JP7435923B1 - 蒸着フィルム用コーティング剤、ガスバリア性フィルム、及び、包装材 - Google Patents
蒸着フィルム用コーティング剤、ガスバリア性フィルム、及び、包装材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7435923B1 JP7435923B1 JP2023562270A JP2023562270A JP7435923B1 JP 7435923 B1 JP7435923 B1 JP 7435923B1 JP 2023562270 A JP2023562270 A JP 2023562270A JP 2023562270 A JP2023562270 A JP 2023562270A JP 7435923 B1 JP7435923 B1 JP 7435923B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vapor
- gas barrier
- coating
- coating agent
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D175/00—Coating compositions based on polyureas or polyurethanes; Coating compositions based on derivatives of such polymers
- C09D175/04—Polyurethanes
- C09D175/06—Polyurethanes from polyesters
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
Description
コール成分(A2)が、炭素原子数2~6のアルキレングリコールを含有する蒸着フィルム用コーティング剤に関する。
前記蒸着フィルム用コーティング剤は、水性媒体を使用することで、残留溶剤の問題がなく、蒸着フィルムにオーバーコートした場合に、常態およびレトルト処理後の酸素や水蒸気バリア性を向上し、蒸着フィルム用コーティング剤を用いて得られるコーティング塗膜は、常態およびレトルト処理後の蒸着フィルムへの密着性(ラミネート強度)にも優れ、有用である。
本発明の蒸着フィルム用コーティング剤は、ウレタン樹脂(A)を含有し、前記ウレタン樹脂(A)は、多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)、親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)、及び、ジイソシアネート(A5)を含有する組成物の反応生成物であり、前記ウレタン樹脂(A)は、前記ポリエステル(A3)に由来のエステル骨格を有し、前記多価カルボン酸(A1)の全量100質量%に対して、芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物の少なくとも1種を10~100質量%含有し、前記多価アルコール成分(A2)が、炭素原子数2~6のアルキレングリコールを含有することを特徴とする。
前記ポリエステル(A3)は、多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合反応により得られ、末端にヒドロキシ基またはカルボキシル基を有し、前記ジイソシアネート(A5)と反応することができる。
また、前記ウレタン樹脂(A)は、前記ポリエステル(A3)に由来のエステル骨格を有することで、得られるコーティング塗膜の蒸着面との密着性、およびガスバリア性向上の点で、有用である。
更に、前記ウレタン樹脂(A)は、前記ポリエステル(A3)(ポリエステルポリオール)と、前記ジイソシアネート(A5)との重付加反応、更に、前記親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)を反応させることにより得られるウレタン樹脂であるため、親水性基により、水分散安定性を有するウレタン樹脂となり、水性媒体中でのウレタン樹脂(粒子)の分散が容易となる。
前記ウレタン樹脂(A)は、多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)、親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)、及び、ジイソシアネート(A5)を含有する組成物の反応生成物であることを特徴とする。前記多価カルボン酸成分(A1)を使用することで、前記ポリエステル(A3)を用いて得られるコーティング塗膜は、蒸着面との良好な密着性、およびガスバリア性を有し、有用である。
きる。
前記ウレタン樹脂(A)は、多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)、親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)、及び、ジイソシアネート(A5)を含有する組成物の反応生成物であり、前記多価アルコール成分(A2)が、炭素原子数2~6のアルキレングリコールを含有することを特徴とする。前記多価アルコール成分(A2)を使用することで、得られるポリエステル(A3)を用いて得られるコーティング塗膜は、蒸着面との良好な密着性、およびガスバリア性を有し、有用である。
