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JP7490505B2 - 線状体の張力及び剛性の算定方法 - Google Patents

線状体の張力及び剛性の算定方法 Download PDF

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Description

特許法第30条第2項適用 1.開催日:令和2年2月3日 2.集会名:京都大学工学部地球工学科(土木工学・国際コース)特別研究発表会 3.開催場所:京都大学桂キャンパスCクラスターC1棟 大会議室(C1-314) 4.公開者:山田哲
特許法第30条第2項適用 1.ウエブサイトの掲載日: 令和2年4月10日 2.ウエブサイトのアドレス:・2020年度土木学会関西支部年次学術講演会の講演概要集のホームページ https://www.ac-research.jp/jsce/js-kansai/2020/precede/login.php・土木学会図書館のデジタルアーカイブのホームページ(令和2年5月31日から公開) https://jsce.or.jp/library/open/proc/maglist2/00064/2020/mg01.htm http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00064/2020/62-01-0030.pdf 3.公開者: 山田哲 古川愛子 小林亮介
特許法第30条第2項適用 1.ウエブサイトの掲載日: 令和2年4月17日2.ウエブサイトのアドレス:・第23回(2020年度)応用力学シンポジウムの予稿集PDFのホームページ https://confit.atlas.jp/guide/event/jsceam2020/proceedings/list3.公開者: 山田哲 古川愛子 小林亮介
特許法第30条第2項適用 1.ウエブサイトの掲載日: 令和2年8月5日2.ウエブサイトのアドレス:・令和2年度土木学会全国大会第75回年次学術講演会の講演概要PDFのホームページ https://confit.atlas.jp/guide/event/jsce2020/proceedings/list3.公開者: 山田哲 古川愛子 小林亮介
特許法第30条第2項適用 1.開催日: 令和1年12月14日 2.集会名:金沢大学・京都大学・神戸大学・岐阜大学・福井高専冬季合同ゼミ 3.開催場所:福井工業高等専門学校 大講義室 4.発行者名:京都大学工学研究科都市社会工学専攻地震ライフライン工学講座 5.刊行物名:金沢大学・京都大学・神戸大学・岐阜大学・福井高専冬季合同ゼミ予稿集 京都大学 6.発行年月日: 令和1年12月14日 7.公開者:山田哲
本発明は、互いに交差するように把持装置によって把持された2つの線状体それぞれの張力及び剛性を算定するための方法に関する。
橋梁のケーブル、張弦梁や電線といった線状体に作用している張力を算定するための様々な方法が案出されている(特許文献1及び2を参照)。これらの方法では、一次元梁でモデル化されたケーブルの固有振動数が算定され、固有振動数の算定値は、実際のケーブルに衝撃を与えることによって得られた振動データに現れる固有振動数の実測値と比較される。そして、実測値に近い固有振動数の算定値が一次元梁の振動方程式に代入されることにより、ケーブルの張力が算定される。
特開平9-101289号公報 特開平11-271155号公報
単一の線状体を一本の一次元梁でモデル化した上述の算定手法は、単一の線状体の張力を算定するのに好適に利用可能である。しかしながら、2つの線状体が互いに交差して配置されているとともにこれらの線状体の交差部が把持装置によって把持された構造において、2つの線状体それぞれに上述の算定手法が適用されても、適切に張力を算定することはできない。すなわち、交差部が把持装置によって把持されている場合、2つの線状体は一体となって振動するけれども、上述の算定方法では、このような一体的な振動が反映されず、適切な算定結果が得られない。すなわち、従来の張力算定方法では、交差部においてこれらの線状体が互いに拘束されていることによる影響により、精度の高い張力の算定値を得ることができない。
本発明は、互いに交差するように張設されているとともに交差部において把持装置によって把持された2つの線状体それぞれの張力及び剛性を算定する方法を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る算定方法は、互いに交差するように張設されているとともに交差部において把持装置によって把持された2つの線状体それぞれの張力及び剛性の算定に利用可能である。算定方法は、前記把持装置によって把持されることにより一体となって振動する前記2つの線状体の振動に基づいて前記2つの線状体について複数の固有振動数の実測値を得ることと、前記2つの線状体の交差部が前記把持装置により把持されていることを表す境界条件を用いて得られた前記一体となって振動する2つの線状体の複数の固有振動数、張力及び剛性の間の関係を表す算定式と、前記複数の固有振動数の前記実測値と、を用いて、前記2つの線状体それぞれの前記張力及び前記剛性を算定することと、を備えている。
上記の構成によれば、張力及び剛性の算定過程において、2つの線状体の交差部が把持装置により把持されていることを表す境界条件が用いられているので、この交差構造における振動の態様が考慮された算定式が得られる。この算定式は、一体となって振動する2つの線状体の複数の固有振動数、張力及び剛性の関係を表すように設定される。この算定式に固有振動数の実測値を適用することにより、交差部が把持装置により把持されていることによる影響が反映された張力及び剛性の算定値が算定される。
上記の構成に関して、前記算定式には、振動モードの次数の変数が含まれていなくてもよい。
上記の構成によれば、算定式には、振動モードの次数の変数が含まれていないので、固有振動数の実測値が何次のモードの固有振動数であるかが分からなくとも、張力及び剛性を推定することができる。
上記の構成に関して、前記境界条件は、前記交差部において前記2つの線状体に作用する力の合力がゼロになることを示す条件を含んでいてもよい。
上記の構成によれば、2つの線状体が交差部で把持装置により把持されている構造に衝撃を与えたときにおいて、交差部において2つの線状体に作用する力の合力はゼロである。このような境界条件が用いられるので、交差部において把持装置によって把持された2つの線状体の張力を算定することが可能になる。
上記の構成に関して、前記境界条件は、前記交差部における前記2つの線状体の変位が等しいことを示す条件を含んでいてもよい。
上記の構成によれば、2つの線状体が交差部において把持装置により把持されている構造に衝撃を与えたときにおいて、交差部における2つの線状体の変位は等しくなる。このような境界条件が用いられるので、交差部において把持装置によって把持された2つの線状体の張力を算定することが可能になる。
