以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
(実施の形態)
まず、実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1が用いられるシステムの一例として、駆動システム100を説明する。図1は、実施の形態に係る駆動システム100のブロック図である。
図1に示すように、駆動システム100は、バッテリー遮断ユニット1と、バッテリー2と、インバータ3とを備える。
バッテリー遮断ユニット1は、パワー制御ユニットの一例である。バッテリー遮断ユニット1は、バッテリー2とインバータ3との間に接続されており、バッテリー2から出力される直流電力を遮断したりインバータ3に供給したりする。つまり、バッテリー遮断ユニット1は、インバータ3に電力を供給する電力供給状態とインバータ3への電力を遮断する電力遮断状態とを切り替えることができる。
なお、図示しないが、バッテリー遮断ユニット1は、インバータ3に接続されているだけではなく、急速充電回路にも接続されていてもよい。この場合、バッテリー遮断ユニット1は、バッテリー2から出力される直流電力の出力先をインバータ3又は急速充電回路に切り替えることができる。また、バッテリー遮断ユニット1は、急速充電回路に電力を供給する電力供給状態と急速充電回路への電力を遮断する電力遮断状態とを切り替えることもできる。
バッテリー2は、二次電池等の蓄電デバイスである。バッテリー2からは直流電力が出力される。したがって、バッテリー遮断ユニット1に接続されたバッテリー2は、バッテリー遮断ユニット1に直流電力を供給する。バッテリー2は、例えばリチウムイオン二次電池であるが、これに限るものではない。
インバータ3は、AC/DCコンバータであり、バッテリー遮断ユニット1から供給される直流電力を交流電力に変換する。図示しないが、インバータ3は、例えばモータに接続されており、インバータ3に接続されたモータは、インバータ3から出力される交流電力により駆動する。
このように構成される駆動システム100は、例えば、ハイブリッド電気自動車又は純粋電気自動車等の電気自動車に搭載される。つまり、バッテリー遮断ユニット1は、電気自動車に搭載される。この場合、バッテリー2から出力される直流電力は、電気自動車の走行のための駆動エネルギーとしてバッテリー遮断ユニット1を介してインバータ3に供給されて交流電力に変換される。インバータ3から出力される交流電力は、車両のホイールを回転駆動させるためのモータに供給される。
次に、実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1の構造について、図1を参照しつつ、図2~4を用いて説明する。図2は、実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1の外観斜視図である。図3は、上カバー71を外した状態でのバッテリー遮断ユニット1の斜視図である。図4は、実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1の分解斜視図である。図5及び図6は、実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1の断面図である。図5は、ネジ81を通る面で切断したときの断面図であり、図6は、ネジ82を通る面で切断したときの断面図である。なお、図4では、ネジ81及び82等のネジ類は、図示されていない。また、図5及び図6では、基本的には、断面に表れる部分のみが図示されている。
図2~図6に示すように、バッテリー遮断ユニット1は、リレー10及びヒューズ20を備えている。なお、バッテリー遮断ユニット1は、リレー10及びヒューズ20以外に、電流センサ及びは抵抗等の電子部品を備えていてもよい。
リレー10は、通電をオンオフさせる機能を有する電子部品である。具体的には、リレー10は、バッテリー2からバッテリー遮断ユニット1に供給された直流電力のインバータ3への遮断と供給とを切り替える機能を有する。リレー10は、パワーデバイスの一例であり、熱を発生する。つまり、リレー10は、熱を発生する発熱部品である。
図5に示すように、リレー10は、一対の端子11と、一対の端子11が固定される絶縁性のケース12とを有する。一対の端子11は、固定端子である。また、一対の端子11は、外部部材に接続される外部接続端子である。具体的には、一対の端子11の各々は、バスバー30に接続される。また、一対の端子11は、金属材料によって構成された金属端子である。なお、図5において、一対の端子11は、一体の部材で繋がっているように図示されているが、一対の端子11間に挿入された絶縁部材によって電気的に分離されている。
図示されていないが、リレー10は、固定端子である一対の端子11の一方に対して接離する可動接触子を有している。リレー10は、この可動接触子が固定端子に接触したり離れたりすることで、電流を遮断したり電流を供給したりすることができる。
ケース12は、例えば、樹脂材料によって構成された樹脂ケースである。可動接触子は、このケース12内に収納されている。本実施の形態において、リレー10は、さらに、一対の端子11の間に位置する絶縁板12aを有する。絶縁板12aは、一対の端子11を仕切る絶縁壁である。具体的には、絶縁板12aは、ケース12の一部であり、ケース12の上板部に立設する姿勢で設けられている。
リレー10は、バッテリー遮断ユニット1に少なくとも1つ配置されている。本実施の形態において、バッテリー遮断ユニット1は、複数のリレー10を備えている。複数のリレー10の中には、バッテリー2のP側の電極に対応するP側の第1メインリレーと、バッテリー2のN側の電極に対応するN側の第2メインリレーとが含まれる。なお、バッテリー遮断ユニット1が急速充電回路を有する場合、複数のリレー10の中には、バッテリー2のP側の電極に対応するP側の第1QCリレーと、バッテリー2のN側の電極に対応するN側の第2QCリレーとが含まれていてもよい。
ヒューズ20は、異常電流発生時に回路を遮断させる機能を有する電子部品である。例えば、ヒューズ20は、過電流が流れると電流を遮断する機能を有する。ヒューズ20は、熱を発生する発熱部品である。
