本発明の一実施の形態に係るバッテリパックは、車両前後方向および車両幅方向に並べられた複数のバッテリモジュールからなるバッテリモジュール群と、バッテリモジュール群の後方に配置された送風ファンと、バッテリモジュール群の外周に沿って配置され、送風ファンから送られる空気をバッテリモジュール群に送る送風ダクトと、バッテリモジュール群、送風ファンおよび送風ダクトを収納するバッテリケースと、を備えるバッテリパックであって、送風ダクトは、バッテリモジュール群の後部に沿って延びる上流ダクト部材と、上流ダクト部材の下流端に接続され、車両幅方向の外側に向かって延びた後に車両前方に向かって屈曲する屈曲部を有し、屈曲部の下流側がバッテリモジュール群とバッテリケースとの隙間に沿って延びる中間ダクト部材と、中間ダクト部材の下流端に接続され、バッテリモジュール群の側方を通るように配置され、バッテリモジュール群とバッテリケースとの隙間に沿って延びる下流ダクト部材と、を有し、下流ダクト部材の後端部は、バッテリモジュール群の後端部よりも後方に延出する延出部を有し、上流ダクト部材は、その下流端部に形成された第1接続口を有し、下流ダクト部材は、延出部に形成された第2接続口を有し、中間ダクト部材は、その上流端部に形成された第3接続口と、その下流端部に形成された第4接続口とを有し、第1接続口と第2接続口とが、互いに平行に、かつ、車両幅方向の一方側を向いて開口し、第3接続口と第4接続口とが、互いに平行に、かつ、車両幅方向の他方側を向いて開口し、中間ダクト部材は、第3接続口が第1接続口に接続され、第4接続口が第2接続口に接続されるように、上流ダクト部材および下流ダクト部材にそれぞれ組み付けられていることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係るバッテリパックは、バッテリケースへの送風ダクトの組付け作業の作業性を向上させることができる。
以下、本発明の実施例に係るバッテリパックについて、図面を用いて説明する。図1から図5において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態のバッテリパックの上下前後左右方向とし、車両の前後方向に対して直交する方向が左右方向、バッテリパックの高さ方向が上下方向である。
図1から図5は、本発明の一実施例に係るバッテリパックを示す図である。
まず、構成を説明する。図1において、車両1は、車体2を備えている。車体2は、左右で一対のサイドメンバ2Aと、一対のサイドメンバ2Aに連結されるクロスメンバ2Bと、サイドメンバ2Aおよびクロスメンバ2Bに連結されたフロアパネル2Cとを有している。フロアパネル2Cの後部には図示しないスペアタイヤ等を収容する凹部2Dが形成されている。
フロアパネル2Cの下側にはバッテリパック20が配置されている。なお、図1では、フロアパネル2Cの一部を透過してバッテリパック20を見た状態が表わされている。バッテリパック20は、車両1の図示しないモータに電力を供給する。
図2において、バッテリパック20は、車両前後方向および車両幅方向に並べられた複数のバッテリモジュール61、62、63、64、65、66、67からなるバッテリモジュール群60と、バッテリモジュール群60の後方に配置された送風ファン55とを備えている。
また、バッテリパック20は、送風ファン55から送られる空気をバッテリモジュール群60に送る送風ダクト70と、バッテリモジュール群60、送風ファン55および送風ダクト70を収納するバッテリケース21と、を備えている。送風ダクト70はバッテリモジュール群60の外周に沿って配置されている。
図5において、バッテリケース21は、ロアケース40とアッパケース30とからなる。バッテリケース21は、ロアケース40のフランジ部41とアッパケース30のフランジ部31とを付き合わせて図示しないボルトで締結することにより一体化される。
ロアケース40には、バッテリモジュール61、62、63、64、65、66、67が固定されている。ロアケース40は、バッテリモジュール61、62、63、64、65、66、67の下面および側面を覆っている。アッパケース30は、ロアケース40を上方から塞いだ状態で、バッテリモジュール61、62、63、64、65、66、67の上面を覆っている。
図2において、バッテリパック20は、ジャンクションボックス68、69を有している。ジャンクションボックス68はバッテリケース21の前部における2つのバッテリモジュール62、63の間に配置されている。