上記の構成に関して、前記境界条件は、前記一体となって振動する2つの線状体の前記複数の固有振動数、前記張力及び前記剛性を用いて前記算定式によって表される値が所定の値に等しくなることを示してもよい。前記2つの線状体それぞれの前記張力及び前記剛性を算定する工程において、前記複数の固有振動数の実測値とともに前記2つの線状体それぞれの張力及び剛性の複数の候補値を前記算定式に代入したときの複数の値が取得されてもよい。その後、前記複数の値の中で前記所定の値に最も近い値が得られたときの候補値が前記2つの線状体それぞれの前記張力及び前記剛性として決定されてもよい。
上記の構成によれば、候補値を算定式に代入して得られる値が、所定の値に近ければ近いほど、代入された候補値が境界条件を成立させる張力及び剛性に近いことを意味する。所定の値に最も近い値が得られたときの張力及び剛性の候補値が、2つの線状体それぞれの張力及び剛性として決定されるので、交差部において把持装置によって把持された2つの線状体の張力及び剛性は、精度よく算定される。
上記の構成に関して、前記候補値を前記2つの線状体それぞれの前記張力及び前記剛性として決定する工程において、前記所定の値と前記最も近い値との間の差が閾値と比較されてもよい。前記差が前記閾値よりも小さいことを条件として、前記候補値が前記2つの線状体それぞれの前記張力として決定されてもよい。
上記の構成によれば、所定の値から過度に大きく離れた値が得られる候補値が張力及び剛性として決定されることが防止される。すなわち、閾値に応じた精度の下で、2つの線状体の張力及び剛性が算定される。
上記の構成に関して、前記算定式において用いられる前記剛性は、前記2つの線状体それぞれの曲げ剛性であってもよい。
上記の構成によれば、交差した2つの線状体が同一平面に含まれる場合に、この平面に対して直角の方向(すなわち、面外方向)の振動は、2つの線状体の軸剛性に影響されない。したがって、2つの線状体の振動方向が面外方向であることが既知であれば、複数の固有振動数と2つの線状体それぞれの張力と2つの線状体それぞれの曲げ剛性との間の関係を表す算定式を用いて、張力及び剛性を算定することができる。
上記の構成に関して、前記算定式において用いられる前記剛性は、前記2つの線状体それぞれの曲げ剛性及び軸剛性であってもよい。
上記の構成によれば、交差した2つの線状体が同一平面に含まれる場合に、この平面に含まれる方向(すなわち、面内方向)の振動は、2つの線状体の曲げ剛性および軸剛性に影響される。したがって、2つの線状体の振動方向が面内方向を含むことが既知であれば、複数の固有振動数と2つの線状体それぞれの張力と2つの線状体それぞれの曲げ剛性及び軸剛性との間の関係を表す算定式を用いて、張力及び剛性を算定することができる。
上述の技術は、互いに交差するように把持装置によって把持された2つの線状体それぞれの張力及び剛性を算定することを可能にする。
2つのケーブルが交差した構造を有している構造体の概略図である。 ケーブルを一次元梁としてモデル化した振動モデルの概略図である。 ケーブルの交差部の周囲において面外方向(軸直角方向)に作用する力の概略図である。 ケーブルの微小要素に作用する力の概略図である。 張力及び剛性の算定方法の概略的なフローチャートである。 MultiStart法に基づく最適解の探索方法を表すグラフである。
図1は、2つのケーブル121,122(線状体)が交差した構造を有している構造体100の概略的な平面図である。ケーブル121,122は、張力を与えられた状態で固定されている。ケーブル121,122それぞれの両端部は、単純支持されている。
ケーブル121,122の交差部には、把持装置130が取り付けられている。把持装置130は、ケーブル121,122の交差部においてこれらのケーブル121,122を把持するように構成されている。したがって、交差部において、両ケーブル121,122の振動の変位及び振動方向は等しくなる。また、これらのケーブル121,122は交差部において把持装置130によって拘束されているので、ケーブル121,122は一体となって振動する。
ケーブル121,122には、合計4つの加速度センサ141~144(たとえば、3軸加速度センサ)が取り付けられている。加速度センサ141~144は、ケーブル121,122の固有振動数のデータを取得するために設けられている。
加速度センサ141,142は、ケーブル121に取り付けられている。詳細には、加速度センサ141は、把持装置130とケーブル121の一方の端部125との間のスパン171においてケーブル121に取り付けられている。加速度センサ142は、把持装置130とケーブル121の他方の端部126との間のスパン172においてケーブル121に取り付けられている。
残りの加速度センサ143,144は、ケーブル122に取り付けられている。詳細には、加速度センサ143は、把持装置130とケーブル122の一方の端部127との間のスパン171においてケーブル122に取り付けられている。加速度センサ144は、把持装置130とケーブル122の他方の端部128との間のスパン172においてケーブル122に取り付けられている。
加速度センサ141~144は、ケーブル121,122に生じた振動の加速度を検出するように構成されている。詳細には、加速度センサ141~144は、一体となって振動するケーブル121,122の加振方向の加速度を検出するように構成されている。すなわち、ケーブル121,122を含む面に沿う面内方向(図1の紙面に沿う方向)にケーブル121,122を加振し、面内方向の振動を計測した場合には、加速度センサ141~144は、加振方向のケーブルの固有振動数を計測することができる。面内方向の加速度から得られる固有振動数は、以下の説明において、「面内方向の固有振動数」と称される。面内方向における各ケーブル121,122の固有振動数には、当該ケーブル121,122の軸方向の振動に関する固有振動数と、ケーブル121,122を含む面内において軸方向に対して直角の方向の振動に関する固有振動数とが含まれる。ケーブル121,122が、これらのケーブル121,122を含む面に直角の方向(図1の紙面に直角の方向:面外方向)に加振された場合には、加速度センサ141~144は、面外方向のケーブル121,122の加速度を検出する。面外方向の加速度から算定される固有振動数は、以下の説明において、「面外方向の固有振動数」と称される。