図5に示すように、ヒューズ20は、一対の端子21と、ケース22とを有する。一対の端子21は、外部部材に接続される外部接続端子である。具体的には、一対の端子21の各々は、バスバー30に接続される。一対の端子21は、金属材料によって構成された金属端子である。一対の端子21は、ケース22の側面から突出するようにケース22に設けられている。本実施の形態において、ヒューズ20は、パッシブタイプであり、過電流が流れると溶断する溶断ヒューズ(電流ヒューズ)である。この場合、ケース22内に溶断部が設けられている。なお、ヒューズ20は、パッシブタイプのヒューズに限るものではなく、制御信号によって電流を遮断されるアクティブタイプのヒューズであってもよい。アクティブタイプのヒューズは、例えばパイロヒューズである。
また、図2~図6に示すように、バッテリー遮断ユニット1は、バスバー30と、ヒートシンク40と、冷却器50と、絶縁シート61及び62と、筐体70とを備える。
バスバー30は、電流が流れる配線部材であり、通電経路を構成している。バスバー30は、バッテリー遮断ユニット1内の電子部品に接続されている。バスバー30に電流が流れることで、バスバー30は、熱を発生する。
バスバー30は、バッテリー遮断ユニット1に少なくとも1つ配置されている。図4~図6に示すように、本実施の形態では、複数のバスバー30が配置されている。例えば、複数のバスバー30の中には、リレー10に接続されるバスバー31(第1バスバー)が含まれる。この場合、バスバー31は、リレー10の端子11に接続される。具体的には、バスバー31は、リレー10の端子11(固定端子)に接続される。また、複数のバスバー30の中には、ヒューズ20に接続されるバスバー32(第2バスバー)が含まれる。この場合、バスバー32は、ヒューズ20の端子21に接続される。
複数のバスバー30は、全体が筐体70から露出しない内部バスバーと、一部が筐体70から露出する外部バスバーとを含む。内部バスバーは、例えば、2つの電子部品同士を接続する。この場合、内部バスバーの一方の端部は2つの電子部品の一方に接続され、内部バスバーの他方の端部は2つの電子部品の他方に接続される。外部バスバーは、例えば、1つの電子部品に接続される。この場合、外部バスバーの一方の端部は電子部品に接続され、外部バスバーの他方の端部はバッテリー遮断ユニット1の外部接続端子となる。つまり、外部バスバーの他方の端部は、筐体70の外部に露出する。リレー10に接続されるバスバー31及びヒューズ20に接続されるバスバー32は、内部バスバー及び外部バスバーのいずれであってもよい。
バスバー30は、電流が流れる配線部材であるので、導電材料によって構成されている。例えば、バスバー30は、銅又はアルミニウム等の金属材料によって構成された金属剛体である。本実施の形態において、バスバー30は、銅によって構成されている。具体的には、バスバー30は、純銅または銅合金からなる厚さが一定の板状の金属板によって構成されている。バスバー30は、所定形状に打ち抜いた平板状の金属板をプレス加工等により折り曲げることで立体的な所定形状に形成されている。
なお、バスバー30は、ボルト又はビス等のネジによって他の部材に固定されるため、各バスバー30の一部には、ネジが挿通されるネジ孔として挿通孔が設けられている。この挿通孔は、例えばバスバー30の端部に設けられている。
ヒートシンク40は、発熱部品等の発熱体で発生する熱を放熱(発散)する放熱部材である。図4~図6に示すように、本実施の形態において、バッテリー遮断ユニット1には、複数のヒートシンク40が配置されている。具体的には、複数のヒートシンク40の中には、リレー10で発生する熱を放熱するヒートシンク41(第1ヒートシンク)と、ヒューズ20で発生する熱を放熱するヒートシンク42(第2ヒートシンク)とが含まれる。
図5に示すように、リレー10の熱を放熱するヒートシンク41は、リレー10の近傍に配置される。したがって、リレー10で発生する熱は、ヒートシンク41に伝導して放熱されることになる。本実施の形態において、ヒートシンク41は、リレー10の上方に配置されている。具体的には、1つのリレー10のケース12の上方に、2つのヒートシンク41が配置されている。
また、図6に示すように、ヒューズ20で発生する熱を放熱するヒートシンク42は、ヒューズ20の近傍に配置される。したがって、ヒューズ20で発生する熱は、ヒートシンク42に伝導して放熱されることになる。本実施の形態において、ヒートシンク42は、ヒューズ20の側方に配置されている。具体的には、1つのヒューズ20のケース22の両側に、ヒートシンク42が配置されている。つまり、ヒューズ20は、2つのヒートシンク42に挟まれており、ヒューズ20と2つのヒートシンク42とが横並びに配置されている。
ヒートシンク40は、熱伝導率が高い材料によって構成されているとよい。例えば、ヒートシンク40は、アルミニウム又は銅等の金属材料で構成されていてもよいし、熱伝導率の高い樹脂材料によって構成されていてもよい。本実施の形態において、ヒートシンク40は、アルミニウムによって構成された金属ブロックである。
冷却器50は、バッテリー遮断ユニット1内を冷却する。本実施の形態において、冷却器50は、バッテリー遮断ユニット1内を水冷により冷却する水冷器である。冷却器50は、リレー10で発生する熱が伝導するヒートシンク41を冷却するとともに、ヒューズ20で発生する熱が伝導するヒートシンク42を冷却する。図5及び図6に示すように、リレー10は、冷却器50の下に配置されており、ヒューズ20は、冷却器50の上に配置されている。
図2~図6に示すように、水冷器である冷却器50は、例えば冷却水が流れる流路51を有する。具体的には、冷却器50は、流路51として冷却水が流れる金属製のパイプを有する。流路51を構成する金属材料としては、例えば、銅、アルミニウム又はステンレス等を用いることができる。
冷却器50の冷却水は、流路51内を一方通行的に流れる。本実施の形態において、流路51は、流路51の一方側に2つの端部開口51aを有し、流路51の他方側に1つの端部開口51bを有する。2つの端部開口51aは、途中で合流している。2つの端部開口51a及び1つの端部開口51bの一方は、冷却水が供給される供給口(上流側開口)であり、2つの端部開口51a及び1つの端部開口51bの他方は、冷却水が排出される排出口(下流側開口)である。
