JP7445102B2 - 接着剤樹脂組成物、及び積層体 - Google Patents
接着剤樹脂組成物、及び積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7445102B2 JP7445102B2 JP2020125001A JP2020125001A JP7445102B2 JP 7445102 B2 JP7445102 B2 JP 7445102B2 JP 2020125001 A JP2020125001 A JP 2020125001A JP 2020125001 A JP2020125001 A JP 2020125001A JP 7445102 B2 JP7445102 B2 JP 7445102B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- urethane
- acrylate
- acrylic
- ethylenically unsaturated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Description
本発明のウレタン・アクリル複合樹脂(C)は、ウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)とが連鎖移動剤残基により連結した構造を有しており、かつ(メタ)アクリルユニット(B)が、分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)及び/又は分子内に分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)由来の構成単位を有しており、(メタ)アクリルユニット(B)の水酸基価が、5mgKOH/g以上である。
本明細書において「連鎖移動剤残基」とは、連鎖移動剤に由来するものとして識別することのできる複合樹脂の部分を意味する。
まず、ポリオールとイソシアネート基含有化合物を反応させて得られる、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー中のイソシアネート基に、分子内にイソシアネート基と反応しうる官能基とメルカプト基を有する連鎖移動剤を反応させ、両末端に連鎖移動剤残基であるメルカプト基を持つウレタンユニット(A)を合成する。
その後、得られたウレタンユニット(A)中の末端メルカプト基を用いて、分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)及び/又は分子内に分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)を含むエチレン性不飽和単量体を、重合開始剤存在下に連鎖移動重合して(メタ)アクリルユニット(B)を形成する。
このようにして、ウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)とが連鎖移動剤残基により連結したウレタン・アクリル複合樹脂(C)を得ることができる。
これらの反応は全て溶媒を用いて行ってもよいが、溶媒を用いる場合は反応の途中段階又は反応終了後に減圧下若しくは常圧下で溶媒を除去することが好ましい。
まず、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)のウレタンユニット(A)について以下に述べる。本発明におけるウレタンユニット(A)は、ポリオールとイソシアネート基含有化合物とを、無溶剤又は溶剤中で反応させて形成することができる。
ウレタンユニット(A)を構成するポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、植物油系ポリオール、その他ポリオールが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は共重合体が挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
また、ポリエーテルポリオールとしては、ヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルポリオール類等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上述の低分子ポリオールと二塩基酸成分とが縮合反応したポリエステルポリオールが挙げられる。
また、二塩基酸成分としては、ε-カプロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類等の環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上述の低分子ポリオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物との反応により得られるものを挙げることができる。
ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート等が挙げられる。ジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
ポリオレフィン系ポリオールとしては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水添した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水添した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンが挙げられる。
植物油系ポリオールとしては、植物由来のひまし油、ダイマー酸、若しくは大豆油を原料としたポリオールが挙げられる。
ウレタンユニット(A)を構成するイソシアネート基含有化合物としては、例えば、芳香族、脂肪族、脂環式のイソシアネート基含有化合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ウレタン化反応では、反応性を調整する目的で触媒を用いてもよい。
