以下、図面を参照し、本発明の保管装置、推定装置、保管方法、及びプログラムの実施形態について説明する。以下の説明において、電動車両10は鞍乗型の電動電気自動車であるものとする。電動車両10は、充電ステーション200から貸し出される着脱式バッテリ(以下「バッテリ」という)120を搭載する。電動車両10に搭載されるバッテリ120は、バッテリユニット100に含まれており、バッテリユニット100としてユーザに貸し出される。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。
<管理システム1の全体構成>
図1は、実施形態の管理装置400を利用した管理システム1の全体構成図、図2は、実施形態の管理装置400を利用した管理システム1のブロック図である。図1及び図2に示すように、管理システム1は、複数のバッテリユニット100と、複数設けられた充電ステーション200と、管理装置400とを備える。管理装置400は、ネットワークNWを介して複数の充電ステーション200と通信可能に接続されている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
管理装置400は、ネットワークNWを介して、ユーザが携行する携帯端末20と通信可能に接続されている。これにより、充電ステーション200及び携帯端末20は、ネットワークNWを経由して、管理装置400に対して通信データを送受信可能である。管理システム1は、電動車両10の駆動源であるバッテリユニット100におけるバッテリ120を、複数のユーザで共同利用するシェアサービスを提供可能なシステムである。管理装置400は、管理システム1における複数のバッテリユニット100及び複数の充電ステーション200を管理する。充電ステーション200は、保管する複数のバッテリユニット100の一部をユーザに貸し出すとともに、ユーザに貸し出したバッテリユニット100の返却を受け付ける。電動車両10は、「電力装置」の一例であり、充電ステーション200は「保管装置」の一例である。
「電力装置」は、電動二輪車に限られず、例えば、電力により走行可能かつ着脱自在にバッテリ120が装着可能な車両(一輪、三輪、四輪等)、またはアシスト式の自転車等であってもよい。これら車両型の移動体に代えて、「電力装置」は、日本国特開2019-068552号公報に記載の、人や車両によって運ばれる可搬型の充電給電装置であってもよい。「電力装置」は、移動ロボット、自律走行装置、電動自転車、自律走行車、その他の電動車両、ドローン飛行体、又はその他の電動式移動装置(電動モビリティ)であってもよい。以下、一例として、「電力装置」が電動二輪車であるものとして説明する。
<電動車両10>
電動車両10は、バッテリユニット100を着脱可能に搭載する車両である。電動車両10は、バッテリユニット100におけるバッテリ120により供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する鞍乗り型の車両(「電動二輪車」)である。電動車両10には、バッテリユニット100が搭載される。第1実施形態では、電動車両10に2つのバッテリユニット100と搭載可能である。電動車両10に搭載可能なバッテリユニット100は、1つとしてもよいし3つ以上としてもよい。バッテリユニット100のバッテリ120は、移動用の電力を電動車両10に供給する。
電動車両10は、バッテリユニット100と、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関とを組み合わせた駆動によって走行するハイブリッド電動車両や燃料電池車両であってもよい。管理システム1に適用可能な電動車両10は、電動二輪車のほか、電動自転車、電動三輪車、電動四輪車、ハイブリッド車両等の車両、電動キックスケータ、またはロボット等であってもよい。実施形態では、電動車両10は電動二輪車であるものとしている。
<携帯端末20>
携帯端末20は、例えば、バッテリの提供、例えば貸出を受けるユーザが所有するスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンなどの端末装置である。携帯端末20においては、アプリケーションプログラムやブラウザなどのUA(User Agent)が動作し、バッテリ120のシェアサービスをサポートする。携帯端末20は、充電ステーション200の所在地を示すステーションマップを参照可能である。ステーションマップは、管理装置400によって保持されていてもよいし、携帯端末20にダウンロードされてもよい。携帯端末20は、ユーザの現在位置を用いてステーションマップを検索することで、ユーザの周辺の充電ステーション200に関する周辺ステーション情報を取得できる。
携帯端末20は、各種の情報や画像を表示する表示装置と、ユーザの操作を受け付ける入力装置を兼ねるタッチパネル(タッチセンサ付き表示パネル)を備える。実施形態では、携帯端末20がスマートフォンであり、アプリケーションプログラム(バッテリ予約アプリ)が起動していることを前提とする。携帯端末20は、ユーザによるバッテリユニット100の予約を受け付ける。ユーザは、携帯端末20のタッチパネルを操作することにより、バッテリユニット100の貸出を予約することができる。ユーザがバッテリユニット100の貸出を予約することにより、予約されたバッテリユニット100の予約ユーザ以外の非予約ユーザに対する貸出が不可とされる。
ユーザは、例えば、携帯端末20によって近隣の充電ステーション200を検索し、検索された充電ステーション200に貸出可能なバッテリユニット100がある場合に、そのバッテリユニット100を予約可能である。複数の充電ステーション200が検索されたときには、利用する充電ステーション200をユーザが選択可能である。
携帯端末20において起動するバッテリ予約アプリは、ユーザがバッテリユニット100の予約を行う際に、ユーザの予約操作に応じた予約希望情報を生成する。携帯端末20は、生成した予約希望情報を管理装置400に送信する。予約希望情報には、例えば、ユーザID、バッテリユニット100の貸出を希望する充電ステーション200、及び貸出希望時間に関する情報が含まれる。
<バッテリユニット100>
図1に示すように、バッテリユニット100は、電動車両10に搭載されるとともに、充電ステーション200における充電装置220に保管される。バッテリユニット100は、電動車両10に対して着脱自在に装着されるカセット式である。図2に示すように、バッテリユニット100は、バッテリ120と、バッテリ通信部140と、自己位置検出部160と、バッテリ制御装置180と、を備える。
バッテリ120は、例えば、リチウムイオン電池などの蓄電装置(二次電池)である。バッテリ120は、電動車両10に対して着脱自在に装着され、電動車両10の走行用の電力を供給する。バッテリ通信部140は、充電ステーション200と通信するための機器である。バッテリ通信部140は、通信線を介して充電ステーション200と接続されており、バッテリ制御装置180により生成された情報等を充電ステーション200に送信する。
自己位置検出部160は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機と、自己位置検出制御部とを備える。GNSS受信機は、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて自機の位置(バッテリユニット100の自己位置)を測位する。自己位置検出制御部は、例えば、CPUや各種記憶装置を備え、バッテリユニット100の自己位置を検出する。自己位置検出制御部は、検出したバッテリユニット100の自己位置に基づいて自己位置情報を生成し、バッテリ制御装置180に出力する。
バッテリ制御装置180は、例えば、バッテリ制御部182と、バッテリ記憶部184と、を備える。バッテリ制御部182は、例えば、BMU(Battery Management Unit;制御部)を備える。BMUは、バッテリ120の充電や放電を制御する。例えば、BMUは、バッテリユニット100が充電ステーション200に保管されているときには、バッテリ120に対する充電を制御し、バッテリユニット100が電動車両10に装着されているときには、バッテリ120に対する充放電を制御する。