なお、流路51は、流路51の一方側に2つの端部開口51aを有しているが、これに限らない。例えば、流路51は、流路51の一方側にも他方側にも1つの端部開口を有する構成であってもよいし、流路51の一方側にも他方側にも複数の端部開口を有する構成であってもよい。また、端部開口51aと端部開口51bとを外部の流路(パイプ)で連結することで、流路51に流れる冷却水を循環させてもよい。この場合、端部開口51aと端部開口51bとを連結する外部の流路には、熱交換器が設けられているとよい。
冷却器50には、絶縁シート61及び62が配置されている。図5及び図6に示すように、絶縁シート61(第1絶縁シート)は、冷却器50の下側(リレー10側)に配置されており、絶縁シート62(第2絶縁シート)は、冷却器50の上側(ヒューズ20側)に配置されている。つまり、冷却器50は、絶縁シート61と絶縁シート62とに挟まれている。本実施の形態において、絶縁シート61は、冷却器50の流路51の下面に密着しており、絶縁シート62は、冷却器50の流路51の上面に密着している。
下側の絶縁シート61は、冷却器50の全体にわたって設けられている。したがって、絶縁シート61は、複数のリレー10にまたがるように配置されている。また、絶縁シート61は、複数のヒートシンク41にもまたがるように配置されており、冷却器50と複数のヒートシンク41との間に位置している。なお、絶縁シート61は、複数に分割されていてもよいし、部分的又は全体的に複数枚が積層されていてもよい。
上側の絶縁シート62は、ヒューズ20に対向するように配置されている。本実施の形態において、絶縁シート62は、ヒューズ20と並んで配置された複数のヒートシンク42にもまたがるように配置されており、冷却器50とヒューズ20及びヒートシンク42との間に配置されている。なお、絶縁シート62は、複数に分割されていてもよいし、部分的又は全体的に複数枚が積層されていてもよい。
絶縁シート61及び62の各々は、絶縁性材料で構成されたシート状の薄い絶縁部材である。取り付ける前の絶縁シート61及び62は、厚さが一定である。絶縁シート61及び62は、少なくとも基礎絶縁機能を有する。本実施の形態において、絶縁シート61及び62は、絶縁シート61及び62だけで絶縁機能を有する強化絶縁機能を有する。絶縁シート61及び62は、例えば、絶縁性樹脂材料によって構成されている。
また、絶縁シート61及び62の各々は、圧縮によるサイズ調整機能を有するとよい。具体的には、絶縁シート61及び62としては、弾性変形可能な弾性シートを用いるとよい。この場合、絶縁シート61及び62をエラストマーによって構成することで、弾性変形可能な絶縁シート61及び62を得ることができる。一例として、弾性シートである絶縁シート61及び62は、シリコンゴム又はアクリルゴムによって構成されており、ゴム弾性を有する。
また、絶縁シート61及び62は、熱伝達機能を有するとよい。具体的には、絶縁シート61及び62は、熱伝導率が高い材料によって構成されているとよい。この場合、絶縁シート61及び62として熱伝導シート(サーマルシート)を用いるとよい。
本実施の形態において、絶縁シート61及び62は、強化絶縁機能と熱伝達機能とを有し、かつ、圧縮によるサイズ調整機能を有する。この場合、絶縁シート61及び62としては、エラストマーによって構成された絶縁性を有する熱伝導シートを用いることができる。なお、絶縁シート61及び62は、基礎絶縁機能と熱伝達機能とを有するものであってもよい。
図5及び図6に示すように、筐体70は、リレー10及びヒューズ20等の電子部品を収納している。また、筐体70は、バスバー30、ヒートシンク40、冷却器50及び絶縁シート61、62等も収納している。筐体70は、バッテリー遮断ユニット1の外郭部材である。つまり、筐体70の外面全体は、外気にさらされている。
図2~図6に示すように、筐体70は、上カバー71(第1カバー)と、下カバー72(第2カバー)とを有する。下カバー72は、箱状のケースである。複数のリレー10は、下カバー72に収納されている。冷却器50は、下カバー72の開口部を覆うように配置されている。冷却器50の上に配置されたヒューズ20は、上カバー71で覆われている。
筐体70は、絶縁性の樹脂材料によって構成された樹脂部材である。筐体70を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリブチレンテレフタレート(PBT)を用いることができる。本実施の形態において、上カバー71及び下カバー72は、ガラス繊維強化のPBTによって構成されている。なお、上カバー71と下カバー72とは、同じ樹脂材料ではなく、異なる樹脂材料によって構成されていてもよい。
ここで、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1における特徴的な構造について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、図5の破線で囲まれる領域VIIの拡大断面図である。図8は、図6の破線で囲まれる領域VIIIの拡大断面図である。
まず、リレー10の端子11の周辺部分の特徴的な構造について、図7を用いて説明する。
図7に示すように、リレー10の端子11、バスバー31及びヒートシンク41は、ネジ81によって固定されている。具体的には、リレー10の端子11、バスバー31及びヒートシンク41は、ネジ81によって共締めされている。ネジ81は、締結部材の一例であり、ネジ81としては、ビス又はボルト等を用いることができる。
リレー10の端子11とバスバー31とヒートシンク41とがネジ81により共締めされた部分は、共締め部5aを構成している。この共締め部5aにおいて、リレー10とバスバー31とヒートシンク41とが電気的及び熱的に接続されている。
本実施の形態では、リレー10の一対の端子11の各々において、リレー10の端子11とバスバー31とヒートシンク41とがネジ81によって共締めされている。したがって、1つのリレー10に2つの共締め部5aが設けられている。また、複数のリレー10の各々に2つの共締め部5aが設けられている。
