以下、各実施の形態において、本開示に係る冷凍サイクル装置の一例について、図面等を参照しながら説明する。ここで、図1を含む以下の図面において同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものである。また、この規則は、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、以下の各実施の形態では、本開示に係る冷凍サイクル装置の一例の理解を容易にするために、方向を表す用語を適宜用いる場合がある。しかしながら、方向を表す用語は、説明の便宜上用いているだけであって、本開示に係る冷凍サイクル装置の各構成の配置及び向きを限定するものではない。なお、方向を表す用語とは、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」等である。また、各実施の形態に説明する本開示に係る冷凍サイクル装置は、あくまでも例示である。本開示に係る冷凍サイクル装置は、明細書に記載された形態に限定されるものではない。また、以下の各実施の形態では、本開示に係る冷凍サイクル装置が空気調和装置として用いられる例を説明する。しかしながら、本開示に係る冷凍サイクル装置の用途は、冷凍用途及び空調用途であればよい。すなわち、本開示に係る冷凍サイクル装置は、冷蔵庫、冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置及び給湯器等として用いることができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を示す冷媒回路図である。
冷凍サイクル装置200は、熱媒体が循環する熱媒体回路8を備えている。この熱媒体回路8は、複数の負荷側熱交換器と、複数の利用側熱交換器3とを備えている。図1は、2つの負荷側熱交換器及び2つの利用側熱交換器3を備えた冷凍サイクル装置200を例示している。複数の負荷側熱交換器は、熱媒体と、該熱媒体とは異なる第1冷媒とを熱交換させるものである。複数の利用側熱交換器3は、負荷側熱交換器のうちの少なくとも1つから供給された熱媒体が流入するものである。
熱媒体及び第1冷媒は特に限定されないが、熱媒体及び第1冷媒として、例えば次のようなものを用いることができる。例えば、熱媒体は、塩化カルシウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液、エチレングリコールを含むブライン、不凍液及び水等である。例えば、第1冷媒は、オレフィン系冷媒、エチレン系冷媒、エタン系冷媒、プロパン、又はジメチルエーテルである。また、例えば、第1冷媒は、オレフィン系冷媒、エチレン系冷媒、エタン系冷媒、プロパン、及びジメチルエーテルのうちの少なくとも2つを混合した混合冷媒である。なお、オレフィン系冷媒は、テトラフルオロプロペン等である。また、テトラフルオロプロペンは、HFO1234yf、及びHFO1234ze(E)等である。エチレン系冷媒は、ジフルオロエチレン等である。エタン系冷媒は、テトラフルオロエタン等である。
ここで、熱媒体回路8の複数の負荷側熱交換器の少なくとも一部は、異なる温度の熱媒体を供給することができる。以下、負荷側熱交換器のうちの1つを第1負荷側熱交換器1と称する。また、以下では、負荷側熱交換器のうち、第1負荷側熱交換器1が供給する熱媒体とは異なる温度の熱媒体を供給する負荷側熱交換器のうちの1つを第2負荷側熱交換器2と称する。
また、以下では、第1負荷側熱交換器1から供給された熱媒体が流入する利用側熱交換器3の1つを、第1利用側熱交換器と称する場合がある。具体的には、図1に示す冷凍サイクル装置200では、紙面上側の利用側熱交換器3が、第1負荷側熱交換器1から供給された熱媒体が流入する構成となっている。このため、図1に示す冷凍サイクル装置200では、紙面上側の利用側熱交換器3が第1利用側熱交換器となる。また、以下では、第2負荷側熱交換器2から供給された熱媒体が流入する利用側熱交換器のうち、第1利用側熱交換器以外の利用側熱交換器の1つを第2利用側熱交換器と称する場合がある。具体的には、図1に示す冷凍サイクル装置200では、紙面下側の利用側熱交換器3が、第2負荷側熱交換器2から供給された熱媒体が流入する構成となっている。このため、図1に示す冷凍サイクル装置200では、紙面下側の利用側熱交換器3が第2利用側熱交換器となる。
さらに、本実施の形態1に係る熱媒体回路8は、合流部31と、分岐部32と、ポンプ6とを備えている。合流部31は、第1利用側熱交換器から流出した熱媒体と、第2利用側熱交換器から流出した熱媒体とを合流させるものである。すなわち、本実施の形態1においては、合流部31は、紙面上側の利用側熱交換器3から流出した熱媒体と、紙面下側の利用側熱交換器3から流出した熱媒体とを合流させるものである。分岐部32は、合流部31から流出した前記熱媒体が流れる第1熱媒体配管8aを、第1負荷側熱交換器1に接続される第2熱媒体配管8bと第2負荷側熱交換器2に接続される第3熱媒体配管8cとに分岐させるものである。すなわち、分岐部32は、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2を並列に接続するものである。ポンプ6は、合流部31と分岐部32との間に設けられ、熱媒体回路8に熱媒体を循環させるものである。換言すると、ポンプ6は、第1熱媒体配管8aに設けられている。
なお、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2に第1冷媒を流す構成は特に限定されないが、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置200は、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2に第1冷媒を流す構成として、第1冷媒回路7を備えている。第1冷媒回路7は、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2を備え、第1冷媒が循環するものである。第1冷媒回路7の構成は特に限定されないが、本実施の形態1では、第1冷媒回路7は、次のように構成されている。
第1冷媒回路7は、圧縮機14と、流路切換装置41と、熱源側熱交換器4と、第1負荷側熱交換器1と、第2負荷側熱交換器2と、第1絞り装置21と、第2絞り装置22とを備えている。
圧縮機14は、第1冷媒を吸入し、その第1冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出するものである。圧縮機14として、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機、スクリュー圧縮機、又は往復圧縮機等を用いることができる。この圧縮機14の第1冷媒の吐出口及び吸入口は、流路切換装置41に接続されている。
流路切換装置41は、例えば四方弁であり、第1冷媒が流れる流路を切り換えて、圧縮機14の吐出口及び吸入口の接続先を切り換えるものである。本実施の形態1では、流路切換装置41が図1に実線で示す流路に切り換わった際、圧縮機14の吐出口が熱源側熱交換器4と接続され、圧縮機14の吸入口が第2負荷側熱交換器2と接続される。また、本実施の形態1では、流路切換装置41が図1に破線で示す流路に切り換わった際、圧縮機14の吐出口が第2負荷側熱交換器2と接続され、圧縮機14の吸入口が熱源側熱交換器4と接続される。