バッテリ120は、電流センサ、電圧センサ、温度センサなどの各種センサによってその電流値、電圧値、温度などが検出される。これらのセンサは、検出結果をバッテリ制御部182に出力する。バッテリ制御部182は、出力された各種センサの検出結果に基づいて、バッテリ120のSOC(State Of Charge;「充電率」ともいう)を算出する。バッテリ制御部182は、算出したバッテリ120のSOCをバッテリ記憶部184に格納する。
バッテリ制御部182は、充電ステーション200がユーザにバッテリユニット100を貸し出した際に、電動車両10を所有するユーザのユーザID、バッテリユニット100を貸し出した充電ステーション(以下「貸出充電ステーションという」のID(以下「STID」という)、貸出日時、貸出時SOCの情報を取得する。ユーザIDは、例えば、複数のユーザを個々に識別するために、ユーザごとに付された異なる番号からなるIDである。STIDは、例えば、複数の充電ステーション200を個々に識別するために、充電ステーション200ごとに付された異なる番号からなるIDである。バッテリ制御部182は、取得した電動車両10のユーザID、バッテリユニット100を貸し出す充電ステーション200のSTID、貸出日時、貸出時SOCの情報をバッテリ記憶部184に格納する。充電ステーション200のSTID、貸出日時は、それぞれユーザがバッテリ120を提供された際の提供保管装置、提供時間帯、提供曜日の一例である。
バッテリ制御部182は、バッテリユニット100を装着した電動車両10が走行する際に、自己位置検出部160により出力される自己位置情報に基づいて、電動車両10のユーザの走行領域の情報を生成する。バッテリ制御部182は、例えば、電動車両10が走行した履歴がある範囲を走行領域として生成する。バッテリ制御部182は、電動車両10が新たな位置を走行すると、走行領域を更新して生成する。バッテリ制御部182は、生成したユーザの走行領域の情報をバッテリ記憶部184に格納する。
バッテリ制御部182は、ユーザが充電ステーション200にバッテリユニット100を返却する際に、バッテリ記憶部184に格納されたユーザID、貸出充電ステーションのSTID、貸出日時、貸出時SOC、ユーザの走行領域の各情報を返却充電ステーションに送信する。このとき、バッテリ制御部182は、バッテリ記憶部184に記憶しているバッテリID、及び返却時SOCとなる現在のバッテリ120のSOCを、バッテリユニット100を返却する充電ステーション200に合わせて送信する。バッテリIDは、例えば、複数のバッテリユニット100(またはバッテリ120)を個々に識別するために、バッテリユニット100(またはバッテリ120)ごとに付された異なる番号からなるIDである。
<充電ステーション200>
充電ステーション200は、バッテリユニット100の保管及び充電を行うための設備であり、複数の場所に設置されている。図1及び図2に示すように、充電ステーション200は、充電装置220と、充電ステーション制御装置(以下「ST制御装置」という)240と、を備える。充電装置220は、図1に示すスロット部221と、認証・表示器223と、図2に示す充電器227と、を備える。
スロット部221は、上段スロット部221Uと下段スロット部221Lを備える。上段スロット部221U及び下段スロット部221Lは、互いに共通する構成を有するため、代表して上段スロット部221Uの構成について説明する。上段スロット部221Uは、例えば鉛直軸周り回転するターンテーブルを備える。ターンテーブル上には、バッテリ収容部(以下「収容部」という)が設けられる。収容部は、ターンテーブルを平面視して4等分に仕切った領域にそれぞれ設けられる。スロット部221は、保管部の一例である。
充電装置220の表面には取出口が設けられている。ユーザは、取出口に位置する収容部に対して、バッテリユニット100を外側から出し入れ可能である。取出口に位置する収容部は、ターンテーブルを回転させることにより入れ替え可能である。4つの収容部は仕切り板によって仕切られている。仕切り板は例えば透明の素材で構成される。
認証・表示器223は、少なくとも認証機能及び表示機能を有する機器である。認証・表示器223は、例えば、近距離通信(NFC;Near Field Communication)を用いて、ユーザが携行するNFCカード(不図示)の記録情報を読取可能である。これにより、充電ステーション200は、この記録情報に含まれるユーザIDを用いて、シェアサービスの利用権限を有するユーザを認証する。認証・表示器223は、ユーザが所持する電波発信機が発信する電波を検出可能である。認証・表示器223は、ユーザが操作した電波発信機が発信した電波の検出結果に基づいて、充電ステーション200に近づくバッテリユニット100の利用を予約したユーザを検出する。
認証・表示器223は、例えば、タッチパネル(タッチセンサ付き表示パネル)を備える。これにより、ユーザの操作に応じて必要な情報を入力可能であると共に、ユーザに対して様々な可視情報を提供可能である。認証・表示器223は、充電装置220の左上部に配置されている。認証・表示器223は、種々の情報を表示する。例えば、認証・表示器223は、ユーザに貸し出すバッテリユニットが収容された収容部を報知する情報を表示する。
図2に示す充電器227は、図1に示すスロット部221における各収容部のそれぞれの奥側に設けられる。充電器227は、バッテリユニット100のバッテリ120と接続し充電することが可能である。充電器227には、バッテリ120に電力を供給するための電源が接続されている。充電器227にバッテリ120を接続すると、バッテリユニット100と充電ステーション200とが通信線を介して接続され、バッテリユニット100と充電ステーション200との間における信号の送受信が可能となる。
図2に示すように、ST制御装置240は、ST通信部242と、ST制御部244と、充電制御部246と、ST記憶部250と、を備える。ST制御部244と、充電制御部246とは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがST記憶部250に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性記憶媒体)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。ST記憶部250は、前述した記憶装置により実現される。ST記憶部250は、ST制御装置240が設けられた充電ステーション200のSTIDを記憶している。
ST通信部242は、返却されたバッテリユニット100のバッテリ120が充電器227に接続されたとき、通信線を介してバッテリ通信部140により送信されるバッテリID、ユーザID、貸出充電ステーションのSTID、貸出日時、貸出時SOC、返却時SOC、ユーザの走行領域等の各種の情報を受信する。ST通信部242は、受信した各種の情報をST記憶部250に格納する。
ST通信部242は、ネットワークNWを介して管理装置400との間で情報を送受信する。ST通信部242は、例えば、セルラー網やWi-Fi網を接続するための無線モジュールやネットワークNWに接続するためのネットワークカードなどの通信インターフェースを含む。例えば、ST通信部242は、管理装置400により送信される予約情報やバッテリ選択情報等を受信する。ST通信部242は、受信した予約情報やバッテリ選択情報等をST制御部244に出力する。
ST制御部244は、バッテリユニット100により送信された返却時SOC等に基づいて、バッテリ120に対する充電量を算出し、充電制御を行う。ST制御部244は、ST記憶部250に格納されたバッテリID、ユーザID、貸出充電ステーションのSTID、貸出日時、貸出時SOC、返却時SOC、ユーザの走行領域及び自己のSTIDに基づいて、バッテリデータ252を生成して取得する。
図3は、バッテリデータ252の一例を示す図である。図3に示すように、バッテリデータ252は、バッテリID、ユーザID、貸出時及び返却時のSTID、日時、SOC、及びユーザの行動圏の項目を含む。ST制御部244は、生成したバッテリデータ252をST記憶部250に格納する。ST記憶部250には、スロット部221に保管されているバッテリユニット100の全てについてのバッテリデータ252が格納されている。
ST制御部244は、図3に示すバッテリデータ252のうち、バッテリID、ユーザID、貸出時及び返却時のSTID、日時、及びSOCは、いずれもバッテリユニット100により送信されたデータをそのままバッテリデータ252として利用する。ST制御部244は、バッテリデータ252のうちユーザの行動圏を、バッテリユニット100により送信されたユーザの走行領域に基づいて算出する。ST制御部244は、ユーザの走行領域に基づいてユーザの行動圏を適宜の方法で算出してもよい。例えば、ST制御部244は、ユーザの走行領域における東西南北のそれぞれの緯度経度の最大値及び最小値を求め、これらの緯度経度の最大値及び最小値を頂点とする矩形の範囲をユーザの行動圏としてもよい。ST制御部244は、この範囲内における電動車両10が通行できる道路が設けられた範囲をユーザの行動圏としてもよい。ST制御部244は、例えば、ユーザの走行領域を中心とした半径数メートルの範囲を繋いだ領域やその領域に囲まれる領域をユーザの行動圏としてもよい。
ST制御部244は、ユーザにバッテリユニット100を貸し出した貸出回数及びユーザからバッテリユニット100を返却された返却回数を利用回数としてカウントして更新する。ST制御部244は、バッテリユニット100の利用回数を更新した場合に、更新した利用回数の情報をST記憶部250に格納する。
ST制御部244は、管理装置400により送信された予約情報がST通信部242により出力された場合に、バッテリを貸し出すユーザが認証を行うための準備を行う。ST制御部244は、管理装置400により送信されたバッテリ選択情報がST通信部242により出力された場合に、ユーザに貸し出すバッテリユニット100に関する情報を認証・表示器223に表示させる準備を行う。
ST制御部244は、例えば、ST通信部242により出力された予約情報に応じたユーザが来所した場合に、認証・表示器223の表示制御や認証制御を行う。ST制御部244は、予約ユーザが充電ステーション200に到着し、認証・表示器223による認証を行った後、ユーザに貸し出すバッテリユニット100に関する情報を認証・表示器223に表示させる。こうして、ST制御部244は、ユーザに貸し出すバッテリユニット100ユーザに報知する。
充電制御部246は、バッテリユニット100により送信される消費SOCの情報等に基づいて、消費SOCに応じた電力をバッテリ120に充電する。充電制御部246は、例えば、スロット部221に収納されたバッテリユニット100におけるバッテリ120が満充電されるまで電力をバッテリ120に充電する。
<管理装置400>
管理装置400は、ウェブサーバまたはアプリサーバとして機能し、携帯端末20に各種情報を提供しつつ、携帯端末20によりアップロードされた情報を取得する。管理装置400は、充電ステーション200と通信することで、ユーザによってバッテリユニット100が予約されたことを示す情報を充電ステーション200に送信し、ユーザに貸し出すバッテリユニット100の指定を行う。
管理装置400は、例えば、管理装置400は、通信部410と、取得部420と、生成部430と、推定部440と、選択部450と、予約部460と、記憶部470と、を備える。取得部420、生成部430、推定部440、選択部450、及び予約部460は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性記憶媒体)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部470は、前述した記憶装置により実現される。
記憶部470は、管理システム1において用いられる複数のバッテリ120についてのバッテリID、複数の充電ステーション200のそれぞれのSTID及び所在地、充電ステーションが特定充電ステーションであるか否か等の情報を記憶している。特定充電ステーションは、劣化バッテリの修理や廃棄などの対処に適した充電ステーションである。記憶部470には、管理システム1にバッテリ120や充電ステーション200が新たに追加された場合に、これらのバッテリIDやSTID等が追加して格納される。
通信部410は、ネットワークNWを介して、携帯端末20、充電ステーション200、図示しない気象サーバ等との間で情報を送受信する。通信部410は、例えば、セルラー網やWi-Fi網を接続するための無線モジュールやネットワークNWに接続するためのネットワークカードなどの通信インターフェースを含む。通信部410は、携帯端末20、充電ステーション200、及び図示しない気象サーバにより送信される各種情報を受信する。
取得部420は、通信部410を用いて各種情報を取得する。例えば、取得部420は、充電ステーション200により送信されたバッテリデータ252、携帯端末20により送信される予約希望情報、及び気象サーバにより送信された天候情報を取得する。取得部420は、取得した情報を記憶部470に格納する。
取得部420は、取得したバッテリデータ252に基づいて、バッテリユニット100におけるバッテリ120の使用頻度を推定するための情報として、バッテリ集計データ472を生成して取得する。取得部420は、取得したバッテリ集計データ472を記憶部470に格納する。記憶部470にバッテリ集計データ472が格納されている場合には、取得部420は、記憶部470に格納されたバッテリ集計データ472を読み出し、バッテリデータ252に基づいて、バッテリ集計データ472を更新して記憶部470に格納する。
図4は、バッテリ集計データ472の一例を示す図である。図4に示すように、バッテリ集計データ472は、バッテリID、使用開始年月日、使用回数(充電回数)、使用頻度、推定SOH(State Of Health;劣化状態)の項目を含む。
バッテリIDの項目は、バッテリデータ252に含まれるIDを示す項目である。使用開始年月日の項目は、バッテリ120の使用時にバッテリごとに管理装置400に登録され記憶部470に記憶された年月日を示す項目である。使用回数の項目は、バッテリ120を使用した回数、言い換えると、充電ステーション200でバッテリ120に充電された回数を示す項目である。使用回数は、充電回数と一致する。
使用頻度の項目は、バッテリ120の使用頻度を表すレベルを示す項目である。バッテリ120の使用頻度を表すレベルは、例えば、使用開始年月日から現在までの経過時間を使用回数で除した数値を、その大きさで段階別に振り分けたレベルである。使用頻度は、貸与適正範囲内のLv1~Lv5の5段階と、貸与適正範囲外のLv0で表され、貸与適正範囲内のLv1~Lv5の間では使用頻度が高いほどLvが大きくなる。例えば、使用頻度がLv2であるバッテリ120は、使用頻度がLv1であるバッテリ120よりも使用頻度が高く、使用頻度がLv3であるバッテリ120は、使用頻度がLv2であるバッテリ120よりも使用頻度が高い。使用頻度がLv5であるバッテリ120は、使用頻度が最も高いバッテリである。使用頻度が貸与適正範囲外のLv0のバッテリ120は、修理が必要であったり廃棄が近かったりするバッテリ(以下「劣化バッテリという」である。貸与適正範囲内の使用頻度は、5段階以外の段階数で振り分けられてもよい。貸与適正は、提供適正の一例である。
推定SOHの項目は、バッテリデータ252に含まれるデータに基づいて推定されるバッテリ120のSOHを示す項目である。推定SOHは、例えば、バッテリ120の使用回数や充電された電力の総量等に基づいて推定される。バッテリ120の劣化は、おおよそバッテリ120の使用頻度に比例して進行する。このため、バッテリ120のSOHは、バッテリ120の使用頻度が高いほど低下する。例えば、バッテリ120の使用頻度は、バッテリ120のSOHにより推定されてもよい。
取得部420は、ユーザの行動圏を推定するための情報として、ユーザ集計データ474を生成して取得する。取得部420は、取得したバッテリデータ252や気象サーバにより送信された天候情報に基づいて、ユーザ集計データ474を生成して取得する。取得部420は、取得したユーザ集計データ474を記憶部470に格納する。記憶部470にユーザ集計データ474が格納されている場合には、取得部420は、記憶部470に格納されたユーザ集計データ474を読み出し、バッテリデータ252及び天候情報に基づいて、ユーザ集計データ474を更新して記憶部470に格納する。
