(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。
<システム構成>
図1は、本実施の形態に係る車両用記録システムの構成例を示している。図1に示すように、本実施の形態に係る車両用記録システム100は、複数の車両2にそれぞれ搭載され、互いに近距離通信可能なドライブレコーダ1を備えている。複数の車両2は、駐車中(停車中)でもよいし、走行中でもよい。また、複数の車両2は、横方向(左右方向)に並んでいてもよいし、縦方向(前後方向)に並んでいてもよく、さらに、縦横に対し斜め方向の位置でもよい。また、ドライブレコーダ1を備える複数の車両2の間に、ドライブレコーダ1を備えない車両が駐車または走行していてもよい。
この例では、車両用記録システム100は、車両2A(第1の車両)に搭載されたドライブレコーダ1A(第1の車両用記録装置)と車両2B(第2の車両)に搭載されたドライブレコーダ1B(第2の車両用記録装置)を備えている。車両2A及び車両2Bは、例えば、警察や消防、タクシー会社など同じ機関や組織に属する車両である。なお、各車両で録画した映像を共通で管理もしくは共有できれば、同じ機関や組織に限定されない。スーパーやマンションの駐車場や一般の道路等において、一時的に隣接(近傍)の位置に駐車もしくは走行する場合でもよい。
ドライブレコーダ1は、搭載されている車両2の周辺の映像を記録(録画)する車両用記録装置である。ドライブレコーダ1は、車両2の任意の位置に固定可能であり、例えば、車両2のフロントウィンドウに固定されている。ドライブレコーダ1は、所定の画角(視野角)の範囲で、所定の録画方向の映像を録画するが、画角や録画方向は特に限定されない。一例として、画角が120°程度、録画方向が前方向であり、車両2A及び車両2Bが隣接している場合に、ドライブレコーダ1Aとドライブレコーダ1Bの撮像範囲の一部が重なっている。
ドライブレコーダ1は、車両2の走行中及び駐車中に録画可能である。すなわち、ドライブレコーダ1は、車両2の走行状態等に応じて、録画の実行や停止を行う。録画の実行には、録画の開始や継続が含まれる。ここでは、ドライブレコーダ1は、通常録画モード、駐車録画モード、録画停止モードの3つの録画モード(録画状態)で動作する。通常録画モードは、車両2のエンジンが動いている状態もしくは移動中の状態で録画を実行するモードである。駐車録画モードは、車両2のエンジンが停止している状態もしくは駐車中(停車中)の状態で録画を実行するモードである。録画停止モードは、隣接する車両2の他のドライブレコーダ1が録画を実行している場合に、自装置の録画動作を停止するモードである。録画停止モードでは、必要に応じて他のドライブレコーダ1と近距離通信が可能である。例えば、ドライブレコーダ1Aとドライブレコーダ1Bが近距離通信を行い、ドライブレコーダ1Aとドライブレコーダ1Bのうち、一方が録画を実行している間、他方が録画を停止する。
<ドライブレコーダの構成>
図2は、本実施の形態に係るドライブレコーダの構成例を示している。図2に示すように、本実施の形態に係るドライブレコーダ1は、映像取得部11、走行情報取得部12、電源供給部13、通信部14、映像記録部15、記憶部16、制御部17を備えている。また、ドライブレコーダ1を搭載する車両2は、カメラ21、GPS受信機22、各種センサ23、CAN24、バッテリ25、記録装置26等を備えている。例えば、ドライブレコーダ1、カメラ21、GPS受信機22、各種センサ23、CAN24、バッテリ25、記録装置26等が車載カメラシステムを構成しているとも言える。
なお、図2の各構成は、一例であり、本実施の形態に係る動作が可能であれば、その他の構成であってもよい。ドライブレコーダ1の内部または外部に示した各構成は、それぞれ一つのブロックまたは装置としてもよいし、必要に応じてそれぞれ複数のブロックまたは装置としてもよい。ドライブレコーダ1の外部に示した構成の一部を、ドライブレコーダ1の内部に備えてもよいし、車両2の外部に設けられた装置としてもよい。例えば、ドライブレコーダ1は、カメラ21、GPS受信機22、バッテリ25、記録装置26等を内蔵してもよい。
まず、ドライブレコーダ1の外部に示した構成について説明する。カメラ21は、車両2の周辺を撮像して映像(画像含む)を生成する撮像装置である。例えば、カメラ21は、CCD(Charged-coupled devices)カメラやCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)カメラである。一例として、カメラ21は、ドライブレコーダ1の前面や車両2のフロントウィンドウ等に固定され、車両2の前方の周辺を撮像するフロントカメラである。カメラ21は、車両2の前方に限らず、車両2の後方や側方の周辺を撮像してもよいし、さらに、車両2の内部を撮像してもよい。上記のように、カメラ21は、所定の画角の範囲で、所定の録画方向の映像を撮像する。カメラ21を複数のカメラとして、複数の方向を撮像してもよいし、全方位カメラとして複数の方向をまとめて撮像してもよい。カメラ21は、ドライブレコーダ専用の車載カメラであるが、スマートフォンなどの汎用的なカメラでもよい。
GPS受信機22及び各種センサ23は、車両2の走行情報を検出する走行情報検出部であり、ドライブレコーダ1や車両2の任意の箇所に固定されている。GPS受信機22は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信し、受信した電波に基づいて現在の車両2の位置(経度および緯度)を検出する位置検出部である。各種センサ23は、車両2の走行状況等を計測する計測器である。各種センサ23は、例えば、加速度センサ等を含む。加速度センサは、車両2の前後方向及び左右方向の加速度や振動を検出する。その他、必要に応じて、マイクや時刻センサ、照度センサ、気象センサ等を備えてもよい。GPS受信機22及び各種センサ23は、スマートフォンなどの汎用的なGPS受信機やセンサでもよい。
CAN(Controller Area Network)24は、車両2の動作を制御するための車載ネットワークであり、車両2の各部に配置されたECU(Electronic Control Unit)が通信可能に接続されている。例えば、CAN24上には、ECU間で送受信される、車速信号、アクセル操作信号、ブレーキ操作信号、シフト操作信号、イグニッション操作信号等の制御信号(制御情報)が流れている。車速信号は、車輪の回転に応じた車速を示す車速パルスである。アクセル操作信号は、運転者の操作に応じたアクセルペダルの踏み込み量を示す信号である。ブレーキ操作信号は、運転者の操作に応じたブレーキペダルの踏み込み量を示す信号である。シフト操作信号は、運転者の操作に応じたシフトレバーの位置を示す信号である。イグニッション操作信号は、運転者の操作に応じたイグニッションスイッチのON/OFFを示す信号である。
バッテリ25は、車両2の各部に電源を供給する車載バッテリである。バッテリ25は、ドライブレコーダ専用の電源でもよいし、ドライブレコーダ1に内蔵されてもよい。
記録装置26は、映像等を記録する外部記憶装置である。記録装置26は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリやハードディスク等である。例えば、記録装置26は、ドライブレコーダ1に設けられたカードスロットに挿入されたSDカードやCF(Compact Flash(登録商標))カード等のメモリカードである。また、記録装置26として、車両2に搭載されたカーナビゲーションの記憶部を用いてもよいし、スマートフォンやインターネット上のサーバ装置を用いてもよい。