などが挙げられ、中でも多価アルコール成分に含まれる酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならず、酸素を透過しにくくなる観点から、炭素原子数2~6のアルキレングリコールを含有し、好ましくは、炭素原子数が2~4のアルキレングリコールを含有する。これらは、単独または2種類以上併用することができる。
前記多価カルボン酸成分(A1)と前記多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)を得る反応に用いられる重合触媒として、特に制限されないが、たとえば、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物の少なくとも1種を用いることができ、中でも、前記チタン化合物は、好ましく使用でき、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシドなどがより好ましい。これらは、単独または2種類以上併用することができる。
本発明の蒸着フィルム用コーティング剤は、ウレタン樹脂(A)を含有し、前記ウレタン樹脂(A)は、多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)、親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)、及び、ジイソシアネート(A5)を含有する組成物の反応生成物であることを特徴とする。前記多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)は、特に制限されず、公知慣用の方法(重縮合反応)により得ることができ
る。
前記ポリエステルポリオールの酸価としては、ヒドロキシ基末端のポリエステルを得る観点から、好ましくは、0~5mgKOH/gであり、より好ましくは、0~1mgKOH/gである。前記酸価が前記範囲内であることで、ヒドロキシ基末端のポリエステルを得ることができ、続くジイソシアネート(A5)との反応による高分子量化が良好に進行するため、有効である
前記ポリエステルポリオールの水酸基価としては、コーティング塗膜の蒸着面との優れた密着性およびガスバリア性を得る観点から、好ましくは、20~400mgKOH/g
であり、より好ましくは、40~250mgKOH/gである。前記水酸基価が前記範囲内であることで、続くジイソシアネート(A5)と反応後に、ウレタン樹脂(A)が良好な凝集力を発揮し、コーティング塗膜の蒸着面との優れた密着性およびガスバリア性を発現し、有効である。
前記ポリエステルポリオール(ポリエステル(A3)の数平均分子量(Mn)としては、コーティング塗膜の蒸着面との優れた密着性およびガスバリア性を得る観点から、好ましくは、280~5600であり、より好ましくは、450~2800である。前記数平均分子量(Mn)が前記範囲内であることで、コーティング塗膜の蒸着面との優れた密着性およびガスバリア性を発現し、有効である。
本発明の蒸着フィルム用コーティング剤は、ウレタン樹脂(A)を含有し、前記ウレタン樹脂(A)は、多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)、親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)、及び、ジイソシアネート(A5)を含有する組成物の反応生成物であることを特徴とする。
前記親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)は、親水性基を有することで、前記ウレタン樹脂(A)(粒子)を水性媒体(B)中に、容易に分散することができ、得られるコーティング塗膜のガスバリア性、接着性(基材との密着性)の向上に寄与することができ、有用である。
)として、カルボン酸のアニオン性基(カルボキシル基)と2つ以上の水酸基とを併有する有機化合物は、カルボキシル基を有することで、ウレタン樹脂(A)が水性媒体(B)中で、前記ウレタン樹脂(A)(粒子)が、乳化剤などを使用することなく、分散することが容易となり、作業性や、塗膜への乳化剤のブリードアウトを防ぐ観点から好ましい。
ら好ましい。
本発明の蒸着フィルム用コーティング剤は、ウレタン樹脂(A)を含有し、前記ウレタン樹脂(A)は、多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)、親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)、及び、ジイソシアネート(A5)を含有する組成物の反応生成物であることを特徴とする。前記ジイソシアネート(A5)は、得られるウレタン樹脂(A)中に、酸素を透過しにくいハードセグメントを形成することになり、得られるウレタン樹脂(A)を用いたコーティ
ング塗膜が、良好なガスバリア性を発現し、有用である。
ピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられ、中でも、得られるコーティング塗膜のガスバリア性の向上や、造膜性向上による均一な塗膜形成の観点から、トリレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートが好ましく、より好ましくは、トリレンジイソシアネートがより好ましい。これらは、単独または2種類以上併用することができる。
本発明の蒸着フィルム用コーティング剤は、前記ウレタン樹脂(A)を含有し、前記ウレタン樹脂(A)は、多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)、親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)、及び、ジイソシアネート(A5)を含有する組成物の反応生成物であり、前記組成物が、更に鎖伸長剤(A6)を含有することが好ましい。前記鎖伸長剤(A6)を使用することで、得られるウレタン樹脂(A)がより高い凝集力を発現し、得られるコーティング塗膜のガスバリア性を向上させることができ、有用である。
本発明の蒸着フィルム用コーティング剤は、水性媒体(B)を含有することを特徴とする。前記蒸着フィルム用コーティング剤が水性媒体(B)を含有することにより、通常使用される有機溶剤を使用しないため、残留溶剤の問題がなく、有害な有機溶剤を大気中に放出しないため、好ましい。
本発明の蒸着フィルム用コーティング剤は、硬化剤(C)(架橋剤)を含有することが好ましい。前記蒸着フィルム用コーティング剤が硬化剤(C)(以下、「架橋剤」という場合がある。)を含有することにより、前記ウレタン樹脂(A)(粒子)と前記硬化剤(C)が反応することで、得られるコーティング塗膜のガスバリア性、耐レトルト性や接着性の向上の点で、好ましい。
また、本発明の蒸着フィルム用コーティング剤は、必要に応じて、更にガス捕捉機能を有する材料を添加してもよい。酸素捕捉機能を有する材料としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。水蒸気補足機能を有する材料としては、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、炭酸カルシウム等の材料を挙げることができる。これら以外にも遮断したい対象ガスの捕捉成分を添加することができる。
更に、本発明の蒸着フィルム用コーティング剤は、必要に応じて、各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、分散安定剤、着色剤(顔料、染料など)、フィラー、コロイダルシリカ、無機粒子、無機酸化物粒子、結晶核剤、ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂などが挙げられる。前記添加剤の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
本発明は、前記蒸着フィルム用コーティング剤を蒸着フィルムにコーティングしたガスバリア性フィルムに関する。前記ガスバリア性フィルムは、前記蒸着フィルム用コーティング剤を使用することで、ガスバリア性に優れ、有用である。
本発明のガスバリア性フィルムは、蒸着フィルムが持つガスバリア性を向上させるものであり、前記蒸着フィルム用コーティング剤を塗布する対象としては各種蒸着フィルムを用いる。前記蒸着フィルム用コーティング剤をコーティングしたフィルムは、通常の蒸着フィルムよりも更にガスバリア性に優れるため、ハイガスバリアフィルムとして使用できる。
前記蒸着フィルムの蒸着層の種類としては、ガスバリア性を付与できるものであれば特に限定されない。現在、包装用に広く用いられている金属蒸着、または金属酸化物蒸着が好適に例示される。金属蒸着としては各種金属が例示できるが、特に安価で広く用いられているアルミニウムが好ましい。
接着剤層は、接着剤の硬化塗膜である。ガスバリア性フィルムと、ヒートシール性などその他の機能を有するフィルムをラミネートするために、使用される。使用できる接着剤は、溶剤型もしくは、無溶剤型の接着剤を用いることができ、特に限定されない。
本発明での蒸着フィルム用コーティング剤を使用するフィルム(基材)は、特に限定はなく、所望の用途に応じた熱可塑性樹脂フィルムを適宜選択することができる。例えば食品包装用としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:リニア低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム、シクロオレフィンコポリマフィルム等が挙げられる。これらのフィルムには延伸処理があっても、無くても好ましく用いることができる。延伸処理をほどこしているフィルム類は寸法安定性、剛性よりコーティング操作が容易で使いやすい利点がある。また、未延伸フィルムでは逆に基材の寸法安定性、剛性、耐熱性が劣るため蒸着層が欠陥を多く持ちガスバリアが安定しないことが多いので、前記蒸着フィルム用コーティング剤を用いることで、バリア機能の強化に大きな効果をだせる利点がある。
本発明の蒸着フィルム用コーティング剤のコーティング方法としては、蒸着フィルムの蒸着面にコーティングができるのであれば特に制限はない。具体的な方法としては、コールコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、コーティングに用いる装置についても特に限定はない。
