
<比較例1>
上記実施例2において、水およびメチルイソブチルケトンを留出させた後の残留溶液中の水分量を、2.1%になるように調整する以外は同様の操作を行い、化合物Aの結晶体33.4gを取得した。収率は79.5%、純度は99.9%であった。
<比較例2>
上記実施例1で使用するメチルイソブチルケトンをメチルエチルケトンに変更する以外は同様の操作を行い、溶液中の水分量を0.1%として、化合物Aの結晶体33.9gを取得した。収率は80.7%、純度は99.9%であった。
<比較例3>
上記比較例2で、水およびメチルエチルケトンを留出させる量を210gにし、溶液中の水分量が3.2%になるように変更した以外は同様の操作を行い、化合物Aの結晶体21.7gを取得した。収率は51.7%、純度は99.9%であった。
<比較例4>
上記実施例1で使用するメチルイソブチルケトンをシクロヘキサノンに変更する以外は同様の操作を行い、溶液中の水分量を0.1%として、化合物Aの結晶体32.2gを取得した。収率は76.7%、純度は99.9%であった。
<比較例5>
上記比較例4で、溶液中の水分量を1.5%になるように変更した以外は同様の操作を行い、化合物Aの結晶体20.5gを取得した。収率は48.8%、純度は99.9%であった。
<比較例6>
上記合成例1で取得したカリウム塩を乾燥して得た結晶50.0g、水100g、MIBK265gを、4つ口フラスコに仕込み80℃まで昇温し溶解させた。濃塩酸30.0gを80~85℃に保ちながら滴下し、同温度で30分撹拌した。静置後、水層を抜き取り、得られた油層に水を加えて撹拌し、水層を分離除去する水洗操作を水層のpHが4となるまで複数回行った。油層中の水分量を調整することなく、油層を30℃まで1時間あたり10℃の冷却速度で冷却しろ過、次いで乾燥を行い2,2’- ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの結晶体24.9gを取得した。収率は59.2%、純度は99.9%であった。なお、上記油層中の水分量は、5.2%であった。
上記実施例1~6、比較例1~6の試験結果を下記表1にまとめて示す。
表1に示すように、メチルイソブチルケトンを使用して溶液中の水分量を2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲とすることにより(実施例1~6)、純度99.9%の化合物Aの精製収率は85%以上となることが明らかとなった。水分量を調整しない製造方法(比較例6)に比べると、高純度な化合物Aを得る効率が非常に向上していることが確認された。
しかも、比較例1の結果から、溶液中の水分量を2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲とすることには、臨界的な意義があることも明らかとなった。
また、比較例2~5の結果より、この高純度な化合物Aの精製収率の優れた向上効果は、特定の溶媒を使用することにより発揮されることも確認された。
以上のことから、炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンを使用して、溶液中の水分量を2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲とする本発明の製造方法により得られる効果は、臨界的な意義を有する格別顕著な効果であることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. 2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル及び炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンから選択される1種以上を含む溶液中の水分量を、2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲として晶析する工程(1)を含む、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの製造方法。
  2. 下記工程(1)、工程(2)を含むことを特徴とする、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの製造方法。
    工程(1):2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル及び炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトンから選択される1種以上を含む溶液中の水分量を、2.0重量%以下0.01重量%以上の範囲に調整する。
    工程(2):工程(1)の溶液から、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルを晶析する。
  3. 上記工程(1)の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルが、1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオールと、ハロゲン化酢酸またはハロゲン化酢酸エステルとの反応により得られたものであることを特徴とする、請求項1または2記載の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの製造方法。
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