次に、ドライブレコーダ1の内部に示した各部について説明する。映像取得部11は、カメラ21に接続され、カメラ21から車両2の周辺の映像を取得する。例えば、カメラ21が車両2の前方等を撮像し、映像取得部11がその撮像した前方映像等を取得する。また、映像取得部11は、全方位を撮像した全方位映像や車内を撮像した車内映像等を取得してもよい。映像取得部11が取得する映像は、1フレームの画像でもよいし、複数フレームの画像を含んでもよい。また、映像取得部11は、カメラ21の撮像条件を取得する撮像条件取得部でもあり、例えば、撮像条件として録画方向(撮像方向)を取得する。
走行情報取得部12は、GPS受信機22及び各種センサ23から、またはCAN24を介して、自装置を搭載する自車両2の走行情報を取得する自車両情報取得部である。走行情報取得部12は、カーナビゲーション等のその他の装置を介して走行情報を取得してもよい。走行情報取得部12は、GPS受信機22が検出した車両2の現在位置、各種センサ23が検出した車両2の加速度等、CAN24上の車速信号、アクセル操作信号、ブレーキ操作信号、シフト操作信号、イグニッション操作信号等を取得する。すなわち、走行情報取得部12が取得する車両2の走行情報には、位置、加速度、走行速度、アクセル操作量、ブレーキ操作量、シフト操作位置、イグニッションのON/OFF等の情報が含まれる。
電源供給部13は、バッテリ25から与えられた電源をドライブレコーダ1の各部に供給する。電源供給部13は、シガーソケット等を介してバッテリ25に接続されており、車両2のエンジン停止中でも電源の供給を受け、録画を実行することができる。また、電源供給部13は、バッテリ25の電源の供給状況を取得する電源情報取得部でもあり、例えば、電源の供給情報として電源電圧を取得する。
通信部14は、他のドライブレコーダ1と近距離通信を行う無線通信部である。通信部14は、例えば、近距離通信として、無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線通信を行う。なお、近距離通信に限らず、その他の広域無線通信を行ってもよいし、任意の無線通信網を介して通信を行ってもよい。通信部14は、スマートフォン等を介して他のドライブレコーダ1と通信を行ってもよい。通信部14は、他のドライブレコーダ1との間で走行情報等を含むメッセージを送受信する送受信部である。換言すると、通信部14は、近距離通信等の通信路を介して、他のドライブレコーダ1を搭載する他車両2の走行情報等を取得する他車両情報取得部であり、また、他のドライブレコーダ1へ自車両の走行情報等を提供する自車両情報提供部でもある。
映像記録部15は、映像取得部11が取得した車両2の映像を記録装置26に記録する。映像記録部15は、記録装置26に映像を記録する記録条件を取得する記録条件取得部でもあり、例えば、記録条件として記録装置26の記録容量(最大記録容量)を取得する。映像記録部15は、記録装置26の最大記録容量に達した場合に古い情報から上書き保存を行う。
記憶部16は、ドライブレコーダ1の動作に必要なプログラムやデータを記憶する内部メモリであり、自車両2及び他車両2の情報を記憶する。例えば、記憶部16は、録画方向等の撮像条件、位置等の走行情報、電源電圧等の電源情報、記録容量等の記録条件、録画実行中のドライブレコーダ1の情報、録画停止中の他のドライブレコーダ1の情報等を記憶する。
制御部17は、ドライブレコーダ1の各部の動作を制御する制御部である。例えば、記憶部16に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで実行することで、制御部17の機能が実現される。ここでは、制御部17は、録画モードに応じて映像記録部15による録画の実行や停止を制御する記録制御部である。制御部17は、自車両2及び他車両2の位置等を含む走行情報に基づいて自車両2の録画の実行または停止を制御する。また、制御部17は、自車両2及び他車両2における、録画方向等の撮像条件、電源電圧等の電源情報、記録容量等の記録条件に基づいて録画動作を制御し、さらに、近距離通信の通信状況、録画モード切替通知(記録切替通知)の受信等に基づいて録画動作を制御してもよい。
なお、制御部17は、自装置(ドライブレコーダ1)の録画動作を制御してもよいし、録画モード切替通知等のメッセージにより他のドライブレコーダ1の録画動作を制御してもよい。例えば、ドライブレコーダ1A及び1Bのいずれかの制御部17が、ドライブレコーダ1A及び1Bの一方の録画動作を制御してもよいし、ドライブレコーダ1A及び1Bの両方の録画動作を制御してもよい。例えば、制御部17は、車両2A及び車両2Bの走行情報等に基づいて、ドライブレコーダ1A及び1Bのうち、一方の録画を実行中とし、他方の録画を停止中としてもよい。
<システムの基本動作>
次に、図3A~図3Dを用いて、本実施の形態に係る車両用記録システムの基本動作例について説明する。図3A~図3Dは、車両2Aが駐車中の状態で、車両2Bが車両2Aに隣接して駐車した場合の動作例を示している。例えば、駐車スペースP1~P4は、警察が管理する駐車場の駐車スペースであり、車両2A及び車両2Bは警察所属のパトカー(警察管理車両)である。
まず、図3Aに示すように、車両2Aが駐車スペースP2に駐車している。このとき、車両2Aに搭載されているドライブレコーダ1Aの録画状態は「駐車録画モード」であり、ドライブレコーダ1Aは「南」方向に向かって録画を実行している。
続いて、図3Bに示すように、駐車スペースP1~P4のいずれかに駐車するため、車両2Bが走行し車両2Aに近づいてくる。このとき、車両2Bに搭載されているドライブレコーダ1Bの録画状態は「通常録画モード」であり、ドライブレコーダ1Bは進行方向に向かって録画を実行している。
続いて、図3Cに示すように、車両2Bが車両2Aと同一方向、かつ、車両2Aと隣接した駐車スペースP3に駐車する。このとき、車両2Bのドライブレコーダ1Bは、「通常録画モード」から遷移する録画状態を判断するため、近距離通信可能な範囲に駐車している車両2Aのドライブレコーダ1Aと近距離通信を行い、例えば車両2Aの位置情報及び録画方向(録画方角)を取得する。
続いて、図3Dに示すように、車両2Bに搭載されたドライブレコーダ1Bの制御部17は、取得した車両2Aの位置情報と録画方向及び、走行情報取得部12から取得した自車両の位置情報と録画方向から車両2Aと車両2Bとの距離を算出することで、車両2Aが隣接しており、かつ、同じ「南」に向かって録画を行っているため、自身の駐車中の録画を抑制できると判断し、録画状態を「録画停止モード」として、駐車中の録画を停止する。
<システムの具体的な動作>
次に、図4を用いて、本実施の形態に係る車両用記録システムの具体的な動作例について説明する。図4は、図3A~図3Dのように、車両を駐車した際、同一方向、かつ隣接した位置に既に他の車両が駐車している場合、駐車中の録画を抑制する例である。
