以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
(網接続形態)
図1は、本発明に係る電話番号の調査装置の具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る電話番号の調査装置10の網接続形態を示す概略図である。電話番号の調査装置10は、ホームゲートウェイ(HGW:Home GateWay)19を介して発側固定IMS網20に接続されている。
実施の形態に係る電話番号の調査装置10には、調査対象のメタルIP電話端末60aが発側固定IMS網20(具体的には例えば、NGN網)を介して接続され、また、着側固定IMS網30(具体的には例えば、NGN網、IP電話網(VoIP:Voice over Internet Protocol))に接続されている調査対象のメタルIP電話端末60bが発側固定IMS網20(具体的には例えば、NGN網)を介して接続されている。
メタルIP電話端末60a,60bは、固定電話のコアネットワークをPSTNからIP網へと移行した後も既存のメタルケーブルを継続利用して、既存のメタルケーブルに接続されている固定電話の受け皿として提供される電話端末のことである。なお、既存のメタルケーブルとともに、加入者交換機がメタル収容装置として継続利用される。
なお、発側固定IMS網20を介して電話番号の調査装置10と接続されている調査対象のメタルIP電話端末は複数であってよく、図に示す例におけるメタルIP電話端末60aは発側固定IMS網20に接続されている複数のメタルIP電話端末のうちの1つとして表されている。また、発側固定IMS網20及び着側固定IMS網30を介して電話番号の調査装置10と接続されている調査対象のメタルIP電話端末は複数であってよく、図に示す例におけるメタルIP電話端末60bは着側固定IMS網30に接続されている複数のメタルIP電話端末のうちの1つとして表されている。また、実施の形態の説明では、網ごと(言い換えると、契約事業者ごと)のメタルIP電話端末60a,60b各々を相互に区別する必要がないときは、単に「メタルIP電話端末60」と表記する。
発側固定IMS網20はSIPサーバ20aを備え、当該SIPサーバ20aによって発側固定IMS網20の動作が管理、制御される。また、着側固定IMS網30はSIPサーバ30aを備え、当該SIPサーバ30aによって着側固定IMS網30の動作が管理、制御される。
発側固定IMS網20や着側固定IMS網30は、通信事業者(図1に示す例では、事業者A、事業者B)ごとに構築され、各々が管理運営するSIPサーバ20a,30aを介して、各々の網ごと(言い換えると、契約事業者ごと)にメタルIP電話端末60a,60bが接続されている。なお、図に示す例における発側固定IMS網20からみて、着側固定IMS網は複数であってよく、図に示す例における着側固定IMS網30は複数の着側固定IMS網のうちの1つとして表されている。
発側固定IMS網20及び着側固定IMS網30は、SDP(Session Description Protocol)パラメータについて、IP(Internet Protocol)v4のネットワークプロトコル(別言すると、インターネットプロトコル、IPバージョン)に対応しているとともに、メディア種別はaudio(音声)に対応し、メディアのトランスポートプロトコルはRTP/AVPに対応し、音声コーデックはG.711 μ-lawに対応している。
0AB-J型の電話番号を持つ固定電話として、発信側の網である発側固定IMS網20に接続されているメタルIP電話端末60a及び着信側の網である着側固定IMS網30に接続されているメタルIP電話端末60bを想定する。
図1に示す構成において、発信側である電話番号の調査装置10が、着信側の電話端末の電話番号として発側固定IMS網20に接続されているメタルIP電話端末60aの電話番号をダイヤル発信することにより、発側固定IMS網20のBGCF(Breakout Gateway Control Function)22、メタル収容装置41、及び着信側のメタルIP電話端末60aの順でルーティングが実行される。
また、発信側である電話番号の調査装置10が、着信側の電話端末の電話番号として着側固定IMS網30に接続されているメタルIP電話端末60bの電話番号をダイヤル発信することにより、発側固定IMS網20のIBCF(Inter-connection Border Control Function)21、着側固定IMS網30のIBCF31及びBGCF32、メタル収容装置51、並びに着信側のメタルIP電話端末60bの順でルーティングが実行される。
このとき、電話番号の調査装置10と発側固定IMS網20との間はUNI接続が担保され、また、発側固定IMS網20と着側固定IMS網30との間の事業者間相互接続はIMS相互接続インタフェース(具体的には、発側固定IMS網20のIBCF21及び着側固定IMS網30のIBCF31)などを介してIMS相互接続が担保されて、SIP信号方式に則り電話番号の調査装置10から発信される特定のSIPメッセージ(詳細については後述する)が着側固定IMS網30へと到達する。
なお、図1に示す例における、IP-IP接続によるIMS事業者間の相互接続共通インタフェースであるII-NNI(Network-Network Interface)は、TTC標準のJJ-90.30に規定されている(TTC:Telecommunication Technology Committee;一般社団法人情報通信技術委員会)。
すなわち、この発明の説明では、発側固定IMS網20は、電話番号の調査装置10とホームゲートウェイ19を介して接続されているIMS網であり、また、着側固定IMS網30は、発側固定IMS網20と各々のIBCFを介して接続されているIMS網である。
また、発側固定IMS網20と当該発側固定IMS網20に接続されているメタル収容装置41とはISUP(Integrated Services for digital network User Part)信号方式で接続され、着側固定IMS網30と当該着側固定IMS網30に接続されているメタル収容装置51もISUP信号方式で接続される。ISUPプロトコルに関し、SIP-TTC ISUP信号方式相互接続に関する技術仕様は、TTC標準のJF-IETF-RFC3398に規定されている。また、ISUP情報のカプセル化に関する技術情報は、TTC仕様書のTS-1025に規定されている。
ところで、SIPによれば、リアルタイム通信を行うためにメディア情報を含むパケットの符号化方式やパケットの宛先等のアドレスについて端末間でネゴシエーションを行う必要がある。このネゴシエーションのために必要になるのがSDP(Session Description Protocol)と呼ばれる記述言語であり、TTC標準のRFC4566に定義されている。
SIPでセッションを確立するためには、まず、発信側がSIPメッセージにメディア情報を記述したリクエストを送信し、着信側がその中から対応可能なメディアを選択したレスポンスを返信することで、通信に使用するメディア情報を発信側と着信側とで共有する。
セッションを開始するためにSIPメッセージにメディア情報を記述して送信することをオファーといい、それに対して対応可能なメディア情報を返信することをアンサーという。このオファー/アンサーモデルについてはTTC標準のRFC3264に定義されている。さらに、IMSにおけるSDPメディアネゴシエーション手順については、TTC標準のJJ-90.26に規定されている。
図1に示す例における電話番号の調査装置10は、発側固定IMS網20(尚、SIPサーバ20aを含む)及びメタル収容装置41経由で、或いは、発側固定IMS網20(尚、SIPサーバ20aを含む)及び着側固定IMS網30(尚、SIPサーバ30aを含む)並びにメタル収容装置51経由で、調査対象となるメタルIP電話端末60へと、INVITE(招待)メソッドのSDPオファー(「INVITEリクエスト」と称する)を送信する際、そのSDPパラメータに、所定のSDPパラメータ(「判定用SDPパラメータ」と称する)を付加して(別言すると、記述して)送信する。
INVITEリクエストを送信する際にSDPパラメータに付加される判定用SDPパラメータは、ネットワークプロトコル(別言すると、インターネットプロトコル、IPバージョン)、メディア種別、メディアのトランスポートプロトコル、及び音声コーデックである。