ジャンクションボックス69はバッテリケース21の後部におけるバッテリモジュール66、67の後方に配置されている。これらのジャンクションボックス68、69は、バッテリモジュール61、62、63、64、65、66、67と電気的に接続されている。
図3において、バッテリパック20は、バスバー81、82を含む複数のバスバーを有している。バスバー81はバッテリモジュール64の前端部に電気的に接続されており、バッテリモジュール64から前方に延びている。バスバー82は、バッテリモジュール61の後端部に電気的に接続されており、バッテリモジュール61から前方に延びている。
図3において、送風ダクト70は、上流ダクト部材71と、中間ダクト部材72と、下流ダクト部材73と、内部ダクト部材74とを有している。上流ダクト部材71は本体部71Bを有しており、本体部71Bは、バッテリモジュール群60の後部に沿って延びている。本体部71Bの左端部には第1接続口71Cが開口している。本体部71Bの右端部には、接続口71Dが開口している。
図3において、上流ダクト部材71には送風ファン接続部71Aが設けられており、送風ファン接続部71Aは上流ダクト部材71から後方に延びて送風ファン55(図2参照)に接続されている。
中間ダクト部材72は、上流ダクト部材71の下流端に接続されている。中間ダクト部材72は、車両幅方向の外側に向かって延びた後に車両前方に向かって屈曲する屈曲部72Cを有している。中間ダクト部材72において、屈曲部72Cの下流側の部分は、バッテリモジュール群60とバッテリケース21との隙間に沿って延びている。
下流ダクト部材73は、中間ダクト部材72の下流端に接続されている。下流ダクト部材73は、バッテリモジュール群60の側方を通るように配置され、バッテリモジュール群60とバッテリケース21との隙間に沿って延びている。
下流ダクト部材73の後端部は、バッテリモジュール群60の後端部よりも後方に延出する延出部73Aを有している。
図3において、上流ダクト部材71は、その下流端部に形成された第1接続口71Cを有している。下流ダクト部材73は、延出部73Aに形成された第2接続口73Bを有している。ここで、下流ダクト部材73は、本体部73Cと延出部73Aと下端73Dとからなる。また、後述するように、下流ダクト部材73の下端73Dには、内部ダクト部材74が一体的に連結されている。
中間ダクト部材72は、その上流端部に形成された第3接続口72Aと、その下流端部に形成された第4接続口72Eとを有している。
第1接続口71Cと第2接続口73Bとは、互いに平行に、かつ、車両幅方向の一方側を向いて開口している。また、第3接続口72Aと第4接続口72Eとは、互いに平行に、かつ、車両幅方向の他方側を向いて開口している。そして、中間ダクト部材72は、第3接続口72Aが第1接続口71Cに接続され、第4接続口72Eが第2接続口73Bに接続されるように、上流ダクト部材71および下流ダクト部材73にそれぞれ組み付けられている。
このように、送風ダクト70は、上流ダクト部材71と、中間ダクト部材72と、下流ダクト部材73とに少なくとも分割されている。そして、中間ダクト部材72は、先にバッテリケース21に取付けられている上流ダクト部材71と下流ダクト部材73とに対して、後から組み付けられるようになっている。
中間ダクト部材72は、車両幅方向の外側(左側)から車両幅方向の内側(右側)に向かって横方向に移動させることで、上流ダクト部材71と下流ダクト部材73とに連結されるようになっている。
図4において、破線で示した第4接続口72Eの開口面積は、破線で示した第3接続口72Aの開口面積よりも大きく設定されている。また、第4接続口72Eの開口形状は、車両前後方向の長さ寸法が車両上下方向の長さ寸法よりも大きくなるように形成されている。言い換えれば、車両側面視で、第4接続口72Eは横方向(車両前後方向)に長辺を有する長方形または楕円形の開口形状に形成されている。
図4において、バッテリパック20は、トレイ部材56を備えている。トレイ部材56は、バッテリモジュール群60の後方で、バッテリパック20の高さ方向でバッテリモジュール61、62、63、64、65、66、67の上面よりも高い位置に配置されている。バッテリパック20は、トレイ部材56を支持するステイ部材57を備えている。ステイ部材57は、トレイ部材56とバッテリケース21の縁部とに連結されている。
