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JP7406047B2 - ニッケル粉及びニッケル粒子の製造方法 - Google Patents

ニッケル粉及びニッケル粒子の製造方法 Download PDF

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JP7406047B2 JP2023511771A JP2023511771A JP7406047B2 JP 7406047 B2 JP7406047 B2 JP 7406047B2 JP 2023511771 A JP2023511771 A JP 2023511771A JP 2023511771 A JP2023511771 A JP 2023511771A JP 7406047 B2 JP7406047 B2 JP 7406047B2
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Description

本発明はニッケル粉に関する、また本発明はニッケル粒子の製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサ(MLCC)の内部電極の形成には一般にニッケル粒子が用いられる。MLCCの小型化及び高容量化に伴い、内部電極の形成に用いられるニッケル粒子には一層の微粒化が求められている。この観点から、特許文献1では個数50%径が0.09μm以下であるニッケル粉末が提案されている。同文献によれば、このニッケル粉末は、塩化ニッケルガスと還元性ガスとを接触させる気相還元法や、熱分解性のニッケル化合物を噴霧して熱分解する噴霧熱分解法によって製造される。
国際公開第2015/156080号パンフレット
特許文献1に記載のニッケル粉末には微粒のニッケル粒子が含まれている。しかし、このニッケル粉末は気相法によって製造されるものであることから粒径の制御が難しく、その結果、粒度分布が広くなりがちである。そのことに起因して、このニッケル粉末は、微粒のニッケル粒子に加えて粗粒のニッケル粒子がある程度の高い割合で含まれている。粗粒のニッケル粒子の存在は、内部電極間の短絡やMLCCの耐電圧の低下の一因となる場合がある。
したがって本発明の課題は、微粒であり且つ粗粒の含有割合が少ないニッケル粉及びそのようなニッケル粉を容易に製造し得る方法を提供することにある。
本発明は、走査型電子顕微鏡による測定から算出された円相当直径に基づく粒度分布において、累積個数50個数%における個数累積粒径をD50としたとき、
50が50nm以上200nm以下であり、
50の1.5倍以上の粒径を有する粒子の存在割合が0.5個数%以下である、ニッケル粉を提供するものである。
また本発明は、前記のニッケル粉の好適な製造方法として、
水酸化ニッケル粒子、ポリオール、ポリビニルピロリドン及びポリエチレンイミンを含む液を加熱してニッケル粒子を製造する方法であって、
1質量部のポリエチレンイミンに対して、ポリビニルピロリドンを30質量部以上200質量部以下用いる、ニッケル粒子の製造方法を提供するものである。
図1(a)は、実施例2で得られたニッケル粉についての熱機械分析の測定結果を示すグラフであり、図1(b)は、図1(a)に示すグラフを2回微分した結果を示すグラフである。 図2(a)は、本発明のニッケル粉の生成過程を示す模式図であり、図2(b)は、従来のニッケル粉の生成過程を示す模式図である。 図3は、実施例2で得られたニッケル粉の走査型電子顕微鏡像である。 図4は、比較例2で得られたニッケル粉の走査型電子顕微鏡像である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は微粒のニッケル粒子の集合体であるニッケル粉に関するものである。以下の説明において「ニッケル粉」というときには、文脈に応じ、ニッケル粒子の集合体である粉末を指す場合と、該粉末を構成する個々のニッケル粒子を指す場合とがある。
上述のとおり、本発明のニッケル粉は、微粒のニッケル粒子から構成されている。ニッケル粒子は、ニッケル元素及び不可避不純物からなるか、又はニッケル基合金及び不可避不純物からなる。ニッケル粒子の粒径は、本発明のニッケル粉を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定される。詳細には、ニッケル粉を構成するニッケル粒子をSEMによって拡大倍率50000倍で撮影し、撮影されたニッケル粒子の面積を求める。その面積から円相当直径を算出する。算出された円相当直径に基づき粒度分布を求める。粒度分布は、グラフの横軸に円相当直径をとり、縦軸に個数頻度をとる。このようにして得られた粒度分布曲線において、累積個数50個数%における個数累積粒径をD50と定義する。このように定義された粒径D50の値は50nm以上200nm以下であることが好ましい。本発明のニッケル粉の粒径D50がこの範囲内であることによって、本発明のニッケル粉を各種の用途、例えばMLCCの内部電極として用いた場合に、該内部電極間の短絡が起こりづらくなるという利点がある。この利点を一層顕著なものとする観点から、ニッケル粉の粒径D50は50nm以上180nm以下であることがより好ましく、50nm以上150nm以下であることが更に好ましく、50nm以上90nm以下であることが一層好ましい。