本発明の連鎖移動剤としては、特に制限されないが、好ましくはメルカプト基を有する連鎖移動剤である。ウレタン・アクリル複合樹脂(C)のウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)の連結部位となるメルカプト基を有する連鎖移動剤について以下に述べる。
メルカプト基を有する連鎖移動剤としては、分子内にイソシアネート基と反応し得る官能基とメルカプト基とをそれぞれ有するものが好適に用いられる。このような連鎖移動剤としてより好ましくは、分子内に1つのアミノ基と1つのメルカプト基を有する化合物である。メルカプト基もイソシアネート基との反応性を有するが、メルカプト基よりも反応性の高いアミノ基を分子内に有することで、アミノ基が優先的にウレタンプレポリマー中のイソシアネート基と反応してウレア結合を形成し、ウレタンプレポリマーの末端に効率よくメルカプト基が導入される。
ウレタンユニット(A)の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは3,000~200,000である。重量平均分子量が3,000以上であると柔軟性に優れ、200,000以下であると粘度の調整が容易である。
(メタ)アクリルユニット(B)は、分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)由来の構成単位及び/又は分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)由来の構成単位を有し、水酸基価が5mgKOH/g以上である。
(メタ)アクリルユニット(B)は、(G)及び(H)以外のその他のエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有していてもよく、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有し、その含有量を調整することで、(メタ)アクリルユニット(B)の水酸基価を5mgKOH/g以上とすることができる。
分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)としては、例えば、分子内に1つの重合性不飽和二重結合と1つ以上の窒素原子とを有する化合物を使用することができ、具体的には、アミド基含有エチレン性不飽和単量体、アミノ基含有エチレン性不飽和単量体、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体、4級アンモニウムカチオンを含有するエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、アミド基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(メチロール)アクリルアミド、N-メチロール-N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基を有するアミド基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられる。
分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)としては、例えば、分子内に1つの重合性不飽和二重結合と1つ以上のカルボキシ基とを有する化合物を使用することができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(水酸基を有するエチレン性不飽和単量体)
上述のとおり、本発明における(メタ)アクリルユニット(B)は、水酸基価が5mgKOH/g以上である。上述の水酸基を有するアミド基含有エチレン性不飽和単量体を用いることで、水酸基価を調整することができるが、水酸基を有するアミド基含有エチレン性不飽和単量体以外の、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を用いることもできる。
このような水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、分子内に1つの(メタ)アクリロイル基と1つ以上の水酸基とを有する(メタ)アクリル単量体を使用することができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリルユニット(B)の水酸基価は、好ましくは10~490mgKOH/gの範囲である。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤としては、公知のアゾ系化合物や有機過酸化物を用いることができる。
アゾ系化合物としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカーボキシレート)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2’-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、又は2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサエート、t-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリルユニット(B)の重量平均分子量は、特に限定されないが、2,000~200,000であることが好ましい。2,000以上であると接着性に優れ、200,000以下であると粘度の調整が容易である。
ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の重量平均分子量は、特に限定されないが、5,000~300,000が好ましい。5,000以上であると接着性に優れ、300,000以下であると粘度の調整が容易である。
ウレタン・アクリル複合樹脂(C)を製造する際に使用できる溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、プロピレンオキシド、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類の他、トルエン、メチルシクロヘキサン、アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の製造に使用する溶媒は、反応の途中段階又は反応終了後に減圧下若しくは常圧下で除去することが好ましい。