中間ダクト部材72は、上流側中間ダクト部72Bと下流側中間ダクト部72Dとから構成されている。下流側中間ダクト部72Dは、中間ダクト部材72のうち、屈曲部72Cよりも上流の部位である。つまり、上流側中間ダクト部72Bは、その上流の上流ダクト部材71の下流端から屈曲部72Cまで車両幅方向に延びる部位である。この上流側中間ダクト部72Bはトレイ部材56の上面に載置されている。下流側中間ダクト部72Dは、中間ダクト部材72のうち、屈曲部72Cからバッテリモジュール群60の側方まで車両前後方向(前方)に延びる部位である。
下流側中間ダクト部72Dは、トレイ部材56の上方からステイ部材57の側方を通過して下流ダクト部材73の上流端の側方まで斜め下方に延びる傾斜部72Fと、傾斜部72Fの下端部から下流ダクト部材73の延出部73Aに沿って車両前方に延びる水平部72Gと、を有している。第4接続口72Eは水平部72Gに形成されている。
図3において、中間ダクト部材72は、平面視で、屈曲部72Cから第4接続口72Eに向かって直線状に延びている。言い換えれば、中間ダクト部材72の下流側中間ダクト部72Dは、屈曲部72Cから車両前方に向かって直線状に延びている。上流側中間ダクト部72Bの車両前後方向に沿う断面の寸法より、下流側中間ダクト部72Dの車両幅方向に沿う断面の寸法が小さく設定されている。
図4において、バッテリケース21は、車体2に連結される取付部22を有している。第4接続口72Eは、車両側面視で取付部22と重なる位置に配置されている。
図4において、下流側中間ダクト部72Dは、ステイ部材57の車両幅方向の外側を通って車両前方に延びている。また、下流側中間ダクト部72Dは、車両側面視でステイ部材57と重なる位置に配置されている。
図3において、バッテリケース21は、車両後方側に、車両幅方向の幅が車両前方側よりも大きい拡幅部21Bを有している。つまり、バッテリケース21は、その前部の狭幅部21Aと、その後部の拡幅部21Bとからなる。ステイ部材57は、バッテリケース21における拡幅部21Bの縁であるフランジ部41に設けられている。屈曲部72Cは、車両側面視でステイ部材57と重なるように拡幅部21Bに配置されている。
図3、図4において、屈曲部72Cは、車両幅方向の外側に向かって延びた後に車両上下方向で下方に向かうように屈曲している。
図5に示すように、車両幅方向に沿う断面で切断した断面において、屈曲部72Cの内周部R1の曲率半径が、屈曲部72Cの外周部R2の曲率半径よりも大きく形成されている。ここで、屈曲部72Cの内周部R1とは、屈曲部72Cのうち車両幅方向の内側の部位であり、屈曲部72Cの外周部R2とは、屈曲部72Cのうち車両幅方向の外側(左方側)の部位である。
図3において、内部ダクト部材74は、下流ダクト部材73の下端に接続されている。内部ダクト部材74は、バッテリモジュール群60の内部を車両幅方向に延びている。内部ダクト部材74は、その下流端から空気を排出している。内部ダクト部材74は、車両前後方向に対向する2つのバッテリモジュール61、64の間に挟まれる位置に配置されている。内部ダクト部材74の右端部である下流端74Aは、車両前方と車両後方の両方に空気を吹き出している。したがって、内部ダクト部材74の下流端74Aからは、下流端74Aの前方のバッテリモジュール61、62と、下流端74Aの後方のバッテリモジュール64、65の両方に空気が供給される。
以上説明したように、本実施例のバッテリパック20において、送風ダクト70は、バッテリモジュール群60の後部に沿って延びる上流ダクト部材71と、上流ダクト部材71の下流端に接続され、車両幅方向の外側に向かって延びた後に車両前方に向かって屈曲する屈曲部72Cを有し、屈曲部72Cの下流側がバッテリモジュール群60とバッテリケース21との隙間に沿って延びる中間ダクト部材72と、中間ダクト部材72の下流端に接続され、バッテリモジュール群60の側方を通るように配置され、バッテリモジュール群60とバッテリケース21との隙間に沿って延びる下流ダクト部材73と、を有している。下流ダクト部材73の後端部は、バッテリモジュール群60の後端部よりも後方に延出する延出部73Aを有している。
また、上流ダクト部材71は、その下流端部に形成された第1接続口71Cを有し、下流ダクト部材73は、延出部73Aに形成された第2接続口73Bを有している。また、中間ダクト部材72は、その上流端部に形成された第3接続口72Aと、その下流端部に形成された第4接続口72Eとを有している。