上述した粒度分布曲線を得るに際しては、5000個以上のニッケル粒子について円相当直径を求める。円相当直径の算出には、画像解析粒度分布測定ソフトウェア(株式会社マウンテック社製Mac-View)を用いる。観察対象とするニッケル粒子の最小単位は、SEMによって、独立した一つの粒子として認められる粒子界面が観察されるか否かで判断する。したがって、複数個の粒子からなる凝集塊が観察されたとしても、該凝集塊に粒子界面が観察される場合は、該粒子界面によって画定される領域が一つの粒子であると認定する。
本発明のニッケル粉は、これを構成するニッケル粒子が微粒であることに加えて、粗大粒子の存在割合が小さいことが好ましい。粗大粒子の存在は、本発明のニッケル粉を例えばMLCCの内部電極に用いた場合に、該内部電極間の短絡の一因となることがある。ニッケル粉中の粗大粒子の存在割合を低減することで、この短絡を効果的に防止することができる。この観点から、本発明のニッケル粉は、D50の1.5倍以上の粒径を有する粒子の存在割合(以下「粗大粒子存在割合」ともいう。)が0.5個数%以下であることが好ましく、0.3個数%以下であることが更に好ましく、0.1個数%以下であることが好ましい。
粗大粒子存在割合は0%に近ければ近いほど、内部電極間の短絡発生の防止に有効であるが、0.01%程度に粗大粒子存在割合が低ければ、内部電極間の短絡発生を効果的に防止できる。
粗大粒子の尺度として、D50の1.5倍以上の粒径を有する粒子を選定した理由は、D50の1.5倍以上の粒径では、導電膜を形成した際に導電膜の表面が粗くなる一因となり、そのことがMLCCの内部電極間の短絡発生とに極めて深く関与していることを本発明者が見出したことによるものである。
本発明のニッケル粉は、微粒であり、粗大粒子の存在割合が低いことに加えて、粒径が可能な限り均一であることが好ましい。換言すれば粒度分布曲線がシャープであることが好ましい。粒度分布曲線のシャープさは、粒径の変動係数によって評価できる。変動係数は、粒度分布における粒径の標準偏差をσ(nm)としたとき、(σ/D50)×100(%)で定義される値である。本発明のニッケル粉は、この変動係数の値が14%以下であることが、該ニッケル粉から形成されるMLCCの内部電極の表面平滑性を向上させる観点から好ましい。内部電極の表面平滑性を一層向上させる観点から、変動係数は13%以下であることが更に好ましく、12%以下であることが一層好ましい。
変動係数は0%に近ければ近いほど、内部電極の表面平滑性の一層に寄与するが、5%程度に変動係数が低ければ、十分に満足すべき程度に内部電極の表面を平滑にできる。
本発明のニッケル粉においては、これを構成するニッケル粒子の結晶性が高いことが好ましい。ニッケル粒子の結晶性が高いことは、本発明のニッケル粉が低温で熱収縮しづらいことを意味する。換言すれば、本発明のニッケル粉を焼結工程に付した場合に熱収縮終了温度が上昇することを意味する。焼結による熱収縮終了温度が高いことは、本発明のニッケル粉を用いてMLCCを製造する場合に、製造の一工程である焼結工程におけるニッケル粉の熱収縮終了温度を、誘電体粉の焼結温度に極力近づけることができる点から有利である。ニッケル粉の熱収縮終了温度と、誘電体粉の焼結温度とを近接させることは、ニッケル粉と誘電体粉との収縮度合いが近接することを意味する。したがって、本発明のニッケル粉の熱収縮終了温度が上昇することは、ニッケル粉と誘電体粉との間での収縮度合いの不適合に起因する欠陥の発生を効果的に防止し得る観点から有利である。
ニッケル粒子の結晶性は、粒径D50(nm)に対する結晶子サイズCs(nm)の比率であるCs/D50で評価する手法が、金属粉の技術分野においてしばしば用いられる。Cs/D50の値が大きいほど、ニッケル粒子はその結晶性が高いと評価できる。この観点から、本発明のニッケル粉においては、Cs/D50の値が0.3以上であることが好ましく、0.34以上であることが更に好ましく、0.38以上であることが一層好ましい。
Cs/D50はその値が大きいほどニッケル粉の熱収縮終了温度の上昇に寄与するところ、本発明においては、Cs/D50の値が好ましくは0.6以下であれば、ニッケル粉の熱収縮終了温度を十分に高くすることが可能であり、この観点からCs/D50の値は0.55以下であることが更に好ましく、0.50以下であることが一層好ましい。
結晶子サイズCsそのものの値については、ニッケル粉の熱収縮終了温度を十分に高くする観点から、15nm以上70nm以下であることが好ましく、18nm以上70nm以下であることが更に好ましく、23nm以上70nm以下であることが一層好ましい。
結晶子サイズの測定方法としては、金属粉の技術分野において様々なものが知られているところ、本明細書における結晶子サイズとはWPPF(whole powder pattern fitting)法によって測定された値のことである。結晶子サイズの測定方法としては、WPPF法の他にシェラー法が知られているところ、結晶の歪みの程度が大きい場合には、シェラー法に基づき求められた結晶子サイズの値は信頼性に欠けるものとなることから、そのようなおそれが少ないWPPF法を本発明では採用した。
