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JP7508920B2 - 制御装置、設計方法 - Google Patents

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JP7508920B2
JP7508920B2 JP2020125530A JP2020125530A JP7508920B2 JP 7508920 B2 JP7508920 B2 JP 7508920B2 JP 2020125530 A JP2020125530 A JP 2020125530A JP 2020125530 A JP2020125530 A JP 2020125530A JP 7508920 B2 JP7508920 B2 JP 7508920B2
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Description

本発明は、制御装置、及び設計方法に関する。
制御対象を制御するシステムとしては、例えば、フィードバック制御器やフィードフォワード制御器を用いる制御システムがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-300692号公報
特許文献1には、例えば、クレーンの吊荷の旋回振れを低減するフィードバック制御器の設計指針の一例は開示されているが、フィードフォワード制御器に関する設計指針は開示されていない。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、制御対象の状態を変化させる際にフィードフォワード制御器に適した指令値を出力させることができる制御装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する本発明の第1の態様は、制御対象を制御するための第1指令値を出力するフィードフォワード制御器と、前記制御対象の状態を第1状態から第2状態へと変化させる際に、前記制御対象のモデルを含む制約条件を用いて計算された、前記第1指令値の時間変化に関する第1プロファイルを記憶する記憶装置と、を備え、前記フィードフォワード制御器は、前記制御対象の状態を前記第1状態から前記第2状態へと変化させる際、前記第1プロファイルに基づいて、時間的に変化する前記第1指令値を出力する、制御装置である。
本発明の第2の態様は、制御対象を制御するフィードフォワード制御器の指令値を計算する計算方法であって、前記制御対象の状態を第1状態から第2状態へと変化させる際、前記制御対象を示す状態空間モデルの状態変数と、前記指令値と、を決定変数とする評価関数を定式化するステップと、所定の制約条件を有する前記評価関数を用いて、前記制御対象を前記第1状態から前記第2状態へと変化させる際の前記指令値を計算するステップと、を含む計算方法。
本発明によれば、制御対象の状態を変化させる際にフィードフォワード制御器に適した指令値を出力させることができる技術を提供することができる。
クレーン10の概要を説明するための図である。 トロリー20の構成の概要を示す図である。 吊荷21を搬送する際のトロリー20の加減速パターンの一例を示す図である。 情報処理装置50の一例を示す図である。 情報処理装置50で実行される処理S10の一例を示す図である。 吊荷21を搬送する際の指令値と状態変数の一例を示す図である。 吊荷21を搬送する際の加減速パターンを説明するための図である。 情報処理装置50で実行される処理S11の一例を示す図である。 指令値uxの近似式を説明するための図である。 情報処理装置50で実行される処理S12の一例を示す図である。 情報処理装置50で実行される処理S13の一例を示す図である。 クレーン10の構成の一例を示す図である。 クレーン10の構成の一例を示す図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
<<<クレーン10の概要について>>>
図1は、走行(x軸)、横行(y軸)、巻上(z軸)の3軸の動きが可能な天井クレーン10(以下、単にクレーンと称する。)の概要を示す図である。クレーン10は、全体がx軸方向に移動可能であるとともに、ガーダ(不図示)に沿ってy軸方向に移動可能なトロリー20と、トロリー20からの巻上げ、または巻下げ可能なワイヤに吊り下げられた吊荷21とを含む。