本発明のコーティング剤を塗布する膜厚は特に制限はないが、例えば、0.1μm以上あればバリア向上効果をだすことができ、乾燥性とのバランスにより、好ましくは0.2~5μmの範囲である。
本発明のコーティング剤が用いられる層構成としては、以下の構成が想定される。なお、前記コーティング剤が、蒸着層直上にコーティングされることにより、良好なガスバリア性を付与することができる。
1)フィルム+金属酸化物蒸着層+コーティング剤(塗膜)+接着剤層+CPPフィルム
2)フィルム+金属酸化物蒸着層+コーティング剤(塗膜)+インキ+接着剤層+CPPフィルム
3)フィルム+金属蒸着層+コーティング剤(塗膜)+接着剤層+CPPフィルム
4)フィルム+金属蒸着層+コーティング剤(塗膜)+インキ+接着剤層+CPPフィルム
本発明のコーティング剤を利用したガスバリア用フィルムが遮断できるガスとしては、酸素、水蒸気の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等の香り成分を例示することができる。
本発明は、前記ガスバリア性フィルムを用いた包装材に関する。本発明のコーティング剤は、蒸着フィルムの水蒸気や酸素のバリア性を向上させ、高いラミネート強度も有するため、ラミネート作業が必要な各種包装材に用いることができ、更にその他の用途としては、例えば、太陽電池用保護フィルム用の接着剤や表示素子用水蒸気バリア性基板のコーティング剤等の電子材料用コーティング剤、建築材料用コーティング剤、工業材料用コーティング等、水蒸気、酸素のガスバリア性の強化を所望される用途であれば好適に使用できる。
酸価(mgKOH/g)は、JIS-K0070に記載の酸価測定方法にて、測定した。
水酸基価(mgKOH/g)は、JIS-K0070に記載の水酸基価測定方法にて、測定した。
ポリエステルポリオールの数平均分子量については、以下の式で計算して求めた。
Mn=2×56110/(OHV+AN)
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸621部、エチレングリコール380部、及び、チタニウムテトライソプロポキシド0.05部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が10mgKOH/g以下になったところで、減圧下100torrにて加熱を継続し、酸価が1mgKOH/g以下になったところで、エステル化反応を終了し、水酸基価から計算される数平均分子量518のポリエステルポリオール(ポリエステル)「PEs-1」を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、上記得られたポリエステルポリオール「PEs-1」を338部、エチレングリコール74部、2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA)88部、メチルエチルケトン600部を加え、次いで、トリレンジイソシアネート(TDI)435部を加えて、75℃で8時間反応した。次いで、50℃まで冷却し、トリエチルアミン66部を加えて、中和した後、水4200部を加えて、水溶化した。得られた透明な反応生成物を減圧下、40~60℃にてメチルエチルケトンを除去した後、水を加えて濃度調節を行うことによって、不揮発分23%の安定なウレタン樹脂1を得た。
(実施例1)
上記得られたウレタン樹脂1の100部に対して、表3に従い、硬化剤(架橋剤)、及び、触媒を加え、水性媒体である水とイソプロピルアルコール(IPA)により希釈することで、不揮発分15%の均一なコーティング剤を調製した。
(架橋剤)
XW3106:allnex社製、サイメルXW3106(メラミン架橋剤)
SV-02:日清紡ケミカル(株)製、カルボジライトSV-02(カルボジイミド架橋剤)
V-02-L2:日清紡ケミカル(株)製、カルボジライトV-02-L2 (カルボジイミド架橋剤)
WT31-100:旭化成(株)製デュラネートWT31-100(水分散型ポリイソシアネート)
(触媒)
NACURE2500:KING INDUSTRIES社製、NACURE2500(メラミン架橋剤用酸触媒)
得られた接着剤を、バーコーターを用いて、塗布量3.0g/m2となるように塗工し、ドライヤーで80℃の熱風により溶媒を揮発させ、接着剤層を形成した。
次いで、温度40℃、圧力0.4MPa、ラミネート速度40m/minにて、CPPフィルムZK-207(東レ(株)製、70μm厚)とドライラミネートして、積層フィルムを得た。この積層フィルムを、設定温度40℃の乾燥機中に3日間静置し、乾燥・硬化させ、試験評価用のバリア用積層フィルムを得た。
得られた前記バリア用積層フィルムを、MOCON社製、OX-TRAN 2/22を用いて、JIS-K7126(等圧法)に準じ、23℃×0%RH(相対湿度)雰囲気下で、常態の酸素透過度(cc/(m2・day・atm))を測定した。
得られた前記バリア用積層フィルムを、三方シールし、水入りのパウチを作製したのち、121℃で30分間、レトルト処理を行った。その後、上記常態の酸素透過度と同様に、レトルト処理後の酸素透過度(cc/(m2・day・atm))を測定した。
