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JP7388933B2 - 連続遠心機 - Google Patents

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JP7388933B2
JP7388933B2 JP2020005912A JP2020005912A JP7388933B2 JP 7388933 B2 JP7388933 B2 JP 7388933B2 JP 2020005912 A JP2020005912 A JP 2020005912A JP 2020005912 A JP2020005912 A JP 2020005912A JP 7388933 B2 JP7388933 B2 JP 7388933B2
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Description

本発明は連続遠心機に関し、特に連続遠心機の試料給排出ラインの滅菌経路の改良に関する。
遠心分離機は、通常の重力場では沈降しないもしくは沈降しにくい粒子を分離するもので、ウィルスや菌体などが分離対象に含まれる。ウィルスや菌体は、薬品やワクチンなどの製造にとっては欠かせない原料であり、これらの製造過程において原料を分離精製する設備として連続遠心機(連続遠心分離機)が広く使用される。連続遠心機は、高速回転するロータおよびその上下に接続される貫通穴を有した2本の回転軸から試料が流れるラインを有する。連続遠心機は、インフルエンザワクチンのような試料を扱うことがあるので、その場合は運転後に試料ラインを滅菌及び/又は洗浄することが重要である。
生産用連続遠心機を用いた遠心分離工程の後は、一般的には、ロータ内の分離後試料をポンプで吸引して回収する(フラクション)。多くはショ糖液を用いた密度勾配遠心法を用いているため、回収を始めた初期段階では高密度液が排出され、徐々に密度が下がっていくことになるが、一般的にはこれを手動操作で20~30本といった多数のボトルに分画し、精製液として必要なものと廃棄するものとに分けている。このボトルへの分画作業では、遠心分離された試料の密度勾配層を乱さぬよう、排出速度を抑えて行うため、この手動分画作業には長い時間がかかり、自動化または省力化の要望があった。この回収試料は、ショ糖による密度が連続的に変化するため屈折率センサにて密度を測定し、その値に応じて自動でバルブ切り替えを行い、複数ボトルに分画すれば良いので回収作業を自動化または省力化することは可能である。
顧客サイトにおける製造工程では、メーカが提供する連続遠心機を用い、ユーザ側からメーカへの注文に応じて、ショ糖液やバッファー液、ワクチン原料といった試料を送液するためのサンプルフィード部と、遠心分離が終わった後に必要部と廃棄部とを分けるための回収部を準備する。つまり、生産用の連続遠心機においては、連続遠心機と、サンプルフィード部と、回収部の3つの大きなブロックで主に構成される。このような連続遠心機において、分離される試料の品質の観点から、連続遠心機の運転を終了した後は、ロータを遠心室から取り出して、ロータを分解して滅菌及び/又は洗浄することが多く、そのためのシンク(洗い場)などが準備されている。しかしながら、ロータを取り出しおよび分解、さらに取り外したロータの洗浄、洗浄したロータを再度連続遠心機に取り付けるのに、相応の時間がかかってしまう。またウィルス由来の試料を用いたロータをそのまま分解作業することは、作業者の安全確保の観点からも好ましくない。そのため、ロータを遠心室から取り出さず、蒸気を試料ラインに流すSIP(Steam in Place)滅菌を行なうための滅菌モードを備えた連続遠心機が提供されている。例えば特許文献1に記載の連続遠心機は、ロータを取り出さずに蒸気を使用して試料ラインの滅菌を行なう、いわゆる滅菌モードを備えている。
特開2006-21121号公報
近年、連続遠心機において試料ラインに蒸気を流すSIPの導入を検討する顧客が増えているが、連続遠心機と、サンプルフィード部と、回収部の3つのブロックすべての末端までSIPを行うことは、配管をすべて高温蒸気に耐えられる配管、例えばステンレス配管(SUS配管)で製作する必要があるので、連続遠心機に完全なSIPを導入するのはハードルが高い。また、ステンレス配管を用いるだけでなく温度センサ、スチームトラップ、逆止弁、自動バルブ等の機器計器類も備える必要が出るため、設備を複雑化、且つ大型化させてしまう。さらに、連続遠心分離された試料の回収作業に時間がかかっているため、回収機能に特化した回収ユニット(回収部)が求められるが、費用対効果のバランスを考えた形として金属配管ではない回収ユニット(回収部)と金属配管で構成されたサンプルフィードとの組み合わせとした場合において、滅菌をどのように行うのか、滅菌方法を確立することが重要であった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、配管システムの複雑化および大型化を抑え、SIP適用部と非適用部を組み合わせた最適な滅菌方法を実現した連続遠心機を提供することにある。
