JP7441163B2 - シリカ微粒子分散液およびその製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、半導体シリコンウェハ等の電子材料の表面を平坦化するための砥粒分散液として、シリカ微粒子分散液が広く使用されており、そのシリカ微粒子中の金属不純物含有量についても低減が求められている。
特許文献1には、特定のアルコキシシランを加水分解した後、250℃以上で水熱処理してなる短繊維状シリカの製造方法が記載されている。具体的には、(i)水、有機溶媒および一般式:XnSi(OR)4-nで表されるアルコキシシランの1種または2種以上を含む混合溶液に、触媒を添加してアルコキシシランの加水分解反応を行い、10~30nmの粒径を有するシリカ微粒子を生成させた後、(ii)反応後の混合溶液から、未反応のアルコキシシラン、有機溶媒および触媒を除去して、シリカ微粒子の水分散液を作成し、(iii)該水分散液中のシリカ微粒子の固形分濃度が0.1~5重量%、アンモニア濃度が50~400ppmとなるように調整し、(iv)該水分散液を250℃以上の温度で水熱処理することを特徴とする短繊維状シリカの製造方法が記載されている。
特許文献2には、(a)濃度が0.5~7重量%であるアルカリ珪酸塩の水溶液を、強酸型陽イオン交換樹脂と接触させて脱アルカリすることにより珪酸液を調製し、(b)この珪酸液に酸を加え、pH2.5以下温度0~98℃の条件で珪酸液を酸処理し、(c)得られた酸性珪酸コロイド液中の不純物を分画分子量500~10000の限外濾過膜にて除去してオリゴ珪酸溶液を調製し、(d)このオリゴ珪酸溶液の一部にアンモニア又はアミンを加え、pH7~10で60~98℃の温度に加熱してヒールゾルを調製し、(e)このヒールゾルにオリゴ珪酸溶液の残部を、徐々に滴下してコロイド粒子を生長させることを特徴とする高純度シリカゾルの製造法が記載されている。
しかし、このような方法では濾水側へ金属イオンと一緒に珪酸液も排出されるため、収率が悪く実用的でない。また洗浄にも時間がかかり実用的でない。
しかし、強酸の除去をイオン交換樹脂で行う場合はpHの制御が難しく、局所的にpHが高い部分があるとゲルが生じて、得られる珪酸液にゲルが混入するため、最終的にシリカゾルの品質や安定性に悪影響を与える。
そこで、本発明者は鋭意検討し、金属不純分を加熱下で酸リーチングする工程で、添加する酸の量を300~10,000ppmに設定することで、金属不純分のイオン化を促進し、珪酸のゲル化を防止することができることを見出した。
そして、本発明者は、電気透析法を酸の除去に適用した場合、局所的なpH変化を伴うことなく、短時間で酸性イオンを効率良く除去できることを見出した。
本発明は以下の[1]~[9]である。
[1]下記1)および2)を満たすシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカ微粒子分散液。
1)前記シリカ微粒子の窒素吸着法により測定した比表面積(SB)と、前記シリカ微粒子の次式[SC(m2/g)=6000/Dp(nm)・ρ]でから求められる比表面積(SC)との比(SB/SC)が0.9~1.2の範囲にあること。
(但し、Dp:シリカ微粒子の透過型電子顕微鏡写真から測定して得られた平均粒子径(nm)、ρ:シリカの密度(g/ml)である。)
2)前記シリカ微粒子に含まれる下記金属成分のSiO2当たりの含有率が、何れも1ppm未満(金属換算)であること。
Cu、Ni、Ag、Al、Ca、Cr、Fe、Mg、Na、K、Pb、TiおよびZn
[2]前記シリカ微粒子分散液が、SiO2濃度40質量%に調整した後に、その300gを300mlのろ過ホルダーにセットした直径25mm、孔径0.5μmの親水性PTFEメンブレンフィルターに供給し、-0.078~-0.082MPaのろ過吸引圧でろ過したときに、その25g以上が通液するものである、上記[1]に記載のシリカ微粒子分散液。
[3]SiO2濃度を4質量%に調整した後に30ccのチューブに25g充填し、10000Gで1時間遠心分離を行い、前記チューブから上澄み液を10g回収して、SiO2濃度とイオン性シリカ濃度とを測定して、SiO2濃度よりイオン性シリカ濃度を差し引いて求めた、板状異物含有量と相関する指標値が3700ppm以下である、上記[1]または[2]に記載のシリカ微粒子分散液。
[4]下記工程1~工程4を含む、シリカ微粒子分散液の製造方法。
工程1:固形分濃度が1~6質量%である珪酸アルカリ水溶液に、塩酸、硝酸または硫酸からなるアルカリ金属塩の群から選ばれる少なくとも1つであるアルカリ金属の鉱酸塩を鉱酸濃度として300~10,000ppmとなるように加えて、15~75℃の温度範囲に調整し、希釈ケイ酸アルカリを得る工程。
工程2:工程1で得られた前記希釈ケイ酸アルカリを、強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換し、その後15℃~75℃の温度範囲に調整して加熱処理を行い、精製珪酸液(2a)を得る工程。
