JP7405074B2 - スピーカー振動板及び医療用カテーテル - Google Patents
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Description
しかし、ポリアリールエーテルケトンの成形体は、常温又は低温における耐衝撃性が不充分である。また、ポリアリールエーテルケトンの成形体は、用途によっては柔軟性が不充分である。
・ポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマーを含み、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが分散しており、含フッ素エラストマーの数平均粒子径が1~300μmであり、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとの体積比が97:3~55:45であり、1000~3700MPaの曲げ弾性率を有する樹脂組成物(特許文献1)。
・押出成形体の表面に凹凸が生じ、外観がよくない。
・薄肉のフィルム又はチューブの場合、成形加工時の切れや内部欠陥が生じやすく、押出成形体の機械的物性や耐屈曲性が不充分となる。
・細径の繊維を成形する場合、糸切れ等が発生しやすい。
<1>ポリアリールエーテルケトンと、含フッ素エラストマーとを含み、前記ポリアリールエーテルケトンの温度372℃、荷重49Nにおける溶融流れ速度MFRAと、前記含フッ素エラストマーの温度372℃、荷重49Nにおける溶融流れ速度MFRBとの比(MFRA/MFRB)が、0.2~5.0であり、前記ポリアリールエーテルケトンの体積と前記含フッ素エラストマーの体積との合計のうち、前記ポリアリールエーテルケトンの体積の割合が、60~97体積%である、樹脂組成物。
<2>前記ポリアリールエーテルケトン中に前記含フッ素エラストマーが分散しており、分散した前記含フッ素エラストマーの数平均粒子径が、0.5~5μmである、前記<1>の樹脂組成物。
<3>前記含フッ素エラストマーが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン及びクロロトリフルオロエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に基づく単位を有する含フッ素弾性共重合体である、<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記含フッ素エラストマーが、エチレン、プロピレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニル、1,2-ジフルオロエチレン、1,1,2-トリフルオロエチレン、3,3,3-トリフルオロ-1-プロピレン、1,3,3,3-テトラフルオロプロピレン及び2,3,3,3-テトラフルオロプロピレンからなる群より選ばれる単量体に基づく単位を更に有する含フッ素弾性共重合体である、<3>に記載の樹脂組成物。
<5>前記含フッ素エラストマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びプロピレンに基づく単位を有する共重合体、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単位及びフッ化ビニリデンに基づく単位を有する共重合体、ならびにテトラフルオロエチレンに基づく単位及び下式Iで表される化合物に基づく単位を有する共重合体からなる群から選ばれる、前記<1>~<4>のいずれかの樹脂組成物。
CF2=CF(ORF) 式I
ただし、RFは、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
<6>前記ポリアリールエーテルケトンが、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルケトンケトンからなる群から選ばれる、前記<1>~<5>のいずれかの樹脂組成物。
<7>前記<1>~<6>のいずれかの樹脂組成物を成形してなる、成形体。
<8>フィルム、チューブ又は繊維である、前記<7>の成形体。
<9>厚さが1~100μmのフィルムである、前記<7>の成形体。
<10>前記<1>~<6>のいずれかの樹脂組成物を成形してなるフィルムを備えた、スピーカー振動板。
<11>前記<1>~<6>のいずれかの樹脂組成物を成形してなるチューブを備えた、医療用カテーテル。
本発明の成形体は、ポリアリールエーテルケトンの特性(耐熱性、機械的物性等)を損なうことなく耐衝撃性、柔軟性、耐屈曲性に優れ、外観不良(欠陥)が少ない。
「溶融流れ速度」は、ASTM D3307に準じて測定されるメルトフローレート(MFR)であり、温度372℃、荷重49Nの条件下、直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間で流出するポリアリールエーテルケトン又は含フッ素エラストマーの質量(g)である。