以下、本実施形態では、トロリー20の座標を(x,y,0)で表現し、吊荷21の座標を(x,y,z)で表現する。なお、「x」、「y」、「z」の夫々は、下記の記号(1)~(3)と同じである。また、吊荷21の振れ幅θは、吊荷21を、xy平面に投影した角度φ、xz平面に投影した角度α、yz平面に投影した角度βで評価される。
Figure 0007508920000001
<<<トロリー20のモデリング>>>
図2は、トロリー20及び吊荷21の構成の一例を示す図である。なお、トロリー20には、例えば、フィードバック制御器や加算器等が含まれているが、図2では、便宜上、トロリー20、及び吊荷21をモデリングする際の最低限の構成のみを図示している。
トロリー20は、フィードフォワード制御器30、及びモータ40を含んで構成される。フィードフォワード制御器30は、x軸方向の指令値u、y軸方向の指令値u、z軸方向の指令値uをモータ40に対して出力する。なお、以下、x軸~y軸の3軸の指令値をまとめて、指令値uと記載する。
モータ40は、指令値uに基づいて、クレーン10自体をx軸方向に移動させる。また、モータ40は、指令値uに基づいて、トロリー20の車輪を回転させることにより、トロリー20をガーダ(不図示)に沿ってy軸方向に移動させる。さらに、モータ40は、指令値uに基づいて、吊荷21が接続されたワイヤを、z軸方向に巻上げ、または巻下げを行う。
そして、トロリー20が、フィードフォワード制御器30からの指令値uで動作する場合、以下の式(1)~(3)が成立する。なお、以下、本実施形態では、「トロリー20の移動」には、クレーン10自体が移動することと、トロリー20がガーダを移動することを含むこととする。
Figure 0007508920000002
なお、ここでは、クレーン10及びトロリー20は、一次遅れの特性を有し、モータ40のゲインを「K」、モータ40の時定数を「T」としている。このため、例えば、x軸方向のモータ40のゲインは、Kxとなり、x軸方向のモータ40の時定数は、Txと表現できる。また、式(1)の左辺の項は、「x」を時間tで2階微分した表現であり、右辺のxに関する記号は、「x」を時間tで1階微分した表現である。
<<<吊荷21のモデリング>>>
吊荷21に関する運動方程式を変形し、吊荷21の質量を「m」、重力加速度を「g」、x方向のダンピング係数を「Dα」、x方向のダンピング係数を「Dβ」とすると、吊荷21には、以下の式(4)、(5)が成立する。
Figure 0007508920000003
<<<状態空間モデル>>>
式(1)~(5)は2階微分を含む式であるため、クレーン10の解析を容易に行うべく、ここでは、一階微分のみが含まれる表現に変換する。具体的には、式(1)~(5)を、以下の式(6)のように表現する。
Figure 0007508920000004
ここで、「x」、「y」、「z」「x 」、「y 」は、2階微分の記号を避けるために定めた記号である。また、式(6)を状態空間モデルに整理すると、以下の式(7)が得られる。
Figure 0007508920000005
ただし、式(7)において、状態空間モデルにおける10個の状態変数を含む状態ベクトルxp、指令値ベクトルu、行列A、及び行列Bは、以下に示す通りである。
Figure 0007508920000006
このように、フィードフォワード制御器30によって制御されるクレーン10は、式(7)に示したような状態空間モデルで表現することができる。
<<<トロリー20の移動について>>>
図3は、静止状態のトロリー20を、位置Aから、搬送先である位置Dへと移動させる際の加減速パターンの一例を示す図である。例えば、トロリー20は、位置Aから、位置Bへと加速運転し、位置Bから位置Cへと等速運転し、位置Cから位置Dへと減速運転する。なお、位置Aの静止状態は、「第1状態」に相当し、位置Bの等速状態は、「第2状態」に相当し、静止状態及び等速状態はともに「定常状態」に相当する。
ところで、図3に示すような加減速パターンでトロリー20を移動させる際、トロリーを、順次加速、等速、減速させる指令値uが、フィードフォワード制御器30から出力される必要がある。ただし、一般に、トロリー20を、所定の速度まで加速させる指令値u、または所定の速度から減速させる指令値uには無数のパターンがあるため、一意に指令値uを定めることは難しい。
そこで、詳細は後述するが、本実施形態では、例えば、トロリー20が位置Bに到達した際に、吊荷21の振れ角や、振れ角速度がゼロになる等の各種制約条件の下、最適化問題を解く手法を用いて指令値uを定める。さらに、本実施形態では、最適化問題を解く手法以外の例として、トロリー20の物理特性と終端条件(制約条件)から指令値uの時間多項式を導出する方法を用いる。以下、それぞれの手法を実行する情報処理装置について説明する。