そして、第1接続口71Cと第2接続口73Bとが、互いに平行に、かつ、車両幅方向の一方側を向いて開口し、第3接続口72Aと第4接続口72Eとが、互いに平行に、かつ、車両幅方向の他方側を向いて開口し、中間ダクト部材72は、第3接続口72Aが第1接続口71Cに接続され、第4接続口72Eが第2接続口73Bに接続されるように、上流ダクト部材71および下流ダクト部材73にそれぞれ組み付けられている。
ここで、仮に、送風ダクト70が分割構造ではなく一体構造の場合、送風ダクト70が長くなる傾向にある。送風ダクト70が長くなると、作業者が送風ダクト70をバッテリケース21内に取付けるときに、送風ダクト70に負荷がかかり送風ダクト70が損傷したり、送風ダクト70を損傷させまいとする作業者の負担が増加したりする。
これに対し、本実施例のバッテリパック20では、送風ダクト70を、上流ダクト部材71、中間ダクト部材72および下流ダクト部材73を接続してなる分割構造としているため、組付け時の送風ダクト70の損傷を防止でき、作業者の負担を抑制できる。
また、バッテリケース21に既に配置されている上流ダクト部材71および下流ダクト部材73に対して、中間ダクト部材72を車両幅方向の外側から接続するだけで、中間ダクト部材72の組付けが完了するので、組付け作業の負担を軽減できる。また、中間ダクト部材72を組み付けるときの、上流ダクト部材71および下流ダクト部材73の変形を抑制できる。
また、中間ダクト部材72の組付け作業を、上方から目視しながら容易に行うことができので、組付け作業の作業性を向上させることができる。この結果、バッテリケース21への送風ダクト70の組付け作業の作業性を向上させることができる。
本実施例のバッテリパック20において、第4接続口72Eの開口面積は、第3接続口72Aの開口面積よりも大きく設定され、第4接続口72Eの開口形状は、車両前後方向の長さ寸法が車両上下方向の長さ寸法よりも大きくなるように形成されている。
これにより、中間ダクト部材72において空気流れ方向で上流側よりも下流側の開口面積が大きく形成され、中間ダクト部材72内を流れる空気の流れが阻害されることを抑制して送風ダクト70内を流れる空気の圧損を抑制できる。
また、第4接続口72Eの開口形状を、車両前後方向の長さ寸法が車両上下方向の長さ寸法よりも大きくなるようにしたことにより、中間ダクト部材72の組付け作業時に、第4接続口72Eの位置を容易に把握でき、組付け作業を効率的にすることができる。
また、中間ダクト部材72の第4接続口72Eと下流ダクト部材73との接続部分の面積を拡大でき、中間ダクトを下流ダクト部材73から外れ難くすることができる。
本実施例のバッテリパック20において、バッテリモジュール群60の後方で、バッテリパック20の高さ方向でバッテリモジュール61、62、63、64、65、66、67の上面よりも高い位置に配置されたトレイ部材56と、トレイ部材56とバッテリケース21の縁部とに連結され、トレイ部材56を支持するステイ部材57と、を備えている。
中間ダクト部材72は、トレイ部材56の上面に載置され、上流ダクト部材71の下流端から屈曲部72Cまで延びる上流側中間ダクト部72Bと、屈曲部72Cからバッテリモジュール群60の側方まで延びる下流側中間ダクト部72Dと、とから構成されている。下流側中間ダクト部72Dは、トレイ部材56の上方からステイ部材57の側方を通過して下流ダクト部材73の上流端の側方まで斜め下方に延びる傾斜部72Fと、傾斜部72Fの下端部から下流ダクト部材73の延出部73Aに沿って車両前方に延びる水平部72Gと、を有しており、水平部72Gに第4接続口72Eが形成されている。
これにより、下流ダクト部材73の延出部73Aがトレイ部材56に近接して配置されるので、中間ダクト部材72の傾斜部72Fおよび水平部72Gの長さ寸法を短縮できる。
また、傾斜部72Fが車両幅方向でステイ部材57と重なるように配置されているので、バッテリパック20に車両幅方向から荷重が作用したときに、傾斜部72Fがステイ部材57に当接することによって中間ダクト部材72の移動が規制される。このため、下流ダクト部材73から中間ダクト部材72が荷重により変位して外れることを防止できる。
また、中間ダクト部材72の傾斜部72Fが下流ダクト部材73の後端部の近傍まで延びているので、水平部72Gの長さを短くでき、水平部72Gの弾性変形量を抑制できる。これにより、中間ダクト部材72と下流ダクト部材73との連結強度を向上させることができる。
