JP7422896B2 - 電動機の診断装置 - Google Patents
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Description
本願は、インバータによって駆動される電動機の異常の有無を診断する電動機の診断装置に関するものである。
近年の環境問題を背景に、電動機の高効率運転に向けて、電動機をインバータによって駆動する方式(以下、インバータ駆動方式という)の利用が増加傾向にある。インバータ駆動方式の電動機が利用される範囲はプロセス産業における生産ラインの装置及び機械類の動力である。例えば、ポンプ、圧縮機、送風機、産業用ロボットなど使用範囲は多岐に亘り、需要が増加傾向にある。
そのためこのような電動機は常に健全な継続運転が要求される。しかしながら、全ての電動機が適切な使用環境で運転されているとは限らず、高温、高湿、重負荷、腐食、摩耗等の高ストレス環境下で稼働していることも珍しくない。
そのためこのような電動機は常に健全な継続運転が要求される。しかしながら、全ての電動機が適切な使用環境で運転されているとは限らず、高温、高湿、重負荷、腐食、摩耗等の高ストレス環境下で稼働していることも珍しくない。
従来、そのような設備の診断は時間計画保全(TBM:Time Based Maintenance)によりメンテナンス部門が五感診断により判断していることが多い。特に重要な電動機は定期的に故障箇所の有無を診断することが必要となり、コストの面で非常に問題となっている。
そこで、電動機の状態監視保全技術(CBM:Condition Based Maintenance)に関心が高まっている。
現状のインバータ駆動方式の電動機の診断には電動機毎に様々なセンサ等の計測機器を取り付けることで実現している。計測機器としてはトルクメータ、速度および加速度振動センサ等がある。
そこで、電動機の状態監視保全技術(CBM:Condition Based Maintenance)に関心が高まっている。
現状のインバータ駆動方式の電動機の診断には電動機毎に様々なセンサ等の計測機器を取り付けることで実現している。計測機器としてはトルクメータ、速度および加速度振動センサ等がある。
また、特許文献1では、ポンプ、電動機等の回転機器の状態を示す各種信号にフーリエ解析を施して得られたパワースペクトル密度のパターンと、正常状態における各種信号の基準パターンと比較し、基準パターンとの距離により異常の有無を判定するものが開示されている。
しかしながら、例えば、数百台、数千台と多くの電動機を集中管理するようなモータコントロールセンタへの適用は現実的ではない。そのため、追加設置が必須となるような特殊なセンサを用いずに、モータコントロールセンタで従来において計測可能な電流および電圧等の情報からインバータ駆動方式の電動機の状態を診断し、信頼性、生産性、安全性を確保する装置が必要である。
インバータ駆動方式の電動機は、回転速度あるいは運転負荷が運転者の操作により時々刻々と変動する。回転速度あるいは運転負荷の変動に伴い、診断に必要な電流値あるいは電圧値などのパラメータが変動するため電動機の状態が運転状況に起因する事象なのか、あるいは劣化、故障に起因する事象なのかを判断することが困難であった。インバータ駆動方式の電動機に関して、運転状況の変動に因らずに診断する方式が必要である。
インバータ駆動方式の電動機は、回転速度あるいは運転負荷が運転者の操作により時々刻々と変動する。回転速度あるいは運転負荷の変動に伴い、診断に必要な電流値あるいは電圧値などのパラメータが変動するため電動機の状態が運転状況に起因する事象なのか、あるいは劣化、故障に起因する事象なのかを判断することが困難であった。インバータ駆動方式の電動機に関して、運転状況の変動に因らずに診断する方式が必要である。
特許文献1に開示の回転機器の異常検出装置では、実環境での動作を考えた場合、インバータ駆動方式特有の運転状況の変化を電動機の劣化であると誤検出する可能性がある。また、特許文献1では、診断するための閾値は予め与えられたものと比較しており、電動機の据え付け状況によっては、電動機の回転周波数のスペクトル値のばらつきによる誤検出の可能性がある。