図5は、ユーザ集計データ474の一例を示す図である。図5に示すように、ユーザ集計データ474は、ユーザごとの使用履歴No、貸出時間帯、曜日、貸出STID、返却STID、行動圏、天候の項目を含み、ユーザIDが付されている。ユーザ集計データ474は行動圏の項目を含んでおり、取得部420は、電動車両10に装着されたバッテリ120が備える自己位置検出部160で検出した自己位置情報に基づいてユーザの行動圏を取得する。
使用履歴Noの項目は、例えば、当該ユーザにバッテリユニット100を貸し出した回数を示す項目である。使用履歴Noは、例えば、当該ユーザにバッテリユニット100を貸し出すごとに更新される。使用履歴Noごとに以下の項目が取得される。貸出時間帯の項目は、例えば、ユーザにバッテリユニット100を貸し出してから返却されるまでの時間を示す項目である。
曜日の項目は、ユーザにバッテリを貸し出した日が平日であるか休日であるかに関する項目である。ここでの休日は、例えば、「平日」「休日」「連休」のいずれかに分類される。例えば、「休日」は「連休」に含まれるが、「連休」に相当する「休日」は、「休日」とすることなく「連休」に含める。曜日については、休日としてもよいし、連休の合間の平日などの分類を設けてもよい。「月末」「月初」などの分類を設けてもよい。
貸出STIDの項目は、バッテリユニット100をユーザに貸し出した充電ステーション200に付されたSTIDを示す項目である。返却STIDの項目は、ユーザからバッテリユニット100を返却された充電ステーション200に付されたSTIDを示す項目である。取得部420は、バッテリデータ252に基づいてバッテリユニット100を貸し出した貸出充電ステーションを特定し、バッテリデータ252を送信した充電ステーション200の情報に基づいて、バッテリ120を返却した返却充電ステーションを特定する。取得部420は、特定した貸出充電ステーション及び返却充電ステーションに応じた貸出STID及び返却STIDを取得する。返却充電ステーションは、到着保管装置の一例である。
行動圏の項目は、ユーザの行動圏を示す項目である。取得部420は、バッテリデータ252に含まれる行動圏を取得する。取得部420は、バッテリデータ252に含まれる行動圏情報により、ユーザの行動圏を推定して取得する。天候の項目は、使用履歴Noに対応する貸出時間帯の天候を示す項目である。取得部420は、気象サーバにより送信され、通信部410を用いて受信した天候情報に基づいて、使用履歴Noに対応する貸出時間帯の天候(バッテリ120の提供時の天候)を判断して取得する。バッテリデータ252に含まれる行動圏情報は、履歴情報の一例である。バッテリデータ252に含まれる行動圏情報により推定されたユーザの行動圏情報は、推定情報の一例である。取得部420は、例えば、ユーザの過去の情報に基づいてユーザの行動圏情報を取得する。
取得部420は、返却を受け付ける充電ステーションの稼働状況を推定するための情報として、充電ST集計データ476を生成して取得する。取得部420は、取得したバッテリデータに基づいて、充電ST集計データ476を生成して取得する。取得部420は、生成した充電ST集計データ476を記憶部470に格納する。記憶部470に充電ST集計データ476が格納されている場合には、取得部420は、記憶部470に格納された充電ST集計データ476を読み出し、バッテリデータ252に基づいて、充電ST集計データ476を更新して記憶部470に格納する。
図6は、充電ST集計データ476の一例を示す図である。図6に示すように、充電ST集計データ476は、各充電ステーション200のSTID、位置、設立年月日、充電ステーション200の利用回数、及び稼働状況の項目を含む。
STIDの項目は、記憶部470に記憶された充電ステーション200ごとのIDを示す項目である。位置の項目は、充電ステーション200が設けられた住所等の位置を示す項目である。位置の項目は、緯度経度の情報で示されてもよい。設立年月日の項目は、当該充電ステーションが設立された年月日を示す項目である。利用回数の項目は、ユーザが当該充電ステーション200を利用した回数を示す項目である。取得部420は、バッテリデータ252に基づく充電ST集計データ476の更新を行うごとに、充電ステーションの利用回数に1を加算する。
稼働状況の項目は、当該充電ステーション200の稼働割合を表すレベルを示す項目である。稼働状況は、例えば、設立年月日から現在までの経過時間を利用回数で除した数値を、その大きさで段階別に振り分けたレベルで示される。例えば、稼働状況は、Lv1~Lv5の5段階で表され、稼働割合が高いほどLvが大きくなる。例えば、稼働状況がLv2であるバッテリ120は、稼働状況がLv1であるバッテリ120よりも稼働割合が高く、稼働状況がLv3であるバッテリ120は、稼働状況がLv2であるバッテリ120よりも稼働割合が高い。稼働状況がLv5であるバッテリ120は、稼働割合が最も高い範囲に含まれるバッテリである。稼働状況は、5段階以外の段階数で振り分けられてもよい。
生成部430は、ユーザがバッテリを返却する返却充電ステーションを求めるための返却充電ST推定モデル478を学習モデルとして生成する。生成部430は、例えば、ユーザ集計データ474における各項目を入力データとし、返却充電ステーションを出力データとした機械学習によって、返却充電ST推定モデル478を生成する。
例えば、生成部430は、図7に示すように、1のユーザについての行動圏、貸出充電ステーション(図7において「貸出ST」と記す)、貸出時間帯、曜日(休日)、天候の各データを入力データとし、返却充電ステーション(図7において「返却ST」と記す)を出力としたニューラルネットワークモデルからなる返却充電ST推定モデル478を生成する。生成部430は、生成した返却充電ST推定モデル478を記憶部470に格納する。
生成部430は、返却充電ST推定モデル478を生成する際に、返却充電ST推定モデル478の出力を積算する。生成部430は、返却充電ST推定モデル478の出力の積算値に回帰分析やクラスタリング処理などの統計処理を施すことにより、返却充電ST推定モデル478を更新して生成する。生成部430は、生成した返却充電ST推定モデル478を記憶部470に記憶させる。
図7は、返却充電ST推定モデル478の生成工程の概念図である。生成部430は、図7に示すように、入力層と隠れ層と出力層とを有する返却充電ST推定モデル478を生成する。入力層には、行動圏、貸出充電ステーション(貸出ST)、貸出時間帯、曜日(休日)、天候の各データが入力される。出力層からは、返却充電ステーション(返却ST)が出力される。隠れ層は、入力層と出力層をつなぐ多層のニューラルネットワークを有する。隠れ層のパラメータは、入力層への入力を学習データとし、出力層から出力されるべきデータを教師データとして機械学習を行うことで最適化される。生成部430は、教師なし学習により返却充電ST推定モデル478を生成するが、教師あり学習により返却充電ST推定モデル478を生成してもよい。
推定部440は、生成部430により生成された返却充電ST推定モデル478と、ユーザが送信し、通信部410を用いて受信した予約希望情報に含まれるユーザがバッテリの貸出を希望する充電ステーション200及びその位置、気象サーバにより送信される天候情報等に基づいて、ユーザがバッテリを返却する返却充電ステーション及び返却充電ステーションの位置を推定する。こうして、推定部440は、機械学習によって得られた返却充電ST推定モデル478にユーザの行動圏及びバッテリ120の貸出位置を含む複数の情報を入力することで、バッテリユニット100の返却位置(バッテリ120を装着した電動車両10が到着する到着位置)を推定する。
推定部440は、例えば、ユーザIDに応じたユーザの行動圏をユーザ集計データ474により取得し、ユーザの行動圏、貸出充電ステーション、貸出時間帯、曜日(休日)、天候の各項目を入力データとして返却充電ST推定モデル478に入力する。推定部440は、返却充電ST推定モデル478の出力データとなる返却充電ステーションをユーザがバッテリユニット100を返却する充電ステーション200として推定する。推定部440は、推定した返却充電ステーションの情報を選択部450に出力する。ユーザの行動圏は、例えば、ユーザが充電ステーション200を訪れた履歴に基づいて推定される。ユーザの行動圏は、例えば、ユーザの将来の行動圏である。