工程3:工程2で得られた前記精製珪酸液(2a)に含まれる鉱酸濃度を電気透析法にて50~200ppmの範囲に低減し、続いて強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換して、分子量が60~1,000の範囲におけるピーク強度比率(%)の合計が99%以上であり、分子量が60~10,000範囲での重量平均分子量が60~2,000である高純度珪酸液(3)を得る工程。
工程4:工程3で得られた前記高純度珪酸液(3)を、アルカリ存在下で粒子成長させて、シリカ微粒子分散液を得る工程。
[5]工程2が、工程1で得られた前記希釈ケイ酸アルカリを、前記強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換し、その後、前記加熱処理を行って珪酸液(1)を得た後に、前記珪酸液(1)を更に強酸性イオン交換樹脂によってイオン交換して前記精製珪酸液(2a)を得る工程である、上記[4]に記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[6]前記工程1における前記珪酸アルカリ水溶液が3号珪酸アルカリの水溶液であることを特徴とする、上記[4]または[5]に記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[7]前記工程1における前記珪酸アルカリ水溶液に含まれる珪酸アルカリが珪酸ナトリウム、珪酸カリウムおよび珪酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、上記[4]~[6]のいずれかに記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[8]前記工程1における前記アルカリ金属の鉱酸塩が、ナトリウム、カリウムおよびリチウムからなる群から選択される少なくとも1つと、塩酸、硝酸及び硫酸からなる群から選択される少なくとも1つとの化合物であることを特徴とする、上記[4]~[7]のいずれかに記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
また、従来の水硝子法の製造方法がそのまま適用できるため、粒子径、モルフォロジー制御により低コストで高研磨速度で且つ低欠陥の研磨粒子を製造することができる。
本発明は、下記1)および2)を満たすシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカ微粒子分散液である。
1)前記シリカ微粒子の窒素吸着法により測定した比表面積(SB)と、前記シリカ微粒子の次式[SC(m2/g)=6000/Dp(nm)・ρ]から求められる比表面積(SC)との比(SB/SC)が0.9~1.2の範囲にあること。
(但し、Dp:シリカ微粒子の透過型電子顕微鏡写真から測定して得られた平均粒子径(nm)、ρ:シリカの密度(g/ml)である。)
2)前記シリカ微粒子に含まれる下記金属成分のSiO2当たりの含有率が、何れも1ppm未満(金属換算)であること。
Cu、Ni、Ag、Al、Ca、Cr、Fe、Mg、Na、K、Pb、TiおよびZn
このようなシリカ微粒子分散液を、以下では「本発明の分散液」ともいう。
また、本発明の分散液に含まれるシリカ微粒子を「本発明のシリカ微粒子」ともいう。
工程1:固形分濃度が1~6質量%である珪酸アルカリ水溶液に、塩酸、硝酸または硫酸からなるアルカリ金属塩の群から選ばれる少なくとも1つであるアルカリ金属の鉱酸塩を鉱酸濃度として300~10,000ppmとなるように加えて、15~75℃の温度範囲に調整し、希釈ケイ酸アルカリを得る工程。
工程2:工程1で得られた前記希釈ケイ酸アルカリを、強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換し、その後15℃~75℃の温度範囲に調整して加熱処理を行い、精製珪酸液(2a)を得る工程。
工程3:工程2で得られた前記精製珪酸液(2a)に含まれる鉱酸濃度を電気透析法にて50~200ppmの範囲に低減し、続いて強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換して、分子量が60~1,000の範囲におけるピーク強度比率(%)の合計が99%以上であり、分子量が60~10,000範囲での重量平均分子量が60~2,000である高純度珪酸液(3)を得る工程。
工程4:工程3で得られた前記高純度珪酸液(3)を、アルカリ存在下で粒子成長させて、シリカ微粒子分散液を得る工程。
このようなシリカ微粒子分散液の製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
本発明の分散液について説明する。
本発明の分散液に含まれる本発明のシリカ微粒子の比表面積(SB)は、次に説明する窒素吸着法により測定される比表面積を意味するものとする。