本願は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、インバータ駆動方式における特有の運転状況の変化を電動機の劣化兆候と切り分けて検出できるようになり検出精度を向上することができ、また電動機の据え付け状況を電動機の回転周波数のスペクトル値のばらつきとして検出することで電動機診断の誤検出を防ぐことができる電動機の診断装置を得ることを目的とする。
本願に開示される電動機の診断装置は、インバータによって駆動される電動機の電流および電圧を入力する計測回路と、電流が安定状態のときにサンプリング周波数を決定するサンプリング周波数算出部と、電流が安定状態のときに電動機の電流を周波数解析するFFT解析部と、FFT解析部で解析されたパワースペクトルのピーク箇所を検出するピーク検出演算部と、パワースペクトルのピーク箇所から電動機の回転周波数に起因するピーク箇所を求める回転周波数帯検出部と、電動機の回転周波数に起因するピーク箇所のスペクトル値を算出する回転周波数スペクトル値検出部と、回転周波数スペクトル値検出部のスペクトル値について複数回の移動平均化処理を実施するための回転周波数スペクトル値移動平均バッファと、複数回分のパワースペクトルを平均化処理する平均化演算部と、回転周波数スペクトル値移動平均バッファにおける回転周波数のスペクトル値のばらつきを演算する回転周波数σ値演算部と、回転周波数σ値演算部の演算結果に基づき電動機の異常判定を行う閾値を算出する閾値算出部と、平均化演算部の演算結果を電動機の正常状態として記憶する正常状態記憶部と、電動機の運転負荷率を算出する負荷率算出部と、診断実施時にFFT解析部によるFFT解析結果を補正するFFT解析結果補正部と、運転負荷率に応じた補正値を格納する補正値データ蓄積部と、電動機の運転周波数と運転負荷率の値に応じてFFT解析結果の補正値を選択するFFT結果補正マトリクス選択部と、FFT結果補正マトリクス選択部における補正値と電動機の異常判定を行う閾値に基づき電動機の運転状況を判定する異常状態比較部を備えたものである。
本願の電動機の診断装置によれば、インバータ駆動方式の電動機における特有の運転状況の変化を電動機の劣化兆候と切り分けて検出できるようになり、検出精度を向上することが出来る。
また、電動機の据え付け状況を電動機の回転周波数のスペクトル値のばらつきとして検出することで電動機診断の誤検出を防ぐことができる。
また、電動機の据え付け状況を電動機の回転周波数のスペクトル値のばらつきとして検出することで電動機診断の誤検出を防ぐことができる。
以下、実施の形態に係る電動機の診断装置について図面を参照して説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1は実施の形態1における電動機の診断装置の設置状態を示す概略構成図である。
図において、電力系統から引き込まれた主回路1には、配線用遮断器2、電磁接触器3、主回路1の負荷電流を検出する電圧電流検出器4が設けられている。主回路1には負荷である電動機5として例えば三相誘導電動機が接続され、電動機5により機械設備6が運転駆動される。電動機5は、インバータによって駆動されるインバータ駆動方式の電動機である。
電動機の診断装置100には、電圧電流検出器4で検出された電流および電圧を入力する計測回路7と、計測回路7から入力された電流を使用して電動機5および機械設備6等の負荷の異常の有無を検出する演算処理部8を備えている。
図1は実施の形態1における電動機の診断装置の設置状態を示す概略構成図である。
図において、電力系統から引き込まれた主回路1には、配線用遮断器2、電磁接触器3、主回路1の負荷電流を検出する電圧電流検出器4が設けられている。主回路1には負荷である電動機5として例えば三相誘導電動機が接続され、電動機5により機械設備6が運転駆動される。電動機5は、インバータによって駆動されるインバータ駆動方式の電動機である。
電動機の診断装置100には、電圧電流検出器4で検出された電流および電圧を入力する計測回路7と、計測回路7から入力された電流を使用して電動機5および機械設備6等の負荷の異常の有無を検出する演算処理部8を備えている。