本発明の他の目的は、回収部をサンプルフィードシステムとは別ユニット化し、サンプルフィードシステムとの接続境界までSIPを行い、回収部は単独で別途滅菌できるような構造とした連続遠心機を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、回転軸線方向の上側と下側に流路を有し試料を分離するためのロータと、ロータを回転させる駆動部とを有するロータ駆動装置と、ロータの上側から試料を供給又は排出する上側ラインと、ロータの下側から試料を供給又は排出する下側ラインと、ロータ駆動装置に試料を送る試料供給手段と、ロータ内の分離後の試料を回収するための試料回収部を有し、試料供給手段からロータへ供給される試料を上側ライン経由か下側ライン経由かを切り替える流路切替機構を有する連続遠心機において、ロータ駆動装置は、ロータ内を滅菌する為に滅菌装置と接続可能で、滅菌時の凝縮水を排出するための凝縮水排出ラインが設けられる。ロータ駆動装置から試料回収部に至る試料回収ラインには三方分岐弁が設けられ、ロータ駆動装置と試料回収ラインを接続するか、ロータ駆動装置と凝縮水排出ラインの何れかの接続を切り替える。また、三方分岐弁と試料回収部の接続ラインにはコネクタが設けられ、コネクタによって滅菌前又は滅菌後に試料回収部を滅菌範囲から切り離し可能とした。滅菌装置でロータ内を滅菌する場合には、三方分岐弁によってロータ駆動装置から試料回収部への接続ラインを遮断してロータ駆動装置と凝縮水排出ラインを接続する。さらに、三方分岐弁と試料回収部の接続ラインにはコネクタが設けられ、コネクタによって滅菌前又は滅菌後に試料回収部を滅菌範囲から切り離し可能とした。流路切替機構は、ブリッジ状に接続した4つの電磁弁で構成すると良い。
本発明の他の特徴によれば、滅菌装置は高温の蒸気の発生手段と接続でき、さらに三方分岐弁と凝縮水排出ラインの間に、スチームトラップ部を設けた。スチームトラップ部は、滅菌用に供給される蒸気を流さないまま凝縮水のみを排出するスチームトラップと、凝縮水排出ラインからの逆流を防ぐ逆止弁と、第一の自動弁を接続した第一経路と、第一経路と並列に接続され第二の自動弁を有する第二経路と、により形成される。第二経路は蒸気供給初期に発生する大量の凝縮水を排出するのに使用される。三方分岐弁は、ロータ駆動装置と試料回収ラインを接続するか、ロータ駆動装置と凝縮水排出ラインの何れかの接続を切り替えるものであって、三方に分岐する流路内部で隔壁を移動させることにより、デッドスペースを形成せずに切り替えられた流路を確立する。
本発明のさらに他の特徴によれば、コネクタは、三方分岐弁から試料回収ラインに至るラインを無菌状態にて接続、又は/及び、切り離しが可能である。スチームトラップ部は、試料供給手段と凝縮水排出ラインとの間、及び、流路切替機構と凝縮水排出ラインとの間にそれぞれ設けられる。さらに、連続遠心機において、試料回収部をコネクタによって分離可能に構成し、分離により残された部分を金属管によって蒸気滅菌が可能なように配管し、分離可能な試料回収部を、蒸気滅菌が不能な配管を含んだ構成とした。このように連続遠心機は、ロータ内を蒸気滅菌する滅菌装置と接続可能であって、試料回収ラインに三方分岐弁が設けられ、三方分岐弁の入口開口が、下側ラインに接続され、2つの出口開口が試料回収部と凝縮水排出ラインに接続され、滅菌装置でロータ内を蒸気滅菌する場合には、三方分岐弁によって下側ラインから凝縮水排出ラインへの流路を接続して、試料回収部への流路を遮断する。
本発明によれば、サンプルフィード部と回収部との間に、三方分岐弁を設けて、SIP時(蒸気滅菌時)にはロータ駆動装置から試料回収部に至る試料回収ラインを切断して、ロータ駆動装置からスチームトラップ部を介して凝縮水排出ラインに接続するようにした。さらに、三方分岐弁と試料回収部の間のラインに無菌コネクタを備えたので、回収ユニットだけを安全に容易に着脱できるようになった。この結果、配管システム全体をSIP適用としないことで配管設備が簡略化され、回収ユニットの配管にも安価なチューブやピンチバルブを流できるので、回収作業の自動化または省力化における導入コスト低減や設備占有スペースのコンパクト化を達成しつつ、製造ラインの安全な滅菌方法を確立出来た。
SIPは配管内に蒸気を通し、高温の状態、一般的に121℃より高い温度を20分から30分といった一定時間維持することで、配管内を滅菌する。この時、配管は蒸気の持つ熱エネルギーを一部奪うことで高温になるが、この熱エネルギーの移動によって気体である蒸気が液体に変わり、凝縮水が発生する。凝縮水がライン上に滞留すると、高温状態を維持することが難しくなるため、SIPにおいては凝縮水の排出が極めて重要となる。
凝縮水の排出という観点で考えると、SIP時の蒸気の流れは、入口から出口まで一筆書きとなる経路がベストであるが、本実施例ではロータへ供給される液体を上側ライン経由か下側ライン経由かを切り替えるブリッジ状に組まれた流路切替機構が備わっている。このため、蒸気を連続的に一筆書きとすることが出来ず、ライン上のすべて高温状態を維持するためには、タイミングをずらして各部の自動弁を開閉して、各部の温度が下がらないよう交互に蒸気を通す間欠制御が必要となる。また本発明の実施例に係る連続遠心機のロータおよびロータに連通して内部に試料が流れるシャフトの流路径は直径2mm~3mm程度と、サンプルフィード側に用いられる金属配管に比べて極めて細い。このうち、下側ラインの出口に位置する配管部は、ロータ内部で発生した凝縮水が集まるだけでなく、急激に流路径が拡張されることで凝縮水が滞留および発生しやすく、また前記間欠制御で流れを阻害するタイミングが生じ十分排出出来なくなってしまうが、本発明の構成では試料回収ラインから凝縮水排出ラインに至る新たな蒸気パスが出来たので、四方向弁側に流れにくいタイミングでも凝縮水を排出出来るため、温度低下しにくくなる。