<<<情報処理装置について>>>
図4は、情報処理装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置50は、CPU(Central Processing Unit)60、メモリ61、記憶装置62、入力装置63、表示装置64、及び通信装置65を含むコンピュータである。
CPU60は、メモリ61や記憶装置62に格納されたプログラムを実行することにより、情報処理装置50における様々機能を実現する。
メモリ61は、例えばRAM(Random-Access Memory)等であり、プログラムやデータ等の一時的な記憶領域として用いられる。
記憶装置62は、CPU60によって実行されるプログラムやデータセット等の各種情報を格納する不揮発性の記憶装置である。
入力装置63は、ユーザによるコマンドやデータの入力を受け付ける装置であり、キーボード、タッチパネルディスプレイ上でのタッチ位置を検出するタッチセンサなどの入力インタフェースを含む。
表示装置64は、例えばディスプレイなどの装置であり、通信装置65は、ネットワークを介して他のコンピュータと各種プログラムやデータの受け渡しを行う。
==情報処理装置50の処理について==
<<最適化問題について>>
図5は、情報処理装置50のCPU60が実行する処理S10の一例を示すフローチャートである。ここでは、CPU60は、図3で示した、トロリー20を位置Aから位置Bへ移動する際、最適化問題を解くことにより状態変数xp及び指令値uを計算する。
まず、CPU60は、10個の状態変数xpと、3軸の指令値uとの二乗和を示す、式(8)の評価関数を定式化する(S20)。
Figure 0007508920000007
なお、式(8)においてQは、状態変数xpの項の重みを定める行列であり、Rは、指令値uの項の重みを定める行列である。
ここで、式(9)及び式(10)は、式(8)の評価関数から決定変数を求める際の制約条件である。なお、式(9)は、クレーン10の状態空間モデルを示す式であり、式(10)は、状態変数xpの各種条件を示す式である。
Figure 0007508920000008
式(9)において、xp(t)は、時刻tにおける状態ベクトルであり、xp(t+1)は、時刻tからは、1サンプル後の時刻の状態ベクトルである。また、A,Bは、上述した行列であり、u(t)は、時刻tにおける指令値(指令値ベクトル)である。
式(10)に記載された条件としては、トロリー20が位置Aから、位置Bへ移動する際に許容される吊荷21のx軸方向の振れ幅の上下限値、x軸方向の振れは幅速度の(dΔx/dt)の上下限値が含まれる。また、式(10)には、吊荷21のy軸方向の振れは幅(Δy)の上下限値、y軸方向の振れは幅速度の(dΔy/dt)の上下限値が含まれる。さらに、式(10)は、状態ベクトルxpの終端条件と、トロリー20の指令値uの上下限値を含む。ここで、状態ベクトルxpの終端条件とは、例えば、トロリー20が位置Bに到達した際の状態ベクトルxp(例えば、トロリー20の位置、速度等)を含む。
なお、本実施形態では、上述した各種上下限値以外に、トロリー20が位置Bに到達した際に、吊荷21の振れ角や、振れ角速度がゼロになること、トロリー20が位置Bの等速運転時の速度となること、を制約条件として含む。
そして、CPU60は、式(9)及び式(10)の制約条件を用いて、式(8)の評価関数が最小となる決定変数(指令値u、状態変数xp)を計算する(S21:第2ステップ)。この結果、例えば、図6に示すよう、指令値u、状態変数xpの夫々が計算されることになる。したがって、図2に示すフィードフォワード制御器30が、図6に示す指令値uを出力すると、トロリー20の状態変数xp(例えば、トロリー20の速度、吊荷21の振れ幅、振れ幅速度)は、図6に示すよう変化する。
ところで、図6は、位置Aの静止状態のトロリー20を加速させ、位置Bにおいて等速状態とするための指令値uの波形であるが、本実施形態では、図3に示すよう、トロリー20を位置Aから、位置Dへと移動させる。そして、位置Bから、位置Cまでは、トロリー20は等速運転を行うため、図7に示すよう、位置Bにおける指令値uが出力され続ける。なお、指令値uは、図6に示すよう、直線状に変化する波形ではないが、図7は、便宜上指令値uを直線として描いている。