なお、流路切換装置41は、四方弁に限定されない。流路切換装置41は、二方弁又は三方弁等で構成されていてもよい。以下に示す流路切換装置41以外の流路切換装置も、同様である。
熱源側熱交換器4は、蒸発器又は放熱器として機能する。熱源側熱交換器4は、蒸発器として機能する場合、内部に流入した第1冷媒と室外空気との間で熱交換を行い、第1冷媒を蒸発させて気化させる。また、熱源側熱交換器4は、放熱器として機能する場合、内部に流入した冷媒と室外空気との間で熱交換を行い、第1冷媒を凝縮させて液化させる。熱源側熱交換器4が蒸発器として機能する冷凍サイクル装置200の運転状態、及び、熱源側熱交換器4が放熱器として機能する冷凍サイクル装置200の運転状態については、後述する。ところで、冷媒には、放熱器を流れて熱交換対象に冷却された際、凝縮する冷媒と、凝縮しない冷媒とが存在する。本実施の形態1では、第1冷媒回路7を循環する第1冷媒として、放熱器で凝縮する冷媒を用いた例について説明する。なお、放熱器で凝縮する冷媒が該放熱器を流れる場合、放熱器は凝縮器と称されることもある。
従来、熱交換器として、フィンアンドチューブ型熱交換器、マイクロチャネル熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器、ヒートパイプ式熱交換器、二重管式熱交換器及びプレート式熱交換器等、種々の構造の熱交換器が提案されている。これらの熱交換器から適宜選択して、熱源側熱交換器4として用いることができる。なお、本実施の形態1では、熱源側熱交換器4において冷媒と室外空気との間の熱交換の効率を高めるために、送風機5が熱源側熱交換器4に隣接して配置される。送風機5の構成は、特に限定されない。送風機5は、熱源側熱交換器4に供給する室外空気の流量及び静圧等の作動条件に基づいて、プロペラファン、ラインフローファン(登録商標)及び多翼遠心ファン等で構成すればよい。また、熱源側熱交換器4が水等の熱媒体と熱交換する構成の場合には、ポンプ等で、熱源側熱交換器4へ熱媒体を供給してもよい。
この熱源側熱交換器4は、一方の端部が流路切換装置41に接続されている。また、熱源側熱交換器4は、他方の端部が第1絞り装置21を介して第1負荷側熱交換器1に接続されている。
第1絞り装置21は、熱源側熱交換器4と第1負荷側熱交換器1との間に設けられている。第1絞り装置21は、減圧弁又は膨張弁としての機能を有し、第1冷媒を減圧して膨張させるものである。第1絞り装置21は、例えば、第1冷媒の流量を調整可能な電動膨張弁である。なお、第1絞り装置21は、電動膨張弁に限定されない。例えば、第1絞り装置21は、受圧部にダイアフラムを採用した機械式膨張弁でもよい。また、例えば、第1絞り装置21は、一部をキャピラリーチューブ等で構成されたものであってもよい。以下に示す第1絞り装置21以外の絞り装置も、同様である。
第1負荷側熱交換器1は、蒸発器又は放熱器として機能する。第1負荷側熱交換器1は、蒸発器として機能する場合、内部に流入した第1冷媒と熱媒体回路8を循環する熱媒体との間で熱交換を行い、第1冷媒を蒸発させて気化させる。また、第1負荷側熱交換器1は、放熱器として機能する場合、内部に流入した第1冷媒と熱媒体回路8を循環する熱媒体との間で熱交換を行い、第1冷媒を凝縮させて液化させる。第1負荷側熱交換器1が蒸発器として機能する冷凍サイクル装置200の運転状態、及び第1負荷側熱交換器1が放熱器として機能する冷凍サイクル装置200の運転状態については、後述する。
従来、熱交換器として、フィンアンドチューブ型熱交換器、マイクロチャネル熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器、ヒートパイプ式熱交換器、二重管式熱交換器及びプレート式熱交換器等、種々の構造の熱交換器が提案されている。これらの熱交換器から適宜選択して、第1負荷側熱交換器1として用いることができる。第2負荷側熱交換器2も同様である。
この第1負荷側熱交換器1は、上述のように、一方の端部が第1絞り装置21を介して熱源側熱交換器4に接続されている。また、第1負荷側熱交換器1は、他方の端部が第2絞り装置22を介して第2負荷側熱交換器2に接続されている。すなわち、本実施の形態1に係る第1冷媒回路7においては、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が、熱源側熱交換器4に直列に接続されている。
第2絞り装置22は、第1負荷側熱交換器1と第2負荷側熱交換器2との間に設けられている。第2絞り装置22は、第1絞り装置21と同様に、減圧弁又は膨張弁としての機能を有し、第1冷媒を減圧して膨張させるものである。
第2負荷側熱交換器2は、第1負荷側熱交換器1と同様に、蒸発器又は放熱器として機能する。第2負荷側熱交換器2は、蒸発器として機能する場合、内部に流入した第1冷媒と熱媒体回路8を循環する熱媒体との間で熱交換を行い、第1冷媒を蒸発させて気化させる。また、第2負荷側熱交換器2は、放熱器として機能する場合、内部に流入した第1冷媒と熱媒体回路8を循環する熱媒体との間で熱交換を行い、第1冷媒を凝縮させて液化させる。第2負荷側熱交換器2が蒸発器として機能する冷凍サイクル装置200の運転状態、及び第2負荷側熱交換器2が放熱器として機能する冷凍サイクル装置200の運転状態については、後述する。
この第2負荷側熱交換器2は、上述のように、一方の端部が第2絞り装置22を介して第1負荷側熱交換器1に接続されている。また、第2負荷側熱交換器2は、他方の端部が流路切換装置41に接続されている。
冷凍サイクル装置200の上述した各構成の少なくとも一部は、ユニットに搭載される。本実施の形態1では、冷凍サイクル装置200は、熱源ユニット201を備えている。また、冷凍サイクル装置200は、熱源ユニット201とは別のユニットとして、熱負荷ユニット202を備えている。また、冷凍サイクル装置200は、熱源ユニット201とは別のユニットとして、熱負荷ユニット202と熱源ユニット201とを接続する中継ユニット203を備えて得る。そして、熱源ユニット201には、圧縮機14、流路切換装置41、熱源側熱交換器4及び送風機5が搭載されている。中継ユニット203には、第1絞り装置21、第2絞り装置22、第1負荷側熱交換器1、第2負荷側熱交換器2、ポンプ6、合流部31、及び分岐部32が搭載されている。熱負荷ユニット202には、利用側熱交換器3が搭載されている。なお、本実施の形態1では、利用側熱交換器3のそれぞれは、異なる熱負荷ユニット202に搭載されている。
また、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置200は、該冷凍サイクル装置200の運転状態を制御する制御装置210を備えている。具体的には、制御装置210は、流路切換装置41の流路を切り換える。また、制御装置210は、圧縮機14を起動及び停止させる。制御装置210は、圧縮機14の駆動時、圧縮機14の回転数を制御してもよい。これにより、圧縮機14から吐出される第1冷媒の量を調整できる。また、制御装置210は、第1絞り装置21及び第2絞り装置22の開度を制御する。また、制御装置210は、送風機5を起動及び停止させる。制御装置210は、送風機5の駆動時、送風機5の回転数を制御してもよい。また、制御装置210は、ポンプ6を起動及び停止させる。制御装置210は、ポンプ6の駆動時、ポンプ6の回転数を制御してもよい。これにより、ポンプ6から吐出される熱媒体の量を調整できる。制御装置210が搭載されるユニットは特に限定されないが、本実施の形態1では、制御装置210は熱源ユニット201に搭載されている。