WPPF法に基づく結晶子サイズの測定方法の詳細については後述する実施例において説明する。
上述のとおり、本発明のニッケル粉は、焼結時の熱収縮終了温度が高いことが好ましい。詳細には、熱収縮終了温度が650℃以上1000℃以下であることが、MLCCの製造の一工程である焼結工程におけるニッケル粉の熱収縮終了温度を、誘電体粉の焼結温度に極力近づける観点から好ましい。この観点から、熱収縮終了温度は680℃以上980℃以下であることが好ましく、700℃以上980℃以下であることが一層好ましい。
ニッケル粉の熱収縮終了温度は、熱機械分析(TMA)によって測定する、TMAの測定条件は、1体積%水素/99体積%窒素雰囲気、昇温速度10℃/minとする。図1(a)には、後述する実施例2で得られたニッケル粉について得られたTMAの測定結果が示されている。
TMAによって測定された温度と変位量との関係のグラフを2回微分して得られるグラフにおいて、上に凸のピークにおけるピークトップの温度を熱収縮終了温度と定義する。図1(b)には、図1(a)のグラフを2回微分して得られたグラフが示されている。図1(b)において、矢印で示される温度が、熱収縮終了温度である。2回微分のグラフに2以上のピークが観察される場合には、最も高温側に観察されるピークに着目し、そのピークにおけるピークトップの温度を熱収縮終了温度とする。
本発明のニッケル粉は、熱収縮終了温度が高いことに加えて、熱収縮の程度が低いことも好ましい。ニッケル粉の熱収縮の程度が低いことは、上述のとおり、MLCCの製造の一工程である焼結工程において、ニッケル粉と誘電体粉との間での収縮度合いの不適合に起因する欠陥の発生を効果的に防止し得る観点から有利である。この観点から、本発明にニッケル粉は、900℃における熱収縮量が30%以下であることが好ましく、28%以下であることが更に好ましく、25%以下であることが一層好ましい。ニッケル粉の熱収縮量は、ゼロに近ければ近いほど好ましい。
ニッケル粉の熱収縮量は、上述した熱収縮終了温度と同様に、TMAによって測定する、TMAの測定雰囲気は、1体積%水素/99体積%窒素雰囲気とする。昇温速度は10℃/minとする。TMA測定によって得られるグラフの縦軸である変位量(%)が、本明細書にいう熱収縮量のことである。
本発明のニッケル粉は、これを構成するニッケル粒子が、ニッケル元素及び不可避不純物からなるか、又はニッケル基合金及び不可避不純物からなる。ニッケル粒子がいずれの場合であっても、不可避不純物の量が極力少ないことが、本発明のニッケル粉を用いてMLCCを製造するときに発生する可能性のあるトラブルを未然に防止する観点や、MLCCの品質を維持する観点から好ましい。
本発明のニッケル粉においては、該ニッケル粉に含まれる炭素の量が極力少ないことが好ましい。炭素は、本発明のニッケル粉の製造時に使用される有機物に由来して混入しやすい。この有機物は比較的親水性であることから、本発明のニッケル粉を用いてMLCCの電極を作製する工程におけるペースト調製時に、該ペーストに用いられる溶媒(この溶媒は疎水性である。)と、前記有機物(上述のとおり比較的親水性である。)との親和性の低さに起因して、該ペーストの特性、例えば流動性が悪化する場合がある。ペーストの流動性が悪化すると、該ペーストから形成された焼結膜の表面が粗くなってしまうという不都合が生じる原因となる。
また、本発明のニッケル粉においては、製造時に混入する有機物由来の炭素の量を低減させた後に、ニッケル粒子の表面を疎水性有機物で処理をすることが好ましい。疎水性有機物がニッケル粒子の表面に存在していると、MLCCの電極を作製する工程におけるペースト調製時に、該ペーストに用いられる溶媒と、ニッケル粒子の表面に存在する疎水性有機物との親和性が高くなることから、ペーストの特性、例えば流動性が良好になる場合がある。
以上の観点から、本発明のニッケル粉においては、炭素(C)元素の含有量が3質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以下であることが更に好ましく、2質量%以下であることが一層好ましい。
同様の観点から、本発明のニッケル粉においては、炭素元素の含有量/比表面積の値が、0.01g/(m/g)以上0.35g/(m/g)以下であることが好ましく、0.03g/(m/g)以上0.30g/(m/g)以下であることが更に好ましく、0.05g/(m/g)以上0.27g/(m/g)以下であることが一層好ましく、0.05g/(m/g)以上0.20g/(m/g)以下であることが一層好ましい。
本発明のニッケル粉においては、上述したとおり、炭素の量が極力少ないことに加えて、アルカリ金属元素や、ハロゲン元素、硫黄元素の量が極力少ないことも好ましい。
アルカリ金属元素としては例えばナトリウム元素やカリウム元素が挙げられる。これらの元素がMLCCに混入するとMLCCの性能低下の一因となることがある。
ハロゲン元素としては例えば塩素元素などが挙げられる。ハロゲン元素や硫黄元素は、腐食性の元素であることから、MLCCの製造装置が、これらの元素によって腐食されるおそれがある。