加速度センサ141~144は、データ収集装置160(たとえば、パーソナルコンピュータ)に電気的に接続され、加速度センサ141~144によって取得された加速度のデータは、時刻歴応答値としてデータ収集装置160に蓄積される。データ収集装置160は、加速度のデータに対して所定の解析処理を行うように構成され、この解析処理を通じて一体的に振動するケーブル121,122の固有振動数(面内方向の固有振動数及び面外方向の固有振動数)の実測値のデータが得られる。ケーブル121,122を面内方向に加振し、面内方向の振動を計測すれば、面内方向の固有振動数が得られる。ケーブル121,122を面外方向に加振し面外方向の振動を計測した場合には、面外方向の固有振動数が得られる。両ケーブル121,122を含む面に対して斜め(たとえば、図1の紙面に対して斜め45°の角度)の方向においてケーブル121,122が加振された場合には、面内方向及び面外方向の固有振動数が得られる。
得られた固有振動数のデータに基づき、ケーブル121,122それぞれの張力が算定される。ケーブル121,122が面内方向に加振される場合には、面内方向の振動に基づくケーブル121,122の張力及び剛性の算定式が用いられる。ケーブル121,122が面外方向に加振される場合には、面外方向の振動に基づくケーブル121,122の張力及び剛性の算定式が用いられる。両ケーブル121,122を含む面に対して斜めの方向においてケーブル121,122が加振された場合には、面内方向及び面外方向の両方の振動に基づく張力及び剛性の算定式が用いられる。これらの算定式の説明の前に、算定式を設定するための基礎式が説明される。
<面外方向の振動に基づく算定用の基礎式>
面外方向の振動は、ケーブル121,122の軸剛性には影響されないけれども、ケーブル121,122の曲げ剛性に影響される。したがって、面外方向の振動に基づく算定用の基礎式は、ケーブル121,122の曲げ剛性を考慮して設定される。この基礎式は、両端が単純支持された一次元梁として、ケーブル121,122それぞれをモデル化することにより設定可能である。一次元梁のモデルの概略図が、図2に示されている。
図2において、変数kは、1又は2の値をとる。変数kが1の値をとるとき、図2のモデルは、図1のケーブル121を意味する。変数kが2の値をとるとき、図2のモデルは、図1のケーブル122を意味する。
図2において、ケーブルk上に交差部131が示されている。交差部131は、ケーブル121,122の交差部(すなわち、図1の把持装置130の把持位置)を意味している。
以下の説明において、ケーブルkの一端部から交差部131までのスパン171の長さをLk1とする。交差部131からケーブルkの他端部までのスパン172の長さをLk2とする。ケーブルkの全長(Lk1+Lk2)をLとする。
図2において、ケーブルkの軸方向をx軸とし、x軸に直角な面外方向(軸直角方向)のケーブルkの変位量をwとする。時刻tにおけるケーブルkの振動方程式は、以下のように与えられる。なお、把持装置130の質量は、考慮に入れないものとする。
Figure 0007490505000001
スパン171について、上記の振動方程式を変数分離法で解いた場合、スパン171におけるケーブルkの変位量wk1及びスパン172におけるケーブルkの変位量wk2は、以下の関係式で表される。
Figure 0007490505000002
この関係式(数2)を用いると、スパン171,172に対するモード関数は、以下のように表される。
Figure 0007490505000003
これらのモード関数の常微分方程式の一般解は、以下のように表される。
Figure 0007490505000004
ケーブルkの両端部(x=0,x=L)において、変位及び曲げモーメントは生じないので、以下の境界条件が成立する。
Figure 0007490505000005
ケーブルkの交差部131(x=Lk1)においては、スパン171,172の変位、傾き及び曲げモーメントは等しくなるので、以下の境界条件が成立する。
Figure 0007490505000006
ここで、交差部131(x=Lk1)における把持装置130によるケーブル121(k=1),122(k=2)に対する拘束の影響を考慮する。まず、交差部131(x=Lk1)においては、把持装置130がケーブル121(k=1),122(k=2)を把持しており、これらのケーブル121,122の変位は等しくなる。また、交差部131(x=Lk1)においては、ケーブル121(k=1),122(k=2)に作用する力の和(すなわち、交差部131における合力)がゼロである。
まず、交差部131(x=Lk1)におけるケーブル121,122の変位の等価性を表す境界条件(すなわち、把持装置130がケーブル121,122を把持していることを表す境界条件)は、以下のように表される。
Figure 0007490505000007
次に、交差部131(x=Lk1)におけるケーブル121(k=1),122(k=2)間の力の和がゼロであることが、図3を参照して説明される。図3は、交差部131においてケーブル121(k=1),122(k=2)に作用する力を表す概略図である。
ケーブルkに直交する面外方向(軸直角方向)において交差部131に対して作用する力Pwkは、交差部131の両端において作用するせん断力を用いて以下のように表される。
Figure 0007490505000008
せん断力は、曲げモーメントの一階微分として表されるので、スパン171,172に作用するせん断力は、以下のように表される。
Figure 0007490505000009
交差部131においてケーブル121(k=1)に作用する力とケーブル122(k=2)に作用する力の総和がゼロであるという境界条件(すなわち、把持装置130がケーブル121,122を把持しているという境界条件)は、上述の関係式(数8及び数9)を用いて以下のように表される。
Figure 0007490505000010
次に、スパン171,172に対する一般解(数4)の各項の係数Ck1~Dk4間の関係が以下に説明される。
=0のときの変位及び曲げモーメントの境界条件(数5)を、スパン171,172に対する一般解(数4)に適用すると、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000011
これらの関係式(数11)を成立させる条件は以下の通りである。
Figure 0007490505000012
=Lのときの変位及び曲げモーメントの境界条件(数5)を、スパン171,172に対する一般解(数4)に適用すると、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000013
上述の関係式(数13)から、係数Dk1,Dk2及び係数Dk3,Dk4間において、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000014
交差部131(x=Lk1)において変位及び曲げモーメントが等しくなるという境界条件(数6)とスパン171,172に対するモード関数の常微分方程式の一般解(数4)とから、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000015