共締め部5aにおいて、バスバー31は、リレー10の端子11とヒートシンク41との間に配置されている。つまり、リレー10の端子11は、バスバー31を介してヒートシンク41に接続されている。具体的には、リレー10の端子11の上に、バスバー31とヒートシンク41とが積み重ねられており、バスバー31は、リレー10の端子11とヒートシンク41とに挟まれている。この場合、バスバー31の下面にリレー10の端子11が接触しており、バスバー31の上面にヒートシンク41の下面が接触している。
このように、本実施の形態におけるバッテリー遮断ユニット1では、リレー10の端子11とバスバー31との接続部分にヒートシンク41が配置されている。これにより、リレー10の端子11近傍の熱容量を向上させることができる。したがって、リレー10の端子11における熱をヒートシンク41に伝導させて効率良く放熱することができる。
そして、本実施の形態では、さらに、リレー10の端子11とバスバー31とヒートシンク41とがネジ81により共締めされた共締め部5aの近傍に、冷却器50が配置されている。具体的には、共締め部5aの上に冷却器50が配置されている。
これにより、冷却器50によってヒートシンク41が冷却されることになる。したがって、ヒートシンク41に伝導したリレー10の熱が冷却器50により冷却される。このように、本実施の形態におけるバッテリー遮断ユニット1では、ヒートシンク41と冷却器50とによって優れた冷却性能を有する冷却構造が構築されている。これにより、リレー10の発熱に対する冷却性能を高めることができるので、リレー10の温度上昇を効果的に抑制することができる。特に、短時間の発熱及び電気自動車におけるバッテリー2の大電流化に対して、リレー10の温度上昇を効果的に抑制することができる。また、ヒートシンク41と冷却器50とによって冷却性能を高めることで、バスバー31を薄くしたり短くしたりすることもできる。これにより、低コスト化を図ることもできる。
さらに、本実施の形態では、ヒートシンク41を追加しているが、リレー10の端子11とバスバー31とヒートシンク41とをネジ81によって共締めしている。これにより、リレー10の端子11とバスバー31とを接続して固定する際にヒートシンク41も同時に固定することができる。つまり、ヒートシンク41を追加したことで、追加の作業が発生しない。したがって、作業性を低下させることなく、リレー10の温度上昇を効果的に抑制することができる。
そして、本実施の形態におけるバッテリー遮断ユニット1では、リレー10の端子11とバスバー31とヒートシンク41とがネジ81で共締めされた共締め部5aと冷却器50との間に、絶縁シート61が配置されている。具体的には、絶縁シート61は、ヒートシンク41と冷却器50とに挟まれている。つまり、ヒートシンク41の放熱面(冷却器50側の面)に絶縁シート61が配置されている。
この構成により、金属製のヒートシンク41を用いてヒートシンク41をバスバー31に接触させたとしても、リレー10の端子11と金属製の流路51(パイプ)を有する冷却器50とが導通してしまうことを防止できる。つまり、リレー10の端子11と冷却器50とを、絶縁シート61によって電気的に分離して絶縁状態にすることができる。特に、高電圧バッテリーを搭載する電気自動車であっても、絶縁状態を十分に確保することができる。
この場合、ヒートシンク41と冷却器50との間に絶縁部材を配置すると、絶縁部材の厚みの分だけヒートシンク41と冷却器50とが離れることになるので、冷却器50によるヒートシンク41の冷却効果が低下するおそれがある。つまり、リレー10で発生した熱の冷却器50への熱伝達を阻害するおそれがある。また、絶縁部材の厚みが大きくなると、バッテリー遮断ユニット1が大型化してしまう。このように、ヒートシンク41を追加したときに、リレー10で発生する熱の放熱性とバッテリー遮断ユニット1の絶縁性とを両立させることが難しく、また、バッテリー遮断ユニット1が大型化するおそれがある。
これに対して、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1では、シート状の絶縁シート61によってリレー10の端子11と冷却器50との絶縁状態を確保している。これにより、バッテリー遮断ユニット1を大型化させることなく且つリレー10で発生した熱の冷却器50への熱伝達を阻害することなく、リレー10の端子11と冷却器50との絶縁状態を確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1によれば、リレー10で発生する熱の放熱性とリレー10周辺の絶縁性とを両立させつつ、バッテリー遮断ユニット1の小型化を図ることができる。さらに、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1によれば、リレー10で発生する熱を効率的に冷却器50に伝達できるので、バッテリー2のさらなる高電流化に対応することができる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、リレー10近傍のヒートシンク41と冷却器50との間に配置された絶縁シート61は、基礎絶縁機能と熱伝達機能とを有する。具体的には、絶縁シート61は、絶縁性を有する熱伝導シートである。
この構成により、リレー10と冷却器50との絶縁状態を確保しつつ、リレー10で発生する熱を効率良く冷却器50に伝達させることができる。なお、絶縁シート61の基礎絶縁機能だけではリレー10と冷却器50との絶縁状態が十分ではない場合、リレー10及びバスバー31に流れる電流が冷却器50に伝導するおそれがある。この場合、冷却器50が接続される外部機器等において絶縁対策を別途講じることで絶縁状態を確保することができる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、冷却器50とヒートシンク41との間に配置された絶縁シート61は、強化絶縁機能と熱伝達機能とを有し、かつ、圧縮によるサイズ調整機能を有する。具体的には、絶縁シート61は、絶縁性を有する弾性シートであり、ヒートシンク41と冷却器50とに絶縁シート61が挟持されることで、絶縁シート61は圧縮されている。
