JP7388371B2 - 電縫鋼管および電縫鋼管の製造方法 - Google Patents
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Description
・低コストで製造できる電縫鋼管であること。
・造管後に熱処理を行わずとも、高い強度と優れた低温靱性を兼ね備えていること。
・表面性状に優れること。
・溶接性に優れること。
・従来、継目無鋼管が用いられていた比較的厚肉のものも製造可能であること。
C :0.050~0.15%、
Si:0.001以上、0.050%未満、
Mn:1.5~2.5%、
P :0.1%以下、
S :0.01%以下、
Al:0.01~0.10%、
Ti:0.05~0.20%、
Nb:0.01~0.10%、および
N :0.0005~0.01%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ
Si含有量に対するMn含有量の比Mn/Siが36超である成分組成を有し、
ベイナイト相と、面積率10%以下のフェライト相からなる微細組織を有し、
引張強度が780MPa以上、-20℃におけるシャルピー吸収エネルギーが31J以上である機械的特性を有する、電縫鋼管。
Mo:0.05~0.30%、
Cr:0.05~0.50%、
Cu:0.001~0.5%、
Ni:0.001~0.5%、
W :0.001~0.05%、
V :0.001~0.01%、
Ca:0.0001~0.0050%、および
REM:0.02%以下からなる群より選択された少なくとも1つを含有する、上記1に記載の電縫鋼管。
C :0.050~0.15%、
Si:0.001%以上、0.050%未満、
Mn:1.5~2.5%、
P :0.1%以下、
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Al:0.01~0.10%、
Ti:0.05~0.20%、
Nb:0.01~0.10%、および
N :0.0005~0.01%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ
Si含有量に対するMn含有量の比Mn/Siが36超である成分組成を有する鋼素材を、1100~1250℃の加熱温度まで加熱し、
加熱された前記鋼素材を、仕上圧延終了温度:700~830℃の条件で熱間圧延して熱延鋼帯とし、
前記熱延鋼帯を、50℃/s以上の平均冷却速度で500℃以下の冷却終了温度まで水冷し、
前記水冷された熱延鋼帯を、巻取温度:350~500℃で巻取り、
前記熱延鋼帯を、ロール成形して略円筒状のオープン管とし、
前記オープン管を電縫溶接して電縫鋼管とする、電縫鋼管の製造方法。
Mo:0.05~0.30%、
Cr:0.05~0.50%、
Cu:0.001~0.5%、
Ni:0.001~0.5%、
W :0.001~0.05%、
V :0.001~0.01%、
Ca:0.0001~0.0050%、および
REM:0.02%以下からなる群より選択された少なくとも1つを含有する、上記3に記載の電縫鋼管の製造方法。
本発明の電縫鋼管は、上述した成分組成を有する。以下、前記成分組成に含まれる各成分について説明する。なお、特に断らない限り、本明細書において成分の含有量の単位としての「%」は「質量%」を意味する。
Cは、強度を向上させる効果を有する元素である。建設機械の構造部材に求められる強度を確保するため、C含有量を0.050%以上とする。一方、C含有量が0.15%を超えると、低温靱性が劣化する。そのため、C含有量は0.15%以下、好ましくは0.12%以下とする。
Siは、脱酸剤として作用するとともに、固溶強化元素としても作用する元素である。前記効果を得るためには0.001%以上の含有を必要とする。そのため、Si含有量は0.001%以上とする。一方、Siは酸化されやすい元素であるため、Si含有量が過剰であると電縫溶接の際に酸化物の生成が顕著となり、溶接品質が劣化する。そのため、Si含有量は0.050%未満とする。なお、肉厚が増加するほど溶接品質を確保することが困難となる傾向がある。そのため、とりわけ肉厚が6mm以上である場合には、Si含有量を0.050%未満に抑制することの効果が特に顕著である。