まず、乾燥させた試料(0.2g)を測定セルに入れ、窒素ガス気流中、100℃で40分間脱ガス処理を行い、その上で試料を窒素30体積%とヘリウム70体積%の混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料の温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、試料の比表面積(SB)を測定する。
このようなBET比表面積測定法(窒素吸着法)は、例えば従来公知の表面積測定装置を用いて行うことができる。
本発明において比表面積(SB)は、特に断りがない限り、このような方法で測定して得た値を意味するものとする。
本発明の分散液に含まれる本発明のシリカ微粒子の比表面積(SC)は、シリカ系微粒子を球体と仮定して算出する比表面積であり、SC(m2/g)=6000/Dp(nm)・ρから算出される。
ここでρは、シリカの密度(g/ml)である2.2である。
また、式中のDpは、シリカ微粒子の透過型電子顕微鏡写真から測定して得られた平均粒子径(nm)であり、具体的には、次の方法によって求めるものとする。
初めに、超純水を添加して固形分濃度を0.01%に調整したシリカ微粒子を試料台に一滴たらし、その後、乾燥し、観察対象試料を作成した。次に、透過型電子顕微鏡を用いて観察対象試料(シリカ微粒子の乾燥品)を倍率10万倍~30万倍で写真撮影して得られる写真投影図において、粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(DL)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(DS)とする。そして、長径(DL)と短径(DS)との幾何平均値を求め、これをシリカ微粒子の粒子径とする。
このようにして100個以上のシリカ微粒子について幾何平均粒子径を測定し、それらの個数平均値を算出し、得られた値をシリカ微粒子の平均粒子径(nm)とする。
したがって、例えば半導体デバイスの製造工程において、半導体シリコンウェハ等の電子材料の表面を平坦化する目的で、本発明の分散液を含む研磨剤を用いて研磨加工を行った場合に、シリコンウェハに表面欠陥を形成し難く、また、金属不純物が要因となってシリコンウェハ中で不純物準位を形成して半導体シリコンウェハを不安定にすることも生じ難い。
・Si:シリカ微粒子分散液に1000℃灼熱減量(1000℃に保持した炉内に十分な時間保持することで水分を蒸発させ、揮発成分を揮発させ、残分の酸化を十分に進行させる処理を意味するものとする)を行い秤量し、得られたものの全てがSiO2であるとして、その含有量を求める。
・Na及びK:原子吸光分光分析
・Ag、Al、Ca、Cr、Fe、Mg、Pb、TiおよびZn:ICP-OES(誘導結合プラズマ発光分光分析)
・Cu及びNi:GASS(グラファイト炉原子吸光光度計)
ここで本発明のシリカ微粒子に含まれる炭素の含有率は、固形分濃度を3質量%に調整した0.3gの本発明のシリカ微粒子を150℃で乾燥させた後、炭素硫黄分析装置の高周波炉で燃焼し、燃焼生成物のCO、CO2を赤外吸収方式によって検出して求めるものとする。
このような本発明の分散液は、シリカ微粒子以外のゲル状物(シリカオリゴマーの凝集体)などの不安定な異物をほぼ含まないため、半導体デバイスの研磨用途等に適用しやすいからである。
また、珪酸アルカリは、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムおよび珪酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
初めに、本発明の分散液を超純水にて希釈して4質量%に調整し、30ccのチューブに各25g充填して10000Gで1時間遠心分離を行い、各チューブより上澄み液を10g回収する。そして、回収した上澄み液のSiO2濃度をICPにて測定する。
1)300mlビーカーに水200mlを取りHClでpH=1に合わせる。
2)試料として、前記遠沈管下部に回収された溶媒1gをはかりとり、300mlビーカーに移す。
3)再度pH=1に合わせる。
4)10%モリブデン酸アンモニウム10mlを加えて混合する。
5)250mlメスフラスコに移し、250mlに合わせる。
6)20分放置後、420nm波長にて透過率を測定する。
7)透過率を吸光度に換算し、検量線よりイオン性シリカ濃度を求める。計算式は以下の通りである。
イオン性シリカの濃度(ppm)=SiO2(mg)×1000/試料(g)×1000000
8)同様に空試験(試料液に10%モリブデン酸アンモニウムを添加していないもの)を
行い、補正する。
本発明者が測定して求めたSiO2濃度、イオン性シリカ濃度および板状異物の含有量との関係を表すデータを表1に示す。
初めに、本発明の分散液を超純水にて希釈して4質量%に調整し、30ccのチューブに各25g充填して7500Gで5時間遠心分離を行い、各チューブより上澄み液を10g回収した。