選択部450は、記憶部470に格納されたバッテリ集計データ472を読み出し、推定部440により出力された返却充電ステーションのスロット部221に保管されているバッテリユニット100におけるバッテリ120の使用頻度を推定する。選択部450は、記憶部470に格納された充電ST集計データ476を読み出し、推定部440により出力された返却充電ステーションの稼働状況を推定する。
選択部450は、推定したバッテリ120の使用頻度及び返却充電ステーションの稼働状況に基づいて、ユーザに貸し出すバッテリユニット100を選択する。例えば、選択部450は、返却充電ステーションが、高稼働、例えば稼働状況がLv5の充電ステーション200である場合には、使用頻度が低く、例えば使用頻度がLv1のバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。選択部450は、返却充電ステーションが特定充電ステーションであり、貸出充電ステーションに使用頻度がLv0であり、貸与適正が低下した劣化バッテリには、劣化バッテリを選択する。こうして、選択部450は、使用頻度に適した充電ステーション200にバッテリユニット100が返却されるように、ユーザに貸し出すバッテリユニット100を選択する。こうして、選択部450は、使用頻度の低いバッテリが高稼働の充電ステーションで返却され、使用頻度の高いバッテリが低稼働の充電ステーションで返却されるようにバッテリを選択する。
選択部450は、例えば自装置(選択部450が設けられた充電ステーション200)におけるバッテリの提供度合(稼働率)が、他の充電ステーション200におけるバッテリの稼働率よりも低い場合に、スロット部221が保管する複数のバッテリ120の中から、使用度合が低いバッテリ120を選定する。特定充電ステーションは、貸与適正が低下した劣化バッテリに対処する特定保管装置の一例である。
例えば、選択部450は、返却充電ステーションが低稼働、例えば稼働状況がLv1の充電ステーション200である場合には、使用頻度が高く、例えば使用頻度がLv5のバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。選択部450は、選択したバッテリユニット100に応じたバッテリ選択情報を、通信部410を用いて貸出充電ステーションに送信する。
選択部450は、充電ステーション200を稼働割合に応じて高稼働の充電ステーション200と低稼働の充電ステーション200に分類する。選択部450は、選定部の一例であり、高稼働の充電ステーション200は高稼働装置の一例であり、低稼働の充電ステーション200は低稼働装置の一例である。選択部450は、例えばユーザの行動圏にある複数の充電ステーション200のうち、低稼働の充電ステーション200が占める割合が高いほど使用度合が高いバッテリを選定する。選択部450は、ユーザの行動圏にある複数の充電ステーション200のうち、高稼働の充電ステーション200が占める割合が高いほど使用度合が低いバッテリを選定する。
予約部460は、携帯端末20により送信された予約希望情報が記憶部470に格納されている場合に、予約希望情報に基づいて予約情報を生成する。予約情報には、例えば、バッテリユニット100を予約したユーザのユーザID、予約した充電ステーション200のSTID、予約時間等の情報が含まれる。予約部460は、予約希望情報に含まれるユーザIDを予約情報のユーザIDとして生成する。予約部460は、予約希望情報に含まれるバッテリユニット100の貸出を希望する充電ステーション200の情報に基づいて予約した充電ステーション200のSTIDの情報を生成する。予約部460は、予約希望情報に含まれる貸出希望時間の情報に基づいて予約情報を生成する。予約部460は、生成した予約情報を、通信部410を用いて貸出充電ステーションに送信する。
次に、管理装置400における処理の一例について説明する。管理装置400は、充電ステーション200により送信されたバッテリデータ252を受信したときに返却充電ST推定モデル478を更新する。管理装置400は、携帯端末20により送信された予約希望情報を受信したときに予約情報及びバッテリ選択情報を生成して貸出充電ステーションに送信する。そこで、まず、充電ステーション200により送信されたバッテリデータ252を受信したときの処理について説明する。
図8は、管理装置400において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8に示すフローは、充電ステーション200により送信されたバッテリデータ252を受信したときの流れを示す。管理装置400は、通信部410において、充電ステーション200により送信されるバッテリデータ252を受信したか否かを判定する(ステップS110)。バッテリデータ252を受信していないと判定した場合、管理装置400は、バッテリデータ252を受信するまでステップS110の処理を繰り返す。
バッテリデータ252を受信したと判定した場合、取得部420は、記憶部470からバッテリ集計データ472を読み出し、バッテリデータ252に基づいてバッテリ集計データ472を更新する(ステップS120)。具体的に、取得部420は、バッテリ集計データ472におけるバッテリデータ252に応じたバッテリIDのデータのうち、使用回数、使用頻度、及び推定SOHの項目を更新する。取得部420は、更新したバッテリ集計データ472を記憶部470に格納する。
続いて、取得部420は、記憶部470からユーザ集計データ474を読み出し、バッテリデータ252に基づいてユーザ集計データ474を更新する(ステップS130)。具体的に、取得部420は、ユーザ集計データ474におけるバッテリデータ252に応じたユーザIDのデータの使用履歴を追加する。使用履歴を追加するにあたり、取得部420は、気象サーバにより送信された天候情報も参照する。取得部420は、更新したユーザ集計データ474を記憶部470に格納する。
続いて、取得部420は、記憶部470から充電ST集計データ476を読み出し、バッテリデータ252に基づいて充電ST集計データ476を更新する(ステップS140)。具体的に、取得部420は、充電ST集計データ476におけるバッテリデータ252に応じた貸出時及び返却時のSTIDのデータのうちの利用回数及び稼働状況の各項目を更新する。取得部420は、更新した充電ST集計データ476を記憶部470に格納する。
続いて、生成部430は、記憶部470に格納されたユーザ集計データ474及び返却充電ST推定モデル478を読み出す。生成部430は、読み出したユーザ集計データ474の各項目を入力データとする機械学習を行い、返却充電ST推定モデル478を更新する(ステップS150)。生成部430は、更新した返却充電ST推定モデル478を記憶部470に格納する。こうして、管理装置400は、図8に示すフローチャートの処理を終了する。
図9は、管理装置400において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9に示すフローは、携帯端末20により送信された予約希望情報を受信したときの流れを示す。管理装置400は、通信部410において、携帯端末20により送信される予約希望情報を受信したか否かを判定する(ステップS210)。予約希望情報を受信していないと判定した場合、管理装置400は、予約希望情報を受信するまでステップS210の処理を繰り返す。
予約希望情報を受信したと判定した場合、推定部440は、記憶部470に格納されたユーザ集計データ474及び返却充電ST推定モデル478を読み出す(ステップS220)。続いて、推定部440は、予約希望情報に含まれるユーザIDが付与されたユーザのユーザ集計データ474及び返却充電ST推定モデル478に基づいて、ユーザがバッテリ120を含むバッテリユニット100を返却する返却充電ステーションを推定する(ステップS230)。
続いて、選択部450は、充電ST集計データ476を読み出し、推定部440により推定された返却充電ステーションの稼働状況を参照して、返却充電ステーションが特定充電ステーションであるか否かを判定する(ステップS240)。返却充電ステーションが特定充電ステーションでないと判定した場合、選択部450は、ステップS270の処理に進む。返却充電ステーションが特定充電ステーションであると判定した場合、選択部450は、貸出充電ステーションに劣化バッテリがあるか否かを判定する(ステップS250)。