得られた前記バリア用積層フィルムを、塗工方向に15mm幅に切断し、(株)エー・アンド・デイ製卓上型材料試験機STB-1225Lを用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、積層フィルム間(前記接着剤層と前記コーティング層の間)を180度剥離方法で剥離した際の引張強度をラミネート強度(N/15mm)とした。
得られた前記バリア用積層フィルムを、三方シールし、水入りのパウチを作製したのち、121℃で30分間、レトルト処理を行った。その後、上記常態のラミネート接着強度と同様に、レトルト処理後のラミネート接着強度(N/15mm)を測定した。
比較例2~5では、コーティング剤を調製する際の原料に、炭素原子数2~6のアルキレングリコールを使用しなかったため、ポリエステルポリオール構造の親水性が高く、レトルト処理による塗膜の劣化が起こりやすくなっているため、レトルト処理後の酸素透過度が著しく劣ることが確認された。
比較例3では、ポリエステルポリオール部分にジエチレングリコールを用いており、親水性が高いため、レトルト処理後に塗膜の接着性が低下したことに加えて、ウレタン樹脂中に占めるトリレンジイソシアネートの質量比率が40%以上と高く、硬いコーティング塗膜となっているため、レトルト処理後のデラミネーションが確認され、酸素透過度及びラミネート強度を測定することができず、実用レベルではないことが確認された。
Claims (8)
- ウレタン樹脂(A)、及び、水性媒体(B)を含有する蒸着フィルム用コーティング剤であって、
前記ウレタン樹脂(A)が、多価カルボン酸成分(A1)と多価アルコール成分(A2)との重縮合体であるポリエステル(A3)、親水性基を有する活性水素基含有化合物(A4)、及び、ジイソシアネート(A5)を含有する組成物の反応生成物であり、
前記ウレタン樹脂(A)が、前記ポリエステル(A3)に由来のエステル骨格を有し、
前記多価カルボン酸成分(A1)の全量100質量%に対して、芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物の少なくとも1種を10~100質量%含有し、
前記多価アルコール成分(A2)が、炭素原子数2~6のアルキレングリコールを含有する蒸着フィルム用コーティング剤。 - 前記組成物が、更に鎖伸長剤(A6)を含有する請求項1に記載の蒸着フィルム用コーティング剤。
- 硬化剤(C)を含有する請求項1に記載の蒸着フィルム用コーティング剤。
- 前記ジイソシアネート(A5)の全量100質量%に対して、トリレンジイソシアネートを50~100質量%含有する請求項1に記載の蒸着フィルム用コーティング剤。
- 前記水性媒体(B)が、水、及び/又は、イソプロピルアルコールである請求項1に記載の蒸着フィルム用コーティング剤。
- 前記硬化剤(C)が、メラミン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、及び、水分散性ポリイソシアネート架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種である請求項3に記載の蒸着フィルム用コーティング剤。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の蒸着フィルム用コーティング剤を蒸着フィルムにコーティングしたガスバリア性フィルム。
- 請求項7に記載のガスバリア性フィルムを用いた包装材。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022098903 | 2022-06-20 | ||
JP2022098903 | 2022-06-20 | ||
PCT/JP2023/015708 WO2023248600A1 (ja) | 2022-06-20 | 2023-04-20 | 蒸着フィルム用コーティング剤、ガスバリア性フィルム、及び、包装材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2023248600A1 JPWO2023248600A1 (ja) | 2023-12-28 |
JP7435923B1 true JP7435923B1 (ja) | 2024-02-21 |
Family
ID=89379550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023562270A Active JP7435923B1 (ja) | 2022-06-20 | 2023-04-20 | 蒸着フィルム用コーティング剤、ガスバリア性フィルム、及び、包装材 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7435923B1 (ja) |
CN (1) | CN119325498A (ja) |
WO (1) | WO2023248600A1 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004238403A (ja) | 2002-12-13 | 2004-08-26 | Toyobo Co Ltd | 接着剤組成物及びそれを用いたアンカーコート剤 |