Mnは、固溶して鋼の強度向上に寄与する元素である。また、Mnは、鋼の焼入れ性を向上させる効果を有しているため、Mnを適切に添加することにより、肉厚が厚い場合であってもベイナイト主体の組織を得ることができる。建設機械の構造部材に求められる強度を確保するため、Mn含有量を1.5%以上、好ましくは1.6%以上とする。一方、Mn含有量が2.5%を超えると、靭性が低下することに加え、硬度が過度に高くなるため造管が困難となる。そのため、Mn含有量は2.5%以下、好ましくは2.0%以下とする。
Pは、不純物として鋼中に含まれる元素であり、粒界等に偏析し、耐溶接割れ性および靭性を低下させる。耐溶接割れ性および靭性の低下を防ぐためには、P含有量を0.1%以下に低減する必要がある。そのため、P含有量は0.1%以下、好ましくは0.05%以下とする。
Sは、鋼中では硫化物系介在物として存在し、熱間加工性および靭性を低下させる元素である。熱間加工性および靭性の低下を防ぐためには、S含有量を0.01%以下に低減する必要がある。そのため、S含有量は0.01%以下、好ましくは0.005%以下とする。
Alは、脱酸剤として作用するとともに、Nと結合しAlNとして析出し、強度を高める効果を有する。前記効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。そのため、Al含有量は0.01%以上とする。一方、0.10%を超えて多量に含有すると、酸化物系介在物量が増加し、加工性が低下する。そのため、Al含有量は0.10%以下、好ましくは0.05%以下とする。
Tiは、TiCなどの炭化物を形成する。炭化物を形成することにより、スラブ加熱段階でのオーステナイト粒の粗大化が抑制される。したがって、Tiを添加することにより、結晶粒の微細化と析出強化によって鋼の強度を増加させることができる。前記効果を得るために、Ti含有量を0.05%以上とする。一方、Ti含有量が0.20%を超えると、延性が低下する。そのため、Ti含有量は0.20%以下とする。より好ましくは、0.06~0.15%である。
Nbは、Tiと同様に鋼中のCと結合し、NbCなどの炭化物を形成する。生成した炭化物が主相であるベイナイト中に微細分散することにより、ベイナイトが強化される。前記効果を得るためには、Nb含有量を0.01%以上の含有を有する。そのため、Nb含有量は0.01%以上とする。一方、Nb含有量が0.10%を超えると、添加効果が飽和して含有量に見合う効果が得られないため、経済的に不利となる。そのため、Nb含有量は0.10%以下、好ましくは0.05%以下とする。
Nは、不純物として不可避的に含有される元素である。Nは、鋼中の窒化物形成元素と結合し、結晶粒の粗大化の抑制に寄与する。前記効果を得るためには0.0005%以上の含有を必要とする。そのため、N含有量を0.0005%以上とする。一方、N含有量が0.01%を超えると、溶接部の靭性が低下する。そのため、N含有量は0.01%以下、好ましくは0.005%以下とする。
電縫溶接管の溶接品質を確保する上で、Si含有量に対するMn含有量の比Mn/Siを適切に制御することが重要である。電縫溶接を行うと接合面にはSiおよびMnの酸化物が形成されるが、形成されるSiおよびMnの酸化物の溶融温度はMn/Siの値に依存する。Mn/Siの値が低いと酸化物の溶融温度が高くなり、アップセットした時に酸化物が管外に排出されにくくなり、接合強度を低下させる。これを抑制するために、Mn/Si比を36超とする。なお、ここで比Mn/Siは、MnとSiの質量比である。
Moは固溶して鋼のさらなる強度向上に寄与する元素である。Moを添加する場合、前記効果を得るためにMo含有量を0.05%以上とする。一方、Mo含有量が0.30%を超えると、効果が飽和することに加え、コストの増加が顕著となる。そのため、Mo含有量は0.30%以下、好ましくは0.2%以下とする。
Crは固溶して鋼のさらなる強度向上に寄与する元素である。Crを添加する場合、前記効果を得るために、Cr含有量を0.05%以上とする。一方、Cr含有量が0.50%を超えると、酸化物が形成されやすくなり、電縫溶接部にCr酸化物が残存して電縫溶接品質が低下する。そのため、Cr含有量は0.50%以下、好ましくは0.3%以下とする。