図4に示すように、まず、車両2Aが駐車スペースP2に駐車する(S101)。そうすると、車両2Aに搭載されたドライブレコーダ1Aは、車両2Aの振動や運転者のシフト操作、イグニッション操作等に応じて車両2Aが駐車したことを検出し、例えば、GPS受信機22から取得した車両2Aの現在の位置とカメラ21から取得した録画方向を内部メモリである記憶部16に記憶する(S102)。この例では、ドライブレコーダ1Aの録画方向は「南」とする。
続いて、ドライブレコーダ1Aは、周辺の車両(ドライブレコーダ)を検索する(S103)。例えば、車両2Aと車両2Bは同一機関が管理している車両であり、車両2Aと車両2Bに搭載されているドライブレコーダ1A及び1Bは互いにBluetoothでペアリングできる場合、ドライブレコーダ1Aは、ペアリング可能なドライブレコーダ1Bが周囲に存在するか否かで判定してもよい。なお、周辺車両の検索方法については、これに限定されない(以降も同様である)。周辺の車両を検索した結果、車両が存在しない場合、ドライブレコーダ1Aは、録画状態を「駐車録画モード」として、駐車中の録画を開始する(S104)。
この状態で、車両2Bは、車両2Aの駐車スペースP2に隣接した駐車スペースP3に駐車する(S105)。そうすると、S102及びS103と同様に、車両2Bに搭載されたドライブレコーダ1Bは、車両2Bの現在の位置と録画方向(この例では「南」)を記憶し(S106)、周辺の車両を検索する(S107)。
周辺の車両を検索した結果、車両が存在する場合、ドライブレコーダ1Bは、検出したドライブレコーダ1Aと近距離通信ができる環境を確立する(S108)。例えば、Bluetoothの場合、ペアリングを行う。近距離通信が可能になると、ドライブレコーダ1Bは、ドライブレコーダ1Aに「情報取得要求」メッセージを送信する(S109)。この「情報取得要求」メッセージは、接続先機器の位置情報や録画方向、録画モード、他車両の情報等の取得を要求するためのメッセージである。
続いて、ドライブレコーダ1Aは、S109の「情報取得要求」メッセージを受信すると、S102で記憶しておいた車両2Aの現在地と録画方角、録画状態の情報を含む「応答」メッセージをドライブレコーダ1Bに送信する(S110)。この例では、現在地は駐車スペースP2、録画方向は「南」、録画状態は「駐車録画モード」であることを通知する。
続いて、ドライブレコーダ1Bの制御部17は、S110の「応答」メッセージを受信すると、S106で記憶した車両2Bの現在地及び録画方向と受信した「応答」メッセージに含まれる車両2Aの現在地及び録画方向に基づいて、どの録画状態に遷移するか判定する(S111)。この例の場合、ドライブレコーダ1Aとドライブレコーダ1Bの間で近距離通信が確立し、車両2Aと車両2Bが隣接した場所に駐車し、ドライブレコーダ1Aとドライブレコーダ1Bの録画方向が同一であることから、録画状態を「録画停止モード」へ遷移できると判定する。
続いて、ドライブレコーダ1Bは、S111の判定結果を含む「判定結果通知」メッセージをドライブレコーダ1Aに送信する(S112)。この「判定結果通知」メッセージは、判定結果が「録画停止モード」の場合のみ利用される情報である。そのため、判定結果が「録画停止モード」以外の場合は、判定結果の通知を省略してもよい。続いて、ドライブレコーダ1Bは、録画状態を「録画停止モード」へ遷移し、駐車中の録画を停止する(S113)。これにより、ドライブレコーダ1Bの消費電流を削減できる。
続いて、ドライブレコーダ1Aは、S112の「判定結果通知」メッセージを受信すると、「駐車録画モード」を継続し、判定結果が「録画停止モード」の場合はドライブレコーダ1Bのデバイス情報(識別情報)をドライブレコーダ1Aの内部メモリである記憶部16に記憶する(S114)。この記憶情報は、車両2Aがエンジン始動時などに「駐車録画モード」から「通常録画モード」に遷移したことを通知する際の宛先情報として利用する(詳細は図5で後述する)。
続いて、ドライブレコーダ1Bは、「駐車録画モード」として動作するドライブレコーダ1Aのデバイス情報をドライブレコーダ1Bの内部メモリである記憶部16に記憶する(S115)。この情報は、ドライブレコーダ1Bが駐車前~駐車中~発車に亘って録画したデータを検証しようとした際、駐車中の録画データがどのドライブレコーダにあるかを判断する情報として使用することができる。なお、この後、近距離通信(例えばペアリング)を切断してもよいし、定期的に通信の接続を確認してもよい。
図4で示した通り、本実施の形態では、駐車中の録画を抑制するため、録画不要エリアを限定しなくとも別の録画機器に録画を委託することで消費電流を削減することができる。この方法は規模の大きい機関(警察、消防、救急、タクシー、バス)などで非常に有益であると考えられる。
次に、図5を用いて、図4に続く具体的な動作例について説明する。図5は、「録画停止モード」のドライブレコーダが録画停止を解除するまでの例である。図5では、図4で説明した手順でドライブレコーダが駐車中に録画を抑制したものとして説明する。
図5に示すように、まず、図4のS101~S104と同様、車両2Aは駐車スペースP2に駐車し(S201)、ドライブレコーダ1Aは「駐車録画モード」となる(S202)。また、図4のS105~S115と同様、車両2Bは駐車スペースP3に駐車し(S203)、ドライブレコーダ1Bは「録画停止モード」となる(S204)。
この状態で、車両2Aはエンジンを始動する(S205)。そうすると、ドライブレコーダ1Aは、振動や運転者のイグニッション操作等に応じて車両2Aのエンジンが始動したことを検出し、録画状態を「駐車録画モード」から「通常録画モード」へ切り替えることを通知するために車両2B(ドライブレコーダ1B)を検索する(S206)。このとき、図4のS114で記憶した「録画停止モード」を通知したドライブレコーダ1Bの情報を利用して検索する。すなわち、記憶されたドライブレコーダ1Bの情報を宛先として、例えばペアリングを行う。
検索した結果、車両2B(ドライブレコーダ1B)が存在した場合、図4のS108と同様、ドライブレコーダ1Aは、検出したドライブレコーダ1Bと近距離通信ができる環境を確立する(S207)。近距離通信が可能になると、ドライブレコーダ1Aは、「駐車録画モード」から「通常録画モード」へ切り替えることを示す「録画モード切替通知」メッセージをドライブレコーダ1Bに送信する(S208)。
続いて、ドライブレコーダ1Aは、録画状態を「駐車録画モード」から「通常録画モード」へ切り替え、通常録画を開始する(S209)。ドライブレコーダ1Bは、S208の「録画モード切替通知」メッセージを受信すると、録画状態を「録画停止モード」から「駐車録画モード」に遷移し、駐車中の録画を開始する(S210)。
<ドライブレコーダの動作>
次に、図6A~図6Cを用いて、本実施の形態に係るドライブレコーダの動作例について説明する。例えば、車両2が走行を開始すると、図6A~図6Cに示すように、ドライブレコーダ1において、制御部17は、録画状態を「通常録画モード」に設定し(S301)、映像記録部15は、映像取得部11がカメラ21から取得した映像の録画を開始する(S302)。
続いて、制御部17は、「駐車録画モード」に遷移するための駐車録画イベントが発生したか否か判定する(S303)。駐車録画イベントは、車両2が駐車(停車)したことを示すイベントであり、例えば、走行情報取得部12が、各種センサ23から取得した加速度情報、CAN24を介して取得した車速情報、シフト操作情報、イグニッション操作情報等に基づいて判断する。駐車録画イベントが発生していない場合(S303/No)、そのまま通常録画を継続する。