INVITEリクエストに対して、着信側のメタルIP電話端末60は、当該のINVITEリクエストに含まれているSDPパラメータと自身が使用可能なSDPパラメータとを比較し、比較の結果(即ち、SDPパラメータの一致/不一致の状況)に応じて、応答メッセージとしてSIPセッションにおける所定コードのレスポンスを返信する。
そして、電話番号の調査装置10は、受信した所定コードのレスポンスに基づいて、着信側のメタルIP電話端末60の実在/不在(延いては、メタルIP電話端末60の電話番号の実在/欠番)などを判定する。
(基本シーケンス)
図2乃至図6は、IMS相互接続におけるINVITEメソッドによる、着信側の機器がメタルIP電話端末60である場合の、発信側の機器と発側固定IMS網20と当該発側固定IMS網20に接続されているメタル収容装置41との間、或いは、発信側の機器と発側固定IMS網20と着側固定IMS網30に接続されているメタル収容装置51との間における動作の基本シーケンスを説明する図である。なお、実施の形態に係る発信側の機器とメタルIP電話端末60との間に纏わる動作の基本シーケンスは、図2乃至図6に示す内容に限らず、TTC標準のJJ-90.30、TTC標準のJJ-90.26、TTC標準のJF-IETF-RFC3398、TTC標準のTR-1088、TTC標準のJT-Q850、及びTTC仕様書のTS-1025に規定されている内容に従う。
発信側の機器と発側固定IMS網20に接続されている着信側の機器(具体的には、電話端末)との間では、発側固定IMS網20のBGCF22及び発側固定IMS網20に接続されているメタル収容装置41を介して通信が行われる。また、発信側の機器と着側固定IMS30に接続されている着信側の機器(具体的には、電話端末)との間では、発側固定IMS網20のIBCF21、着側固定IMS網30のIBCF31及びBGCF32、並びに着側固定IMS網30に接続されているメタル収容装置51を介して通信が行われる。
ここで、発信側の機器と発側固定IMS網20に接続されている着信側の機器との間の場合と、発信側の機器と着側固定IMS網30に接続されている着信側の機器との間の場合と、のどちらも、発側固定IMS網20と当該発側固定IMS網20に接続されているメタル収容装置41との間における通信の内容と、発側固定IMS網20と着側固定IMS網30に接続されているメタル収容装置51との間における通信の内容と、は同じである。このため、図2乃至図6には、発信側の機器と発側固定IMS網20(特に、SIPサーバ20a)との間、及び、発側固定IMS網20(特に、SIPサーバ20a)とメタル収容装置(具体的には、発側固定IMS網20に接続されているメタル収容装置41と着側固定IMS網30に接続されているメタル収容装置51;これら2つのメタル収容装置のことを「メタル収容装置41/51」と表記する)との間における通信の内容に着目して、発信側の機器と着信側の機器(具体的には、メタルIP電話端末60)との間に纏わる動作の基本シーケンスが示されている。
(実在の場合/パターン1)
図2は、IMS相互接続におけるINVITEメソッドによる、発信側の機器と発側固定IMS網20とメタル収容装置41/51との間における、着信側の機器としてメタルIP電話端末60が実在し且つ話中でなく、発信側の機器が通信を切断する場合の動作の基本シーケンスのパターン1を説明する図である。
図2は、特に、着信の際に発信者(即ち、相手方)の電話番号を電話端末に表示させる機能(具体的には、Caller ID、Calling Number Identification;例えば、ナンバーディスプレイ(登録商標))による、発信者が電話番号を非通知とする設定をしている場合には着信を拒否する設定がされていない場合の基本シーケンスを説明する図である。
発信側の機器は、発側固定IMS網20を介して着信側の機器へと向けてINVITEリクエストを送信し(F1)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の設立の際に通話が到達して発信者と着信者との間で通信回線が確立したことを示すメッセージであるACM(Address Complete Message)が返信され(F4)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいて呼び出しの進行状況を示すコード183 Session Progressレスポンスが返信される(F5)。なお、着信側の機器によっては、ACMの返信が行われず、このため、コード183 Session Progressレスポンスの返信も行われない場合がある。
さらに、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式においてインチャネル情報利用可能を示すメッセージであるCPG(Call Progress Message)が返信され(F6)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいて着信音が鳴っていることを示すコード180 Ringingレスポンスが返信される(F7)。
この際、着信側の機器は呼出しベルが鳴動し、メタル収容装置41/51から発信側の機器へと、RTP(Real time Transport Protocol)として、RBT(Ringing Back Tone)が送信される。
次に、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において着信者が通話に応答したことを示すメッセージであるANM(Answer Message)が返信され(F8)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいてリクエスト(ここでは具体的には、INVITEリクエスト)が正常に処理されたことを示すコード200 OKレスポンスが返信される(F9)。
これに対して、発信側の機器から発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACK(Acknowledgment)レスポンスが返信され(F10)、発信側の機器と着信側の機器との間でセッションが確立して通話が開始される。
その後、(図2に示す例では発信側の機器が通信を切断すると)発信側の機器から発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいてセッションを終了することを示すBYEリクエストが送信され(F11)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F12)。
これに対して、(図2に示す例では)メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信され(F13)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいてリクエスト(ここでは具体的には、BYEリクエスト)が正常に処理されたことを示すコード200 OKレスポンスが返信される(F14)。これにより、発信側の機器と着信側の機器との間のセッションが終了し、すなわち、発信側の機器と着信側の機器との間の通信が切断される。
(実在の場合/パターン2)
図3は、IMS相互接続におけるINVITEメソッドによる、発信側の機器と発側固定IMS網20とメタル収容装置41/51との間における、着信側の機器としてメタルIP電話端末60が実在し且つ話中でなく、発信側の機器が通信を切断する場合の動作の基本シーケンスのパターン2を説明する図である。
図3は、特に、着信の際に発信者(即ち、相手方)の電話番号を電話端末に表示させる機能(具体的には、Caller ID、Calling Number Identification;例えば、ナンバーディスプレイ(登録商標))による、発信者が電話番号を非通知とする設定をしている場合には着信を拒否する設定がされている場合の基本シーケンスを説明する図である。
発信側の機器は、発側固定IMS網20を介して着信側の機器へと向けてINVITEリクエストを送信し(F1)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の設立の際に通話が到達して発信者と着信者との間で通信回線が確立したことを示すメッセージであるACM(Address Complete Message)が返信され(F4)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいて呼び出しの進行状況を示すコード183 Session Progressレスポンスが返信される(F5)。