本発明の実施例に係る連続遠心機1の全体構成図である。 図1のロータ駆動装置10の詳細構造を示す断面図である。 図1の連続遠心機1において、回収部40を切り離した状態を示した図である。 図1の三方分岐弁の動作を説明するための図である(その1)。 図1の三方分岐弁の動作を説明するための図である(その2)。 従来の連続遠心機におけるSIP時の蒸気の流れを説明する図である(その1)。 従来の連続遠心機におけるSIP時の蒸気の流れを説明する図である(その2)。 本発明の実施例に係る連続遠心機1のSIP時の蒸気の流れを説明する図である。 本発明の実施例に係る連続遠心機1のSIP時の滅菌されない範囲を示す図である。 本発明の第二の実施例に係る連続遠心機1Aの全体構成図である。 従来例の連続遠心機201の全体構成図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。図1はロータ駆動装置10を用いた生産プロセスラインの全体構成図である。生産プロセスラインは、サンプルフィード部2、ロータ駆動装置10、回収部40の3ブロックから主に構成される。サンプルフィード部2は、遠心分離の工程の際にバッファー液、ショ糖液、プロセス液といった各試料を遠心分離機側へ送液するためのもので、プロセス液切替部20、流路切替機構30、スチームトラップ部50、60、70を含み、各配管はSIPを行うためにSUS(ステンレス)配管となっている。プロセス液切替部20はバッファー液24と、2種類の密度で調整された第一ショ糖液(DG1)21と、第ニショ糖液(DG2)22と、遠心分離によって精製したいプロセス液(試料)23の4つの溶液バッグが接続され、各接続部に設けられた自動バルブXV7~XV13によって、ロータ駆動装置10に送液される流体が切替えられる。自動バルブXV7~XV13は、サンプルフィード部2の送液全体を管理する送液用制御装置29によってその開閉が制御される。自動バルブXV12及びXV13の接続点から下流側には第一ポンプ32が接続され、送液用制御装置29は第一ポンプ32を駆動することによって前記の各試料を流路切替機構30側に給送する。ここで、プロセス液切替部20と第一ポンプ32の間には、2つの自動バルブXV15及びVX16が設けられる。また、自動バルブXV15及びVX16の中間には、滅菌用の液体又は気体を供給するための流入口35が設けられ、流入口35を開放又は遮断するための自動バルブXV14が設けられる。流入口35から矢印36の方向に供給されるものには、配管ラインを洗浄するための洗浄液や高純度精製水、配管ライン内に残留する液の排出を行うエアー、滅菌を行うための蒸気といったものがある。
送液用制御装置29は、ロータ駆動装置10に各液体や滅菌用の蒸気を供給する制御、又は/及び、排出する制御を行う。送液用制御装置29は、パーソナルコンピュータ等を用いて構成でき、送液用制御装置29は、圧縮空気や電磁石(電磁バルブ)によって動作する複数の自動バルブXV1~XV23の開閉を制御する。第一ポンプ32によって流路切替機構30側に送液される液体(ショ糖液、バッファー液、プロセス液)は、流量計33によってその流量が測定され、圧力計34によってラインの圧力が測定され、これらの測定データが送液用制御装置29に送られる。
流路切替機構30は、4つの電気的に制御可能なダイアフラム弁(diaphragm valve)XV1~XV4をブリッジ状に接続したものであり、試料を上側試料ラインからロータ駆動装置10へ供給するか、下側供給ラインから供給するか、流路方向の切替えを行う。ダイアフラム弁XV1~XV4は、送液用制御装置29によって開閉を制御される。流路切替機構30の1つ目の接続点(ダイアフラム弁XV1とXV2の間の流入点)は、試料流入ライン31に接続される。流路切替機構30の2つ目の接続点(ダイアフラム弁XV2とXV4の間の流入点)は、ロータ駆動装置10の下側試料ライン16に接続される。下側試料ライン16には、ダイアフラム弁XV5が直列に接続される。流路切替機構30の3つ目の接続点(ダイアフラム弁XV1とXV3の間)は、ロータ駆動装置10の上側試料ライン11に接続される。上側試料ライン11の途中には、分岐管が接続され、分岐管から分岐される通路にはダイアフラム弁XV17を介してベントフィルタF1が接続され、第二ポンプ18を用いてロータ内から遠心分離後の試料を回収部40に吸引する際、XV1およびXV3を閉止した状態における吸気用として機能する。流路切替機構30の4つ目の接続点(ダイアフラム弁XV3とXV4の間)は排出ライン61に接続される。排出ライン61は、スチームトラップ部60を介してドレンに至る凝縮水排出ライン80に接続される。排出ライン61の途中には温度センサ62が設けられ、排出ライン61の管路内の流体の温度を測定し、測定データは送液用制御装置29に出力する。また、遠心分離中にロータ内が満水のまま、プロセス液やバッファー液を供給し続けるため、上澄みがロータの上側からオーバーフローするので、排出ライン61とスチームトラップ部60を経由して凝縮水排出ライン80側へ排出される。
以上のように、流路切替機構30を設けることによって、ロータ駆動装置10への流体の流入方向を、上側試料ライン11から下側試料ライン16の方向に行うトップフィードと、下側試料ライン16から上側試料ライン11の方向に行うボトムフィードの切替えができる。ロータ駆動装置10の高速回転前の低速回転時に、これらトップフィードとボトムフィードの切り替えを行うことにより上側試料ライン11、下側試料ライン16、及び、ロータ駆動装置10の内部流路内のエアー抜きを行うことができる。
下側試料ライン16には分岐管によって分岐される試料回収ライン17が設けられる。試料回収ライン17は、遠心分離運転が終了した後にロータの内部の試料を抜き取るための管路であり、途中に第二ポンプ(Pump2)18が設けられ、第二ポンプ18の下流側に三方分岐弁19が設けられる。三方分岐弁19は、ロータ駆動装置10から回収部40に至る試料回収ライン17a、17bを接続状態にするか、又は、ロータ駆動装置10からの試料回収ライン17a、17cを接続してスチームトラップ部70への流路を確立するかを切り替えるための切替手段である(詳細構造は図4及び図5で後述する)。つまり、サンプルフィード部2と回収部40との間には三方分岐弁19が備わっており、サンプルフィード部2からの流路は、回収部40又はスチームトラップ部70に分岐可能である。このように三方分岐弁19を設けて試料回収ライン17aを通る蒸気の流れる道筋を設けた上で、スチームトラップ部70にて凝縮水のみを排出できるように構成した。SIP時は所定の圧力で蒸気供給を受けていれば、凝縮水を効率よく排出できているので、安定した高温状態を維持可能となり、効果的な滅菌を行うことができる。