駐車録画イベントが発生した場合(S303/Yes)、通信部14は、周辺の車両2を検索し(S304)、車両2の有無を判定する(S305)。例えば、加速度情報に基づいて振動ゼロの状態が所定時間続いた場合や、車速がゼロとなった場合、シフトレバーがパーキングの位置となった場合、イグニッションがOFFとなった場合、制御部17は駐車録画イベントが発生したと判断する。そうすると、通信部14が周辺の車両2に搭載された他のドライブレコーダ1を検索する検索要求を発信し、所定期間、検索応答を待つ。周辺に車両2がいない場合(S305/No)、すなわち、他のドライブレコーダ1から所定期間、検索応答がない場合、制御部17は、録画状態を「駐車録画モード」に設定し(S306)、録画を継続する。
周辺に車両2がある場合(S305/Yes)、すなわち、他のドライブレコーダ1から検索応答があった場合、通信部14は、近距離通信に必要なやり取りを行い、「情報取得要求」メッセージを他のドライブレコーダ1へ送信する(S307)。このとき、通信部14が他のドライブレコーダ1から所定期間、「応答」メッセージを受信しない場合、「駐車録画モード」としてもよい。通信部14が他のドライブレコーダ1から「応答」メッセージを受信すると(S308)、制御部17は、録画停止条件を満たすか否か判定する(S309)。「応答」メッセージには、録画停止の判断に必要な情報が含まれ、例えば、車両2の位置や車速等の走行情報、録画方向等の撮像条件、記録容量等の記録条件、バッテリの電圧等の電源情報等を含む。例えば、車両2の距離が所定の範囲内であるか否か、録画方向の差が所定の範囲内であるか否か、記録容量の比較結果、バッテリの電源電圧の比較結果等に基づいて、録画を停止するか否か判断してもよい。
録画停止条件を満たさない場合(S309/No)、制御部17は、録画状態を「駐車録画モード」に設定し(S310)、録画を継続する。録画停止条件を満たす場合(S309/Yes)、通信部14は、その判定結果を他のドライブレコーダ1へ送信する(S311)。例えば、車両2が隣接している場合や、録画方向が同じ場合、自装置の記録容量が小さい場合、自装置の電源電圧が低い場合、録画停止条件を満たすと判断する。また、制御部17は、録画状態を「録画停止モード」に設定し、映像記録部15による録画を停止する(S312)。さらに、記憶部16に録画動作中である他のドライブレコーダ1のデバイス情報を記憶する(S313)。
S306及びS310で「駐車録画モード」となり録画を継続している場合、通信部14が他のドライブレコーダ1から「情報取得要求」メッセージを受信したか否か判定し(S314)、「情報取得要求」メッセージを受信しない場合(S314/No)、次の処理へ進み、「情報取得要求」メッセージを受信した場合(S314/Yes)、通信部14は、他のドライブレコーダ1へ「応答」メッセージを送信する(S315)。
続いて、通信部14が他のドライブレコーダ1から「判定結果通知」メッセージを受信したか否か判定し(S316)、「判定結果通知」メッセージを受信しない場合(S316/No)、次の処理へ進み、「判定結果通知」メッセージを受信した場合(S316/Yes)、記憶部16は、録画停止中の他のドライブレコーダ1のデバイス情報を含む判定結果を記憶する(S317)。
続いて、制御部17は、「通常録画モード」に遷移するための通常録画イベントが発生したか否か判定する(S318)。通常録画イベントは、車両2が発車することを示すイベントであり、例えば、走行情報取得部12が、各種センサ23から取得した加速度情報、CAN24を介して取得した車速情報、シフト操作情報、イグニッション操作情報等に基づいて判断する。通常録画イベントが発生していない場合(S318/No)、そのまま「駐車録画モード」で録画を継続する。
通常録画イベントが発生した場合(S318/Yes)、通信部14は、録画停止中の車両2を検索し(S319)、車両2の有無を判定する(S320)。例えば、加速度情報に基づいて所定の振動が検出された場合や、車速がゼロより大きくなった場合、シフトレバーがドライブの位置となった場合、イグニッションがONとなった場合、制御部17は通常録画イベントが発生したと判断する。そうすると、通信部14が録画停止中の車両2に搭載された他のドライブレコーダ1を検索する検索要求を発信し、所定期間、検索応答を待つ。録画停止中の車両2がいない場合(S320/No)、すなわち、録画停止中の他のドライブレコーダ1から所定期間、検索応答がない場合、制御部17は、録画状態を「通常録画モード」に設定し(S322)、録画を継続する。
録画停止中の車両2がある場合(S320/Yes)、すなわち、録画停止中の他のドライブレコーダ1から検索応答があった場合、通信部14は、近距離通信に必要なやり取りを行い、「録画モード切替通知」メッセージを他のドライブレコーダ1へ送信した後(S321)、録画状態を「通常録画モード」に設定し(S322)、録画を継続する。その後、駐車録画イベントの発生まで(S303)、通常録画を継続する。
S313で「録画停止モード」となり録画停止している場合、通信部14が他のドライブレコーダ1から「録画モード切替通知」メッセージを受信したか否か判定し(S323)、「録画モード切替通知」メッセージを受信した場合(S323/Yes)、制御部17は、録画状態を「駐車録画モード」に設定し(S324)、録画を開始する。なお、録画停止条件を満たさなくなった場合に、録画を開始してもよい。
「録画モード切替通知」メッセージを受信しない場合(S323/No)、通常録画イベントが発生したか否か判定し(S325)、通常録画イベントが発生しない場合(S325/No)、そのまま録画停止を継続する。通常録画イベントが発生した場合(S325/Yes)、制御部17は、録画状態を「通常録画モード」に設定し(S326)、録画を開始する。その後、駐車録画イベントの発生まで(S303)、通常録画を継続する。
<実施の形態1の効果>
例えば、警察や消防などが、多くの車両と、その車両に搭載されているドライブレコーダを保有している場合、同じ方向で隣接した位置に車両を駐車した場合のように、駐車したエリアに関わらず、一方のドライブレコーダの録画を停止し、不要な録画を抑制したい場合がある。特許文献1の技術では、録画不要なエリアが固定されているため、このような場合は不要な録画を抑制することができない。
これに対し、本実施の形態では、2つの車両の管理者が同一であり、録画データを共有できる環境において、録画停止条件を満たす場合、例えば、2つの車両が同一方向、かつ、隣接位置に駐車している場合、一方のドライブレコーダでは駐車中の録画を動作させ、他方のドライブレコーダでは駐車中の録画を動作させないこととした。これにより、不要な録画を抑制することができ、録画メモリを削減できる。また、駐車中の録画を動作させないことにより、消費電流の削減ができ、車両のバッテリ上がりを防ぐことができる。
特許文献1の技術と比較した場合、録画不要な特定のエリア外においても、駐車中の録画を抑制することができ、更なる消費電流の削減が可能となる。また、録画不要な特定のエリア情報を内部メモリに記憶、または、外部機器より取得しなくてよいため、メモリ、外部機器制御デバイスの削減、そして、設置時の簡易性が向上する。
なお、本実施の形態では、主に並列に駐車した例について説明したが、縦列に駐車した場合でも同様に、位置や録画方向等に基づいて録画の実行や停止を制御してもよい。縦列駐車の場合、録画の実行や停止の制御を行うか否かをユーザが設定できるようにしてもよい。
