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JP7363794B2 - 電極体、電極体を備える電解コンデンサ、及び電極体の製造方法 - Google Patents

電極体、電極体を備える電解コンデンサ、及び電極体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極体、電極体を備える電解コンデンサ、及び電極体の製造方法に関する。
電解コンデンサは、タンタルあるいはアルミニウム等のような弁作用金属を陽極箔及び陰極箔として備えている。陽極箔は、弁作用金属を焼結体あるいはエッチング箔等の形状にすることで拡面化され、拡面化された表面に誘電体酸化皮膜層を有する。陽極箔と陰極箔の間には電解液が介在する。電解液は、陽極箔の凹凸面に密接し、真の陰極として機能する。この電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜層の誘電分極作用により陽極側容量を得ている。
電解コンデンサは陽極側と陰極側に容量が発現する直列コンデンサと見做すことができる。従って、陽極側容量を効率良く活用するには陰極側容量も非常に重要である。陰極箔もエッチング処理により表面積を増大させているが、陰極箔の厚みの観点から陰極箔の拡面化にも限界がある。
そこで、窒化チタン等の金属窒化物の皮膜を陰極箔に形成した電解コンデンサが提案されている(特許文献1参照)。窒素ガス環境下で、イオンプレーティング法の一種である真空アーク蒸着法によってチタンを蒸発させ、陰極箔の表面に窒化チタンを堆積させる。金属窒化物は不活性であり、自然酸化皮膜が形成され難い。また蒸着皮膜は微細な凹凸が形成されて陰極の表面積が拡大する。
また、活性炭を含む多孔質のカーボン層を陰極箔に形成した電解コンデンサも知られている(特許文献2参照)。この電解コンデンサの陰極側容量は、分極性電極と電解質との境界面に形成される電気二重層の蓄電作用により発現する。電解質のカチオンが多孔質カーボン層との界面に整列し、多孔質カーボン層内の電子と極めて短い距離を隔てて対を成し、陰極に電位障壁が形成される。この多孔質カーボン層が形成された陰極箔は、多孔質カーボンを分散させた水溶性バインダー溶液を混練してペースト状にし、当該ペーストを陰極箔の表面に塗布し、高温下に晒して乾燥させることで作製される。
特開平4-61109号公報 特開2006-80111号公報
金属窒化物の蒸着プロセスは複雑であり、電解コンデンサのコスト高を招く。しかも、近年の電解コンデンサは、例えば車載用途等のように、極低温環境下から高温環境下まで幅広い温度帯域で使用されることも想定される。しかしながら、金属窒化物の皮膜を陰極箔に形成した電解コンデンサは、高温に長時間晒されることで静電容量が大きく低下してしまう。そうすると、電解コンデンサの静電容量は当初想定されていた静電容量と大きく異なるものとなってしまう。活性炭を含む多孔質カーボン層をペーストの塗布により陰極箔に形成した電解コンデンサは、金属窒化物の皮膜を陰極箔に形成した電解コンデンサと比べて更に、高温環境下で静電容量が大きく低下してしまう。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、高温環境負荷後においても安定した静電容量を発現させることができる電極体、この電極体を備える電解コンデンサ、及びこの電極体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、黒鉛と球状炭素とを含むカーボン層を陰極箔に形成すると、その電極体を用いた電解コンデンサは、低周波領域での使用において、初期静電容量と高温環境負荷後の静電容量との差が小さくなることを見出した。即ち、高温環境下に長時間晒されても静電容量の低下が抑制されることを見出した。
本発明は、この知見に基づき完成されたものであり、上記課題を解決すべく、電解コンデンサの陰極に用いられる電極体であって、弁作用金属により成る陰極箔と、前記陰極箔に形成されたカーボン層と、を備え、前記カーボン層は、黒鉛と球状炭素とを含むこと、を特徴とする。
また、従来、電気二重層作用には周波数特性上の解決すべき問題があり、電解コンデンサにおいて高周波領域での使用を目指す場合、カーボン層を陰極箔に形成することは考えられていなかった。しかも、低周波領域において、黒鉛やアセチレンブラックなどのBET比表面積の小さいカーボンは他の炭素材料に対して容量の点で劣ることが多い。しかしながら、本発明者らの鋭意研究の結果、低周波領域では他のカーボンブラックに対して容量の点で劣ることも多い黒鉛やBET比表面積の小さい球状炭素を組み合わせると、高周波領域においては立場を逆転させて容量の点で優位になるとの知見が得られた。この知見に基づき、前記球状炭素は、例えばアセチレンブラックなどのBET比表面積が200m/g以下のカーボンブラックであるようにしてもよい。
前記黒鉛は、粒度分布における平均粒径が6μm以上10μm以下であるようにしてもよい。
前記黒鉛は、粒度分布における平均粒径が6μm以下であるようにしてもよい。
前記黒鉛と前記カーボンブラックの混合比は、90:10から25:75であるようにしてもよい。
前記陰極箔は、拡面層が形成され、前記カーボン層は、前記拡面層上に形成されているようにしてもよい。
前記拡面層と前記カーボン層とは圧接しているようにしてもよい。
前記拡面層は、凹凸面と当該凹凸面から前記陰極箔の深部に向けて形成される細孔とから形成され、前記球状炭素は、細孔に入り込み、前記黒鉛は、前記球状炭素が入り込んだ前記細孔を覆っているようにしてもよい。