また、位置Cの等速状態(第2状態)から、トロリー20を減速させ、位置Dにて静止状態(第1状態)とするため、位置Cから位置Dにおいては、位置Aから位置Bへの指令値uの波形を反転した指令値uを、フィードフォワード制御器30は出力する。フィードフォワード制御器30が、このような指令値uを出力することにより、吊荷21の振れ幅、振れ幅速度を抑制しつつ、トロリー20を位置Aから位置Dへと適切に移動させることができる。なお、詳細は後述するが、計算された状態変数xpは、フィードバック制御器の目標値として用いることができる。
<<最適化問題の解の近似式>>
図8は、情報処理装置50のCPU60が実行する処理S11の一例を示すフローチャートである。処理S11において、CPU60は、図5の処理S20,S21に加え、計算された状態変数xp、及び指令値uの近似式を計算する(S22)。例えば、CPU60は、図9に示すように、指令値uxの一点鎖線で示す近似式(関数)を、例えば最小二乗法を用いて計算する。
したがって、フィードフォワード制御器30は、処理S22で計算された指令値uの近似式に基づいて、指令値uを出力することにより、吊荷21の振れ幅、振れ幅速度を抑制しつつ、トロリー20を位置Aから位置Dへと適切に移動させることができる。このような近似式を用いることにより、例えば、位置Aから位置Dへの指令値uに関する情報のデータサイズを小さくすることができる。
<<近似式を用いた評価関数>>
図8では、評価関数の最適解を近似することとしたが、例えば、時間多項式で表現された指令値uと、状態変数xpとを決定変数として評価関数を定式化しても良い。具体的には、まず指令値uとして、式(11)の時間多項式を用いる。
Figure 0007508920000009
そして、図10の処理S12において、CPU60は、式(11)で表現された指令値uと、10個の状態変数xpとの二乗和を示す、式(8)の評価関数を定式化する(S30)。なお、ここでは、決定変数は、xp、u、ai、bi、ci、nとなる。そして、CPU60は、式(8)の評価関数において、式(9)~(11)と、多項式の次数nの上下限値とを制約条件とし、決定変数を計算する(S31)。なお、多項式の次数nの上下限値は、以下の様に表現され、多項式のai、bi、ci、nは、「時間多項式の複数の変数」に相当する。
Figure 0007508920000010
この結果、フィードフォワード制御器30は、処理S31で計算された指令値uの時間多項式に基づいて、指令値uを出力することにより、吊荷21の振れ幅、振れ幅速度を抑制しつつ、トロリー20を位置Aから位置Dへと適切に移動させることができる。
<<物理特性及び終端条件に基づく指令値>>
図5、図8、及び図10の処理S10~12では、最適化問題を解くことにより、指令値uを計算しているがこれに限られない。例えば図11に示すよう、CPU60は、クレーン10の運動方程式(つまり、動特性モデル)と、制約条件とを用いて、運動方程式の複数の解のうち、最小次数で表される時間多項式を解として計算する(S40)。
なお、ここで、制約条件とは、いわゆる境界条件であり、例えば、位置Bにおけるモータ40の3軸方向の速度、吊荷21の3軸方向の振れ角、振れ角速度を含む。また、処理S40で実行される具体的な計算方法は、例えば、「よくわかる機械の制振設計:三好孝典 日刊工業新聞社」の第4章や「境界条件を考慮した有限時間多項式表現による制御入力の解析解導出、計測自動制御学会論文集:三好 孝典、寺嶋 一彦、Vol.36,No.6. pp.489-496、2000年」に開示されている。
=====クレーン10の制御装置=====
図12は、クレーン10の構成の一例を示す図である。クレーン10は、モータ100、センサ110、及び制御装置120を含んで構成される。
モータ100は、上述したモータ40と同じであり、入力される指令値x軸、y軸方向にトロリー20を移動させるとともに、吊荷21の巻上げ、巻下げを行う。
センサ110は、例えばトロリー20のx軸の位置、y軸の位置、x軸方向の速度、y軸方向の速度、吊荷21のz軸の位置、z軸方向の速度等、10個の状態変数の夫々に対応する値を出力する。なお、本実施形態においては、センサ110が出力する10個の情報(位置x,y、速度dx/dt,dy/dt、・・)を「出力xps」とする。ここで、センサ110は、10個の速度等を出力することとしたが、速度や振れ角は、センサ110から取得せずに、他のセンサ(不図示)のセンサ情報から演算により求めてもよい。
制御装置120は、モータ100の動作を制御する装置であり、記憶装置200、フィードフォワード制御器(FF制御器)201、加算器202,204、及びフィードバック制御器(FB制御器)203を含んで構成される。