以上の観点から、本発明のニッケル粉においては、ナトリウム元素の含有量が50ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることが更に好ましく、10ppm以下であることが一層好ましい。
カリウム元素の含有量については、50ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることが更に好ましく、10ppm以下であることが一層好ましい。
塩素元素の含有量については、500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることが更に好ましく、50ppm以下であることが一層好ましい。
硫黄元素の含有量については、500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることが更に好ましく、50ppm以下であることが一層好ましい。
なお本明細書にいうppmは質量基準である。ナトリウム、カリウム、硫黄の含有量は、ニッケル粉を例えば酸で溶解した溶解液を対象としたICP発光分光分析法によって測定することができる。塩素は、イオンクロマトグラフ法によって測定することができる。
次に、本発明のニッケル粉の好ましい製造方法について説明する。本製造方法においては、いわゆるポリオール法によってニッケル粉を製造する。ポリオール法とは、還元剤を兼ねた溶媒としてポリオールを用い、ニッケルの化学種をポリオール中に存在させた状態下に加熱を行うことで還元反応を生じさせて、ニッケル粒子を生成させる方法である。
本製造方法においては、ニッケル粒子を生成させるためのニッケルの化学種として水酸化ニッケルを用いることが、目的とするニッケル粉を首尾よく得られる観点から好ましい。水酸化ニッケルは、ポリオール、ポリビニルピロリドン(以下「PVP」ともいう。)及びポリエチレンイミン(以下「PEI」ともいう。)を含む混合液に添加されて反応液となされる。
反応液に含まれるポリオールは、上述のとおり、溶媒として用いられ且つ水酸化ニッケルの還元剤としても用いられる。
ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール1,5-ペンタンジオール及びポリエチレングリコール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのポリオールのうちエチレングリコールは、分子量に対してヒドロキシ基が占める割合が大きいために還元性能が高く、また常温で液状であり取り扱い性に優れることから好ましい。
ポリオールの使用量は、これを還元剤という観点で考えれば、反応液中の水酸化ニッケルの量に応じて適宜調整されればよいので、特段の限定を設ける必要性はない。一方、溶媒として機能させようとする場合には、反応液中のポリオールの濃度に応じて反応液の性状が変化するので、ある一定の適正な濃度範囲が存在する。この観点から反応液中のポリオールの濃度は50質量%以上99.8質量%以下の範囲に設定することが好ましい。
PVPは、水酸化ニッケルの分散剤として用いられる。PVPは分散剤としての効果が顕著であり、還元で生じたニッケル粒子の粒度分布をシャープにできるので好ましい。これらのPVPの分子量は、その水溶性の程度や分散能に応じて適切に調整すればよい。反応液中におけるPVPの量は、水酸化ニッケルをニッケルに換算した100質量部に対して0.01質量部以上30質量部以下とすることが好ましい。この範囲に設定することで、反応液の粘度を過度に高くすることなく、分散効果を十分に発現させることができる。また、PVPはその数平均分子量が5000以上200000以下、特に5000以上150000以下、とりわけ5000以上100000以下であることが、粒子表面に十分に均一に吸着し、凝集を抑制できる点から好ましい。
PEIは、反応液中にニッケルの核が生成している間、反応液中のニッケルイオンの数を減少させて、核生成と核成長とが同時に進行しないようにする働きを有する。この理由は、(a)PEIはニッケルイオンに対して相互作用を有する非共有電子対を有しており、ニッケルイオンと配位結合が可能であること、(b)PEIは前記非共有電子対を多量に有していること、及び(c)PEIは、反応液中に未溶解状態で存在している水酸化ニッケルの表面と相互作用が可能な水素結合部位を有していることによるものである。
PEIが反応液中に存在していることによって、図2(a)に示すとおり、ニッケルの核生成と、生成した核の成長とを順次行うことが可能になる。その結果、微粒で且つ均一な粒径を有するニッケル粉が首尾よく得られる。このこととは対照的に、還元による従来のニッケル粉の製造においては、図2(b)に示すとおり、核生成と核成長とが同時に生じるので、粗大粒子が生成しやすく、その上、粒径にばらつきが生じやすい。
以上の観点から、PEIとして、直鎖状のものを用いるよりも、分岐鎖状のものを用いることが有利である。同様の観点から、数平均分子量が600以上10000以下、特に800以上5000以下、とりわけ1000以上3000以下であるPEIを用いることも好ましい。
特に本製造方法においては、反応液に含まれるPVPとPEIとの比率を特定の範囲に設定することで、図2(a)に示すとおり、ニッケルの核生成と、核成長とを順次行うことが確実になる。詳細には、1質量部のPEIに対して、PVPを30質量部以上200質量部以下用いることが好ましく、40質量部以上150質量部以下用いることが更に好ましく、50質量部以上130質量部以下用いることが一層好ましい。