次に、MERCK社製アイソポアフィルター(フィルター孔径2.0μm、25mmφと同フィルター孔径0.8μm、13mmφ)をスウィネクスフィルターホルダーに各々装着して、上澄み液5gをシリンジで5mlとり、まず2μmフィルターでろ過し、ろ過通過液を0.8μmフィルターでろ過した後に、超純水10mlでフィルターを洗浄した。
次に、洗浄したフィルターをベンコットンを敷いたシャーレに取り出し、60分乾燥させた。乾燥後、フィルターを1.5mm×3mmにカットしてSEMの試料台に両面テープで固定して蒸着を行った。
そして、SEMにて試料片3mmに対して横方向に13分割して5000倍で観察を行い、板状異物の個数を数えた。
そして、その指標値が3700ppm以下であると、本発明の分散液に含まれる板状異物の含有量も低くなることを、本発明は見出した。
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、下記の工程1から工程4を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法が備える工程1では、初めに、固形分濃度が1~6質量%である珪酸アルカリ水溶液を用意する。
ここで珪酸アルカリ水溶液に含まれる珪酸アルカリの種類は特に限定されないものの、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムおよび珪酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、珪酸ナトリウムおよび/または珪酸カリウムであることがより好ましい。
珪酸アルカリ水溶液の固形分濃度は従来公知の方法によって調整することができる。
このようなアルカリ金属の鉱酸塩として、塩酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩酸カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、塩酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムが挙がられ、これらからなる群から選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましい。
なお、鉱酸濃度は塩の濃度から求めるものとする。例えば鉱酸塩が塩酸塩である場合、溶液中のCl濃度を測定して鉱酸濃度を算出して求める。同様にして鉱酸塩が硝酸塩、硫酸塩である場合、NO3濃度、SO4濃度を測定して鉱酸濃度を算出して求める。
以下において鉱酸濃度はこのような方法によって求める値とする。
工程2では、工程1で得られた希釈ケイ酸アルカリを、強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換し、その後15~75℃で加熱処理を行い、精製珪酸液(2a)を得る。
ここで、通液速度は、例えば空間速度が2~18となる通液速度とすることが好ましく、カラムの形状や大きさによるが、空間速度は上記範囲内で、比較的高い通液速度とする事が好ましい。
<工程3>
本発明の製造方法が備える工程3では、上記の工程2によって得られた精製珪酸液(2a)を電気透析法に供して、精製珪酸液(2a)に含まれる鉱酸濃度を50~200ppmの範囲に低減する。
精製珪酸液(2a)の液温を20℃以下(好ましくは10~15℃程度)に調整した後に、精製珪酸液(2a)を電気透析に供することが好ましい。
精製珪酸液(2a)を電気透析に供すれば、これに含まれる鉱酸濃度は低下する。よって、必要に応じて繰り返し電気透析を行えば、精製珪酸液(2a)に含まれる鉱酸濃度を50~200ppmの範囲に低減することができる。ここで精製珪酸液(2a)に含まれる鉱酸濃度を50~100ppmの範囲に低減することが好ましい。
ここで脱酸珪酸液を強酸性陽イオン交換樹脂によって処理してイオン交換する方法は特に限定されず、工程1において珪酸アルカリ水溶液を強酸性陽イオン交換樹脂によって処理してイオン交換する方法と同様であってよい。
本発明の製造方法が備える工程4では、上記の工程3によって得られた高純度珪酸液(3)をアルカリ存在下で粒子成長させて、シリカ微粒子分散液を得る。
ここでpHが10~10.7となるようにアルカリを高純度珪酸液(3)へ加えることが好ましい。
各実施例及び比較例について、以下の各測定結果及び試験結果を第3表~第5表に記す。
前述の方法によって、各実施例および比較例にて得られたシリカ微粒子の平均粒子径を求め、比表面積(SC)を算出した。シリカ微粒子(シリカ)の密度(ρ)は、前述の通りとした。
なお、透過型電子顕微鏡として、株式会社日立製作所製、超高分解能走査電子顕微鏡・型番S-5500を用いた。
前述の方法によって、各実施例および比較例にて得られたシリカ微粒子の比表面積(SB)を測定した。
なお、表面積測定装置として、マウンテック社製社製、装置名Macsorb-1220)を用い、BET法を用いて測定した。窒素の吸着量からBET1点法により比表面積(SB)を算出した。
シリカ微粒子分散液におけるSiO2含有量について、シリカ微粒子分散液に1000℃灼熱減量を行い秤量し、得られたものの全てがSiO2であるとして、その含有量を求めた。なお、ここでシリカ微粒子分散液の固形分濃度も求めることができる。