上述の関係式(数15)から、係数Dk1,Ck2及び係数Dk3,Ck4間において、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000016
上述の関係式(数14,数16)から、係数Dk2,Ck2及び係数Dk4,Ck4間において、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000017
ケーブルkの交差部131(x=Lk1)において、スパン171,172の傾きが等しいという境界条件(数6)とスパン171,172に対するモード関数の常微分方程式の一般解(数4)とに基づいて、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000018
上記の関係式(数17,数18)から、係数Ck4,Ck2について以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000019
上述の関係式(数19)、(数12)に示される条件(Ck1=Ck3=0)並びにケーブル121(k=1),122(k=2)の変位が等しいという境界条件(数7)に基づいて、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000020
ここで、上述の関係式(数20)を簡略表記するために、関数g2kが以下のように定義される。関数g2kは、上述の関係式におけるsinh関数の無限大への発散をなくすために指数関数で表されている。
Figure 0007490505000021
上記の関数g2kを用いて、上述の関係式(数20)の係数C22は、以下のように表される。
Figure 0007490505000022
次に、交差部131においてケーブル121(k=1),122(k=2)に作用する力の和がゼロであるという境界条件(数10)を成立させるための条件が、以下の如く求められる。(数10)の境界条件は、モード関数の常微分方程式の一般解(数4)を適用して以下のように書き換えられる。
Figure 0007490505000023
上述の境界条件(数23)の式を簡略表記するために、関数g1k,g3kが以下のように定義される。
Figure 0007490505000024
上述の境界条件(数23)の式の第1項及び第2項は、関数g1k,g3kを用いて以下のように書き換え可能である。
Figure 0007490505000025
上述の境界条件(数23)の式の第3項及び第4項は、関数g1k~g3kを用いて以下のように書き換え可能である。
Figure 0007490505000026
関数g1k~g3kを用いた書き換えにより、交差部131における力の和がゼロであることを示す境界条件(数23)は、以下のように表される。
Figure 0007490505000027
上述の境界条件の式(数27)が、自明解以外の解を持つためには、括弧内の値がゼロになる必要がある。括弧内の式に、g22/g31を掛けて基準化した式が以下に示される。当該基準化された式が、面外方向の固有振動数に基づく張力及び剛性の算定用の基礎式G1として利用される。なお、基礎式G1を利用した算定式及びこの算定式を利用した張力及び剛性の算定方法は、別途詳述される。
Figure 0007490505000028
基礎式G1は、以下の境界条件を成立させる張力及び剛性が代入されることを条件としてゼロの値をとる。言い換えると、以下の境界条件は、基礎式G1がゼロに等しくなることを表している。
・ケーブルkの両端部(x=0,x=L)における変位及び曲げモーメントはゼロである。
・交差部131(x=Lk1)においてケーブルkのスパン171及びスパン172の変位、傾き及び曲げモーメントは等しい。
・交差部131(x=Lk1)におけるケーブル121,122の変位は等しい。
・交差部131(x=Lk1)においてケーブル121,122に対して面外方向に作用する力の和がゼロである。
<面内方向の振動に基づく算定用の基礎式>
面内方向の振動には、軸剛性Eに影響される振動(すなわち、ケーブルkの軸方向の振動)及び曲げ剛性Eに影響される振動(すなわち、ケーブルkの軸方向に直角の方向の振動)が含まれる。したがって、面内方向の振動に基づく張力及び剛性の算定用の基礎式は、ケーブルkの軸剛性E及び曲げ剛性Eを考慮して設定される。
ケーブルkの軸方向の振動によってケーブルkの微小要素に生ずる力は、図4に概略的に表されている。なお、微小要素の軸方向の変位は、記号「u」で表される。面内において軸に直交する方向への微小要素の変位は,記号「v」を用いて表される。
ケーブルkが軸方向に振動しているときに時刻tにおいてケーブルkの微小要素の座標xに作用する軸方向の応力σ(x,t)は、以下のように表される。
Figure 0007490505000029
このとき、ケーブルkの微小要素の座標x+dxにおける応力は、以下のように表される。
Figure 0007490505000030
以上の関係式(数29,数30)から、ケーブルkが軸方向に振動しているときのケーブルkの微小長さdxにおける運動方程式(軸方向の振動方程式)は、以下のように表される。
Figure 0007490505000031
変位量u(x,t)は、変数分離法により以下のように表される。
Figure 0007490505000032
上述の式(数32)に基づいて、振動方程式(数31)を解くと、モード関数に関する以下の常微分方程式が得られる。
Figure 0007490505000033
ここで、U(x)は、以下のように書き換え可能である。
Figure 0007490505000034
この関係式(数34)と上述の常微分方程式(数33)とから、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000035
上述の如く定義された「η」を用いて、U(x)の一般解は、以下の如く表される。なお、Uk1(x)は、ケーブルkのスパン171に対する一般解であり、Uk2(x)は、ケーブルkのスパン172に対する一般解である。
Figure 0007490505000036
これらの一般解に対して、以下の境界条件が適用され得る。
Figure 0007490505000037
上述の一般解(数36)に、これらの境界条件(数37)を当てはめると、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000038
変位vの一般解は、上述の面外方向の振動についての一般解(数4)と同様であり、以下の一般解を適用可能である。なお、Vk1(x)は、ケーブルkのスパン171に対する一般解であり、Vk2(x)は、ケーブルkのスパン172に対する一般解である。
Figure 0007490505000039
これらの一般解についての境界条件も、上述の面外方向の振動についての境界条件(数5及び数6)と同様の境界条件が適用可能である。
Figure 0007490505000040
交差部131(x=Lk1)におけるケーブル121,122の変位は等しくなるので、ケーブル121,122の交差角を「θ」(図1を参照)で表すと、以下の境界条件が成立する。
Figure 0007490505000041
交差部131においてケーブル121に作用する力のベクトルとケーブル122に作用する力のベクトルは、向きが反対で大きさが同じである。ケーブル121の軸方向および軸直角方向と、ケーブル122の軸方向および軸直角方向とは、向きが異なるため、力の座標変換が必要である。交差部131においてケーブル122に作用する力を、ケーブル121の軸方向と軸直角方向の力に座標変換し、ケーブル121の軸方向と軸直角方向に作用する力と向きが反対で大きさが等しいという条件式を立式する。これらから、以下の境界条件式が成立する。
Figure 0007490505000042
上述の変位の境界条件の式(数41)は、(数38)に示された関係式及び変位Uk1,Uk2,Vk1,Vk2の一般解(数36,数37)を用いて、以下のように書き換えられる。なお、以下の関係式において、(数37)のsinh関数の無限大への発散をなくすために指数関数が用いられている。
Figure 0007490505000043
上述の関係式(数43)を簡略表記するために、関数g5kが以下のように定義される。
Figure 0007490505000044
関数g5k,g2k(数21)を用いて、上述の変位の境界条件の式(数43)は、以下の如く書き換えられる。
Figure 0007490505000045
次に、スパン171について、交差部131(x=Lk1)においてケーブルkの軸方向に作用する力を考えると、上述の応力の式(数29)及びスパン171についての一般解(数36)に基づいて、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000046
スパン172について、交差部131(x=Lk1)でのケーブルkの軸方向における力を考えると、(数38)の関係式、上述の応力の式(数29)及びスパン172についての一般解(数36)に基づいて、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000047
交差部131において軸方向に作用する力PUkは、(数38)、(数46)及び(数47)の関係式を用いて以下のように表される。
Figure 0007490505000048
交差部131において変位vの方向に作用する力PVk(数49)は、上述の面外方向の力(数25)と同様に求められる。
Figure 0007490505000049
ここで、力の和がゼロであるという境界条件(数42)を簡略表記するために、関数g4k,g6kが以下のように定義される。
Figure 0007490505000050
力の和がゼロであるという境界条件(数42)に、力PUk,PVkの式(数46,数47)が適用されると、関数g1k~g6kを用いて、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000051
この関係式(数51)に変位の境界条件の式(数45)が適用されると、以下の関係式が得られる。
Figure 0007490505000052
上述の関係式(数52)において自明解以外の解を得るための条件が以下に示される。この条件は、面内方向の固有振動数に基づく張力及び剛性の算定用の基礎式G2として利用される。なお、基礎式G2を利用した算定式及びこの算定式を利用した張力及び剛性の算定方法は、別途詳述される。
Figure 0007490505000053
面内方向の振動に基づく基礎式G2は、以下の境界条件を成立させる張力及び剛性が代入されることを条件としてゼロの値をとる。言い換えると、以下の境界条件は、基礎式G2がゼロに等しくなることを表している。
・ケーブルkの両端部(x=0,x=L)における変位及び曲げモーメントはゼロである。
・交差部131(x=Lk1)においてケーブルkのスパン171及びスパン172の変位、傾き及び曲げモーメントは等しい。
・交差部131(x=Lk1)におけるケーブル121,122の変位は等しい。
・交差部131(x=Lk1)においてケーブル121,122に対して作用する力は、大きさが同じである一方で向きが反対である。
<基礎式を利用した算定式の導出>
上述の様々な数式のうち、張力及び剛性を算定するために利用される数式が以下にまとめられている。なお、以下の関係式において、記号「i」は、データ収集装置160の解析を通じて得られる固有振動数の複数の実測値fに対応して付される自然数であり、振動モードの次数とは無関係である。たとえば、5つの実測値fが得られるならば、iは、1~5のいずれかの値をとる。
Figure 0007490505000054
Figure 0007490505000055
面内方向の振動に基づく張力及び剛性の算定用の基礎式G2は、関数g1k~g6kを含んでいる。関数g4k~g6kは、軸剛性Eを含んでいる。関数g1k~g3kは、曲げ剛性Eを含んでいる。これは、面内方向の衝撃力がケーブル121,122に加えられた場合、ケーブル121,122は、軸方向の振動及び軸方向に対して直角方向に振動が生ずるためである。たとえば、ケーブル121,122を含む面内においてケーブル121の軸に対して直角の方向に衝撃力がケーブル121に加えられた場合、この衝撃力の少なくとも一部は、把持装置130を通じてケーブル122の軸方向に伝播する。また、ケーブル122が、残りの衝撃力によって、ケーブル121,122を含む面内においてケーブル122の軸に対して直角の方向に振動すれば、当該振動は、把持装置130を通じてケーブル121の軸方向に伝播する。したがって、ケーブル121,122は、ケーブル121,122を含む面内において軸方向及び軸方向に対して直角の方向に振動し得る。面内方向の振動に基づく張力及び剛性の算定用の基礎式G2は、上述の如く、それぞれの軸方向および軸直角方向の振動を扱うため,軸剛性E及び曲げ剛性Eが基礎式G2に含まれる。
一方、ケーブル121,122の一方に面外方向に衝撃を加えても、ケーブル121,122の軸方向の振動は生じない。したがって、面外方向の振動に基づく張力及び剛性の算定用の基礎式G1は、軸方向の振動に関連する軸剛性Eを含んでいない。言い換えると、基礎式G1は、固有振動数fと、ケーブル121,122の張力Tと、ケーブル121,122の曲げ剛性Eとの間の関係を表している。一方、基礎式G2は、固有振動数fと、ケーブル121,122の張力Tと、ケーブル121,122の曲げ剛性Eと、ケーブル121,122の軸剛性Eとの間の関係を表している。