さらに、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式においてインチャネル情報利用可能を示すメッセージであるCPG(Call Progress Message)が返信され(F6)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいて着信音が鳴っていることを示すコード180 Ringingレスポンスが返信される(F7)。なお、着信側の機器によっては、CPGの返信が行われず、このため、コード180 Ringingレスポンスの返信も行われない場合がある。
この際、(実際には、着信が拒否されているので)着信側の機器は呼出しベルが鳴動せず、メタル収容装置41/51から発信側の機器へと、RTP(Real time Transport Protocol)として、RBT(Ringing Back Tone)が送信され、その後、発信者が電話番号を非通知とする設定をしているために着信が拒否されていることを知らせるガイダンスが送信される。
次に、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において着信者が通話に応答したことを示すメッセージであるANM(Answer Message)が返信され(F8)(但し、実際には着信は拒否されている)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいてリクエスト(ここでは具体的には、INVITEリクエスト)が正常に処理されたことを示すコード200 OKレスポンスが返信される(F9)。
これに対して、発信側の機器から発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACKレスポンスが返信される(F10)。
その後、(図3に示す例では発信側の機器が通信を切断すると)発信側の機器から発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいてセッションを終了することを示すBYEリクエストが送信され(F11)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F12)。
これに対して、(図3に示す例では)メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信され(F13)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいてリクエスト(ここでは具体的には、BYEリクエスト)が正常に処理されたことを示すコード200 OKレスポンスが返信される(F14)。これにより、発信側の機器と着信側の機器との間のセッションが終了し、すなわち、発信側の機器と着信側の機器との間の通信が切断される。
(話中の場合)
図4は、IMS相互接続におけるINVITEメソッドによる、発信側の機器と発側固定IMS網20とメタル収容装置41/51との間における、着信側の機器としてメタルIP電話端末60が実在し且つ話中である場合の動作の基本シーケンスを説明する図である。
発信側の機器は、発側固定IMS網20を介して着信側の機器へと向けてINVITEリクエストを送信し(F1)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の設立の際に通話が到達して発信者と着信者との間で通信回線が確立したことを示すメッセージであるACM(Address Complete Message)が返信され(F4)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいて呼び出しの進行状況を示すコード183 Session Progressレスポンスが返信される(F5)。なお、次のF6のメッセージREL(Release Message)を生成することによってACMの返信が行われない場合があり、このため、コード183 Session Progressレスポンスの返信も行われない場合がある。
さらに、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F6)。このとき、メッセージRELの理由表示値(Cause Value)が、着信者がビジー状態であることを意味するコード17(即ち、User busy)とされる。
メッセージREL(尚、理由表示値がコード17である)の送信(F6)を受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいて発信側からリクエストされたメディアリソースが現在ビジー状態であってセッションを開始できないことを示すコード486 Busy Hereレスポンスが返信される(F7)。
これに対して、発信側の機器から発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACKレスポンスが返信され(F8)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信される(F9)。これにより、発信側の機器からのINVITEリクエストに係るセッションが終了する。
(欠番の場合)
図5は、IMS相互接続におけるINVITEメソッドによる、発信側の機器と発側固定IMS網20とメタル収容装置41/51との間における、着信側の機器(言い換えると、電話番号)が欠番である場合の動作の基本シーケンスを説明する図である。
発信側の機器は、発側固定IMS網20を介して着信側の機器へと向けてINVITEリクエストを送信し(F1)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F4)。このとき、メッセージRELの理由表示値(Cause Value)が、機器が割り当てられていない電話番号(即ち、欠番)であることを意味するコード1(即ち、Unallocated number)とされる。
メッセージREL(尚、理由表示値がコード1である)の送信(F4)を受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいて発信側からリクエストされたメディアリソースが見つからないことを示すコード404 Not Foundレスポンスが返信される(F5)。
これに対して、発信側の機器から発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACKレスポンスが返信され(F6)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信される(F7)。これにより、発信側の機器からのINVITEリクエストに係るセッションが終了する。
(移転の場合)
図6は、IMS相互接続におけるINVITEメソッドによる、発信側の機器と発側固定IMS網20とメタル収容装置41/51との間における、着信側の機器としてのメタルIP電話端末60が移転している場合の動作の基本シーケンスを説明する図である。
発信側の機器は、発側固定IMS網20を介して着信側の機器へと向けてINVITEリクエストを送信し(F1)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の設立の際に通話が到達して発信者と着信者との間で通信回線が確立したことを示すメッセージであるACM(Address Complete Message)が返信され(F4)、これを受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいて呼び出しの進行状況を示すコード183 Session Progressレスポンスが返信される(F5)。
さらに、メタル収容装置41/51から発信側の機器へと、RTP(Real time Transport Protocol)として、着信側の機器の電話番号は変更されていることを知らせる移転ガイダンス及び変更後の電話番号(言い換えると、着信側の機器は移転していることを知らせる移転ガイダンス及び移転先の電話番号)が送信される。なお、移転ガイダンスの案内の時間長さは、例えば、60~80秒程度である。
移転ガイダンスの終了後、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F6)。このとき、メッセージRELの理由表示値(Cause Value)が、着信者の番号は変更されていることを意味するコード22(即ち、number changed (w/o diagnostic))とされる。