このような制御装置210は、専用のハードウェア、又はメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)で構成されている。なお、CPUは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はプロセッサともいう。
制御装置210が専用のハードウェアである場合、制御装置210は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。制御装置210が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部を一つのハードウェアで実現してもよい。
制御装置210がCPUの場合、制御装置210が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。CPUは、メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置210の各機能を実現する。ここで、メモリは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、又はEEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。
なお、制御装置210の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
次に、冷凍サイクル装置200の動作について説明する。まず、冷凍サイクル装置200が実行する冷房一律運転について説明する。冷房一律運転とは、作動する熱負荷ユニット202に搭載された全ての利用側熱交換器が室内空気を冷却する運転である。
冷凍サイクル装置200が冷房一律運転を実行する場合、第1冷媒回路7は、次のような動作となる。第1冷媒回路7では、流路切換装置41が図1に実線で示す流路となる。また、第1冷媒回路7では、熱源側熱交換器4が放熱器として機能し、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が蒸発器として機能する。
冷房一律運転において圧縮機14が駆動すると、圧縮機14の吐出口から高温高圧のガス冷媒となった第1冷媒が吐出される。圧縮機14から吐出された第1冷媒は、流路切換装置41を通って、熱源側熱交換器4に流入する。熱源側熱交換器4に流入した高温高圧のガス冷媒である第1冷媒は、送風機5によって供給された室外空気によって冷却されて凝縮し、高圧の液冷媒となる。そして、熱源側熱交換器4から流出した第1冷媒は、第1絞り装置21へ流入する。なお、熱源側熱交換器4に流入した高温高圧のガス冷媒である第1冷媒は、室外空気によって冷却されて凝縮し、ガス冷媒と液冷媒とが混合した気液二相冷媒になる場合もある。
第1絞り装置21へ流入した高圧の液冷媒である第1冷媒は、減圧されて低圧の気液二相冷媒となる。そして、第1絞り装置21から流出した低圧の気液二相冷媒である第1冷媒は、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2の順に流れる。なお、この際、第2絞り装置22は、例えば全開となっている。第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2を流れる過程において、低圧の気液二相冷媒である第1冷媒は、熱媒体回路8の熱媒体に加熱されて液冷媒が蒸発し、低圧のガス冷媒となる。換言すると、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2において、熱媒体回路8の熱媒体は、第1冷媒回路7の第1冷媒に冷却される。
第2負荷側熱交換器2から流出した低圧のガス冷媒である第1冷媒は、流路切換装置41を通って、圧縮機14の吸入口から該圧縮機14に吸入され、再び圧縮機14で圧縮され吐出される。以下、第1冷媒回路7では、このサイクルが繰り返される。
また、冷凍サイクル装置200が冷房一律運転を実行する場合、熱媒体回路8は、次のような動作となる。ポンプ6の吐出口から吐出された熱媒体の一部は、分岐部32を通って、第1負荷側熱交換器1に流入する。また、ポンプ6の吐出口から吐出された熱媒体の残りの一部は、分岐部32を通って、第2負荷側熱交換器2に流入する。
第1負荷側熱交換器1に流入した熱媒体は、第1冷媒回路7の第1冷媒に冷却される。第1負荷側熱交換器1から流出した熱媒体は、紙面上側の利用側熱交換器3に流入し、室内空気を冷却する。すなわち、該利用側熱交換器3が設置された室内を冷房する。
第2負荷側熱交換器2に流入した熱媒体も同様に、第1冷媒回路7の第1冷媒に冷却される。第2負荷側熱交換器2から流出した熱媒体は、紙面下側の利用側熱交換器3に流入し、室内空気を冷却する。すなわち、該利用側熱交換器3が設置された室内を冷房する。
利用側熱交換器3のそれぞれから流出した熱媒体は、合流部31で合流する。そして、この合流した熱媒体は、ポンプ6の吸入口から該ポンプ6に吸入され、ポンプ6から再び吐出される。以下、熱媒体回路8では、このサイクルが繰り返される。
次に、冷凍サイクル装置200が実行する暖房一律運転について説明する。暖房一律運転とは、作動する熱負荷ユニット202に搭載された全ての利用側熱交換器が室内空気を加熱する運転である。
冷凍サイクル装置200が暖房一律運転を実行する場合、第1冷媒回路7は、次のような動作となる。第1冷媒回路7では、流路切換装置41が図1に破線で示す流路となる。また、第1冷媒回路7では、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が放熱器として機能し、熱源側熱交換器4が蒸発器として機能する。
暖房一律運転において圧縮機14が駆動すると、圧縮機14の吐出口から高温高圧のガス冷媒となった第1冷媒が吐出される。圧縮機14から吐出された第1冷媒は、流路切換装置41を通って、第2負荷側熱交換器2及び第1負荷側熱交換器1の順に流れる。なお、この際、第2絞り装置22は、例えば全開となっている。第2負荷側熱交換器2及び第1負荷側熱交換器1を流れる過程において、高温高圧のガス冷媒である第1冷媒は、熱媒体回路8の熱媒体に冷却されて凝縮し、高圧の液冷媒となる。換言すると、第2負荷側熱交換器2及び第1負荷側熱交換器1において、熱媒体回路8の熱媒体は、第1冷媒回路7の第1冷媒に加熱される。そして、第1負荷側熱交換器1から流出した第1冷媒は、第1絞り装置21へ流入する。
第1絞り装置21へ流入した高圧の液冷媒である第1冷媒は、減圧されて低圧の気液二相冷媒となる。そして、第1絞り装置21から流出した低圧の気液二相冷媒である第1冷媒は、熱源側熱交換器4に流入する。熱源側熱交換器4に流入し低圧の気液二相冷媒である第1冷媒は、送風機5によって供給された室外空気に加熱されて、液冷媒が蒸発し、低圧のガス冷媒となる。
熱源側熱交換器4から流出した低圧のガス冷媒である第1冷媒は、流路切換装置41を通って、圧縮機14の吸入口から該圧縮機14に吸入され、再び圧縮機14で圧縮され吐出される。以下、第1冷媒回路7では、このサイクルが繰り返される。
また、冷凍サイクル装置200が暖房一律運転を実行する場合、熱媒体回路8は、次のような動作となる。ポンプ6の吐出口から吐出された熱媒体の一部は、分岐部32を通って、第1負荷側熱交換器1に流入する。また、ポンプ6の吐出口から吐出された熱媒体の残りの一部は、分岐部32を通って、第2負荷側熱交換器2に流入する。
