JP7502865B2 - C5a活性のインヒビターでの炎症性疾患の処置 - Google Patents
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Description
本願発明は、C5a活性のインヒビターおよび対象において皮膚、好中球性、炎症性疾患の処置におけるそれらの使用に関する。
炎症における標的C5a
C5aは、その「マザー分子」C5の74アミノ酸にわたる分解産物であり、補体活性化カスケードの1つのエンドポイントを示す。それは、少なくとも3つのよく説明される経路(代替、古典およびMBL経路)の活性化を介して生成することできる。全ての経路は、C3のレベルで統合し、C5または代替C5転換酵素を形成し、C5のC5aおよびC5bへの開裂をもたらす。後者は、C6、C7、C8および複数のC9分子と結合し、例えば細菌膜において孔の形成を最後にもたらす(末端膜侵襲複合体=MAC)。補体系が炎症および他の免疫学的および炎症性障害/疾患の状況において活性化されるとき、C5aは生成される。
IFX-1は、可溶性ヒト補体分解産物C5aに特異的に結合するキメラモノクローナルIgG4抗体である。IFX-1は、1328アミノ酸から構成され、およそ148,472ダルトンの分子量を有する。IFX-1のCDRおよびFR配列は、以下の表3に記載されている。
循環中に短い寿命を有する最終分化細胞である好中球は、人体において最も豊富な白血球である。侵入微生物に対する防御の最前線として、好中球は、食細胞として作用し、顆粒から溶菌酵素を放出し、および刺激時に活性酸素種を生成する能力により特徴付けられる。微生物産物に加えて、免疫複合体などの他の刺激もまた、好中球において呼吸バーストを誘導し、増強した炎症および炎症性細胞の補充をもたらすことができる(Kaplan, 2013)。
HSは、アポクリン腺が豊富な領域に影響を与える慢性的な壊滅的な皮膚障害であり、好中球関連皮膚炎症性疾患の1つと考えられている。小節が影響された領域に出現し、膿の放出により腫脹および破裂が進行する。このプロセスは、繰り返し起こり、洞管の形成および瘢痕に至る(Jemec, 2004)。この疾患の経過は、患者だけでなく、医師にとっても苛立たしい状況を作り出す。点有病率は、1%および4%間の範囲であると報告される(Jemec and others, 1996)。
好中球性皮膚症(ND)は、組織学的実験が感染の証拠がない好中球から主に構成される激しい炎症性浸潤物を表す、皮膚損傷により特徴付けられる障害のグループである。NDは、スイート症候群(SS)、壊疽性膿皮症(PG)、角層下膿疱症(SPD)、他の明確な実体(entities)、およびこれらの非典型的または移行形態を主に含む(Prat and others, 2014)。汗腺膿瘍(HS)は、最近、炎症を起こした皮膚において観察される多数の好中球浸潤物に基づいてNDのファミリーに割り当てられた(Lima and others, 2016; Marzano, 2016)。
自己免疫疾患は、自己および非自己分子の不完全な区別により定義され、外来構造としての自己分子および組織の不適当な認識、および宿主器官に対する同時免疫攻撃をもたらす。自己免疫疾患の病因は、一般的に、免疫化相およびエフェクター相の2つの相に分類することができる。免疫化相は、自己反応性Tリンパ球の出現により特徴付けられる。次に、これらのT細胞は、種々の他の細胞型(B細胞、細胞毒性T細胞、NK細胞、好中球、マクロファージ、破骨細胞、繊維芽細胞など)を活性化することによって、組織損傷相に至る二次応答を引き起こす。自己反応性T細胞によるこれらのエフェクター細胞の活性化は、自己抗体生産、サイトカインネットワークまたは直接的な細胞-細胞接触を含む複数のレベルによって介在することができるエフェクター相として考慮することができる(Nemeth and Mocsai, 2012)。
上記で説明されたように、先行技術において、好中球性皮膚症、例えば汗腺膿瘍(HS)、および皮膚好中球性自己免疫疾患の処置のための効果的な治療のための必要性が存在した。
第1の局面において、本願発明は、対象において皮膚、好中球性、炎症性疾患の処置における使用のための化合物であって、化合物は、C5a活性のインヒビターであり、皮膚、好中球性、炎症性疾患は、汗腺膿瘍(HS);壊疽性膿皮症(PG);PAPA(化膿性関節炎、PGおよびアクネ);PASH(PG、アクネおよび汗腺膿瘍);PAPASH(化膿性関節炎、アクネ、PGおよび汗腺膿瘍);スイート症候群(SS);角層下膿疱症(SPD);後天性表皮水疱症、持久性隆起性紅斑(EED);好中球性脂肪織炎;腸関連皮膚病-関節炎症候群(BADAS);SAPHO(滑膜炎、アクネ、膿疱症、骨化過剰症、および骨炎)症候群;リウマチ性好中球性皮膚症;家族性地中海熱、クリオピリン関連障害、痛風、およびシュニッツラー症候群からなる群から選択される、化合物に関する。
定義
本願発明を以下に詳細に説明する前に、本願発明が、変化できるとき本願明細書に記載されている特定の方法論、プロトコールおよび試薬に限定されないことを理解されたい。本願明細書において使用される用語が、特定の態様のみを説明する目的のためであり、添付の特許請求の範囲のみによって限定される本願発明の範囲を限定することを意図しないことも理解されたい。他に定義されていない限り、本願明細書において使用される全ての専門および科学用語は、本願発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
C1は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ヘテロアリール基は、N、OおよびSから選択される環員として1-3つのヘテロ原子を有し;該アリールおよびヘテロアリール基は、所望により1から3つのR1置換基で置換されており;
C2は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ヘテロアリール基は、N、OおよびSから選択される環員として1-3つのヘテロ原子を有し;該アリールおよびヘテロアリール基は、所望により1から3つのR2置換基で置換されており;
C3は、C1-8アルキルまたはヘテロアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、アリール、アリール-C1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-4アルキル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルからなる群から選択され、ヘテロシクロアルキル基または部分は、N、OおよびSから選択される1-3つのヘテロ原子を有し、ヘテロアリール基は、N、OおよびSから選択される環員として1-3つのヘテロ原子を有し、それぞれのC3は、所望により1-3つのR3置換基で置換されており;