貸出充電ステーションに劣化バッテリがあると判定した場合、選択部450は、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、劣化バッテリを選択する(ステップS260)。貸出充電ステーションに劣化バッテリがないと判定した場合、選択部450は、返却充電ステーションが高稼働の充電ステーションであるか否かを判定する(ステップS270)。高稼働の充電ステーションは、例えば、複数の充電ステーション200の中における相対的に見た稼働割合が高い充電ステーションをいう。
高稼働の充電ステーションであるか否かの判定は、適宜の基準で行ってよい。例えば、稼働状況を示すLvに閾値を設定し、稼働状況がLv3以上、Lv4以上、あるいはLv5の充電ステーションを高稼働の充電ステーションと判定してもよい。高稼働の充電ステーションであるか否かは、記憶部470に記憶された充電ステーションの中の相対的な稼働状況に応じて判定してもよい。あるいは、ユーザの行動圏に含まれる充電ステーションの中の相対的な稼働状況に応じて高稼働の充電ステーションを判定してもよい。
返却充電ステーションが高稼働の充電ステーションであると判定した場合、選択部450は、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、使用頻度が低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する(ステップS280)。一方、返却充電ステーションが高稼働の充電ステーションでないと判定した場合、選択部450は、返却充電ステーションは低稼働の充電ステーションと判定し、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、使用頻度が高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する(ステップS290)。
選択部450は、バッテリの使用頻度が高いか低いかを、任意の基準で判定してよい。例えば、選択部450は、バッテリの使用頻度を示すLvに閾値を設定し、使用頻度がLv3以上、Lv4以上、あるいはLv5のバッテリを使用頻度が高いバッテリと判定してもよい。選択部450は、貸出充電ステーションに保管された複数のバッテリのそれぞれにおける各バッテリの使用頻度を比較してバッテリの使用頻度が高いか低いかを判定してもよい。例えば、貸出バッテリステーションに、使用頻度がそれぞれLv1、Lv2、Lv3の3つのバッテリが保管されている場合、選択部450は、使用頻度が高いバッテリとして使用頻度がLv3のバッテリを選択し、使用頻度が低いバッテリとして使用頻度がLv1のバッテリを選択する。貸出バッテリステーションに、使用頻度がそれぞれLv3、Lv4、Lv5の3つのバッテリが保管されている場合、選択部450は、使用頻度が高いバッテリとして使用頻度がLv5のバッテリを選択し、使用頻度が低いバッテリとして使用頻度がLv3のバッテリを選択する。
ステップS260、ステップS280、またはステップS290においてユーザに貸し出すバッテリ120を選択したら、選択部450及び予約部460は、バッテリ選択情報及び予約情報をそれぞれ生成し(ステップS300)、通信部410に出力する。続いて、通信部410は、選択部450及び予約部460により出力されたバッテリ選択情報及び予約情報を、予約希望情報に含まれる充電ステーション200に送信する(ステップS310)。こうして、管理装置400は、図9に示す処理を終了する。
上記の第1実施形態に係る管理装置400は、ユーザがバッテリユニット100を返却する返却充電ステーションが高稼働の充電ステーション200である場合に、使用頻度が低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を貸し出す。管理装置400は、ユーザがバッテリユニット100を返却する返却充電ステーションが低稼働の充電ステーション200である場合に、使用頻度が高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を貸し出す。
このため、使用頻度が低いバッテリ120を含むバッテリユニット100が高稼働の充電ステーション200に移動しやすくなり、使用頻度が高いバッテリ120を含むバッテリユニット100が低稼働の充電ステーション200に移動しやすくなる。したがって、使用頻度の高いバッテリ120の使用頻度が上昇し、使用頻度の低いバッテリ120の使用頻度が低下するので、バッテリ120の使用頻度を平準化することができる。
上記の第1実施形態に係る管理装置400では、バッテリ120の使用頻度を平準化するにあたり、業者等がバッテリ120を移動させるのではなく、ユーザにバッテリ120を移動してもらうことができる。したがって、充電ステーション200や管理装置400を運営する運営者等が、バッテリ120の使用頻度を平準化するために払う労力の負担を軽減することができる。
上記の第1実施形態では、返却充電ステーションが特定充電ステーションであり、貸出充電ステーションに劣化バッテリがある場合に、選択部450は、ユーザに貸し出すバッテリ120として劣化バッテリを選択する。このため、劣化バッテリを迅速に特定充電ステーションに移動させることができる。ユーザによって劣化バッテリは特定充電ステーションに移動してもらうことができるので、充電ステーション200や管理装置400を運営する運営者等が、バッテリ120の使用頻度を平準化するために払う労力の負担を軽減することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第1実施形態の管理装置400は、ユーザがバッテリを返却する返却充電ステーションが高稼働であるか低稼働であるかに基づいて、ユーザに貸し出すバッテリユニット100を選択するものとした。これに対して、第2実施形態の管理装置400は、ユーザがバッテリを返却する返却充電ステーションが、高稼働の充電ステーション200の近くにあるか否かに基づいて、ユーザに貸し出すバッテリユニット100を選択する。
例えば、第2実施形態の管理装置400では、推定部440において返却充電ステーションを推定した後、選択部450は、推定した返却充電ステーションの近傍における充電ステーションが高稼働の充電ステーションであるか否かを判定する。選択部450は、返却充電ステーションの近傍における充電ステーションが高稼働の充電ステーションであると判定した場合には、ユーザに貸出バッテリユニットとして、使用頻度の低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。返却充電ステーションの近傍における充電ステーションは、近傍保管装置の一例である。
選択部450は、返却充電ステーションの近傍における充電ステーションが低稼働の充電ステーションであると判定した場合には、ユーザに貸出バッテリユニットとして、使用頻度の高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。こうして、選択部450は、低稼働の充電ステーション200が含まれる比率が高い領域にユーザの行動圏が近づくほど、使用頻度の高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択し、高稼働の充電ステーション200が含まれる比率が高い領域にユーザの行動圏が近づくほど、使用頻度の低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。
あるいは、選択部450は、推定した返却充電ステーションの近傍における充電ステーションとして、高稼働の充電ステーションが多いか否かを判定する。選択部450は、推定した返却充電ステーションの近傍における充電ステーションとして、高稼働の充電ステーションが多いと判定した場合には、ユーザに貸出バッテリユニットとして、使用頻度の低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。選択部450は、推定した返却充電ステーションの近傍における充電ステーションとして低稼働の充電ステーションが多いと判定した場合には、ユーザに貸出バッテリユニットとして、使用頻度の高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。
第2実施形態の管理装置400における選択部450は、ユーザがバッテリユニット100を返却すると推定される充電ステーション200の近傍に高稼働の充電ステーション200がある場合に、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、使用頻度の低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。一方、選択部450は、ユーザがバッテリユニット100を返却すると推定される充電ステーション200の近傍に低稼働の充電ステーション200がある場合に、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、使用頻度の高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。
このため、使用頻度の低いバッテリ120を含むバッテリユニット100は、徐々に高稼働の充電ステーションに近づいていく。一方、使用頻度の高いバッテリ120を含むバッテリユニット100は、徐々に低稼働の充電ステーションに近づいていく。例えば、図10に示すように、第1電動車両10Aの行動圏である第1行動圏X1に第1充電ステーション201~第3充電ステーション203があり、第2電動車両10Bの行動圏である第2行動圏X2に第3充電ステーション203及び第4充電ステーション204があり、第3電動車両10Cの行動圏である第3行動圏X3に第4充電ステーション204~第6充電ステーション206があるとする。第1行動圏X1は、充電ステーションの稼働割合が低い領域であり、第1充電ステーション201~第3充電ステーション203は低稼働の充電ステーションであるとする。一方、第3行動圏X3は、充電ステーションの稼働割合が低い領域であり、第4充電ステーション204~第6充電ステーション206は低稼働の充電ステーションであるとする。
このとき、第1充電ステーション201でバッテリユニット100の貸出を受ける第1電動車両10Aのユーザの返却充電ステーションとして第3充電ステーション203が推定されたとする。この場合、選択部450は、第1充電ステーション201で第1電動車両10Aのユーザに貸し出すバッテリとして、使用頻度の低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。例えば、第1電動車両10Aのユーザに貸し出されたバッテリユニット100は、第3充電ステーション203に返却される。続いて、このバッテリユニット100が第2電動車両10Bのユーザに貸し出されると、例えば、第4充電ステーション204に返却される。こうして、使用頻度の低いバッテリ120を含むバッテリユニット100は、第2行動圏X2を経て、高稼働の充電ステーションが多い第3電動車両10Cの第3行動圏X3に運ばれる。
一方、第6充電ステーション206でバッテリユニット100の貸出を受ける第3電動車両10Cのユーザの返却充電ステーションとして第4充電ステーション204が推定されたとする。この場合、選択部450は、第6充電ステーション206で第3電動車両10Cのユーザに貸し出すバッテリとして、使用頻度の高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。例えば、第3電動車両10Cのユーザに貸し出されたバッテリユニット100は、第4充電ステーション204に返却される。続いて、このバッテリユニット100が第2電動車両10Bのユーザに貸し出されると、例えば、第3充電ステーション203に返却される。こうして、使用頻度の高いバッテリ120を含むバッテリユニット100は、第2行動圏X2を経て、低稼働の充電ステーションが多い第1行動圏X1に運ばれる。
上記の第2実施形態に係る管理装置400は、ユーザがバッテリユニット100を返却する返却充電ステーションが高稼働の充電ステーション200の近くにある場合に、使用頻度が低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を貸し出す。管理装置400は、ユーザがバッテリユニット100を返却する返却充電ステーションが低稼働の充電ステーション200の近くにある場合に、使用頻度が高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を貸し出す。
このため、使用頻度が低いバッテリ120を含むバッテリユニット100が高稼働の充電ステーション200に徐々に近づいていき、使用頻度が高いバッテリ120を含むバッテリユニット100が低稼働の充電ステーション200に徐々に近づいていく。したがって、使用頻度の高いバッテリ120の使用頻度が上昇し、使用頻度の低いバッテリ120の使用頻度が低下するので、バッテリ120の使用頻度を平準化することができる。
上記の第2実施形態に係る管理装置400では、第1実施形態と同様、バッテリ120の使用頻度を平準化するにあたり、業者等がバッテリ120を移動させるのではなく、ユーザにバッテリ120を移動してもらうことができる。したがって、充電ステーション200や管理装置400を運営する運営者等が、バッテリ120の使用頻度を平準化するために払う労力の負担を軽減することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態に係る管理装置400は、バッテリユニット100の返却充電ステーションを具体的に推定せず、バッテリユニット100が返却される返却充電ステーションの稼働状況を推定する。具体的には、第3実施形態に係る管理装置400は、バッテリユニット100を貸し出したユーザの行動圏を推定し、推定した行動圏に含まれる充電ステーション200のうち高稼働の充電ステーション200と低稼働の充電ステーション200との存在比率を算出する。管理装置400は、算出した高稼働の充電ステーション200と低稼働の充電ステーション200との存在比率に基づいて、バッテリユニット100が返却される返却充電ステーションの稼働状況を推定する。例えば、バッテリユニット100を貸し出されるユーザの行動圏に高稼働の充電ステーション200が多い場合には、返却充電ステーションは高稼働の充電ステーション200であり、バッテリユニット100を貸し出されるユーザの行動圏に低稼働の充電ステーション200が多い場合には、返却充電ステーションは低稼働の充電ステーション200であると推定する。
第3実施形態に係る管理装置400において、生成部430は、例えば、ユーザ集計データ474における各項目を入力データとし、ユーザの行動圏を出力データとした行動圏推定モデルを学習モデルとして生成する。推定部440は、例えば、ユーザIDに応じたユーザの行動圏をユーザ集計データ474により取得し、ユーザの行動圏、貸出充電ステーション、貸出時間帯、曜日(休日)、天候の各項目を入力データとして行動圏推定モデルに入力する。推定部440は、行動圏推定モデルの出力データとなる行動圏をユーザの行動圏として推定し、選択部450に出力する。
選択部450は、推定部440により出力されたユーザの行動圏に含まれる充電ステーション200の稼働状況を取得する。選択部450は、記憶部470に格納されたバッテリ集計データ472を読み出し、推定部440により出力された返却充電ステーションのスロット部221に保管されているバッテリユニット100におけるバッテリ120の使用頻度を推定する。選択部450は、取得したユーザの行動圏に含まれる充電ステーション200の稼働状況及びバッテリ120の使用頻度に基づいて、ユーザに貸し出すバッテリユニット100を選択する。選択部450は、ユーザの行動圏にある低稼働の充電ステーション200の割合が高いほど、使用頻度の高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。選択部450は、ユーザの行動圏にある高稼働の充電ステーション200の割合が高いほど、使用頻度の低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。
次に、第3実施形態に係る管理装置400における処理の一例について説明する。第3実施形態に係る管理装置400は、バッテリデータ252を取得し、ユーザ集計データ474を更新したときに、ユーザ集計データ474における各項目を入力データとし、ユーザの行動圏を出力データとした行動圏推定モデルを生成する。以下において、第3実施形態の管理装置400が、携帯端末20により送信された予約希望情報を受信したときの流れについて説明する。