第1負荷側熱交換器1に流入した熱媒体は、第1冷媒回路7の第1冷媒に加熱される。第1負荷側熱交換器1から流出した熱媒体は、紙面上側の利用側熱交換器3に流入し、室内空気を加熱する。すなわち、該利用側熱交換器3が設置された室内を暖房する。
第2負荷側熱交換器2に流入した熱媒体も同様に、第1冷媒回路7の第1冷媒に加熱される。第2負荷側熱交換器2から流出した熱媒体は、紙面下側の利用側熱交換器3に流入し、室内空気を加熱する。すなわち、該利用側熱交換器3が設置された室内を暖房する。
利用側熱交換器3のそれぞれから流出した熱媒体は、合流部31で合流する。そして、この合流した熱媒体は、ポンプ6の吸入口から該ポンプ6に吸入され、ポンプ6から再び吐出される。以下、熱媒体回路8では、このサイクルが繰り返される。
次に、冷凍サイクル装置200が実行する冷房暖房混在運転について説明する。冷房暖房混在運転とは、作動する熱負荷ユニット202に搭載された利用側熱交換器の一部が室内空気を冷却し、作動する熱負荷ユニット202に搭載された利用側熱交換器の一部が室内空気を加熱する運転である。
冷凍サイクル装置200が冷房暖房混在運転を実行する場合、第1冷媒回路7は、次のような動作となる。第1冷媒回路7では、流路切換装置41が図1に実線で示す流路となる。また、第1冷媒回路7では、熱源側熱交換器4及び第1負荷側熱交換器1が放熱器として機能し、第2負荷側熱交換器2が蒸発器として機能する。
冷房暖房混在運転において圧縮機14が駆動すると、圧縮機14の吐出口から高温高圧のガス冷媒となった第1冷媒が吐出される。圧縮機14から吐出された第1冷媒は、流路切換装置41を通って、熱源側熱交換器4に流入する。熱源側熱交換器4に流入した高温高圧のガス冷媒である第1冷媒は、送風機5によって供給された室外空気によって冷却されて凝縮し、高圧の気液二相冷媒となる。そして、熱源側熱交換器4から流出した第1冷媒は、第1絞り装置21を通って、第1負荷側熱交換器1に流入する。なお、この際、第1絞り装置21は、例えば全開となっている。
第1負荷側熱交換器1に流入した高圧の気液二相冷媒である第1冷媒は、熱媒体回路8の熱媒体に冷却されてガス冷媒が凝縮し、高圧の液冷媒となる。換言すると、第1負荷側熱交換器1において、熱媒体回路8の熱媒体は、第1冷媒回路7の第1冷媒に加熱される。そして、第1負荷側熱交換器1から流出した第1冷媒は、第2絞り装置22へ流入する。第2絞り装置22へ流入した高圧の液冷媒である第1冷媒は、減圧されて低圧の気液二相冷媒となる。そして、第2絞り装置22から流出した低圧の気液二相冷媒である第1冷媒は、第2負荷側熱交換器2に流入する。第2負荷側熱交換器2に流入した低圧の気液二相冷媒である第1冷媒は、熱媒体回路8の熱媒体に加熱されて液冷媒が蒸発し、低圧のガス冷媒となる。換言すると、第2負荷側熱交換器2において、熱媒体回路8の熱媒体は、第1冷媒回路7の第1冷媒に冷却される。
第2負荷側熱交換器2から流出した低圧のガス冷媒である第1冷媒は、流路切換装置41を通って、圧縮機14の吸入口から該圧縮機14に吸入され、再び圧縮機14で圧縮され吐出される。以下、第1冷媒回路7では、このサイクルが繰り返される。
また、冷凍サイクル装置200が冷房暖房混在運転を実行する場合、熱媒体回路8は、次のような動作となる。ポンプ6から吐出された熱媒体の一部は、分岐部32を通って、第1負荷側熱交換器1に流入する。また、ポンプ6の吐出口から吐出された熱媒体の残りの一部は、分岐部32を通って、第2負荷側熱交換器2に流入する。
第1負荷側熱交換器1に流入した熱媒体は、第1冷媒回路7の第1冷媒に加熱される。第1負荷側熱交換器1から流出した熱媒体は、紙面上側の利用側熱交換器3に流入し、室内空気を加熱する。すなわち、該利用側熱交換器3が設置された室内を暖房する。
第2負荷側熱交換器2に流入した熱媒体は、第1冷媒回路7の第1冷媒に冷却される。第2負荷側熱交換器2から流出した熱媒体は、紙面下側の利用側熱交換器3に流入し、室内空気を冷却する。すなわち、該利用側熱交換器3が設置された室内を冷房する。
利用側熱交換器3のそれぞれから流出した熱媒体は、合流部31で合流する。そして、この合流した熱媒体は、ポンプ6の吸入口から該ポンプ6に吸入され、ポンプ6から再び吐出される。以下、熱媒体回路8では、このサイクルが繰り返される。
なお、第1負荷側熱交換器1から供給された熱媒体の流入する利用側熱交換器3と、第2負荷側熱交換器2から供給された熱媒体の流入する利用側熱交換器3とは、同一の熱負荷ユニット202に搭載されていてもよい。この場合、冷凍サイクル装置200が上述の冷房暖房混在運転と同様の運転を実行することにより、一部の利用側熱交換器3で室内空気を冷却して除湿し、一部の利用側熱交換器3で除湿された室内空気を加熱して、室内へ戻すことができる。このため、第1負荷側熱交換器1から供給された熱媒体の流入する利用側熱交換器3と、第2負荷側熱交換器2から供給された熱媒体の流入する利用側熱交換器3とを同一の熱負荷ユニット202に搭載することにより、熱負荷ユニット202が設置されている室内の空気を除湿する除湿運転が可能となる。
また、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置200は、流路切換装置41を図1に破線で示す流路とし、第1絞り装置21の開度を制御することによっても、冷房暖房混在運転又は除湿運転を実行することができる。この場合、第1冷媒回路7では、第2負荷側熱交換器2が放熱器として機能し、熱源側熱交換器4及び第1負荷側熱交換器1が蒸発器として機能する。
以上、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置200は、第1冷媒とは異なる熱媒体が循環する熱媒体回路8を備えている。熱媒体回路8は、複数の負荷側熱交換器と、複数の利用側熱交換器3とを備えている。複数の負荷側熱交換器は、第1冷媒と熱媒体とを熱交換させるものである。複数の利用側熱交換器3は、負荷側熱交換器のうちの少なくとも1つから供給された熱媒体が流入するものである。ここで、第1負荷側熱交換器1、第1利用側熱交換器、第2負荷側熱交換器2及び第2利用側熱交換器を、次のように定義する。負荷側熱交換器のうちの1つを、第1負荷側熱交換器1とする。第1負荷側熱交換器1から供給された熱媒体が流入する利用側熱交換器3の1つを第1利用側熱交換器とする。負荷側熱交換器のうち、第1負荷側熱交換器1が供給する熱媒体とは異なる温度の熱媒体を供給する負荷側熱交換器のうちの1つを、第2負荷側熱交換器2とする。第2負荷側熱交換器2から供給された熱媒体が流入する利用側熱交換器3のうち、第1利用側熱交換器以外の利用側熱交換器の1つを、第2利用側熱交換器とする。さらに、熱媒体回路8は、合流部31と、分岐部32と、ポンプ6とを備えている。合流部31は、第1利用側熱交換器から流出した熱媒体と、第2利用側熱交換器から流出した熱媒体とを合流させるものである。分岐部32は、合流部31から流出した前媒体が流れる第1熱媒体配管8aを、第1負荷側熱交換器1に接続される第2熱媒体配管8bと第2負荷側熱交換器2に接続される第3熱媒体配管8cとに分岐させ、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2を並列に接続するものである。ポンプ6は、合流部31と分岐部32との間に設けられ、熱媒体を循環させるものである。