この構成により、絶縁シート61だけでリレー10と冷却器50との絶縁状態を確保することができるだけではなく、リレー10の端子11の熱をさらに効率良く冷却器50に伝導させることができる。つまり、絶縁シート61が、圧縮によるサイズ調整機能を有することで、冷却器50の寸法公差等を絶縁シート61によって吸収することができる。これにより、ヒートシンク41と冷却器50との間に、断熱部となる隙間が生じることを抑制できる。したがって、リレー10の端子11の熱を冷却器50に効率良く伝導させることができる。
また、図7に示すように、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、リレー10近傍のヒートシンク41は、ネジ81のネジ頭が収納される凹部41aを有する。凹部41aは、ザグリ部である。
この構成により、ネジ81のネジ頭を凹部41aに収納することができるので、ネジ81のネジ頭が冷却器50側に飛び出すことを抑制できる。これにより、ヒートシンク41と冷却器50とを近づけることができるので、リレー10の端子11の熱を冷却器50に効率良く伝導させることができる。また、ネジ81のネジ頭を凹部41aに収納することで、ネジ81のネジ頭が冷却器50を突き上げてしまうことを回避できる。さらに、ネジ81のネジ頭を凹部41aに収納することで、バッテリー遮断ユニット1をさらに小型化することができる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、リレー10近傍のヒートシンク41の厚さは、リレー10の端子11に接続されるバスバー31の厚さに対して1倍以上4倍以下であるとよい。
このように、ヒートシンク41の厚さをバスバー31の厚さの1倍以上にすることで、リレー10の端子11の熱に対するヒートシンク41の熱容量を十分確保することができる。ただし、ヒートシンク41の厚さを厚くし過ぎると、リレー10の端子11と冷却器50との距離が遠ざかってしまい、リレー10の端子11における熱の放熱性がかえって低下するおそれがある。そこで、ヒートシンク41の厚さはバスバー31の厚さの4倍以下であるとよい。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、リレー10近傍のヒートシンク41は、リレー10のケース12の熱容量よりも大きい熱容量の熱容量材料によって構成されている。具体的には、ヒートシンク41は、銅又はアルミニウムによって構成されている。
この構成により、ヒートシンク41の熱容量を高くすることができるので、冷却器50により冷却された高熱容量のヒートシンク41によって大きな熱エネルギーを蓄熱することができる。これにより、リレー10の端子11における熱の放熱性をさらに向上させることができる。特に、電気自動車での急激な加速時におけるリレー10で発生する熱を、ヒートシンク41によって効率的に吸収することができる。また、加速終了後における一定速度による走行時と停車の際の減速時には、ヒートシンク41に蓄熱された熱エネルギーを絶縁シート61を介して冷却器50に放熱することができる。このように、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1は、蓄熱放熱構造を有しているので、電気自動車における急加速による充放電に対応することができる。
さらに、ヒートシンク41を高熱容量材料で構成することで、小さいサイズのヒートシンク41であっても高い熱容量を容易に確保することができる。これにより、小型のバッテリー遮断ユニット1を容易に実現できる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、リレー10は、一対の端子11の間に位置する絶縁板12aを有する。
この構成により、一対の端子11間を絶縁するための沿面距離を稼ぐことができる。これにより、絶縁性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、リレー10の端子11に接続されるバスバー31の厚さとヒートシンク41の厚さとの合計の厚さは、リレー10の絶縁板12aの高さよりも大きくなっている。
この構成により、絶縁板12aを有するリレー10の上に冷却器50が配置されたバッテリー遮断ユニット1においてリレー10の端子11の上にバスバー31とヒートシンク41とを積み重ねたとしても、絶縁板12aが冷却器50を突き上げてしまうことを回避できる。これにより、放熱性と絶縁性とを両立させつつ小型のバッテリー遮断ユニット1を容易に実現することができる。
次に、ヒューズ20の端子21の周辺部分の特徴的な構造について、図8を用いて説明する。
図8に示すように、ヒューズ20の端子21、バスバー32及びヒートシンク42は、ネジ82によって固定されている。具体的には、ヒューズ20の端子21、バスバー32及びヒートシンク42は、ネジ82によって共締めされている。ネジ82は、締結部材の一例であり、ネジ82(第2ネジ)としては、ネジ81(第1ネジ)と同様に、ビス又はボルト等を用いることができる。
ヒューズ20の端子21とバスバー32とヒートシンク42とがネジ82により共締めされた部分は、共締め部5bを構成している。この共締め部5bにおいて、ヒューズ20とバスバー32とヒートシンク42とが電気的及び熱的に接続されている。
本実施の形態では、ヒューズ20の一対の端子21の各々において、ヒューズ20の端子21とバスバー32とヒートシンク42とがネジ82によって共締めされている。したがって、1つのヒューズ20に2つの共締め部5bが設けられている。
本実施の形態では、ヒューズ20の端子21がバスバー32とヒートシンク42との間に位置している。具体的には、ヒートシンク42の上に、ヒューズ20の端子21とバスバー32とが積み重ねられており、ヒューズ20の端子21は、バスバー32とヒートシンク42とに挟まれている。この場合、ヒューズ20の端子21の一方の面である上面(バスバー接続面)にバスバー32の下面が接触しており、ヒューズ20の端子21の他方の面である下面(ヒートシンク接続面)には、ヒートシンク42の上面が接触している。
