JP7405169B2 - 手切り開封用低吸着性積層体と、該積層体を用いた包装材料及び包装体 - Google Patents
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Description
これらの樹脂は、ヒートシールにより高い密着強度を達成することができるが、種々の有機化合物を吸着し易いことが知られている。
したがって、これらの樹脂からなるシール層を最内層、すなわち内容物と接する層として有する包装材料は、有機化合物を薬効成分として含む化成品、医薬品、食品等の包装には、有効成分や香気成分が吸着される為に有効量が低下してしまうために不適であり、あらかじめ内容物中に有効成分や香気成分を多めに含ませる等の対策が必要である。
しかしながら、アクリロニトリル系樹脂は、良好なシール強度が得られないという問題があり、また高価であるため、より好ましい非着性シール層の開発が求められている。
バリヤー性、遮光性、及び補強性からなる群から選択される1種または2種以上の特性を有する層であり、前記シール層は、非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を用いた樹脂組成物から形成された層を有し、前記非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を用いた樹脂組成物のガラス転移温度が70~90℃であり、経皮吸収テープを包装するための、手切り開封用低吸着性積層体、及び該積層体を用いた包装材料と包装体が、上記の目的を達成することを見出した。
1.少なくとも、基材層と、機能層と、シール層と、該シール層を接着する接着剤層とを有する、手切り開封用低吸着性積層体であって、
前記機能層が、ガスバリヤー性、遮光性、及び補強性からなる群から選択される1種または2種以上の特性を有する層であり、
前記シール層は、非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物から形成された層を有し、
前記非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を用いた樹脂組成物のガラス転移温度が70~90℃である、
経皮吸収テープを包装するための、手切り開封用低吸着性積層体。
2.前記非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂が、非晶性ネオペンチルグリコール変性ポリエステル樹脂である、上記1に記載の、手切り開封用低吸着性積層体。
3.前記非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂が、非晶性ネオペンチルグリコール変性PETである、上記1または2に記載の、手切り開封用低吸着性積層体。
かつ、2層以上で構成されている場合には、各層は同一または異なる組成からなる、上記1~3の何れかに記載の、手切り開封用低吸着性積層体。
5.前記機能層が、アルミニウム箔層を有するものである、上記1~4の何れかに記載の、手切り開封用低吸着性積層体。
6.前記基材層が、紙層を有するものである、上記1~5の何れかに記載の、手切り開封用低吸着性積層体。
7.上記1~6の何れかに記載の手切り開封用低吸着性積層体を用いて作製された、経皮吸収テープを包装するための、手切り開封用低吸着性包装材料。
8.上記7に記載の手切り開封用低吸着性包装材料を用いて作製された、経皮吸収テープを包装するための、手切り開封用低吸着性包装体。
本発明の積層体は、種々の有機化合物、特に脂溶性物質、例えば、l-メントール、カンフル(樟脳)、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、ビタミンE酢酸エステル、リモネン等の成分を吸着しにくく、これらに類似した特性の成分を含有する薬剤や、経皮吸収薬剤を含有した製品用の包装材料として好適に使用することができる。
したがって、本発明の手切り開封用低吸着性積層体は、種々の包装材料として使用することに適しており、手切り開封性や、低吸着性が求められる医薬品の包装材料として好適であり、特に、経皮吸収テープを包装する包装材料として好適である。
図1は、本発明の積層体の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。図1に示されるように、本発明の積層体は、基材層1と、接着剤層2と、機能層3と、接着剤層4と、非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物から形成されたシール層5とを積層してなるものであってよい。機能層3は、例えばガスバリヤー性フィルムまたは金属箔等を有するものであってもよい。
本発明において、基材層には、包装される内容物の種類や、物流において要求される機械的強度、耐薬品性、耐溶剤性、製造性等に応じて、種々の材料が適用され得るものである。
例えば、各種包装材料や包装容器に用いられる任意の樹脂フィルムを使用することができ、貼り合わせる機能層やシール層の種類等に応じて、適するものを自由に選択して使用することができる。また、紙等を積層することも可能である。
なお、基材層の両面または片面に、例えば、文字、図形、記号等の所望の絵柄印刷層を任意に形成することができる。