上述のように第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2を定義した場合、従来の冷凍サイクル装置においては、熱媒体回路に、第1負荷側熱交換器1に熱媒体を供給するポンプと、第2負荷側熱交換器2に熱媒体を供給するポンプとを備えていた。換言すると、このような従来の冷凍サイクル装置の熱媒体回路は、第1負荷側熱交換器1と第2負荷側熱交換器2とに、それぞれ別のポンプで熱媒体を供給する必要があった。ここで、負荷側熱交換器に熱媒体を供給するポンプは、高額である。また、負荷側熱交換器に熱媒体を供給するポンプの台数が増えると、ポンプが故障する確率も増加する。このため、従来の冷凍サイクル装置は、製造コストが増加し、信頼性が低下してしまうという課題があった。
一方、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置200の熱媒体回路8は、1つのポンプ6で、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2に熱媒体を供給することができる。このため、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置200は、従来の冷凍サイクル装置と比べ、熱媒体回路8が備えるポンプ6の台数を削減できる。したがって、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置200は、従来の冷凍サイクル装置と比べ、製造コストを削減でき、信頼性を向上させることができる。
本実施の形態1の最後に、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置200の変形例について紹介する。以下に示す本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置200の変形例では、製造コストの削減及び信頼性の向上という上述の効果に加え、さらなる効果を得ることができる。
図2は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の変形例を示す冷媒回路図である。
図2に示す冷凍サイクル装置200においては、第1利用側熱交換器の熱媒体の流入口及び第2利用側熱交換器の熱媒体の流入口は、第1負荷側熱交換器1の熱媒体の流出口及び第2負荷側熱交換器2の熱媒体の流出口と接続されている。すなわち、図2に示す冷凍サイクル装置200においては、紙面上側の利用側熱交換器3の熱媒体の流入口及び紙面下側の利用側熱交換器3の熱媒体の流入口は、第1負荷側熱交換器1の熱媒体の流出口及び第2負荷側熱交換器2の熱媒体の流出口と接続されている。
そして、図2に示す冷凍サイクル装置200の熱媒体回路8は、第1利用側熱交換器の熱媒体の流入側及び第2利用側熱交換器の熱媒体の流入側に、第1流量調整部60を備えている。第1流量調整部60は、第1負荷側熱交換器1から供給される熱媒体の流量と、第2負荷側熱交換器2から供給される熱媒体の流量とを調整するものである。第1流量調整部60は、制御装置210によって制御される。
すなわち、図2に示す熱媒体回路8は、2つの利用側熱交換器3の双方に、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2の双方から熱媒体が流入可能な構成となっている。このような構成においては、第1負荷側熱交換器1から供給された熱媒体が紙面上側の利用側熱交換器3に流入し、第2負荷側熱交換器2から供給された熱媒体が紙面下側の利用側熱交換器3に流入している場合、紙面上側の利用側熱交換器3が第1利用側熱交換器となり、紙面下側の利用側熱交換器3が第2利用側熱交換器となる。また、第1負荷側熱交換器1から供給された熱媒体が紙面下側の利用側熱交換器3に流入し、第2負荷側熱交換器2から供給された熱媒体が紙面上側の利用側熱交換器3に流入している場合、紙面下側の利用側熱交換器3が第1利用側熱交換器となり、紙面上側の利用側熱交換器3が第2利用側熱交換器となる。また、2つの利用側熱交換器3の双方に、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2の双方から供給された熱媒体が流入している場合、2つの利用側熱交換器3の一方が第1利用側熱交換器となり、2つの利用側熱交換器3の他方が第2利用側熱交換器となる。
第1流量調整部60の構成は特に限定されないが、図2に示す冷凍サイクル装置200においては、第1流量調整部60は、合流部33、流量調整装置61及び流量調整装置62を備えた構成となっている。合流部33は、各利用側熱交換器3の熱媒体の流入側に設けられ、第1負荷側熱交換器1の熱媒体の流出口から利用側熱交換器3へ向かって延びる熱媒体配管と、第2負荷側熱交換器2の熱媒体の流出口から利用側熱交換器3へ向かって延びる熱媒体配管とが合流するものである。流量調整装置61は、第1負荷側熱交換器1の熱媒体の流出口から利用側熱交換器3へ向かって延びる熱媒体配管に設けられ、第1負荷側熱交換器1から利用側熱交換器3に供給される熱媒体の流量を調整するものである。流量調整装置62は、第2負荷側熱交換器2の熱媒体の流出口から利用側熱交換器3へ向かって延びる熱媒体配管に設けられ、第2負荷側熱交換器2から利用側熱交換器3に供給される熱媒体の流量を調整するものである。
ここで、例えば、冷房暖房混在運転等において、第1負荷側熱交換器1に要求される熱交換能力が大きく、第2負荷側熱交換器2に要求される熱交換能力が小さい運転状態を想定する。上述のように、従来の冷凍サイクル装置は、第1負荷側熱交換器1と第2負荷側熱交換器2とに、それぞれ別のポンプで熱媒体を供給する必要があった。このため、従来の冷凍サイクル装置は、上述の想定された運転状態となった場合、第2負荷側熱交換器2に熱媒体を供給するポンプに余力がある状態で、第1負荷側熱交換器1に熱媒体を供給するポンプの能力が不足してしまう場合がある。すなわち、従来の冷凍サイクル装置は、上述の想定された運転状態となった場合、第2負荷側熱交換器2に熱媒体を供給するポンプに余力があるにもかかわらず、第1負荷側熱交換器1に供給される熱媒体が不足してしまう場合があった。第1負荷側熱交換器1に供給される熱媒体がこのように不足してしまうと、冷凍サイクル装置の省エネルギー性が低下してしまう。従来の冷凍サイクル装置において、この省エネルギー性の低下を抑制する方法として、各ポンプを大型化することが考えられる。しかしながら、各ポンプを大型化すると、冷凍サイクル装置も大型化してしまう。
一方、図2に示す冷凍サイクル装置200は、第1流量調整部60によって、第1負荷側熱交換器1に供給される熱媒体と第2負荷側熱交換器2に供給される熱媒体との分配比を調整することができる。このため、図2に示す冷凍サイクル装置200は、ポンプ6を大型化することなく、第1負荷側熱交換器1に供給される熱媒体が不足することを抑制できる。したがって、図2に示す冷凍サイクル装置200は、省エネルギー性の低下の抑制と大型化の抑制とを両立させることができる。なお、流量調整装置61及び流量調整装置62は、開度を制御できる開度調整弁でもよいし、開閉のみ可能な開閉弁でもよい。流量調整装置61及び流量調整装置62として開閉弁を用いる場合、第1負荷側熱交換器1から熱媒体が供給される利用側熱交換器3の台数を制御することにより、第1負荷側熱交換器1に供給される熱媒体と第2負荷側熱交換器2に供給される熱媒体との分配比を調整することができる。
実施の形態2.