ポリアリールエーテルケトン又は含フッ素エラストマーの「体積」は、ポリアリールエーテルケトン又は含フッ素エラストマーの質量(g)をその比重(g/cm3)で除して算出される値である。
ポリアリールエーテルケトン又は含フッ素エラストマーの「比重」は、水中置換(懸架)方法によって測定される23℃における値である。
樹脂組成物中の含フッ素エラストマーの「数平均粒子径」は、樹脂組成物の成形体を走査型電子顕微鏡で観察し、無作為に選んだ100個の粒子の最大直径を測定し、算術平均した値である。
溶融混練前の含フッ素エラストマーの「数平均粒子径」は、含フッ素エラストマーを光学顕微鏡で観察し、無作為に選んだ100個の粒子の最大直径を測定し、算術平均した値である。
成形体の「曲げ弾性率」は、ASTM D790に準じて測定される値である。
ポリアリールエーテルケトンの「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
含フッ素エラストマーにおける「フッ素含有量」は、含フッ素エラストマーを構成するすべての原子の総質量に対するフッ素原子の質量の割合を示す。フッ素含有量は、溶融NMR測定及び全フッ素含有量測定によって求めた含フッ素弾性共重合体中の各単位のモル比から算出した値である。
含フッ素エラストマーの「ムーニー粘度(ML1+10,121℃)」は、JIS K 6300-1:2000(対応国際規格ISO 289-1:2005、ISO 289-2:1994)に準じて測定される値である。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。本明細書において、単量体に基づく単位を、単に、単量体単位とも記す。例えば、TFEに基づく単位を、TFE単位とも記す。
「単量体」とは、重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物を意味する。
本発明の樹脂組成物は、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを含む。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマー以外の成分(以下、「他の成分」と記す。)を含んでいてもよい。
分散している含フッ素エラストマーの数平均粒子径は、0.5~5μmであることが好ましく、1~5μmであることがより好ましい。含フッ素エラストマーの数平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂組成物中の含フッ素エラストマーの柔軟性を充分に確保できる。含フッ素エラストマーの数平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが均一に分散される。その結果、樹脂組成物の成形加工性が向上するため、成形体の外観不良(欠陥)が少なくなり、耐屈曲性や機械的物性に優れた成形体が得られる。
ポリアリールエーテルケトンとしては、機械的物性及び耐熱性の点から、ポリエーテルケトン(以下、「PEK」とも記す。)、ポリエーテルエーテルケトン(以下、「PEEK」とも記す。)、又はポリエーテルケトンケトン(以下、「PEKK」とも記す。)が好ましく、PEEKが特に好ましい。
ポリアリールエーテルケトンは、2種以上を併用してもよいが、1種を単独で用いることが好ましい。
含フッ素エラストマーは、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」とも記す。)、フッ化ビニリデン(以下、「VdF」とも記す。)及びクロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」とも記す。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体(以下、「単量体m1」とも記す。)に基づく単位を有する含フッ素弾性共重合体であることが好ましい。
含フッ素エラストマーは、ASTM D6204に準じて測定される、100℃、50cpmにおける貯蔵弾性率G’が80以上を示す、融点を持たない弾性共重合体であり、フッ素樹脂とは区別される。
含フッ素エラストマーは、2種以上を併用してもよいが、1種を単独で用いることが好ましい。
CF2=CF(ORF) 式I
ただし、RFは、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
PAVEとしては、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(以下、「PMVE」とも記す。)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)(以下、「PEVE」とも記す。)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(以下、「PPVE」とも記す。)、ペルフルオロ(ブチルビニルエーテル)(以下、「PBVE」とも記す。)が挙げられる。