メッセージREL(尚、理由表示値がコード22である)の送信(F6)を受けて、発側固定IMS網20から発信側の機器へと、SIPセッションにおいて発信側からリクエストされたメディアリソースが以前は存在したが現在は存在しないことを示すコード410 Goneレスポンスが返信される(F7)。
これに対して、発信側の機器から発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACKレスポンスが返信され(F8)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信される(F9)。これにより、発信側の機器からのINVITEリクエストに係るセッションが終了する。
(電話番号の調査装置)
図7は、実施の形態に係る電話番号の調査装置10の構成を示すブロック図である。
実施の形態に係る電話番号の調査装置10は、発側固定IMS網20に接続されている複数のメタルIP電話端末(60a)に発側固定IMS網20を介して接続され、また、着側固定IMS網30に接続されている複数のメタルIP電話端末(60b)に発側固定IMS網20を介して接続され、調査対象のメタルIP電話端末60に対するINVITEリクエストにSDPパラメータを付与して(調査対象のメタルIP電話端末60へと向けて)発側固定IMS網20にINVITEリクエストを送信するとともに、少なくとも発側固定IMS網20を介して応答メッセージを受信し、応答メッセージに応じて調査対象のメタルIP電話端末60の電話番号の使用状況を判定する、ようにしている。
電話番号の調査装置10は、網インタフェース部11と、メッセージ交換制御部12と、電話番号調査判定部13と、電話番号履歴生成部14と、電話番号履歴データベース(DB)15と、を含む。
網インタフェース部11は、電話番号の調査装置10がSIPプロトコルに準拠した通信を行うための通信インタフェースを担う。
メッセージ交換制御部12は、調査対象のメタルIP電話端末60へと、判定用SDPパラメータを含むINVITEリクエストを送信し、また、少なくとも発側固定IMS網20を介してメッセージ(例えば、SIPセッションにおける所定コードのレスポンス)を受信する。
電話番号調査判定部13は、メッセージ交換制御部12を介して受信したメッセージ(例えば、SIPセッションにおける所定コードのレスポンス)に応じて、着信側のメタルIP電話端末60の実在の有無などを判定し、延いては、調査対象のメタルIP電話端末60の電話番号の有効性(言い換えると、電話番号の使用状況)を判定する。
電話番号履歴生成部14は、電話番号調査判定部13での判定結果のそれぞれに判定日時を示すタイムスタンプを付与して記録媒体上に時系列に記録することにより、電話番号履歴データベース15を構築する。
電話番号履歴データベース15のデータ構造(言い換えると、収録データ項目)は特定の構造や項目には限定されないものの、電話番号履歴データベース15に格納される電話番号履歴情報は、例えば、1回の調査ごと(言い換えると、INVITEリクエストの送信ごと)の、調査対象である「電話番号」と、発側固定IMS網20を介して返信される「エラーコード」と、「調査年月日」(即ち、タイムスタンプ)と、「実在/欠番/移転の判定結果」と、発側固定IMS網20を介して返信されるレイヤーに関する「その他レイヤー情報」と、の組合せを含んでよい。
電話番号履歴データベース15に格納される電話番号履歴情報は、また、上記したデータ項目のほかに、例えば、調査対象のメタルIP電話端末60の種別、調査時に判明した移転先あるいは連絡先電話番号である「新加入者番号」、電話番号を所有する「法人名・個人名」、住所や年齢などの「属性情報」、「地図リンク情報」、信用を評価するための「与信情報」を含んでもよい。
そして、例えば電話番号「03-XXXX-XXXX」について電話番号の調査装置10によって電話番号の使用状況の調査が実行されると、電話番号履歴データベース15に、電話番号調査判定部13による判定ごとに、調査情報が順次記録され、電話番号履歴情報として蓄積される。
なお、電話番号履歴データベース15は、例えば、半導体メモリ、ハードディスク、或いは、DVD(Digital Versatile Disc)等の光メモリなどの大容量記録媒体に実装されてよい。
電話番号の調査装置10は、所定のプログラム(尚、実施の形態に係る電話番号の調査プログラムを含む)が記録されたメモリ(図示していない)を内蔵するマイクロプロセッサ、又は所定のプログラムが記録されたメモリ(図示していない)が外付けされたマイクロプロセッサと、通信制御を含む周辺制御を行うLSI(Large Scale Integration)と、を含んで構成される。
そして、メモリ(図示していない)に記録された所定のプログラム(尚、実施の形態に係る電話番号の調査プログラムを含む)をマイクロプロセッサが逐次読み出して実行することにより、網インタフェース部11、メッセージ交換制御部12、電話番号調査判定部13、及び電話番号履歴生成部14のそれぞれが構成され、電話番号の調査装置10としての所定の機能が実現される。
(電話番号の調査方法)
本発明に係る電話番号の調査方法の具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る電話番号の調査方法は、発側固定IMS網20に接続されている複数のメタルIP電話端末(60a)に発側固定IMS網20を介して接続され、また、着側固定IMS網30に接続されている複数のメタルIP電話端末(60b)に発側固定IMS網20を介して接続されるコンピュータ(具体的には、電話番号の調査装置10)を用いて、調査対象となるメタルIP電話端末60の電話番号の使用状況を調査する方法であり、調査対象のメタルIP電話端末60に対するINVITEリクエストにSDPパラメータを付与して(調査対象のメタルIP電話端末60へと向けて)発側固定IMS網20にINVITEリクエストを送信するステップと、少なくとも発側固定IMS網20を介して応答メッセージを受信するステップと、応答メッセージに応じて調査対象のメタルIP電話端末60の電話番号の使用状況を判定するステップと、を含み、SDPパラメータが、ネットワークプロトコルはIPv4、メディア種別はaudioのみ、メディアのトランスポートプロトコルはRTP/AVPのみ、並びに音声コーデックはG.711 μ-law及びG.722とされている、ようにしている。
以下に説明する電話番号の調査方法は、コンピュータ(具体的には、電話番号の調査装置10)に電話番号の調査プログラムを実行させて当該プログラムに従って該当する各手順を実行させることによって実施されうる。
SDPパラメータとして、判定用SDPパラメータのうち、ネットワークプロトコル(別言すると、インターネットプロトコル、IPバージョン)についてIPv4を記述して(言い換えると、使用して)オファーするとともに、他の判定用SDPパラメータについては下記のように記述される。判定用SDPパラメータに関する下記の記述のことを「メタルIP電話用SDP」と称する。
○メディア種別:audioのみ
○メディアのトランスポートプロトコル:RTP/AVPのみ
○音声コーデック:G.711 μ-law 及び G.722
(実在判定/その1)
図8は、SDPパラメータとして、ネットワークプロトコルについてIPv4を記述するとともに判定用SDPパラメータについて上記のメタルIP電話用SDPを記述してオファーした場合で、調査対象のメタルIP電話端末60が実在し且つ話中でない場合の動作シーケンスのその1を説明する図である。
図8は、特に、着信の際に発信者(即ち、相手方)の電話番号を電話端末に表示させる機能(具体的には、Caller ID、Calling Number Identification;例えば、ナンバーディスプレイ(登録商標))による、発信者が電話番号を非通知とする設定をしている場合には着信を拒否する設定がされていない場合の動作シーケンスを説明する図である。
電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20を介して調査対象となるメタルIP電話端末60に宛ててINVITEリクエストを送信する(F1)。このとき、INVITEリクエストに含まれるSDPパラメータとして、判定用SDPパラメータ(尚、ネットワークプロトコルはIPv4である)について上記のメタルIP電話用SDPが記述される。