反応液中のPEIの量は、PVPとPEIとの比率が上述の範囲を満たすことを条件として、PVPの量に応じて適切に設定される。
反応液には貴金属触媒を含有させることもできる。これによって、還元の初期段階において貴金属の微細な核粒子が生成し、その核粒子を起点としてニッケルが円滑に還元するようになる。貴金属触媒としては、例えば貴金属の水溶性塩等の貴金属化合物を用いることができる。貴金属の水溶性塩の例としては、パラジウム、銀、白金、金等の水溶性塩が挙げられる。貴金属としてパラジウムを用いる場合には、例えば塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アンモニウムパラジウム等を用いることができる。銀を用いる場合には、例えば硝酸銀、乳酸銀、酸化銀、硫酸銀、シクロヘキサン酸銀、酢酸銀等を用いることができる。白金を用いる場合には、例えば塩化白金酸、塩化白金酸カリウム、塩化白金酸ナトリウム等を用いることができる。金を用いる場合には、例えば塩化金酸、塩化金酸ナトリウム等を用いることができる。これらのうち、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸銀及び酢酸銀は、安価で経済性がよいので好ましく用いられる。貴金属触媒は、前記の化合物の形態で又は該化合物を水に溶解させた水溶液の形態で添加して用いることができる。反応液に含有させる貴金属触媒の量は、水酸化ニッケルをニッケルに換算した100質量部に対して0.01質量部以上5質量部以下、特に0.01質量部以上1質量部以下であることが好ましい。
以上の各成分を含むスラリーを撹拌しながら加熱して、水酸化ニッケルの還元を行う。加熱温度は、使用するポリオールの種類にもよるが、大気圧下において好ましくは150℃以上200℃以下、更に好ましくは170℃以上200℃以下、一層好ましくは190℃以上200℃以下で加熱することによって、水酸化ニッケルの還元を首尾よく行うことができる。
水酸化ニッケルの還元によって液中にニッケル粒子が生成する。還元の副反応として、PVP及びPEIの分解が生じて親水性の有機物が生成することがある。この有機物がニッケル粒子の表面に付着すると、該ニッケル粒子の表面は親水性となる。表面が親水性であるニッケル粒子からなるニッケル粉を用いてペーストを調製すると、先に述べたとおり、該ペーストに用いられる溶媒(この溶媒は疎水性である。)と、前記有機物(上述のとおり親水性である。)との親和性の低さに起因して、該ペーストの特性、例えば流動性が悪化する場合がある。この不都合が生じることを防止することを目的として、生成したニッケル粒子を十分に水洗することが望ましい。水洗は、水洗後のニッケル粉に含まれる炭素の量が、0.25g/(m/g)以下となるまで行うことが好ましい。
ニッケル粉に含まれる炭素の量を更に低減させることを目的として、水洗後のニッケル粉、又は洗浄を経ていないニッケル粉を塩基性水溶液で処理することが好ましい。この処理によって、ニッケル粒子の表面に存在している親水性の有機物を一層除去することが可能になる。ニッケル粉を処理するための塩基性水溶液としては、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類基金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、第四級アンモニウム塩、アンモニアの水溶液が挙げられる。具体的には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の水溶液を用いることができる。これらの塩基性水溶液の溶質は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの塩基性水溶液の溶質のうち水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムはアルカリ金属元素を含まないことから好ましい。
塩基性水溶液のpHは好ましくは7.5以上14.0以下であり、更に好ましく9.0以上14.0以下である。塩基性水溶液による処理は、水洗後のニッケル粉に含まれる炭素の量が、0.10g/(m/g)以下となるまで行うことが好ましい。
このようにして得られたニッケル粉に対して、疎水性有機物による処理を施すことが好ましい。この処理を施したニッケル粉は、これを用いてペーストを調製するときに、該ペーストに含まれる有機溶媒との親和性が高いことから、該ペーストの特性、例えば流動性が良好になるという利点がある。ペーストの流動性が良好になることは、該ペーストから形成された焼結膜の表面を平滑にできる点から有利である。疎水性有機物による処理は、該処理後のニッケル粉に含まれる炭素の量が、合成直後のニッケル粉(すなわち水洗前又は塩基性水溶液による処理前)に含まれる炭素の量を上回らない限度で行うことが、粒子に余剰に吸着した該疎水性有機物がペースト中へ溶出することを防止する観点から好ましい。