前記球状炭素は、前記カーボン層の圧接により前記細孔に入り込んでいるようにしてもよい。
前記黒鉛は、前記拡面層の前記凹凸面に沿うように変形しているようにしてもよい。
この電極体を陰極に備える電解コンデンサも本発明の一態様である。
また、上記課題を解決すべく、本発明の電極体の製造方法は、電解コンデンサの陰極に用いられる電極体の製造方法であって、弁作用金属により成る陰極箔に、黒鉛と球状炭素とを含むカーボン層を形成すること、を特徴とする。
前記カーボン層は、前記黒鉛と球状炭素を含むスラリーを陰極箔に塗布、乾燥後、圧接して形成されるようにしてもよい。
本発明によれば、陰極体は、高温環境負荷後においても安定した静電容量を発現させることができる。
セパレータに貼着した粘着テープの写真である。 陰極体の断面を示すSEM写真である。 実施例3と参考例1の陰極体の断面のSEM写真である。 実施例5と参考例2の陰極体の断面のSEM写真である。
本発明の実施形態に係る電極体及びこの電極体を陰極に用いた電解コンデンサについて説明する。本実施形態では、電解液を有する電解コンデンサを例示して説明するが、これに限定されるものではなく。電解液、導電性ポリマーなどの固体電解質層、ゲル電解質、又は固体電解質層とゲル電解質に対して電解液を併用した電解質を有する電解コンデンサの何れにも適用できる。
(電解コンデンサ)
電解コンデンサは、静電容量に応じた電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。この電解コンデンサは、巻回型又は積層型のコンデンサ素子を有する。コンデンサ素子は、電極体をセパレータを介して対向させ、電解液が含浸されて成る。この電解コンデンサは、陰極側に用いられた電極体と電解液との界面に生じる電気二重層作用によって陰極側容量が生じ、また誘電分極作用による陽極側容量が陽極側に用いられた電極体に生じる。以下、陰極側に用いられた電極体を陰極体といい、陽極側に用いられた電極体を陽極箔と称する。
陽極箔の表面には、誘電分極作用が生じる誘電体酸化皮膜層が形成されている。陰極体の表面には、電解液との界面に電気二重層作用を生じさせるカーボン層が形成されている。電解液は、陽極箔と陰極体の間に介在し、陽極箔の誘電体酸化皮膜層と陰極体のカーボン層に密接する。セパレータは、陽極箔と陰極体のショートを防止すべく、陽極箔と陰極体との間に介在し、また電解液を保持する。
(陰極体)
この陰極体は、陰極箔とカーボン層の2層構造を有する。陰極箔は集電体となり、その表面には拡面層が形成されていることが好ましい。カーボン層は主材として炭素材を含む。このカーボン層が拡面層と密着することで、陰極箔とカーボン層の2層構造となる。
陰極箔は、弁作用金属を材料とする長尺の箔体である。弁作用金属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス及びアンチモン等である。純度は、99%程度以上が望ましいが、ケイ素、鉄、銅、マグネシウム、亜鉛等の不純物が含まれていても良い。陰極箔としては、例えばJIS規格H0001で規定される調質記号がHであるアルミニウム材、いわゆるH材や、JIS規格H0001で規定される調質記号がOであるアルミニウム材、いわゆるO材を用いてもよい。H材からなる剛性が高い金属箔を用いると、後述するプレス加工による陰極箔の変形を抑制できる。
この陰極箔は、弁作用金属が延伸された金属箔に拡面処理が施されている。拡面層は、電解エッチングやケミカルエッチング、サンドブラスト等により形成され、又は金属箔に金属粒子等を蒸着若しくは焼結することにより形成される。電解エッチングとしては、直流エッチング又は交流エッチング等の手法が挙げられる。また、ケミカルエッチングでは、金属箔を酸溶液やアルカリ溶液に浸漬させる。形成された拡面層は、箔表面から箔芯部へ向けて掘り込まれたトンネル状のエッチングピット、又は海綿状のエッチングピットを有する層領域である。尚、エッチングピットは、陰極箔を貫通するように形成されていてもよい。
カーボン層において、炭素材は、黒鉛と球状炭素の混合である。黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛、又は黒鉛化ケッチェンブラック等が挙げられ、鱗片状、鱗状(塊状)、土状、球状又は薄片状の形態を有する。黒鉛は、エッチングピットを押し潰してカーボン層と陰極箔との密着性を高めるためにも、鱗片状又は薄片状であり、その短径と長径とのアスペクト比が1:5~1:100の範囲のものを用いるのが好ましい。球状炭素としては例えばカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック及びサーマルブラック等が挙げられ、好ましくは一次粒子径が平均100nm以下であり、また好ましくはBET理論により計算される比表面積(以下、BET比表面積という)が200m/g以下である。BET比表面積が200m/g以下のカーボンブラックは例えばアセチレンブラックである。
この黒鉛と球状炭素の混合で構成されたカーボン層は、黒鉛と球状炭素を活物質として、陰極側容量を発現させる電気二重層活物質層となる。黒鉛と球状炭素の組み合わせは、低周波領域で電解コンデンサを使用する場合、電解コンデンサの初期静電容量と高温環境負荷後における静電容量との差を小さくする。即ち、黒鉛と球状炭素の組み合わせによって、電解コンデンサが高温環境下に長時間晒されても静電容量の低下は抑制され、電解コンデンサの熱安定性が向上する。尚、初期静電容量は、電解コンデンサを組み立ててエージング処理した後の例えば20℃等の常温近辺での静電容量であり、高温環境負荷後における静電容量は、例えば125℃等の高温環境に260時間等の長時間晒した後の静電容量である。