第1冷媒回路7の構成は、実施の形態1で示した構成に限定されない。例えば、第1冷媒回路7は、本実施の形態2のように構成されていてもよい。なお、本実施の形態2において特に言及しない事項については、実施の形態1と同様とする。また、本実施の形態2では、実施の形態1で示した構成と同様の機能を果たす構成には、実施の形態1と同じ符号を付すこととする。
図3~図5は、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の一例を示す冷媒回路図である。
本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200は、実施の形態1で示した冷凍サイクル装置200と同様に、冷房一律運転、暖房一律運転及び冷房暖房混在運転を実行することができる。また、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200は、実施の形態1で示した冷凍サイクル装置200と同様に、第1負荷側熱交換器1から供給された熱媒体の流入する利用側熱交換器3と、第2負荷側熱交換器2から供給された熱媒体の流入する利用側熱交換器3とを同一の熱負荷ユニット202に搭載し、冷房暖房混在運転と同様の運転を実行することにより、熱負荷ユニット202が設置されている室内の空気を除湿する除湿運転を実行できる。
具体的には、図3に示す冷凍サイクル装置200においては、冷房一律運転を実行する際、流路切換装置42を図3に実線で示す流路とし、流路切換装置43を図3に破線で示す流路とし、開閉装置51及び開閉装置52のうちの少なくとも一方を開状態とし、開閉装置53及び開閉装置54のうちの少なくとも一方を開状態とする。これにより、第1冷媒回路7において、熱源側熱交換器4が放熱器として機能し、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が蒸発器として機能する。そして、図3に示す冷凍サイクル装置200は、冷房一律運転を実行することができる。なお、熱源側熱交換器4から流出して第1負荷側熱交換器1へ流入する第1冷媒は、絞り装置17で減圧されて膨張する。また、熱源側熱交換器4から流出して第2負荷側熱交換器2へ流入する第1冷媒は、絞り装置18で減圧されて膨張する。
また、図3に示す冷凍サイクル装置200においては、暖房一律運転を実行する際、流路切換装置42を図3に破線で示す流路とし、流路切換装置43を図3に実線で示す流路とし、開閉装置51を開状態とし、開閉装置52を閉状態とし、開閉装置53を閉状態とし、開閉装置54を開状態とする。これにより、第1冷媒回路7において、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が放熱器として機能し、熱源側熱交換器4が蒸発器として機能する。そして、図3に示す冷凍サイクル装置200は、暖房一律運転を実行することができる。なお、第1負荷側熱交換器1から流出して熱源側熱交換器4へ流入する第1冷媒は、絞り装置17で減圧されて膨張する。また、第2負荷側熱交換器2から流出して熱源側熱交換器4へ流入する第1冷媒は、絞り装置18で減圧されて膨張する。
また、図3に示す冷凍サイクル装置200においては、冷房暖房混在運を実行する際、流路切換装置42を図3に破線で示す流路とし、流路切換装置43を図3に実線で示す流路とし、開閉装置51を開状態とし、開閉装置52を閉状態とし、開閉装置53を開状態とし、開閉装置54を閉状態とする。これにより、第1冷媒回路7において、第1負荷側熱交換器1が放熱器として機能し、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が蒸発器として機能する。そして、図3に示す冷凍サイクル装置200は、冷房暖房混在運を実行することができる。なお、第1負荷側熱交換器1から流出して熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2へ流入する第1冷媒は、例えば、絞り装置17で減圧されて膨張する。
また、図3に示す冷凍サイクル装置200においては、冷房暖房混在運を実行する際、流路切換装置42を図3に破線で示す流路とし、流路切換装置43を図3に破線で示す流路とし、開閉装置51を閉状態とし、開閉装置52を開状態とし、開閉装置53を閉状態とし、開閉装置54を開状態とする。これにより、第1冷媒回路7において、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が放熱器として機能し、第1負荷側熱交換器1が蒸発器として機能する。そして、図3に示す冷凍サイクル装置200は、冷房暖房混在運を実行することができる。なお、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2から流出して第1負荷側熱交換器1へ流入する第1冷媒は、例えば、絞り装置17で減圧されて膨張する。
また、具体的には、図4及び図5に示す冷凍サイクル装置200においては、冷房一律運転を実行する際、流路切換装置42を図4及び図5に実線で示す流路とし、流路切換装置43を図4及び図5に実線で示す流路とする。これにより、第1冷媒回路7において、熱源側熱交換器4が放熱器として機能し、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が蒸発器として機能する。そして、図4及び図5に示す冷凍サイクル装置200は、冷房一律運転を実行することができる。なお、熱源側熱交換器4から流出して第1負荷側熱交換器1へ流入する第1冷媒は、絞り装置17で減圧されて膨張する。また、熱源側熱交換器4から流出して第2負荷側熱交換器2へ流入する第1冷媒は、絞り装置18で減圧されて膨張する。
また、図4及び図5に示す冷凍サイクル装置200においては、暖房一律運転を実行する際、流路切換装置42を図4及び図5に破線で示す流路とし、流路切換装置43を図4及び図5に破線で示す流路とする。これにより、第1冷媒回路7において、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が放熱器として機能し、熱源側熱交換器4が蒸発器として機能する。そして、図4及び図5に示す冷凍サイクル装置200は、暖房一律運転を実行することができる。なお、第1負荷側熱交換器1から流出して熱源側熱交換器4へ流入する第1冷媒は、絞り装置17で減圧されて膨張する。また、第2負荷側熱交換器2から流出して熱源側熱交換器4へ流入する第1冷媒は、絞り装置18で減圧されて膨張する。
また、図4及び図5に示す冷凍サイクル装置200においては、冷房暖房混在運を実行する際、流路切換装置42を図4及び図5に破線で示す流路とし、流路切換装置43を図4及び図5に実線で示す流路とする。これにより、第1冷媒回路7において、第1負荷側熱交換器1が放熱器として機能し、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が蒸発器として機能する。そして、図4及び図5に示す冷凍サイクル装置200は、冷房暖房混在運を実行することができる。なお、第1負荷側熱交換器1から流出して熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2へ流入する第1冷媒は、例えば、絞り装置17で減圧されて膨張する。
また、図4及び図5に示す冷凍サイクル装置200においては、冷房暖房混在運を実行する際、流路切換装置42を図4及び図5に実線で示す流路とし、流路切換装置43を図4及び図5に破線で示す流路とする。これにより、第1冷媒回路7において、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が放熱器として機能し、第1負荷側熱交換器1が蒸発器として機能する。そして、図4及び図5に示す冷凍サイクル装置200は、冷房暖房混在運を実行することができる。なお、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2から流出して第1負荷側熱交換器1へ流入する第1冷媒は、例えば、絞り装置17で減圧されて膨張する。
ここで、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の第1冷媒回路7においては、冷房一律運転及び暖房運転を実行する際、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2は、熱源側熱交換器4に並列に接続された構成となる。換言すると、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の第1冷媒回路7においては、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2の双方が放熱器として機能する際、及び、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2の双方が蒸発器として機能する際、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2は、熱源側熱交換器4に並列に接続された構成となる。
実施の形態1で示した冷凍サイクル装置200においては、冷房一律運転を実行する際、蒸発器として機能する第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が直列に接続されている。この場合、第1負荷側熱交換器1が賄う負荷によって、第2負荷側熱交換器2に流入する第1冷媒の状態が異なってくる。また、実施の形態1で示した冷凍サイクル装置200においては、暖房一律運転を実行する際、蒸発器として機能する第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が直列に接続されている。この場合、第2負荷側熱交換器2が賄う負荷によって、第1負荷側熱交換器1に流入する第1冷媒の状態が異なってくる。このため、実施の形態1で示した冷凍サイクル装置200においては、冷房一律運転及び暖房運転を実行する際、第1流量調整部60等を用い、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2のそれぞれの熱交換能力によって、第1負荷側熱交換器1に供給される熱媒体と第2負荷側熱交換器2に供給される熱媒体との分配比を調整する必要が生じる場合がある。しかしながら、第1負荷側熱交換器1に供給される熱媒体と第2負荷側熱交換器2に供給される熱媒体との分配比を調整すると、熱媒体回路8において熱媒体の流動抵抗が増大し、熱媒体の流量が低下する。この結果、冷凍サイクル装置200の省エネルギー性が低下する。
一方、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200においては、上述のように、冷房一律運転及び暖房運転を実行する際、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2は、熱源側熱交換器4に並列に接続された構成となる。このため、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200においては、冷房一律運転及び暖房運転を実行する際、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2のうちの一方が担う負荷にかかわらず、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2の他方へ、同じ状態の第1冷媒を供給することができる。したがって、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200においては、冷房一律運転及び暖房運転を実行する際、第1負荷側熱交換器1に供給される熱媒体と第2負荷側熱交換器2に供給される熱媒体との分配比を調整する機構は必要ない。このため、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200は、冷房一律運転及び暖房運転を実行する際に第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2が直列に接続される構成の冷凍サイクル装置200と比べ、省エネルギー性が向上する。なお、図6に示すように、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200が第1流量調整部60を備えている場合、流量調整装置61及び流量調整装置62を全開にすればよい。
また、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の第1冷媒回路7においては、冷房暖房混在運転又は除湿運転を実行する際、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2は、第1負荷側熱交換器1に並列に接続された構成となる。換言すると、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の第1冷媒回路7においては、第1負荷側熱交換器1が放熱器及び蒸発器のうちの一方として機能し、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が放熱器及び蒸発器のうちの他方として機能する際、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2は、第1負荷側熱交換器1に並列に接続された構成となる。
冷房暖房混在運転又は除湿運転において、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が第1負荷側熱交換器1に直列に接続されている場合、第2負荷側熱交換器2の能力が不足する場合がある。例えば、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が第1負荷側熱交換器1に直列に接続されている場合、冷房の要求負荷が暖房の要求負荷よりも大きいときには、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が放熱器として機能する。この場合、圧縮機14から吐出されたガス冷媒である第1冷媒は、熱源側熱交換器4で凝縮して気液二相冷媒になった後、第2負荷側熱交換器2に流入することとなる。すなわち、第2負荷側熱交換器2には、ガス量の少ない第1冷媒が流入することとなる。このため、第2負荷側熱交換器2の能力が不足する場合がある。この能力不足を補うためには、圧縮機14の回転数を増加させる必要があるが、それでは冷凍サイクル装置200の省エネルギー性が低下してしまう。
一方、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200においては、上述のように、冷房暖房混在運転又は除湿運転を実行する際、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2は、第1負荷側熱交換器1に並列に接続された構成となる。このため、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200においては、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が放熱器として機能する際、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2の双方に、圧縮機14から吐出されたガス冷媒である第1冷媒が流入することとなる。したがって、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200は、冷房暖房混在運転又は除湿運転を実行する際、第2負荷側熱交換器2の能力が不足することを抑制できる。このため、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200は、冷房暖房混在運転又は除湿運転を実行する際に熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が直列に接続される構成の冷凍サイクル装置200と比べ、省エネルギー性が向上する。
実施の形態3.