三方分岐弁19により分岐された試料回収ライン17aは、無菌コネクタ42を介して回収部40に接続される。本実施例の無菌コネクタ42は、ディスコネクト時に菌が漏れないようにするものとすることが好ましい。ロータ駆動装置10によって設定された遠心分離時間の運転が終了してロータが減速、停止した後は、第二ポンプ18を用いて試料の回収作業が行われる。ショ糖液を用いた密度勾配遠心法の場合、ロータ120から排出される回収液の密度は、高密度から低密度へと徐々に下がっていくが、これまでは30本前後といった多数の容器に順番に分画し、特定の範囲にある容器が回収成果物になるといった作業が一般的となっていた。
回収部40は、ショ糖液の密度に応じたBrix出力を可能としたBrixセンサ43と、自動で流体の流れを制御するピンチバルブXV24~XV27と、回収容器46~49と、シリコンチューブ41を含んで構成される。また、回収用制御装置45が接続され、Brixセンサ43による検出結果に応じてピンチバルブXV24~XV27の開閉操作を行う。尚、図1では、回収容器46~49を4つとしているが、その容器の数は任意であり、回収容器毎にそれぞれピンチバルブXVが設けられ、回収用制御装置45によってその開閉が電気的に制御される。回収部40ではBrixセンサ43を備えたため、回収用制御装置45は連続的に排出される回収液のBrixの変化に合わせて自動でピンチバルブXV24~XV27の開閉を制御し、回収成果物の容器と廃棄用の容器とに回収液を自動で分けることが出来る。各回収容器46~49にはそれぞれベントフィルタF2~F5が設けられ、回収容器46~49内の余剰空気をフィルタを介して大気中に放出することにより回収容器46~49内に回収液がスムーズに流入される。
ここで図11を用いて従来の連続遠心機201の
構造を説明する。従来の連続遠心機201における基本構成は、図1の遠心分離機1とほぼ同様であり、同じ構成の部分には同じ番号の参照符号を伏している。本実施例の遠心分離機1との違いは、第二ポンプ18と回収部240の間に、図1に示した三方分岐弁19とスチームトラップ部70と無菌コネクタ42が設けられない点である。従って、回収部240はサンプルフィード部2から分離不能である。また、図1に示したスチームトラップ部70が設けられないため、バルブXV6から回収部240に至る経路のSIPを行うには、回収部240側にて凝縮水を排出するドレン機構を準備する必要がある。また、回収部240の配管群も高圧のスチームを流すことができるようにステンレス配管を用いる必要がある。
再び図1に戻る。サンプルフィード部2のSIP時は、流入口35から供給された蒸気がプロセス液切替部20、試料流入ライン31、流路切替機構30まで行き渡って各部を昇温し、そこで発生する凝縮水はスチームトラップ部50、60を介して凝縮水排出ライン80に排出される。スチームトラップ部50、60は、SIPによって配管内に生じた凝縮水を配管内に停滞させることなく、外部に排出させるために設けられるものである。
スチームトラップ部60は、ダイアフラム弁XV20(第一の自動弁)と第二スチームトラップST2と第二逆止弁VS2が直列に接続されて第一経路を構成し、さらに、それらと並列の第二経路が付加されてダイアフラム弁XV21(第二の自動弁)が設けられる。スチームの流れ方向に見て第二逆止弁VS2とダイアフラム弁XV21の下流側は凝縮水排出ライン80に接続され、上流側は、排出ライン61に接続される。SIP工程に入り蒸気を入れ始めた段階では配管や遠心機のロータなどが冷えている状態なので大量の凝縮水が発生する。この段階では第二経路を通して、この大量の凝縮水を凝縮水排水ライン80に排出する。このスチームトラップ部60によってロータ駆動装置10を通った蒸気が液化された水(凝縮水)を停滞することなくドレン(排出ライン80)により外部に排出させることができる。
スチームトラップ部50は、基本構成はスチームトラップ部60と同じである。ダイアフラム弁XV18と第一スチームトラップST1と第1逆止弁VS1が直列に接続されて第一経路を構成し、さらに、それらと並列の第二経路が付加されてダイアフラム弁XV19が設けられる。蒸気の流れ方向に見て第一逆止弁VS1とダイアフラム弁XV19の下流側は凝縮水排出ライン80に接続され、上流側は、プロセス液切替部20に接続される。このスチームトラップ部50によってプロセス液切替部20を通った蒸気が液化された水(凝縮水)を停滞することなく凝縮水排出ライン80により外部に排出させることができる。
本実施例の連続遠心機1においてはスチームトラップ部50、60に加えてスチームトラップ部70が設けられる。スチームトラップ部70の基本構成はスチームトラップ部50、60と同じである。ダイアフラム弁XV22と第三スチームトラップST3と第三逆止弁VS3が直列に接続されて第一経路を構成し、さらに、それらと並列の第二経路が付加されてダイアフラム弁XV23が設けられる。蒸気の流れ方向に見て第三逆止弁VS3とダイアフラム弁XV23の下流側は凝縮水排出ライン80に接続され、上流側は、試料回収ライン17に接続される。このスチームトラップ部70によってロータ駆動装置10を通って試料回収ライン17に到達した蒸気が液化された水(凝縮水)を停滞することなく凝縮水排出ライン80により外部に排出させることができる。
以上のように、本実施例では、スチームトラップ部50~70をそれぞれ設けたことにより、第一スチームトラップST1~第三スチームトラップST3と、第一逆止弁VS1~第三逆止弁VS3と、XV18~XV23によって凝縮水が停滞することなく排出されるので、それぞれの配管内を121℃以上の状態で維持することが可能となる。また各部の温度が121℃以上で維持されることを確認出来ることが必要であるが、そのために配管内圧力が下がり凝縮水も多くなる下流側で温度を見張ることが効果的である。ドレン側に設けられた温度センサ(TE1)62の温度情報が送液用制御装置29に送られることでサンプルフィードの制御装置は正常にSIPが実施出来たことを確認出来る。尚、サンプルフィード部2は、SIPだけでなくNaOHを使ったアルカリ洗浄等の他の滅菌方法を採用しても良いし、流入口35はWFI、Pure Air、Pure Steam、NaOH溶液などのラインとも接続可能に構成すると良い。
図2は図1のロータ駆動装置10の詳細構造を示す断面図である。ベース110に固定されるチャンバ101は、その内部に駆動部130に吊り下げられたロータ120が収容され、ロータ120の周囲を覆うように円筒型のエバポレータ(蒸発配管)102が設置され、エバポレータ102の外側には円筒型のプロテクタ103が設置される。プロテクタ103は、ロータ120が回転中に何らかの原因でロータ120が破壊されるようなことがあった場合であっても、その破片や試料が外部に飛び出すことなくチャンバ101内部に留めておくために設置され、防護壁の役割を果たすものである。エバポレータ102は、チャンバ101の内部を冷やすことができるように冷媒ガスを循環させる銅配管で構成されており、チャンバ101の内部を冷却可能である。
ロータ120は、円筒型のロータボディ121と、ロータボディ121の上下にねじ込み式で取り付けられる上部ロータカバ123および下部ロータカバ122を含んで構成される。駆動部130は、図示しないリフトと一体の後述するアッパープレート161に取り付けられ、モータ131、軸受部132等で構成されている。モータ131は、アッパーシャフト123Aを回転軸とし、軸受部132は、モータ131の上下においてアッパーシャフト123Aを回転可能に支持する。アッパーシャフト123Aの下端部にナット123Bによって上部ロータカバ123が取り付けられるため、ロータ120は駆動部130から吊り下げられる。
上部ロータカバ123および下部ロータカバ122のそれぞれの軸心位置には試料通過孔がそれぞれ形成されており、上部ロータカバ123および下部ロータカバ122には、回転軸部であるアッパーシャフト123Aとロアシャフト122Aとが取り付けられる。アッパーシャフト123Aとロアシャフト122Aとのそれぞれの軸中心には、上部通路および下部通路である試料通過孔がそれぞれ貫通しており、これらの試料通過孔は、上部ロータカバ123および下部ロータカバ122のそれぞれに形成された試料通過孔に連通する。駆動部130に含まれるモータ131の駆動によってアッパーシャフト123Aが高速回転されることにより、アッパーシャフト123Aに取り付けられるロータ120およびロータ120にナット122Bによって取り付けられるロアシャフト122Aが共に高速回転する。
また、ロータ120の内部には、出し入れ可能なコア120Aが配置され、遠心分離を行なう際は、ロアシャフト122Aから注入される試料が、試料通過孔を通過してロータ120の内部に導入され、ロータ120内に導入された試料は、コア120Aによって高遠心力場へ移動されて沈殿と上清とに分離され、上清(廃液)は、アッパーシャフト123Aの試料通過孔から排出される。
下側試料ライン16は、下部軸受部140に試料を圧送する。制御部15はロータ駆動装置(遠心分離部)10の運転を制御するもので、モータ131の回転制御、チャンバ101内の温度制御などを行う。尚、図2においてはロア側からアッパー側へ試料を流す例で説明したが、SIP時の蒸気の流れは流路切替機構30によって上下を切り替えると良い。
図3は、図1の連続遠心機1において、回収部40を切り離した状態を示した図である。回収部40をサンプルフィード部2から容易に分離可能とするために、本実施例では回収部40に無菌コネクタ42を設けている。無菌コネクタ42は、通常の環境下で簡単な操作で無菌状態を維持したまま接続または遮断できるコネクタであり、サンプルフィード部2側とのソケット42bと、回収部40側のプラグ42aに分離可能である。本実施例の三方分岐弁19は、例えば米国CPC社(Colder Products Company)の“HFC39 SERIES CONNECTOR(商品名)”を用いることができる。無菌コネクタ42には、無菌でコネクトする場合と、無菌でディスコネクトする場合のいずれかの目的に合致するものであるが、本実施例では、無菌状態を維持したままディスコネクトできることが重要である。回収部40を離脱可能な構造としたので、キャスターを備えた移動式ユニットにて回収部40を実現することも可能である。この場合、複数の遠心分離機1に対し、回収部40を兼用とするような運用や、特殊な用途用に複数の回収部を準備することも可能となるため、初期設備投資を抑えることが可能となる。
連続遠心機1のユーザは、遠心分離運転の終了後に複数本(多いものでは10~30本ぐらい)の回収容器に回収成果物を吸い上げて順番に小分けすることが一般的に行われている。そのうち特定の範囲にある回収容器の中身が必要とされ、それらの前後の回収容器の回収物は廃棄される。遠心分離された試料をロータから回収する際には、内径の直径が6mm前後の細いチューブを用いて低流量でゆっくりと行うため、回収部40における分離作業を自動化したいという要望がある。それを“フラクションユニット”と称する回収部40として、分離可能な構成にした。三方分岐弁19から回収部40にかけてはSIP適用外としたので、配管は耐熱性についてはあまり考慮する必要がないので、シリコンチューブのような柔軟なもので構成することが出来て、回収部40をドラフトチャンバー等の安全キャビネット内に収容した状態で作業することができる。そのため回収部40は安全キャビネット内に収容できる程度の大きさとすることが重要である。また、回収部40での複数の回収容器への分配作業を、図示しない回収用制御装置45によってピンチバルブXV24~XV27を自動制御することによって、極力自動化する。さらに安全キャビネット内で回収した成果物の処理を済ませた後は、図3のように回収部40をサンプルフィード側から切り離すことが可能となるので、回収部40内のチューブ配管やBrixセンサ43については薬液を使った洗浄や滅菌処理またはオートクレーブなどの処置が可能である。
本実施例ではSIPの滅菌対象に回収部40は含まれないが、安全キャビネット内に置いた回収部40は安全な形でサンプルフィードから分離され、薬液滅菌などの別の滅菌手段を行うことが出来るので問題ない。このように回収部40だけを分離可能として、回収されない部分(サンプルフィード部2)側をSIP可能にしたので、回収部40内の配管すべてをステンレス配管とする必要がなくなり、シリコンチューブとピンチバルブXV24~XV27等により回収部40内部を配管できる。
図4は三方分岐弁19の動作概要を示すものである。三方分岐弁19はT字状の管路のうち、直管状の部分で隔壁19dが移動できる構造となっており、回収時およびSIP時のぞれぞれの場合において流路内にデッドスペースが無いことに特徴がある。本実施例では三方分岐弁19として米国CPC社の“STEAM-THRU(商品名であって登録商標)”コネクタを使用することによって、流路内にデッドスペースを無くすることができる。図4の状態では隔壁19dが下側に位置して、矢印で示すようにロータ駆動装置10側と回収部(フラクションユニット)40側の流路が接続されている状態を示す。この時に、隔壁19dは三方に分岐する流路内部で矢印で示す管路の外周面に接する位置に移動させることにより、管路にデッドスペースを形成せずに切り替えられた流路を確立する。ここで、デッドスペースとは、矢印で示す管路から分岐して先端が閉鎖されている窪みを意味する。そのような窪みや先端が閉鎖された管路が存在すると、回収成果物が残留することで分離結果が乱されることとなる上に、SIPを実施するときに蒸気が止められて凝縮水が発生しやすくなる。本実施例では、デッドスペースを限りなく小さくした三方分岐弁19を用いて、それを送液用制御装置29により自動で制御するように構成した。尚、三方分岐弁19としては、3つの開口19a~19cを有するT字分岐管と分岐後の管路にそれぞれバルブ(例えばダイアフラム弁)を設けて同等の機能を実現しても良い。但し、そのような三方分岐弁19を用いると、一方の弁を閉鎖して、一方の弁を開放した場合に、分岐部分から閉鎖した弁までの間に、一方の端部が閉鎖された管路が生じてしまい、そこがSIPを行う場合のデッドスペースとなりやすいので、その対策を十分考慮することが重要である。
図5は三方分岐弁19の隔壁19dが上側に位置して、ロータ駆動装置10と回収部(フラクションユニット)40の流路が遮断され、ロータ駆動装置10からスチームトラップ部70側への流路が接続された状態を示している。SIPを行う際には、隔壁19dが図5に示す位置に設定され、回収部40への流路は完全に閉鎖されることになる。三方分岐弁19は高温の蒸気に耐えられるため、三方分岐弁19を高温の蒸気により滅菌することが可能となる。また、SIPの実行時に、蒸気がスチームトラップ部70を介して凝縮水排出ライン80側に流れるので、開口19aから開口19cへの流路はすべて滅菌された状態にすることが出来る。また、三方分岐弁19は透明性のある樹脂で作成されていているので、バルブの切り替え位置や、回収する成果物の流れている状態、蒸気の流れの状態や水滴の付着状態を目視で確認できるたるため、配管内の状態を簡単に把握できる。
次に図6から図9を用いてSIP時のスチームの流れを説明する。図6及び図7は従来の連続遠心機におけるSIP時の蒸気の流れを説明する図である。図6において、滅菌用の蒸気は、流入口35から流入され、各部で発生した凝縮水は凝縮水排出ライン80から排出される。流入口35から流入される蒸気の流れは上から下へ、いわゆる一筆書きとなる流路とすることが基本である。ロータ駆動装置10で発生した凝縮水は、逆勾配が無ければ下側試料ライン16を介して凝縮水排出ライン80側へ排出される。ただし、その際のダイアフラムバルブXV2、XV3が“閉”となっているので、そこの僅かな蒸気が流れない閉塞部分では凝縮水が溜まり、徐々に温度が低下してしまう。
そこで図7で示すようにバルブXV2、XV3も“開”とするタイミングを設けるような制御とすれば、そこに溜まった凝縮水が排出され、温度低下を防ぐことが可能となる。ただし、バルブXV2、XV3も連続的な“開”とすると、サンプルフィード側の配管に比べて流路径の細いロータ駆動装置10側に蒸気は流れにくくなるため、ロータ駆動装置10の温度が低下し、またロア側に凝縮水が溜まりやすくなってしまう。このため、従来はバルブXV2、XV3の開閉タイミングのバランスを取って、連続的な“開”でなく、断続的に開閉するようにしてロータ駆動装置10のロア側の温度が下がる前に排出できるよう制御パターンを決めていた。
図8は、本発明の実施例に係る連続遠心機1のSIP時の蒸気の流れを説明する図である。図8に示すように本実施例ではバルブXV6から三方分岐弁19とスチームトラップ部70を経由して凝縮水排出ライン80に至る新たな蒸気パスを作ることで、バルブXV1~XV4の開閉タイミングによって、ロータ駆動装置10のロア側の凝縮水が流れにくいタイミングでも、ロータ駆動装置10内部で生ずる凝縮水を凝縮水排出ライン80に排出することができる。