INVITEリクエストの送信(F1)を受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の設立の際に通話が到達して発信者と着信者との間で通信回線が確立したことを示すメッセージであるACM(Address Complete Message)が返信され(F4)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいて呼び出しの進行状況を示すコード183 Session Progressレスポンスが返信される(F5)。なお、着信側の機器(即ち、調査対象のメタルIP電話端末60)によっては、ACMの返信が行われず、このため、コード183 Session Progressレスポンスの返信も行われない場合がある。
さらに、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式においてインチャネル情報利用可能を示すメッセージであるCPG(Call Progress Message)が返信され(F6)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいて着信音が鳴っていることを示すコード180 Ringingレスポンスが返信される(F7)。この時、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60は、呼出しベルが鳴動する。
この場合、電話番号の調査装置10の電話番号調査判定部13は、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60が実在し且つ話中でない(即ち、調査対象のメタルIP電話端末60の電話番号が実在する)と判定する。
上記のF6及びF7に続いて、メタル収容装置41/51から電話番号の調査装置10へと、RTP(Real time Transport Protocol)として、RBT(Ringing Back Tone)が送出される。
また、電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいてセッションを終了するための指示であるCANCELリクエストを送信する(F8)。
電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、すなわち、コード180レスポンスを受信すると、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60の呼出しベルの鳴動を停止させるために、即時に(さらに言えば、コード180レスポンスの受信とほぼ同時に)、CANCELリクエストを送信する。これにより、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60の呼出しベルの鳴動は極めて短い時間で停止する。
CANCELリクエストの送信(F8)を受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F9)。
これに対して、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信され(F10)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいてリクエスト(ここでは具体的には、CANCELリクエスト)が正常に処理されたことを示すコード200 OKレスポンスが返信される(F11)とともに、SIPセッションにおいてセッションの終了を示すコード487 Request Terminatedレスポンスが返信される(F12)。
これに対して、電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACKレスポンスを返信する(F13)。これにより、電話番号の調査装置10と着信側の調査対象のメタルIP電話端末60との間のセッションが終了し、すなわち、電話番号の調査装置10と着信側の調査対象のメタルIP電話端末60との間の通信が切断される。
(実在判定/その2)
図9は、SDPパラメータとして、ネットワークプロトコルについてIPv4を記述するとともに判定用SDPパラメータについて上記のメタルIP電話用SDPを記述してオファーした場合で、調査対象のメタルIP電話端末60が実在し且つ話中でない場合の動作シーケンスのその2を説明する図である。
図9は、特に、着信の際に発信者(即ち、相手方)の電話番号を電話端末に表示させる機能(具体的には、Caller ID、Calling Number Identification;例えば、ナンバーディスプレイ(登録商標))による、発信者が電話番号を非通知とする設定をしている場合には着信を拒否する設定がされている場合の動作シーケンスを説明する図である。
電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20を介して調査対象となるメタルIP電話端末60に宛ててINVITEリクエストを送信する(F1)。このとき、INVITEリクエストに含まれるSDPパラメータとして、判定用SDPパラメータ(尚、ネットワークプロトコルはIPv4である)について上記のメタルIP電話用SDPが記述される。
INVITEリクエストの送信(F1)を受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の設立の際に通話が到達して発信者と着信者との間で通信回線が確立したことを示すメッセージであるACM(Address Complete Message)が返信され(F4)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいて呼び出しの進行状況を示すコード183 Session Progressレスポンスが返信される(F5)。
さらに、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式においてインチャネル情報利用可能を示すメッセージであるCPG(Call Progress Message)が返信され(F6)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいて着信音が鳴っていることを示すコード180 Ringingレスポンスが返信される(F7)。なお、着信側の機器(即ち、調査対象のメタルIP電話端末60)によっては、CPGの返信が行われず、このため、コード180 Ringingレスポンスの返信も行われない場合がある。
この際、(実際には、着信が拒否されているので)着信側の調査対象のメタルIP電話端末60は呼出しベルが鳴動せず、メタル収容装置41/51から電話番号の調査装置10へと、RTP(Real time Transport Protocol)として、RBT(Ringing Back Tone)が送信され、その後、発信者が電話番号を非通知とする設定をしているために着信が拒否されていることを知らせるガイダンスが送信される。
次に、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において着信者が通話に応答したことを示すメッセージであるANM(Answer Message)が返信され(F8)(但し、実際には着信は拒否されている)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいてリクエスト(ここでは具体的には、INVITEリクエスト)が正常に処理されたことを示すコード200 OKレスポンスが返信される(F9)。
この場合、電話番号の調査装置10の電話番号調査判定部13は、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60が実在し且つ話中でない(即ち、調査対象のメタルIP電話端末60の電話番号が実在する)と判定する。なお、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60は、呼出しベルが鳴動しない。
続いて、電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACKレスポンスを送信する(F10)とともに、SIPセッションにおいてセッションを終了することを示すBYEリクエストを送信する(F11)。
電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、すなわち、コード200レスポンスを受信すると、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60との間の通信を切断するために、BYEリクエストを送信する。