基礎式G1,G2の上述の特性を考慮して、ケーブル121,122が面外方向にのみ振動する場合には、ケーブル121,122の張力及び剛性の算定には基礎式G1のみを利用した以下の算定式が設定される。
Figure 0007490505000056
この算定式は、基礎式G1の平方和が所定の値(すなわち、ゼロ)になることを表している。上述の如く、境界条件は、基礎式G1がゼロの値をとることを表しているので、境界条件は、基礎式G1の平方和である第1の算定式がゼロの値をとることをも意味する。ケーブル121,122の張力及び剛性の算定工程においては、この算定式に対応する目的関数が設定され、この算定式の値と目的関数の値との比較を通じて、張力及び剛性が算定される。張力及び剛性の算定方法は、別途詳述される。
ケーブル121,122が面内方向にのみ振動する場合には、ケーブル121,122の張力及び剛性の算定には基礎式G2のみを利用した以下の算定式(以下、第2の算定式)が設定される。
Figure 0007490505000057
この算定式は、基礎式G2の平方和が所定の値(すなわち、ゼロ)になることを表している。上述の如く、境界条件は、基礎式G2がゼロの値をとることを表しているので、境界条件は、基礎式G2の平方和である第2の算定式がゼロの値をとることをも意味する。ケーブル121,122の張力及び剛性の算定工程においては、この算定式に対応する目的関数が設定され、この算定式の値と目的関数の値との比較を通じて、張力及び剛性が算定される。張力及び剛性の算定方法は、別途詳述される。
ケーブル121,122が面内方向及び面外方向に振動する場合には、基礎式G1,G2の両方を含む算定式(第3の算定式及び第4の算定式)が設定される。
Figure 0007490505000058
第3の算定式は、データ収集装置160の解析を通じて得られる固有振動数の複数の実測値が、面内方向の固有振動数であるか面外方向の固有振動数であるかが分かる場合に利用可能である。上述の如く、境界条件は、基礎式G1,G2の両方がゼロの値をとることを表しているので、境界条件は、基礎式G1,G2それぞれの平方和の和である第3の算定式がゼロの値をとることをも意味する。
第4の算定式は、データ収集装置160の解析を通じて得られる固有振動数の複数の実測値が、面内方向の固有振動数であるか面外方向の固有振動数であるかが不明である場合に利用可能である。上述の如く、境界条件は、基礎式G1,G2の両方がゼロの値をとることを表しているので、境界条件は、基礎式G1,G2それぞれの平方和の積である第4の算定式がゼロの値をとることをも意味する。
<第1の算定式を用いた張力及び剛性の算定方法>
ケーブル121,122に対して、面外方向(図1の紙面に対して直角の方向)に振動を与えれば、面外の固有振動数fを計測できる。この場合、第1の算定式(数56)を用いた張力の算定が可能である。第1の算定式を用いた張力及び剛性の算定方法が、図5を参照して以下に説明される。図5は、張力及び剛性の算定方法の概略的なフローチャートである。
基礎式G1には、関数g1ki~g3kiが含まれている(数54を参照)。これらの関数は、以下の項目を含んでいる。これらの項目の構造データが、ステップS110において入力される。なお、ステップS110において取得される構造データは、実測値であってもよいし、公称値であってもよい。
・ケーブル121,122の全長(L
・ケーブル121,122の一端部から交差部131(すなわち、把持装置130による把持位置)までの長さ(Lk1
・交差部131からケーブル121,122の他端部までの長さ(Lk2
・ケーブル121,122の密度(ρ
・ケーブル121,122の断面積(A
上述の構造データの入力の後、ケーブル121,122のいずれか一方が面外方向に加振される(ステップS120)。たとえば、ケーブル121,122のいずれか一方がハンマで面外方向に叩かれてもよい。ケーブル121,122は、交差部131において把持装置130によって把持されているので、一体となって振動する。ケーブル121,122が一体となって振動している間、加速度センサ141~144が振動加速度を測定する。測定された振動加速度のデータは、データ収集装置160に集められ、時刻歴応答値として記録される(ステップS130)。
時刻歴応答値に基づいて、一体となって振動するケーブル121,122の固有振動数の実測値fが取得される。詳細には、時刻歴応答値のデータに対してフーリエ変換が行われ、フーリエ変換後のデータに基づいて固有振動数の実測値fが取得される(ステップS140)。この実測値fは、ケーブル121,122が面外方向に加振されているので、面外方向の振動に対する固有振動数である。以下、5つの固有振動数の実測値(f~f)が取得された場合が説明される。
構造データ及び固有振動数の実測値が(数54)のαki及びβkiの式に代入されると、(数54)のαki及びβkiは、ケーブル121,122に作用している張力T及びケーブル121,122の曲げ剛性Eの関数として取り扱い可能になる。関数g1ki~g3kiは、αki及びβkiの関数であるから、これらの関数g1ki~g3ki(ひいては、第1の算定式)も張力T及び曲げ剛性Eの関数として取り扱い可能になる。
ここで、第1の算定式(数56)に対する比較対象となる目的関数Jが以下のように設定されている(数59)。張力T及び曲げ剛性Eの最適解は、張力T及び曲げ剛性Eを未知数として、これらの未知数に複数の候補値を代入することにより算出される(ステップS150)。
Figure 0007490505000059
目的関数Jの値が第1の算定式の値(すなわち、ゼロ)に近くなるように、張力T及び曲げ剛性Eの最適解が算出されれば、境界条件を成立させる張力及び曲げ剛性に近い張力T及び曲げ剛性Eが算定される。張力T及び曲げ剛性Eの最適解の算出方法が、図6を参照して説明される。図6は、目的関数Jの概念的なグラフである。本実施形態において、張力T及び曲げ剛性Eの最適解は、MultiStart法に基づき算出される。
図6の横軸は、張力T又は曲げ剛性Eを表している。図6のグラフは、二次元座標として描かれているけれども、目的関数Jを用いた演算は、5次元座標(目的関数Jの値、張力T,T及び曲げ剛性E,Eの5つの軸)上で行われる。
張力T及び曲げ剛性Eについて、N通りの初期値が設定される。図6には、1~6通り目の初期値が表されている。設定された初期値が、目的関数J(すなわち、基礎式G1 ~G1 )に代入される。目的関数Jに代入される張力Tの値は、ケーブル121,122に作用していると推定される張力の候補値である。目的関数Jに代入される曲げ剛性Eの値は、ケーブル121,122の曲げ剛性の候補値である。これらの候補値(すなわち、代入値)は、以下の説明において、「張力候補値」及び「曲げ剛性候補値」と称される。