図9はSIPの実施時に滅菌されない範囲を示す図であり、回収部40の範囲75と、三方分岐弁19から無菌コネクタ42のソケット42bまでの半透明黒太線にて示す範囲76がSIPの対象外となる。しかしながら、前述したように回収部40は別の滅菌手段で滅菌可能であるのでSIP適用外であっても問題ない。また、三方分岐弁19から無菌コネクタ42のソケット42bまでの範囲76の範囲は、三方分岐弁19としてスチームスルーコネクタ(登録商標)を使った場合は、スチームスルーコネクタから無菌コネクタの間の該当部分(範囲76)は、取り外して薬液滅菌をする等の別の滅菌方法を適用可能である。
以上のように本実施例では、図11にて示した従来のサンプルフィード部2に加えて、三方分岐弁19とスチームトラップ部70による凝縮水排水機能を設けたので、サンプルフィード部2側のSIPを行い三方分岐弁19まで滅菌された状態にした後には、無菌コネクタ42を外すことで回収部40を離脱して、回収部40だけを単独で移動させることが可能となる。この時、回収部40全体をバイオセーフティキャビネット内に設置しておけば、各容器に分配された試料を回収部40から外して、密閉用キャップをする作業や、回収部40内の各ラインを薬液滅菌する作業を安全に行うことが出来る。
三方分岐弁19から無菌コネクタ間のチューブは未滅菌状態であるが、三方分岐弁19の隔壁によって密閉されているので、三方分岐弁19を含めた無菌コネクタまでの配管を取り外して、安全な形で廃棄処分や、オートクレーブ処理、チューブ交換等の処理を行うことが出来る。また三方分岐弁19によってSIP時の蒸気パスが出来たので、ロータ駆動装置10のロアシール部の凝縮水を凝縮水排出ライン80側に排出しやすくなるというメリットも存在する。特に、連続遠心機のロータ・コアおよびシャフトといったサンプルラインは流路が細いため、下流側配管をかなり絞って圧力調整しないとロアシール部出口温度は昇温しにくく、またバルブXV1~XV4の配管構造上、蒸気・凝縮水の流れを一筆書きに出来ず、タイミングをずらして交互に蒸気を通す間欠制御が必要となり、バルブ制御パターンを決めることが難しい。ところがバルブXV1~XV4の開閉タイミングによって、ロアシール部の凝縮水流れを阻害するタイミングでは、新たに設けた蒸気パスによって凝縮水を排出出来るようになるため、ロアシール部の温度が下がりにくくなる。
図10は本発明の第二の実施例に係る連続遠心機1Aの全体構成図である。通常、連続遠心機において回収部40側までSIPを実施可能とするにはシステム全体が複雑且つ大型化してしまうが、第1の実施例によって回収部分の自動化を導入しやくなることが期待される。第1の実施例ではプロセス液切替部20をSIPの適用範囲として作成したが、第2の実施例では回収側のプロセス液切替部20Aも回収部40と同じように分離可能な構成とした。図10に示す全体の基本構成は図1で示した遠心分離機1とほぼ同じであるが、図1で示した構成に三方分岐弁27と無菌コネクタ28を追加した構成としている。三方分岐弁27は三方分岐弁19と同じ部品を用い、無菌コネクタ28も無菌コネクタ42と同じ部品(または同等品)を用いる。第2の実施例の構成では、プロセス液切替部20Aを独立して取扱いできるようになるため、サンプルフィード部2Aの配管システムをコンパクトに構成することが可能となる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、SIP時の凝縮水排出用としてスチームトラップと逆止弁を用いた配管例をあげたが、初期の凝縮水を迅速に排出するバイパスと、配管各部の昇温状態を維持する場合では蒸気の漏れを防ぎつつ凝縮水の排出だけを行う、という機能があれば良いので、各スチームトラップ部の第二経路の自動弁を単なる手動弁で置き換えることも可能である。
尚、ダイアフラム弁XV18、XV20、XV22を常に閉じた状態し、ダイアフラム弁XV19、21、23を常に開いた状態にすることで薬液をスチームトラップST1、ST2、ST3に供給しないようにすることでアルカリ洗浄等の薬液対応することも可能である。さらに、制御部15、送液用制御装置29、回収用制御装置45は、各制御装置と通信が可能で、各装置10、20、30の運転状況などの情報を、他の制御装置(制御部)に送信し、各制御装置は、受信した情報を基に、各装置10、20、30の運転を制御するようにしても良い。さらに、制御装置は、三方分岐弁19の隔壁19dの位置を検出し、検出された位置によって遠心分離された試料をロータから回収できる状態なのか、滅菌できる状態なのかを判断するようにしても良い。
1、1A 連続遠心機 2、2A サンプルフィード部 10 ロータ駆動装置
11 上側試料ライン 15 制御部 16 下側試料ライン
17、17a、17b 試料回収ライン 18 第二ポンプ 19 三方分岐弁
19a (三方分岐弁の)入口開口 19b、19c (三方分岐弁の)出口開口
19d 隔壁 20、20A プロセス液切替部 21 第一ショ糖液
22 第二ショ糖液 23 プロセス液 24 バッファー液
25 試料供給ライン 26 スチーム排出ライン 27 三方分岐弁
28 無菌コネクタ 29 送液用制御装置 30 流路切替機構
31 試料流入ライン 32 第一ポンプ 33 流量計 34 圧力計
35 流入口 36 流入方向 40 回収部
41 シリコンチューブ 42 無菌コネクタ 42a プラグ
42b ソケット 43 Brixセンサ 45 回収用制御装置
46~49 回収容器 50、60 スチームトラップ部 61 排出ライン
62 温度センサ 70 スチームトラップ部 80 凝縮水排出ライン
101 チャンバ 102 エバポレータ 103 プロテクタ
110 ベース 111、116 コネクタ 120 ロータ
120A コア 121 ロータボディ 122 下部ロータカバ
122A ロアシャフト 122B ナット 123 上部ロータカバ
123A アッパーシャフト 123B ナット 130 駆動部
131 モータ 132 軸受部 140 下部軸受部