それぞれのR1は、独立して、ハロゲン、-CN、-Rc、-CO2Ra、-CONRaRb、-C(O)Ra、-OC(O)NRaRb、-NRbC(O)Ra、-NRbC(O)2Rc、-NRa-C(O)NRaRb、-NRaC(O)NRaRb、-NRaRb、-ORa、および-S(O)2NRaRbからなる群から選択され;それぞれのRaおよびRbは、独立して、水素、C1-8アルキル、およびC1-8ハロアルキルから選択され、または同じ窒素原子に結合されるとき、N、OまたはSから選択される環員として0から2つのさらなるヘテロ原子を有する5または6-員環を形成するように窒素原子と結合されてよく、所望により1または2つのオキソで置換されており;それぞれのRcは、独立して、C1-8アルキルまたはヘテロアルキル、C1-8ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、Ra、RbおよびRcの脂肪族および環状部分は、所望により1から3つのハロゲン、ヒドロキシ、メチル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ基でさらに置換されており;所望により2つのR1置換基が隣接する原子であるとき、融合5または6-員炭素環式またはヘテロ環式環を形成するように結合され;
それぞれのR2は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-Rf、-CO2Rd、-CONRdRe、-C(O)Rd、-OC(O)NRdRe、-NReC(O)Rd、-NReC(O)2Rf、-NRdC(O)NRdRe、-NRdC(O)NRdRe、-NRdRe、-ORd、および-S(O)2NRdReからなる群から選択され;それぞれのRdおよびReは、独立して、水素、C1-8アルキル、およびC1-8ハロアルキルから選択され、または同じ窒素原子に結合されるとき、N、OまたはSから選択される環員として0から2つのさらなるヘテロ原子を有する5または6-員環を形成するように窒素原子と結合されてよく、所望により1または2つのオキソで置換されており;それぞれのRは、独立して、C1-8アルキルまたはヘテロアルキル、C1-8ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、Rd、ReおよびRfの脂肪族および環状部分は、所望により1から3つのハロゲン、ヒドロキシ、メチル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ基でさらに置換されており、所望により2つのR2基が隣接する原子であるとき、5または6-員環を形成するように結合され;
それぞれのR3は、独立して、ハロゲン、-CN、-Ri、-CO2Rg、-CONRgRh、-C(O)Rg、-C(O)Ri、-OC(O)NRgRh、-NRhC(O)Rg、-NRhCO2Ri、-NRgC(O)NRgRh、-NRgRh、-ORg、-ORj、-S(O)2NRgRh、-X4-Rj、-NH-X4-Rj、-O-X4-Rj、-X4-NRgRh、-X4-NHRj、-X4-CONRgRh、-X4-NRhC(O)Rg、-X4-CO2Rg、-O-X4-CO2Rg、-NH-X4-CO2Rg、-X4-NRhCO2Ri、-O-X4-NRhCO2Ri、-NHRjおよび-NHCH2Rjからなる群から選択され、X4はC1-4アルキレンであり;それぞれのRgおよびRhは、独立して、水素、C1-8アルキルまたはヘテロアルキル、C3-6シクロアルキルおよびC1-8ハロアルキルから選択され、または同じ窒素原子に結合されるとき、N、OまたはSから選択される環員として0から2つのさらなるヘテロ原子を有する4-、5-または6-員環を形成するように窒素原子と結合されてよく、所望により1または2つのオキソで置換されており;それぞれのRiは、独立して、C1-8アルキルまたはヘテロアルキル、C1-8ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;それぞれのRjは、C3-6シクロアルキル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびS,S-ジオキソ-テトラヒドロチオピラニルからなる群から選択され、Rg、Rh、RiおよびRjの脂肪族および環状部分は、所望により1から3つのハロゲン、メチル、CF3、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルコキシ-C1-4アルキル、-C(O)O-C1-8アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ基でさらに置換されており、所望により2つのR3基が隣接する原子であるとき、5-または6-員環を形成するように結合され;そして
Xは、水素またはCH3である]
を有する化合物およびその薬学的に許容される塩、水和物および回転異性体(rotomer)である。
R1は、H、-O-CH2-O-P(O)ORaORb、-O-C(O)-C1-6アルキレン-L2-X1、O-P(O)ORaORb、および-O-C(O)-A1-(C1-3アルキレン)n-C4-7ヘテロシクリルからなる群から選択され、C4-7ヘテロシクリルは、所望により1から6つのRc基で置換されており;
A1は、C6-10アリール、C3-10シクロアルキル、C5-10ヘテロアリールおよびC5-10ヘテロシクリルからなる群から選択され、これらのそれぞれは、所望により同じか、または異なっていてよい1から5つのRxで置換されており;
n=0または1;
L2は、独立して、結合、-O-C(O)-C1-6アルキレン-、および-NRd-C(O)-C1-6アルキレン-からなる群から選択され;
X1は、独立して、-NReRf、-P(O)ORaORb、-O-P(O)ORaORb、および-CO2Hからなる群から選択され;
R2は、H、-L3-C1-6アルキレン-L4-X2、-L3-(C1-6アルキレン)m-A2-X2、-P(O)ORaOC(O)-C1-6アルキル、-P(O)ORaNRgRhおよび-P(O)ORaORbからなる群から選択され;
L3は、独立して、-C(O)-O-、および-C(O)-からなる群から選択され;
L4は、独立して、結合、-O-C(O)-C2-6アルケニレン-、-O-C(O)-C1-6アルキレン-、および-NRd-C(O)-C1-6アルキレン-からなる群から選択され、-NRd-C(O)-C1-6アルキレン-および-O-C(O)-C1-6アルキレン-におけるC1-6アルキレンは、所望によりNReRfで置換されており;
X2は、独立して、-NRkRl、-P(O)ORaORb、-O-P(O)ORaORb、および-CO2Hからなる群から選択され;
m=0または1;
A2は、C6-10アリール、C3-10シクロアルキル、C5-10ヘテロアリールおよびC5-10ヘテロシクリルからなる群から選択され、これらのそれぞれは、所望により同じか、または異なっていてよい1から5つのRxで置換されており;
R3は、Hまたは-L5-P(O)ORaORbであり、L5は、独立して、結合および-CH2-O-からなる群から選択され;
それぞれのRxは、独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヘテロアルキル、CN、NRyRz、SRyおよびORyからなる群から選択され;
それぞれのRcは、独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヘテロアルキル、CN、NRyRz、SRyおよびORyからなる群から選択され;
それぞれのRa、Rb、Rd、Re、Rf、Rg、Rk、Rl、RyおよびRzは、独立して、HおよびC1-6アルキルからなる群から選択され;
それぞれのRhは、独立して、HおよびC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは、所望により、独立してCO2H、NRiRj、C6-10アリール、C3-10シクロアルキル、C5-10ヘテロアリールおよびC5-10ヘテロシクリルから選択される1から5つの置換基で置換されており、それぞれのRiおよびRjは、独立して、HまたはC1-6アルキルであり;
R1、R2およびR3の2つはHであり、そしてR1、R2およびR3の1つはH以外である]
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
Aは、H、アルキル、アリール、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、NH-アリール、NH-アシル、NH-ベンゾイル、NHSO3、NHSO2-アルキル、NHSO2-アリール、OH、O-アルキル、またはO-アリールであり;
Bは、アルキル、アリール、フェニル、ベンジル、ナフチルまたはインドール基、またはD-またはL-アミノ酸の側鎖であるが、グリシン、D-フェニルアラニン、L-ホモフェニルアラニン、L-トリプトファン、L-ホモトリプトファン、L-チロシン、またはL-ホモチロシンの側鎖ではなく;
Cは、D-、L-またはホモ-アミノ酸の側鎖であるが、イソロイシン、フェニルアラニン、またはシクロヘキシルアラニンの側鎖ではなく;
Dは、中性D-アミノ酸の側鎖であるが、グリシンまたはD-アラニンの側鎖、大きな平面的(bulky planar)側鎖、または大きな荷電性(bulky charged)側鎖ではなく;
Eは、大きな(bulky)置換基であるが、D-トリプトファン、L-N-メチルトリプトファン、L-ホモフェニルアラニン、L-2-ナフチル L-テトラヒドロイソキノリン、L-シクロヘキシルアラニン、D-ロイシン、L-フルオレニルアラニン、またはL-ヒスチジンの側鎖ではなく;
Fは、L-アルギニン、L-ホモアルギニン、L-シトルリン、またはL-カナバニンの側鎖、またはその生物学的等価体(bioisostere)であり;そして
X1は、-(CH2)nNH-または(CH2)nS-(ここでnは1から4の整数である);-(CH2)2O-;-(CH2)3O;-(CH2)3-;-(CH2)4-、-CH2-COCHRNH-:または-CH2-CHCOCHRNH-(ここでRは任意の一般的なまたは非一般的なアミノ酸の側鎖である)である]
の環状ペプチドまたはペプチド模倣物化合物である。
本願発明は、ここにさらに説明される。以下の段落において、本願発明の異なる局面は、さらに詳細に定義される。以下に定義されるそれぞれの局面は、明確に反対の指示がない限り、あらゆる他の1つの局面または複数の局面と組み合わせてよい。特に、好ましいまたは有利であると示されているあらゆる特徴は、好ましいまたは有利であると示されているあらゆる他の1つの特徴または複数の特徴と組み合わせてよい。
-C5の濃度を低下させる(例えば、C3転換酵素の形成および/または活性を阻害することにより;C5転換酵素の形成および/または活性を阻害することにより;C5遺伝子の転写を阻害することにより;C5 mRNAの翻訳を遮断することにより;C5 mRNAの分解を増加させることにより;C5タンパク質の分解を増加させることにより;または肝臓からのC5の分泌を防止することにより);
-C5のC5aおよびC5bへの開裂を阻害する(例えば、C5転換酵素を阻害することにより、またはC5上の切断部位に結合し、それにより開裂を遮断することにより);
-C5aの濃度を低下させる(例えば、C5aタンパク質の分解を増加させることにより);
-C5aおよびC5a受容体間の結合を阻害する(例えば、C5aに結合することにより、またはC5a受容体に結合することにより);
-C5a受容体の濃度を低下させる(例えば、C5a受容体遺伝子の転写を阻害することにより;C5a受容体 mRNAの翻訳を遮断することにより;C5a受容体 mRNAの分解を増加させることにより;C5a受容体タンパク質の分解を増加させることにより);および/または
-C5a受容体の活性を阻害する。
(i)抗体(例えば抗-C5抗体、抗-C5a抗体、抗-C5aR抗体、または抗-C5L2抗体)、
(ii)抗体の抗原結合フラグメント、
(iii)抗体様タンパク質、
(iv)C5aの阻害変異体、
(v)C5a受容体の阻害変異体(例えばデコイ受容体)、
(vi)補体経路に作用するタンパク質(例えばCoversin);および
(vii)ペプチド(例えばRA101495(Ra Pharma、Cambridge、MA));PMX-53(bio-techne GmbH (Wiesbaden-Nordenstadt、Germany))
からなる群から選択される。
(i)配列番号:6に示されている重鎖CDR3配列;または
(ii)配列番号:7に示されている重鎖CDR3配列;
を含み、重鎖CDR3配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含む。
(iii)配列番号:8に示されている軽鎖CDR3配列;または
(iv)配列番号:9に示されている軽鎖CDR3配列;
を含み、軽鎖CDR3配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含む。
(i)配列番号:6に示されている重鎖CDR3配列および配列番号:8に示されている軽鎖CDR3配列;または
(ii)配列番号:7に示されている重鎖CDR3配列および配列番号:9に示されている軽鎖CDR3配列;
を含み、重鎖CDR3配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;および
軽鎖CDR3配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含む。
(v)配列番号:10による重鎖CDR2配列;
(vi)配列番号:11による重鎖CDR2配列;
(vii)配列番号:12による軽鎖CDR2配列;
(viii)配列番号:13による軽鎖CDR2配列;
(ix)配列番号:14による重鎖CDR1配列;
(x)配列番号:15による重鎖CDR1配列;
(xi)配列番号:16による軽鎖CDR1配列;または
(xii)配列番号:17による軽鎖CDR1配列;
を含み、重鎖CDR2配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;
軽鎖CDR2配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;
重鎖CDR1配列は、所望により、1、2または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;および
軽鎖CDR1配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含む。
それぞれの重鎖CDR3配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;
それぞれの重鎖CDR2配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;および
それぞれの重鎖CDR1配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含む。
表1:本願発明の抗体またはそれらのフラグメントにおける使用のために適当な重鎖CDR配列のセット
それぞれの軽鎖CDR3配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;
それぞれの軽鎖CDR2配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;および
それぞれの軽鎖CDR1配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含む。
表2:本願発明の抗体またはそれらのフラグメントにおける使用のために適当な軽鎖CDR配列のセット
抗体IFX-1のCDR2軽鎖配列(配列番号:12)が抗体INab708のCDR2軽鎖配列(配列番号:13)と同一であるため、配列番号:13を含むセットは、配列番号:12を含むセットと冗長であるはずである。したがって、表は、軽鎖CDR配列の4つのセットのみを列挙する。
それぞれの重鎖CDR3配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;
それぞれの重鎖CDR2配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;
それぞれの重鎖CDR1配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;
それぞれの軽鎖CDR3配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、特に保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;
それぞれの軽鎖CDR2配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失、および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含み;および
それぞれの軽鎖CDR1配列は、所望により、1、2、または3つのアミノ酸交換、好ましくは保存的アミノ酸交換、1、2、または3つのアミノ酸欠失および/または1、2、または3つのアミノ酸付加を含む。
表3:抗体IFX-1およびINab708のCDRおよびFR配列(Chothia分類モード)
(a)IFX-1、INab708、MEDI-7814、ALXN-1007、またはNOX-D21、またはそれらの抗原結合フラグメント;
(b)C5aへの結合について(a)の下に示される抗体の1つと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメント;
(c)エクリズマブ、ALXN1210、ALXN5500、またはLFG316、またはそれらの抗原結合フラグメント;
(d)C5への結合について(c)の下に示される抗体の1つと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメント;
(e)CoversinまたはRA101495;
(f)C5への結合について(e)の下に示されるタンパク質またはペプチドの1つと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメントまたはタンパク質または大環状ペプチド;
(g)Zimura;
(h)C5への結合についてZimuraと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメントまたはアプタマー;
(i)AMY-201またはMirococept;
(j)C3bへの結合について(i)の下に示されるタンパク質の1つと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメントまたはタンパク質;
(k)Bikaciomab;
(l)Factor Bへの結合についてBikaciomabと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメント;
(m)Lampalizumab;
(n)Factor Dへの結合についてLampalizumabと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメント;
(o)ALN-CC5;
(p)Avacopanまたは式IIまたは式IIIに記載の化合物またはPMX-53または式IVに記載の化合物;
(q)C5aRへの結合についてavacopanまたはPMX-53と競合する、抗体またはその抗原結合フラグメント;
(r)クローン S5/1またはクローン 7H110、またはその抗原結合フラグメント;および
(s)C5aRへの結合について(r)の下に示される抗体の1つと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメント
からなる群から選択される。
-自己炎症性疾患(より正確には:皮膚、好中球性、自己炎症性疾患);または
-皮膚炎症を伴う自己免疫疾患(より正確には:皮膚、好中球炎症を伴う自己免疫疾患)
である。
-C5a活性のインヒビターは、C5aに特異的に結合する化合物である(好ましくは、IFX-1、INab708、MEDI-7814、ALXN-1007、NOX-D21、およびそれらの抗原結合フラグメントからなる群から選択される;さらに好ましくは、C5a活性のインヒビターは、IFX-1、INab708、MEDI-7814、ALXN-1007およびそれらの抗原結合フラグメントからなる群から選択される;よりさらに好ましくは、C5a活性のインヒビターは、IFX-1およびその抗原結合フラグメントからなる群から選択される;より好ましくは、C5a活性のインヒビターは、IFX-1である);および
-皮膚、好中球性、炎症性疾患は、汗腺膿瘍(HS)である;および
-化合物は、1週間に1回800mgの用量でまたは1週間に2回800mgの用量で投与される。
-C5a活性のインヒビターは、C5aに特異的に結合する化合物である(好ましくは、IFX-1、INab708、MEDI-7814、ALXN-1007、NOX-D21、およびそれらの抗原結合フラグメントからなる群から選択される;さらに好ましくは、C5a活性のインヒビターは、IFX-1、INab708、MEDI-7814、ALXN-1007およびそれらの抗原結合フラグメントからなる群から選択される;よりさらに好ましくは、C5a活性のインヒビターは、IFX-1およびその抗原結合フラグメントからなる群から選択される;より好ましくは、C5a活性のインヒビターは、IFX-1である);および
-皮膚、好中球性、炎症性疾患は、汗腺膿瘍(HS)である;および
-化合物は、1週間に1回800mgの用量でまたは1週間に2回800mgの用量で投与される。
本願発明の任意の局面の実施において、化合物(例えば本願明細書に記載されているC5a活性のインヒビター)または該化合物を含む医薬組成物は、患者において化合物の十分なレベルを提供する当分野で確立されたあらゆる経路によって、患者に投与されてよい。全身的または局所的に投与することができる。かかる投与は、非経腸的、経粘膜的、例えば、経口、経鼻、経直腸、膣内、舌下、粘膜下的、経皮、または吸入的であってよい。好ましくは、投与は、例えば、静脈内または腹腔内注射を介する、限定はしないが、動脈内、筋肉内、皮内および皮下投与も含む、非経口である。本願明細書に記載されている化合物(例えば本願明細書に記載されているC5a活性のインヒビター)または該化合物を含む医薬組成物が局所的に投与されるとき、処置される臓器または組織に直接的に注射することができる。
以下の実施例は、本願発明のさらなる説明のために提供される。しかしながら、本願発明は、これらに限定されず、以下の実施例は、上記記載に基づいて本願発明の実施可能性を単に示す。
1.1 ザイモサンA貯蔵溶液およびザイモサンA活性化血漿(ZAP)の調製
ザイモサンAを50ml滅菌塩水において2mg/mlに溶解し、100℃で1時間沸騰させた。遠心分離後、上清を廃棄し、ペレットを50ml滅菌塩水に再懸濁した。第2の遠心分離工程後、ペレットを5ml滅菌塩水に再懸濁し、20mg/ml貯蔵溶液を得た。貯蔵溶液をアリコートし、使用まで-20℃で貯蔵した。血漿を活性化するために、ザイモサンA貯蔵溶液および100μl血漿を混合し、37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、チューブを遠心し、上清をアリコートし、使用まで-20℃で貯蔵した。
ヒト全血をrhC5aまたはZAPで刺激した。rhC5aに対するIFX-1および関連のないコントロールIgG4の遮断活性を試験するために、抗体を1:1および0.5:1の最終Ab/Agモル比に希釈した。eC5aに対するIFX-1の遮断活性を試験するために、IFX-1を希釈し、約4:1/3:1/2:1/1:1/0.5:1の最終Ab/Agモル比に到達させた。バッファーのみを有する血液が非刺激コントロールとして役割を担い、ベースラインCD11b発現を評価した。抗体単独を有する血液を使用し、非刺激条件下で抗体のCD11b発現の効果を決定した。完全な混合物(Ab/Ag/血液)を37℃で20分間インキュベートし、CD11bのC5a誘導上方制御を評価した。抗-マウスCD11b:FITCの付加後、サンプルを氷上で30分間インキュベートし、背景染色を最小限にした。顆粒球をゲートし(gated)、FITC標識(CD11b発現)顆粒球の平均蛍光強度(MFI)をフローサイトメーターにより試験した。
ヒト血液をrhC5aまたはザイモサンAで刺激し、完全な混合物(Ab/Ag/血液)を37℃で20分間インキュベートし、CD11bのC5a誘導上方制御を刺激した。インキュベーション後、2μlの抗-マウスCD11b:FITCまたはアイソタイプ:FITCコントロールを加え、サンプルを氷上で30分間インキュベートし、背景染色を最小限にした。溶解後、フローサイトメーターを使用して細胞を分析した。FSC/SSC ドット-プロット(dot-plot)に関して、顆粒球をゲートし(gated)、FITC標識(CD11b発現)顆粒球の平均蛍光強度(MFI)を全サンプルセットについて試験した。
取扱説明書において「Assay procedure」(eBioscience Inc., San Diego, CA)の下に推奨されるとおりに、ヒトIL-8 ELISAを行った。簡潔には、100μl 1x 捕捉抗体を使用して一晩4℃で被覆を行った。200μl 1x アッセイ希釈剤を使用してRTで1時間プレートをブロックした。標準貯蔵溶液を1x アッセイ希釈剤で所望の濃度に希釈し、次に6連続1:2希釈した。必要に応じて1x アッセイ希釈剤においてサンプル上清を希釈した。「Assay procedure」によると、100μlの標準希釈物およびサンプル希釈物を被覆プレートに加え、RTで1時間インキュベートし、次に、100μl 1x 検出抗体(RT、1時間)および100μl 1x アビジン-HRP(RT、30分)とインキュベーションした。暗所でRTで10分間100μlTMB基質溶液で発色を行い、100μl停止溶液で終了させた。450nmでプレートリーダーを使用して、吸光度を30分以内に読み出した。全ての標準およびサンプルからゼロ標準値(ブランク)を引いた。サンプルのサイトカイン濃度を、含まれる標準サンプルのlog(x)/log(y)標準曲線を使用して計算した。
精製された抗-ヒトC5aモノクローナル抗体(InflaRx GmbH, Jena, Germany)を、ELISAプレート上で0.5μg/mLの最終濃度で一晩被覆した。アッセイ希釈剤(0.05% Tween 20および2% 加熱不活性化FBSを有する1x PBS)での遮断後、アッセイ希釈剤において希釈されたキャリブレーションサンプル(組換えヒトC5a、Sigma, Taufkirchen, Germany)およびサンプルを室温で90分インキュベートした。アッセイ希釈剤において2μg/mLに希釈されたマウス抗-ヒトC5/C5a抗体 クローン561(Hycult Biotech, Uden, The Netherlands)を、室温で60分間インキュベーションに関して一次検出抗体として適用し、次にアッセイ希釈剤において0.05μg/mLに希釈された二次セイヨウワサビペルオキシダーゼ標識抗体(ヤギ抗-マウスIgG2aポリクローナル抗体、SouthernBiotech, Birmingham, USA)と30分インキュベーションした。テトラメチルベンジジン基質溶液(TMB, Biozol, Eching, Germany)で発色を行い、3.7N硫酸で停止させた。Tecan MagellanTMを備えたTecan Infinite(登録商標) 200 reader(Tecan Group, Maennedorf, Switzerland)により450nmの吸光度としてODを読んだ。社内で開発されたC5a ELISAを、生物学的分析方法検証に関するEMAガイドラインにしたがって検証した。
補体活性化産物C3a、C5aおよび膜侵襲複合体C5b-9の濃度を、ELISAにより測定した。C3a ELISA(BD OptEIATM Human C3a ELISA Kit、BD Bioscience, Germany)を、製造業者の指示にしたがって行った。BD OptEIATM Human C5b-9 ELISA Set(BD Bioscience)に基づくInflaRxにより検証されたC5b-9 ELISAを使用して、C5b-9濃度を決定した。上記InflaRxにより確立および検証されたC5a ELISAを使用して、C5a濃度を測定した。
全ての結果を平均±標準偏差として示した。グループ間の統計的差異を、ベースライン補正後、Tukeyの多重比較試験を含む一元配置分散分析により、または2グループについてスチューデントのt検定により計算した。0.05のp値を計算において使用して、任意の2グループ間の有意な差異があるか否かを決定した。グラフの作成および統計分析を、GraphPad PRISM(登録商標) V6.05 (CA, USA)で行った。
2.1 C5aによる好中球活性化およびIFX-1の遮断効果
CD11b上方制御が好中球活性化について感受性特徴であるため、好中球におけるCD11bレベルを使用して、好中球活性化を評価した。この試験において、ヒト全血モデルを使用して、組換えヒトC5a(rhC5a)に対するIFX-1の遮断活性を評価した。ヒト全血をバッファー、抗体単独、rhC5a単独、または異なる抗体濃度およびrhC5aの組合せとインキュベートした。インキュベーション後、細胞を抗-マウスCD11b:FITCで染色し、CD11b MFIを血中好中球の活性化レベルについて確認するフローサイトメトリーにより分析した。図1に示されるとおり、組換えヒトC5aは、ヒト好中球におけるCD11b上方制御を強く刺激する。この効果は、抗-ヒトC5a抗体 IFX-1の存在下で完全に遮断することができる。この阻害は強く特異的であり、不適切なヒトIgG4抗体は遮断活性を示さなかった。
活性な真菌壁構成成分としてのザイモサンAは、高められたサイトカインおよびケモカインのレベルでの好中球の活性化により特徴付けられるように、ヒト全血において強い炎症性応答を誘導することができる。この試験において、ヒト全血をIFX-1の存在または非存在下でザイモサンAとスパイクし、血中好中球におけるCD11b発現をフローサイトメトリー分析により測定した。図3に示されるとおり、血中好中球におけるCD11bは、ザイモサンの存在でヒト全血において強く上方制御された。ザイモサン刺激によるCD11b上方調節は、加えられたIFX-1の濃度に依存して79%-93%に抑制することができる。ポジティブコントロールとして、rhC5aによって刺激されたCD11b上方制御は、IFX-1によって100%遮断された。したがって、ザイモサンA刺激時の血中好中球におけるCD11b上方制御はeC5aによって主に引き起こされることが肯定される。加えて、eC5aは、ザイモサンAによって全血において生成されると、最初にIFX-1に結合し、それによりその天然受容体へのその接近を遮断すると結論付けることができる。
3.1 臨床サンプルから得られるデータ
3.1.1 HS患者における補体活性化
HSを有する合計54人の患者および14人の健常者を、試験において登録した。患者をギリシャのATTIKON大学病院の感染症の免疫の外来部門において追跡下である。試験は、病院の倫理委員会によって承認された。書面によるインフォームドコンセントが全ての患者によって提供された。HSの診断は、以下の基準:a)思春期後の早期発症;b)アポクリン腺にて豊富な皮膚の領域における皮下結節の存在;およびc)患部からの膿の反復性排膿の適合履歴、に基づいた。
好中球活性化にてHS血漿サンプルにおいてC5aの役割を決定するために、高レベルのC5aを有するHS血漿サンプルを選択し、ヒト全血モデルを使用することによって評価した。図6に示されるとおり、低いC5aレベルを有するコントロール血漿サンプル(Ctrl 008およびCtrl 012)と対照的に、高レベルのC5aを有するHS血漿サンプル(Pat.088およびPat.092)は、血中好中球におけるCD11b発現を強く上方調節した。組換えヒトC5aをポジティブコントロールとして使用し、一方、健常者からの血漿をネガティブコントロールとして使用した。HS血漿によって誘導されるCD11b上方調節は、IFX-1によって100%抑制することができ、C5aが好中球活性化を開始するためのHS血漿において最も重要な活性化因子であることを示す。これらの新規な結果から、本願発明者らは、HS患者においてC5aの遮断が、好中球活性化の強い抑制をなし遂げるために十分であると結論付けた。
3.2.1 試験設計
中程度から重度の汗腺膿瘍を有する11人の患者においてオープンラベル第II相試験を、ギリシャのATTIKON大学病院の内科で実施した。
1.男性または女性患者>18歳
2.書面によるインフォームドコンセント
3.少なくとも1年間のHSの診断
4.1つがHurley Stage IIまたはIIIである少なくとも2つの異なる解剖学的領域のHS病変
5.総AN(膿瘍および小節)数>3
6.生物学的処置の一次的または二次的機能不全のいずれかを有する、または他の生物学的処置に適していない患者
注意:一次的機能不全は、効果なしの生物学的化合物での少なくとも12週処置として、二次的機能不全は、生物学的化合物での少なくとも12週処置後の最初の反応を成し遂げ、次に再発として定義される
7.以前の抗菌剤処置の失敗
1.150kgを超える体重または60kg未満の体重
2.ベースラインでの30以上の排液性瘻孔数を有する
3.次の24週以内に計画される外科的操作
4.過去14日間以内に静脈内抗菌剤処置に至るHSの再燃の発生
5.試験製品の評価、結果評価、または試験の満足な実施を妨げる可能性のある他の疾患および状態
a)活動性感染
b)重度の鬱血性心不全(すなわち、NYHAクラスIV)
c)鬱病
d)全身性エリテマトーデスまたはリウマチ性関節炎の病歴
e)免疫不全疾患
f)活動性血液または固形悪性腫瘍
g)患者は、HSの評価を妨げる可能性のある他の活動性皮膚疾患または状態(例えば、細菌、真菌、またはウイルス感染)を有していてはならない
6.次の異常な検査結果の1つ
a)白血球数<2,500/mm3
b)好中球数<1000/mm3
c)血清クレアチニン>3x正常上限(UNL)
d)総ビリルビン>2xUNL
e)アラニン-アミノトランスフェラーゼ(ALAT)>2xUNL
f)B型肝炎、C型肝炎、またはHIV 1/2について陽性スクリーニング試験
7.過去3月において生物学的化合物の事前投与
8.過去3週間の1mg/kg以上のプレドニゾンまたは同等物の1日摂取として定義されるコルチコステロイドの摂取;
9.過去30日間以内の免疫抑制剤の摂取(例えば、シクロスポリン、タクロリムス)
10.一般的な除外基準
a)妊娠中(妊娠可能性のある女性において、尿妊娠検査が実施されるべきである)または授乳中の女性
b)試験に参加している間、適当な避妊手段を実践する意思がない(例えば、インプラノン、注射、経口避妊薬、子宮内避妊具、精管切除術パートナー、自制)妊娠可能性のある女性(最後の月経から2年以内と定義される)
c)過去3か月以内の介入臨床試験への参加
d)既知の静脈内薬物乱用
e)治験実施施設の従業員、治験スタッフ(例えば、治験担当医、治験分担医師、または治験看護師)の配偶者/パートナーまたは親族、またはスポンサーとの血縁関係
IFX-1は、HS患者によって良好な忍容性である。処置期間にわたって報告された薬物関連の重篤な有害事象はなかった。
表4.有効性パラメーターとしてHiSCRを使用する完了された臨床試験
1 Humira EMA 評価レポート:
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Assessment_Report_-_Variation/human/000481/WC500195564.pdf
2 アナキンラ試験(Tzanetakou and others, 2016)
3 プレスリリース XBiotech(http://investors.xbiotech.com/phoenix.zhtml?c=253990&p=irol-newsArticle&ID=2246777)
4.1 目的
以下の試験の目的は、抗-ヒトC5aモノクローナル抗体IFX-1、抗-ヒトC5a受容体C5aR(CD88)抗体、およびC5aRアンタゴニストならびにC5aRインヒビターによる、好中球の表面における汗腺膿瘍(HS)患者血漿誘導CD11b上方調節の遮断を証明することであった。
炎症の部位での好中球の蓄積は、CD11b(インテグリンアルファMとしても知られている)を含む接着分子の発現に依存する(Larson and Springer, 1990; Carlos and Harlan, 1990)。細胞内プールから好中球の表面へのCD11b/CD18の上方調節および動員は、ヒト好中球のローリング作用および移動に不可欠である(Smith et al., 1989)。したがって、CD11b/CD18の発現の増強は、炎症を引き起こす事象を反映する。ヒトCD11bアッセイは、好中球の表面上のFITC-コンジュゲートされた抗-CD11b抗体を検出するために、フローサイトメトリーを使用して行われる。HS患者血漿サンプルにおいて活性化された補体産物、とりわけ上昇した内因性C5a(eC5a)は、好中球における受容体C5aR(CD88)へのC5aの結合を介するCD11b発現を強く上方制御することができる。結果として、C5a-C5aR軸の遮断は、好中球の表面上のCD11b上方調節を廃止または減衰すると予期される。
4.3.1 サンプル
Hidradenitis Suppurativa Foundation 2009のコンセンサス定義および診断基準によると、2人のHS患者(Pat. 088 & Pat. 092)および2人の健常コントロール(Ctrl 009 & Ctrl 010)の血漿サンプルをこの試験に含んだ。補体系は、C3a、C5aおよびC5b-9の上昇したレベルに現れるように、HSの病因において活性化された(以下の表5参照)。患者088および092(それぞれ93.77ng/mLおよび70.01ng/mL)のC5aレベルは、健常コントロールのもの(21.02ng/mLおよび11.77ng/mL)よりも優位に高い。
表5.試験対象の血漿サンプルにおいて測定された補体因子の濃度
・AnalaR水、VWR (Darmstadt、Germany)、Cat. No. 102923C、NORMAPUR 分析用、滅菌フィルター済
・ACD、Sigma Aldrich (Taufkirchen、Germany)、Cat. No. C3821-50ML
・フローサイトメーターのための試薬
○ FACS Flow Sheat Fluid、BD Bioscience (NJ、USA)、Cat. No. 342003
○ FACS Shutdown溶液、BD Bioscience (NJ、USA)、Cat. No. 334224
○ FACS Clean溶液、BD Bioscience (NJ、USA)、Cat. No. 340345
○ ラット抗マウスCD11b:FITC、BD Bioscience (NJ、USA) Cat. No. 553310、0.5mg/mL
○ 10×FACS Lysing 溶液、BD Bioscience (NJ、USA)、Cat. No. 349202 → 希釈標準溶液: 1× FACS Lysing溶液 (AnalaR水において1:10希釈された)
○ Stainingバッファー:1×PBS溶液における 1% 加熱不活性化FBS + 0.1% アジ化ナトリウム
・FBS、Thermo Fisher Scientific (Darmstadt、Germany)、Cat. No. 10099133 熱不活性化: 56℃、30分
・PBS粉末、Sigma Aldrich (Taufkirchen、Germany)、Cat. No. P3813-10PAK
・アジ化ナトリウム、VWR (Darmstadt、Germany)、Cat. No. 1.06688.0250
・組換えヒトC5a(rhC5a)、Hycult Biotech (Uden、Netherlands)、Cat. No. HC2101、滅菌AnalaR水に溶解された大腸菌において発現された
・0.9% 滅菌塩化ナトリウム (塩水)、B.Braun (Melsungen、Germany)、Cat. No. 3200950
・IFX-1、コントロールとして適用される抗-ヒトC5a抗体、InflaRx (Jena、Germany)、PBS + 0.05% Tween80中10mg/mL
・PMX-53、bio-techne (Wiesbaden-Nordenstadt、Germany)、Cat. No. 5473
・抗-C5aR(CD88)抗体 クローン S5/1、Hycult Biotech (Uden、Netherlands)、Cat. No. HM2094