また、電動機の診断装置100には、電動機5の電源周波数および、電動機5の定格出力、定格電流、極数、定格回転数等をあらかじめ入力しておく定格情報設定回路9と、定格情報設定回路9から入力された定格情報を保存しておく設定情報記憶回路10が設けられている。定格情報は、電動機5の製造会社のカタログまたは電動機5に取り付けられている名板を見ることで容易に取得可能な情報である。なお、診断対象の電動機5が複数台ある場合には、予め診断対象の電動機5の定格情報を入力しておく必要があるが、以降の説明においては1台の電動機5について説明する。
表示部11は、演算処理部8に接続され、例えば検出された負荷電流の物理量および演算処理部8が電動機5の異常を検出したときに異常状態および警報を表示する。
駆動回路12は、演算処理部8に接続され、電圧電流検出器4より検出された電流信号をもとに演算処理部8が演算した結果に基づき、電磁接触器3を開閉する制御信号を出力する。
出力回路部13は、演算処理部8からの異常状態および警告等の信号を外部に出力する。
駆動回路12は、演算処理部8に接続され、電圧電流検出器4より検出された電流信号をもとに演算処理部8が演算した結果に基づき、電磁接触器3を開閉する制御信号を出力する。
出力回路部13は、演算処理部8からの異常状態および警告等の信号を外部に出力する。
外部の監視装置200は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)から構成され、1つあるいは複数の電動機の診断装置100に接続されており、演算処理部8の情報を通信回路14を介して適宜受信するとともに電動機の診断装置100の動作状況を監視する。この外部の監視装置200と診断装置100の通信回路14との接続は、ケーブルを用いたものでもよく、もしくは無線によるものでもよい。複数の電動機の診断装置100との間にネットワークを構築してインターネットを介した接続であってもよい。
演算処理部8の構成について図2を用いて説明する。演算処理部8は計測回路7から入力された主回路1の電流および電圧より負荷率を算出する負荷率算出部110と、電流または電圧から電源周波数を計測し、サンプリング周波数を計算するサンプリング周波数算出部111と計測回路7の電流を使用してパワースペクトル解析を実施するFFT(Fast Fourier Transform)解析部112とFFT解析部112で解析されたパワースペクトルのピーク値箇所を選択するピーク検出演算部113とピーク検出演算部113で検出されたピーク箇所から電動機5の回転周波数に起因するピーク箇所を求める回転周波数帯検出部114を備えている。
また、回転周波数帯検出部114のスペクトル値を抽出する回転周波数スペクトル値検出部115と、複数回数分のパワースペクトルの回転周波数帯の周波数を合わせる周波数軸変換演算部119と、回転周波数のスペクトル値について平均化および演算処理の為に格納値として保存する回転周波数スペクトル値移動平均バッファ120と、回転周波数スペクトル値移動平均バッファ120に格納されている回転周波数帯検出部114で周波数軸が変換された複数回分のパワースペクトルを平均化処理する平均化演算部121と、回転周波数スペクトル値移動平均バッファ120の格納値を利用して回転周波数スペクトル値のばらつきσを演算する回転周波数σ値演算部122と、回転周波数σ値演算部122での演算結果に従って異常診断の閾値を選択する閾値算出部123を備えている。
更に、平均化演算部121で平均化されたパワースペクトルを使用して、電動機5の回転周波数帯以外に電源周波数の両側にピーク箇所があるかを抽出する(以下、ピーク箇所を側帯波と記す)側帯波抽出部116と、回転周波数帯検出部114と負荷率算出部110からFFT解析結果の補正値を決定するFFT結果補正マトリクス選択部118と、そのFFT結果補正マトリクス選択部118で選択された補正値を用いて診断時の電動機の電流FFT解析結果を補正するFFT解析結果補正部125と、負荷率と周波数の2つ観点でFFT解析結果の補正値情報を記憶した補正値データ蓄積部126を具備している。