なお、ヒートシンク42は、ホルダ90によって保持されている。ホルダ90は、例えば、ネジ(不図示)によって冷却器50の一部に固定される。
このように、本実施の形態におけるバッテリー遮断ユニット1では、ヒューズ20の端子21とバスバー32との接続部分にヒートシンク42が配置されている。これにより、ヒューズ20の端子21近傍の熱容量を向上させることができる。したがって、ヒューズ20の端子21における熱をヒートシンク42に伝導させて効率良く放熱することができる。
そして、本実施の形態では、さらに、ヒューズ20の端子21とバスバー32とヒートシンク42とがネジ82により共締めされた共締め部5bの近傍に、冷却器50が配置されている。具体的には、共締め部5bの下に冷却器50が配置されている。
これにより、冷却器50によってヒートシンク42が冷却されることになる。したがって、ヒートシンク42に伝導したヒューズ20の熱が冷却器50により冷却される。このように、本実施の形態におけるバッテリー遮断ユニット1では、ヒートシンク42と冷却器50とによって優れた冷却性能を有する冷却構造が構築されている。これにより、ヒューズ20の端子21の発熱に対する冷却性能を高めることができるので、ヒューズ20の端子21の温度上昇を効果的に抑制することができる。特に、短時間の発熱及び電気自動車におけるバッテリー2の大電流化に対して、ヒューズ20の端子21の温度上昇を効果的に抑制することができる。また、ヒートシンク42と冷却器50とによって冷却性能を高めることで、バスバー32を薄くしたり短くしたりすることもできる。これにより、低コスト化を図ることもできる。
さらに、本実施の形態では、ヒートシンク42を追加しているが、ヒューズ20の端子21とバスバー32とヒートシンク42とをネジ82によって共締めしている。これにより、ヒューズ20の端子21とバスバー32とを接続して固定する際にヒートシンク42も同時に固定することができる。つまり、ヒートシンク42を追加したことで、追加の作業が発生しない。したがって、作業性を低下させることなく、ヒューズ20の温度上昇を効果的に抑制することができる。
そして、本実施の形態におけるバッテリー遮断ユニット1では、ヒューズ20の端子21とバスバー32とヒートシンク42とがネジ82で共締めされた共締め部5bと冷却器50との間に、絶縁シート62が配置されている。具体的には、絶縁シート62は、ヒートシンク42と冷却器50とに挟まれている。つまり、ヒートシンク42の放熱面(冷却器50側の面)に絶縁シート62が配置されている。
この構成により、金属製のヒートシンク42を用いてヒートシンク42をバスバー32に接触させたとしても、ヒューズ20の端子21と金属製の流路51(パイプ)を有する冷却器50とが導通してしまうことを防止できる。つまり、ヒューズ20の端子21と冷却器50とを、絶縁シート62により電気的に分離して絶縁状態にすることができる。特に、高電圧バッテリー搭載の電気自動車であっても、絶縁状態を十分に確保することができる。
この場合、ヒートシンク42と冷却器50との間に絶縁部材を配置すると、絶縁部材の厚みの分だけヒートシンク42と冷却器50とが離れることになるので、冷却器50によるヒートシンク42の冷却効果が低下するおそれがある。つまり、ヒューズ20で発生した熱の冷却器50への熱伝達を阻害するおそれがある。また、絶縁部材の厚みが大きくなると、バッテリー遮断ユニット1が大型化してしまう。このように、ヒートシンク42を追加したときに、ヒューズ20で発生する熱の放熱性とバッテリー遮断ユニット1の絶縁性とを両立させることが難しく、また、バッテリー遮断ユニット1が大型化するおそれがある。
これに対して、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1では、シート状の絶縁シート62によってヒューズ20の端子21と冷却器50との絶縁状態を確保している。これにより、バッテリー遮断ユニット1を大型化させることなく且つヒューズ20で発生した熱の冷却器50への熱伝達を阻害することなく、ヒューズ20の端子21と冷却器50との絶縁状態を確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1によれば、ヒューズ20で発生する熱の放熱性とヒューズ20周辺の絶縁性とを両立させつつ、バッテリー遮断ユニット1の小型化を図ることができる。さらに、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1によれば、大電流通電によるヒューズ20の発熱を効率的に冷却器50に伝達できるので、バッテリー2のさらなる高電流化に対応することができる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、ヒューズ20近傍のヒートシンク42と冷却器50との間に配置された絶縁シート62は、基礎絶縁機能と熱伝達機能とを有する。具体的には、絶縁シート62は、絶縁性を有する熱伝導シートである。
この構成により、ヒューズ20と冷却器50との絶縁状態を確保しつつ、ヒューズ20で発生する熱を効率良く冷却器50に伝達させることができる。なお、絶縁シート62の基礎絶縁機能だけではヒューズ20と冷却器50との絶縁状態が十分ではない場合、ヒューズ20及びバスバー32に流れる電流が冷却器50に伝導するおそれがある。この場合、冷却器50が接続される外部機器等において絶縁対策を別途講じることで絶縁状態を確保することができる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、冷却器50とヒートシンク42との間に配置された絶縁シート62は、強化絶縁機能と熱伝達機能とを有し、かつ、圧縮によるサイズ調整機能を有する。具体的には、絶縁シート62は、絶縁性を有する弾性シートであり、ヒートシンク42と冷却器50とに絶縁シート62が挟持されることで、絶縁シート62は圧縮されている。
この構成により、絶縁シート62だけでヒューズ20と冷却器50との絶縁状態を確保することができるだけではなく、ヒューズ20の端子21の熱をさらに効率良く冷却器50に伝導させることができる。つまり、絶縁シート62が、圧縮によるサイズ調整機能を有することで、冷却器50の寸法公差等を絶縁シート62によって吸収することができる。これにより、ヒートシンク42と冷却器50との間に、断熱部となる隙間が生じることを抑制できる。したがって、ヒューズ20の端子21の熱を冷却器50に効率良く伝導させることができる。