架橋剤(D)としては、接着剤樹脂組成物(F)に含まれるウレタン・アクリル複合樹脂(C)、又は後述の反応性希釈剤(E)が有する官能基と反応し得る官能基を有するものが好ましく、より好ましくは、分子内にイソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネートが挙げられ、例えば、上述のイソシアネート基含有化合物、及びこれらのビウレット体、ヌレート体、アダクト体、その他縮合体等の2官能以上のイソシアネート化合物を用いることができる。これらの架橋剤(D)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応性希釈剤(E)としては、上述の架橋剤(D)との反応性を有する液状物質であることが好ましく、より好ましくは2官能以上の水酸基を有する化合物である。接着剤樹脂組成物(F)が反応性希釈剤(E)を含むことで、より強固な硬化膜となり、優れた接着力を得ることが可能となる。
本発明の接着剤樹脂組成物(F)は、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)と、架橋剤(D)と、及び反応性希釈剤(E)とを公知の方法で混合することで得られる。また、本発明の接着剤樹脂組成物(F)は、さらに、反応促進剤、シランカップリング剤、リン酸又はリン酸誘導体、レベリング剤又は消泡剤、充填剤、噴射剤、可塑剤、超可塑剤、湿潤剤、難燃剤、粘度調整剤、保存剤、安定剤及び着色剤等の公知の添加剤を配合することができる。
積層体の形成方法については特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。積層体の形成方法としては、例えば、接着剤樹脂組成物(F)を基材の一方の面に塗布し、次いで、接着剤樹脂組成物が硬化する前に他の基材を重ねて接着剤層を形成し、さらに20~150℃程度の条件で接着剤層を硬化させることで積層体を得ることができる。接着剤層の膜厚は0.1μm~300mmであることが好ましい。
実施例中の重量平均分子量は、カラムとしてShodexGPCLF-604(Shodex社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(Shodex社製、GPC-104)で展開溶媒にTHFを用いた時のポリスチレン換算分子量を用いた。
水酸基価(OHV)の測定は以下の通り行った。まず、共栓三角フラスコ中に試料1gを精密に量り採り、ピリジンを100ml加えて溶解した。さらに、アセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、1時間撹拌した後、0.5N-アルコール性水酸化カリウム溶液にて滴定した。水酸基価(mgKOH/g)は次式により求めた。水酸基価は乾燥した試料の数値とした。
水酸基価=[[{(b-a)×F×28.05}/S]/(不揮発分濃度/100)+D]/(α/β)
S:試料の採取量(g)
a:0.5N-アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.5N-アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.5N-アルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
D:酸価(mgKOH/g)
α:製造時に使用した(メタ)アクリルユニット(B)を構成する
全てのエチレン性不飽和単量体の量(g)
β:製造時に使用した全ての構成成分の量(g)
酸価(AV)の測定は以下の通り行った。まず、共栓三角フラスコ中に試料1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した後、0.1N-アルコール性水酸化カリウム溶液にて滴定した。酸価(mgKOH/g)は次式により求めた。なお、酸価は乾燥した試料の数値とした。
酸価={(5.61×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
S:試料の採取量(g)
a:0.1N-アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1N-アルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
[製造例1]ウレタン・アクリル複合樹脂(C-1)
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、まずポリオールとしてP-1000(製品名、一般名:2官能ポリプロピレングリコール、水酸基価110、ADEKA社製)100部、イソシアネート基含有化合物としてイソホロンジイソシアネート28.3部、触媒としてチタンジイソプロポキシビズ(エチルアセトアセテート)を0.02部仕込み均一に撹拌した後、窒素雰囲気下110℃で5時間反応させウレタンプレポリマーを得た。
次に80℃まで冷却し、溶媒としてメチルエチルケトンを69.9部、反応性希釈剤としてアデカポリエーテルG-400(製品名、一般名:3官能ポリプロピレングリコール、水酸基価420、ADEKA社製)69.9部、連鎖移動剤として2-アミノエタンチオール2.2部を加え、75℃で2時間反応させウレタンユニットを得た。反応の終点は、FT-IRによりイソシアネート基由来のピーク(2270cm-1付近)の消失により確認した。
続いて分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)としてヒドロキシエチルアクリルアミド6.5部、その他のエチレン性不飽和単量体としてn-ブチルメタクリレート26.1部を加え均一に撹拌した後、窒素雰囲気下で75℃に昇温し、ここに重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.1部を30分毎に13回分割して加え、重合開始剤の添加後にさらに2時間反応させて(メタ)アクリルユニットを形成した。その後、減圧下で溶媒を全て除去することでウレタン・アクリル複合樹脂(C-1)を得た。