本実施の形態3のように冷凍サイクル装置200を構成することにより、冷凍サイクル装置200の省エネルギー化がより向上する。なお、本実施の形態3において特に言及しない事項については、実施の形態1又は実施の形態2と同様とする。また、本実施の形態3では、実施の形態1又は実施の形態2で示した構成と同様の機能を果たす構成には、実施の形態1又は実施の形態2と同じ符号を付すこととする。
図6は、実施の形態3に係る冷凍サイクル装置を示す冷媒回路図である。
本実施の形態3に係る冷凍サイクル装置200の熱媒体回路8においては、第1利用側熱交換器の熱媒体の流出口及び第2利用側熱交換器の熱媒体の流出口は、合流部31に接続された第4熱媒体配管8d及び合流部31に接続された第5熱媒体配管8eと接続されている。換言すると、本実施の形態3に係る冷凍サイクル装置200の熱媒体回路8においては、2つの利用側熱交換器3のそれぞれの流出口は、合流部31に接続された第4熱媒体配管8d及び合流部31に接続された第5熱媒体配管8eと接続されている。なお、本実施の形態3では、第4熱媒体配管8d及び第5熱媒体配管8eの利用側熱交換器3側の端部は、共通の熱媒体配管として構成されている。換言すると、本実施の形態3では、利用側熱交換器3から合流部31に延びる熱媒体配管は、分岐部34で、第4熱媒体配管8dと第5熱媒体配管8eとに分岐している。
また、本実施の形態3に係る冷凍サイクル装置200の熱媒体回路8は、第1利用側熱交換器の熱媒体の流出側及び第2利用側熱交換器の熱媒体の流出側に、第2流量調整部65を備えている。第2流量調整部65は、第4熱媒体配管8dに流入する熱媒体の流量と、第5熱媒体配管8eに流入する熱媒体の流量とを調整するものである。第2流量調整部65は、制御装置210によって制御される。
第2流量調整部65の構成は特に限定されないが、本実施の形態3に係る冷凍サイクル装置200においては、第2流量調整部65は、流量調整装置66及び流量調整装置67を備えた構成となっている。流量調整装置66は、第4熱媒体配管8dに設けられ、利用側熱交換器3から第4熱媒体配管8dに流入する熱媒体の流量を調整するものである。流量調整装置67は、第5熱媒体配管8eに設けられ、利用側熱交換器3から第5熱媒体配管8eに流入する熱媒体の流量を調整するものである。
さらに、本実施の形態3に係る冷凍サイクル装置200は、第2冷媒が循環する第2冷媒回路9を備えている。第2冷媒は特に限定されないが、第2冷媒として、例えば次のようなものを用いることができる。例えば、第1冷媒は、オレフィン系冷媒、エチレン系冷媒、エタン系冷媒、プロパン、又はジメチルエーテルである。また、例えば、第1冷媒は、オレフィン系冷媒、エチレン系冷媒、エタン系冷媒、プロパン、及びジメチルエーテルのうちの少なくとも2つを混合した混合冷媒である。なお、第2冷媒は、第1冷媒と同じであってもよいし、第1冷媒とは異なっていてもよい。
この第2冷媒回路9は、第2冷媒を循環させる圧縮機16と、第2冷媒を減圧して膨張させる絞り装置20と、第1熱回収熱交換器11と、第2熱回収熱交換器12とを備えている。第1熱回収熱交換器11は、第2負荷側熱交換器2の熱媒体の流出口と第2利用側熱交換器との間に設けられ、第2冷媒と熱媒体とを熱交換させるものである。第2熱回収熱交換器12は、第5熱媒体配管8eを流れる熱媒体と第2冷媒とを熱交換させるものである。なお、圧縮機16の起動及び停止は、制御装置210によって制御される。制御装置210は、圧縮機16の駆動時、圧縮機16の回転数を制御してもよい。
第1熱回収熱交換器11及び第2熱回収熱交換器12は、第1熱回収熱交換器11及び第2熱回収熱交換器12のうちの一方が放熱器として機能する際、第1熱回収熱交換器11及び第2熱回収熱交換器12のうちの他方が蒸発器として機能する。なお、本実施の形態3に係る第2冷媒回路9は、第1熱回収熱交換器11の機能と第2熱回収熱交換器12の機能とが入れ替え可能なように、流路切換装置45を備えている。すなわち、例えば、第1熱回収熱交換器11が放熱器として機能し、第2熱回収熱交換器12が蒸発器として機能している状態において、流路切換装置45の流路を切り換えることにより、第1熱回収熱交換器11が蒸発器として機能し、第2熱回収熱交換器12が放熱器として機能する。なお、流路切換装置45の流路の切り換えは、制御装置210によって行われる。
第2冷媒回路9は、次のように動作する。第2熱回収熱交換器12を通過した後に合流部31に向かって第5熱媒体配管8eを流れる熱媒体の温度と、合流部31に向かって第4熱媒体配管8dを流れる熱媒体の温度とが規定の温度差となるように、第2冷媒回路9は動作する。なお、第2熱回収熱交換器12を通過した後に合流部31に向かって第5熱媒体配管8eを流れる熱媒体の温度の計測方法は、特に限定されない。本実施の形態3では、第5熱媒体配管8eにおける第2熱回収熱交換器12と合流部31との間となる箇所に温度計測装置72を設けている。そして、温度計測装置72により、第2熱回収熱交換器12を通過した後に合流部31に向かって第5熱媒体配管8eを流れる熱媒体の温度を計測している。また、合流部31に向かって第4熱媒体配管8dを流れる熱媒体の温度の計測方法も、特に限定されない。本実施の形態3では、第4熱媒体配管8dに温度計測装置71を設けている。そして、温度計測装置71により、合流部31に向かって第4熱媒体配管8dを流れる熱媒体の温度を計測している。
具体的には、例えば、第5熱媒体配管8eに流入した熱媒体の温度が第4熱媒体配管8dに流入した熱媒体の温度よりも低くなるように、第2流量調整部65が制御されるとする。例えば、室内空気を冷却する利用側熱交換器3から流出した熱媒体が第5熱媒体配管8eに流入し、室内空気を加熱する利用側熱交換器3から流出した熱媒体が第4熱媒体配管8dに流入するように、第2流量調整部65が制御される場合である。このような場合、第2冷媒回路9の流路切換装置45は、第1熱回収熱交換器11を蒸発器として機能させ、第2熱回収熱交換器12を凝縮器として機能させる流路となる。そして、第2冷媒回路9は、例えば、温度計測装置72の計測温度と温度計測装置71の計測温度とが規定の温度差よりも大きい場合、圧縮機16を起動させる。また、第2冷媒回路9は、温度計測装置72の計測温度と温度計測装置71の計測温度とが規定の温度差以下となった場合、圧縮機16を停止させるか、圧縮機16の回転数を低下させる。なお、第2冷媒回路9は、温度計測装置72の計測温度と温度計測装置71の計測温度との差が大きくなるほど、圧縮機16の回転数を増加させてもよい。