図11は、管理装置400において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示すフローは、携帯端末20により送信された予約希望情報を受信したときの流れを示す。管理装置400は、通信部410において、携帯端末20により送信される予約希望情報を受信したと判定するまで、予約希望情報を受信したか否かを判定する(ステップS410)。
予約希望情報を受信したと判定した推定部440は、ユーザ集計データ474及び行動圏推定モデルを読み出し、ユーザ集計データ474及び行動圏推定モデルを用いてユーザの行動圏を推定する(ステップS420)。続いて、選択部450は、充電ST集計データ476を読み出し、ユーザ行動圏に特定充電ステーションがあるか否かを判定する(ステップS430)。
ユーザ行動圏に特定充電ステーションがないと判定した場合、選択部450は、ステップS460の処理に進む。ユーザ行動圏に特定充電ステーションがあると判定した場合、選択部450は、貸出充電ステーションに劣化バッテリがあるか否かを判定する(ステップS440)。
貸出充電ステーションに劣化バッテリがあると判定した場合、選択部450は、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、劣化バッテリを選択する(ステップS450)。貸出充電ステーションに劣化バッテリがないと判定した場合、選択部450は、充電ST集計データ476を参照して、ユーザが貸出を希望する貸出充電ステーションが高稼働の充電ステーションであるか否かを判定する(ステップS460)。
貸出充電ステーションが高稼働の充電ステーションであると判定した場合、選択部450は、ユーザの行動圏に低稼働の充電ステーションが多く含まれるか否かを判定する(ステップS470)。選択部450は、低稼働の充電ステーションが多く含まれるか否かを任意の基準で判定してよい。例えば、選択部450は、ユーザの行動圏に含まれる低稼働の充電ステーションの数が所定数、例えば4個所や5か所を超える場合に低稼働の充電ステーションが多く含まれると判定してよい。あるいは、選択部450は、ユーザの行動圏に含まれる全充電ステーションのうち、低稼働の充電ステーションが占める割合が所定割合、例えば50%や60%を超える場合に低稼働の充電ステーションが多く含まれると判定してよい。
ステップS470において、ユーザの行動圏に低稼働の充電ステーションが多く含まれると判定した場合、選択部450は、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、任意のバッテリユニット100を選択する(ステップS480)。一方、ユーザの行動圏に低稼働の充電ステーションが多く含まれていないと判定した場合、選択部450は、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、使用頻度が高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する(ステップS490)。
ステップS460において、貸出充電ステーションが高稼働の充電ステーションでないと判定した場合、選択部450は、ユーザの行動圏に高稼働の充電ステーションが多く含まれるか否かを判定する(ステップS500)。選択部450は、高稼働の充電ステーションが多く含まれるか否かを任意の基準で判定してよい。例えば、選択部450は、ユーザの行動圏に含まれる高稼働の充電ステーションの数が所定数、例えば4個所や5か所を超える場合に高稼働の充電ステーションが多く含まれると判定してよい。選択部450は、ユーザの行動圏に含まれる全充電ステーションのうち、高稼働の充電ステーションが占める割合が所定割合、例えば50%や60%を超える場合に高稼働の充電ステーションが多く含まれると判定してよい。
ステップS500において、ユーザの行動圏に高稼働の充電ステーションが多く含まれると判定した場合、選択部450は、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、使用頻度が高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する(ステップS510)。一方、ユーザの行動圏に高稼働の充電ステーションが多く含まれていないと判定した場合、選択部450は、ユーザに貸し出すバッテリユニット100として、任意のバッテリユニット100を選択する(ステップS480)。
ステップS450、ステップS480、ステップS490、またはステップS510においてユーザに貸し出すバッテリ120を選択したら、選択部450及び予約部460は、バッテリ選択情報及び予約情報をそれぞれ生成し(ステップS520)、通信部410に出力する。通信部410は、バッテリ選択情報及び予約情報を、予約希望情報に含まれる充電ステーション200に送信する(ステップS530)。こうして、管理装置400は、図11に示す処理を終了する。
上記の第3実施形態に係る管理装置400は、行動圏に低稼働の充電ステーション200を多く含むユーザに高稼働の充電ステーション200によりバッテリユニット100を貸し出す際に、使用頻度の低いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。第3実施形態に係る管理装置400は、行動圏に高稼働の充電ステーション200を多く含むユーザに低稼働の充電ステーション200によりバッテリユニット100を貸し出す際に、使用頻度の高いバッテリ120を含むバッテリユニット100を選択する。
このため、使用頻度が低いバッテリ120を含むバッテリユニット100が高稼働の充電ステーション200に移動しやすくなり、使用頻度が高いバッテリ120を含むバッテリユニット100が低稼働の充電ステーション200に移動しやすくなる。したがって、使用頻度の高いバッテリ120の使用頻度が上昇し、使用頻度の低いバッテリ120の使用頻度が低下するので、バッテリ120の使用頻度を平準化することができる。
上記の第2実施形態に係る管理装置400では、第1実施形態と同様、バッテリ120の使用頻度を平準化するにあたり、業者等がバッテリ120を移動させるのではなく、ユーザにバッテリ120を移動してもらうことができる。したがって、充電ステーション200や管理装置400を運営する運営者等が、バッテリ120の使用頻度を平準化するために払う労力の負担を軽減することができる。返却充電ステーションを具体的に推定する必要が無いので、その分制御負担を軽減できる。
上記の各実施形態では、使用頻度に適した充電ステーションにバッテリが返却されるようにする態様として、使用頻度の低いバッテリが高稼働の充電ステーションに返却され、劣化バッテリが特定充電ステーションに返却される態様とするが、他の態様としてもよい。例えば、上記図9に示すステップS240~ステップS260や図11に示すステップS430~ステップS450を省略して、劣化バッテリを特定充電ステーション返却する態様を除いてもよい。
上述した実施形態では、ユーザに貸し出すバッテリユニット100を認証・表示器223に表示するが、他の表示器等に表示するようにしてもよい。例えば、スロット部221における各収容部にスポットライトなどのライトを設け、このライトの点灯や点滅によってユーザに貸し出すバッテリユニット100をユーザに知らせてもよい。
バッテリユニット100の収容状態を表示装置等以外の手段によって報知するようにしてもよい。例えば、バッテリユニット100の収容状態を音声によって報知するようにしてもよいし、手などで触れることで変化を感じ取れるデバイスであってもよい。これらの手段を組み合わせ、例えば表示装置による表示とスピーカからの音声出力によってバッテリユニット100の収容状態を報知してもよい。
上述した実施形態では、複数の収容部がそれぞれ移動可能とされているが、複数の収容部が固定されていてもよい。収容部を移動させる構造としてターンテーブルを用いているが、他の手段、例えばスライダなどを用いてもよい。この場合、移動機構としては、例えばいわゆるパズル式の移動構造であってもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。