得られたウレタン・アクリル複合樹脂(C-1)中の(メタ)アクリルユニット(B)の水酸基価、(メタ)アクリルユニット(B)中の分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)の割合(%)、アクリルユニット(B)中の分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)の割合(%)、ウレタンユニット(A)の割合(%)、重量平均分子量は表1の通りである。
表1に示す配合組成に変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、ウレタン・アクリル複合樹脂(C-2~C-36)を得た。
得られたウレタン・アクリル複合樹脂(C-2~C-36)中の(メタ)アクリルユニット(B)の水酸基価、(メタ)アクリルユニット(B)中の分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)の割合(%)、アクリルユニット(B)中の分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)の割合(%)、ウレタンユニット(A)の割合(%)、重量平均分子量は表1、表2、表7、表8の通りである。
[比較製造例1、2、6、7]ウレタン・アクリル複合樹脂(I-1、I-2、I-6、I-7)
表1に示す配合組成に変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、比較用のウレタン・アクリル複合樹脂(I-1、I-2、I-6、I-7)を得た。
得られたウレタン・アクリル複合樹脂(I-1、I-2、I-6、I-7)中の(メタ)アクリルユニット(L)の水酸基価、(メタ)アクリルユニット(L)中の分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)の割合(%)、アクリルユニット(L)中の分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)の割合(%)、ウレタンユニット(A)の割合(%)、重量平均分子量は表3、表9の通りである
反応性希釈剤を用いなかった以外は、製造例1と同様の操作を行い、比較用のウレタン・アクリル複合樹脂(I-3、I-8)を得た。
得られた比較用ウレタン・アクリル複合樹脂(I-3、I-8)中の(メタ)アクリルユニット(L)の水酸基価、(メタ)アクリルユニット(L)中の分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)の割合(%)、アクリルユニット(L)中の分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)の割合(%)、ウレタンユニット(A)の割合(%)、重量平均分子量は表3、表9の通りである。
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、ポリオールとしてアデカポリエーテルP-1000(製品名、一般名:2官能ポリプロピレングリコール、水酸基価110、ADEKA社製)100部、イソシアネート基含有化合物としてイソホロンジイソシアネート16.8部、反応促進剤としてチタンジイソプロポキシビズ(エチルアセトアセテート)を0.02部仕込み均一に撹拌した後、窒素雰囲気下110℃で5時間反応させウレタン樹脂を得た。続いて、反応性希釈剤としてアデカポリエーテルG-400(製品名、一般名:3官能ポリプロピレングリコール、水酸基価420、ADEKA社製)50.0部を添加し、十分に撹拌混合して比較用のウレタン樹脂(J)を得た。
得られたウレタン樹脂(J)中の(メタ)アクリルルユニット(B)の割合(%)は0%、重量平均分子量は54,000であった。
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、アデカポリエーテルG-400(製品名、一般名:3官能ポリプロピレングリコール、水酸基価265、ADEKA社製)5.4部、n-ブチルメタクリレート10.0部、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド2.5部を加え均一に撹拌した後、窒素雰囲気下で75℃に昇温し、ここに重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.1部を30分毎に13回分割して加え、重合開始剤を全て添加した後さらに2時間反応させることで比較用のアクリル樹脂(K)を得た。
得られたアクリル樹脂(K)中の(メタ)アクリルユニット(B)の割合(%)は100%、重量平均分子量は20,000であった。
<ポリオール>
・P-1000;2官能ポリプロピレングリコール、水酸基価110、ADEKA社製
<イソシアネート基含有化合物>
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
<反応性希釈剤(E)>
・G-400:3官能ポリプロピレングリコール、水酸基価420、ADEKA社製
・P-400:2官能ポリプロピレングリコール、水酸基価280、ADEKA社製
<分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)>
・AN:アクリロニトリル
・NIPAM:イソプロピルアクリルアミド
・ACMO:アクリロイルモルフォリン
・DM:ジメチルアミノメチルメタクリレート
・HEAA:ヒドロキシエチルアクリルアミド
<分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)>
・AA:アクリル酸
・MAA:メタクリル酸
・HO-MS(N):2-メタクリロイロキシエチルコハク酸
<エチレン性不飽和単量体>
・BMA:n-ブチルメタクリレート
・HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
[実施例1]
ウレタン・アクリル複合樹脂(C-1)を10部、架橋剤(D)としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート4.7部を室温で撹拌混合し、実施例1の接着剤樹脂組成物を調製した。