単量体m3に基づく単位の割合は、含フッ素エラストマーを構成する全単位のうち、0~20モル%が好ましく、0~5モル%がより好ましく、0モル%が特に好ましい。
単量体m1に基づく単位の2種又は3種からなる含フッ素弾性共重合体、及び単量体m1に基づく単位の1種以上と単量体m2に基づく単位の1種以上とからなる含フッ素弾性共重合体は、成形体の柔軟性に寄与する。
TFE単位とP単位とを有する共重合体(以下、「TFE/P含有共重合体」とも記す)、
HFP単位とVdF単位とを有する共重合体(ただし、P単位を有するものを除く)(以下、「HFP/VdF含有共重合体」とも記す)、
TFE単位とPAVE単位とを有する共重合体(ただし、P単位又はVdF単位を有するものを除く)(以下、「TFE/PAVE含有共重合体」とも記す)。
TFE/P(TFE単位とP単位からなる共重合体を意味する。他についても同様である)、TFE/P/VF、TFE/P/VdF、TFE/P/E、TFE/P/TFP、TFE/P/PAVE、TFE/P/1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、TFE/P/2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、TFE/P/TrFE、TFE/P/DiFE、TFE/P/VdF/TFP、TFE/P/VdF/PAVEが挙げられ、なかでもTFE/Pが好ましい。
TFE/Pにおける各単位のモル比(TFE:P。以下同様)は、30~80:70~20が好ましく、40~70:60~30がより好ましく、60~50:40~50がさらに好ましい。
TFE/P/VFにおいてTFE:P:VFは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/VdFにおいてTFE:P:VdFは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/EにおいてTFE:P:Eは、20~60:70~30:0.05~40が好ましい。
TFE/P/TFPにおいてTFE:P:TFPは、30~60:60~30:0.05~20が好ましい。
TFE/P/PAVEにおいてTFE:P:PAVEは、40~70:60~29.95:0.05~20が好ましい。
TFE/P/1,3,3,3-テトラフルオロプロペンにおいてTFE:P:1,3,3,3-テトラフルオロプロペンは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/2,3,3,3-テトラフルオロプロペンにおいてTFE:P:2,3,3,3-テトラフルオロプロペンは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/TrFEにおいてTFE:P:TrFEは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/DiFEにおいてTFE:P:DiFEは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/VdF/TFPにおいてTFE:P:VdF:TFPは、30~60:60~20:0.05~40:0.05~20が好ましい。
TFE/P/VdF/PAVEにおいてTFE:P:VdF:PAVEは、30~70:60~20:0.05~40:0.05~20が好ましい。
TFE/VdF/HFPにおいてTFE:VdF:HFPは、20~60:1~40:20~60が好ましい。
TFE/VdF/HFP/TFPにおいてTFE:VdF:HFP:TFPは、30~60:0.05~40:60~20:0.05~20が好ましい。
TFE/VdF/HFP/PAVEにおいてTFE:VdF:HFP:PAVEは、30~70:60~20:0.05~40:0.05~20が好ましい。
VdF/HFP/TFPにおいてVdF:HFP:TFPは、1~90:95~5:0.05~20が好ましい。
VdF/HFP/PAVEにおいてVdF:HFP:PAVEは、20~90:9.95~70:0.05~20が好ましい。
また、PAVEがPMVEの場合、TFE:PMVEは、40~70:60~30が好ましい。
TFE/PMVE/PPVEにおいてTFE:PMVE:PPVEは、40~70:3~57:3~57が好ましい。
VdF/PAVEにおいてVdF:PAVEは、3~95:97~5が好ましい。
VdF/2,3,3,3-テトラフルオロプロピレンにおいてVdF:2,3,3,3-テトラフルオロプロピレンは、30~95:70~5が好ましい。
E/HFPにおいてE:HFPは、40~60:60~40が好ましい。
重合法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等が挙げられる。含フッ素弾性共重合体の数平均分子量や共重合体組成の調整が容易で、生産性に優れる点から、水性媒体及び乳化剤の存在下で、単量体を重合する乳化重合法が好ましい。
乳化重合法においては、水性媒体、乳化剤及びラジカル重合開始剤の存在下に単量体を重合して、エラストマーのラテックスを得る。単量体の重合の際にpH調整剤を添加してもよい。
他の成分としては、充填剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤が挙げられる。
他の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、カーボンブラック、ホワイトカーボン、クレー、カーボンナノチューブ、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。
樹脂組成物がカーボンブラック及びそれ以外の充填剤を含む場合、充填剤の合計の含有量は、含フッ素エラストマーの100質量部に対して、1~100質量部が好ましく、3~50質量部がより好ましい。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、五酸化アンチモン、ホスファゼン化合物、リン酸エステル(トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート等)、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム、赤リン、モリブデン化合物、ホウ酸化合物、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
樹脂組成物は、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーと、必要に応じて他の成分とを溶融混練して製造される。
他の成分を樹脂組成物に含ませる場合、他の成分は、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを溶融混練する際に添加してもよく、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを溶融混練した後に添加してもよい。
溶融混練前の含フッ素エラストマーの数平均粒子径は、10mm以下が好ましく、8mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましい。溶融混練前の含フッ素エラストマーの数平均粒子径が前記範囲内であれば、溶融混練時にスクリューによる搬送性が安定する。
他の成分を樹脂組成物に含ませる場合、他の成分は、ポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマーの一方とあらかじめ混合して溶融混練装置に供給してもよく、ポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマーとは別に溶融混練装置に供給してもよい。また、他の成分は、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを溶融混練した後に添加してもよい。
溶融混練における押出せん断速度は、溶融混練温度における、溶融混練対象物の溶融粘度に応じて設定することが好ましい。溶融混練における押出せん断速度は、3~2500秒-1が好ましく、10~2000秒-1がより好ましく、15~1500秒-1がさらに好ましい。
溶融混練装置内での溶融混練対象物の滞留時間は、10~290秒が好ましく、20~240秒がより好ましく、30~210秒がさらに好ましい。
溶融混練温度を高くすることによって、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが分散しやすく、含フッ素エラストマーの粗大粒子が残存しにくい。溶融混練温度を低くすることによって、含フッ素エラストマーの熱分解が促進されにくく、樹脂組成物の耐熱性がさらに優れ、また、含フッ素エラストマーが小粒径化されすぎない。
押出せん断速度を大きくすることによって、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが分散しやすく、含フッ素エラストマーの粗大粒子が残存しにくい。押出せん断速度を低くすることによって、含フッ素エラストマーが小粒径化されすぎない。
溶融混練装置内での溶融混練対象物の滞留時間を長くすると、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが分散しやすく、含フッ素エラストマーの粗大粒子が残存しにくい。滞留時間を短くすると、含フッ素エラストマーの熱分解が促進されにくい。
溶融混練を、架橋剤及び架橋助剤を実質的に存在させずに実施することにより、樹脂組成物中の含フッ素エラストマーの柔軟性を確保し、成形体の耐衝撃性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物は、パウダー状にしてコーティング材料として用いてもよい。コーティングされた物品の用途としては、国際公開第2015/182702号に記載された用途が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、繊維強化成形品の添加剤又はプリプレグのマトリックス樹脂としても有用である。