本実施の形態では、ドライブレコーダ1の画角が120°程度の場合を想定して説明したが、ドライブレコーダ1の画角を360°とし、車両の全方位を撮像できる構成としても良い。また、複数の車両2に搭載されるドライブレコーダ1の画角がそれぞれ異なっていても良く、一方の車両2に搭載されるドライブレコーダ1の画角が120°程度で、他方の車両2に搭載されるドライブレコーダ1の画角が360°であっても良い。画角が360°である場合、撮像方向が全方向であると判断しても良い。
また、2つの車両が駐車中の場合に限らず、2つの車両が走行中の場合でも同様である。走行中の場合、定期的に近距離通信を行い、近距離通信が確立した場合に、位置や録画方向等に基づいて録画を停止し、近距離通信が切断された場合に、録画を開始してもよい。
(実施の形態2)
以下、図面を参照して実施の形態2について説明する。実施の形態1では、隣接する車両同士の直接通信により2つのドライブレコーダの録画動作を制御した。本実施の形態では、管理装置が複数の車両と遠距離通信を行うことにより、複数のドライブレコーダの録画動作を制御する。
なお、ドライブレコーダ及び通信機に関する情報、動作、制御等とドライブレコーダ及び通信機を搭載した車両2の情報、動作、制御等とは、互いに読み替え可能である。このため、ドライブレコーダ及び通信機に関する情報、動作、制御等を、車両2の情報、動作、制御等として説明する場合がある。
<システムの構成>
図7は、本実施の形態に係る車両用記録システムの構成例を示し、図8は、本実施の形態に係る通信機の構成例を示し、図9は、本実施の形態に係る管理装置の構成例を示している。図7に示すように、本実施の形態に係る車両用記録システム200は、実施の形態1と同様、警察などの同一機関に管理された複数の車両2(この例では2A及び2B)にそれぞれドライブレコーダ1(この例では1A及び1B)を備え、さらに、複数のドライブレコーダ1のそれぞれに接続された通信機3(この例では3A及び3B)を備えている。また、車両2の外部に、通信機3と遠距離通信可能な管理装置4を備えている。通信機3と管理装置4は、互いに無線を介した遠距離通信を行う無線通信システムを構成する。なお、通信機3及び管理装置4は、例えば、業務用無線により無線通信を行うが、同等の機能を満たしていれば必ずしも業務用無線に限定されない。例えば、車両自体が何らかのネットワークに属することで、車両と管理装置との間で通信可能であればよく、遠距離通信にも限られない。
ドライブレコーダ1の構成は、基本的に実施の形態1と同様であるため説明を省略する。本実施の形態では、ドライブレコーダ1内の通信部14に代わって、通信機3がドライブレコーダ1の制御に必要な通信を行う。なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様、ドライブレコーダ1内の通信部14によって管理装置4との間で遠距離通信を行ってもよい。また、本実施の形態では、ドライブレコーダ1の映像の記録の実行または停止を車両2の録画動作の実行または停止として説明したり、ドライブレコーダ1の撮像を車両2の撮像として説明したりする場合がある。
通信機3は、管理装置4と遠距離通信で無線通信を行う無線装置であり、また、管理装置4からのメッセージにしたがってドライブレコーダ1の録画動作(録画状態)を制御する。例えば、通信機3は業務用無線機(移動局)であり、同一の管理装置4の配下に複数の通信機3が収容されている。図8に示すように、通信機3は、一例として、取得部31、通信部32、制御部33を備える。通信機3は、ドライブレコーダ1と同様、車両2のエンジン停止中でもバッテリ25から電源の供給を受け、通信動作が可能である。
取得部31は、管理装置4へ送信するための情報、例えば位置情報や録画方向(撮像方向)を含む録画条件(撮像条件)を取得する。例えば、取得部31は、GPS受信機から車両2の位置情報を取得する。GPS受信機は、通信機3に内蔵されていてもよいし、実施の形態1のように車両2に搭載されたGPS受信機22でもよい。また、取得部31は、ドライブレコーダ1からカメラ21(撮像装置)の録画方向を取得し、必要に応じてドライブレコーダ1からカメラ21の画角情報や録画状態を取得する。画角情報は、カメラ21の画角(水平画角)であり、カメラ21からの距離 (被写体を認識可能な最長距離)を含んでもよい。録画方向や画角情報は、ドライブレコーダ1から取得してもよいし、通信機本体やカメラ21等の任意の機器から取得してもよい。さらに、取得部31は、実施の形態1と同様に車両2の各部から、または、ドライブレコーダ1から、車両2のエンジン停止(駐車)や始動等の走行状態を取得(検出)する。
通信部32は、業務用無線通信を介して管理装置4との間でドライブレコーダ1の制御に必要な無線通信を行う。例えば、通信部32は、取得部31が取得した車両2の位置情報やドライブレコーダ1から取得した録画方向等を管理装置4へ送信し、また、管理装置4からドライブレコーダ1の録画動作を制御する録画制御メッセージを受信する。制御部33は、通信部32が受信した録画制御メッセージに基づいて、ドライブレコーダ1の録画動作を制御する。
管理装置4は、車両2及びドライブレコーダ1を管理する管理装置であり、通信機3と遠距離通信で無線通信を行い、通信機3から受信した情報に基づいてドライブレコーダ1の録画動作を制御する制御装置でもある。例えば、管理装置4は、複数の通信機3を収容する業務用無線システム装置(基地局)である。図9に示すように、管理装置4は、一例として、記憶部41、通信部42、算出部43、管理部44を備える。
記憶部41は、管理装置4の動作に必要なプログラムやデータを記憶する記憶部であり、この例では録画管理テーブル411を記憶する。例えば、録画管理テーブル411は、車両2ごとに、位置、録画方向、画角情報、録画状態等を記憶する。例えば、録画管理テーブル411には、予め車両2ごとに画角情報が設定されていてもよい。その他の位置、録画方向、録画状態には、車両2から取得した情報が記憶される。なお、これらの情報は、各車両2の情報であるとともに、各車両2に搭載されたドライブレコーダ1の情報であるとも言える。このため、これらの情報を車両2ごとに管理してもよいし、ドライブレコーダ1ごとに管理してもよい。
通信部(取得部)42は、業務用無線通信を介して複数の通信機3との間でドライブレコーダ1の制御に必要な無線通信を行う。例えば、通信部42は、通信機3から車両2の位置情報や録画方向を含む録画条件等を受信(取得)し、また、管理部44からの指示にしたがい通信機3へ録画制御メッセージを送信する。
算出部(特定部)43は、記憶部41の録画管理テーブル411を参照し、通信部42が受信した位置情報及び録画方向を含む録画条件等に基づいて車両2(ドライブレコーダ1)が搭載するカメラ21が撮像する範囲である撮像領域を特定し、特定した撮像領域と他の車両2が搭載するカメラ21の撮像領域の重複度を算出する。重複度とは、一方の車両2が搭載するカメラ21の撮像領域に他方の車両2が搭載するカメラ21の撮像領域が含まれる割合を示す。管理部(制御部)44は、少なくとも複数の車両2がそれぞれ搭載するカメラ21の撮像領域に基づいて、複数の車両2の録画動作の実行または停止を制御し、特に複数の車両2がそれぞれ搭載するカメラ21の撮像領域の重複度に応じて、複数の車両2の録画動作を制御する。管理部44は、算出部43が特定及び算出した録画可能範囲の重複度に基づいて各車両2の録画状態を決定し、各車両の録画動作を制御する。以降の説明を平易にするため、車両2が搭載するカメラ21の撮像領域を、車両2の撮像領域と称してして説明する。