表4~表6、表10~13に示す配合組成に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例2~36の接着剤樹脂組成物及び比較例1~11の接着剤樹脂組成物を調製した。なお、比較例4、11については、粘度が高く均一に撹拌混合することが困難であったため、以下の評価を実施しなかった。
実施例1~36及び比較例1~3、5~10で調製した接着剤樹脂組成物について、次のような試験を行った。判定結果を表4~表6、表10~表13に記載する。
各接着剤組成物を、アルミニウム基材(長さ100mm、幅25mm、膜厚2mm)上に幅25mm、長さ10mm、厚み0.1mmとなるよう塗布し、炭素繊維強化プラスチック基材(長さ100mm、幅25mm、膜厚2mm)と貼りあわせ、厚み0.1mmを保持するよう圧着した状態で80℃1日養生させることで、接着力評価用の試験片を得た。得られた試験片を温度25℃、相対湿度50%の条件下、引張り速度1mm/分で引張り試験機を用いてせん断接着力を測定し、以下の評価基準で判定した。実用レベルは△以上である。
(評価基準)
○:せん断接着力が13MPa以上である
△:せん断接着力が10MPa以上、13MPa未満である
×:せん断接着力が10MPa未満である
厚さ2mmのシート状型枠に各硬化性組成物を充填し、表面を整えて、80℃1日の養生後、ダンベル型枠で打ち抜き、ダンベル型硬化物を作成した。このダンベル片を用いて、引張速度50mm/分で引張試験を行い、破断時の伸び率(%)を測定し、以下の基準で判定した。実用レベルは△以上である。
(評価基準)
◎:破断時の伸び率が200%以上である
○:破断時の伸び率が150%以上、200%未満である
△:破断時の伸び率が100%以上、150%未満である
×:破断時の伸び率が100%未満である
上述の接着力を評価した後の試験片について、接着剤樹脂組成物の硬化物若しくは接着剤樹脂組成物が基材から剥がれた面積の割合を観察し、基材密着性について以下の基準で判定した。剥がれた面積は、アルミニウム基材と炭素繊維強化プラスチック基材のうち、剥がれの大きい方の基材の面積を測定した。実用レベルは△以上である。
〇:剥がれる面積が20%未満である
△:剥がれる面積が20%以上、50%未満である
×:剥がれる面積が50%以上である
<架橋剤(D)>
・polymeric MDI:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート
・HDIビウレット:ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体
Claims (5)
- ウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)とが連鎖移動剤残基により連結したウレタン・アクリル複合樹脂(C)、架橋剤(D)、及び反応性希釈剤(E)を含有する接着剤樹脂組成物(F)であって、
(メタ)アクリルユニット(B)の水酸基価が5mgKOH/g以上であり、(メタ)アクリルユニット(B)が、分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)及び/又は分子内にカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(H)由来の構成単位を有することを特徴とする接着剤樹脂組成物(F)。 - ウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)とが、アミノ基を有する連鎖移動剤の残基により連結されてなることを特徴とする請求項1に記載の接着剤樹脂組成物(F)。
- 分子内に窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体(G)が、(メタ)アクリルアミド基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の接着剤樹脂組成物(F)。
- ウレタンユニット(A)の含有量が、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)100重量部中、40~97重量部であることを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載の接着剤樹脂組成物(F)。
- 基材上に、請求項1~4いずれか1項に記載の接着剤樹脂組成物(F)を用いて形成してなる接着剤層を有する積層体。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019152461 | 2019-08-23 | ||
JP2019152461 | 2019-08-23 | ||
JP2019203672 | 2019-11-11 | ||
JP2019203672 | 2019-11-11 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021075685A JP2021075685A (ja) | 2021-05-20 |
JP7445102B2 true JP7445102B2 (ja) | 2024-03-07 |
Family
ID=75897102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020125001A Active JP7445102B2 (ja) | 2019-08-23 | 2020-07-22 | 接着剤樹脂組成物、及び積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7445102B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001040319A (ja) | 1999-05-27 | 2001-02-13 | Nippon Polyurethane Ind Co Ltd | 水性接着剤 |
US20120208014A1 (en) | 2009-10-23 | 2012-08-16 | Universidad Del País Vasco | Aqueous hybrid polyurethane-acrylic adhesives |