前記疎水性有機物としては、各種の脂肪酸や脂肪族アミンが挙げられる。特に炭素数6以上18以下、とりわけ炭素数10以上18以下である飽和又は不飽和脂肪酸あるいは脂肪族アミンを用いることが、良好な特性を有するペーストを調製し得る点から好ましい。そのような脂肪酸あるいは脂肪族アミンの具体例としては、安息香酸、カプリン酸ペンタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ラウリルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミンなどが挙げられる。
脂肪酸及び脂肪族アミン以外に、チオール及びメルカプタンなどの硫黄含有有機化合物も、疎水性有機物として用いることができる。例えばデカンチオール、ドデカンチオール及びステアリルメルカプタンなどを用いることができる。
更に、カルボキシル基を含む高分子及びアミノ基を含む高分子等を、疎水性有機物として用いることもできる。
疎水性有機物は、それぞれ1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記疎水性有機物として市販品も用いることができる。そのような市販品としては、例えば日油株式会社のエスリーム(登録商標)などが挙げられる。
以上の方法で製造されたニッケル粉は、微粒且つ均一な粒径という特徴を活かして様々な分野に用いられる。特にMLCCの内部電極の形成に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
500mlのビーカーに、445gのエチレングリコール、64gの水酸化ニッケル粒子、12gのポリビニルピロリドン、0.14gのポリエチレンイミン、及び0.06mlの硝酸パラジウム水溶液(濃度:100g/l)を加えスラリーを調製した。ポリエチレンイミンは分岐鎖状のものであり、数平均分子量は1800であった。ポリビニルピロリドンの数平均分子量は40000であった。スラリーを撹拌しながら加熱し、198℃で6時間還元反応を行った。その後、加熱を停止して還元を終了させ、室温まで自然放冷した。このようにして、多数のニッケル微粒子を生成させた。
〔実施例2〕
実施例1において、ポリエチレンイミンを0.2g、硝酸パラジウム水溶液を0.13mlに変更した以外は、実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、ポリビニルピロリドンを14g、ポリエチレンイミンを0.28g、硝酸パラジウム水溶液を0.18mlに変更した以外は、実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。
〔実施例4〕
実施例1において、ポリビニルピロリドンを18g、ポリエチレンイミンを0.3g、硝酸パラジウム水溶液を0.8mlに変更した以外は、実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。
〔実施例5〕
実施例1の還元反応によって得られたニッケル粒子分散液を含むビーカーの底に磁石を配置してニッケル粒子を磁石に引き寄せた。この状態下に、前記分散液の上澄みを除去した。
磁石を取り除いた後、純水50gを加えて混合して分散液を10分撹拌した。磁石を再びビーカーの底に配置してニッケル粒子を磁石に引き寄せた。この状態下に、分散液の上澄みを除去した。
磁石を取り除いた後、5%アンモニア水溶液50gを添加して分散液を10分撹拌した。磁石を再びビーカーの底に配置してニッケル粒子を磁石に引き寄せた。この状態下に、分散液の上澄みを除去した。
磁石を取り除いた後、純水50gを加えて混合して分散液を10分撹拌した。磁石を再びビーカーの底に配置してニッケル粒子を磁石に引き寄せた。この状態下に、分散液の上澄みを除去することで、残存するアンモニアを除去した。
次いで、メタノール50gを加えて10分撹拌し、上澄みの除去を磁石によって3回繰り返して溶媒をメタノールに置換した。
0.8gのエスリーム(登録商標)C2093I(日油株式会社製)を5gのメタノールに溶解した液を、ニッケル粒子の分散液に加えて60分撹拌した。その後、磁石を用いて上澄みを除去して、表面処理されたニッケル粒子を得た。
〔実施例6〕
実施例2の還元反応によって得られたニッケル粒子分散液を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、表面処理されたニッケル粒子を得た。
〔実施例7〕
実施例3の還元反応によって得られたニッケル粒子分散液を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、表面処理されたニッケル粒子を得た。
〔実施例8〕
実施例4の還元反応によって得られたニッケル粒子分散液を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、表面処理されたニッケル粒子を得た。
〔比較例1〕
本比較例では水系でニッケル粉を製造した。詳細には、硫酸ニッケル・6水和物900g、クエン酸35g、ホスフィン酸ナトリウム12.5gを純水1Lに溶解させて水溶液を得た。得られた水溶液を、液温を60℃に維持した水酸化ナトリウム濃度25%の水溶液760gに10分間にわたって添加して、ニッケルの水酸化物を析出させた。この懸濁液の液温を80℃に維持しながら、ヒドラジン・1水和物940gを5分間にわたって添加して、ニッケルの水酸化物をニッケルに還元し、ニッケル粉を得た。