各実施例および比較例にて得られたシリカ微粒子分散液のAl、Na、K、Cu、Fe、Ti、Ni、Mg、Ca、Cr、Zn、Ag、Pbの含有率(シリカdryベース)を測定した。
なお、測定装置として、原子吸光分光分析(日立製作所社製、Z-2310)、
ICP-OES(誘導結合プラズマ発光分光分析、SII製、SPS5520)、GASS(グラファイト炉原子吸光光度計、Varian,Inc製AA-240Z)を用いた。
各元素の含有率は、以下の方法によって測定するものとする。シリカ微粒子分散液の約1g(固形分20質量%に調整したもの)を白金皿に採取する。リン酸3ml、硝酸5ml、弗化水素酸10mlを加えて、サンドバス上で加熱する。乾固したら、少量の水と硝酸50mlを加えて溶解させて100mlのメスフラスコにおさめ、水を加えて100mlとする。この溶液でNa、Kは原子吸光分光分析装置(日立製作所社製、Z-2310)で測定する。次に、100mlにおさめた溶液から分液10mlを20mlメスフラスコに採取する操作を5回繰り返し、分液10mlを5個得る。そして、これを用いて、Al、Fe、Ti、Mg、Ca、Cr、Zn、Ag、PbについてICPプラズマ発光分析装置(SII製、SPS5520)にて標準添加法で測定を行う。同様にCu、NiについてGASS(グラファイト炉原子吸光光度計、Varian,Inc製AA-240Z)にて測定を行う。ここで、同様の方法でブランクも測定して、ブランク分を差し引いて調整し、各元素における測定値とする。そして、前述の方法で求めた固形分の質量に基づいて、固形分質量に対する各成分の含有率を求めた。
各実施例および比較例にて得られた高純度珪酸液(3)のCl含有率(シリカdryベース)を測定した。
具体的には、初めに、シリカ微粒子分散液からなる試料20g(固形分20質量%に調整したもの)にアセトンを加え100mlに調整し、この溶液に、酢酸5ml、0.001モル塩化ナトリウム溶液4mlを加えて0.002モル硝酸銀溶液で電位差滴定法(京都電子製:電位差滴定装置AT-610)にて分析を行う。
別途ブランク測定として、アセトン100mlに酢酸5ml、0.001モル塩化ナトリウム溶液4mlを加えて0.002モル硝酸銀溶液で滴定を行った場合の滴定量を求めておき、試料を用いた場合の滴定量から差し引き、試料の滴定量とした。そして、前述の方法で求めた固形分の質量に基づいて、固形分質量に対するClの含有率を求めた。
濁度の測定方法について説明する。
試料を蒸留水で希釈して、SiO2濃度を3.0質量%に調整した。次に10mmの石英セルに移し、分光光度計で波長500nmの吸光度を測定した。
そして、得られた吸光度によって、その試料の濁度を評価した。
濾過性の評価方法について説明する。
[1]シリカ微粒子分散液の評価
300mlのろ過ホルダーにフィルター(ADVANTEC製、親水性PTFEタイプメンブレンフィルターH050A025A)をセットして減圧容器にはめ込んだ。
そして、真空ポンプを起動させて圧力が-0.078~-0.082MPaになるように圧力調整弁で調整した後、SiO2濃度を40質量%に調整した試料(シリカ微粒子分散液)300gをろ過ホルダーに入れ、減圧を解放して、通液した量を測定した。
[2]高純度珪酸液(3)の評価
300mlのろ過ホルダーにフィルター(ADVANTEC製、親水性PTFEタイプメンブレンフィルターH050A025A)をセットして減圧容器にはめ込んだ。
そして、真空ポンプを起動させて圧力が-0.078~-0.082MPaになるように圧力調整弁で調整した後、SiO2濃度を4.6質量%に調整した試料(珪酸液)300gをろ過ホルダーに入れ、減圧を解放して、通液した量を測定した。
各実施例および比較例にて得られたシリカ微粒子を純水で0.23質量%に希釈して、アンモニアにてpHを調整したものを研磨液とした。
研磨用基板としてシリコンウエハを用い、研磨装置(ナノファクター(株)製、NF300)にセットし、研磨パッドとしてSUBA600を用いて、基板加重15kPa、テーブル回転速度30rpm、スピンドル速度30rpmで、上記研磨液を250ml/分の速度で供給しながらシリコンウエハの研磨を1分間行った。その後、純水にて洗浄し風乾した。その後、研磨用基板の重量減を測定し研磨速度を算出した。
シリカゾルを超純水にて希釈して4質量%、100gに調整し、30ccのチューブに各25g充填して7500Gで5時間遠心分離を行い、各チューブより上澄み液を10g回収した。
次に、孔径2.0μm、25mmφのフィルターと、孔径0.8μm、13mmφのフィルター(いずれもMERCK社製、アイソポアフィルター)を用意し、スウィネクスフィルターホルダーに各々装着して、上澄み液5gをシリンジで5mlとり、まず2.0μmフィルターでろ過し、ろ過通過液を0.8μmフィルターでろ過した後に、超純水10mlでフィルターを洗浄した。
次に、洗浄したフィルターをベンコットンを敷いたシャーレに取り出し、60分乾燥させた。乾燥後、フィルターを1.5mm×3mmにカットしてSEMの試料台に両面テープで固定して蒸着を行った。
そして、SEMにて試料片3mmに対して横方向に13分割して5000倍で観察を行い、板状異物の個数を数えた。
前述の方法によって、SiO2濃度とイオン性シリカ濃度とを測定して、SiO2濃度よりイオン性シリカ濃度を差し引いて、板状異物含有量の指標値求めた。
なお、分離膜付遠沈管として、Sartorius Biolab製 VIVASPIN VS2001(分離膜分画分子量10000)を用いた。
重量平均分子量を、以下のGPC測定法にて測定した。
測定カラム:東ソー製α-2500
溶離液:超純水
サンプル濃度:0.35質量%
注入量:300μl
測定温度:30℃
1)分子量が8000、1000、400、62であるエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを用意し、これを検量線溶液としてカラムに注入して保持時間を測定し、各分子量の保持時間より検量線を求めた。そして、検量線を用いて、保持時間を分子量に換算した。
図1に保持時間と分子量の検量線を示す。
2)各ピークの強度をピーク強度の合計値で割り、それぞれのピークのピーク強度比率(Ni)を求めた。
3)縦軸にピーク強度比率(Ni)を横軸に分子量(Mi)をプロットして、分子量の分布曲線を求めた。
図2に実施例1の分子量の分布曲線を示す。
4)分子量60~10,000の範囲における重量平均分子量:Σ(Mi2・Ni)/ΣMi・Niを求めた。
5)分子量60~1000の範囲でのピーク強度比率の合計値を求めた。
表2に4)、5)の計算例を示す。
[工程1]
3号ケイ酸ナトリウムを純水で希釈して、5質量%の希釈品を10kg調整し、NaClを49.4g(Clで3000ppm相当)添加して攪拌し溶解させて、次いで液温を60℃まで加温して、希釈ケイ酸ナトリウムを得た。
次に、得られた希釈ケイ酸ナトリウム1700mlの強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学製:SK 1B)を充填したカラムに空間速度=9で通液し、その後、60℃の恒温槽に浸漬して液温が60℃を保持するように1.0時間加熱処理を行い、4.6質量%の珪酸液(1)を9.5kg得た。
次に、珪酸液(1)を、さらに1700mlの強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学製:SK 1B)を充填したカラムに空間速度=3で通液して、4.4%質量の精製珪酸液(2a)を9kg得た。
次に、精製珪酸液(2a)を10℃まで冷却した後に、これを電気透析装置の脱塩室に500ml供給して10Vで電気透析を行い、電導度が0.9ms/cmに低下するまで透析を行った。以上の操作を10回実施して、鉱酸濃度が80ppmに調整された4.4質量%の電気透析後の精製珪酸液(2b)を4.7kgを得た。
ここで、使用した電気透析装置は、(株)アストム製、マイクロアシライザーS3を用いた。また、透析膜の構成はカチオン膜/アニオン膜とした。
その後、電気透析後の精製珪酸液(2b)を1700mlの強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学製:SK 1B)を充填したカラムに空間速度=3で通液して、4.3質量%の高純度珪酸液(3)を4.0kg得た。
得られた高純度珪酸液(3)について、前述のGPC測定法による分子量測定を行った。結果を第3表~第5表に示す。また、測定された分子量分布を図2に示す。
リービッヒ冷却管を付けた10Lステンレス製容器に、純水272gと高純度珪酸液(3)79gと入れて攪拌混合した。次いで15質量%のアンモニア水128gを添加して10分間攪拌混合した。次いで83℃まで昇温して30分間加熱熟成した。次いで高純度珪酸液(3)を添加速度2.5g/分で合計で2203g添加した。この時に0.3質量%のアンモニア水を添加速度1.2g/分で合計で1113gを同時に添加した。
高純度珪酸液(3)と0.3質量%のアンモニアの添加が終了した後に液温83℃を保持したまま60分間加熱熟成した。その後に液温を40℃以下まで冷却してシリカ微粒子分散液を得た。その後、さらに限外濾過膜(旭化成製SIP1013)にて11質量%まで濃縮し、加えて、ロータリーエバポレータにて30.5質量%まで濃縮したシリカ微粒子分散液を得た。
実施例1では工程2において珪酸液(1)を得た後、強酸性陽イオン交換樹脂による処理に供し、精製珪酸液(2a)について工程3にて電気透析に供したが、実施例2では工程2において珪酸液(1)について強酸性陽イオン交換樹脂による処理に供さず、工程3にて電気透析に供した。
そして、これら以外については実施例1と同様の処理を施して、得られたシリカ微粒子分散液について同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