特に、黒鉛とBET比表面積が200m/g以下の球状炭素との混合により成るカーボン層は、高周波領域で使用する場合、電解コンデンサの初期静電容量と高温環境負荷後の静電容量との差を顕著に縮める。一般的には、BET比表面積が小さいと電解コンデンサの静電容量は小さくなる。しかしながら、電解コンデンサを高周波領域で使用する場合、黒鉛とBET比表面積が200m/g以下の球状炭素との混合により成るカーボン層は、活性炭等のBET比表面積が大きい炭素材との立場を逆転させ、高い静電容量を発現させる。即ち、黒鉛とBET比表面積が200m/g以下の球状炭素との混合により成るカーボン層は、高周波領域での使用において、電解コンデンサの熱安定性を高めるとともに、高い静電容量を発現させるため、好ましいものである。
更に、黒鉛とBET比表面積が200m/g以下の球状炭素との混合により成るカーボン層は、低周波領域での使用においても、電解コンデンサの初期静電容量と高温環境負荷後の静電容量との差を顕著に縮める。従って、黒鉛とBET比表面積が200m/g以下の球状炭素との混合により成るカーボン層は、低周波領域での使用においても、高周波領域での使用においても、幅広い周波数領域で熱安定性が高く、電解コンデンサを汎用的なものとする。
黒鉛は、高温環境負荷後における静電容量の安定性の観点において、長径を基準とした粒度分布における平均粒径が6μm以上10μm以下であることが好ましい。ここでいう平均粒径はメジアン径、所謂D50である。平均粒径が6μm以上10μm以下であると、高温環境負荷後であっても初期静電容量と同等の静電容量が発現する。換言すると、初期静電容量と高温環境負荷後の静電容量に差が無い。
また黒鉛は、静電容量の大きさという点においては粒度分布における平均粒径(D50)が6μm以下であることが好ましい。平均粒径が6μm以下であれば、黒鉛の粒径を小さくすればするほど、電解コンデンサの初期静電容量と高温環境負荷後の静電容量との差を小さく維持したまま、電解コンデンサの静電容量を増加させることができる。
まず平均粒径が6μm程度であると、平均粒径が10μmである場合と比べて静電容量自体が大幅に改善し、電解コンデンサの熱安定性と良好な静電容量を両立する。また、平均粒径が6μm程度であると、高温環境負荷後については、窒化チタンの皮膜を陰極箔に形成した電解コンデンサと遜色の無い大きさの静電容量を発現する。
次に、平均粒径が4μm程度となると、高温環境負荷後において低周波領域及び高周波領域の両方の静電容量が、窒化チタンの皮膜を陰極箔に形成した電解コンデンサを凌駕する。即ち、平均粒径が4μm程度となると、高温環境下での使用が想定される電解コンデンサとしては、窒化チタンの皮膜を陰極箔に形成した電解コンデンサよりも汎用的となる。
更に、平均粒径が1μmまで小さくなると、初期静電容量であっても、高温環境負荷後の静電容量であっても、低周波領域及び高周波領域の両方の静電容量が、窒化チタンの皮膜を陰極箔に形成した電解コンデンサはおろか、電気二重層の活物質として一般的である活性炭を活物質として陰極箔に用いた電解コンデンサをも凌駕し、更に汎用的となる。
また、平均粒径が6μm以下であると、黒鉛をカーボン層内に留め置き易くなるという知見が得られた。そのため、平均粒径が6μm以下であると、カーボン層内に黒鉛を留め置くためのバインダーを少量にでき、陰極体の低抵抗化及び電解コンデンサの等価直列抵抗(ESR)を低減できる点でも好ましい。
尚、黒鉛Gと球状炭素Cの質量比は、G:C=90:10~25:75の範囲が好ましい。黒鉛の質量比が90wt%超となると、電解コンデンサの初期静電容量と高温環境負荷後における電解コンデンサの静電容量との差が大きくなってしまう。また、球状炭素Cのみとすると、低周波領域での使用であっても、高周波領域での使用であっても、静電容量が小さくなってしまう。
図2は、陰極体の断面を示すSEM写真である。図2に示すように、拡面層の表面は、うねりの大きな凹凸面21と、この凹凸面21から陰極箔の深部へ向けて形成される細孔22により形成されている。黒鉛11は、凹凸面21に沿って変形しつつ、凹凸面21上に積み重なっていることが好ましい。また、球状炭素12は、細孔22に入り込んでいることが好ましい。換言すると、黒鉛11は、細孔22に球状炭素12が入り込んだ状態で、細孔22を覆っている。また、球状炭素12は、凹凸面21上に積み重なった黒鉛11の間を埋めるように、黒鉛11間に充填されていることが好ましい。
このようなカーボン層の態様は、拡面層にカーボン層が食い込んで密着性を高め、カーボン層と拡面層との間の界面抵抗を下げる。即ち、このようなカーボン層の態様は、拡面層の凹凸面21において、拡面層とカーボン層との密着性を高める。また、このようなカーボン層の態様は、黒鉛11が押圧蓋となって、球状炭素22を細孔へ入り込ませて押し留め、拡面層の細孔22において、拡面層のカーボン層との密着性を高める。
このような陰極体は、カーボン層の材料が含まれるスラリーを作製し、また陰極箔に拡面層を形成しておき、拡面層にスラリーを塗布して乾燥及びプレスをすればよい。拡面層に関しては、典型的には、硝酸、硫酸、塩酸等の酸性水溶液中で直流又は交流を印加する直流エッチング又は交流エッチングにより形成される。
カーボン層に関しては、黒鉛と球状炭素の粉末を溶媒中で分散させ、バインダーを加えてスラリーを作製する。このスラリー作製前に黒鉛の平均粒径をビーズミルやボールミル等の粉砕手段にて粉砕することで調整しておいてもよい。溶媒は、メタノール、エタノールや2-プロパノールなどのアルコール、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)やN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド系溶媒、水及びこれらの混合物などである。分散方法としては、ミキサー、ジェットミキシング(噴流衝合)、または、超遠心処理、その他超音波処理などを使用する。分散工程では、混合溶液中の黒鉛と球状炭素とバインダーが細分化及び均一化し、溶液中に分散する。バインダーとしては、例えばスチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、又はポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
次に、スラリーを拡面層に塗布し、乾燥させた後、所定圧力でプレスすることで、カーボン層の黒鉛及び球状炭素を敷き詰めて整列させる。また、プレスすることで、カーボン層の黒鉛が拡面層の凹凸面に沿うように変形する。また、プレスすることで、拡面層の凹凸面に沿って変形した黒鉛に圧接の応力が加わり、黒鉛と拡面層との間の球状炭素が細孔内に押し込まれる。これにより、カーボン層と拡面層の密着性が担保させる。
尚、黒鉛及び球状炭素に、賦活処理や開口処理などの多孔質化処理を施す場合、ガス賦活法、薬剤賦活法などの従来公知の賦活処理を用いることができるが、球状炭素のBET比表面積は200m/g以下に留めるようにすればよい。ガス賦活法に用いるガスとしては、水蒸気、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、塩化水素、酸素またはこれらを混合したものからなるガスが挙げられる。また、薬剤賦活法に用いる薬剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、ホウ酸、リン酸、硫酸、塩酸等の無機酸類、または塩化亜鉛などの無機塩類などが挙げられる。この賦活処理の際には必要に応じて加熱処理が施される。
(陽極箔)
次に、陽極箔は、弁作用金属を材料とする長尺の箔体である。純度は、陽極箔に関して99.9%程度以上が望ましい。この陽極箔は、延伸された箔にエッチング処理を施して成り、または弁作用金属の粉体を焼結して成り、または金属粒子等の皮膜を箔に蒸着させて皮膜を施して成る。陽極箔は、エッチング層又は多孔質構造層を表面に有する。
陽極箔に形成される誘電体酸化皮膜層は、典型的には、陽極箔の表層に形成される酸化皮膜であり、陽極箔がアルミニウム製であれば、多孔質構造領域を酸化させた酸化アルミニウム層である。この誘電体酸化皮膜層は、硼酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム等の酸あるいはこれらの酸の水溶液等のハロゲンイオン不在の溶液中で電圧印加する化成処理により形成される。尚、陰極箔には、自然酸化皮膜層が形成され得るし、意図的に誘電体酸化皮膜層を設けてもよい。
(セパレータ)
セパレータは、クラフト、マニラ麻、エスパルト、ヘンプ、レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を単独で又は混合して用いることができ、またセルロースと混合して用いることができる。
(電解液)
電解液は、溶媒に対して溶質を溶解し、また必要に応じて添加剤が添加された混合液である。溶媒はプロトン性の極性溶媒又は非プロトン性の極性溶媒の何れでもよい。プロトン性の極性溶媒として、一価アルコール類、及び多価アルコール類、オキシアルコール化合物類、水などが代表として挙げられる。非プロトン性の極性溶媒としては、スルホン系、アミド系、ラクトン類、環状アミド系、ニトリル系、オキシド系などが代表として挙げられる。
一価アルコール類としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等が挙げられる。スルホン系としては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3-メチルスルホラン、2,4-ジメチルスルホラン等が挙げられる。アミド系としては、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-エチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等が挙げられる。ラクトン類、環状アミド系としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等が挙げられる。ニトリル系としては、アセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等が挙げられる。オキシド系としてはジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶媒として、これらが単独で用いられてもよく、また2種類以上を組み合わせても良い。
電解液に含まれる溶質は、アニオン及びカチオンの成分が含まれ、典型的には、有機酸若しくはその塩、無機酸若しくはその塩、又は有機酸と無機酸との複合化合物若しくはそのイオン解離性のある塩であり、単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。アニオンとなる酸及びカチオンとなる塩基を溶質成分として別々に電解液に添加してもよい。
電解液中でアニオン成分となる有機酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、1,6-デカンジカルボン酸、1,7-オクタンジカルボン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸等のカルボン酸、フェノール類、スルホン酸が挙げられる。また、無機酸としては、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、炭酸、ケイ酸等が挙げられる。有機酸と無機酸の複合化合物としては、ボロジサリチル酸、ボロジ蓚酸、ボロジグリコール酸等が挙げられる。
また、有機酸、無機酸、ならびに有機酸と無機酸の複合化合物の少なくとも1種の塩として、アンモニウム塩、四級アンモニウム塩、四級化アミジニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。四級アンモニウム塩の四級アンモニウムイオンとしてはテトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。四級化アミジニウムとしては、エチルジメチルイミダゾリニウム、テトラメチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。アミン塩のアミンとしては、一級アミン、二級アミン、三級アミンが挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなど、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジブチルアミンなど、三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エチルジメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等が挙げられる。
さらに、電解液には他の添加剤を添加することもできる。添加剤としては、ポリエチレングリコール、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコールとの錯化合物、ホウ酸エステル、ニトロ化合物(o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、o-ニトロフェノール、m-ニトロフェノール、p-ニトロフェノールなど)、リン酸エステル、コロイダルシリカなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
以上、電解液を用いた電解コンデンサを説明したが、固体電解質を用いた場合は、集電体と接触したカーボン層によって固体電解質と導通することとなり、誘電分極作用による陽極側容量によって電解コンデンサの静電容量が構成される。また、固体電解質を用いる場合は、ポリエチレンジオキシチオフェンなどのポリチオフェンや、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
次のようにして実施例1の電解コンデンサを作製した。まず、陰極体に関し、炭素材である鱗片状の黒鉛の粉末及び球状炭素の粉末、バインダーであるスチレンブタジエンゴム(SBR)、及び分散剤含有水溶液としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)水溶液を混合して混練することでスラリーを作製した。炭素材とバインダーと分散剤含有水溶液の配合比は、重量比で84:10:6とした。別途、電極リード板を引き出したアルミニウム箔を陰極箔として用意し、この陰極箔にスラリーを均一に塗布した。このアルミニウム箔には、予め、塩酸中で電圧を印加することで、エッチング層を形成しておいた。スラリーは、そのエッチング層に塗布した。そして、スラリーを乾燥させた後、150kNcm-2の圧力で垂直プレスをかけ、カーボン層を陰極箔上に定着させた。
また、アルミニウム箔にエッチング処理を施し、公称化成電圧が4Vfsとなるように誘電体酸化皮膜を形成し、投影面積が2.1cmの大きさのアルミニウム箔を得て、これを陽極箔とした。この陽極箔の容量は386μFcm-2であった。そして、この陰極体と陽極体をレーヨン製のセパレータを介して対向させ、電解液を含浸させ、ラミネートセルとし、共通の再化成処理を施した。電解液としては、フタル酸テトラメチルイミダゾリニウムを溶質とし、γ-ブチロラクトンを溶媒として作製された。再化成の際には、全電解コンデンサとも105℃の環境下で、3.35Vの電圧を60分間印加した。
実施例1の電解コンデンサにおいては、平均粒径が10μmの鱗片状の黒鉛を用い、球状炭素としてアセチレンブラック(AB)を用いた。このアセチレンブラックの一次粒子径が平均50nmであり、またBET比表面積は39m/gである。また黒鉛とアセチレンブラックの混合比は75:25とした。
(実施例2、3及び10)
実施例1の電解コンデンサと同一条件で実施例2、3及び10の電解コンデンサを作製した。但し、実施例2の電解コンデンサでは、球状炭素としてアセチレンブラックを用い、黒鉛とアセチレンブラックの混合比を75:25としたものの、平均粒径が6μmの鱗片状の黒鉛を用いた。また、実施例3の電解コンデンサでは、黒鉛とアセチレンブラックの混合比を75:25としたものの、平均粒径が4μmの鱗片状の黒鉛を用いた。また、実施例10の電解コンデンサでは、黒鉛とアセチレンブラックの混合比を75:25としたものの、平均粒径が0.5μmの鱗片状の黒鉛を用いた。即ち、実施例2、3及び10は、実施例1に対して鱗片状の黒鉛の平均粒径が変更されている。
(実施例4乃至9)
実施例1の電解コンデンサと同一条件で実施例4乃至9の電解コンデンサを作製した。但し、実施例4乃至9の電解コンデンサでは、平均粒径が1μmの鱗片状の黒鉛を用いた。これら実施例4乃至9の電解コンデンサは、黒鉛とアセチレンブラックの混合比が異なる。実施例4では黒鉛とアセチレンブラックの混合比を95:5とし、実施例5では黒鉛とアセチレンブラックの混合比を黒鉛の比率を落として90:10とし、実施例6では黒鉛とアセチレンブラックの混合比を黒鉛の比率を更に落として85:15とし、実施例7では黒鉛とアセチレンブラックの混合比を黒鉛の比率を更に落として75:25とし、実施例8では黒鉛とアセチレンブラックの混合比を黒鉛の比率を更に落として50:50とし、実施例9では黒鉛とアセチレンブラックの混合比を黒鉛の比率を更に落として25:75とした。
(比較例3及び参考例1)
実施例4乃至9の電解コンデンサとの対比として、比較例3及び参考例1の電解コンデンサを作製した。但し、比較例3では、球状炭素を加えず、平均粒径1μmの黒鉛のみを炭素材としてカーボン層を形成した。参考例1では、鱗片状の黒鉛を加えず、アセチレンブラックのみを炭素材としてカーボン層を形成した。その他の条件は、実施例4乃至9と同一である。
(実施例11及び12)
実施例2の電解コンデンサと同一条件で実施例11及び12の電解コンデンサを作製した。但し、実施例11の電解コンデンサでは、球状炭素としてケッチェンブラックを用いた点で実施例2と異なるが、鱗片状の黒鉛の平均粒径が6μmである点、及び鱗片状の黒鉛と球状炭素の混合比が75:25である点で同一である。ケッチェンブラックの一次粒子径が平均40nmであり、またBET比表面積は800m/gである。実施例12の電解コンデンサでは、実施例11と比べて鱗片状の黒鉛の混合比を落とし、50:50とした。
(実施例13及び14)
実施例11及び12の電解コンデンサと同一条件で実施例13及び14の電解コンデンサを作製した。但し、実施例13の電解コンデンサは実施例11に対し、また実施例14の電解コンデンサは実施例12に対し、鱗片状の黒鉛の平均粒径が1μmである点で異なる。
(比較例1及び2)
最後に、これら実施例1乃至14の電解コンデンサとの対比として、比較例1及び比較例2の電解コンデンサを作製した。比較例1の電解コンデンサに関しては、エッチング未処理のアルミニウム箔を集電体として用い、電子ビーム蒸着法により窒化チタン層を形成し、この窒化チタン層を形成したアルミニウム箔を陰極体として用いた。また、比較例2の電解コンデンサに関しては、エッチング未処理のアルミニウム箔を集電体として用い、平均粒径が5μmの活性炭とアセチレンブラックとを混合したカーボン層を形成し、このカーボン層を形成したアルミニウム箔を陰極体として用いた。活性炭のBET比表面積は1500m/gである。また比較例2で用いたアセチレンブラックのBET比表面積は39m/gである。比較例1及び2の電解コンデンサにおける陽極箔、セパレータ及び電解液の組成、作製工程及び作製条件は、各実施例の電解コンデンサと同じである。
(製品試験)
以上の実施例1乃至14、比較例1乃至3、並びに参考例1の電解コンデンサの静電容量(Cap)を測定した。この製品試験では、20℃で120Hz及び10kHz充放電時の静電容量(Cap)を初期静電容量として測定した。また、125℃である高温環境下に260時間晒し、その後、20℃で120Hz及び10kHz充放電時の静電容量(Cap)を高温環境負荷後静電容量として測定した。その結果を下記表1に示す。更に、表1には、初期静電容量に対する高温環境負荷後静電容量の変化率(ΔCap)を周波数ごとに記した。
(表1)
Figure 0007363794000001
表1に示すように、低周波領域である120Hzで電解コンデンサを使用すると、実施例1乃至14の電解コンデンサは、初期静電容量に対する高温環境負荷後静電容量の変化率(ΔCap)において、比較例1及び2の電解コンデンサに対して良好であった。これら実施例1乃至14は、黒鉛とアセチレンブラック又はケッチェンブラックといった球状炭素を混合して陰極体のカーボン層を形成したものである。一方、比較例3の電解コンデンサのように、黒鉛のみで陰極体のカーボン層を形成すると、比較例1及び2と比べて初期静電容量の著しい低下が見られ、高温環境負荷後静電容量の低下も大きいことが確認でき、10kHzでの使用においても静電容量が著しく低い。尚、参考例1の電解コンデンサは、本製品試験において比較的良好ではあるが、後述するように界面抵抗が劣っている。
これにより、黒鉛と球状炭素を混合して陰極体のカーボン層を形成することで、電解コンデンサは、120Hzという低周波領域での使用において、初期静電容量のみならず、高温環境負荷後においても比較的安定した静電容量を有することが確認された。
次に、実施例1乃至10の電解コンデンサは、球状炭素としてアセチレンブラックを用いたものであるが、高周波領域である10kHzで電解コンデンサを使用しても、初期静電容量に対する高温環境負荷後静電容量の変化率(ΔCap)において良好であることが確認された。即ち、黒鉛とアセチレンブラックとを混合して成るカーボン層を陰極体に形成した電解コンデンサは、高温環境負荷後の静電容量の観点で、低周波領域での使用においても、高周波領域での使用においても、幅広い周波数領域で安定的な静電容量を有していて汎用的であることが確認された。
また、実施例1及び2の電解コンデンサは、高周波領域で使用しようとも、低周波領域で使用しようとも、初期静電容量に対して高温環境負荷後静電容量が落ちないことが確認された。即ち、黒鉛の平均粒径を6μm以上10μm以下とし、球状炭素としてアセチレンブラックを選択すると、電解コンデンサの熱安定性に優れ、幅広い温度環境下に亘って極めて安定に動作することが確認された。更に、実施例2の電解コンデンサは、実施例1と比べると静電容量自体が大幅に向上し、高温環境負荷後に関しては窒化チタンの皮膜を陰極箔に形成した比較例1の電解コンデンサと遜色の無い大きさの静電容量を発現している。即ち、黒鉛の平均粒径を6μm程度(±2μm)とすると、高温環境においても高容量で且つ安定的であることが確認された。
また、実施例3乃至10の電解コンデンサは、高周波領域で使用しようとも、低周波領域で使用しようとも、比較例1及び比較例2の電解コンデンサの初期静電容量のみならず、高温環境負荷後静電容量に匹敵或いは凌駕することが確認された。即ち、黒鉛の平均粒径を6μm未満とし、球状炭素としてアセチレンブラックを選択すると、BET比表面積が39m/gであるアセチレンブラックを用いているにもかかわらず、BET比表面積が1500m/gである活性炭を用いた比較例2に匹敵し、更に平均粒径を1μmとすると、この比較例2を凌駕して、電解コンデンサの静電容量を高めることができることが確認された。更には、高温環境負荷後の静電容量の低下を抑制することが可能となり、熱安定性に優れることに加え、広い周波数領域において極めて安定に動作することが確認された。
(界面抵抗)
ここで、実施例3及び参考例1の電解コンデンサにおいて、陰極体の断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、またカーボン層と拡面層の界面抵抗値を測定した。図3は、陰極体の断面のSEM写真であり、(a)は実施例3に係る10,000倍、(b)は参考例1に係る10,000倍、(c)は実施例3に係る25,000倍、(d)は参考例1に係る25,000倍である。界面抵抗値は、電極抵抗測定システム(日置電機株式会社製;型番RM2610)にて測定した。尚、実施例3は、黒鉛とカーボンブラックによってカーボン層が成り、これに対して、参考例1は、黒鉛を含まず、カーボンブラックによってカーボン層が成り、実施例3と参考例1は、その他につき同一である。
図3の(a)及び(c)に示すように、実施例3の陰極体では、黒鉛が拡面層の凹凸面に沿って変形して敷き詰められ、カーボン層と拡面層が凹凸面において密着していることがわかる。また、実施例3の陰極体では、黒鉛が押圧蓋となって拡面層の細孔にカーボンブラックを押し込んでおり、カーボン層と拡面層が細孔においても密着していることがわかる。また、黒鉛が屈曲し、屈曲角度が局所的に90°程度まで折れ曲がる。このように屈曲した黒鉛によって、圧接の圧力が直接伝わり難い凹凸面の側面や深部の細孔までカーボンブラックを効率的に押し込んでいる。
このように、実施例3の陰極体では、拡面層にカーボン層が食い込んでいることがわかる。これに対して、参考例1の陰極体では、カーボンブラックが拡面層の凹凸面に積もっているものの、カーボン層と凹凸面との間の所々に空隙が生まれている。更に、参考例1の陰極体では、拡面層の細孔に入り込んでいるカーボンブラックが相対的に少なく、細孔内の空隙が多く発生している。
この結果、実施例3の陰極体の界面抵抗値は、1.78mΩcmであったが、参考例1の陰極体の界面抵抗値は、2.49mΩcmとなってしまった。即ち、黒鉛と球状炭素の両方をカーボン層に含む実施例1乃至14は、高温環境負荷後においても安定した静電容量を発現させることができる点に加え、低い界面抵抗値が得られることが確認された。
(プレス効果試験)
ここで、150kNcm-2の圧力で垂直プレスをかけた実施例3の陰極体との比較対象として、プレス工程を省いた参考例2の陰極体を作製した。参考例2の陰極体は、プレスの有無を除いて実施例3と同一条件で作製された。そして、実施例3の陰極体と参考例2の陰極体の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した。撮影結果を、図4に示す。図4は、陰極体の断面のSEM写真であり、(a)は実施例3に係る10,000倍、(b)は参考例2に係る10,000倍、(c)は実施例3に係る25,000倍、(d)は参考例2に係る25,000倍である。
図4の(a)及び(c)に示すように、実施例3の陰極体では、黒鉛が拡面層の凹凸面に沿って変形して敷き詰められ、カーボン層と拡面層が凹凸面において密着していることがわかる。また、実施例3の陰極体では、黒鉛が押圧蓋となって拡面層の細孔にカーボンブラックを押し込んでおり、カーボン層と拡面層が細孔においても密着していることがわかる。このように、実施例3の陰極体では、拡面層にカーボン層が食い込んでいることがわかる。
一方、参考例2の陰極体では、黒鉛が拡面層の凹凸面に沿って変形しておらず、カーボン層と凹凸面との間の所々に空隙が生まれている。更に、参考例2の陰極体では、拡面層の細孔に入り込んでいるカーボンブラックが相対的に少なく、細孔内の空隙が多く発生している。
この結果、陰極箔にスラリーを均一に塗布して乾燥させた後、所定の圧力でプレスをかければ、黒鉛が拡面層の凹凸面に沿って容易に変形して敷き詰められ、カーボン層と拡面層が凹凸面において密着し易く、界面抵抗値を下げ易いことが確認された。また、プレスにより、黒鉛が押圧蓋となって拡面層の細孔にカーボンブラックを容易に押し込み、カーボン層と拡面層が細孔においても密着し易く、界面抵抗値を下げ易いことが確認された。
(実施例15及び16)