Cuは、耐食性を向上させる作用を有する元素である。Cuを添加する場合、前記効果を得るために、Cu含有量を0.001%以上とする。一方、Cuは高価な合金元素であるため、Cu含有量が0.5%を超えると材料コストの高騰を招く。そのため、Cu含有量は0.5%以下、好ましくは0.30%以下とする。
Niは、Cuと同様、耐食性を向上させる作用を有する元素である。Niを添加する場合、前記効果を得るために、Ni含有量を0.001%以上とする。一方、Niは高価な合金元素であるため、Ni含有量が0.5%を超えると材料コストの高騰を招く。そのため、Ni含有量は0.5%以下、好ましくは0.30%以下とする。
Wは、TiやNbと同様に、微細な炭化物を形成して強度(硬さ)のさらなる増加に寄与する元素である。Wを添加する場合、前記効果を得るためにW含有量を0.001%以上とする。一方、W含有量が0.05%を超えると、添加効果が飽和して含有量に見合う効果が得られないため、経済的に不利となる。そのため、W含有量は0.05%以下、好ましくは0.03%以下とする。
Vは、N、Tiと同様に鋼中のCと結合し炭化物を形成し主相であるベイナイト中に微細分散することでベイナイトをさらに強化する効果を有する元素である。Vを添加する場合、前記効果を得るためにV含有量を0.001%以上とする。一方、V含有量が0.01%を超えると、添加効果が飽和して含有量に見合う効果が得られないため、経済的に不利となる。そのため、V含有量は0.01%以下、好ましくは0.008%以下とする。
Caは、硫化物系介在物の形態制御を介して延性を向上させる作用を有する元素である。Caを添加する場合、前記効果を得るためにCa含有量を0.0001%以上、好ましくは0.0010%以上とする。一方、Ca含有量が0.0050%を超えると、介在物量が過剰となり鋼の清浄度が低下する。そのため、Ca含有量は0.0050%%以下、好ましくは0.0040%以下とする。
REM(希土類金属)は、Caと同様に、硫化物系介在物の形態を微細な略球形の介在物に制御する作用を有する元素である。しかし、REM含有量が0.02%を超えると、疲労き裂の起点となる介在物の量が過剰となるため、耐腐食疲労特性が低下する。そのため、REM含有量は0.02%以下、好ましくは0.01%以下とする。一方、REM含有量の下限はとくに限定されないが、REMの添加効果を高めるという観点からは、REMを添加する場合、REM含有量を0.001%以上とすることが好ましい。
本発明の電縫鋼管は、ベイナイト相と、面積率10%以下のフェライト相からなる微細組織を有する。前記微細組織を有することにより、所望の高強度と優れた低温靭性を兼備することが可能となる。
フェライトの面積率が10%を超えると、所望の強度を達成することができない。そのため、フェライトの面積率は10%以下、好ましくは5%以下とする。フェライトの面積率は低ければ低いほどよく、したがって0%であってもよい。言い換えると、本発明の電縫鋼管の微細組織は、ベイナイトのみからなるベイナイト単相組織であってもよい。
TS:780MPa以上
クレーンラチスおよびクレーンブームなどの建設機械用の構造部材として好適に用いるために、引張強さ(TS)を780MPa以上とする。一方、引張強さの上限はとくに限定されないが、過度に強度が高いと、成形が困難となることに加え、低温靱性の確保も難しくなる。そのため、引張強さは1180MPa以下とすることが好ましい。
寒冷地で使用するためには、優れた低温衝撃特性を備えることが求められる。低温衝撃特性の指標である-20℃におけるシャルピー吸収エネルギーvE-20が31J未満であると、寒冷地で使用する際の脆性破壊のリスク顕著となる。そこで、vE-20を31J以上とする。一方、vE-20は高ければ高いほど好ましいため、vE-20の上限はとくに限定されない。なお、ここで、vE-20は、JIS Z 2242の規定に準拠して、幅10mm×高さ5mm×長さ55mm、ノッチ角度45°、ノッチ深さ2mm、ノッチ底半径0.25mmのVノッチ試験片を使用し、試験温度-20°でシャルピー衝撃試験を行って測定される吸収エネルギーと定義する。より詳細には、実施例に記載した方法で測定することができる。