実施の形態1~本実施の形態3で示す冷凍サイクル装置200の熱媒体回路8は、第1負荷側熱交換器1から流出した熱媒体と第2負荷側熱交換器2から流出した熱媒体とが合流部31で合流する。そして、実施の形態1~本実施の形態3で示す冷凍サイクル装置200の熱媒体回路8は、この合流した熱媒体が分岐部32で分岐して、第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2に流入する。このため、第2冷媒回路9を備えていない実施の形態1及び実施の形態2に示す冷凍サイクル装置200においては、冷房暖房混在運転を実行する際、第1負荷側熱交換器1から流出した熱媒体が第2負荷側熱交換器2から流出した熱媒体と合流せずに第1負荷側熱交換器1に戻る構成と比較して、第1負荷側熱交換器1に流入する熱媒体と第1負荷側熱交換器1から流出する熱媒体との温度差が大きくなる。同様に、第2冷媒回路9を備えていない実施の形態1及び実施の形態2に示す冷凍サイクル装置200においては、冷房暖房混在運転を実行する際、第1負荷側熱交換器1から流出した熱媒体が第2負荷側熱交換器2から流出した熱媒体と合流せずに第1負荷側熱交換器1に戻る構成と比べ、第2負荷側熱交換器2に流入する熱媒体と第2負荷側熱交換器2から流出する熱媒体との温度差が大きくなる。このような負荷側熱交換器に流入する熱媒体と負荷側熱交換器から流出する熱媒体との温度差は、大きくなると熱媒体回路8の性能の低下の原因になる場合がある。
一方、第2冷媒回路9を備えた本実施の形態3に係る冷凍サイクル装置200は、冷房暖房混在運転を実行する際、実施の形態1及び実施の形態2に示す冷凍サイクル装置200と比べ、第1負荷側熱交換器1に流入する熱媒体と第1負荷側熱交換器1から流出する熱媒体との温度差を小さくできる。また、第2冷媒回路9を備えた本実施の形態3に係る冷凍サイクル装置200は、冷房暖房混在運転を実行する際、実施の形態1及び実施の形態2に示す冷凍サイクル装置200と比べ、第2負荷側熱交換器2に流入する熱媒体と第2負荷側熱交換器2から流出する熱媒体との温度差を小さくできる。このため、第2冷媒回路9を備えた本実施の形態3に係る冷凍サイクル装置200は、冷房暖房混在運転を実行する際、実施の形態1及び実施の形態2に示す冷凍サイクル装置200と比べ、熱媒体回路8の性能が向上する。換言すると、第2冷媒回路9を備えた本実施の形態3に係る冷凍サイクル装置200は、実施の形態1及び実施の形態2に示す冷凍サイクル装置200と比べ、省エネルギー性が向上する。
なお、冷凍サイクル装置200の冷房暖房混在運転において、冷房能力と暖房能力とが異なる場合がある。このような場合、能力が小さい方の動作を行う利用側熱交換器3から流出した冷媒が、第5熱媒体配管8e及び第2熱回収熱交換器12に流入することが好ましい。これにより、第2熱回収熱交換器12を小型化でき、第2冷媒回路9を小型化することができる。この結果、冷凍サイクル装置200が大型化することを抑制しつつ、冷凍サイクル装置200の省エネルギー性を向上させることができる。
また、冷房暖房混在運転又は除湿運転において、熱源側熱交換器4及び第2負荷側熱交換器2が第1負荷側熱交換器1に直列に接続される構成の冷凍サイクル装置200においては、第2冷媒回路9を備えることにより、次のような効果を得ることができる。具体的には、このような構成の冷凍サイクル装置200では、第2負荷側熱交換器2として、第1負荷側熱交換器1よりも熱交換能力が小さくなる熱交換器が用いられる。この際、第2負荷側熱交換器2と第2冷媒回路9の第1熱回収熱交換器11とが同一の機能を果たすように、第2冷媒回路9を動作させることにより、第2負荷側熱交換器2の熱交換能力を第1熱回収熱交換器11で補助することができる。
実施の形態4.
熱媒体回路8の各構成のユニットへの搭載は、実施の形態1~実施の形態4で示した例に限定されない。熱媒体回路8の各構成は、本実施の形態のようにユニットへ搭載されていてもよい。なお、本実施の形態4において特に言及しない事項については、実施の形態1~実施の形態3のいずれかと同様とする。また、本実施の形態4では、実施の形態1~実施の形態3のいずれかで示した構成と同様の機能を果たす構成には、実施の形態1~実施の形態3のいずれかと同じ符号を付すこととする。
図7~図10は、実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の一例を示す冷媒回路図である。
本実施の形態4に係る冷凍サイクル装置200においては、熱媒体回路8の一部が熱源ユニット201に搭載され、利用側熱交換器3が熱負荷ユニット202に搭載され、熱媒体回路8の一部が中継ユニット203に搭載されている。具体的には、熱源ユニット201には、第1負荷側熱交換器1、第2負荷側熱交換器2、ポンプ6及び分岐部32が搭載されている。中継ユニットには、合流部31が搭載されている。
例えば、冷媒回路に一般に使われるフロン系冷媒は、冷媒回路への充填量の削減が望まれている。このような場合、第1冷媒回路7を熱源ユニット201に搭載することにより、第1冷媒回路7の長さを低減でき、第1冷媒回路7への第1冷媒の充填量を削減できる。この際、熱媒体回路8の第1負荷側熱交換器1及び第2負荷側熱交換器2以外の構成を中継ユニット203に搭載した場合等では、熱源ユニット201と中継ユニット203とを接続する熱媒体回路8の熱媒体配管が4本となってしまう。一方、熱媒体回路8の各構成を本実施の形態4のように熱源ユニット201及び中継ユニット203に搭載することにより、熱源ユニット201と中継ユニット203とを接続する熱媒体回路8の熱媒体配管を3本にできる。このため、熱媒体回路8の各構成を本実施の形態4のように熱源ユニット201及び中継ユニット203に搭載することにより、冷凍サイクル装置200の設置スペースを削減できる。
以上、実施の形態1~実施の形態4では、冷凍サイクル装置200について説明した。しかしながら、実施の形態1~実施の形態4で説明した冷凍サイクル装置200は、あくまでも、本開示に係る冷凍サイクル装置の一例である。例えば、本開示に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態1~実施の形態4で説明した冷凍サイクル装置200に、実施の形態1~実施の形態4では説明しなかった公知の技術を組み合わせた構成であってもよい。また、例えば、本開示に係る冷凍サイクル装置は、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、実施の形態1~実施の形態4で説明した冷凍サイクル装置200の構成の一部を省略又は変更した構成であってもよい。