本実施例のバッテリパック20において、中間ダクト部材72は、平面視で、屈曲部72Cから第4接続口72Eに向かって直線状に延びており、上流側中間ダクト部72Bの車両前後方向に沿う断面の寸法より、下流側中間ダクト部72Dの車両幅方向に沿う断面の寸法が小さく設定されている。
これにより、屈曲部72Cの車両幅方向への拡大を抑制でき、バッテリケース21内の各部材のレイアウトの自由度を確保できる。
本実施例のバッテリパック20において、バッテリケース21は、車体2に連結される取付部22を有しており、第4接続口72Eは、車両側面視で取付部22と重なる位置に配置されている。
これにより、取付部22を取付けるバッテリケース21の側部は比較的剛性が高く、この剛性が高い部位に第4接続口72Eを車両側面視で取付部22と重なるように配置したので、第4接続口72Eが下流ダクトから外れ難くすることができる。
本実施例のバッテリパック20において、下流側中間ダクト部72Dは、ステイ部材57の車両幅方向の外側を通って車両前方に延び、かつ、車両側面視でステイ部材57と重なる位置に配置されている。
これにより、車両の側突時に中間ダクト部材72が車両中央側に変位することをステイ部材57によって規制でき、中間ダクト部材72が下流ダクト部材73から外れることを抑制できる。
また、中間ダクト部材72が車両中央側に変位することを規制できる結果、上流ダクト部材71および下流ダクト部材73が車両中央側に変位することを規制できる。
また、バッテリケース21の剛性を向上させることができ、振動を抑制でき、下流ダクト部材73との連結が外れることを防止できる。
また、車両の側突時の荷重が屈曲部72Cに作用した場合であっても、第4接続口72Eが下流ダクトから外れ難くすることができる。
本実施例のバッテリパック20において、バッテリケース21は、車両後方側に、車両幅方向の幅が車両前方側よりも大きい拡幅部21Bを有しており、ステイ部材57は、バッテリケース21における拡幅部21Bの縁に設けられている。屈曲部72Cは、車両側面視でステイ部材57と重なるように拡幅部21Bに配置されている。
このように、拡幅部21Bにステイ部材57および屈曲部72Cを配置したことにより、ステイ部材57および屈曲部72Cがバッテリモジュール61、62、63、64、65、66、67と干渉することを抑制でき、バッテリケース21内の複数のバッテリモジュール61、62、63、64、65、66、67の配置の自由度を高めることができる。
また、拡幅部21Bに屈曲部72Cを配置したことにより、中間ダクト部材72における上流側中間ダクト部72Bの長さを長く設定して、上流側中間ダクト部72Bを弾性変形させやすくできるので、上流ダクト部材71への中間ダクト部材72の組付作業を容易にすることができる。
本実施例のバッテリパック20において、屈曲部72Cは、車両幅方向の外側に向かって延びた後に車両上下方向で下方に向かうように屈曲している。そして、車両幅方向に沿う断面で切断した断面において、屈曲部72Cの内周部R1の部分の曲率半径が、屈曲部72Cの外周部R2の部分の曲率半径よりも大きく形成されている。
これにより、屈曲部72Cの剛性を高めることができる。このため、車両の走行による屈曲部72Cの振動を抑制できる。また、屈曲部72Cの振動に起因して中間ダクト部材72が下流ダクト部材73から外れてしまうことを防止できる。また、屈曲部72Cの内周部R1の側の曲率半径を大きくしているので、屈曲部72Cの内部で空気が向きを変えて流れる際に、内周部R1の内側の面から空気が剥離することを抑制できる。
本実施例のバッテリパック20において、送風ダクト70は、下流ダクト部材73の下端に接続され、バッテリモジュール群60の内部を車両幅方向に延びる内部ダクト部材74を有している。内部ダクト部材74は、車両前後方向に対向する2つのバッテリモジュール61、64の間に挟まれる位置に配置されている。
これにより、内部ダクト部材74は、車両前後方向に対向する2つのバッテリモジュール61、64によって車両前後方向への移動が規制されるので、車両の振動によって内部ダクト部材74およびこれに接続されている下流ダクト部材73が車両前後方向に変位することを防止できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。