初期値が入力され、目的関数Jの値が得られると、張力候補値及び曲げ剛性候補値のうち少なくとも1つが変更され、これらの新たな組み合わせに基づいて、目的関数Jの値が算出される。新たな組み合わせから得られた目的関数Jの値が、前回の組み合わせから得られた目的関数Jの値を下回っているか否かが判定される。目的関数Jの値の減少の程度に基づいて、「張力候補値」及び「曲げ剛性候補値」の組み合わせを新たに設定することを繰り返し、目的関数Jの極小値が探索される。
目的関数Jの4つの極小値(以下の説明において、「第1極小値」、「第2極小値」、「第3極小値」及び「第4極小値」と称される)が、図6に示されている。図6のグラフに関して、1通り目の初期値及び2通り目の初期値から探索が開始されると、第1極小値を得ることができる。3通り目の初期値から探索が開始されると、第2極小値を得ることができる。4通り目の初期値及び5通り目の初期値から探索が開始されると、第3極小値を得ることができる。6通り目の初期値から探索が開始されると、第4極小値を得ることができる。
上述の探索処理によって得られた複数の極小値の中から最も小さなものが見出される。最も小さな極小値が得られたときの張力候補値及び曲げ剛性候補値が、目的関数Jの最適解として抽出される。図6のグラフに関して、第3極小値が最も小さいので、第3極小値の算出に用いられた張力候補値及び曲げ剛性候補値の組が目的関数Jの最適解として取り扱われる。
第3極小値は、算定式の値(すなわち、ゼロ)に比較的近いが、張力候補値及び曲げ剛性候補値が必要な精度を有しているとは限らない。張力候補値及び曲げ剛性候補値が必要な精度を有しているか否かを検証するために、最適解が得られたときの目的関数Jの値が、所定の閾値と比較される(ステップS160)。
すなわち、算定式の値(すなわち、ゼロ)と最適解の下での目的関数Jの値との間の差が大きければ大きいほど、最適解は、境界条件を成立させる張力及び曲げ剛性から外れている。このことを考慮して、高い精度が要求されていれば、閾値は小さな値に設定される。高い精度が要求されていなければ、閾値は大きな値に設定されてもよい。あるいは、ステップS160は省略されてもよい。
閾値よりも目的関数Jの値が大きければ(ステップS160:No)、ステップS140において取得された固有振動数の実測値が適切でないことが考えられる。たとえば、データ中のノイズが振動強度のピークとして現れた振動数が固有振動数として取得されていることが考えられる。この場合、フーリエ変換後のデータが見直され、固有振動数の実測値が再度取得される(ステップS140)。
目的関数Jの値が閾値を下回っていれば(ステップS160:Yes)、得られた最適解を最終最適解として決定する(ステップS170)。その後、最終最適解として決定された張力候補値及び曲げ剛性候補値が出力される(ステップS180)。加えて、最終最適解に対応する目的関数Jの値も出力される。出力された張力候補値及び曲げ剛性候補値は、ケーブル121,122の張力T及びケーブル121,122の曲げ剛性Eの算定値である。目的関数Jの出力値は、張力T及び曲げ剛性Eの算定値の精度の評価に利用可能である。
<第2の算定式を用いた張力及び剛性の算定方法>
ケーブル121,122に対して面内方向に衝撃が与えられれば、ケーブル121,122は面内方向に振動が生ずる。この場合、第2の算定式(数57)を用いた張力の算定が可能である。基礎式G2は、面外方向の振動に基づく張力及び剛性の算定用の基礎式G1(数55)に含まれる関数g1ki~g3kiに加えて、関数g4ki~g6kiを含んでいる。関数g4ki~g6kiは、ηkiを含み、ηkiは、曲げ剛性Eの関数ではなく、ケーブル121,122のヤング率Eの関数である。断面積Aは、既知として取り扱われ、ケーブルの単位長さあたりの質量ρを計算するのに利用されるが、軸剛性Eは、未知数として取り扱われる。
その後、ケーブル121,122の加振(ステップS120)、時刻歴応答値の取得(ステップS130)及び固有振動数の実測値の取得(ステップS140)が順次実行される。取得された固有振動数の実測値は、ケーブル121,122が面内方向に加振されているので、面内方向の固有振動数である。固有振動数の実測値のデータの取得の後、最適解の算出が行われる(ステップS150)。
最適解の算出は、面外方向の振動に基づく張力の算定と同様に行われるが、ステップS110において、ケーブル121,122の交差角(θ)のデータが追加的に取得される点、曲げ剛性Eに代えて軸剛性Eが未知数として取り扱われる点及び目的関数Jが用いられる点が相違する。目的関数Jは、第2の算定式に対する比較対象となるように設定されている。
Figure 0007490505000060
最適解が算出されると、最適解が得られたときの目的関数Jの値と閾値との比較(ステップS160)、最終最適解の決定(ステップS170)及び最終最適解の出力(ステップS180)が順次行われる。最終最適解の出力(ステップS180)において、ケーブル121,122の張力T、曲げ剛性E及び軸剛性Eが出力される。
<面外方向及び面内方向の両方の振動に基づく張力の算定>
実際の構造物(たとえば、橋梁)のケーブルでは、ケーブルが面外方向及び面内方向に振動するように加振されることがある。たとえば、ケーブル121,122が張設された面に対して、45°の角度で衝撃を与えれば、周波数解析後のデータには、面外方向の振動に由来する固有振動数及び面内方向の振動に由来する固有振動数が現れる。これらの固有振動数を区別して取得可能であれば、第3の算定式(数58)及び第3の算定式との比較対象となる以下の目的関数Jが張力及び剛性を算定するために利用可能である。
Figure 0007490505000061
上述の目的関数Jにおいて、面外方向の固有振動数の実測値は、基礎式G1の平方和に代入される。面内方向の固有振動数の実測値は、基礎式G2の平方和に代入される。その後、ケーブル121,122の張力T、曲げ剛性E及び軸剛性Eは、MultiStart法(図6を参照)を用いて、目的関数Jの最小値を探索することにより算定され得る。
周波数解析後のデータにおいて、固有振動数の実測値が面外方向の振動に由来するものであるのか面内方向の振動に由来するものであるのかが判別不能であれば、第4の算定式(数58)及び第4の算定式との比較対象となる以下の目的関数Jが張力及び剛性を算定するために利用可能である。
Figure 0007490505000062
上述の目的関数Jにおいて、固有振動数の実測値は、基礎式G1,G2それぞれに代入される。その後、ケーブル121,122の張力T、曲げ剛性E及び軸剛性Eの最適値が算出される。最適値の算出に関して、基礎式G1,G2の少なくとも一方の値がゼロに近づけば近づくほど、目的関数Jの値もゼロに近づくので、図6のMultiStart法を用いて、目的関数Jの最小値を探索することにより算定され得る。