記憶装置200は、処理S10~S12の何れかで計算された指令値uの時間的なプロファイル(または近似式)を示す情報I1と、情報I1に対応する状態変数xpの時間的なプロファイル(または近似式)を示す情報I2とを記憶する。なお、以降、処理S10~S12の何れかで計算された指令値uを、フィードフォワード制御器201の「指令値uff」とする。また、指令値uffの時間的なプロファイルを示す情報I1は、「第1プロファイル」に相当し、状態変数xpの時間的なプロファイルを示す情報I2は、「第2プロファイル」に対応する。さらに、情報I1は、指令値uffの「時間変化に関する情報」であり、情報I2は、状態変数xpの「時間変化に関する情報」である。
フィードフォワード制御器201は、情報I1に基づいて、指令値uffを出力する。加算器202(第1加算器)は、情報I2から、センサ110からの10個の出力xpsに対応する10個の状態変数xpを選択する。そして加算器202は、選択した状態変数xpを目標値とし、目標値と、出力xpsとの差eを計算する。
フィードバック制御器203は、誤差eに基づいて、モータ40を駆動するための指令値ufbを出力する。
加算器204(第2加算器)は、フィードフォワード制御器201からの指令値uff(第1指令値)と、フィードバック制御器203からの指令値ufb(第2指令値)とを加算し、加算結果を指令値utとしてモータ100に出力する。この結果、モータ100は、指令値utに基づいて駆動される。
ところで、例えば、トロリー20を位置Aから位置Bへ移動させる際に用いられる情報I1,I2が、処理S10により計算された時間的なプロファイルに基づく場合、情報I1,I2は、図6で示した波形になる。この場合、フィードフォワード制御器201は、図6に示した指令値uffを出力する。そして、加算器202への目標値として、図6で示した10個の出力(トロリーや吊荷の位置x,y,z、速度dx/dt,dy/dt,dz/dt、振れ幅Δx,Δy、振れ幅速度dΔx/t,dΔy/t)が入力される。
ここで、センサ110の出力xpsが、図6で示した4つの出力と一致している場合には、差eはゼロとなる。したがって、この場合には、フィードバック制御器203からの指令値ufbもゼロとなり、トロリー20は、指令値uffのみに基づいて動作することになる。つまり、指令値utは、指令値uffと等しくなる。
一方、センサ110の出力xpsと、図6で示した10個の出力とがずれており、差eがゼロでない場合、フィードバック制御器203は、差eに応じた指令値ufbを出力する。この結果、トロリー20は、図6の波形(位置等)からのずれが小さくなるよう、フィードバック制御器203により制御される。したがって、いずれの場合であっても、トロリー20は、図6に示した位置、速度を保ちつつ、位置Aから位置Bへと移動することになる。
なお、位置Bから位置Cへの移動、及び位置Cから位置Dへの移動についても、位置Aから位置Bの移動と同様であるため、本実施形態では、吊荷21の振れ角、振れ角速度を抑制しつつ、適切にトロリー20を移動させることができる。また、ここでは、例えば処理S10により計算された時間的なプロファイルが、情報I1,I2である場合を説明したが、処理S11,S12により計算された結果(近似式)が、情報I1,I2である場合も同様である。
<<<制御装置150>>>
図13は、クレーン11の実施例を示す図である。図13のクレーン11には、制御装置120の代わりに制御装置150が設けられている。なお、図12と、図13とでは同じ符号が付されたブロックは同じである。
制御装置150は、モータ100の動作を制御する装置であり、記憶装置200、フィードフォワード制御器201、加算器202,204、フィードバック制御器203、及び選択装置205を含んで構成される。図12と、図13とで同じ符号が付されたブロックは同じであるため、ここでは、選択装置205について説明する。
選択装置205は、選択情報に基づいて、トロリー20の位置、速度等の目標を示す目標値r、または、記憶装置200に記憶された情報I1,I2の何れかを出力する。選択装置205が目標値rを出力する場合、フィードフォワード制御器201、及びフィードバック制御器203は、トロリー20の目標値rに応じた指令値uff、ufbを出力する。この結果、トロリー20は、指定された目標値rで定められた動作をすることになる。
一方、選択装置205が情報I1,I2を出力する場合、上述したよう、吊荷21の振れ角等が小さくなるよう、フィードフォワード制御器201、フィードバック制御器203が指令値uff、ufbを出力する。このような選択装置205が設けられることにより、利用者は、柔軟にトロリー20の移動を制御することができる。
<<その他>>
本実施形態では、制御対象の一例としてクレーン10について説明したが、制御対象は、フィードフォワード制御器により制御される対象であればクレーンに限られない。例えば、制御対象は、フィードフォワード制御器により庫内の温度を一定に保つ冷凍庫のコンプレッサーであっても良い。このような場合、フィードフォワード制御器は、例えば、庫内の温度を、所定の温度Ta(第1状態)から温度Tb(第2状態)に変化させるよう、温度制御器を制御する。そして、庫内の温度の上下限値等を制約条件とすることで、本実施形態と同様の手法を用いてフィードフォワード制御器の指令値を計算することができる。
=====まとめ=====
以上、本発明の一実施形態であるクレーン10について説明した。制御装置120のフィードフォワード制御器201は、情報I1に基づいて、トロリー20を静止状態(位置A)から等速状態(位置B)に変化させる際に、例えば吊荷21の振れ角等を抑制できる指令値uを出力することができる。また、フィードフォワード制御器201は、予め記憶装置200に格納された情報I1を用いているため、演算処理量が少なく、制御装置120のCPU(不図示)における計算負荷を小さくできる。
また、フィードフォワード制御器201は、位置Bから位置Cにおいて、位置Bにおける指令値uffを出力し続けることにより、トロリー20(移動する装置)を等速運転させることができる。
また、フィードフォワード制御器201は、位置Cから位置Dにおいて、位置Aから位置Bまでの指令値uffの波形を反転し、出力する。これにより、本実施形態では、吊荷21の振れ角等を抑制することができる。
また、制御装置120には、センサ110からの出力xpsと、出力xpsに応じた情報I2の値(目標値)との差eに基づいて、指令値ufbを出力するフィードバック制御器203が設けられている。したがって、フィードフォワード制御器201からの指令値uffに基づいて動作するトロリー20の位置等が、目標値(例えば、図6の状態変数xpの値)とずれた場合、フィードバック制御器203がずれを補正することができる。この結果、トロリー20を移動させる際、吊荷21の振れ角等を精度良く抑制することができる。
また、情報I1,I2として、例えば、図5に示すように、指令値uff及び状態変数xpを決定変数とする、式(8)の評価関数の最適解を用いることができる。
また、情報I1,I2として、例えば、図8に示すように、指令値uff及び状態変数xpを決定変数とする、式(8)の評価関数の最適解の近似式を用いることができる。
また、情報I1,I2として、例えば、図10に示すように、時間多項式で表現された指令値uff及び状態変数xpを決定変数とする、式(8)の評価関数の最適解を用いることができる。
また、例えば、図11に示すように、評価関数を定式化せず、例えばクレーン10の運動方程式の複数の解のうち、最小次数で表現される時間多項式を解としても良い。
また、本実施形態では、クレーン10に用いられるフィードフォワード制御器について詳細を説明したが、制御対象は、クレーン10に限られない。具体的には、サーボモータや恒温槽のコンプレッサー等、フィードフォワード制御器が用いられる制御対象に適用することができる。
また、本実施形態では、例えば、処理S10~S12に示したように、状態変数xp及び指令値uffを決定変数とする評価関数を用いて、指令値uff(つまり、処理S10~S12の指令値u)を計算することができる。なお、指令値uffは、例えば、評価関数の最適解や、最適解を近似した式であっても良い。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
10,11 クレーン
20 トロリー
21 吊荷
30,201 フィードフォワード制御器(FF制御器)
40,100 モータ
50 情報処理装置
60 CPU
61 メモリ
62,200 記憶装置
63 入力装置
64 表示装置
65 通信装置
110 センサ
120,150 制御装置
202,204 加算器
203 フィードバック制御器(FB制御器)
205 選択装置(SEL)

Claims (9)

  1. 制御対象を制御するための第1指令値を出力するフィードフォワード制御器と、
    前記制御対象の状態を第1状態から第2状態へと変化させる際に、前記制御対象のモデルを含む制約条件を用いて計算された、前記第1指令値の時間変化に関する第1プロファイルを記憶する記憶装置と、