実施例1では、希釈した3号ケイ酸ナトリウムにNaClを49.4g(Clで3000ppm相当)添加したが、実施例3ではNaClを10.7g(Cl 650ppm相当)添加した。
そして、これら以外については実施例1と同様の処理を施して、得られたシリカ微粒子分散液について同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
実施例1では、希釈した3号ケイ酸ナトリウムにNaClを49.4g(Clで3000ppm相当)添加したが、実施例4ではNaClを164.7g(Clで10,000ppm相当)添加した。
そして、これら以外については実施例1と同様の処理を施して、得られたシリカ微粒子分散液について同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
(敷水液の調整)
純水692gとメタノール462gを混合して敷水液を調整した。
(添加液Aの調整)
メタノール4885gとTEOS(テトラエトキシシラン)2571gを混合して添加液Aを調整した。
(添加液Bの調整)
純水7625gと29質量%のアンモニア水64.5gを混合して添加液Bを調整した。
次いで上記の敷水液に対し、添加液Aと添加液Bを同時に添加開始した。
ここで、添加液Aは添加速度3.4g/分で合計7456g添加を行った。
また、添加液Bは添加速度3.5g/分で合計7690g添加を行った。
添加終了後に液温65℃で3時間熟成を行った。
また、透過型電子顕微鏡観察を図4に示す。
(種粒子の調製)
純水962gと25質量%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)4.3gを混合して敷水液を調整した。
リービッヒ冷却管を付けた5Lのステンレス容器に敷水液の全量を入れて200rpmで攪拌を開始して、80℃まで昇温した。
次いで上記の敷水液に対し、TMOS(テトラメトキシシラン)491gを4時間かけて添加した。
添加終了後に液温80℃で3時間熟成を行った。
次いで10Lのロータリーエバポレータに上記熟成品を入れて、同量の純水を添加して生成したメタノールを純水と溶媒置換した。最終的にシリカ濃度15質量%まで濃縮して種粒子となるシリカ微粒子を得た。透過型電子顕微鏡観察により、粒子径は19nmであった。
上記で得た種粒子430gに純水4950gを加えてシード液を調製した。
リービッヒ冷却管を付けた10Lのステンレス容器にシード液の全量を入れて200rpmで攪拌を開始して、80℃まで昇温した。
次いで80℃を保持しながらTMOS514gと0.5質量%のTMAH222gを4時間かけて同時添加した。
添加終了後に液温80℃で3時間熟成を行った。
次いで10Lのロータリーエバポレータに上記熟成品を入れて、同量の純水を添加して生成したメタノールを純水と溶媒置換した。最終的にシリカ濃度15質量%まで濃縮してシリカ微粒子を得た。
そして、得られたシリカ微粒子分散液について実施例1と同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
また、透過型電子顕微鏡観察を図5に示す。
実施例1では、希釈した3号ケイ酸ナトリウムを液温60℃に加熱した後にNaClを49.4g(Clで3000ppm相当)添加したが、比較例3では希釈した3号ケイ酸ナトリウムを液温10℃に加熱した後にNaClを1.3g(Cl 80ppm相当)添加した。
また、実施例1で行われた工程2および工程3について、比較例3では行わなかった。
そして、これら以外については実施例1と同様の処理を施して、得られたシリカ微粒子分散液について実施例1と同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
さらに板状異物の電子顕微鏡観察の結果を図6に示す。
また、測定された分子量分布を図7に示す。
実施例1では、工程3にて電気透析による処理を行ったが、比較例4では代わりに陰イオン交換樹脂を用いた処理を行った。
そして、これら以外については実施例1と同様の処理を施して、得られたシリカ微粒子分散液について同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
実施例1では、3号ケイ酸ナトリウムを純水で希釈して、5質量%の希釈品を10kg調整して液温60℃まで加熱したが、比較例5では液温10℃とした。
そして、これら以外については実施例1と同様の処理を施して、得られたシリカ微粒子分散液について実施例1と同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
実施例1では、工程3にて電気透析による処理を行ったが、比較例6ではこの電気透析による処理を行わなかった。
そして、これら以外については実施例1と同様の処理を施して、得られたシリカ微粒子分散液について同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
なお、過剰な塩酸の存在のため、粒子成長工程は実施できなかった。