更に、異常状態と正常状態を比較するために正常状態の計測値を格納記憶する正常状態記憶部124と、正常状態記憶部124に記憶された値と現在値を比較して電動機の良否判定診断を実施する異常状態比較部117を備えている。
本実施の形態においては、電動機5の電流が安定状態のときに、サンプリング周波数算出部111でサンプリング周波数を決定し、またFFT解析部112において電動機5の電流を周波数解析する。
ピーク検出演算部113では、FFT解析部112で解析されたパワースペクトルのピーク箇所を検出し、回転周波数帯検出部114ではパワースペクトルのピーク箇所から電動機5の回転周波数に起因するピーク箇所を求める。
次に、回転周波数スペクトル値検出部115において電動機5の回転周波数に起因するピーク箇所のスペクトル値を算出し、回転周波数スペクトル値移動平均バッファ120において回転周波数スペクトル値検出部115のスペクトル値について複数回の移動平均化処理を実施する。
平均化演算部121では、複数回分のパワースペクトルを平均化処理し、回転周波数σ値演算部122において回転周波数スペクトル値移動平均バッファ120における回転周波数のスペクトル値のばらつきを演算する。
また、電動機5の運転負荷率と運転周波数毎にスペクトル値を補正し、更に電動機5のスペクトル値のばらつきにより閾値算出部123において異常判定の閾値を確定する。
ピーク検出演算部113では、FFT解析部112で解析されたパワースペクトルのピーク箇所を検出し、回転周波数帯検出部114ではパワースペクトルのピーク箇所から電動機5の回転周波数に起因するピーク箇所を求める。
次に、回転周波数スペクトル値検出部115において電動機5の回転周波数に起因するピーク箇所のスペクトル値を算出し、回転周波数スペクトル値移動平均バッファ120において回転周波数スペクトル値検出部115のスペクトル値について複数回の移動平均化処理を実施する。
平均化演算部121では、複数回分のパワースペクトルを平均化処理し、回転周波数σ値演算部122において回転周波数スペクトル値移動平均バッファ120における回転周波数のスペクトル値のばらつきを演算する。
また、電動機5の運転負荷率と運転周波数毎にスペクトル値を補正し、更に電動機5のスペクトル値のばらつきにより閾値算出部123において異常判定の閾値を確定する。
閾値算出部123では、回転周波数σ値演算部122の演算結果に基づき電動機5の異常判定を行う閾値を算出し、正常状態記憶部124は平均化演算部121の演算結果を電動機5の正常状態として記憶する。
負荷率算出部110は電動機5の運転負荷率を算出し、FFT解析結果補正部125では診断実施時にFFT解析部112によるFFT解析結果を補正する。
補正値データ蓄積部126では、運転負荷率に応じた補正値を格納しており、FFT結果補正マトリクス選択部118は、電動機5の運転周波数と運転負荷率の値に応じてFFT解析結果の補正値を選択するように構成されている。
異常状態比較部117は、FFT結果補正マトリクス選択部118における補正値と電動機5の異常判定を行う閾値に基づき電動機5の運転状況を判定し、表示部11では、異常状態比較部117で異常であれば異常状態を表示する。
負荷率算出部110は電動機5の運転負荷率を算出し、FFT解析結果補正部125では診断実施時にFFT解析部112によるFFT解析結果を補正する。
補正値データ蓄積部126では、運転負荷率に応じた補正値を格納しており、FFT結果補正マトリクス選択部118は、電動機5の運転周波数と運転負荷率の値に応じてFFT解析結果の補正値を選択するように構成されている。
異常状態比較部117は、FFT結果補正マトリクス選択部118における補正値と電動機5の異常判定を行う閾値に基づき電動機5の運転状況を判定し、表示部11では、異常状態比較部117で異常であれば異常状態を表示する。
次に実施の形態1における電動機の診断装置の動作を図3に基づき用いて説明する。電動機の診断は電動機の初期状態(正常状態)を学習するフェーズと診断を実施するフェーズの2種類に分けて考える。図3(a)は初期状態を学習するフェーズにおける処理動作の流れを示しており、図3(b)は診断を実施するフェーズにおける処理動作の流れを示している。本診断では、電動機の初期状態を正常状態として学習させ、診断実施における現在値との差異によって相対的に評価することを特徴としている。