66等の各種ナイロン)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂等)、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等の各種の樹脂を含むフィルムを使用することができるが、これらの樹脂に限定されない。
層間の接着強度を高める観点からは、ホモPETからなる樹脂フィルムが特に好ましく、数平均分子量が2~3万程度の汎用のホモPETを好適に用いることができる。
また、本発明において、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)とは、旧JIS K6748:1995やJIS K6899-1:2000にて定義されたものを指す。
また、本発明の積層体における基材層には、積層体の加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。
この場合、これら添加剤を基材層に、極微量~数10質量%まで、その目的に応じて任意に含有させればよい。
上記樹脂フィルムは無延伸であってもよく、一軸又は二軸延伸フィルムであってもよいが、二軸延伸フィルムが、寸法安定性、耐熱性、機械的強度の点から好ましい。また、2枚またはそれ以上の樹脂フィルムを貼り合わせた多層構成の樹脂フィルムであってもよい。
本発明において、上記基材層は、Tダイ製膜法(キャスト製膜法)、インフレーション製膜法等の製膜化法を用いて単層、又は多層製膜したものを用いることができる。
また、基材層の厚みは、包装用途に応じて、当業者が適宜に決定することができるが、好ましくは6~50μm、より好ましくは9~25μmである。
また、基材層を構成する樹脂フィルムの積層面は、接着性を高めるために、表面処理(例えば、コロナ放電処理やプライマー処理など)されていてもよい。
本発明における機能層は、ガスバリヤー性、遮光性、補強性からなる群から選択される1種または2種以上の特性を有する層であり、上記性能を有するフィルムや蒸着膜を用いることができる。
具体的には、PET、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体等の樹脂及びそれらの混合物の樹脂フィルム、上述のガスバリヤー性フィルムの少なくともいずれか一方の面上にシリカや酸化アルミニウム等の蒸着膜を形成したフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、等を使用することができ、更には2種以上を及び組み合わせて使用することもできるが、これらに限定されない。
尚、蒸着膜を、基材層やシール層上に形成することも可能である。
主に補強性(剛性)を付与する場合には、上記フィルムの中でも、樹脂フィルムを用いることが好ましい。
主にガスバリヤー性を付与する場合には、上記フィルムの中でも、シリカ蒸着フィルム、酸化アルミニウム蒸着フィルム、アルミニウム箔を使用することが好ましい。
主に遮光性を付与する場合には、アルミニウム箔が遮光性に特に優れ、光照射による積層体と充填物の劣化を抑えることができるため、好適に用いることができる。
本発明において、機能層の厚さは、5~30μm程度とすることが好ましい。
本発明の包装材料は、シール層を接着する接着剤層を有する。
本発明において、シール層を接着する接着剤層を構成する接着剤としては、ドライラミネート用接着剤を使用することができる。
ドライラミネート用接着剤は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、さらに接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
ドライラミネート用接着剤としては、シール層の非晶性のグリコール変性ポリエステル樹脂との接着性を高める点から、ポリウレタン系接着剤が好ましい。
することで、良好な接着性が得られる。
尚、上記接着剤は、シール層以外の層を接着する接着剤層にも用いることができる。
本発明において、シール層は、非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物から形成された層を有するものである。
シール層の構成は、単層であっても、2層以上からなる多層構成であってもよい。多層構成の場合は、層毎に組成や厚みが異なっていても、同一であってもよく、非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を含まない層があってもよい。
例えば、ヒートシール性に優れた組成を有する層を最表面にすることで、または厚くすることで、包装材料のヒートシール性やシール強度を高めることができ、非吸着性に優れた組成を有する層を最表面にすることで、または厚くすることで、積層体の非吸着性を高めることができる。
ガラス転移点がこの範囲よりも高いと、ヒートシールに高温を必要としたり、または十分なシール強度が得られ難い傾向が生じる。
ガラス転移点がこの範囲よりも低いと、ヒートシール時に、ヒートシール部の周囲にてシール層同士の仮着が生じ易い傾向になる。
また、本発明において、ガラス転移点は、JIS K7121に準拠して測定される。
本発明において、非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂は、数平均分子量が20000~40000であり、固有粘度(IV値)が0.7~1.3dl/gであることが、良好な製膜性、積層体の低吸着性、ヒートシール性、手切れ性を得るためには好ましい。
本発明における非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸及び多価アルコール・フェノール類由来のポリエステル構造を有する樹脂であり、該多価アルコール・フェノール類由来の構造部の一部または全部がグリコール類由来の構造のものである。
上記の多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸(不飽和脂肪酸の二量体又はその水素添加物を主体とするもの)、ジフェニルカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5-スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられる。
上記の多価アルコール・フェノール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物等が挙げられる。
ここで、非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を構成する全多価アルコール・フェノール類由来の部位の20~40モル%が、グリコール類由来の構造であることが好ましい。
これらが50モル%よりも小さいと、耐衝撃性及び非吸着性が損なわれやすい傾向にある。
また、多価カルボン酸及び多価アルコール・フェノール類由来の部位の合計量100モル%に対して、テレフタル酸及びエチレングリコール由来の部位の合計量が、50~95モル%であることが好ましい。
95モル%よりも大きいと、非晶性が失われ、シール強度が損なわれやすい傾向にある。
非晶性ネオペンチルグリコール変性ポリエステル樹脂とは、非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂の中でも、全多価アルコール・フェノール類由来の部位に、ネオペンチルグリコール由来の構造を有するものである。
非晶性ネオペンチルグリコール変性ポリエステル樹脂においては、全多価アルコール・フェノール類由来の部位の20~40モル%が、ネオペンチルグリコール類由来の構造であることが特に好ましい。
非晶性ネオペンチルグリコール変性PETにおいては、非晶性ネオペンチルグリコール変性PETを構成する全多価アルコール・フェノール類由来の部位の20~40モル%が、ネオペンチルグリコール由来の構造であることが好ましい。
、染料、顔料等の着色剤、更には、改質用樹脂等の添加剤の1種または2種以上を含んでもよい。
非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物から形成された層の層厚は、良好な製膜性とヒートシール性と低吸着性を得るためには、10μm~60μmが好ましく、より好ましくは15μm~60μmであり、特に好ましくは20~50μmであり、25~50μmが最も好ましい。
10μm未満では製膜が困難で安定性が悪く、シール強度が弱くなりやすい傾向にあり、60μmより厚いとシーラントフィルムとして硬く、コストも高くなるため好ましくない。
本発明において、シール層を形成及び積層する方法は特に限定されず、公知または慣用の製膜方法や積層方法を適用できる。
例えば、Tダイ製膜法(キャスト製膜法)、インフレーション製膜法などによって予め製膜したシール層用フィルムを、ドライラミネーション等により、接着剤層を介して積層して積層体を作製しても良い。
または、押出法や共押出法によって、基材層または機能層上に、接着剤層を介して、シール層を積層して積層体を作製してもよい。
更にまたは、ベース樹脂層、接着剤層及びシール層等からなるシーラントフィルムを予め作製しておき、機能層や基材層と接着して積層体を作製することも可能である。
その場合、ベース樹脂層の層厚は、10~30μm、より好ましくは10~20μmである。10μmより薄いと基材としての強度不足であり、また30μmより厚いとシーラントフィルムとして硬く、コストも高くなるため好ましくない。
ベース樹脂層は、任意の樹脂フィルムからなり、各種包装材や包装容器に用いられる任意の樹脂フィルムを使用することができ、貼り合わせる基材層、機能層、シール層の種類等に応じて、適するものを自由に選択して使用することができる。
ベース樹脂層を構成する樹脂フィルムの具体例としては、オレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、ハロゲン含有樹脂(塩化ビニル系樹脂等)、ビニルアルコール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂(ホモポリエチレンテレフタレート(ホモPET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等)、ポリフェニレンエーテル系樹脂等からなる樹脂フィルムが例示できる。
ホモPETは、数平均分子量が2万~3万程度の汎用のものを好適に用いることができる。
上記樹脂フィルムは無延伸であってもよく、一軸又は二軸延伸フィルムであってもよい。また、2枚またはそれ以上の樹脂フィルムを貼り合わせた多層構成の樹脂フィルムであってもよい。
本発明の積層体は、少なくとも、上記の、基材層と、機能層と、シール層と、該シール層を接着する接着剤層とを有する、手切り開封用低吸着性積層体である。