BYEリクエストの送信(F11)を受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F12)。
これに対して、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信され(F13)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいてリクエスト(ここでは具体的には、BYEリクエスト)が正常に処理されたことを示すコード200 OKレスポンスが返信される(F14)。これにより、電話番号の調査装置10と着信側の調査対象のメタルIP電話端末60との間のセッションが終了し、すなわち、電話番号の調査装置10と着信側の調査対象のメタルIP電話端末60との間の通信が切断される。
(実在判定/話中の場合)
図10は、SDPパラメータとして、ネットワークプロトコルについてIPv4を記述するとともに判定用SDPパラメータについて上記のメタルIP電話用SDPを記述してオファーした場合で、調査対象のメタルIP電話端末60が実在し且つ話中である場合の動作シーケンスを説明する図である。
電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20を介して調査対象となるメタルIP電話端末60に宛ててINVITEリクエストを送信する(F1)。このとき、INVITEリクエストに含まれるSDPパラメータとして、判定用SDPパラメータ(尚、ネットワークプロトコルはIPv4である)について上記のメタルIP電話用SDPが記述される。
INVITEリクエストの送信(F1)を受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の設立の際に通話が到達して発信者と着信者との間で通信回線が確立したことを示すメッセージであるACM(Address Complete Message)が返信され(F4)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいて呼び出しの進行状況を示すコード183 Session Progressレスポンスが返信される(F5)。なお、次のF6のメッセージREL(Release Message)を生成することによってACMの返信が行われない場合があり、このため、コード183 Session Progressレスポンスの返信も行われない場合がある。
さらに、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F6)。このとき、メッセージRELの理由表示値(Cause Value)が、着信者がビジー状態であることを意味するコード17(即ち、User busy)とされる。
メッセージREL(尚、理由表示値がコード17である)の送信(F6)を受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいて発信側からリクエストされたメディアリソースが現在ビジー状態であってセッションを開始できないことを示すコード486 Busy Hereレスポンスが返信される(F7)。
この場合、電話番号の調査装置10の電話番号調査判定部13は、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60が実在し且つ話中である(即ち、調査対象のメタルIP電話端末60の電話番号が実在する)と判定する。
続いて、電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACKレスポンスを返信し(F8)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信される(F9)。これにより、電話番号の調査装置10からのINVITEリクエストに係るセッションが終了する。
(欠番判定)
図11は、SDPパラメータとして、ネットワークプロトコルについてIPv4を記述するとともに判定用SDPパラメータについて上記のメタルIP電話用SDPを記述してオファーした場合で、調査対象のメタルIP電話端末60(言い換えると、電話番号)が欠番である場合の動作シーケンスを説明する図である。
電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20を介して調査対象となるメタルIP電話端末60に宛ててINVITEリクエストを送信する(F1)。このとき、INVITEリクエストに含まれるSDPパラメータとして、判定用SDPパラメータ(尚、ネットワークプロトコルはIPv4である)について上記のメタルIP電話用SDPが記述される。
INVITEリクエストの送信(F1)を受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F4)。このとき、メッセージRELの理由表示値(Cause Value)が、機器が割り当てられていない電話番号(即ち、欠番)であることを意味するコード1(即ち、Unallocated number)とされる。
メッセージREL(尚、理由表示値がコード1である)の送信(F4)を受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいて発信側からリクエストされたメディアリソースが見つからないことを示すコード404 Not Foundレスポンスが返信される(F5)。
この場合、電話番号の調査装置10の電話番号調査判定部13は、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60は欠番である(即ち、調査対象のメタルIP電話端末60の電話番号は欠番である)と判定する。なお、欠番は、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60が解約されている場合を含む
続いて、電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACKレスポンスを返信し(F6)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信される(F7)。これにより、電話番号の調査装置10からのINVITEリクエストに係るセッションが終了する。
ここで、図12は、SDPパラメータとして、判定用SDPパラメータのうち、ネットワークプロトコル(別言すると、インターネットプロトコル、IPバージョン)についてIPv4を記述してオファーする場合で、メタルIP電話用SDPのうち音声コーデックについてG.711 μ-lawのみを記述した(即ち、G.722を含まない)場合に、調査対象のメタルIP電話端末60(言い換えると、電話番号)が欠番である場合の動作シーケンスを説明する図である。
この場合は、電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)からのINVITEリクエストの送信(F1)を受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へとメッセージIAM(Initial Address Message)が送信され(F2)、続いて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へとコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51からのメッセージACMの返信(F4)を受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へとコード183 Session Progressレスポンスが返信される(F5)。
続いて、電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)から発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおける仮応答確認であるPRACK(Provisional Response Acknowledgement)リクエストが送信され(F6)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと宛てて、SIPセッションにおいてリクエスト(ここでは具体的には、PRACKリクエスト)が正常に処理されたことを示すコード200 OKレスポンスが返信される(F7)。
このとき、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと宛てて返信されるコード200 OKレスポンス(F7)は、ホームゲートウェイ19を通過することができず、したがって電話番号の調査装置10へと到達することができない。このため、図9で説明したような、電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12がコード200レスポンスを受信するとBYEリクエストを送信する、という動作は起こらない。
続いて、メタル収容装置41/51から電話番号の調査装置10へと、RTP(Real time Transport Protocol)として、着信側の機器(ここでは具体的には、調査対象のメタルIP電話端末60;言い換えると、電話番号)が欠番であることを知らせる欠番ガイダンスが送信される。
欠番ガイダンスの終了後、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へとメッセージRLCが返信され(F8)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へとコード487 Request Terminatedレスポンスが返信される(F9)。
これを受けて、電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)から発側固定IMS網20へとACKレスポンスが返信される(F10)。
このとき、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へとコード487 Request Terminatedレスポンスが返信された(F9)ことを以て、調査対象のメタルIP電話端末60(言い換えると、電話番号)が欠番であると判定するようにすることも考えられる。
しかしながら、図12に示す動作では、欠番ガイダンスの送信が終了してからメッセージRLCの返信(F8)及びコード487 Request Terminatedレスポンスの返信(F9)が行われる。このため、INVITEリクエストを送信して(F1)からACKレスポンスを返信する(F10)まで32秒程度要する。
これに対して、図11に示す動作では、INVITEリクエストを送信して(F1)からACKレスポンスを返信して(F6)メッセージRLCを返信する(F7)まで0.4秒程度しか要しない。
したがって、図12に示すように判定用SDPパラメータのうち音声コーデックについてG.711 μ-lawのみとして欠番ガイダンスの後のコード487 Request Terminatedレスポンスの返信を以て欠番判定を行うよりも、図11に示すように判定用SDPパラメータのうち音声コーデックについてG.711 μ-law及びG.722として欠番ガイダンスを経ることなくコード404 Not Foundレスポンスの返信を以て欠番判定を行う方が、大幅な時間短縮が可能である点で好ましい。
このため、SDPパラメータとして、判定用SDPパラメータのうち、ネットワークプロトコルについてIPv4を記述してオファーする場合には、他の判定用SDPパラメータのうち音声コーデックについてG.711 μ-lawに加えてG.722を記述する(即ち、G.711 μ-lawとG.722とを同時オファーする)ようにすることが適当である。
(移転判定)
図13は、SDPパラメータとして、ネットワークプロトコルについてIPv4を記述するとともに判定用SDPパラメータについて上記のメタルIP電話用SDPを記述してオファーした場合で、調査対象のメタルIP電話端末60が移転している場合の動作シーケンスを説明する図である。
電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20を介して調査対象となるメタルIP電話端末60に宛ててINVITEリクエストを送信する(F1)。このとき、INVITEリクエストに含まれるSDPパラメータとして、判定用SDPパラメータ(尚、ネットワークプロトコルはIPv4である)について上記のメタルIP電話用SDPが記述される。
INVITEリクエストの送信(F1)を受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式においてネットワーク内で通話の設立情報を伝達するメッセージであるIAM(Initial Address Message)が送信される(F2)。
続いて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいてリクエストを受け付けたことを示すコード100 Tryingレスポンスが返信される(F3)。
また、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の設立の際に通話が到達して発信者と着信者との間で通信回線が確立したことを示すメッセージであるACM(Address Complete Message)が返信され(F4)、これを受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいて呼び出しの進行状況を示すコード183 Session Progressレスポンスが返信される(F5)。
さらに、メタル収容装置41/51から電話番号の調査装置10へと、RTP(Real time Transport Protocol)として、着信側の機器の電話番号は変更されていることを知らせる移転ガイダンス及び変更後の電話番号(言い換えると、着信側の機器は移転していることを知らせる移転ガイダンス及び移転先の電話番号)が送信される。なお、移転ガイダンスの案内の時間長さは、例えば、60~80秒程度である。
移転ガイダンスの終了後、メタル収容装置41/51から発側固定IMS網20へと、ISUP信号方式において通話の終了を示すメッセージであるREL(Release Message)が送信される(F6)。このとき、メッセージRELの理由表示値(Cause Value)が、着信者の番号は変更されていることを意味するコード22(即ち、number changed (w/o diagnostic))とされる。
メッセージREL(尚、理由表示値がコード22である)の送信(F6)を受けて、発側固定IMS網20から電話番号の調査装置10(具体的には、メッセージ交換制御部12)へと、SIPセッションにおいて発信側からリクエストされたメディアリソースが以前は存在したが現在は存在しないことを示すコード410 Goneレスポンスが返信される(F7)。
この場合、電話番号の調査装置10の電話番号調査判定部13は、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60は移転している(即ち、調査対象のメタルIP電話端末60の電話番号は欠番である)と判定する。
電話番号の調査装置10は、(何らかの)ガイダンスが送信されてきた場合に当該ガイダンスを録音(別言すると、パケットキャプチャ)して音声データとして保持し、ガイダンスに続いてコード410 Goneレスポンスが返信されたときは、録音・保持した音声データを着信側の調査対象のメタルIP電話端末60の移転先の電話番号を含む音声データとしてメモリやストレージデバイス(いずれも図示していない)に保存するようにしてもよい。
電話番号の調査装置10は、さらに、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60の移転先の電話番号を含む音声データとして保存された音声データをテキスト変換(即ち、Speech to Text)し、変換後のテキストデータを着信側の調査対象のメタルIP電話端末60の移転先の電話番号を含むテキストデータとしてメモリやストレージデバイス(いずれも図示していない)に保存するようにしてもよい。
すなわち、電話番号の調査装置10は、移転ガイダンスを利用して、具体的には、移転ガイダンスとして送信される音声データをテキストデータへと変換して、着信側の調査対象のメタルIP電話端末60の移転先の電話番号情報を取得するようにしてもよい。この場合、電話番号の調査装置10は、音声変換部(図示していない)をさらに含むようにしてよい。
続いて、電話番号の調査装置10のメッセージ交換制御部12は、発側固定IMS網20へと、SIPセッションにおいて確認応答を示すACKレスポンスを返信し(F8)、これを受けて、発側固定IMS網20からメタル収容装置41/51へと、ISUP信号方式において通話の終了の確認と通話に関連するリソースの解放とを示すメッセージであるRLC(Release Complete Message)が返信される(F9)。これにより、電話番号の調査装置10からのINVITEリクエストに係るセッションが終了する。