まず、初期算出のフローとしては、図3(a)に示すフロー図のように、電動機動作開始を検出し(ステップS101)、電流電圧計測によって電動機5の主回路1の電流、電圧を計測する(ステップS102)。次に計測した電流と電圧の値から負荷率を算出する(ステップS103)。主回路電流をFFT解析で周波数解析を実施する(ステップS104)。FFTの解析結果から回転信号強度抽出によって回転振動強度を算出し(ステップS105)、周波数・負荷率毎の平均化処理を実施する(ステップS106)。平均化した値を複数回ある一定期間蓄積し正常状態の確定値として初期学習を実施する(ステップS107)。初期学習完了後、負荷率毎に補正値・判定値算出により診断の安定化に向けた補正値と異常振動の判定閾値を算出する(ステップS108)。最後に補正値と判定閾値を記憶する補正マトリクスへの格納を実施する(ステップS109)。
次に学習後に実施する診断開始フローについて説明する。図3(b)に示すように、電動機の動作を確認すれば(ステップS110)、図3(a)に示す初期学習フローと同様に、電流電圧計測ステップS111、負荷率算出ステップS112、FFT解析ステップS113、回転振動強度抽出ステップS114、周波数・負荷率毎の平均化処理ステップS115までの処理を実行する。診断では初期学習フローで学習した補正マトリクスから現負荷率での補正値を読み出す補正マトリクス位置を実施し(ステップS116)、補正値および判定閾値を読み込む。そして初期学習値と補正された計測値を比較する初期・現在値比較を実行し(ステップS118)、これに基づき異常判定を実施する(ステップS119)フローとなっている。
図3(a)の初期算出開始フローではステップS106の周波数・負荷率毎の平均化処理およびステップS108の補正値・判定閾値算出によって電動機の操作あるいは運転状況により診断の誤検出を回避することができる。また、図3(b)の診断開始フローでは初期算出で取得した補正値および判定閾値をステップS117において判定閾値・初期値を参照することによって補正し、正確な判定を実現することができる。
図3(a)の初期算出開始フローについて、補正値・判定閾値算出ステップS108および補正マトリクス格納ステップS109は、負荷率算出ステップS103で算出した負荷率と回転信号強度抽出ステップS105で得た電動機の回転周波数に基づいて診断にて利用する回転信号スペクトル値を平均化する。電動機の運転状況が変動しても誤検出することなく診断することが可能となる。また、初期算出開始フロー上の補正値・判定閾値算出ステップS108により電動機の例えば設置条件の要因で診断の閾値までの尤度を確保でき、誤検出を防ぐことができる。
図3(a)の周波数・負荷率毎の平均を算出するステップS106を実施し、回転周波数スペクトル値移動平均バッファ120に蓄積し、初期学習ステップS107を実施し、回転周波数スペクトル値移動平均バッファ120から平均値を算出し、図4のように、フローFL1にて不偏分散を計算後、フローFL2にて判定閾値選択テーブルから不偏分散に対する電動機の判定閾値を選択し、補正値・判定閾値算出ステップS108を実施し、補正値データ蓄積部126における補正マトリクスへの格納を実施する(ステップS109)。補正マトリクスは図5のように周波数と負荷率からなるマトリクスとなっており、補正値の他、図4のフローにて選択した判定閾値を周波数毎に記憶するセルも有する。
インバータ駆動方式の電動機の運転状況(負荷変動・周波数変動)に因らず診断を実施することが可能となる。また、インバータ駆動方式の特徴である電動機の運転回転速度の操作により診断対象電動機の振動現象が変化するため電動機の周波数毎に診断閾値を自動でチューニングすることができるため、診断の誤検出を防ぎ精度良く検出できるようになる。