<管理装置の動作>
図10は、本実施の形態に係る管理装置の動作を示している。図10に示すように、管理装置4は、車両2から撮像条件を取得する(S401)。例えば、車両2が駐車すると、実施の形態1と同様、ドライブレコーダ1は録画状態を「通常録画モード」から「駐車録画モード」に切り替える。また、通信機3の取得部31は、ドライブレコーダ1と同様に、または、ドライブレコーダ1を介して、車両2の走行状態を取得し、車両2が駐車したことを検出する。そうすると、取得部31は、内蔵または車両2のGPS受信機から車両2の位置情報を取得するとともに、ドライブレコーダ1や通信機3自身から録画方向を取得する。さらに通信機3の通信部32は、取得した車両2の位置及び録画方向を含む撮像条件を管理装置4へ送信する。これにより、管理装置4の通信部42は、車両2から送信された車両2の撮像条件を受信(取得)する。例えば、複数の車両2が駐車する場合、駐車する順に、車両2から撮像条件が取得される。
続いて、管理装置4は、複数の車両2の撮像領域の重複度を算出する(S402)。管理装置4の算出部43は、車両2から撮像条件を取得すると、取得した撮像条件に基づいて、複数の車両2の撮像領域の重複度を算出する。算出部43は、録画管理テーブル411を参照し、複数の車両2について取得した車両2の撮像条件と車両2の画角情報とに基づいてそれぞれ撮像領域を特定する。算出部43は、特定した車両2の撮像領域と他の車両2の撮像領域との重複度(重複する割合)を算出する。算出部43は、録画状態が「駐車録画モード」である少なくとも2台の車両2の撮像領域の重複度を算出する。複数の車両2の撮像領域の中から2台の車両2の撮像領域を選ぶ方法としては、例えば、一方の車両は、既に駐車録画中の第1の車両2(先に録画を開始した車両)であり、他方の車両は、後に駐車した第2の車両2(後に録画を開始した車両)である。具体的には、算出部43は、2台の車両2が搭載するカメラ21の位置、録画方向及び画角情報から、それぞれの車両2が実際に撮像する範囲である撮像領域の平面座標(例えば扇形の頂点、扇形の方向、扇形の半径など)を特定する。算出部43は、特定された平面座標から2つの撮像領域の重複度として、一方の撮像領域に他方の撮像領域が含まれる割合を算出する。
続いて、管理装置4は、車両2の録画状態を決定する(S403)。管理装置4の管理部44は、算出した撮像領域の重複度に基づいて、複数の車両2の録画状態(録画モード)を決定する。管理部44は、複数の撮像領域の重複度が閾値以上か否かによっていずれかの車両2の録画を抑制するよう録画状態を決定する。この閾値は、任意に設定可能であり、例えば50%である。管理部44は、撮像領域の重複度が閾値以上の場合、少なくとも2台の車両2のうち、いずれかの車両2の録画を停止するよう制御する。例えば、管理部44は、撮像領域の重複度が閾値以上の場合、既に駐車録画中の第1の車両2(先に録画を開始した車両)を「駐車録画モード」のままとし、後に駐車した車両2(後に録画を開始した車両)を「録画停止モード」に決定する。また、管理部44は、撮像領域の重複度が閾値未満の場合、両方の車両2の録画状態を「駐車録画モード」のままとする。撮像領域の重複度に応じて、後に駐車した車両2の録画状態を制御することで、録画状態の切り替え頻度を抑えることができる。
続いて、管理装置4は、車両2の録画状態を制御する(S404)。管理装置4の管理部44は、決定した録画状態により、車両2の録画状態(録画モード)を制御するメッセージを送信する。管理部44は、新たに駐車した車両2の録画状態を「録画停止モード」に決定した場合、ドライブレコーダ1の録画状態を「録画停止モード」にするための「録画停止メッセージ」を、通信部42から新たに駐車した車両2の通信機3へ送信する。車両2の通信機3では、通信部32が管理装置4から「録画停止メッセージ」を受信すると、制御部33がドライブレコーダ1の録画状態を「駐車録画モード」から「録画停止モード」へ切り替えるよう制御する。
<システムの具体的な動作>
次に、図11A~図11Fを用いて、本実施の形態に係る車両用記録システムの具体的な動作例について説明する。図11A~図11Eの順、または、図11A~図11D及び図11Fの順に、車両2A~2Fが駐車した場合の動作例を示している。
まず、図11Aに示すように、車両2Aが駐車スペースP3に駐車している。このとき、車両2Aに搭載されているドライブレコーダ1Aの録画状態は「駐車録画モード」であり、ドライブレコーダ1Aは、例えば「北」方向に向かって画角120°及び所定距離の撮像領域r1で録画を実行している。
続いて、図11Bに示すように、車両2Bが車両2Aと隣接する駐車スペースP4に駐車する。このとき、車両2Bに搭載されているドライブレコーダ1Bは、車両2A(ドライブレコーダ1A)と隣接する位置で、ドライブレコーダ1Aと同じ方向及び同じ形状の撮像領域r2で録画を実行している。そうすると、ドライブレコーダ1Bの撮像領域r2におけるドライブレコーダ1Aの撮像領域r1の重複度が50%以上となるため、管理装置4は、ドライブレコーダ1Aに録画を依頼できると判断する。管理装置4は、「録画停止メッセージ」を車両2Bの通信機3Bに送信し、ドライブレコーダ1Bの録画状態を「録画停止モード」に制御する。ドライブレコーダ1Aの録画状態は「駐車録画モード」のままであり、録画を継続する。
続いて、図11Cに示すように、車両2Cが車両2Bと隣接する駐車スペースP5に駐車する。このとき、車両2Cに搭載されているドライブレコーダ1Cは、車両2Bに対して車両2A(ドライブレコーダ1A)の反対側で隣接する位置で、ドライブレコーダ1Aと同じ方向及び同じ形状の撮像領域r3で録画を実行している。そうすると、図11Bと同様、ドライブレコーダ1Cの撮像領域r3におけるドライブレコーダ1Aの撮像領域r1の重複度が50%以上となるため、管理装置4は、ドライブレコーダ1Aに録画を依頼できると判断し、ドライブレコーダ1Cの録画を抑制するよう制御する。
続いて、図11Dに示すように、車両2D及び2Eが車両2B及び2Cの反対側で車両2Aと並ぶ駐車スペースP2及びP1にそれぞれ駐車する。このとき、車両2D及び2Eに搭載されているドライブレコーダ1D及び1Eは、車両2A(ドライブレコーダ1A)と並ぶ位置で、ドライブレコーダ1Aと同じ方向及び同じ形状の撮像領域r4及びr5で録画を実行している。そうすると、図11B及び11Cと同様、ドライブレコーダ1D及び1Eの撮像領域におけるドライブレコーダ1Aの撮像領域の割合が50%以上となるため、管理装置4は、ドライブレコーダ1Aに録画を依頼できると判断し、ドライブレコーダ1D及び1Eの録画を抑制するよう制御する。
続いて、図11Eに示すように、車両2Fが車両Aから車両2Cよりもさらに離れた駐車スペースP7に駐車する。このとき、車両2Fに搭載されているドライブレコーダ1Fは、車両2A(ドライブレコーダ1A)から駐車スペース3台分離れた位置で、ドライブレコーダ1Aと同じ方向及び同じ形状の撮像領域r6で録画を実行している。そうすると、ドライブレコーダ1Fの撮像領域r6におけるドライブレコーダ1Aの撮像領域r1の割合が50%未満となり、所定の条件を満たさない。このため、管理装置4はドライブレコーダ1Fの録画を抑制せず、ドライブレコーダ1Fは録画を継続する。なお、閾値の設定により、図11Eの場合もドライブレコーダ1Fの録画を抑制するようにしてもよい。例えば「撮像領域の重複度が5%以上」などの緩い条件に設定することで、ドライブレコーダ1Fの録画を抑制できる。