    前記制御対象からの出力と、目標値との差に応じた第2指令値を出力するフィードバック制御器と、
    前記第1指令値と、前記第2指令値とを加算し、加算結果に基づいて前記制御対象を制御する加算器と、
    を備え、
    前記フィードフォワード制御器は、前記制御対象の状態を前記第1状態から前記第2状態へと変化させる際、前記第1プロファイルに基づいて、時間的に変化する前記第1指令値を出力
    前記制御対象は、前記第1指令値に基づいて移動する装置であり、
    前記第1状態は静止状態、第2状態は、等速運転状態であり、
    前記フィードフォワード制御器は、前記制御対象の状態が前記等速運転状態になると、前記第1プロファイルに基づいて、前記等速運転状態の前記第1指令値を出力し、
    前記制約条件は、前記制御対象の状態空間モデルと、前記状態空間モデルの状態変数の条件を含み、
    前記記憶装置は、前記制御対象の状態を前記静止状態から前記等速運転状態へと変化させる際に、前記制約条件を用いて計算された、前記状態変数の時間的な変化を示す第2プロファイルを更に記憶し、
    前記フィードバック制御器は、前記第2プロファイルに基づいて、前記状態変数のうち、前記制御対象からの出力に対応する値を、前記目標値として出力する、
    制御装置。
  2. 請求項に記載の制御装置であって、
    前記フィードフォワード制御器は、前記制御対象の状態を前記等速運転状態から前記静止状態へ変化させる際、前記第1プロファイルに基づいて、前記制御対象の状態を前記静止状態から前記等速運転状態へと変化させる際の前記第1指令値の時間的な波形が反転するよう、前記第1指令値を出力する、
    制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の制御装置であって、
    前記制御対象からの出力と、目標値との差に応じた第2指令値を出力するフィードバック制御器と、
    前記第1指令値と、前記第2指令値とを加算し、加算結果に基づいて前記制御対象を制御する加算器と、
    を更に備える
    制御装置。
  4. 請求項に記載の制御装置であって、
    前記第1及び第2プロファイルは、前記第1指令値及び前記状態変数を決定変数とした評価関数の最適解である、
    制御装置。
  5. 請求項に記載の制御装置であって、
    前記第1及び第2プロファイルは、前記第1指令値及び前記状態変数を決定変数とした評価関数の最適解の近似式である、
    制御装置。
  6. 請求項に記載の制御装置であって、
    前記第1及び第2プロファイルは、複数の変数を含む時間多項式で表現された前記第1指令値と、前記状態変数と、を決定変数とした評価関数の最適解である、
    制御装置。
  7. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記制約条件は、前記モデルに対応する前記制御対象の運動方程式を含み、
    前記第1プロファイルは、前記運動方程式の複数の解のうち最小の次数を有する時間多項式で表現される解である、
    制御装置。
  8. 請求項1~の何れか一項に記載の制御装置であって、
    前記制御対象は、トロリー及び吊荷を有するクレーンであり、
    前記制約条件は、前記トロリーの速度に応じた前記第1指令値に関する条件と、前記吊荷の振れ幅に関する条件と、前記吊荷の振れ幅速度に関する条件と、を含む、
    制御装置。
  9. 制御対象を制御するための指令値を計算する計算方法であって、
    前記制御対象の状態を静止状態から等速状態へと変化させる際、前記制御対象を示す状態空間モデルの状態変数と、第1指令値と、を決定変数とする評価関数を定式化するステップと、
    所定の制約条件を有する前記評価関数を用いて、前記制御対象を前記静止状態から前記等速状態へと変化させる際の前記第1指令値を計算するステップと、
    前記評価関数に基づいて、前記状態変数のうち、前記制御対象からの出力に対応する値を、目標値として計算するステップと、
    前記制御対象からの出力と、前記目標値との差に応じた第2指令値を計算するステップと、
    前記第1指令値と、前記第2指令値とを加算して前記指令値を計算するステップと、
    を含み、
    前記制約条件は、前記制御対象の状態空間モデルと、前記状態空間モデルの状態変数の条件を含む、
    計算方法。
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