以上説明した本発明の樹脂組成物にあっては、ポリアリールエーテルケトンの体積と含フッ素エラストマーの体積との合計のうち、ポリアリールエーテルケトンの体積の割合が60~97体積%であるため、ポリアリールエーテルケトンの特性(耐熱性、機械的物性等)を損なうことなく耐衝撃性、柔軟性に優れる成形体を得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物にあっては、ポリアリールエーテルケトンの温度372℃、荷重49Nにおける溶融流れ速度MFRAと、含フッ素エラストマーの温度372℃、荷重49Nにおける溶融流れ速度MFRBとの比(MFRA/MFRB)が0.2~5.0であるため、ポリアリールエーテルケトン中に分散した際の含フッ素エラストマーの数平均粒子径が小さくなり、樹脂組成物中に含フッ素エラストマーが均一に分散しやすくなる。その結果、樹脂組成物の成形加工性が向上するため、成形体の外観不良(欠陥)が少なくなり、耐屈曲性や機械的物性に優れた成形体が得られる。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を成形してなるものである。
本発明の成形体の形状は、成形体の形態、用途等に応じて適宜選択される。
本発明の成形体の形態としては、摺動部材、シール材、ギア、アクチュエータ、ピストン、ベアリング、筺体、航空機内装材、燃料用チューブ、ブッシュ、チューブ、ホース、タンク、シール、ワイヤ、電線(ワイヤ、ケーブル等)用絶縁被覆材、フィルム、シート、ボトル、繊維等が挙げられる。
電線用絶縁被覆材の用途としては、モーターコイル用の電線又は平角銅線、特にハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)の駆動用モーターにおける平角導体の絶縁被覆材が挙げられる。平角導体の絶縁被覆材の形態としては、フィルムが好ましい。また、電線用絶縁被覆材の用途としては、エネルギー資源(石油、天然ガス、シェールオイル等)掘削用のダウンホールケーブルの絶縁被覆材等が挙げられる。
フィルム、シートの用途としては、スピーカー振動板、外傷・骨折用プレート板、各種電気絶縁用粘着テープ等の絶縁紙(モーターの絶縁紙等)、石油・天然ガス用パイプ用シールテープ等、熱硬化性および熱可塑性の複合材成形時における離型フィルムが挙げられる。
プラスチックの具体例としては、国際公開第2015/182702号に記載されたもの、液晶ポリマー、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアセタール、ポリウレタン等が挙げられる。ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66コポリマー、ポリアミド6/66/610コポリマー、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド6/6Tコポリマー等が挙げられる。
・押出成形体の表面に凹凸が生じにくく、外観がよい。
・薄肉のフィルム又はチューブの場合、成形加工時の切れや内部欠陥が生じにくく、押出成形体の機械的物性や耐屈曲性が充分となる。
・細径の繊維を成形する場合、糸切れ等が発生しにくい。
押出成形体がフィルムである場合、その用途としては、フィルムを備えたスピーカー振動板、電線被覆用フィルム、フレキシブルプリント基板、OA機器の耐熱ロール、他の繊維複合材のフィルム含浸用フィルムが好ましい。
押出成形体がチューブである場合、その用途としては、チューブを備えた医療用カテーテル、電線被覆、分析機器の配管が好ましい。
押出成形体が繊維である場合、その用途としては、防護服、各種フィルターが好ましい。
押出成形体が繊維である場合、押出成形法としては、溶融紡糸法が好ましい。
押出機における押出しせん断速度は、3~2500秒-1が好ましく、10~1000秒-1がより好ましく、10~100秒-1がさらに好ましい。
押出機内の樹脂組成物の滞留時間は、10~1000秒が好ましく、60~500秒がより好ましい。
プリプレグは、マトリックス樹脂と強化繊維とからなる。具体的には、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸したシート状の材料であり、マトリックス樹脂に強化繊維が埋め込まれたシート状の材料とも言える。
本発明におけるプリプレグは、マトリックス樹脂として本発明の樹脂組成物を用いたものである。
強化繊維シートとしては、複数の強化繊維からなる強化繊維束、強化繊維束を織成してなるクロス、複数の強化繊維が一方向に引き揃えられた一方向性強化繊維束、一方向性強化繊維束から構成された一方向性クロス、これらを組み合わせたもの、複数の強化繊維束を積み重ねたもの等が挙げられる。
無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維等が挙げられる。
金属繊維としては、アルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維等が挙げられる。
有機繊維としては、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維等が挙げられる。
強化繊維は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
強化繊維としては、比重が小さく、高強度、高弾性率である点から、炭素繊維が好ましい。
繊維強化成形品は、プリプレグを用いて形成されたものである。繊維強化成形品は、本発明におけるプリプレグのみを用いて形成されたものであってもよく、本発明におけるプリプレグと他のプリプレグとを用いて形成された積層体であってもよく、本発明におけるプリプレグ及び必要に応じて他のプリプレグと、プリプレグ以外の他の部材とを用いて形成された積層体であってもよい。
金属部材としては、金属箔、各種金属製部品等が挙げられる。金属としては、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、黄銅、ニッケル、亜鉛等が挙げられる。金属部材の形状は、繊維強化成形品に合わせて適宜選択できる。
繊維強化成形品の用途としては、国際公開第2015/182702号に記載された用途、スマートフォンの筐体、送電線の芯材、燃料(水素、ガソリン等)やオイルの保管用圧力容器、トンネル又は道路向けの補修又は補強シート等が挙げられる。繊維強化成形品の用途としては、航空機部材、風車の羽根、自動車外板、電子機器の筐体、トレイ、シャーシ、スポーツ用品(テニスラケットのフレーム、バット、ゴルフシャフト、釣竿、自転車のフレーム、リム、ホイール、クランク等)等が好ましい。
例1~9は実施例であり、例10~15は比較例である。
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製、DSC 7020)を用い、ポリアリールエーテルケトンを10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度を融点とした。
メルトインデクサー(宝工業社製 X416)を用い、ASTM D3307に準じて、温度372℃、荷重49Nの条件下、直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間で流出するポリアリールエーテルケトン又は含フッ素エラストマーの質量(g)を測定した。
樹脂組成物を、200℃の加熱下、3時間予備乾燥した。射出成形機(ファナック社製、AUTOSHOT C 30A)を用い、シリンダー温度:350℃、金型温度:170℃にて樹脂組成物を射出成形し、厚さ:3.2mmの評価用射出成形体を得た。
評価用射出成形体から長さ:60mm、幅:12.7mmの試験片を切り出した。試験片について、TENSILON(TOYO BALDWIN社製、UTM-5T)を用い、ASTM D790に準じて、支点間距離40mm、速度1mm/分で曲げ弾性率を測定した。
コンターマシン(アマダ社製、V-400)を用いて評価用射出成形体を切断し、高さ:63mm、幅:13mmのサンプルを得た。サンプルの高さ32mmの位置にノッチを入れ、試験片を得た。
試験片について、アイゾット試験装置(東洋精機製作所社製)を用い、ハンマー容量:2.75J、ハンマー荷重:13.97N、軸心から重心までの距離:10.54cm、軸心から打撃点までの距離:33.5cmの条件にてアイゾット衝撃強度を測定した。測定は23℃及び-40℃にて実施した。
評価用射出成形体について、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S-4800)で観察し、無作為に選んだ100個の粒子の最大直径を測定し、算術平均して、樹脂組成物中の含フッ素エラストマーの数平均粒子径を求めた。
樹脂組成物を、200℃の加熱下、3時間予備乾燥した。単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製、VS-30)及び150mm幅Tダイを用い、設定樹脂温度:365℃、回転数:6rpm、引き取り速度:1.0m/分にて樹脂組成物を押出成形し、厚さ30μmの評価用フィルムを得た。
評価用フィルムを目視で観察し、下記基準にてフィルム外観を評価した。
〇(優) :フィルムの表面に凹凸が見られない。
×(不良):フィルムの表面に凹凸や穴が見られる。
評価用フィルムについて、JIS K 6251:2010にしたがい、引張速度50mm/分、チャック間距離70mmで引張試験を行い、切断時伸びを測定した。下記基準にてフィルム引張特性を評価した。
ASTM D2176に準拠し、樹脂組成物をプレス成形して厚さ0.23mmのプレスシートを得た。プレスシートから幅:12.5mm、長さ:130mm、厚さ:0.23mmの試験片を切り出した。MIT折り曲げ試験装置(東洋精機製作所社製、MIT-DA)を用いて、温度:23℃、湿度:50%RH、荷重:12.25N、折り曲げ角度:左右それぞれ135度、1分間の折り曲げ回数:175回の条件下で、試験片を屈曲させ、試験片が切断するまでの回数(MIT折り曲げ寿命)を求めた。回数が多いほど耐屈曲性に優れる。
メルト熱プレス機を用いて樹脂組成物をプレス成形し、厚さ0.24mmのプレスシートを得た。ASTM D2520を参考に、PNA-Lネットワークアナライザー(アジレントテクノロジー社製、N5230A)及び空洞共振器(関東電子応用開発社製、CP481)用い、温度:23℃、湿度:50%RH、周波数:2.45GHzの条件でプレスシートの誘電率を測定した。同条件で測定したポリアリールエーテルケトンA-2の誘電率は3.18である。
評価用射出成形体から短冊状試験片(長さ127mm×幅12.7mm×厚さ3.2mm)を切り出し、ASTM D648に準拠し、東洋精機製作所社製HDT&VSPT TESTERを用いて、荷重1.82MPa、昇温速度2℃/分で所定たわみ量(0.254mm)になる温度を測定した。同条件で測定したポリアリールエーテルケトンA-2の荷重たわみ温度は155℃である。
ポリアリールエーテルケトンA-1:PEEK(融点:340℃、溶融流れ速度:12g/10分、比重:1.32、ダイセルエボニック社製、ベスタキープL4000G)。
ポリアリールエーテルケトンA-2:PEEK(融点:340℃、溶融流れ速度:22g/10分、比重:1.32、ダイセルエボニック社製、ベスタキープ3300G)。
ポリアリールエーテルケトンA-3:PEEK(融点:340℃、溶融流れ速度:53g/10分、比重:1.32、ダイセルエボニック社製、ベスタキープ2000G)。
ポリアリールエーテルケトンA-4:PEEK(融点:340℃、溶融流れ速度:142g/10分、比重:1.32、ダイセルエボニック社製、ベスタキープ1000G)。
ポリアリールエーテルケトンA-5:PEEK(融点:340℃、溶融流れ速度:87g/10分、VICTREX社製、VICTREX(登録商標)PEEK 150P)。
含フッ素エラストマーB-1:テトラフルオロエチレン-プロピレン共重合体(クラム状、溶融流れ速度:11g/10分、比重:1.55、ムーニー粘度(ML1+10,121℃):100、貯蔵弾性率G’(100℃、50cpm):390、AGC社製、AFLAS(登録商標)150FC)。
ポリアリールエーテルケトンA-1と含フッ素エラストマーB-1とを、表1に示す体積比で混合し、二軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW-45HG1100、スクリュー径:15mmΦ、L/D:45)のスクリューの基端にフィーダーを用いて2.0kg/時間になるように投入した。スクリュー回転数:200rpm、シリンダー、ダイ及びヘッドの設定温度:C1=340℃、C2=350℃、C3=360℃、C4=370℃、C5=370℃、C6=370℃、D=350℃、H=350℃の条件でダイ先端から押し出されたストランドを水槽にて冷却し、ペレタイザーにてカットし、樹脂組成物のペレットを得た。評価結果を表1に示す。
ポリアリールエーテルケトンA-1の代わりにポリアリールエーテルケトンA-2を用いた以外は、例1~3と同様にして樹脂組成物を得た。評価結果を表2に示す。
ポリアリールエーテルケトンA-1の代わりにポリアリールエーテルケトンA-3を用いた以外は、例1~3と同様にして樹脂組成物を得た。評価結果を表3に示す。
ポリアリールエーテルケトンA-1の代わりにポリアリールエーテルケトンA-4を用いた以外は、例1~3と同様にして樹脂組成物を得た。評価結果を表4に示す。
ポリアリールエーテルケトンA-1の代わりにポリアリールエーテルケトンA-5を用いた以外は、例1~3と同様にして樹脂組成物を得た。評価結果を表5に示す。
なお、2018年4月13日に出願された日本特許出願2018-077652号の明細書、特許請求の範囲および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (12)
- 樹脂組成物を成形してなるフィルムを備えた、スピーカー振動板であって、
前記樹脂組成物は、ポリアリールエーテルケトンと、含フッ素エラストマーとを含み、
前記ポリアリールエーテルケトンの温度372℃、荷重49Nにおける溶融流れ速度MFRAと、前記含フッ素エラストマーの温度372℃、荷重49Nにおける溶融流れ速度MFRBとの比(MFRA/MFRB)が、0.2~5.0であり、
前記ポリアリールエーテルケトンの体積と前記含フッ素エラストマーの体積との合計のうち、前記ポリアリールエーテルケトンの体積の割合が、60~97体積%であり、
前記含フッ素エラストマーは、ASTM D6204に準じて測定される、100℃、50cpmにおける貯蔵弾性率G’が80以上を示す、融点を持たない弾性共重合体である、スピーカー振動板。 - 前記ポリアリールエーテルケトン中に前記含フッ素エラストマーが分散しており、
分散した前記含フッ素エラストマーの数平均粒子径が、0.5~5μmである、請求項1に記載のスピーカー振動板。 - 前記含フッ素エラストマーが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン及びクロロトリフルオロエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に基づく単位を有する含フッ素弾性共重合体である、請求項1又は2に記載のスピーカー振動板。
- 前記含フッ素エラストマーが、エチレン、プロピレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニル、1,2-ジフルオロエチレン、1,1,2-トリフルオロエチレン、3,3,3-トリフルオロ-1-プロピレン、1,3,3,3-テトラフルオロプロピレン及び2,3,3,3-テトラフルオロプロピレンからなる群より選ばれる単量体に基づく単位を更に有する含フッ素弾性共重合体である、請求項3に記載のスピーカー振動板。
- 前記含フッ素エラストマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びプロピレンに基づく単位を有する共重合体、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単位及びフッ化ビニリデンに基づく単位を有する共重合体、ならびにテトラフルオロエチレンに基づく単位及び下式Iで表される化合物に基づく単位を有する共重合体からなる群から選ばれる、請求項1~4のいずれか1項に記載のスピーカー振動板。
CF2=CF(ORF) 式I
ただし、RFは、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。 - 前記ポリアリールエーテルケトンが、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルケトンケトンからなる群から選ばれる、請求項1~5のいずれか一項に記載のスピーカー振動板。
- 樹脂組成物を成形してなるチューブを備えた、医療用カテーテルであって、
前記樹脂組成物は、ポリアリールエーテルケトンと、含フッ素エラストマーとを含み、
前記ポリアリールエーテルケトンの温度372℃、荷重49Nにおける溶融流れ速度MFR A と、前記含フッ素エラストマーの温度372℃、荷重49Nにおける溶融流れ速度MFR B との比(MFR A /MFR B )が、0.2~5.0であり、
前記ポリアリールエーテルケトンの体積と前記含フッ素エラストマーの体積との合計のうち、前記ポリアリールエーテルケトンの体積の割合が、60~97体積%であり、
前記含フッ素エラストマーは、ASTM D6204に準じて測定される、100℃、50cpmにおける貯蔵弾性率G’が80以上を示す、融点を持たない弾性共重合体である、医療用カテーテル。 - 前記ポリアリールエーテルケトン中に前記含フッ素エラストマーが分散しており、
分散した前記含フッ素エラストマーの数平均粒子径が、0.5~5μmである、請求項7に記載の医療用カテーテル。 - 前記含フッ素エラストマーが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン及びクロロトリフルオロエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に基づく単位を有する含フッ素弾性共重合体である、請求項7又は8に記載の医療用カテーテル。
- 前記含フッ素エラストマーが、エチレン、プロピレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニル、1,2-ジフルオロエチレン、1,1,2-トリフルオロエチレン、3,3,3-トリフルオロ-1-プロピレン、1,3,3,3-テトラフルオロプロピレン及び2,3,3,3-テトラフルオロプロピレンからなる群より選ばれる単量体に基づく単位を更に有する含フッ素弾性共重合体である、請求項9に記載の医療用カテーテル。
- 前記含フッ素エラストマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びプロピレンに基づく単位を有する共重合体、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単位及びフッ化ビニリデンに基づく単位を有する共重合体、ならびにテトラフルオロエチレンに基づく単位及び下式Iで表される化合物に基づく単位を有する共重合体からなる群から選ばれる、請求項7~10のいずれか1項に記載の医療用カテーテル。
CF 2 =CF(OR F ) 式I
ただし、R F は、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。 - 前記ポリアリールエーテルケトンが、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルケトンケトンからなる群から選ばれる、請求項7~11のいずれか一項に記載の医療用カテーテル。
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