また、図11Fに示すように、車両2Fが車両2Aと対向する駐車スペースP8に駐車した場合、車両2Fの録画を抑制してもよい。このとき、車両2Fに搭載されているドライブレコーダ1Fは、車両2A(ドライブレコーダ1A)と対向する位置で、ドライブレコーダ1Aと反対方向(「南」方向)及び同じ形状の撮像領域r6で録画を実行している。そうすると、この場合も、図11B~11Dと同様、ドライブレコーダ1Fの撮像領域r6におけるドライブレコーダ1Aの撮像領域r1の割合が50%以上となるため、管理装置4は、ドライブレコーダ1Aに録画を依頼できると判断し、ドライブレコーダ1Fの録画を抑制するよう制御する。なお、車両2Aと車両2Fにおいて、録画方向が同じ方向や対向する方向に限らず、その他の方向(垂直方向や斜め方向)でも同様に録画を制御可能である。
<実施の形態2の効果>
本実施の形態では、同一の通信システムに属する複数の車両と管理装置との間で業務用無線などの遠距離通信を行い、管理装置から撮像領域に基づいて複数の車両に搭載されたドライブレコーダの駐車録画を制御可能とした。これにより、隣接する車両間で通信及び制御を行う実施の形態1よりも、さらに柔軟に駐車録画を制御でき、より効率的な消費電流の削減を図ることができる。特許文献1の技術と比較した場合、録画不要な特定エリア外においても駐車中の録画を抑制できるうえ、抑制の対象となる車両が複数台であった場合でも管理装置からの通知により容易に制御が可能となる。
例えば図11A~図11Fのように、複数の車両が駐車した場合に、より少ない台数の車両に駐車録画を依頼し、多くの車両の駐車録画を抑制することができる。警察や消防などの駐車場に、多くの車両およびその車両に装備されているドライブレコーダがある状況において、状況に応じて最小限の車両のドライブレコーダに録画を行わせ、他の車両の録画を効果的に抑制することが可能となる。
(実施の形態3)
以下、図面を参照して実施の形態3について説明する。本実施の形態では、実施の形態2の車両用記録システムにおいて、予め決められた録画対象範囲に対するドライブレコーダの録画可能範囲のカバー率(重複度)に基づいて録画動作を制御する。車両用記録システムの構成は、実施の形態2と同様である。なお、本実施の形態では、管理装置4の記憶部41に、予め車両用記録システムが録画対象とする録画対象範囲の情報が設定されている。
<システムの基本動作>
図12A~図12Fを用いて、本実施の形態に係る車両用記録システムの基本動作例について説明する。図12A~図12Fは、車両2A~2Dが警察などの駐車場に駐車し、さらに車両2Eが駐車場に駐車した場合の動作例を示している。
まず、図12Aに示すように、車両2A~2Dがそれぞれ駐車スペースP1~P4に横方向に並んで駐車する。車両2A~2Dが駐車した時点で、車両2A~2Dに搭載されているドライブレコーダ1A~1Dの録画状態は「駐車録画モード」であり、ドライブレコーダ1A~1Dはそれぞれ、例えば「北」方向に向かって画角120°及び所定距離の録画可能範囲r1~r4で録画を実行している。また、この例では、駐車スペースP2~P4の北側(前側)に長方形の録画対象範囲T1が設定されている。録画対象範囲(撮像対象領域)T1は、例えば、警察が不審人物の監視を行う範囲である。録画対象範囲T1は、例えば平面視で四角形であるが、その他の任意の形状でもよい。
続いて、図12Bに示すように、管理装置4の算出部43は、車両2A~2D(ドライブレコーダ1A~1D)の位置情報、録画方向および画角情報から録画可能範囲r1~r4を特定し、録画可能範囲r1~r4と録画対象範囲T1とのカバー率を算出し、管理部44は算出したカバー率に応じて車両2A~2Dの録画状態を制御する。例えば、管理装置4は、録画対象範囲T1を最も広くカバーする(重複度が最も大きい)車両2Cに搭載されたドライブレコーダ1Cに駐車録画を行わせ、車両2A、2Bおよび2Dに搭載されたドライブレコーダ1A、1Bおよび1Dの駐車録画は不要であると判断する。そうすると、管理装置4の管理部44は、駐車録画が不要となった車両2A、2Bおよび2Dに搭載される通信機3A、3Bおよび3Dに対して、録画を停止させる「録画停止メッセージ」を送信する。なお、本実施の形態において管理部44は、録画対象範囲T1に対するカバー率のみで駐車録画を行わせるドライブレコーダを判定しているが、さらに駐車録画の連続録画時間などの情報を加味して複合的な条件で判定を行ってもよい。例えば、複数の録画可能範囲のカバー率が同じ場合、録画時間が長いドライブレコーダに駐車録画を継続させてもよい。
続いて、図12Cに示すように、「録画停止メッセージ」を受信した通信機3A、3Bおよび3Dは、それぞれ接続されているドライブレコーダ1A、1Bおよび1Dに対して録画状態を制御する。そうすると、ドライブレコーダ1A、1Bおよび1Dは「録画停止モード」となり、駐車中の録画を停止する。ドライブレコーダ1Cの録画状態は「駐車録画モード」のままであり、録画対象範囲T1の録画を継続する。
続いて、図12Dに示すように、車両2Eが駐車場に駐車するため接近する。このとき、車両2Eに搭載されているドライブレコーダ1Eの録画状態は「通常録画モード」であり、ドライブレコーダ1Eは進行方向に向かって録画を実行している。
続いて、図12Eに示すように、車両2Eが車両2Dと隣接する駐車スペースP5に駐車する。このとき、車両2Eに搭載されているドライブレコーダ1Eは、「駐車録画モード」となり、車両2C(ドライブレコーダ1C)と車両2Dを挟んで隣接する位置で、ドライブレコーダ1Cと同じ方向及び同じ形状の録画可能範囲r5で録画を実行している。
続いて、図12Fに示すように、管理装置4の算出部43は、車両2E(ドライブレコーダ1E)の位置情報、録画方向および録画可能範囲r5の情報から、車両2E(ドライブレコーダ1E)の録画可能範囲r5の録画対象範囲T1に対するカバー率を算出する。管理装置44は、車両2E(ドライブレコーダ1E)よりも既に駐車録画を行っている車両2C(ドライブレコーダ1C)の方が録画対象範囲T1に対するカバー率が広いため、車両2Eに搭載されたドライブレコーダ1Eの駐車録画は不要と判断する。そうすると、管理装置4の管理部44は、駐車録画が不要となった車両2Eに搭載される通信機3Eに対して、録画を停止させる「録画停止メッセージ」を送信する。「録画停止メッセージ」を受信した通信機3Eは、接続されているドライブレコーダ1Eに対して録画状態を「録画停止モード」となるよう制御し、駐車中の録画を停止する。
<システムの具体的な動作>
次に、図13A及び13Bを用いて、本実施の形態に係る車両用記録システムの具体的な動作例について説明する。図13A及び13Bのシーケンスは、図12A~図12Cのように、車両2A~2Dが駐車場に同一方向で駐車した場合に、管理装置4により録画対象範囲を録画するのに最適な車両と判断された車両2C以外の車両2A、2B及び2Dの録画を抑制する例を示している。