上述の実施形態では、基礎式(数55)は、ケーブル121,122が交差部131において把持装置130により把持されていることを表す境界条件に基づいて得られている。すなわち、交差部131におけるケーブル121,122の変位が等しく、交差部131においてケーブル121,122に作用する力の和がゼロであるという境界条件の下で、関数g1ki~g6kiが設定されている。したがって、2つのケーブルが交差部において把持された構造物(たとえば、ニールセンローゼ橋)に対して、上述の張力及び剛性の算定技術は好適に利用可能である。
関数g1ki~g6kiは、振動モードの次数を含んでいない(数54)。したがって、固有振動数の実測値fが何次の振動モードのものであるのかが分からなくとも、張力及び剛性を算出可能である。
MultiStart法に基づき算出された最適解は、必要とされる精度を考慮して設定された閾値と比較されるので、必要な精度の下で、張力T、曲げ剛性E及び軸剛性Eが算定され得る。
上述の算定式は、ゼロの値をとる。代替的に、算定式は、ゼロ以外の所定の値をとる等式が用いられてもよい。この場合、ゼロ以外の算定式の値と最終最適解の下での目的関数の値との間の差が所定の閾値と比較されることにより、最終最適解が必要な精度を有しているか否かが判定されてもよい。
上述の実施形態に関して、最適解を得るために、基礎式(数55)の平方値が算定式及び目的関数として用いられている。代替的に、基礎式の絶対値が算定式及び目的関数として用いられてもよい。
上述の算定式は、把持装置130の質量を考慮せずに得られた基礎式に基づいて導出されている。代替的に、算定式は、把持装置130の質量を考慮して得られた基礎式に基づいて導出されてもよい。
上述の実施形態に関して、最適解を得るために、MultiStart法が用いられている。代替的に、最適解を得るための他の数学的技術が利用されてもよい。
上述の実施形態に関して、張力及び剛性の両方の算定値が出力されている。代替的に、張力の算定値のみが必要であれば、張力の算定値のみが出力されてもよい。剛性の算定値のみが必要であれば、剛性の算定値のみが出力されてもよい。
上述の実施形態に関して、ケーブル121,122の両方に加速度センサ141~144が取り付けられている。代替的に、加速度センサから得られる加速度データから一体となって振動するケーブル121,122の固有振動数の実測値が得られれば、ケーブル121,122のいずれか一方に単一の加速度センサが取り付けられてもよい。なお、上述の実施形態のように、ケーブル121,122それぞれのスパン171,172に加速度センサ141~144が取り付けられれば、ケーブル121,122の固有振動数の実測値を精度よく取得し得る。たとえば、加速度センサ141~144のデータを比較し、振動強度のピークがノイズであるか否かを見極めることが可能になる場合がある。
加速度センサ141~144に代えて、一体となって振動するケーブル121,122の固有振動数の実測値を取得可能なデータ(たとえば、ケーブル121,122の変位データ)を出力することができる他の装置が用いられてもよい。
上述の実施形態に関して、線状体として、ケーブル121,122が用いられている。代替的に、線状体として、鋼棒や他の線状部材が用いられてもよい。
上述の実施形態に関連して説明された技術は、一次元梁としてモデル化可能な様々な線状体に作用している張力及び剛性の調査に好適に利用される。
121,122・・・・・・・・・・・・・・・・ケーブル(線状体)
130・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・把持装置
131・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・交差部

Claims (8)

  1. 互いに交差するように張設されているとともに交差部において把持装置によって把持された2つの線状体それぞれの張力及び剛性を算定する方法であって、
    前記把持装置によって把持されることにより一体となって振動する前記2つの線状体の振動に基づいて前記2つの線状体について複数の固有振動数の実測値を得ることと、
    前記2つの線状体の交差部が前記把持装置により把持されていることを表す境界条件を用いて得られた前記一体となって振動する2つの線状体の複数の固有振動数、張力及び剛性の間の関係を表す算定式と、前記複数の固有振動数の前記実測値と、を用いて、前記2つの線状体それぞれの前記張力及び前記剛性を算定することと、を備えている、張力の算定方法。
  2. 前記算定式には、振動モードの次数の変数が含まれていない、請求項1に記載の張力及び剛性の算定方法。
  3. 前記境界条件は、前記交差部において前記2つの線状体に作用する力の合力がゼロになることを示す条件を含んでいる、請求項1又は2に記載の張力及び剛性の算定方法。
  4. 前記境界条件は、前記交差部における前記2つの線状体の変位が等しいことを示す条件を含んでいる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の張力及び剛性の算定方法。
  5. 前記境界条件は、前記一体となって振動する2つの線状体の前記複数の固有振動数、前記張力及び前記剛性を用いて前記算定式によって表される値が所定の値に等しくなることを示し、
    前記2つの線状体それぞれの前記張力及び前記剛性を算定する工程において、
    前記複数の固有振動数の実測値とともに前記2つの線状体それぞれの張力及び剛性の複数の候補値を前記算定式に代入したときの複数の値を取得し、
    前記複数の値の中で前記所定の値に最も近い値が得られたときの候補値を前記2つの線状体それぞれの前記張力及び前記剛性として決定する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の張力及び剛性の算定方法。
  6. 前記候補値を前記2つの線状体それぞれの前記張力及び前記剛性として決定する工程において、前記所定の値と前記最も近い値との間の差を閾値と比較し、
    前記差が前記閾値よりも小さいことを条件として、前記候補値を前記2つの線状体それぞれの前記張力として決定する、請求項5に記載の張力及び剛性の算定方法。
  7. 前記算定式において用いられる前記剛性は、前記2つの線状体それぞれの曲げ剛性である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の張力及び剛性の算定方法。
  8. 前記算定式において用いられる前記剛性は、前記2つの線状体それぞれの曲げ剛性及び軸剛性である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の張力及び剛性の算定方法。
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