〔比較例2〕
本比較例では、実施例1においてPEIを用いなかった。また、硝酸パラジウム水溶液を0.4mlに変更した以外は、実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。
〔評価1〕
実施例及び比較例で得られたニッケル粉について、上述の方法で粒度分布を測定し、粒径D50、粗大粒子存在割合及び変動係数を求めた。SEMとして日本電子株式会社製のJSM-7100Fを用いた。
また、以下の方法でWPPF法に基づく結晶子サイズを求めた。
以上の結果を以下の表1に示す。また、実施例2及び比較例2で得られたニッケル粉のSEM像を図3及び図4に示す。
〔WPPF法に基づく結晶子サイズの測定〕
結晶子サイズは、X線回折測定によって得られるニッケルに由来する回折ピークから、WPPF法を用いて算出することができる。X線回折測定の条件は、後述する実施例にて詳述する。
装置名 SmartLab(9KW):リガク社製
<装置構成>
波長
・ターゲット:Cu
・波長タイプ:Kα1
・Kα1:1.54059(Å)
・Kα2:1.54441(Å)
・Kβ:1.39225(Å)
・Kα12強度比:0.4970
・水平偏光率:0.500
回折装置
・ゴニオメーター:SmartLab
・アタッチメントベース:Zステージ単独
・アタッチメント:ASC6-反射
<測定条件>
・光学系属性:集中法
・CBO選択スリット:BB
・入射平行スリット:Soller_slit_5.0deg
・入射スリット:2/3deg
・長手制限スリット:10.0mm
・受光スリット1:20.000mm
・受光平行スリット:Soller_slit_5.0deg
・受光スリット2:20.000mm
・アッテネーター:Open
・検出器:D/teX Ultra250
・スキャン軸:2θ/θ
・スキャンモード:連続
・スキャン範囲:5.0000~140.0000deg
・ステップ幅:0.0100deg
・スキャンスピード/計測時間:2.015572deg/min
・データ点数:13501点
・管電圧:45kV
・管電流:200mA
・HV:0.00
<X線回折用試料の調製方法>
測定対象のニッケル粉を測定ホルダに敷き詰め、ニッケル粉からなる層の厚さが0.5mmで、且つ測定表面が平滑となるように、ガラスプレートを用いて平滑化した。
上述の測定条件にて得られたX線回折パターンを用いて、以下の条件にて、解析用ソフトウェアによって解析した。解析では、米国国立標準技術局(NIST)が提供する標準物質である六ホウ化ランタン粉末(SRM660シリーズ)から得られたデータを用いて補正した。結晶子サイズは、WPPF法を用いて算出した。
<測定データ解析条件>
・解析用ソフトウェア:Rigaku製PDXL2
・解析手法:WPPF法
・データ処理:自動プロファイル処理
(リガク社 PDXLユーザーマニュアル p.305)
〔評価2〕
以下の方法でニッケル粉に含まれる不純物元素の量を定量した。更に、ニッケル粉の比表面積を以下の方法で測定した。それらの結果を以下の表2に示す。
〔不純物元素の定量〕
1.00gのニッケル粉を15%硝酸水溶液50mlに溶解させて溶解液を得た。この溶解液を、ICP発光分光分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製PS3520VDDII)に導入して、ナトリウム、カリウム及び硫黄の含有量を測定した。
また、1.00gのニッケル粉を純水20.0mlに加え、更に2.5g/l硝酸銀水溶液を2ml、70%硝酸水溶液を10ml加えて90℃で加熱した。この水溶液を常温まで放冷し、1.5g/l臭化カリウム水溶液を1ml加えた。得られた沈殿物を吸引ろ過後、純水で洗浄し、10g/lチオ尿素水溶液20mLに溶解させ、ろ過した。この溶解液を、イオンクロマトグラフ分析装置(メトロームジャパン株式会社製930CompactICFlex)に導入して、塩素の含有量を測定した。
更に、ニッケル粉に含まれる炭素の量を、水洗前(C1)、塩基性水溶液による処理後(C2)、及び表面処理後(C3)において、以下の方法で測定した。
炭素・硫黄分析装置(LECOジャパン合同会社製CS844)を用いた。実施例及び比較例のニッケル粉0.50gを磁性坩堝に入れて測定した。キャリアガスは酸素ガス(純度:99.5%)とした。分析時間は40秒とした。
〔比表面積の測定〕
比表面積は、BET法に基づき、株式会社マウンテック製の「Macsorb」を用い、窒素吸着法で測定した。測定粉末の量は0.2gとした。予備脱気条件は真空下、80℃で30分間とした。
〔評価3〕
実施例及び比較例で得られたニッケル粉について、以下の方法で、ニッケル粉を含む焼結膜の表面粗さRz、並びに熱収縮終了温度及び熱収縮量を測定した。更に、焼結膜の製造に用いた塗布液の粘度を測定した。それらの結果を以下の表3に示す。
〔熱収縮終了温度及び熱収縮量〕
TMAの測定装置としてセイコーインスツル株式会社製のEXSTAR 6000を用いた。500mgのニッケル粉をφ5.0mmのステンレス製カップに入れ、1.0MPaで加圧成形してペレットを製造した。得られたペレットを測定対象試料として用い、これを測定装置にセットした。1体積%水素/99体積%窒素雰囲気下に試料を10℃/minで昇温させた。室温(25℃)から測定を開始し、温度と変位量(%)との関係を示すグラフを得た。