本発明の積層体としては、例えば、基材層、機能層と、該シール層を接着する接着剤層、シール層の順で積層され、シール層が積層体の少なくとも一方の最表層に位置しているものが挙げられる。
各層は、単層または多層積層であり、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無等の使用条件に応じて、各種包装袋及び包装容器に用いられる原材料を特に限定されず、適するものを自由に選択して使用することができる。
更に、各層の間に接着剤層を有することもできる。
好ましく使用される積層体の具体例としては、二軸延伸PETフィルム上に、接着剤層を介してアルミニウム箔を貼り、該アルミニウム箔側の面上に、接着剤層を介して、シール層を積層された積層体が挙げられる。
本発明の包装材料は、上記の積層体を包装材料として用いて得られるものである。
本発明の包装体は、上記の包装材料から作製されるものである。
例えば、上記の包装材料を、シール層が対向するように折り曲げるか、または包装材料2枚を重ね合せて、その周辺端部を例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態へとヒートシールすることにより、種々の形態の包装袋を作製することができる。
また、上記の積層体を蓋材として使用することもでき、その際は、樹脂製容器の開口部に、シール層の面が接するように積層体を重ね合せ、上記方法でヒートシールすることによって包装容器を製造することができる。
上記包装袋や包装容器は、特に、有機化合物を有効成分として含む化成品、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の包装のために、例えば、手切り開封して使用する経皮吸収テープ剤を包装する為の外袋として、または化粧水等の詰め替え用内容物に使用されるスタンディングパウチとして、好適に使用することができる。
ドライラミネート用接着剤:ロックペイント(株)社製RU77Tとアドロック社製H-7との、重量比10/1混合物。
二軸延伸PETフィルム:東洋紡(株)社製、E-5100。厚さ12μm、片面コロナ処理済み。
アルミニウム箔:日本製箔(株)社製、A1N30H-O。厚さ7μm。
非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂:東洋紡(株)社製、SI-173。非晶性ネオペンチルグリコール変性PET。Tg78℃、MD方向の引張破断伸度3%。多価アルコ
ール・フェノール類由来構造の30モル%がネオペンチルグリコール、70モル%がエチレングリコール。軟化点185℃、数平均分子量25000、溶融粘度7000dPa・s/250℃。
無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム:東洋紡(株)社製、P1128。厚さ30μm。MD方向の引張破断伸度334%。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム:三井化学東セロ(株)社製、TUX-MCS。厚さ30μm。MD方向の引張破断伸度288%。
ポリアクリロニトリル(PAN)フィルム:タマポリ(株)社製 ハイトロンBX。厚さ
30μm。MD方向の引張破断伸度100%。
Tダイ法
押出し温度:240~250℃
ドライラミネート法
乾燥条件:70~80℃
ラミネート温度:50~70℃
ラミネート圧力:0.4~0.6MPa
非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂をTダイ製膜法により押出し、シール層用の、厚さ30μmの非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂フィルムを得た。
基材層用の二軸延伸PETフィルムにドライラミネート用接着剤を塗布、乾燥して接着剤層を形成し(乾燥後重量3.5g/m2)、当該接着剤層の面に、機能層として、アル
ミニウム箔をドライラミネート(DL)法により積層した。
次いで、上記で得られた積層材のアルミニウム箔側の面に、ドライラミネート用接着剤を塗布、乾燥して接着剤層を形成し(乾燥後重量3.5g/m2)、当該接着剤層の面に
、シール層である上記非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂フィルムをドライラミネート法により積層して、下記層構成の積層体を得た。そして、得られた積層体を用いて、各種評価を実施した。評価結果を表1に示す。
(層構成)
二軸延伸PETフィルム(12μm)/接着剤(3.5g/m2)/アルミニウム箔(7
μm)/接着剤(3.5g/m2)/非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂フィルム(
30μm)
非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂フィルムの代わりに、表1の構成に従って、市販フィルムをシール層に用いた以外は、実施例1と同様にして積層体を得て、同様に評価を行った。
(層構成)
比較例1:二軸延伸PETフィルム(12μm)/接着剤(3.5g/m2)/アルミニ
ウム箔(7μm)/接着剤(3.5g/m2)/CPPフィルム(30μm)
比較例2:二軸延伸PETフィルム(12μm)/接着剤(3.5g/m2)/アルミニ
ウム箔(7μm)/接着剤(3.5g/m2)/LLDPEフィルム(30μm)