JP2017171735A (ja) | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 水性接着剤用アクリル・ウレタン複合樹脂とその製造方法、および水性接着剤。 |
JP2021031529A (ja) | 2019-08-20 | 2021-03-01 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 硬化性樹脂組成物 |
JP2021102741A (ja) | 2019-12-26 | 2021-07-15 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 樹脂組成物及び積層体 |
-
2020
- 2020-07-22 JP JP2020125001A patent/JP7445102B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001040319A (ja) | 1999-05-27 | 2001-02-13 | Nippon Polyurethane Ind Co Ltd | 水性接着剤 |
US20120208014A1 (en) | 2009-10-23 | 2012-08-16 | Universidad Del País Vasco | Aqueous hybrid polyurethane-acrylic adhesives |
JP2017171735A (ja) | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 水性接着剤用アクリル・ウレタン複合樹脂とその製造方法、および水性接着剤。 |
JP2021031529A (ja) | 2019-08-20 | 2021-03-01 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 硬化性樹脂組成物 |
JP2021102741A (ja) | 2019-12-26 | 2021-07-15 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 樹脂組成物及び積層体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021075685A (ja) | 2021-05-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6791319B1 (ja) | 硬化性樹脂組成物 | |
JP2022082441A (ja) | 無溶剤型反応性接着剤、その硬化物、及び積層体 | |
JP7264017B2 (ja) | 樹脂組成物及び接着剤組成物の製造方法 | |
JP2009096996A (ja) | 粘着剤用主剤およびその製造方法、ウレタン樹脂系粘着剤製造用組成物、ならびにウレタン樹脂系粘着剤の製造方法 | |
KR101455422B1 (ko) | 수성 우레탄 수지 조성물 | |
WO2022071514A1 (ja) | 接着剤、硬化物、及び積層体 | |
JP7276118B2 (ja) | 接着剤組成物、及び積層体 | |
JP7445102B2 (ja) | 接着剤樹脂組成物、及び積層体 | |
JP7442054B2 (ja) | 接着剤樹脂組成物 | |
WO2024143128A1 (ja) | 無溶剤型構造用接着剤、その硬化物、及び構造体 | |
JP7494639B2 (ja) | 接着剤樹脂組成物、及び積層体 | |
JP7476748B2 (ja) | 接着剤、硬化物及び積層体 | |
WO2015115291A1 (ja) | ポリイソシアネート組成物、2液硬化型ポリウレタン樹脂、塗料および接着剤 | |
KR102455218B1 (ko) | 2k 폴리우레탄 접착제를 위한 플라스틱 접착 촉진 | |
JP7476749B2 (ja) | 接着剤、硬化物、及び積層体 | |
JP7342686B2 (ja) | ブロックポリマー | |
JP7463851B2 (ja) | 湿気硬化型接着剤、硬化物、及び積層体 | |
JP7045607B1 (ja) | 接着剤、硬化物、及び積層体 | |
JP7311061B1 (ja) | 接着剤樹脂組成物、硬化物及び積層体 | |
JP2009057451A (ja) | アクリル・ウレタンブロック共重合体水性エマルジョンおよびその製造方法ならびに水性コーティング材 | |
JP7613064B2 (ja) | 樹脂シート、及び積層体 | |
JP7595206B1 (ja) | 接着剤樹脂組成物、硬化物及び積層体 | |
JP2023111399A (ja) | 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び積層体 | |
JP2023170895A (ja) | 接着剤、硬化物及び積層体 | |
WO2022107881A1 (ja) | 無溶剤型反応性接着剤、その硬化物及び積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230403 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20231218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240123 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20240126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240126 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20240126 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7445102 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |