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JP7365656B1 - 硫化オレフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

硫化オレフィンの製造方法は、RC=CHR ・・・(1)(式中、R、Rは、それぞれアルキル基で、Rは水素原子またはアルキル基であり、R、R及びRの炭素原子数の合計は2~20である。)で表されるオレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させて、ジアルキルポリスルフィド(A)を得るものである。

Description

本発明は、硫化オレフィンの製造方法に関する。
本出願は、2022年2月18日に、日本に出願された特願2022-024040、及び2022年9月30日に、日本に出願された特願2022-157912に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
潤滑油は、自動車用途をはじめとする金属部品の加工時に用いられている。潤滑油に硫黄系化合物を添加すると、加工時に工具と金属部品との間に生じる摩擦が低減されて加工性が向上することから、硫黄系化合物は、潤滑油用添加剤として幅広く使用されている。硫黄系の潤滑油用添加剤としては、主に濃色硫化油脂、淡色硫化油脂及び淡色硫化オレフィンがあるが、近年加工環境等を考慮して、比較的臭気の少ない淡色硫化油脂や淡色硫化オレフィンが望まれている。
従来、濃色型の潤滑油用添加剤を製造する方法として、オレフィン、硫黄を、アミン等の塩基性触媒下で高温ラジカル反応させる方法がある。また、淡色型の潤滑油用添加剤を製造する方法としては、(1)オレフィン、硫黄、硫化水素を、アミン等の塩基性触媒下で付加反応させる方法や、(2)メルカプタン、硫黄等を、無機/有機塩基又はアルコキシル化化合物などの塩基性触媒下で付加反応させる方法がある。
上記(1)の製造方法としては、例えば、RC=CHR・・・・(1)
(式中、R、Rは、それぞれアルキル基で、Rは水素原子またはアルキル基で、R、R及びRの炭素原子数の合計は2~20である。)で表されるオレフィン化合物(a)と硫黄とを硫化水素の存在下で反応させて粗ジアルキルポリスルフィド(A)を得る第一工程と、前記粗ジアルキルポリスルフィド(A)とアルカリ金属の硫化物とをアルコールを含む溶媒中で反応させて、該粗ジアルキルポリスルフィド(A)中の硫黄原子数を減少させる第二工程とを含むジアルキルポリスルフィドの製造方法が開示されている(特許文献1)。
上記(2)の製造方法としては、例えば、水酸化ナトリウムとエトキシル化アルコールの存在下で、メルカプタンと元素状硫黄とを、粗製有機ポリスルフィドを含有する反応媒体を生ずるのに充分な条件下で接触させ、その後前記反応媒体と酸とを接触させる有機ポリスルフィド化合物の製造方法が開示されている(特許文献2)。
国際公開第2015/046008号 特開平08-231496号公報
特許文献1の製造方法では、オレフィン化合物と硫黄とを硫化水素の存在下で反応させてジアルキルポリスルフィドを得るため、硫化オレフィンの製造に硫化水素が必要となる。しかしながら、上記反応に必要な高圧の硫化水素ガスは入手しづらい上、取り扱いが難しく、淡色のポリスルフィド製品は世界でも現時点で数社しか生産できていない。また、硫化水素ガスの生産拠点が限られることに伴い、ポリスルフィド製品の生産拠点も限定される。更に、塩基性触媒として水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを使用しているが、金属触媒やゼオライトの使用については開示されていない。
特許文献2の製造方法では、チオールなどのメルカプタンと硫黄とを、水酸化ナトリウムとエトキシル化アルコールの存在下で反応させることで有機ポリスルフィド化合物を得ているが、チオール原料を製造する際には硫化水素が使用されることから、結局、硫化オレフィンの製造に硫化水素が必要とされる。また、硫化オレフィンの製造にメルカプタン原料が必要であるところ、メルカプタン原料は高価で入手できる種類も限られているため、得られるポリスルフィド構造に制限がある。
本発明の目的は、硫化水素を使用せずに、淡色で臭気の少ない硫化オレフィンを容易且つ低コストで製造することができる硫化オレフィンの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、1-オレフィンの2位の位置にある炭素原子にアルキル基が二つ結合したオレフィン化合物と硫黄とを水素の存在下で反応させることにより、種々のポリスルフィド構造を有する、淡色で臭気の少ないジアルキルポリスルフィドが容易に得られることを見出した。特に、次世代燃料として供給性が高まる水素(気体)を原料とすることで、入手困難な高圧の硫化水素ガスや高額なメルカプタンを原料として使用せずに、淡色のジアルキルポリスルフィドを製造できることを見出した。また、上記反応において金属元素を触媒として用いるか、或いは金属元素及びゼオライトを触媒として用いることにより、ジアルキルポリスルフィドの収率を向上できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の手段を提供する。
[1]RC=CHR ・・・(1)(式中、R、Rは、それぞれアルキル基で、Rは水素原子またはアルキル基であり、R、R及びRの炭素原子数の合計は2~20である。)で表されるオレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させて、ジアルキルポリスルフィド(A)を得る、硫化オレフィンの製造方法。
[2]オレフィン化合物(a)と硫黄とを反応させる際、供給される水素の圧力が0.1MPa以上10MPa以下である、上記[1]に記載の硫化オレフィンの製造方法。
[3]オレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させる際の加熱温度が、100℃以上200℃以下である、上記[1]又は[2]に記載の硫化オレフィンの製造方法。
[4]オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素及び金属元素の存在下で反応させる、上記[1]~[3]のいずれかに記載の硫化オレフィンの製造方法。
[5]前記金属元素が、第6族~第11族から選択された1又は複数の金属元素である、上記[4]に記載の硫化オレフィンの製造方法。
[6]前記金属元素が、金属酸化物又は金属硫化物を構成する金属元素である、上記[4]又は[5]に記載の硫化オレフィンの製造方法。
[7]前記オレフィン化合物(a)に対する前記金属元素の添加量が、0.1mol%以上10mol%以下である、上記[4]~[6]のいずれかに記載の硫化オレフィンの製造方法。
[8]前記オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素、前記金属元素及びゼオライトの存在下で反応させる、上記[4]~[7]のいずれかに記載の硫化オレフィンの製造方法。
[9]前記ゼオライトが塩基性を有する、上記[8]に記載の硫化オレフィンの製造方法。
[10]前記ゼオライトが、X型又はA型の細孔構造を有する、上記[8]又は[9]に記載の硫化オレフィンの製造方法。
[11]前記ゼオライトの添加量が、前記オレフィン化合物(a)100質量部に対して2.0質量部以上25質量部以下である、上記[8]~[10]のいずれかに記載の硫化オレフィンの製造方法。
[12]上記一般式(1)中のRとRの炭素原子数の合計が2~14であり、Rが水素原子である、上記[1]に記載の硫化オレフィンの製造方法。
[13]前記オレフィン化合物(a)がジイソブチレンである、上記[1]に記載の硫化オレフィンの製造方法。
本発明によれば、硫化水素を使用せずに、淡色で臭気の少ない硫化オレフィンを容易且つ低コストで製造することができる硫化オレフィンの製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1のジアルキルポリスルフィド(A)の製造方法における反応を示す模式図である。 図2は、実施例1で得られたジアルキルポリスルフィド(A)のチャート、及び各n値(n=3~8)のジアルキルポリスルフィドに対応するピークを示す図である。 図3は、実施例41で得られたジアルキルポリスルフィド(A)のチャート、及び各n値(n=3~8)のジアルキルポリスルフィドに対応するピークを示す図である。 図4は、実施例42で得られたジアルキルポリスルフィド(A)のチャート、及び各n値(n=3~8)のジアルキルポリスルフィドに対応するピークを示す図である。 図5は、実施例において水素圧を5.0MPaにした場合の反応時間と転化率の関係を示す図である。 図6は、実施例において水素圧を5.0MPaにした場合の反応時間と合計収率の関係を示す図である。 図5は、実施例において水素圧を3.0MPaにした場合の反応時間と転化率の関係を示す図である。 図6は、実施例において水素圧を3.0MPaにした場合の反応時間と合計収率の関係を示す図である。
本実施形態に係る硫化オレフィンの製造方法は、RC=CHR ・・・(1)(式中、R、Rは、それぞれアルキル基で、Rは水素原子またはアルキル基であり、R、R及びRの炭素原子数の合計は2~20である。)で表されるオレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させて、ジアルキルポリスルフィド(A)を得るものである。
(オレフィン化合物(a))
上記工程で使用されるオレフィン化合物(a)は、上述の通り、一般式(1)で表される構造を有する。入手しやすいこと、最終生成物であるジアルキルポリスルフィドの基油への溶解性が良好で極圧添加剤として好ましく使用できる観点からは、オレフィン化合物(a)の中でも、RとRの炭素原子数の合計が2~18であるオレフィン化合物が好ましく、RとRの炭素原子数の合計が2~14であるオレフィン化合物がより好ましい。
また、入手しやすいこと、最終生成物であるジアルキルポリスルフィド(A)の基油への溶解性が良好で極圧添加剤として好ましく使用できる観点から、オレフィン化合物(a)の中でも、Rとして水素原子を有するオレフィン化合物が好ましい。
従って、一般式(1)で表される構造を有するオレフィン化合物(a)の中でも、RとRの炭素原子数の合計が2~18であり、且つ、Rが水素原子であるオレフィン化合物が好ましく、RとRの炭素原子数の合計が2~14で、且つ、Rが水素原子であるオレフィン化合物がより好ましい。
本実施形態で使用されるオレフィン化合物(a)としては、例えば、ジイソブチレン、イソブチレン、3-メチルペンテン、4-メチルヘプテン、5-メチルウンデセン、3,6-ジメチルヘキサンデセン等が挙げられる。中でも、硫黄含有率が高く、且つ、臭気も少ないジアルキルポリスルフィドが得られることからジイソブチレンが好ましい。
本実施形態の製造方法において、本発明の効果を損なわない範囲でオレフィン化合物(a)以外の他のオレフィン化合物を、オレフィン化合物(a)と併用することができる。このようなオレフィン化合物としては、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン或いはこれらの混合物等が挙げられる。
(硫黄)
本実施形態で使用される硫黄としては、特に限定されるものではなく、例えば、小塊状、フレーク状、粉末状の固形状態であっても、溶融状態(液体)であっても良い。中でも、大スケールでの製造での仕込み作業が容易である観点からは、溶融状態の硫黄が好ましい。
上記工程において、オレフィン化合物(a)と硫黄の使用割合としては、溶解性の観点からは、オレフィン(a)1mol当たりS元素として1.0~5.0mol(S当量として1.0~5.0モル当量、Sとしては0.125~0.625モル当量)が好ましく、1.0~4.0mol(S当量として1.0~4.0モル当量、Sとしては0.125~0.5モル当量)がより好ましく、1.5~3.0mol(S当量として1.5~3.0モル当量、Sとしては0.1875~0.375モル当量)が更に好ましい。
(水素)
本実施形態で使用される水素は、典型的には水素ガスである。水素ガスは流通量が多く、硫化水素と比べて入手し易い。また、水素ガスは、可燃性ではあるものの毒性がなく無臭であるため、硫化水素と比べて取扱いが容易である。水素ガスは、特に制限されないが、例えば99.99%以上、99.999%以上、或いは99.9999%以上とすることができる。
水素ガスを得る方法は、特に制限されないが、市場に流通している水素ガスを入手してもよいし、メタンなどの炭化水素と水蒸気を反応させて水素を得る改質法や、水を電気分解して水素を得る電解法を用いて水素ガスを製造してもよい。
オレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させる際、供給される水素の圧力は、0.1MPa以上10.0MPa以下であるのが好ましく、1.0MPa以上6.0MPa以下であるのがより好ましく、1.0MPa以上4.0MPa以下であるのが更に好ましい。供給される水素の圧力を0.1MPa以上10.0MPa以下とすることで、得られるジアルキルポリスルフィド(A)の収率を向上することができる。
オレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させる際の加熱温度は、100℃以上200℃以下であるのが好ましく、100℃以上160℃以下であるのが好ましく、100℃以上140℃以下であるのが更に好ましく、120℃以上140℃以下であるのが特に好ましい。反応時の加熱温度を100℃以上200℃以下とすることで、反応時間を早めて生産性を向上しつつ、得られるジアルキルポリスルフィド(A)の収率を向上することができる。
上記工程では、オレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させてジアルキルポリスルフィド(A)を得るが、これに限らず、オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素及び金属元素の存在下で反応させてもよい。金属元素を触媒とし、水素の存在下で、当該触媒によってオレフィン化合物(a)と硫黄とを接触反応させることにより、得られるジアルキルポリスルフィド(A)の収率を向上することができる。
(金属元素)
上記金属元素は、第6族~第11族から選択された1又は複数の金属元素であるのが好ましい。このような金属元素としては、例えば以下のものが挙げられる。
第6族:クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)
第7族:マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)
第8族:鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)
第9族:コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)
第10族:ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)
第11族:銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)
上記金属元素は、例えば金属酸化物又は金属硫化物を構成する金属元素であるのが好ましい。上記金属元素が例えば金属酸化物を構成する金属元素である場合、オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素と上記金属酸化物との存在下で反応させる。上記金属元素が金属硫化物を構成する金属元素である場合、オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素と上記金属硫化物との存在下で反応させる。金属酸化物又は金属硫化物を構成する金属元素の価数は、特に制限されず、+1、+2など種々の値をとり得る。
上記金属元素が金属酸化物を構成する金属元素である場合、金属酸化物としては以下のものが挙げられるが、金属酸化物は以下のものに限定されない。
第6族の金属酸化物:CrO、MoO、WO
第7族の金属酸化物:Mn、Tc、ReO
第8族の金属酸化物:Fe、RuO、OsO
第9族の金属酸化物:CoO、Rh、IrO
第10族の金属酸化物:NiO、PdO、PtO
第11族の金属酸化物:CuO、AgO、Au
上記金属元素が金属硫化物を構成する金属元素である場合、金属硫化物としては、以下のものが挙げられるが、金属硫化物は以下のものに限定されない。
第6族の金属硫化物:Cr、MoS、WS
第7族の金属硫化物:MnS、ReS
第8族の金属硫化物:FeS、RuS、OsS
第9族の金属硫化物:CoS、Rh、IrS
第10族の金属硫化物:Ni、PdS、PtS
第11族の金属硫化物:CuS、AgS、Au
上記金属元素が、例えばコバルト(Co)である場合、金属酸化物としては酸化コバルトを、金属硫化物としては硫化コバルトを用いることができる。金属酸化物として酸化コバルトを用いる場合、オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素及び酸化コバルトの存在下で反応させる。使用される酸化コバルトとしては、特に制限されず、CoO、Co、Coなどが挙げられる。金属硫化物として硫化コバルトを用いる場合、オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素及び硫化コバルトの存在下で反応させる。使用される硫化コバルトとしては、特に制限されず、CoS、Co、CoS、Coなどが挙げられる。これらのうち、ジアルキルポリスルフィド(A)の収率向上の観点からは、酸化コバルト、特にCoが好ましい。
前記オレフィン化合物(a)に対する前記金属元素の添加量は、0.1mol%以上10mol%以下であるのが好ましく、1.0mol%以上10mol%以下であるのがより好ましく、2.0mol%以上7.0mol%以下であるのが更に好ましい。前記オレフィン化合物(a)に対する前記金属元素の添加量が0.1mol%以上10mol%以下であると、水素存在下におけるオレフィン化合物(a)と硫黄との反応が促進され、得られるジアルキルポリスルフィド(A)の収率を向上することができる。
(ゼオライト)
上記工程では、オレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させてジアルキルポリスルフィド(A)を得るが、これに限らず、オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素、前記金属元素及びゼオライトの存在下で反応させてもよい。金属元素及びゼオライトを触媒とし、水素の存在下で、当該2つの触媒によってオレフィン化合物(a)と硫黄とを接触反応させることにより、得られるジアルキルポリスルフィド(A)の収率をより向上することができる。
ゼオライトは、結晶性アルミノケイ酸塩であり、シリカとアルミナが規則的に連結した骨格構造を有すると共に、当該細孔構造中にイオン交換サイトとしての陽イオンを含有している。ゼオライトの骨格構造によって規定される細孔構造としては、特に制限されず、LTA(A型)、FER(フェリエライト)、MWW(MCM-22)、MFI(ZSM-5)、MOR(モルデナイト)、LTL(L型)、FAU(Y型、X型)、BEA(ベータ型)などが挙げられる。これらのうち、入手容易さおよび経済的な観点から、ゼオライトがX型又はA型の細孔構造を有するのが好ましい。
上記ゼオライトは、塩基性を有するのが好ましい。塩基性を有するゼオライトとしては、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属の陽イオンを含有するゼオライトが挙げられる。アルカリ金属としては、例えばナトリウム(Na)やカリウム(K)、アルカリ土類金属としては、例えばマグネシウム(Mg)やカルシウム(Ca)などが挙げられる。
上記ゼオライトは、ジアルキルポリスルフィド(A)の収率向上の観点からは、X型の骨格構造であってナトリウムイオンを含有するNa-X型、又はA型の骨格構造であってナトリウムイオンを含有するNa-A型であるのが好ましく、これらの中でもNa-X型であるのがより好ましい。
上記ゼオライトの添加量は、オレフィン化合物(a)100質量部に対して2.0質量部以上25質量部以下であるのが好ましく、2.0質量部以上15質量部以下であるのがより好ましく、3.0質量部以上10質量部以下であるのが更に好ましく、4.0質量部以上8.0質量部以下であるのが特に好ましい。上記ゼオライトの添加量がオレフィン化合物(a)100質量部に対して2.0質量部以上25質量部以下であると、得られるジアルキルポリスルフィド(A)の収率をより向上することができる。
本実施形態の製造方法により得られるジアルキルポリスルフィド(A)は、硫黄原子数が異なるジアルキルポリスルフィドの混合物である。硫黄原子数が異なるジアルキルポリスルフィドの各々の含有率(収率)は、超高速液体クロマトグラフ(以下、「UPLC」ともいう)測定により得られるチャートのピーク面積により求めることができる。また、ジアルキルポリスルフィド(A)の合計収率は、硫黄原子数が異なるジアルキルポリスルフィドのそれぞれの収率の合計から求めることができる。
本実施形態の製造方法で得られるジアルキルポリスルフィド(A)中の活性硫黄の量は、難加工金属などの不動態被膜の硫化を促進したい用途であれば、総硫黄量を基準として20~50質量%が好ましく、30~45質量%がより好ましい。金属表面に効果的に金属硫化物の被膜を形成し且つ金属表面の腐食を起こしにくくする観点からは、上記活性硫黄の量は、総硫黄量を基準として0.1~30質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好ましい。ここで、本発明において活性硫黄の量は、ASTM-D1662に定められる方法にて求めた値である。
本実施形態の製造方法によって得られるジアルキルポリスルフィド(A)(硫化オレフィン)は、下記一般式(2)で表される。
Figure 0007365656000001

(式中、R、Rは、それぞれアルキル基で、Rは水素原子またはアルキル基で、一つのRと一つのRと一つのRの炭素原子数の合計は2~20である。nは1~8の整数である。)
前記一般式(2)において、ジアルキルポリスルフィド(A)の基油への溶解性が良好で極圧添加剤として好ましく使用できる観点からは、RとRの炭素原子数の合計が2~18であることが好ましく、RとRの炭素原子数の合計が2~14であることがより好ましい。
また、一般式(2)において、ジアルキルポリスルフィド(A)の基油への溶解性が良好で極圧添加剤として好ましく使用できる観点からは、Rが水素原子であることが好ましい。
従って、一般式(2)において、RとRの炭素原子数の合計が2~18で、且つ、Rが水素原子であることが好ましく、RとRの炭素原子数の合計が2~14で、且つ、Rが水素原子であることがより好ましい。
また、金属表面に効果的に金属硫化物の被膜を形成し、且つ、金属表面の腐食を起こしにくく、極圧添加剤として好適に使用できるジアルキルポリスルフィド(A)を効率的に得ることができる観点からは、nは2~8の整数であることが好ましく、3~8の整数であることがより好ましい。
本実施形態に係る硫化オレフィンの製造方法において、RC=CHR ・・・(1)(式中、R、Rは、それぞれアルキル基で、Rは水素原子またはアルキル基であり、R、R及びRの炭素原子数の合計は2~20である。)で表されるオレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素及びラジカル捕捉剤の存在下で反応させて、ジアルキルポリスルフィド(A)を得てもよい。ラジカル捕捉剤としては、ラジカル捕捉能を有していれば特に制限されないが、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールが挙げられる。上記一般式(1)で表されるオレフィン化合物(a)と硫黄との反応は、ラジカル捕捉剤の存在下でも進行することから、ラジカル捕捉剤の影響が少なく、ラジカル反応ではないと推察される。よって本製造方法でもジアルキルポリスルフィド(A)を得ることができる。
本実施形態の製造方法により、金属表面に効果的に金属硫化物の被膜を形成し、極圧添加剤として好適に使用できるジアルキルポリスルフィド(A)を効率的に得ることができる。また、得られるジアルキルポリスルフィド(A)は、金属表面に効果的に金属硫化物の被膜を形成し、極圧添加剤として好適に使用できる。
上記極圧添加剤は、前記ジアルキルポリスルフィド(A)のみからなっていても良いし、ジアルキルポリスルフィド(A)以外のジアルキルポリスルフィド(B)が含まれていてもよい。ジアルキルポリスルフィド(B)は、例えば下記一般式(3)で表される。
Figure 0007365656000002

(式中R、Rはそれぞれ水素原子またはアルキル基で、一つのRと一つのRの炭素原子数の合計は4~20である。nは1~6の整数である。)
前記一般式(3)において、R、Rとしては、例えば、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等が挙げられる。前記直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-ヘキサデシル基、n-オクタデシル基等が挙げられる。また、前記分岐状アルキル基としては、例えば、3-メチルペンチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルウンデシル基、3,6-ジメチルヘキサンデシル基等が挙げられる。
ジアルキルポリスルフィド(B)の中でも、高硫黄含有量を維持でき良好に金属硫化膜を金属表面上に形成できる観点から、一つのRと一つのRの炭素原子数の合計は4~16であるのが好ましく、4~10であるのがより好ましい。
前記ジアルキルポリスルフィド(B)中の活性硫黄の量は、難加工金属などの不動態被膜の硫化を促進したい用途であれば、総硫黄量を基準として20~50質量%が好ましく、30~45質量%がより好ましい。金属表面に効果的に金属硫化物の被膜を形成し且つ金属表面の腐食を起こしにくい観点からは、上記活性硫黄の量は、総硫黄量を基準として0.1~30質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好ましい。ここで、ジアルキルポリスルフィド(B)中の活性硫黄の量は、ASTM-D1662に定められる方法にて求めた値である。
前記ジアルキルポリスルフィド(B)は、RHC=CHR ・・・(4)(式中、R、Rは、それぞれ水素原子またはアルキル基であり、R及びRの炭素原子数の合計は4~20である。)で表されるオレフィン化合物(b)と硫黄とを水素の存在下で反応させることにより、得られる。
上記製造方法で用いられるオレフィン化合物(b)は、前記の通り、一般式(4)で表される構造を有する。前記ジアルキルポリスルフィド(B)の中でも、高硫黄含有量を維持でき良好に金属硫化膜を金属表面上に形成できる観点から、オレフィン化合物(b)としてRとRの炭素原子数の合計が4~16のオレフィン化合物を用いることが好ましく、RとRの炭素原子数の合計が4~10のオレフィン化合物を用いることがより好ましい。更に、反応性に優れ、効率よく前記ジアルキルポリスルフィド(B)を得ることができる観点からは、オレフィン化合物(b)としてRが炭素原子数4~16のアルキル基であり、Rが水素原子であるオレフィン化合物を用いることが好ましく、Rが炭素原子数4~10のアルキル基であり、Rが水素原子であるオレフィン化合物を用いることがより好ましい。
オレフィン化合物(b)としては、例えば、直鎖状の1-オレフィンや末端以外に分岐構造を有する分岐状の1-オレフィン等が挙げられる。前記直鎖状の1-オレフィンとしては、例えば、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン或いはその混合物等が挙げられる。
前記オレフィン化合物(b)の中でも、工業的に入手が容易で、硫黄との反応が容易に進行するとの理由から直鎖状の1-オレフィンが好ましい。直鎖状の1-オレフィンの中でも、流動点が低く、常温で液体状態を維持できるとの理由から炭素原子数6~18のオレフィン化合物が好ましく、中でも炭素原子数6~12のオレフィン化合物がより好ましい。
前記硫黄及び水素としては、上述の製造方法で使用した硫黄及び水素と同様のものを用いることができる。
(潤滑流体組成物)
潤滑流体組成物は、本実施形態で得られた極圧添加剤と基油とを含有することができる。前記基油としては、なんら限定されるものではなく、使用目的や使用条件等に応じて、鉱油や合成油等から適宜選択して用いることができる。前記鉱油としては、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油、ナフテン基系原油を常圧蒸留や常圧蒸留後の残渣を減圧蒸留して得られる留出油、又はこれを溶剤精製、水添精製、脱ロウ処理、白土処理等の精製を行って得られる精製油等が挙げられる。前記合成油としては、例えば、低分子量ポリブテン、低分子量ポリプロピレン、炭素原子数8~14のα-オレフィンオリゴマーおよびこれらの水素化物、トリメチロールプロパンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル等のポリオールエステル、二塩基酸エステル、芳香族ポリカルボン酸エステル、リン酸エステル等のエステル系化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等のアルキルアロマ系化合物、ポリアルキレングリコール等のポリグリコール油、シリコーン油などが挙げられ、これらは単独又は2種以上を適宜併用して用いることができる。
上記潤滑流体組成物中の極圧添加剤と基油との配合割合としては、特に限定されるものではないが、通常基油100質量部に対して、極圧添加剤中のジアルキルポリスルフィド換算で0.01~50質量部であり、好ましくは0.05~20質量部である。
上記潤滑流体組成物には、更に増ちょう剤を含有させることによって、潤滑流体組成物をグリースとして用いることも可能である。ここで用いることができる増ちょう剤としては、例えば、金属石鹸系、複合石鹸系などの石鹸系、又はウレア系などが挙げられる。これらの増ちょう剤を用いる場合には、予め基油に混合して均一化しておくことが好ましい。
上記潤滑流体組成物は、前記極圧添加剤と前記基油の他に、添加剤を含有してもよい。例えば、添加剤として、油性剤、耐磨耗剤、極圧剤、その他の防錆剤、腐食防止剤、消泡剤、洗浄分散剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、乳化剤、抗乳化剤、カビ防止剤、摩擦調整剤、界面活性剤等の添加剤などを目的とする用途や性能に応じて適宜併用することができる。
各種添加剤の具体例としては、次のものを挙げることができる。油性剤としては長鎖脂肪酸(オレイン酸)など;耐磨耗剤としてはリン酸エステル、金属ジチオホスフェート塩など;極圧剤としては有機硫黄化合物、有機ハロゲン化合物など;その他の防錆剤としてはカルボン酸、アミン、アルコール、エステルなど;腐食防止剤としては窒素化合物(ベンゾトリアゾールなど)、硫黄および窒素を含む化合物(1,3,4-チアジアゾリル-2,5-ビスジアルキルジチオカルバメート)など;消泡剤としてはシリコーン油、金属石鹸、脂肪酸エステル、リン酸エステルなど;洗浄分散剤としては中性、塩基性スルフォネートおよびフェネート(金属塩型)、こはく酸イミド、エステルおよびベンジルアミン共重合系ポリマーなど;流動点降下剤としては塩素化パラフィンとナフタレン又はフェノールの縮合物、ポリアルキルアクリレート、およびメタクリレート、ポリブテン、ポリアルキルスチレン、ポリ酢酸ビニルなど;粘度指数向上剤としてはポリメタクリレート、ポリイソブチレン、オレフィン共重合体、ポリアルキルスチレンなど;酸化防止剤としてはアミン、ヒンダードフェノール、チオりん酸亜鉛、トリアルキルフェノール類など;乳化剤としては硫酸、スルホン酸およびリン酸エステル、脂肪酸誘導体、アミン誘導体、第四アンモニウム塩、ポリオキシエチレン系の活性剤など;抗乳化剤としては第四アンモニウム塩、硫酸化油、リン酸エステルなど;カビ防止剤としてはフェノール系化合物、ホルムアルデヒド供与体化合物、サリチルアニリド系化合物などが挙げられる。
前記潤滑流体組成物は、前記極圧添加剤と前記基油と、必要に応じて配合される粘ちょう剤やその他の添加剤を均一に配合したものであり、その配合方法としては特に限定されるものではなく、この時、均一化のために30~60℃に加温することも可能である。
上記潤滑流体組成物の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、潤滑剤組成物として用いることができ、内燃機関や自動変速機、緩衝器、パワーステアリングなどの駆動系機器、ギアなどに用いられる自動車用潤滑油、切削加工、研削加工、塑性加工などの金属加工に用いられる金属加工油、油圧機器や装置などの油圧システムにおける動力伝達、力の制御、緩衝などの作動に用いる動力伝達流体である作動油などとして用いることができる。特に本発明の潤滑流体組成物は、ギア油として用いた際に使用されるギアボックスのシール剤(クロロプレンゴム、ニトリルゴムなど)への膨潤度合いを従来品よりも低減させることができるため、シール剤と接するような用途にも好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
オートクレーブに攪拌子、ジイソブチレン(2,4,4-トリメチル-1-ペンテン)20mmol、粉末硫黄(S)0.1875モル当量(S元素として1.5モル当量)、Co(シグマアルドリッチ社製、ナノパウダー:50nm以下(TEM))5mol%を仕込んだ後、水素を3.0MPaまで加圧仕込を行った。マグネチックスターラーで800rpmで攪拌しながら、オートクレーブを130℃まで加温し、同温度で20時間反応を行った。その後、室温に冷却して圧力弁を開放した後、内部標準物質として1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンを200mg(ジイソブチレン100質量部に対して8.91質量部)を反応溶液に加え、さらに、空気を吹き込んで残留する硫化水素を留去した。未反応硫黄とCoを遠心分離機にて除いた後、ジアルキルポリスルフィド(A)を得た。実施例1のジアルキルポリスルフィドの製造方法における反応を図1に示す。
(実施例2)
金属触媒の種類をCoからCoに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。Coは、文献「Liu, Q.; Zhang, J. CrystEngComm, 2013, 15, 5087」に従って調整することで得た。
(実施例3)
金属触媒の種類をCoからAgO(Wako社製、特級、カタログ番号199-00882)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例4)
金属触媒の種類をCoからMoO(Wako社製、1級、カタログ番号138-03352)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例5)
金属触媒の種類をCoからCuO(関東化学社製、特級、カタログ番号07503-30)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例6)
金属触媒の種類をCoからNiO(Wako社製、カタログ番号140-01552、99%以上)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例7)
金属触媒の種類をCoからFe(Wako社製、1級、カタログ番号096-04825)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例8)
金属触媒の種類をCoからCuS(Wako社製、カタログ番号034-04462、90%以上)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例9)
金属触媒の種類をCoからMoS(関東化学社製、カタログ番号25368-32、98%以上)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
実施例1~9で得られたジアルキルポリスルフィド(A)を、以下の方法で測定、評価した。
[硫黄原子数が異なるジアルキルポリスルフィドの収率及び合計収率の測定]
超高速液体クロマトグラフ(Waters社製、ACQUITY UPLC H-Classシステム)を用い、以下の測定条件にてジアルキルポリスルフィド(A)のチャートを取得した。硫黄原子数が異なるジアルキルポリスルフィド(n=2~8)の各々の収率(%)は、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンを内部標準として、各n値のジアルキルポリスルフィドに対応するピーク面積の比率により算出した。また、ジアルキルポリスルフィド(A)の合計収率は、上記硫黄原子数が異なるジアルキルポリスルフィドのそれぞれの収率の合計とした。尚、転化率は、ジイソブチレンの収率から求めた。チオールおよびジイソブチレンの収率は、FT-NMR装置(JEOL社製、JNM-ECA600)を用い、回収反応溶液をCDCl溶媒で希釈したサンプルのH NMR測定の結果から算出した。なお、この測定でも1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンを内部標準として利用した。
[UPLC測定条件]
溶出液:HO/MeCN/iPrOH=25/25/50、流速:0.5mL/minカラム:kinetex-C8、2.6μm、150mm×2.1mm
検出器:PDA
検出波長:210nm~800nm
[NMR測定条件]
H-NMR:600MHz
一例として、実施例1で得られたジアルキルポリスルフィド(A)のチャート、及び各n値(n=3~8)のジアルキルポリスルフィドに対応するピークを図2に示す。
実施例1~9の測定、評価結果を表1に示す。尚、表中の「N.D.(not determined)」は、他のピークと被って収率が算出不可であったことを示す。
Figure 0007365656000003
表1の結果から、実施例1~9のいずれでも、ジイソブチレンと粉末硫黄とを、水素、及びCo4、Co、AgO、MoO、CuO、NiO、Fe、CuS及びMoSのうちのいずれかの存在下で反応させることにより、合計収率6~57%でジアルキルポリスルフィド(A)を得られることが分かった。特に、実施例1~2において、金属元素としてCoを用い、ジイソブチレンと硫黄とを、水素、及び酸化コバルト又は硫化コバルトの存在下で反応させることにより、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が50%を超えることが分かった。
(実施例10)
オートクレーブに攪拌子、ジイソブチレン20mmol、粉末硫黄(S)0.375モル当量(S元素として3.0モル当量)、CoS2.5mol%、ゼオライト(ナカライテスク社製、Na-X型、モレキュラーシーブ13Xを砕いて、篩で粒径125μm以下に細かくしたもの)100mg(ジイソブチレン100質量部に対して4.45質量部)を仕込んだ後、水素を3.0MPaまで加圧仕込を行った。マグネチックスターラーで800rpmで攪拌しながら、オートクレーブを130℃まで加温し、同温度で20時間反応を行った。その後、室温に冷却して圧力弁を開放した後、内部標準として1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンを200mg(ジイソブチレン100質量部に対して8.91質量部)を加えた。さらに、空気を吹き込んで残留する硫化水素を留去した。未反応硫黄、CoS及びゼオライトを遠心分離機にて除いた後、ジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例11)
金属触媒の種類をCoSからCoに変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。Coは、実施例2と同じものを使用した。
(実施例12)
金属触媒の種類をCoSからCoS(Strem Chemicals社製)に変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例13)
金属触媒の種類をCoSからCo(シグマアルドリッチ社製、ナノパウダー:<50nm以下(TEM))に変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。実施例10~13の測定、評価結果を表2に示す。
Figure 0007365656000004
表2の結果から、実施例10~13のいずれでも、ジイソブチレンと粉末硫黄とを、水素、CoS、CoS2、Co及びCoのうちのいずれか、並びにゼオライトの存在下で反応させることにより、合計収率17~83%でジアルキルポリスルフィド(A)を得られることが分かった。特に、実施例10~11において、ジイソブチレンと硫黄とを、水素、CoS(二硫化コバルト)及びCo(四硫化三コバルト)のうちのいずれか、並びにゼオライトの存在下で反応させることにより、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が80%を超えることが分かった。また、実施例11では、Coに加えてゼオライトを使用することで、実施例2と比較してジアルキルポリスルフィド(A)の収率を向上できることが分かった。
(実施例14)
ゼオライト(ナカライテスク社製、Na-X型、モレキュラーシーブ13Xを砕いて、篩で125μm以下に細かくしたもの)の仕込み量を100mgから50mg(ジイソブチレン100質量部に対して2.23質量部)に変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例15)
ゼオライト(ナカライテスク社製、Na-X型、モレキュラーシーブ13Xを砕いて、篩で125μm以下に細かくしたもの)の仕込み量を100mgから200mg(ジイソブチレン100質量部に対して8.91質量部)に変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。実施例14~15、及び参考として実施例10の測定、評価結果を表3に示す。
Figure 0007365656000005
表3の結果から、実施例14~15のいずれでも、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が34%を超えることが分かった。
また、ゼオライトの仕込み量が増大するとジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率は増大し、ゼオライトの仕込み量がある一定量を超えると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が徐々に減少する傾向があることが分かった。
(実施例16)
オートクレーブの加熱温度、すなわち反応温度を130℃から115℃に変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例17)
オートクレーブの加熱温度、すなわち反応温度を130℃から115℃に変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。実施例16~17、及び参考として実施例10の測定、評価結果を表4に示す。
Figure 0007365656000006
表4の結果から、実施例16~17のいずれでも、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が10%を超えることが分かった。
また、反応温度100℃~160℃の範囲において、反応温度を高くするとジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率は増大し、反応温度がある一定値を超えると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が徐々に減少する傾向があることが分かった。
(実施例18)
オートクレーブに攪拌子、ジイソブチレン10mmol、粉末硫黄(S)0.375モル当量(S元素として3.0モル当量)、CoS2.5mol%、ゼオライト(ナカライテスク社製、Na-X型、モレキュラーシーブ13Xを砕いて、篩で粒径125μm以下に細かくしたもの)50mg(ジイソブチレン100質量部に対して4.45質量部)を仕込んだ後、水素を0.7MPaまで加圧仕込を行った。マグネチックスターラーで800rpmで攪拌しながら、オートクレーブを130℃まで加温し、同温度で20時間反応を行った。その後、室温に冷却して圧力弁を開放した後、内部標準として1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンを100mg(ジイソブチレン100質量部に対して8.91質量部)を加えた。さらに、空気を吹き込んで残留する硫化水素を留去した。未反応硫黄、CoS及びゼオライトを遠心分離機にて除いた後、ジアルキルポリスルフィド(A)を得た。尚、水素圧低下で実験条件が大きく変化するため、本実施例ではゼオライト(Na-X)の仕込み量を50mg(1/2スケール)として反応を実施した。
(実施例19)
仕込み時の水素圧力を3.0MPaから5.0MPaに変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。実施例18~19、及び参考として実施例10の測定、評価結果を表5に示す。
Figure 0007365656000007
表5の結果から、実施例18~19のいずれでも、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が25%を超えることが分かった。
水素圧力1.0MPa~6.0MPaの範囲において、水素圧力を高くするとジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率は増大し、水素圧力がある一定値を超えると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が徐々に減少する傾向があることが分かった。
(実施例20)
ゼオライトの種類をNa-X型(ビーズ、実施例10で使用したNa-X型、モレキュラーシーブ13Xの未粉砕物、粒径約2mm)に変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例21)
ゼオライトの種類をNa-X型からNa-A型(Wako社製、カタログ番号137-06085、モレキュラーシーブ4A 1/16を砕いて、篩で粒径125μm以下に細かくしたもの)に変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例22)
ゼオライトの種類をNa-X型からK-A型(Wako社製、カタログ番号134-06095、モレキュラーシーブ3A 1/16を砕いて、篩で粒径125μm以下に細かくしたもの)に変更したこと以外は、実施例10と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。実施例20~22、及び参考として実施例10の測定、評価結果を表6に示す。
Figure 0007365656000008
表6の結果から、実施例20~22のいずれでも、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が28%を超えることが分かった。
陽イオンが同じで細孔構造が異なるNa-X型とNa-A型を比較すると、ゼオライトの細孔構造がX型であると、A型よりもジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が高いことが分かった。また、Na-X型の中でも、粉砕して粒径を小さくしたNa-Xを用いると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が高いことが分かった。更に、細孔構造が同じで陽イオンが異なるNa-A型とK-A型を比較すると、陽イオンがKイオンであると、Naイオンよりもジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が高いことが分かった。
(実施例23)
オートクレーブに攪拌子、ジイソブチレン20mmol、粉末硫黄(S)0.1875モル当量(S元素として1.5モル当量)を仕込んだ後、水素を3.0MPaまで加圧仕込を行った。マグネチックスターラーで800rpmで攪拌しながら、オートクレーブを130℃まで加温し、同温度で20時間反応を行った。その後、室温に冷却して圧力弁を開放した後、内部標準として1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンを200mg(ジイソブチレン100質量部に対して8.91質量部)を加えた。さらに、空気を吹き込んで残留する硫化水素を留去した。未反応硫黄を遠心分離機にて除いた後、ジアルキルポリスルフィドを得た。
(実施例24)
オートクレーブに攪拌子、ジイソブチレン20mmol、粉末硫黄(S)0.1875モル当量(S元素として1.5モル当量)、ゼオライト(ナカライテスク社製、Na-X型、モレキュラーシーブ13Xを砕いて、篩で粒径125μm以下に細かくしたもの)100mgを仕込んだ後、水素を3.0MPaまで加圧仕込を行った。マグネチックスターラーで800rpmで攪拌しながら、オートクレーブを130℃まで加温し、同温度で20時間反応を行った。その後、室温に冷却して圧力弁を開放した後、内部標準として1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンを200mg(ジイソブチレン100質量部に対して8.91質量部)を加えた。さらに、空気を吹き込んで残留する硫化水素を留去した。未反応硫黄とゼオライトを遠心分離機にて除いた後、ジアルキルポリスルフィドを得た。実施例23~24、及び参考として実施例1の測定、評価結果を表7に示す。
Figure 0007365656000009
表7の結果から、実施例23では、ジイソブチレンと粉末硫黄とを、水素の存在下で反応させることにより、合計収率14%でジアルキルポリスルフィド(A)を得られることが分かった。また、実施例24では、ジイソブチレンと粉末硫黄とを、水素及びゼオライトの存在下で反応させることにより、合計収率11%でジアルキルポリスルフィド(A)を得られることが分かった。
(比較例1)
加温装置、硫化水素吹き込み管および硫化水素吸収装置を搭載した1リットルのオートクレーブに、ジイソブチレン365g(3.26モル)と、粉末硫黄104g(3.26モル)と、水酸化カリウム0.1gと、ブチルカルビトール4gとを仕込んだ。オートクレーブを密閉した後、反応容器内を真空ポンプを用いて-0.1MPa以下まで減圧にし、真空脱気した。その後、オートクレーブを密閉した後、内部温度が120℃になるまで加温した。ここに硫化水素ガス(純度99.9モル%)65g(1.9モル)を圧力6kg/cmで20時間を要して吹き込んだ。更に、同温度で10時間保持した。その後、40℃まで冷却してから、硫化水素吸収装置に接続した弁を開けて圧力を常圧に戻し、吹き込み管から空気を吹き込んで、残留する硫化水素および未反応のジイソブチレンを留去し、ジアルキルポリスルフィド(A)を合計収率87%で得た。
比較例1では、ジアルキルポリスルフィド(A)を高収率で得られたものの、硫化水素ガスを必須材料としており、水素を必須材料とする実施例1~24の製造方法とは大きく異なる。また、比較例1では触媒として塩基性化合物を用いており、比較例1で使用される触媒は、実施例1~22で触媒として使用される金属元素やゼオライトとは異なることが分かる。
(比較例2)
加温装置、硫化水素吹き込み管および硫化水素吸収装置を搭載した1リットルのオートクレーブに、ジイソブチレン786g(7.0モル)と粉末硫黄379g(11.8モル)と、触媒としてジシクロヘキシルアミン2.3gを仕込んだ。オートクレーブを密閉した後、内部温度が120℃になるまで加温した。ここに硫化水素ガス(純度99.9モル%)129g(3.8モル)を圧力6kg/cmで20時間を要して吹き込んだ。更に、同温度で1時間保持した。その後、70℃まで冷却してから、硫化水素吸収装置に接続した弁を開けて圧力を常圧に戻し、吹き込み管から空気を吹き込んで、残留する硫化水素および未反応のジイソブチレンを留去し、ジアルキルポリスルフィドを収率90%で得た。
比較例2では、ジアルキルポリスルフィド(A)を高収率で得られたものの、比較例1と同様に硫化水素ガスを必須材料としていることから、水素を必須材料とする実施例1~24の製造方法とは大きく異なる。また、比較例2ではアミン系触媒を用いており、比較例2で使用される触媒は、実施例1~22で触媒として使用される金属元素やゼオライトとは異なることが分かる。
(実施例25)
粉末硫黄(S)をS元素として1.5モル当量から3.0モル当量に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例26)
金属触媒の種類をCoからCo(Coを含み、Co含有量50質量%のもの)に変更し、他のゼオライト(シグマアルドリッチ社製、Na-X型、粒径2μm未満、含水処理を行わず市販品のまま)を使用したこと以外は、実施例25と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。Coは、文献「Qiao Liu, Junyan Zhang, CrystEngComm, 2013, 15, 5087」に従って調整することで得た。
(実施例27)
金属触媒の種類をCoからCo(Coを含み、Co含有量45質量%のもの)に変更し、他のゼオライト(シグマアルドリッチ社製、Na-X型、粒径2μm未満、含水処理を行わず市販品のまま)を使用したこと以外は、実施例25と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例28)
他のゼオライト(シグマアルドリッチ社製、Na-X型、粒径2μm未満、含水処理を行わず市販品のまま)を使用したこと以外は、実施例25と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。結果を表8に示す。
Figure 0007365656000010
表8の結果から、実施例28では、金属触媒の種類がCoである場合、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が83%であり、金属触媒の種類がCoである場合(実施例26~27)と同等の合計収率が得られることが分かった。また、金属触媒の種類がCoである場合にNa-X型のゼオライトを使用すると、Na-X型のゼオライトを使用しない場合(実施例25)と比較して高い合計収率が得られることが分かった。
(実施例29)
触媒量を2.5mol%から5.0mol%に変更し、水素圧を3.0MPaから0.7MPaに変更し、他のゼオライト(シグマアルドリッチ社製、Na-X型、粒径2μm未満、市販品に含水処理を行ったもの(水分含有量24質量%))を使用したこと以外は、実施例13と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例30)
水素圧を0.7MPaから3.0MPaに変更したこと以外は、実施例29と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例31)
水素圧を0.7MPaから5.0MPaに変更し、粉末硫黄(S)をS元素として3.0モル当量から1.5モル当量に変更したこと以外は、実施例29と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例32)
水素圧を0.7MPaから5.0MPaに変更し、粉末硫黄(S)をS元素として3.0モル当量から5.0モル当量に変更したこと以外は、実施例29と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例33)
水素圧を0.7MPaから5.0MPaに変更し、反応時間を20時間から2時間に変更したこと以外は、実施例29と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例34)
Na-X型のゼオライトを使用しなかったこと以外は、実施例33と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例35)
水素圧を0.7MPaから5.0MPaに変更し、加温温度(反応温度)を130℃から115℃に変更したこと以外は、実施例29と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例36)
加温温度を130℃から150℃に変更したこと以外は、実施例35と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例37)
水素圧を0.7MPaから5.0MPaに変更したこと以外は、実施例29と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。結果を表9に示す。
Figure 0007365656000011
表9の結果から、実施例29では、水素圧が0.7MPaであると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が41%であり、良好な合計収率が得られることが分かった。実施例30,37では、水素圧が3.0MPa、5.0MPaであると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率がそれぞれ80%、88%であり、更に良好な合計収率が得られることが分かった。
また、実施例31では、S当量が1.5モル当量であると、チオールが主生成物となり、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が15%であった。実施例37では、S当量が3.0モル当量であると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が88%であり、S当量が1.5モル当量である場合(実施例31)と比較して各段に優れた合計収率が得られることが分かった。実施例32では、S当量が5.0モル当量であると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が76%であり、S当量が3.0モル当量である場合(実施例37)と比較して合計収率は低下したものの、S当量が1.5モル当量である場合(実施例31)と比較して合計収率が増加することが分かった。
また、実施例33では、反応時間が2時間であると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が12%であり、反応時間が20時間である場合(実施例29)と比較して合計収率が低下することが分かった。ゼオライトを使用しない実施例34でも、同様の傾向が確認された。
また、実施例35では、加温温度(反応温度)が115℃であると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が62%であり、加温温度(反応温度)が130℃である場合(実施例37)と比較して合計収率が低下することが分かった。実施例36では、加温温度(反応温度)が150℃であると、チオールが主生成物となり、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が17%であり、加温温度(反応温度)が130℃である場合(実施例37)や150℃である場合(実施例35)と比較して合計収率が低下することが分かった。
(実施例38)
ゼオライト(シグマアルドリッチ社製、Na-X型、粒径2μm未満、市販品に含水処理を行ったもの(水分含有量24質量%))の仕込み量を100mgから50mgに変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例39)
ゼオライト(シグマアルドリッチ社製、Na-X型、粒径2μm未満、市販品に含水処理を行ったもの(水分含有量24質量%))の仕込み量を100mgから200mgに変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例40)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用1回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。結果を表10に示す。
Figure 0007365656000012
表10の結果から、実施例38,39では、ゼオライトの仕込み量が50mg、200mgであると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率がそれぞれ85%、87%であり、ゼオライトの仕込み量が100mgである場合(実施例37)と比較してほぼ同等の合計収率が得られることが分かった。
また、実施例40では、触媒をゼオライトと共に再利用しても、最初の使用時(実施例37)と同等の合計収率が得られることが分かった。
(実施例41)
原料の基質を2,4,4-トリメチル-1-ペンテンから2,4,4-トリメチル-2-ペンテンに変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例42)
反応時間を20時間から12時間に変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例43)
反応時間を2時間から12時間に変更したこと以外は、実施例34と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例44)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用2回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例45)
反応時間を20時間から4時間に変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例46)
反応時間を2時間から4時間に変更したこと以外は、実施例34と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例47)
反応時間を2時間から20時間に変更したこと以外は、実施例34と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例48)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用3回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例49)
水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更し、反応時間を20時間から2時間に変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例50)
水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更したこと以外は、実施例34と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例51)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用4回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。結果を表11に示す。
(実施例52)
水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更し、反応時間を20時間から12時間に変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例53)
水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更し、反応時間を2時間から12時間に変更したこと以外は、実施例34と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例54)
反応時間を12時間から4時間に変更したこと以外は、実施例52と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例55)
反応時間を12時間から4時間に変更したこと以外は、実施例53と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(比較例3)
水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更し、S当量を3.0モル当量から0に変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(比較例4)
水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更し、S当量を3.0モル当量から0に変更し、反応時間を2時間から20時間に変更したこと以外は、実施例34と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。結果を表11及び図3~図8に示す。
Figure 0007365656000013
表11の結果から、実施例41では、基質が2,4,4-トリメチル-2-ペンテンである場合の合計収率が80%であり、原料の基質が異なっても良好な合計収率が得られることが分かった。実施例41で得られたジアルキルポリスルフィド(A)のチャート、及び各n値(n=3~8)のジアルキルポリスルフィドに対応するピークを図3に、参考として実施例42で得られたジアルキルポリスルフィド(A)のチャート、及び各n値(n=3~8)のジアルキルポリスルフィドに対応するピークを図4に、それぞれ示す。
実施例42,43では、反応時間が12時間であると、反応時間が2時間である場合(実施例33,34)と比較して、ゼオライトの有無に因る転化率の差が小さくなることが分かった。反応時間が20時間である場合も、同様の傾向があることが確認された。
水素圧を5.0MPaにした場合の反応時間と転化率の関係を図5に示す。図5に示すように、反応時間が4時間以上であると、ゼオライトの有無に因る転化率の差が小さいが、反応時間が4時間未満であると、ゼオライトの有無に因る転化率の差が大きくなることが確認された。
また、水素圧を5.0MPaにした場合の反応時間と合計収率の関係を図6に示す。図6に示すように、転化率とは異なり、反応時間にかかわらず、ゼオライトの有無に因る合計収率の差が小さいことが確認された。
水素圧を3.0MPaにした場合の反応時間と転化率の関係を図7に示す。図7に示すように、反応時間が4時間以上であると、ゼオライトの有無に因る転化率の差が小さいが、反応時間が4時間未満であると、ゼオライトの有無に因る転化率の差が大きくなることが確認された。
水素圧を3.0MPaにした場合の反応時間と合計収率の関係を図8に示す。図8に示すように、反応時間が20時間未満であると、ゼオライトの有無に因る転化率の差が小さいが、反応時間が20時間以上であると、ゼオライトの有無に因る合計収率の差が大きくなることが確認された。
また、実施例44,48,51では、触媒をゼオライトと共に2回~4回再利用しても、最初の使用時(実施例37)と同等の合計収率が得られることが分かった。
また、比較例3,4では、S当量を0にすると、Na-X型のゼオライトの有無に因らず基質の殆どが反応に使用され、還元されたアルカン(2,4,4-トリメチルペンタン)が生成されることが分かった。
(実施例56)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用5回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例57)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用6回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例58)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用7回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例59)
水素圧を5.0MPaから7.0MPaに変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例60)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用8回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例61)
Na-X型のゼオライトから塩基性化合物の一例としてNaCО(Wako社製、5.0mol%(基質20mmolに対して1mmol))に変更し、水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例62)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用9回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例63)
ゼオライト(シグマアルドリッチ社製、Na-X型、粒径2μm未満、市販品に含水処理を行ったもの(水分含有量24質量%))の仕込み量を100mgから500mgに変更し、水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例64)
実施例37で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用10回目)したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例65)
Na-X型のゼオライトから塩基性化合物の一例としてジシクロへキシルアミン(Wako社製、5.0mol%(基質20mmolに対して1mmol))に変更し、水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例66)
Na-X型のゼオライトから塩基性化合物の一例としてNaOH(Wako社製、5.0mol%(基質20mmolに対して1mmol))に変更し、水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。
(実施例67)
実施例65で使用した触媒をゼオライトと共に再使用(再利用11回目)し、水素圧を5.0MPaから3.0MPaに変更し、反応時間を20時間から4時間に変更したこと以外は、実施例37と同様にしてジアルキルポリスルフィド(A)を得た。結果を表12に示す。
Figure 0007365656000014
表12の結果から、実施例59では、水素圧が7.0MPaであると、ジアルキルポリスルフィド(A)(n=2~8)の合計収率が81%であり、水素圧3.0MPa又は5.0MPaの場合(実施例30,37)と比較してチオールの収率が増大し、ジアルキルポリスルフィド(A)の合計収率が低下することが分かった。これは水素圧が一定値を超えることで触媒に因る還元反応が過剰に進行したためと推察される。
実施例63では、ゼオライトの仕込み量が500mgであるときに、ゼオライトの仕込み量が100mgである場合(実施例41)と同等の合計収率が得られることが分かった。すなわちゼオライトの仕込み量が5倍スケールであっても合計収率を低下させることなく反応が進行できることが確認された。
実施例56~58,60,62,64では、触媒をゼオライトと共に5回~10回再利用すると、最初の使用時(実施例37)よりも高いか或いはほぼ同等の合計収率が得られることが分かった。特に、再利用回数が増すにつれてジアルキルポリスルフィド(A)(n=3)の割合やチオールの収率が増加する傾向がみられた。これは触媒の繰り返しの使用によって触媒の還元能力が向上している可能性があると推察される。
実施例67では、10回再利用後に洗浄した触媒を更に再利用した場合(再利用11回目)、反応開始後4時間経過した段階で転化率71%であり、活性が向上していることが分かった。
また、実施例61,65,66では、Na-X型のゼオライト以外の塩基性化合物(NaCo、ジシクロへキシルアミン又はNaOH)を用いても、Na-X型のゼオライトを用いた場合(実施例30)と比較してほぼ同等の合計収率が得られることが分かった。
上記硫化オレフィンの製造方法によれば、入手困難な硫化水素ガスや、高圧の硫化水素ガスの取り扱いが不要となり、比較的入手容易で取り扱いが容易な水素ガスを用いてジアルキルポリスルフィド(A)が得られることから、硫化水素ガスの供給地域に影響を受けずにジアルキルポリスルフィド(A)を容易に製造可能となる。そのため、ジアルキルポリスルフィド(A)(極圧添加剤)と基油とを含有する潤滑油或いはグリースを様々な地域で容易に製造することができ、極めて有用である。

Claims (13)

  1. C=CHR ・・・(1)(式中、R、Rは、それぞれアルキル基で、Rは水素原子またはアルキル基であり、R、R及びRの炭素原子数の合計は2~20である。)で表されるオレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させて、ジアルキルポリスルフィド(A)を得る、硫化オレフィンの製造方法。
  2. オレフィン化合物(a)と硫黄とを反応させる際、供給される水素の圧力が0.1MPa以上10MPa以下である、請求項1に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  3. オレフィン化合物(a)と硫黄とを水素の存在下で反応させる際の加熱温度が、100℃以上200℃以下である、請求項1又は2に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  4. オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素及び金属元素の存在下で反応させる、請求項1又は2に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  5. 前記金属元素が、第6族~第11族から選択された1又は複数の金属元素である、請求項4に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  6. 前記金属元素が、金属酸化物又は金属硫化物を構成する金属元素である、請求項4に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  7. 前記オレフィン化合物(a)に対する前記金属元素の添加量が、0.1mol%以上10mol%以下である、請求項4に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  8. 前記オレフィン化合物(a)と硫黄とを、水素、前記金属元素及びゼオライトの存在下で反応させる、請求項4に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  9. 前記ゼオライトが塩基性を有する、請求項8に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  10. 前記ゼオライトが、X型又はA型の細孔構造を有する、請求項8に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  11. 前記ゼオライトの添加量が、前記オレフィン化合物(a)100質量部に対して2.0質量部以上25質量部以下である、請求項8に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  12. 上記一般式(1)中のRとRの炭素原子数の合計が2~14であり、Rが水素原子である、請求項1に記載の硫化オレフィンの製造方法。
  13. 前記オレフィン化合物(a)がジイソブチレンである、請求項1に記載の硫化オレフィンの製造方法。
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