141 シリコンチューブ 161 アッパープレート 201 連続遠心機
217 試料回収ライン 240 回収部
DG1、DG2 ショ糖液 F1~F5 ベントフィルタ
ST1 第一スチームトラップ ST2 第二スチームトラップ
ST3 第三スチームトラップ TE 温度センサ
VS1 第一逆止弁 VS2 第二逆止弁 VS3 第三逆止弁
XV1~XV23 バルブ(ダイアフラムバルブ)
XV24~XV27 バルブ(ピンチバルブ)

Claims (11)

  1. 回転軸線方向の上側と下側に流路を有し試料を分離するためのロータと、前記ロータを回転させる駆動部とを有するロータ駆動装置と、
    前記ロータの上側から試料を供給又は排出する上側ラインと、
    前記ロータの下側から試料を供給又は排出する下側ラインと、
    前記ロータ駆動装置に試料を送る試料供給手段と、
    前記ロータ内の分離後の試料を回収するための試料回収部を有し、
    前記試料供給手段から前記ロータへ供給される液体を前記上側ライン経由か前記下側ライン経由かを切り替える流路切替機構を有する連続遠心機であって、
    前記ロータ駆動装置は、前記ロータ内を滅菌する為に滅菌装置と接続可能で、
    滅菌時の凝縮水を排出するための凝縮水排出ラインが設けられ、
    前記ロータ駆動装置から前記試料回収部に至る試料回収ラインには、前記ロータ駆動装置と前記試料回収ラインを接続するか、又は、前記ロータ駆動装置と前記凝縮水排出ラインを接続するかを切り替える三方分岐弁が設けられ
    前記三方分岐弁と前記試料回収部の接続ラインにはコネクタが設けられ、前記コネクタによって滅菌前又は滅菌後に前記試料回収部を滅菌範囲から切り離し可能とし、
    前記滅菌装置で前記ロータ内を滅菌する場合には、前記三方分岐弁によってロータ駆動装置から前記試料回収部の接続を遮断して、前記ロータ駆動装置と前記凝縮水排出ラインを接続することを特徴とする連続遠心機。
  2. 前記三方分岐弁は透明な樹脂によって形成されることにより、バルブの切り替え位置や、内部の状態を目視で確認できるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の連続遠心機。
  3. 前記流路切替機構は、ブリッジ状に接続した4つの自動バルブであることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続遠心機。
  4. 前記三方分岐弁と前記凝縮水排出ラインの間に、スチームトラップ部を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の連続遠心機。
  5. 前記滅菌装置は、高温の蒸気の発生手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の連続遠心機。
  6. 前記三方分岐弁は、三方に分岐する流路内部で隔壁を移動させることにより、デッドスペースを形成せずに切り替えられた流路を確立することを特徴とする請求項5に記載の連続遠心機。
  7. 前記スチームトラップ部は、
    滅菌用に供給される蒸気をトラップするスチームトラップと、逆止弁と、第一の自動弁を接続した第一経路と、
    前記第一経路と並列に接続され第二の自動弁を有する第二経路と、により形成されることを特徴とする請求項6に記載の連続遠心機。
  8. 前記コネクタは、前記三方分岐弁から前記試料回収ラインに至るラインを無菌状態にて接続、又は/及び、切り離しできることを特徴とする請求項2に記載の連続遠心機。
  9. 前記試料供給手段と前記凝縮水排出ラインとの間、及び、前記流路切替機構と前記凝縮水排出ラインとの間にはそれぞれスチームトラップ部が設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の連続遠心機。
  10. 回転軸線方向の上側と下側に流路を有し試料を分離するためのロータと、前記ロータを回転させる駆動部とを有するロータ駆動装置と、
    前記ロータの上側から試料を供給又は排出する上側ラインと、
    前記ロータの下側から試料を供給又は排出する下側ラインと、
    前記ロータ駆動装置に試料を送る試料供給手段と、
    前記ロータ内の分離後の試料を回収するための試料回収部を有し、
    前記試料供給手段から前記ロータへ供給される液体を前記上側ライン経由か前記下側ライン経由かを切り替える流路切替機構を有する連続遠心機であって、
    前記ロータ駆動装置は、前記ロータ内を滅菌する為に滅菌装置と接続可能で、
    滅菌時の凝縮水を排出するための凝縮水排出ラインが設けられ、
    入口開口が前記下側ラインに接続され、2つの出口開口が前記試料回収部と前記凝縮水排出ラインにそれぞれ接続される三方分岐弁が、前記ロータ駆動装置から前記試料回収部に至る試料回収ラインに設けられ、
    前記試料回収部と前記三方分岐弁の接続をコネクタによって分離可能に構成し、
    前記分離により残された部分を金属管によって蒸気滅菌が可能なように配管し、
    前記分離可能な前記試料回収部を、蒸気滅菌が不能な配管を含んだ構成とし、
    前記滅菌装置で前記ロータ内を滅菌する場合には、前記三方分岐弁によってロータ駆動装置から前記試料回収部を遮断して、前記ロータ駆動装置と前記凝縮水排出ラインを接続することを特徴とする連続遠心機。
  11. 前記三方分岐弁と前記凝縮水排出ラインの間に、スチームトラップ部を設け、
    前記滅菌装置で前記ロータ内を蒸気滅菌する場合には、前記三方分岐弁によって前記下側ラインから前記スチームトラップ部への流路を接続することを特徴とする請求項10に記載の連続遠心機。
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