実施例1では、希釈した3号ケイ酸ナトリウムにNaClを49.4g(Clで3000ppm相当)添加したが、比較例7では希釈した3号ケイ酸ナトリウムにNaClを1.3g(Cl 80ppm相当)添加した。
そして、これら以外については実施例1と同様の処理を施して、得られたシリカ微粒子分散液について実施例1と同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
なお、高純度珪酸液(3)がゲル化したため、一部の測定が不可であった。
実施例1では、3号ケイ酸ナトリウムを純水で希釈して、5質量%の希釈品を10kg調整して液温60℃まで加熱したが、比較例8では液温85℃まで加熱した。
そして、これら以外については実施例1と同様の処理を施して、得られたシリカ微粒子分散液について実施例1と同様の測定等を行った。結果を第3表~第5表に示す。
Claims (6)
- 下記1)および2)を満たし、炭素含有率が0.5質量%以下であるシリカ微粒子が溶媒に分散してなり、
SiO2濃度を4質量%に調整した後に30ccのチューブに25g充填し、10000Gで1時間遠心分離を行い、前記チューブから上澄み液を10g回収して、SiO2濃度とイオン性シリカ濃度とを測定して、SiO2濃度よりイオン性シリカ濃度を差し引いて求めた、板状異物含有量と相関する指標値が3700ppm以下である、シリカ微粒子分散液。
1)前記シリカ微粒子の窒素吸着法により測定した比表面積(SB)と、前記シリカ微粒子の次式[SC(m2/g)=6000/Dp(nm)・ρ]から求められる比表面積(SC)との比(SB/SC)が0.9~1.2の範囲にあること。
(但し、Dp:シリカ微粒子の透過型電子顕微鏡写真から測定して得られた平均粒子径(nm)、ρ:シリカの密度(g/ml)である。)
2)前記シリカ微粒子に含まれる下記金属成分のSiO2当たりの含有率が、何れも1ppm未満(金属換算)であること。
Cu、Ni、Ag、Al、Ca、Cr、Fe、Mg、Na、K、Pb、TiおよびZn - 前記シリカ微粒子分散液が、SiO2濃度40質量%に調整した後に、その300gを300mlのろ過ホルダーにセットした直径25mm、孔径0.5μmの親水性PTFEメンブレンフィルターに供給し、-0.078~-0.082MPaのろ過吸引圧でろ過したときに、その25g以上が通液するものである、請求項1に記載のシリカ微粒子分散液。
- 下記工程1~工程4を含む、シリカ微粒子分散液の製造方法。
工程1:固形分濃度が1~6質量%である珪酸アルカリ水溶液に、塩酸、硝酸または硫酸からなるアルカリ金属塩の群から選ばれる少なくとも1つであるアルカリ金属の鉱酸塩を鉱酸濃度として300~10,000ppmとなるように加えて、15~75℃の温度範囲に調整し、希釈ケイ酸アルカリを得る工程。
工程2:工程1で得られた前記希釈ケイ酸アルカリを、強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換し、その後15℃~75℃の温度範囲に調整して加熱処理を行い、精製珪酸液(2a)を得る工程。
工程3:工程2で得られた前記精製珪酸液(2a)に含まれる鉱酸濃度を電気透析法にて50~200ppmの範囲に低減し、続いて強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換して、分子量が60~1,000の範囲におけるピーク強度比率(%)の合計が99%以上であり、分子量が60~10,000範囲での重量平均分子量が60~2,000である高純度珪酸液(3)を得る工程。
工程4:工程3で得られた前記高純度珪酸液(3)を、アルカリ存在下で粒子成長させて、シリカ微粒子分散液を得る工程。 - 工程2が、工程1で得られた前記希釈ケイ酸アルカリを、前記強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換し、その後、前記加熱処理を行って珪酸液(1)を得た後に、前記珪酸液(1)を更に強酸性イオン交換樹脂によってイオン交換して前記精製珪酸液(2a)を得る工程である、請求項3に記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
- 前記工程1における前記珪酸アルカリ水溶液に含まれる珪酸アルカリが珪酸ナトリウム、珪酸カリウムおよび珪酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3または4に記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
- 前記工程1における前記アルカリ金属の鉱酸塩が、ナトリウム、カリウムおよびリチウムからなる群から選択される少なくとも1つと、塩酸、硝酸及び硫酸からなる群から選択される少なくとも1つとの化合物であることを特徴とする、請求項3~5のいずれかに記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
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