WO2012039259A1 (ja) | 2010-09-22 | 2012-03-29 | 三井化学株式会社 | ポリウレタン樹脂組成物、ポリウレタンディスパージョン、蒸着用アンカーコートフィルムおよびアンカーコートされた蒸着フィルム |
-
2023
- 2023-04-20 WO PCT/JP2023/015708 patent/WO2023248600A1/ja active Application Filing
- 2023-04-20 JP JP2023562270A patent/JP7435923B1/ja active Active
- 2023-04-20 CN CN202380045439.3A patent/CN119325498A/zh active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004238403A (ja) | 2002-12-13 | 2004-08-26 | Toyobo Co Ltd | 接着剤組成物及びそれを用いたアンカーコート剤 |
WO2012039259A1 (ja) | 2010-09-22 | 2012-03-29 | 三井化学株式会社 | ポリウレタン樹脂組成物、ポリウレタンディスパージョン、蒸着用アンカーコートフィルムおよびアンカーコートされた蒸着フィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2023248600A1 (ja) | 2023-12-28 |
JPWO2023248600A1 (ja) | 2023-12-28 |
CN119325498A (zh) | 2025-01-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3492258B1 (en) | Laminate having oxygen barrier properties and packaging material comprising laminate | |
CN105745297B (zh) | 阻气性粘接剂用树脂组合物及粘接剂 | |
JP5743149B2 (ja) | 無溶剤型接着剤用樹脂組成物、及び接着剤 | |
CN108368411B (zh) | 阻气性粘接剂、薄膜、及阻气性薄膜 | |
CN108367562A (zh) | 层叠体和层叠体的制造方法 | |
WO2014103994A1 (ja) | ポリエステル樹脂組成物、接着剤、及びフィルム | |
JP5821826B2 (ja) | 接着剤 | |
JP5273219B2 (ja) | 酸素バリア性接着剤用樹脂組成物、及び接着剤 | |
CN111465664B (zh) | 蒸镀膜用涂敷剂、阻气性膜和包装材料 | |
WO2018181457A1 (ja) | バリア性積層フィルム | |
WO2019049852A1 (ja) | ガスバリア性接着剤用樹脂組成物、接着剤、及び積層体 | |
JP6507753B2 (ja) | ラミネート用接着剤、及びこれを用いた積層体 | |
JP5626587B2 (ja) | ガスバリア性フィルム | |
JP7435923B1 (ja) | 蒸着フィルム用コーティング剤、ガスバリア性フィルム、及び、包装材 | |
JP6686374B2 (ja) | 接着剤用樹脂組成物、蒸着フィルム、及びガスバリア性フィルム | |
JP7622404B2 (ja) | 包装用材料及び包装容器 | |
WO2017103992A1 (ja) | バリア材用ポリエステル樹脂組成物、及びバリアフィルム | |
JP4019695B2 (ja) | 酸素ガスバリア性フィルム及びその製造方法 | |
WO2024157983A1 (ja) | 積層体 | |
TWI577754B (zh) | 蒸鍍面保護用塗覆材料、及阻氣性薄膜 | |
JPH0452139A (ja) | 被覆ポリエステルフイルムおよびそれを用いた蒸着フイルム | |
WO2023074508A1 (ja) | 積層フィルム、積層体および包装材料 | |
JPH0250838A (ja) | 被覆ポリエステルフイルムおよびそれを用いた蒸着フィルム | |
CN115335229A (zh) | 装饰片和装饰树脂成型品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20231010 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20231010 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20231031 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20231221 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240122 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7435923 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |