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JP7498588B2 - 金属樹脂複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、金属樹脂複合体に係り、更に詳細には、金属材と樹脂との局所的な剥離を防止した金属樹脂複合体に関する。
自動車部品においては、樹脂と金属材との複合体を用いて車両重量の軽量化が図られており、樹脂と金属材との接合には、接着剤が多用されている。
樹脂と金属材とを接合する接着剤が多く開発されてはいるが、金属と樹脂とでは熱収縮率が異なるため、金属部材と樹脂に挟まれた接着剤に残留剪断応力が発生し、接着剤が破断して剥離が生じやすい。
特許文献1の特開2010-149511号公報には、アルミニウム基材の表面を、酸処理、ソーダ処理、アミン処理、陽極処理、塩基処理またはレーザー処理で前処理し、上記アルミニウム基材に射出成形法や圧縮成形法などによって熱可塑性樹脂を付与することが記載されている。
そして、この成形法によれば、熱可塑性樹脂とアルミニウム基材とが堅固に連結され、熱可塑性樹脂とアルミニウム基材とを、接着剤を介さずに連結した軽量部材を作製できる旨が記載されている。
特開2010-149511号公報
しかしながら、本発明者は、アルミニウム基材を前処理し、表面に凹凸を形成したとしても熱可塑性樹脂とアルミニウム基材とが局所的に剥離が生じることがあることを知見した。この剥離はリブの接合部(根元)付近で生じ易い。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リブの接合部付近で生じるメタルシートと樹脂部との局所的な剥離を防止した金属樹脂複合体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、成形の際、樹脂の体積が周囲に比して大きく、局所的に冷え難いリブの接合部付近を冷却し易くし、メタルシートに付与した樹脂全体の冷却速度を均一化することで、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の金属樹脂複合体は、メタルシートと、該メタルシートの主面の一方に接合した樹脂部とを備える。
そして、上記樹脂部が、上記メタルシートの主面の少なくとも一部を覆うスキン部と、該スキン部の積層方向の厚みが上記スキン部よりも大きいリブ部とを有し、上記樹脂部は、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルファイド、ポリブチレンテレフタレート及びポリフタルアミドからなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であり、
上記リブ部が、その内部に上記樹脂部を構成する樹脂よりも熱伝導率が高い材料から成り、内部に樹脂を含まない中空構造の熱伝導部を有し、
上記熱伝導部が、金属材もしくは炭素繊維強化樹脂から成り、
上記熱伝導部が、上記メタルシートと一体形成されている、もしくはメタルシートと当接していることを特徴とする。
本発明によれば、リブ部の内部に熱伝導部を設けることとしたため、リブの接合部付近で生じるメタルシートと樹脂部との局所的な剥離を防止した金属樹脂複合体を提供することができる。
リブの接合部(根元)付近で生じる局所的な剥離を説明する図である。 本発明の金属樹脂複合体の一例をリブの厚さ方向に沿って切ったときの断面図である。 中空構造の熱伝導部を用いた金属樹脂複合体の一例を示す断面図である。 金属樹脂複合体をリブの中心でリブの面方向に沿って切ったときの断面図である。 金型に配置された熱伝導部が金型で押圧されてメタルシートに当接する状態を説明する図である。 メタルシート側の根元部の厚い熱伝導部を有する金属樹脂複合体の断面図である。 金属樹脂複合体を熱伝導部の面方向に沿って切ったときの断面図である。 貫通孔を有する熱伝導部を設けた金属樹脂複合体の一例を示す断面図である。 楔型のリブを設けた金属樹脂複合体の一例を示す断面図である。 スキン部の厚さよりも厚いリブを設けた金属樹脂複合体の一例を示す断面図である。
本発明の金属樹脂複合体について詳細に説明する。
上記金属樹脂複合体は、メタルシートと、該メタルシートの主面の一方に接合した樹脂部とを備え、上記樹脂部が、上記メタルシートを覆うスキン部と、該スキン部から立ち上がるリブ部とを有する。
そして、上記リブ部が、その内部に上記樹脂部を構成する樹脂よりも熱伝導率が高い熱伝導部を有し、上記熱伝導部が、上記メタルシートから立設していることを特徴とする。
まず、リブの接合部付近で生じるメタルシートと樹脂部との局所的な剥離について説明する。
図1にリブ部を有する一般的な金属樹脂複合体を示す。
金属樹脂複合体の樹脂部は、図1に示すように、メタルシートの主面を覆うスキン部と、補強構造としての上記スキン部から立ち上がるリブを有する。
射出成形等によって溶融した樹脂をメタルシートに付与し成形する際、上記リブ部は、その周囲のスキン部よりも樹脂の厚さが厚いため、リブの接合部(根元)付近の樹脂は冷却され難い。このため、溶融した樹脂はリブの接合部から遠いスキン部から固化し、リブの接合部付近の樹脂が最後に固化することとなる。
このとき、メタルシートと樹脂との線膨張率が異なるため、メタルシートと樹脂との接合面は温度低下に伴って線膨張率差による応力を受ける。
そして、リブの接合部から遠いスキン部の樹脂は、先に固化しメタルシートと接合して流動性を失っているため、図1中、矢印で示すように、最後に固化するリブの接合部付近に上記応力が集中し、局所的なヒケが生じて剥離が生じるのではないかと推察される。
本発明の金属樹脂複合体は、図2に示すように、リブ部の内部に樹脂部を構成する樹脂よりも熱伝導率が高い熱伝導部を有し、この熱伝導部は上記メタルシートと当接している。
このため、リブを構成する樹脂が熱伝導部で厚さ方向に分割されてその厚さが薄くなって冷却され易くなると共に、リブ部の熱が上記メタルシートに当接した熱伝導部を介してメタルシート全体に伝わり、リブの接合部付近の樹脂が冷やされ易くなる。このため、リブの接合部付近の樹脂の冷却速度とスキン部の樹脂の冷却速度とが均一化される。
したがって、上記線膨張率差により生じる応力がリブの接合部付近に集中せず、メタルシートと樹脂との接合面の全体に分散され、リブの接合部付近で生じる局所的な剥離を防止できる。
(熱伝導部)
上記熱伝導部としては、樹脂部を構成する樹脂よりも熱伝導率が高いものを使用することができ、金属材や炭素繊維強化樹脂を使用することができる。
上記金属材としては、アルミニウムやアルミニウム合金を挙げることができる。
また、炭素繊維強化樹脂としては、炭素繊維の織布や不織布で強化された炭素繊維強化樹脂を挙げることができ、上記炭素繊維としては、連続繊維又は短繊維のいずれであってもよいが、特に短繊維である場合は、繊維の体積含有率(Vf)が40%以上である熱伝導率が高い炭素繊維強化樹脂であることが好ましい。
上記熱伝導部は、溶融した樹脂の熱をメタルシートに伝えることができればよく、熱伝導部とメタルシートとが一体形成されていても、熱伝導部がメタルシートと当接していればメタルシートと別部材で形成されていてもよいが、別部材で形成されていることが好ましい。
熱伝導部を一体化したメタルシートでは、金型のリブ形成部とメタルシートに形成された熱伝導部とが一致するように、上記メタルシートを金型に対して精緻に配置する必要があるのに加えて、予め熱伝導部(リブ)を形成したメタルシートは鋳造で成形する必要があるため、生産性低下の原因となることがある。
熱伝導部がメタルシートと別部材で形成されていると、成形の際、熱伝導部を金型のリブ形成部の所定の位置に配置することが容易であり、金型に対する熱伝導部の位置ズレを防止して熱伝導部がリブの厚さ方向中央に位置することで、該熱伝導部の両側の樹脂を均等に冷却できる。加えて、熱伝導部が別部材であると、メタルシートをプレス成型によって成形が可能であるため、生産性が向上する。
熱伝導部の形状は、リブ部を構成する樹脂の冷却速度が均一になれば特に制限はないが、リブ部の形状と略相似形をした板状であると冷却速度を均一化し易い。
また、リブ部の厚さを厚くしたい場合は、図3に示すように、箱型の中空構造を成している熱伝導部を使用することもできる。中空構造を成す熱伝導部は、軽量であると共にリブ部の厚さを厚くしてもリブを構成する樹脂の厚さを薄くすることができ、上記樹脂の冷却速度を向上させて、軽量化と強度向上とを両立させることができる。
また、メタルシートがハット形状である場合、熱伝導部はその端面のうち複数の端面がメタルシートに当接していることが好ましい。図4に金属樹脂複合体をリブの面方向に沿って切ったときの断面図を示す。
図4に示すように、熱伝導部の複数の端面がメタルシートに当接していることで外部からの曲げ入力に対する補強強度が向上し、金属樹脂複合体の剛性が向上する。
上記別部材の熱伝導部は、図5に示すように、金型に配置された後、型閉じによって金型から押圧されて上記メタルシートに当接とする。熱伝導部は、寸法誤差を吸収しメタルシートと確実に当接させるため、メタルシートと接する部位に伸縮部を有することが好ましい。
上記伸縮部の構造としては、蛇腹構造やスポンジ状の多孔構造を挙げることができる。
また、熱伝導部の厚さは、図6に示すように、上記メタルシート側の根元部がメタルシートとは反対側の先端部よりも厚いことが好ましい。メタルシート側の根元部分が厚いことで、熱伝導部とメタルシートとの当接面積が増加して熱伝導性が向上し、リブの接合部付近の樹脂の冷却速度とスキン部の樹脂の冷却速度とを均一化できる。
上記熱伝導部は、上記のように型閉じによって、金型に押圧されてメタルシートに当接するため、少なくとも金型と当接した箇所がリブ部の先端から露出する。
上記露出部を少なくしたい場合は、熱伝導部のメタルシート側とは反対側に突起部を設け、金型でこの突起部を押圧するようにすることで、上記突起部を除く側面や先端部を含めた熱伝導部の全体を樹脂で覆うことができる。
金属樹脂複合体を熱伝導部の面方向に沿って切ったときの断面図を図7に示す。
このようにすることで、熱伝導部のほぼ全体が樹脂で覆われて、熱伝導部と樹脂との接着面が増大し部品強度が向上する。また、予め金型に突起部の形状に合わせた凹部を形成しておき、該凹部に上記突起部を嵌合させることで、熱伝導部の位置ズレを防止できる。
上記熱伝導部は、図に示すように、リブ部の厚さ方向に貫通する貫通孔を有することが好ましい。
射出成形等によって溶融した樹脂をメタルシートに付与し成形する際、ゲートから金型内に射出された樹脂はメタルシートに沿って流動する。
このため、リブの高さによっては、熱伝導部が樹脂の流れを阻害し、該熱伝導部から先に樹脂が充填されないショートショットの原因とならないように、リブの樹脂部分を厚くして樹脂が回り込めるようにしたり、リブ部のないスキン部から樹脂が流れるように設計したりする必要が生じる。
熱伝導部が貫通孔を有することで、射出された樹脂が該貫通孔を通って該熱伝導部から先にも樹脂が充填され易くなり、リブの樹脂部分を薄くできるのに加えて、樹脂が冷えた後には、熱伝導部の一方の主面側の樹脂と他方の主面側の樹脂とが貫通孔を通じて連続するため、リブの機械的強度が向上する。
上記貫通孔を形成する位置は、リブの形状や大きさなどにもよるが、熱伝導部の面内に存在すればよい。熱伝導部の端、すなわち、貫通孔ではなく切り欠きであると、リブの縁部に位置することになるため、該切り欠きを通過する樹脂が冷えやすく流動性を失って詰まりが生じ、樹脂の流れが阻害され易くなる。
上記貫通孔の形状は特に制限はなく、円形や楕円形の他、三角形や四角形などの多角形であってもよく、格子状であってもよい。
貫通孔の短手方向の径は、流動する樹脂の粘度、射出圧や、後述する樹脂部中に含まれる炭素繊維の長さなどにもよるが、1mm以上であると、リブ部の熱伝導部から先に樹脂を流すことが容易である。貫通孔の数は熱伝導部の大きさによって決めればよく1つであっても複数であってもよい。
また、熱伝導部の主面に対する貫通孔の開口率は、50%未満であることが好ましい。
貫通孔の開口率が上記範囲内であると、熱伝導部の熱伝導性が大幅に低下せずに、樹脂の均一な冷却が可能である。
熱伝導部は、その表面が粗面化されて凹凸を有することが好ましい。
表面に凹凸を有することでリブ部を構成する樹脂との接着面積が大きくなり、樹脂との接着が強固になる。
粗面化処理としては、例えば、サンドブラスト処理、液体ホーニング処理、バフ研磨、研磨シートによる研磨などの機械的な粗面化処理の他、熱伝導部がアルミニウム等の金属材である場合は、酸処理、化学エッチングなどを挙げることができる。
なかでも、化学エッチングは、機械的な粗面化処理と異なり、開口径よりも内径が大きい孔を形成して粗面化することができ、射出成型法や射出プレス法により上記孔内に樹脂が充填されることでアンカー効果が得られ、熱伝導部と樹脂とを強固に接着できる。
上記化学エッチングは、メタルシートを、アンモニア、ヒドラジン及び/又は水溶性アミン化合物の水溶液に浸漬して行うことができる。
具体的には、40℃~70℃に加温した3%~10%のヒドラジン一水和物水溶液にメタルシートを数分浸漬した後、水洗することで、大きな孔の内部に小さな孔が多数形成されて、複数の空間がトンネルで繋がったアリの巣状の多孔構造による粗面化が可能である。
上記多孔構造の孔径は、30nm~50μm以下であることが好ましい。30nm以上であれば孔内に樹脂が侵入して樹脂と噛合結合し、50μm以下であることで効率よく比表面積を増大させることができる。
(樹脂部)
上記のように、上記樹脂部はメタルシートを覆うスキン部と、該スキン部から立ち上がるリブ部とを有する。
上記スキン部の厚さは、1mm以上3mm以下であることが好ましい。1mm未満では、キャビティが狭く充填距離が長くなるため射出成型法や射出プレス法では成形が困難であり、3mmを超えると軽量化の効果が低下する。
上記リブ部の断面形状は、特に制限はなく、金属樹脂複合体に要求される強度などによって適宜設計することができる。
例えば、図に示すように、メタルシート側が厚く、かつメタルシートとは反対側の先端側が薄い楔型の断面形状であってもよく、また、図10に示すように、スキン部の樹脂の厚さよりも厚く、かつメタルシート側から先端側まで均一な厚さの長方形をした断面形状であってもよい。
リブのメタルシート側を厚くすることで、外部から応力を受けやすいメタルシート側を補強することができる。また、メタルシートから遠い先端側の樹脂の厚さを薄くすることで、金型から取り出した後にメタルシート側に伝熱し難い先端側の樹脂が冷えやすくなる。
上記樹脂部を構成する樹脂としては、射出成型法や射出プレス法により成形可能な熱可塑性樹脂を使用でき、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフタルアミドなどを挙げることができる。
また、上記樹脂部は、炭素繊維の体積含有率(Vf)が20%以上40%未満であることが好ましい。炭素繊維の含有量が上記範囲を満たすことで、金属樹脂複合体の剛性を向上できる。
(メタルシート)
上記メタルシートとしては、アルミニウムやアルミニウム合金の薄板を使用することができる。メタルシートの厚さは、要求される強度にもよるが、0.5mm以上2.5mm以下にすることで、大幅な軽量化が可能である。
上記メタルシートは、少なくとも一方の面が粗面化されていることが好ましい。樹脂部との接着面が粗面化されていることでさらに強固に接着することができる。
メタルシートは、上記熱伝導部と同様の方法で粗面化できる。
(成形方法)
上記金属樹脂複合体は、射出成型法や射出プレス法やプレス成型法により作製できる。
上記射出プレス法は、金型が僅かに開いた状態で射出材を射出した後、金型を完全に閉じ切って上記射出材をプレスし、上記射出材をキャビティの全体に行きわたらせて成形する方法である。
上記射出プレス法は、溶融した樹脂をキャビティに充填するため、上記メタルシートに樹脂が隙間なく密着し、強固に接着できるため、好ましく使用できる。
具体的には、金型を平均温度が80℃~150℃になるように加熱し、金型のリブ部を形成する部位に熱伝導部を配置し、その上にメタルシートを配置して上型で押さえ、金型が僅かに開いた状態で下型側から上記メタルシートに向けて溶融した樹脂を射出する。
射出する際の樹脂の粘度は、樹脂種や射出圧などにもよるが、250℃~300℃に加熱した時の粘度が、20Pa・s以上1200Pa・s以下であることが好ましく、30Pa・s以上200Pa・s以下であることがより好ましい。
射出圧は、金属樹脂複合体の形状や樹脂の粘度などにもよるが、10~50MPaであることが好ましい。射出圧が低すぎるとショートショットが生じることがあり、射出圧が高すぎると熱伝導部の位置ズレが生じたり、熱伝導部やメタルシートが破損したりすることがある。
そして、樹脂を射出した後、金型を完全に閉じ切って熱伝導部をメタルシートに当接させ、上記樹脂をプレスしてキャビティの全体に行きわたらせると共に、上記樹脂をメタルシート密着させることで成形する。
(自動車部品)
上記金属樹脂複合体は、筐体等の従来公知の部品に適用することができるが、軽量化と強度とが要求される自動車部品に好適に使用できる。
特に好適に使用できる自動車部品としては、ボディサイドパネルやバンパーレインフォースを挙げることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
厚さが1.5mmのアルミニウム板に直径1.5mmの貫通孔を複数形成し、開口率が30%の熱伝導部を得た。
ハット形状にプレス成型した厚さ1mmのアルミニウム製メタルシートと、上記熱伝導部とを、アルカリ液に浸漬して脱脂したのち、酸液に浸漬して中和させた。上記メタルシートと上記熱伝導部とを50℃に加温した5%のヒドラジン一水和物水溶液に5分間浸漬した後、水洗、乾燥させて、表面が粗面化されたメタルシートと熱伝導部とを得た。
上記メタルシート及び熱伝導部の表面は、開口径が1μm~30μmのマイクロサイズの孔の中に、30nm~100nmのナノサイズの孔が複数形成され、上記複数のマイクロサイズの孔同士が内部で繋がって内部空間を形成した、アリの巣状の形状の多孔構造で粗面化されていた。
炭素繊維の体積含有率(Vf)が30%であるナイロン6のペレットを280℃で溶融混錬し、炭素繊維の長さが0.1~15mmの射出材を得た。
金型のリブ形成部の所定の位置に上記熱伝導部を配置し、該熱伝導部の3つの端面がハット形状のメタルシートに当接するようにメタルシートを所定の位置に配置して金型を閉じた。
金型の温度120℃、射出圧10~50MPaの条件で上記射出材を射出して、厚さ2mmのスキン部と、内部に熱伝導部を有する厚さが5mmのリブ部とを有する樹脂部が、メタルシートの一方の主面に直接接合した金属樹脂複合体を成形した。
金属樹脂複合体を大気中に放置して室温まで冷却した後、メタルシートと樹脂部との剥離の有無を超音波深傷試験で測定したところ、本発明の金属樹脂複合体は、リブの接合部(根元)付近も含めて剥離した箇所がなく接合状態が良好であった。
1 金属樹脂複合体
2 メタルシート
3 樹脂部
31 スキン部
32 リブ部
33 熱伝導部
331 伸縮部
332 突起部
333 貫通孔
4 金型
41 凹部
42 ゲート
5 インナーメタル
6 溶接部
7 ボルト

Claims (8)

  1. メタルシートと、該メタルシートの主面の一方に接合した樹脂部とを備える金属樹脂複合体であって、
    上記樹脂部が、上記メタルシートの主面の少なくとも一部を覆うスキン部と、該スキン部の積層方向の厚みが上記スキン部よりも大きいリブ部とを有し、
    上記樹脂部は、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルファイド、ポリブチレンテレフタレート及びポリフタルアミドからなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であり、
    上記リブ部が、その内部に上記樹脂部を構成する樹脂よりも熱伝導率が高い材料から成り、内部に樹脂を含まない中空構造の熱伝導部を有し、
    上記熱伝導部が、金属材もしくは炭素繊維強化樹脂から成り、
    上記熱伝導部が、上記メタルシートと一体形成されている、もしくはメタルシートと当接していることを特徴とする金属樹脂複合体。
  2. 上記熱伝導部が、上記メタルシートとは別部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属樹脂複合体。
  3. 上記熱伝導部が、上記メタルシートと接する部位に、蛇腹構造もしくは多孔構造の伸縮部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属樹脂複合体。
  4. 上記熱伝導部が、その表面に、孔径30nm~50μm以下の多孔構造を有する凹凸を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つの項に記載の金属樹脂複合体。
  5. 上記熱伝導部の厚さが、先端部よりも上記メタルシート側の根元部で厚いことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つの項に記載の金属樹脂複合体。
  6. 上記熱伝導部の一部が、上記リブ部から露出していることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つの項に記載の金属樹脂複合体。
  7. 上記熱伝導部が突起部を有し、該突起部が上記リブ部から突出していることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つの項に記載の金属樹脂複合体。
  8. 自動車用ボディサイドパネル又は自動車用バンパーレインフォースを形成していることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つの項に記載の金属樹脂複合体。
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