なお、演算処理部8は、ハードウェア構成として、プロセッサと記憶装置から構成される。記憶装置は、例えば、ランダムアクセスメモリの揮発性記憶装置と、フラッシュメモリの不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサは、記憶装置から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサにプログラムが入力される。また、プロセッサは、例えば演算結果のデータを記憶装置の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
4 電圧電流検出器、5 電動機、7 計測回路、8 演算処理部、100 診断装置、110 負荷率算出部、111 サンプリング周波数算出部、112 FFT解析部、113 ピーク検出演算部、114 回転周波数帯検出部、115 回転周波数スペクトル値検出部、117 異常状態比較部、118 FFT結果補正マトリクス選択部、120 回転周波数スペクトル値移動平均バッファ、121 平均化演算部、122 回転周波数σ値演算部、123 閾値算出部、124 正常状態記憶部、125 FFT解析結果補正部、126 補正値データ蓄積部
Claims (3)
- インバータによって駆動される電動機の電流および電圧に基づいて前記電動機の異常を診断する演算処理部を備えた電動機の診断装置において、
前記演算処理部は、前記電動機の電流および電圧を入力する計測回路と、
前記電流が安定状態のときにサンプリング周波数を決定するサンプリング周波数算出部と、
前記電流が安定状態のときに前記電動機の電流を周波数解析するFFT解析部と、
前記FFT解析部で解析されたパワースペクトルのピーク箇所を検出するピーク検出演算部と、
前記パワースペクトルのピーク箇所から前記電動機の回転周波数に起因するピーク箇所を求める回転周波数帯検出部と、
前記電動機の回転周波数に起因するピーク箇所のスペクトル値を算出する回転周波数スペクトル値検出部と、
前記回転周波数スペクトル値検出部のスペクトル値について複数回の移動平均化処理を実施するための回転周波数スペクトル値移動平均バッファと、
複数回分のパワースペクトルを平均化処理する平均化演算部と、
前記回転周波数スペクトル値移動平均バッファにおける回転周波数のスペクトル値のばらつきを演算する回転周波数σ値演算部と、
前記回転周波数σ値演算部の演算結果に基づき前記電動機の異常判定を行う閾値を算出する閾値算出部と、
前記平均化演算部の演算結果を前記電動機の正常状態として記憶する正常状態記憶部と、
前記電動機の運転負荷率を算出する負荷率算出部と、
診断実施時に前記FFT解析部によるFFT解析結果を補正するFFT解析結果補正部と、
前記運転負荷率に応じた補正値を格納する補正値データ蓄積部と、
前記電動機の運転周波数と運転負荷率の値に応じてFFT解析結果の補正値を選択するFFT結果補正マトリクス選択部と、
前記FFT結果補正マトリクス選択部における補正値と前記電動機の異常判定を行う閾値に基づき前記電動機の運転状況を判定する異常状態比較部を備えたことを特徴とする電動機の診断装置。 - 前記電動機の運転負荷率と運転周波数毎に前記スペクトル値を補正することを特徴とする請求項1に記載の電動機の診断装置。
- 前記電動機の前記スペクトル値のばらつきにより前記閾値算出部において異常判定の閾値を確定することを特徴とする請求項1に記載の電動機の診断装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2020/042570 WO2022102113A1 (ja) | 2020-11-16 | 2020-11-16 | 電動機の診断装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2022102113A1 JPWO2022102113A1 (ja) | 2022-05-19 |
JP7422896B2 true JP7422896B2 (ja) | 2024-01-26 |
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ID=81602166
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (5)
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