(電話番号の調査方法)
図14は、上述の動作シーケンスをふまえた、メタルIP電話端末60の電話番号(具体的には例えば、0AB-J型固定電話の電話番号)の使用状況(具体的には、実在(空き、話中)、欠番、及び移転)を調査する仕法の整理を示す。
通信事業者に接続されるメタルIP電話端末60の0AB-J番号である固定電話の電話番号の使用状況については、SDPパラメータのうち、ネットワークプロトコル(別言すると、インターネットプロトコル、IPバージョン)についてIPv4を記述するとともに、他のSDPパラメータについてメタルIP電話用SDPを用いてSDPオファー(即ち、INVITEリクエスト)をすることにより、実在(空き、話中)、欠番、及び移転のうちのいずれであるかを的確に判定することができる。
(電話番号の調査プログラム)
本発明に係る電話番号の調査プログラムの具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る電話番号の調査プログラムは、発側固定IMS網20に接続されている複数のメタルIP電話端末(60a)に発側固定IMS網20を介して接続され、また、着側固定IMS網30に接続されている複数のメタルIP電話端末(60b)に発側固定IMS網20を介して接続される電話番号の調査装置10(図1、図7参照)に実装されるプログラムである。
実施の形態に係る電話番号の調査プログラムは、発側固定IMS網20に接続されている複数のメタルIP電話端末(60a)に発側固定IMS網20を介して接続され、また、着側固定IMS網30に接続されている複数のメタルIP電話端末(60b)に発側固定IMS網20を介して接続されるコンピュータ(具体的には、電話番号の調査装置10)に、調査対象のメタルIP電話端末60に対するINVITEリクエストにSDPパラメータを付与して(調査対象のメタルIP電話端末60へと向けて)発側固定IMS網20にINVITEリクエストを送信させる処理と、少なくとも発側固定IMS網20を介して応答メッセージを受信させる処理と、応答メッセージに応じて調査対象のメタルIP電話端末60の電話番号の使用状況を判定させる処理と、を少なくとも実行させる、ようにしている。
そして、実施の形態に係る電話番号の調査プログラムは、SDPパラメータが、ネットワークプロトコルはIPv4、メディア種別はaudioのみ、メディアのトランスポートプロトコルはRTP/AVPのみ、並びに音声コーデックはG.711 μ-law及びG.722とされている(即ち、メタルIP電話用SDP)、ようにしている。
(電話番号の情報提供システム)
図15は、本発明に係る電話番号の情報提供システムの具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る電話番号の情報提供システム100のシステム構成図である。
実施の形態に係る電話番号の情報提供システム100は、1以上のユーザ端末90と、ユーザ端末90とIP網80経由で接続されるとともに図示省略した網(例えば、発側固定IMS網20)と接続される電話番号調査サーバ(具体的には、電話番号の調査装置10)と、を含む。
実施の形態に係る電話番号の情報提供システム100は、電話番号調査サーバ(具体的には、電話番号の調査装置10)と、ユーザ端末90と、を有し、電話番号調査サーバ(具体的には、電話番号の調査装置10)が、ユーザ端末90からメタルIP電話端末60についての電話番号調査情報提供要求を受信すると、電話番号調査情報提供要求があったユーザ端末90に電話番号調査判定部13が判定したメタルIP電話端末60の電話番号の使用状況をIP網80経由で送信する網インタフェース部11を備える(図7参照)、ようにしている。
電話番号調査サーバ(具体的には、電話番号の調査装置10)は、ユーザ端末90から調査対象の電話番号に関する電話番号調査情報提供要求をIP網80経由で受信すると、電話番号の使用状況の判定結果のそれぞれに判定日時を示すタイムスタンプが付与されて時系列に記録された電話番号履歴情報が格納されている記録媒体(具体的には、電話番号履歴データベース(DB)15)を参照し、電話番号調査情報提供要求があったユーザ端末90へとIP網80経由で電話番号履歴情報を送信する。
電話番号履歴情報が格納されている記録媒体(具体的には、電話番号履歴データベース15)は、必要なユーザに単独で配布されてもよい。前記記録媒体(電話番号履歴データベース15)は、例えば、通信事業者網に専用線経由で接続される電話番号の調査装置10により生成される、調査対象の電話番号の実在の有無が記録される記録媒体であり、配布先のシステムで検索用に使用されてもよい。
電話番号履歴情報が格納されている記録媒体(具体的には、電話番号履歴データベース15)は、着信側の電話端末(具体的には、メタルIP電話端末60としての固定電話)の電話番号の使用状況について有効性を判定した結果の集合体であり、例えば、判定結果のそれぞれに判定日時を示すタイムスタンプが付与されて時系列に記録されているものである。
記録媒体(具体的には、電話番号履歴データベース15)の配布は、DVDやハードディスクに記録されたデータベースの態様での配布に限らず、通信回線を利用した配布も含まれる。
(作用効果)
実施の形態に係る電話番号の調査装置10によれば、事業者間相互接続にIMS相互接続インタフェースなどを利用して、発側固定IMS網20及び着側固定IMS網30における電話番号の使用状況の調査を実現することが可能となる。このため、発側固定IMS網20とUNI接続可能なSIPプロトコルベースの電話番号調査ツールを導入することにより、新システム基盤への円滑な移行が可能となる。
実施の形態に係る電話番号の調査装置10によれば、また、メタルIP電話端末60の電話番号が使用されている状態(有効(実在))と使用されていない状態(無効(欠番))との別を正確に判定することが可能となる。このため、発側固定IMS網20とUNI接続可能なSIPプロトコルベースの電話番号調査ツールを導入することにより、新システム基盤への円滑な移行が可能となる。
実施の形態に係る電話番号の調査プログラムによれば、電話番号の調査装置10がメモリ(図示していない)に記録されている当該プログラムを逐次読み出して実行することにより、事業者間相互接続にIMS相互接続インタフェースなどを利用して、発側固定IMS網20及び着側固定IMS網30における電話番号の使用状況の調査を実現することが可能となる。このため、発側固定IMS網20とUNI接続可能なSIPプロトコルベースの電話番号調査ツールを導入することにより、新システム基盤への円滑な移行が可能となる。
実施の形態に係る電話番号の情報提供システム100によれば、電話番号の調査装置10で判定した、電話番号が使用されている状態(有効(実在))と使用されていない状態(無効(欠番))との別を、当該情報を必要としているユーザに提供することが可能となる。また、電話番号履歴情報が格納されている記録媒体(具体的には、電話番号履歴データベース15)を、当該情報を必要としているユーザへ配布することにより、ユーザサイドで活用することを可能とし、例えば与信などにおいて有用な情報を提供することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成態様は上記の実施の形態に限定されるものではなく、上記の実施の形態に、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変形や変更などが加えられた形態も本発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では、電話番号の調査装置10が、発側固定IMS網20に接続されている複数のメタルIP電話端末(60a)に発側固定IMS網20を介して接続されているとともに、着側固定IMS網30に接続されている複数のメタルIP電話端末(60b)に発側固定IMS網20を介して接続されているようにしている。しかしながら、本発明に係る電話番号の調査装置の網接続態様は上述の実施の形態における態様に限定されるものではなく、電話番号の調査装置が、発側固定IMS網20に接続されている複数のメタルIP電話端末(60a)と、着側固定IMS網30に接続されている複数のメタルIP電話端末(60b)と、のうちのどちらか一方のみに、発側固定IMS網20を介して接続されているようにしてもよい。