さらに、絶縁シート62として弾性シートを用いることで、ヒューズ20の左右に配置されたヒートシンク42の寸法公差を絶縁シート62で吸収することができる。しかも、絶縁シート62として弾性シートを用いることで、ヒューズ20の耐振動性を高めることができる。つまり、ヒューズ20に加わる振動負荷を絶縁シート62によって抑制することができ、ヒューズ20の耐久性を向上させることができる。
また、図8に示すように、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、ヒューズ20近傍のヒートシンク42は、ネジ82のネジ頭が収納される凹部42aを有する。凹部42aは、ザグリ部である。
この構成により、ネジ82のネジ頭を凹部42aに収納することができるので、ネジ82のネジ頭が冷却器50側に飛び出すことを抑制できる。これにより、ヒートシンク42と冷却器50とを近づけることができるので、ヒューズ20の端子21の熱を冷却器50に効率良く伝導させることができる。また、ネジ82のネジ頭を凹部42aに収納することで、ネジ82のネジ頭が冷却器50を突き上げてしまうことを回避できる。さらに、ネジ82のネジ頭を凹部42aに収納することで、バッテリー遮断ユニット1をさらに小型化することができる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、ヒューズ20近傍のヒートシンク42の厚さは、ヒューズ20の端子21に接続されるバスバー32の厚さに対して1倍以上4倍以下であるとよい。
このように、ヒートシンク42の厚さをバスバー32の厚さの1倍以上にすることで、ヒューズ20の端子21の熱に対するヒートシンク42の熱容量を十分確保することができる。ただし、ヒートシンク42の厚さを厚くし過ぎると、ヒューズ20の端子21と冷却器50との距離が遠ざかってしまい、ヒューズ20の端子21における熱の放熱性がかえって低下するおそれがある。そこで、ヒートシンク42の厚さはバスバー32の厚さの4倍以下であるとよい。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、ヒューズ20近傍のヒートシンク42は、ヒューズ20のケース22の熱容量よりも大きい熱容量の高熱容量材料によって構成されている。具体的には、ヒートシンク42は、銅又はアルミニウムによって構成されている。
この構成により、ヒートシンク42の熱容量を高くすることができるので、冷却器50により冷却された高熱容量のヒートシンク42によって大きな熱エネルギーを蓄熱することができる。これにより、ヒューズ20の端子21における熱の放熱性をさらに向上させることができる。さらに、ヒートシンク42を高熱容量材料で構成することで、小さいサイズのヒートシンク42であっても高い熱容量を容易に確保することができる。これにより、小型のバッテリー遮断ユニット1を容易に実現できる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、ヒューズ20近傍のヒートシンク42の厚みは、ヒューズ20のケース22からヒューズ20の端子21までの高さと同一にしている。つまり、ヒートシンク42の下面とヒューズ20のケース22の下面とに高低差が無い。
この構成により、ヒートシンク42の下面(放熱面)とヒューズ20のケース22の下面とをいずれも絶縁シート62に接触させることができる。したがって、ヒートシンク42の下面とヒューズ20のケース22の下面とを、絶縁シート62を介して冷却器50の流路51に密着させることができる。これにより、ヒューズ20で発生する熱の放熱経路を増やすことができるので、ヒューズ20の発熱に対する放熱性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1において、ヒューズ20は、電流ヒューズである。具体的には、ヒューズ20は、過電流が流れること溶断する溶断ヒューズである。
溶断ヒューズは、その内部に消弧砂と呼ばれる微細な砂が封入されている。このため、ヒューズに振動や衝撃が加わると、ヒューズの内部に封入されている消弧砂が外部に漏れしてしまい、ヒューズの溶断機能が喪失するおそれがある。特に、溶断ヒューズの端子に接続するバスバーと溶断ヒューズの端子との接合が不安定である場合にヒューズに振動や衝撃が加わったり、さらにヒューズに振動や衝撃が与えられることでヒューズのケースが共振振動したりした場合には、ヒューズの内部の消弧砂が漏れ出しやすい。
これに対して、上記のように、冷却器50とヒューズ20との間に絶縁シート62として弾性シートを挟むことで、ヒューズ20の振動を吸収することができる。これにより、ヒューズ20への振動ストレスを緩和できるので、ヒューズ20の内部の消弧砂が漏れ出すことを抑制できる。したがって、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1によれば、ヒューズ20として溶断ヒューズを用いた場合でも、ヒューズ20の熱を放熱しつつヒューズ20の寸法公差を吸収し、さらに、ヒューズ20の振動を抑制することができる。したがって、信頼性の高いバッテリー遮断ユニット1を実現できる。
以上のとおり、本実施の形態に係るバッテリー遮断ユニット1によれば、放熱性と絶縁性とを両立させつつ、バッテリー遮断ユニット1の小型化を図ることができる。
また、このようなバッテリー遮断ユニット1は、電気自動車に適している。特に、ハイブリッド電気自動車よりも純粋電気自動車の方が大電流であるので、バッテリー遮断ユニット1は、純粋電気自動車の方に適している。
(変形例)
以上、本開示の技術について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、ヒューズ20近傍のヒートシンク42の下面とヒューズ20のケース22の下面とに高低差が無く、ヒートシンク42の下面とヒューズ20のケース22の下面とがいずれも絶縁シート62に接触していたが、これに限らない。つまり、ヒートシンク42の下面とヒューズ20のケース22の下面とに高低差が存在していてもよい。