比較例3:二軸延伸PETフィルム(12μm)/接着剤(3.5g/m2)/アルミニ
ウム箔(7μm)/接着剤(3.5g/m2)/PANフィルム(30μm)
実施した評価項目の詳細は下記のとおりである。
[吸着性]
a)l-メントール
実施例及び比較例の積層体を10cm×10cm四方に切り取り、その重量(初期重量[g])を測定した。容積10リットルのステンレス容器内にl-メントール固体(純正化学(株)社製)10g を入れ、蓋をして容器内をl-メントール蒸気で満たし、その
中に切り取った積層体を吊り下げて、40℃で7日間保管した。保管後、積層体を取り出して重量(吸着後重量[g])を測定し、初期重量との差からl-メントールの吸着量を算出した。
吸着量[mg/m2]=(吸着後重量[g]-初期重量[g])×1000/0.12
実施例及び比較例の積層体を5cm×5cm四方に切り取り、その重量(初期重量[g])を測定した。シール層の面に酢酸dl-α-トコフェロール溶液(関東化学(株)社製、純度:>98.0%)を塗布し、ガラスシャーレに塗布面を下にして密着させ、蓋をして40℃で7日間保管した。保管後、積層体を取り出して塗布面の酢酸dl-α-トコフェロール溶液をエタノール(純正化学(株)社製、純度:99.5%)で拭き取り除去した後、重量(吸着後重量[g])を測定し、初期重量との差から酢酸dl-α-トコフェロールの吸着量を算出した。
吸着量[mg/m2]=(吸着後重量[g]-初期重量[g])×1000/0.0
52
全光線透過率測定装置((株)村上色彩技術研究所社製、ヘーズメーターHM-150)を用いて、JIS K7361-1に従って、全光線透過率を測定した。
実施例及び比較例の積層体を10cm×10cmに切り取り、シール層同士が対向するように半分に折って重ね合せ、端部のみはヒートシールされずに二股に分かれている状態になるようにヒートシールした。次いで、これを幅15mmの短冊状に切り出して試験片を作製し、引張試験機((株)エー・アンド・デイ社製、STA―1150)を用いて、二股に分かれている各端部を引張試験機に装着してシール強度を測定した。15N/15mm以上を合格とした。
ヒートシール条件
シーリング機器:テスター産業(株)社製、TP-701-B
温度:160℃
圧力:0.1MPa
時間:1秒
引張強度試験条件
試験速度:300mm/分
荷重レンジ:100N
実施例及び比較例の積層体を、JIS K7128-2に準拠して、それぞれ63mm×75mmの大きさの試験片に切り出し、エルメンドルフ引裂試験機(テスター産業(株)社製、IM-701)を用いて、MD方向の引裂強さを測定した。
実施例の積層体は、優れた低吸着性及び好適なシール強度、遮光性、更には、好適な引裂き強さを示した。これに対し、比較例1及び2の積層体は、好適なシール強度と遮光性は示すものの、多量のl-メントール及び酢酸dl-α-トコフェロールが吸着し、不十分な引裂き強さを示した。比較例3の積層体は、良好な低吸着性は示すものの、不十分なシール強度と引裂き強さを示した。
2:接着剤層
3:機能層
4:接着剤層
5:シール層
Claims (3)
- 基材層と、接着剤層と、機能層と、接着剤層と、シール層とをこの順に隣接して有する、手切り開封用低吸着性積層体であって、
前記基材層は、数平均分子量が2~3万のホモPETからなる樹脂フィルムであって、基材層の厚みは9~25μmであり、
前記接着剤層は、ポリウレタン系接着剤からなり、2~5g/m 2 (乾燥状態)のコーティング量を有する層であり、
前記機能層が、ガスバリヤー性、遮光性、及び補強性に優れた、厚さ5~30μmのアルミニウム箔からなる層であり、
前記シール層は、非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物から形成された層であり、
前記非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂を用いた樹脂組成物のガラス転移温度が70~90℃であり、
前記非晶性グリコール変性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸由来の部位に、テレフタル酸由来の構造を有し、多価アルコール・フェノール類由来の部位に、ネオペンチルグリコールとエチレングリコール由来の構造を有する非晶性ネオペンチルグリコール変性PETであって、非晶性ネオペンチルグリコール変性PETを構成する全多価アルコール・フェノール類由来の部位の20~40モル%が、ネオペンチルグリコール由来の構造であり、
前記積層体のシール層同士が対向するように重ね合せて、温度160℃、圧力0.1MPaで一秒間ヒートシールした試験片を、引張強度試験条件が試験速度300mm/分、荷重レンジ100Nで引張試験機により測定したシール強度が15N/15mm以上であり、
JIS K7128-2に準拠してエルメンドルフ引裂試験機を用いMD方向の引裂強さを測定した引裂強さが、0.34N以下である、
経皮吸収テープを包装するための、手切り開封用低吸着性積層体。 - 請求項1に記載の手切り開封用低吸着性積層体を用いて作製された、経皮吸収テープを包装するための、手切り開封用低吸着性包装材料。
- 請求項2に記載の手切り開封用低吸着性包装材料を用いて作製された、経皮吸収テープを包装するための、手切り開封用低吸着性包装体。
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