次に、本発明の一実施形態における電縫鋼管の製造方法について説明する。
前記鋼素材としては、上述した成分組成を有する鋼材であれば任意のものを用いることができる。前記鋼素材としては、典型的には鋼スラブが用いられる。
加熱温度:1100℃~1250℃
まず、上記鋼素材を、1100~1250℃の加熱温度まで加熱する。製造過程において、強化や結晶粒微細化に有効な微細析出物を析出させるためには、鋼素材に含まれるTiやNbなどの析出物を十分に溶解しておく必要がある。そのためには、加熱温度を1100℃以上とする必要がある。一方、加熱温度が1250℃を超えると、オーステナイト粒が著しく粗大化し、靱性が低下する。そのため、加熱温度は1250℃以下、好ましくは1220℃以下とする。
仕上圧延終了温度:700~830℃
次に、加熱された前記鋼素材を、仕上圧延終了温度:700~830℃の条件で熱間圧延して熱延鋼帯とする。仕上圧延終了温度が700℃未満では、鋼素材の硬度が高いため、熱間圧延およびその後の成形が困難となり、生産性が低下する。そのため、仕上圧延終了温度は700℃以上とする。一方、仕上圧延終了温度が830℃より高いと、結晶粒が粗大化する結果、必要とする強度が達成できない。また、表面肌が劣化し、製品の外観性を損ねる。そのため、仕上圧延終了温度は830℃以下、好ましくは810℃以下とする。
次いで、巻取りに先だって、前記熱延鋼帯を水冷する。前記水冷は、とくに限定されることなく任意の方法で行うことができる。例えば、ランナウトテーブル上で熱延鋼帯を水冷してもよい。
冷却終了温度:500℃以下
ベイナイト主体の微細組織を得るためには、前記水冷により、平均冷却速度:50℃/s以上で、500℃以下の冷却終了温度まで冷却することが重要である。平均冷却速度が50℃/s未満であると、フェライト相が増加し、その結果、強度が低下する。そのため、平均冷却速度を50℃/s以上とする。なお、前記平均冷却速度は、水冷開始から水冷終了までの平均冷却速度と定義する。なお、前記平均冷却速度の上限については特に限定しないが、平均冷却速度が過度に大きいと、所望の巻取り温度を達成するのに通板速度を大幅に上げる必要が発生するため、操業が難しくなる。また、場合によっては材質不安定につながる。そのため、前記平均冷却速度は150℃/s以下とすることが好ましい。
巻取温度:350~500℃
次いで、前記水冷された熱延鋼帯を、巻取温度:350~500℃でコイル状に巻取る。巻取温度が350℃未満であると、熱延鋼板が過度に硬質化して、その後の成形が難しくなる。そのため、巻取温度は350℃以上とする。一方、巻取温度が500℃より高いと、必要な強度が得られない。また、巻取温度が500℃より高いと、低温靭性に対して不利な上部ベイナイトが生成しやすくなる。そのため、巻取温度は500℃以下とする。
次に、前記熱延鋼帯を、ロール成形して略円筒状のオープン管とする。前記ロール成形は、常法にしたがって行うことができる。
次いで、前記オープン管の幅方向端部同士を衝合し、電縫溶接して電縫鋼管とする。前記オープン管の幅方向端部同士の衝合は、任意の方法で行うことができるが、通常は、スクイズロールを用いて行うことができる。また、前記電縫溶接は、例えば、高周波抵抗溶接または誘導加熱溶接によって行うことが好ましい。
得られた電縫鋼管から、組織観察用試験片(管円周(C)方向断面観察)を10個採取した。前記試験片の断面を研磨した後、ナイタール液を用いて腐食することにより微細組織を現出させた。次いで、光学顕微鏡を用い、前記試験片の表面を倍率200倍で試験片1つあたり10視野以上撮像して微細組織の画像を得た。画像解析装置を用いて得られた画像を解析し、ベイナイト、フェライト等の組織の種類を同定し、試験片10個×10視野以上のすべての視野における観察結果の平均値としてフェライトの面積率を算出した。得られた結果を表2に示す。なお、比較例No.21の電縫鋼管は、フェライトの面積率が0%であり、100%焼き戻しマルテンサイトからなる微細組織を有していた。
得られた電縫鋼管から、JIS Z 2241の規定に準拠して、引張方向が管軸(L)方向となるようにJIS 12号B引張試験片(標点距離:50mm)を採取した。次いで、前記引張試験片を用い、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、0.2%耐力(YS)、引張強さ(TS)、伸び(El)を求めた。得られた結果を表2に示す。