BET比表面積が39m/gのアセチレンブラックを用いた実施例7の電解コンデンサと比べて、BET比表面積が133m/gのアセチレンブラックを用いた実施例15の電解コンデンサを作製した。その他の条件は実施例7の電解コンデンサと同一である。また、BET比表面積が800m/gのケッチェンブラックを用いた実施例13の電解コンデンサと比べて、BET比表面積が377m/gのケッチェンブラックを用いた実施例16の電解コンデンサを作製した。その他の条件は実施例13の電解コンデンサと同一である。
これら実施例15及び16の電解コンデンサに関しても、初期静電容量および高温環境負荷後の静電容量について各周波数領域の組み合わせで製品試験を行った。その結果を表2に示す。表2には、参考的に実施例7及び13の電解コンデンサの製品試験の結果も示す。
(表2)
Figure 0007363794000002
表2に示すように、BET比表面積が200m/g以下の球状炭素を含むカーボン層が形成された陰極体を用いた実施例7及び15の電解コンデンサは、BET比表面積が200m/g超である実施例13及び16の電解コンデンサと比べて、120Hz及び10kHzの両方において高温環境負荷後静電容量の変化率(ΔCap)が良好であることが確認された。即ち、アセチレンブラックのみならず、BET比表面積が200m/g以下の球状炭素を含むカーボン層が形成された陰極体を用いることで、初期静電容量のみならず、高温環境負荷後においても、幅広い周波数領域において安定的に静電容量を発現することが確認された。
(炭素材定着性試験)
黒鉛の粒子径が10、6、4及び1μmの実施例1、2、3及び7の電解コンデンサの炭素材定着性試験を行った。各電解コンデンサをコンデンサ素子の段階で分解し、セパレータの陰極体側の面に粘着テープ(3M製スコッチテープ:型番144JP 32-978)を一度貼り付けて剥離し、粘着テープへの付着物を観察した。その結果を図1に示す。図1は、実施例1、2、3及び7に係る剥離後の粘着テープを撮影した写真である。
一般的には黒鉛の粒径が小さいほど、カーボン層から黒鉛が離脱し易いと推測されるのだが、図1に示すように、黒鉛の粒径が小さくなるほど、カーボン層から離脱した黒鉛の量が少なくなっていることが確認できる。特に、黒鉛の平均粒径が6μm以下の実施例2、3及び7は、同10μmの実施例1と比べて粘着テープへの付着量が少なくなっている。このため、黒鉛の平均粒径を6μm以下とすると、カーボン層内に炭素材を留め置くバインダーの量を少なくでき、陰極体の抵抗を下げ、また電解コンデンサのESRを下げられることが確認された。

Claims (12)

  1. 電解コンデンサの陰極に用いられる電極体であって、
    弁作用金属により成る陰極箔と、
    前記陰極箔に形成されたカーボン層と、
    を備え、
    前記カーボン層は、黒鉛と球状炭素とを含み、
    前記球状炭素は、BET比表面積が200m /g以下のカーボンブラックであること、
    を特徴とする電極体。
  2. 電解コンデンサの陰極に用いられる電極体であって、
    弁作用金属により成る陰極箔と、
    前記陰極箔に形成されたカーボン層と、
    を備え、
    前記陰極箔は、拡面層が形成され、
    前記カーボン層は、前記拡面層上に形成され、黒鉛と球状炭素とを含み、
    前記拡面層と前記カーボン層とは圧接していること、
    を特徴とする電極体。
  3. 前記黒鉛は、粒度分布における平均粒径が6μm以上10μm以下であること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の電極体。
  4. 前記黒鉛は、粒度分布における平均粒径が6μm以下であること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の電極体。
  5. 前記黒鉛と前記球状炭素の混合比は、90:10から25:75であること、
    を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電極体。
  6. 前記陰極箔は、拡面層が形成され、
    前記カーボン層は、前記拡面層上に形成されていること、
    を特徴とする請求項記載の電極体。
  7. 前記拡面層と前記カーボン層とは圧接していること、
    を特徴とする請求項記載の電極体。
  8. 前記拡面層は、凹凸面と当該凹凸面から前記陰極箔の深部に向けて形成される細孔とから形成され、
    前記球状炭素は、細孔に入り込み、
    前記黒鉛は、前記球状炭素が入り込んだ前記細孔を覆っていること、
    を特徴とする請求項2、6又は7記載の電極体。
  9. 前記球状炭素は、前記カーボン層の圧接により前記細孔に入り込んでいること、
    を特徴とする請求項記載の電極体。
  10. 前記黒鉛は、前記拡面層の前記凹凸面に沿うように変形していること、
    を特徴とする請求項8又は9記載の電極体。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載の電極体を陰極に備えること、
    を特徴とする電解コンデンサ。
  12. 電解コンデンサの陰極に用いられる電極体の製造方法であって、
    弁作用金属により成る陰極箔に、黒鉛と球状炭素を含むスラリーを塗布及び乾燥後、圧接することで、前記黒鉛と前記球状炭素とを含むカーボン層を形成すること、
    を特徴とする電極体の製造方法。
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