・抗-C5aR(CD88)抗体 クローン 7H110、biomol (Hamburg、Germany)、Cat. No. C2439-60N
・Avacopan、MedKoo Biosciences Inc. (Morrisville、USA)、Cat. No. 319575
・12% ACDを含む健常ドナーからのヒト血液(即時使用)
・Jena University Hospitalからのヒト血漿プール(クエン酸血漿)
フローサイトメーター(DIVA ソフトウェア V6.1.2を備えたFACS Canto II)
a)ヒトCD11b効力アッセイ(フローサイトメトリーアッセイ)
2人の患者血漿サンプルPat. 088およびPat. 092(5μL)を、100μLの全容量においてC5a-C5aR軸ブロッカー(抗-C5a抗体IFX-1、抗-C5aR抗体クローン S5/1およびクローン 7H110、C5aR アンタゴニスト PMX-53、およびC5aRインヒビター Avacopan; 10μL)の非存在または存在において、新鮮なヒト血液(60μL、好中球の供給源として)とインキュベートした。患者サンプルに適用される手順にしたがって調製される2つのコントロール血漿サンプル(Ctrl 009およびCtrl 010、5μL)は、非特異的活性化のためのコントロールとして機能した。塩水のみ(40μL)または正常ヒト血漿プール(huPP 5μL + 塩水 35μL)を有する血液は、CD11bのベースライン発現を定義するために非刺激コントロールとして機能した。正常ヒト血漿プールを有し、組換えヒトC5a(rhC5a)でスパイクされた血液サンプルは、刺激する条件を模倣した。全てのサンプルを、CD11b上方調節を活性化するために、37℃で20分間インキュベートした。氷上で冷却後、2μLのFITC-コンジュゲートされた抗-マウスCD11b抗体をサンプルに加えた。バックグラウンドシグナルを最小限にするために、標識されたサンプルを暗所でさらに30分間氷上に放置した。次に、赤血球を室温で10分間で1× FACS Lysing 溶液で溶解した。2mL Stainingバッファーを使用して、残りの細胞を2回洗浄した。2500rpmで3分間遠心分離後、細胞を0.5mL Stainingバッファーに再懸濁し、FACS分析の準備をした。FSC対SSCプロットにゲートを設定して、好中球のサイズを有する細胞のみを分析できるようにした。
BA(%)=(MFI患者血漿-MFI試験物質スパイク患者血漿)÷(MFI患者血漿-MFIhuPP)×100
グラフは、GraphPad Prism 7 (CA、USA)で作成された。
好中球におけるインテグリンCD11bの発現
好中球におけるCD11b発現を、2人の健常血液ドナー(Ctrl 009およびCtrl 010)および2人の診断されたHS患者(Pat. 088およびPat. 092)からの血漿サンプルで評価した。Ctrl-サンプルの平均蛍光強度(MFI)は2156.9±114.3であり、これは非刺激CD11bベースライン発現範囲内にある(MFI<3500)。対照的に、CD11b発現の2.3から3.9倍の上昇が、HS患者サンプル(Pat. 088、Pat. 092)または20nM 組換えヒトC5a(rhC5a)のいずれかによって誘導された(図8、9、10および11;表6、7および8)。これらのデータは、有意に上方調節されたCD11b発現がHS患者において炎症性因子によって介在されたことを示唆する。補体活性化産物、とりわけC5aは、CD11b上方調節において主な役割を果たすと仮定される(表5)。
表6.補体因子誘導CD11b上方調節に対する抗C5aR抗体 クローン S5/1および7H110、およびC5aRアンタゴニストPMX-53の遮断活性
図8に示されるとおり、rhC5a(20nM)および高レベルのeC5aを有する2つのHS患者血漿サンプル(Pat. 088およびPat. 092)は、血液好中球におけるCD11b発現を強く上方調節したが、50nMの最終濃度でのC5aRを標的とする遮断抗体の存在は、rhC5aまたはHS患者血漿サンプルのいずれかによって駆動されるCD11b発現を有意に弱めることができた。71%から79%の範囲である高い遮断活性が抗-C5aR抗体、クローン 7H110およびクローン S5/1を使用することによって成し遂げられた(図8、表9および6)。対照的に、小さなヘキサペプチドであるC5aRアンタゴニストPMX-53は、C5aR特異的モノクローナル抗体ほど効果的ではなかった。同じ濃度のPMX-53(50nM)によって得られた遮断活性は、50%から57%内であった(図9A、表9および6)。C5aR阻害を介してCD11b上方調節の廃止がなし遂げることができるか否かを試験するために、高濃度のPMX53(20μM)を同じ実験セットアップで遮断活性についてさらに評価した。結果として、HS患者血漿サンプルならびにrhC5aによって誘導されるCD11b上方調節は、高レベルのPMX-53の存在において完全に無効にされた(図9B、表9および7)。同様のデータが、C5aRインヒビターであるAvacopanの存在下でなし遂げられた(図11、表8および9)。100μM Avacopanの存在下での遮断活性が77%から80%内であり、HS患者血漿によって誘導されるCD11b上方調節は500μM Avacopanの存在下で完全に遮断された(図11、表8および9)。
表8.補体因子誘導CD11b上方調節に対するC5aRインヒビターであるAvacopanの遮断活性
上記と同じ実験設定を使用することによって、予期されるとおり、rhC5aおよびHS患者血漿サンプル(Pat. 088およびPat. 092)は血液好中球におけるCD11b発現を強く活性化し、20nMという低濃度でのIFX-1の付加はCD11b上方調節を完全に無効にすることができた(図10)。これらの結果は、IFX-1がC5a/C5aR駆動炎症性応答を阻害することにおいてより効率的であることを示す。
総合すれば、我々の結果は、C5a標的アプローチ、すなわち抗C5aモノクローナル抗体であるIFX-1の適用がC5a介在CD11b上方調節を効果的に無効にすることを示す。さらに、抗C5aR抗体、C5aRアンタゴニストならびにC5aRインヒビターはまた、同じ実験条件下で強い遮断活性を示した。したがって、遮断抗体またはアンタゴニストでのC5aRの標的化は、炎症状態、例えばHS下でC5a/C5aR軸を遮断する代替戦略を示す。
Claims (1)
- 対象において皮膚、好中球性、炎症性疾患の処置における使用のための、化合物を含む組成物であって、化合物は、C5a活性のインヒビターであり、皮膚、好中球性、炎症性疾患は、汗腺膿瘍(HS)であり、C5a活性のインヒビターが、C5a受容体に直接的に結合し、そしてC5a受容体の活性を阻害し、そしてC5a活性のインヒビターが、avacopanである、組成物。
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