図13Aに示すように、まず、車両2A~2Dがそれぞれ駐車スペースP1~P4に駐車する(S501-1~S501-4)。車両2A~2Dにおいて、それぞれ運転者がエンジンを停止すると、車両2A~2Dに搭載された通信機3A~3Dは、それぞれ内蔵または車両2A~2DのGPS受信機から取得した位置情報PS1~PS4を管理装置4に送信する(S502-1~S502-4)。この例では、位置情報PS1~PS4は、駐車スペースP1~P1の位置を示す。
さらに、車両2A~2Dの通信機3A~3Dは、管理装置4に対し、車両2A~2Dが駐車したことを知らせる「駐車メッセージM1~M4」を送信する(S503-1~S503-4)。「駐車メッセージM1~M4」には、それぞれ車両2A~2Dに搭載されているドライブレコーダ1A~1Dや通信機3A~3Dから取得した録画方向(録画方位)D1~D4の情報も含む。この例では、録画方向D1~D4は「北」を示す。位置情報と録画方向を一つのメッセージに含めて送信してもよいし、別のメッセージに分けて送信してもよい。また、ドライブレコーダ1A~1Dは、録画状態を「駐車録画モード」として駐車中の録画を開始する(S504-1~S504-4)。
続いて、図13Bに示すように、管理装置4は、車両2A~2Dの通信機3A~3Dから位置情報PS1~PS4および駐車メッセージM1~M4を受信すると、車両2A~2Dの付近における、他の駐車中の車両2の有無を検索する(S505)。本実施の形態では、同一システムに属する通信機3を搭載する車両2の駐車状況は、全て管理装置4により把握されている。例えば、車両2の駐車中の位置が録画管理テーブル411に登録されており、録画管理テーブル411に基づいて、周辺の車両2を検索する。なお、検索メッセージを送信し、通信機3からの応答メッセージにより車両2の位置を収集して、周辺の車両2を検索してもよい。
続いて、管理装置4は、車両2A~2Dの通信機3A~3Dから受信した情報に基づいて、「駐車録画モード」により録画を行う車両2を判定する(S506)。この例では、S505の検索結果で付近に駐車している他の車両2は存在しないため、通信機3A~3Dからの位置情報PS1~PS4、録画方向D1~D4および録画管理テーブル411の録画可能範囲r1~r4の情報を基に、録画対象範囲T1に対する録画可能範囲のカバー率が最も大きい車両2を判断し、どの車両2に駐車録画を行わせ、どの車両2の駐車録画を抑制するかを決定する。
例えば、図12Bと同様、管理装置4は、車両2Cの録画可能範囲のカバー率が最も大きい場合、車両2A、2Bおよび2Dに搭載されたドライブレコーダ1A、1Bおよび1Dの駐車録画は不要であると判断する。そうすると、管理装置4は、車両2A、2Bおよび2Dに搭載される通信機3A、3Bおよび3Dに対して、録画を停止させる「録画停止メッセージ」を送信する(S507-1~S507-3)。
そうすると、「録画停止メッセージ」を受信した通信機3A、3Bおよび3Dは、それぞれ接続されているドライブレコーダ1A、1Bおよび1Dに対して録画状態を切り替えるよう制御する。これにより、ドライブレコーダ1A、1Bおよび1Dは録画状態を「録画停止モード」へと切り替え、駐車中の録画を停止する(S508-1~S508-3)。
次に、図14を用いて、図13A及び13Bに続く具体的な動作例について説明する。図14は、「録画停止モード」のドライブレコーダ1が、管理装置4により録画停止を解除される例を示している。図14では、図13A及び13Bで説明した手順で車両2A、2Bおよび2Dの駐車録画が抑制され、車両2Cで駐車録画が実行されているものとして説明する。
図14に示すように、まず、図13A及び13Bで説明した手順により、車両2A、2Bおよび2Dに搭載されたドライブレコーダ1A、1Bおよび1Dは「録画停止モード」で録画を停止し(S601-1、S601-2、S601-4)、車両2Cに搭載されたドライブレコーダ1Cは「駐車録画モード」で駐車録画を実行している(S601-3)。
この状態で、車両2Cがエンジンを始動する(S602)。そうすると、エンジンの始動をトリガーに、車両2Cに搭載された通信機3Cは、管理装置4に対し「発車メッセージ」を送信する(S603)。なお、駐車録画を行っていない車両(例えば、車両2A、2B、2D)がエンジンを始動した場合は、新たに駐車録画を依頼する車両を検索する必要がないため、発車メッセージの送信は不要である。ドライブレコーダ1Cは、エンジンが始動したため、録画状態を「通常録画モード」へ切り替えて通常録画を開始する(S604)。
続いて、管理装置4は、車両2Cから「発車メッセージ」を受信すると、車両2Cの周辺に駐車中の全車両を検索する(S605)。例えば、駐車中の車両があるかどうかの判断は、管理装置4が該当車両から駐車メッセージ(図13AのM1~M4)を受信しているかどうかで行う。この例では、車両2A、2Bおよび2Dが周辺に駐車中であると判断される。
続いて、管理装置4は、車両2Cの周辺に駐車中の車両2A、2Bおよび2Dの位置情報、録画状態(駐車録画実行状況)、録画方向、および録画可能範囲の情報を基に、どの車両2の録画可能範囲が録画対象範囲T1を最もカバーするかを判断し、その判断結果に応じて、どの車両に駐車録画を行わせるかを決定する(S606)。
例えば、S606において、管理装置4は、車両2Bに駐車録画を行わせる必要があると判断すると、車両2Bに搭載されている通信機3Bに対して「録画開始メッセージ」を送信する(S607)。そうすると、「録画開始メッセージ」を受信した通信機3Bは、接続されているドライブレコーダ1Bに対して録画状態を制御する。これにより、ドライブレコーダ1Bは、録画状態を「駐車録画モード」へと切り替え、駐車中の録画を開始する(S608)。
<実施の形態3の効果>
本実施の形態では、実施の形態2と同様に、業務用無線などの遠距離通信を用いて管理装置から複数のドライブレコーダの駐車録画を制御可能とし、さらに所定の録画対象に対する録画可能範囲のカバー率に基づいて各ドライブレコーダの録画状態を判定した。これにより、例えば駐車監視を行う録画対象を最もカバーする最適なドライブレコーダを選択することができるため、さらに効率よく不要な録画を抑制し、消費電流を削減できる。例えば隣接はしていないものの、同一の録画対象範囲を録画可能範囲に含むような車両についても同様に制御が可能であることから、より広範囲の車両について駐車録画の抑制を行うことができる。
例えば、図12A~図12Cのように、同一管理者が所有する車両2A~2Dが駐車エリアに駐車している場合、管理装置が、それぞれの車両の録画可能範囲及び録画対象範囲に基づいて、どの車両に駐車監視録画を依頼し(例えば車両2C)、どの車両を抑制するか(例えば、車両2A、2Bおよび2D)を決定し、各車両のドライブレコーダの録画動作を制御することで、実際の配置状況に応じて最適な車両にのみ駐車録画を実行させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上述の実施形態におけるドライブレコーダ(車両用記録装置)や通信機、管理装置は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。ドライブレコーダの各機能(各処理)を、CPUやメモリ等を有するコンピュータにより実現してもよい。例えば、記憶部に実施形態における車両用記録方法や管理方法を行うための車両用記録プログラムや管理プログラムを格納し、各機能を、記憶部に格納されたプログラムをCPUで実行することにより実現してもよい。
このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。