〔焼結膜の表面粗さRz〕
4gのターピネオールに0.1gのエチルセルロースを溶解させ、次いで5gのニッケル粉を添加して混合物を得た。この混合物を、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製の「あわとり練太郎(登録商標)」)を用いて混合した。次いで、この混合物を3本ロールに4回通して解砕した。3本ロールのギャップは8μmに設定した。このようして塗布液を得た。
この塗布液の粘度(25℃)を、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製のHAAKE RheoStress3000を用いて測定した。
この塗布液を、ガラス基板に塗布して塗膜を形成した。塗膜の湿潤厚みは35μmであった。この塗膜を、窒素雰囲気で350℃、10分間で焼結させて焼結膜を得た。
得られた焼結膜の表面粗さRzを、SURFCOM 130Aを用いて測定した。測定条件は、評価長さ6.0mm、測定速度0.6mm/sとした。
Figure 0007406047000001
Figure 0007406047000002
Figure 0007406047000003
表1ないし表3に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られたニッケル粉は、熱収縮終了温度が高く且つ焼結膜の表面粗さRzの値が小さいものであることが分かる。
これに対して、比較例1で得られたニッケル粉は、熱収縮終了温度が低く且つ焼結膜の表面粗さRzの値が大きいものであることが分かる。
比較例2で得られたニッケル粉は、熱収縮終了温度は高いものの、粗粒が多く存在することに起因して、焼結膜の表面粗さRzの値が大きくなってしまった。
また、実施例1ないし4と、実施例5ないし8との対比から明らかなとおり、還元によって得られたニッケル粉を塩基性水溶液で処理することで、塗布液の粘度が低下し、そのことに起因して焼結膜の表面の平滑性が向上することが分かる。
本発明によれば、微粒であり且つ粗粒の含有割合が少ないニッケル粉が提供される。したがって、このニッケル粉は例えばMLCCの内部電極の形成材料として好適に用いられる。また本発明によれば、そのようなニッケル粉を容易に製造することができる。

Claims (11)

  1. 走査型電子顕微鏡による測定から算出された円相当直径に基づく粒度分布において、累積個数50個数%における個数累積粒径をD50としたとき、
    50が50nm以上200nm以下であり、
    50の1.5倍以上の粒径を有する粒子の存在割合が0.5個数%以下であり、
    WPPF法によって測定された結晶子サイズをCs(nm)としたとき、Cs/D50の値が0.3以上0.6以下であり、
    前記粒度分布における粒径の標準偏差をσ(nm)としたとき、(σ/D 50 )×100(%)の値が14%以下である、ニッケル粉。
  2. ナトリウム元素の含有量が50ppm以下であり、カリウム元素の含有量が50ppm以下であり、塩素元素の含有量が500ppm以下であり、且つ、硫黄元素の含有量が500ppm以下である、請求項1に記載のニッケル粉。
  3. 1体積%水素/99体積%窒素雰囲気下、900℃での熱収縮量が30%以下である、請求項1又は2に記載のニッケル粉。
  4. 1体積%水素/99体積%窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minでの熱収縮終了温度が650℃以上1000℃以下である、請求項1又は2に記載のニッケル粉。
  5. 炭素元素の含有量/比表面積の値が、0.01g/(m/g)以上0.35g/(m/g)以下である、請求項1又は2に記載のニッケル粉。
  6. 水酸化ニッケル粒子、ポリオール、貴金属化合物、ポリビニルピロリドン及びポリエチレンイミンを含む液を加熱してニッケル粒子を製造する方法であって、
    1質量部のポリエチレンイミンに対して、ポリビニルピロリドンを30質量部以上200質量部以下用い
    酸化ニッケルをニッケルに換算した100質量部に対して前記貴金属化合物を0.01質量部以上5質量部以下用いる、ニッケル粒子の製造方法。
  7. 前記液を150℃以上200℃以下に加熱する、請求項に記載の製造方法。
  8. 前記ポリオールとして、エチレングリコールを用いる、請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記ポリエチレンイミンとして、数平均分子量が600以上10000以下である分岐鎖ポリエチレンイミンを用いる、請求項6又は7にニッケル粒子の製造方法。
  10. 製造されたニッケル粒子を水洗するか、又は塩基性水溶液で処理する、請求項6又は7に記載の製造方法。
  11. 水洗後のニッケル粒子、又は前記塩基性水溶液で処理した後のニッケル粒子を、疎水性有機物によって処理する、請求項10に記載の製造方法。
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