得られた電縫鋼管から、JIS Z 2242の規定に準拠して、管長手(L)方向の管厚中央部からVノッチ試験片(幅10mm×高さ5mm×長さ55mm、ノッチ角度45°、ノッチ深さ2mm、ノッチ底半径0.25mm)を管軸方向から採取した。前記試験片を用い、試験温度-20℃にてシャルピー衝撃試験を行って、-20℃におけるシャルピー吸収エネルギーvE-20を測定した。得られた結果を表2に示す。
溶接品質を評価するために、JIS G3445に記載の方法に基づいて、溶接部を真横にして上限の平板にて押しつぶす90度扁平試験を実施した。前記偏平試験において、溶接部に割れが発生する扁平高さ(平板管の距離)が7/8×管外径(D)以下の場合に溶接品質が良好とし、扁平高さが7/8×管外径(D)を超える場合には溶接品質が不良であると判断した。
得られた電縫鋼管の外面および内面について外観目視検査を行い、表面に肌荒れ、スケール残り、あばた状の凹凸などが存在する場合、表面肌不良と判断した。
Claims (4)
- 質量%で、
C :0.050~0.15%、
Si:0.001%以上、0.050%未満、
Mn:1.5~2.5%、
P :0.1%以下、
S :0.01%以下、
Al:0.01~0.10%、
Ti:0.05~0.20%、
Nb:0.01~0.10%、および
N :0.0005~0.01%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ
Si含有量に対するMn含有量の比Mn/Siが36超である成分組成を有し、
ベイナイト相と、面積率10%以下のフェライト相からなる微細組織を有し、
引張強度が780MPa以上、-20℃におけるシャルピー吸収エネルギーが31J以上である機械的特性を有する、電縫鋼管。 - 前記成分組成が、質量%で、さらに、
Mo:0.05~0.30%、
Cr:0.05~0.50%、
Cu:0.001~0.5%、
Ni:0.001~0.5%、
W :0.001~0.05%、
V :0.001~0.01%、
Ca:0.0001~0.0050%、および
REM:0.02%以下からなる群より選択された少なくとも1つを含有する、請求項1に記載の電縫鋼管。 - 質量%で、
C :0.050~0.15%、
Si:0.001%以上、0.050%未満、
Mn:1.5~2.5%、
P :0.1%以下、
S :0.01%以下、
Al:0.01~0.10%、
Ti:0.05~0.20%、
Nb:0.01~0.10%、および
N :0.0005~0.01%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ
Si含有量に対するMn含有量の比Mn/Siが36超である成分組成を有する鋼素材を、1100~1250℃の加熱温度まで加熱し、
加熱された前記鋼素材を、仕上圧延終了温度:700~830℃の条件で熱間圧延して熱延鋼帯とし、
前記熱延鋼帯を、50℃/s以上の平均冷却速度で500℃以下の冷却終了温度まで水冷し、
前記水冷された熱延鋼帯を、巻取温度:350~500℃で巻取り、
前記熱延鋼帯を、ロール成形して略円筒状のオープン管とし、
前記オープン管を電縫溶接して電縫鋼管とする、電縫鋼管の製造方法であって、
前記電縫鋼管が、
ベイナイト相と、面積率10%以下のフェライト相からなる微細組織を有し、かつ、
引張強度が780MPa以上、-20℃におけるシャルピー吸収エネルギーが31J以上である機械的特性を有する、電縫鋼管の製造方法。 - 前記成分組成が、質量%で、さらに、
Mo:0.05~0.30%、
Cr:0.05~0.50%、
Cu:0.001~0.5%、
Ni:0.001~0.5%、
W :0.001~0.05%、
V :0.001~0.01%、
Ca:0.0001~0.0050%、および
REM:0.02%以下からなる群より選択された少なくとも1つを含有する、請求項3に記載の電縫鋼管の製造方法。
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