具体的には、図9に示されるバッテリー遮断ユニット1Aのように、ヒートシンク42の下面がヒューズ20のケース22の下面よりも冷却器50側(絶縁シート62側)に位置していてもよい。これにより、ヒートシンク42を冷却器50に近づけることができるので、ヒートシンク42に伝達した熱を冷却器50で効率良く冷却することができる。
この場合、図9では、ヒューズ20のケース22の下面と絶縁シート62との間に空気層である隙間Gが存在し、絶縁シート62がヒューズ20のケース22の下面に接触していないが、これに限らない。具体的には、絶縁シート62は、ヒートシンク42の下面に接触するだけではなく、ヒューズ20のケース22の下面にも接触していてもよい。この場合、絶縁シート62は、一定の厚さではなく、ヒートシンク42とヒューズ20のケース22との高低差(段差)を埋めるように、一部の厚みを厚くした一体物であってもよいし、一部の厚みを厚くするように絶縁シートを複数積層した積層物であってもよい。これにより、ヒートシンク42とヒューズ20のケース22との高低差があっても、冷却器50の一部を凹凸形状にすることなく、ヒートシンク42の下面とヒューズ20のケース22の下面とを絶縁シート62を介して冷却器50に密着させることができる。
また、ヒートシンク42の下面とヒューズ20のケース22の下面とに高低差が存在する場合、図10に示されるバッテリー遮断ユニット1Bのように、ヒューズ20のケース22の下面がヒートシンク42の下面よりも冷却器50側(絶縁シート62側)に位置していてもよい。この場合、図10に示すように、絶縁シート62は、ヒートシンク42の下面とヒューズ20のケース22の下面とのいずれにも密着しているとよい。例えば、絶縁シート62は、一定の厚さではなく、ヒートシンク42とヒューズ20のケース22との高低差(段差)を埋めるように、一部の厚みを厚くした一体物であってもよいし、一部の厚みを厚くするように絶縁シートを複数積層した積層物であってもよい。これにより、ヒートシンク42とヒューズ20のケース22とに高低差があっても、冷却器50の一部を凹凸形状にすることなく、ヒートシンク42の下面とヒューズ20のケース22の下面とを、絶縁シート62を介して冷却器50に密着させることができる。
また、上記実施の形態において、ヒューズ20近傍のヒートシンク42は、複数のバスバー30のうちヒューズ20の端子21に接続されるバスバー32のみに積層されていたが、これに限らない。例えば、図11に示されるバッテリー遮断ユニット1Cのように、ヒートシンク42は、複数のバスバー30のうち、ヒューズ20の端子21に接続されるバスバー32だけではなく、バスバー32に接続される別のバスバー33に積層されていてもよい。この場合、図11に示すように、ヒートシンク42にバスバー32とバスバー33とは、ネジ82によって接続される。また、ヒートシンク42には、2本のネジ82に対応して2つの凹部42a(ザグリ部)が設けられている。
また、上記実施の形態において、複数のバスバー30は、バラバラであったが、これに限らない。例えば、図12の(a)に示されるモジュール構造35のように、複数のバスバー30のうちリレー10に接続されるバスバー31は、絶縁樹脂部34によって一体になっていてもよい。この場合、モジュール構造35は、少なくともリレー10の一対の端子11の各々に対応する一対のバスバー31を有しているとよい。本変形例におけるモジュール構造35では、冷却器50の下側に位置する複数のバスバー30(バスバー31は全て含む)と絶縁樹脂部34とが一体に構成されている。具体的には、図12の(a)のモジュール構造35は、図12の(b)に示される絶縁樹脂部34と、図12の(c)に示される複数のバスバー30とが一体になった構造である。図12の(b)では、モジュール構造35における絶縁樹脂部34のみを図示している。
このようなモジュール構造35は、例えば、インサート成形により作製することができる。具体的には、複数のバスバー31をモールド樹脂である絶縁樹脂部34によって一体に固定することでモジュール構造35を作製することができる。例えば、複数のバスバー31をセットした射出成形金型に液状の樹脂材料を注入して硬化することで、複数のバスバー31が絶縁樹脂部34(モールド樹脂)に埋め込まれて一体となったモジュール構造35を作製することができる。
図13は、このように作製されたモジュール構造35を組み込んだバッテリー遮断ユニット1Dの断面を示している。図13に示されるバッテリー遮断ユニット1Dは、図5に示されるバッテリー遮断ユニット1において、モジュール構造35を組み込んだ構造になっている。具体的には、図13に示されるバッテリー遮断ユニット1Dと図5に示されるバッテリー遮断ユニット1とは、バスバー30は全て同じであるので、図13に示されるバッテリー遮断ユニット1Dは、図5に示されるバッテリー遮断ユニット1に対して、絶縁樹脂部34が追加された構造になっている。
図13に示すように、モジュール構造35は、リレー10の一対の端子11に対応する一対のバスバー31の間にリレー10の絶縁板12aが位置するように形成された位置決め部35aを有している。また、位置決め部35aは、一対のバスバー31に接続された一対のヒートシンク41の間に位置している。これにより、モジュール構造35をセットするだけで、一対のリレー10の端子11の沿面距離を確実に確保できるとともに、一対のヒートシンク41の沿面距離を確実に確保することができる。なお、モジュール構造35は、複数のバスバー31だけではなく、複数のヒートシンク41も一体になっていてもよい。つまり、モジュール構造35の絶縁樹脂部34に、複数のバスバー31だけではなく複数のヒートシンク41も固定されていてもよい。
また、上記実施の形態において、冷却器50として水冷器を用いたが、これに限らない。例えば、水冷器以外の冷却器50を用いてもよい。
また、上記実施の形態において、バッテリー遮断ユニット1は、電気自動車に用いたが、これに限るものではない。例えば、バッテリー遮断ユニット1は、家電製品等の電気製品等にも適用することができる。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。