JP7358980B2 - 樹脂成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態における樹脂成形体は、樹脂相中に分散している繊維を有する。
樹脂相は、樹脂を含有しており、例えば、当該樹脂を含有する樹脂組成物による連続相である。樹脂は、樹脂成形体の成形時に流動する樹脂から適宜に選ぶことができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよい。また、樹脂は、一種でもよいし、それ以上でもよい。
本実施形態の樹脂組成物が含有する繊維は、樹脂組成物中において当該樹脂組成物の強度を高める性質を有する繊維から適宜に選ぶことができる。繊維は、一種でもそれ以上でもよい。
本実施形態の樹脂成形体は、本実施形態の効果が得られる範囲において、樹脂および繊維以外の他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分は、一種でもそれ以上でもよい。当該他の成分の例には、充填剤、重合開始剤および滑剤が含まれる。
本実施形態の樹脂成形体は、本体部と、当該本体部の表面から起立する壁部と、を備える。
本実施形態の樹脂成形体において、繊維の配向テンソルの第一主方向の値は0.3以上、0.7以下である。
本実施形態における樹脂成形体は、以下に説明する方法によって好適に製造することができる。本実施形態の樹脂成形体の製造方法は、基材シートを下型に敷設する第一の工程と、基材シートを型内で押圧して成形する第二の工程と、を含む。
第一の工程は、繊維と繊維を被覆する樹脂とによって構成されている基材シートを、壁部に対応する凹部を有する型の下型に、型の内部空間の高さに応じて敷く工程である。基材シートは、FRP成型体の製造において材料として通常使用されるシートを用いることができる。基材シートにおける樹脂は、当該樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、未硬化の樹脂である。
第二の工程は、基材シートが敷設された下型に上型を設置して基材シートを押圧する工程である。当該押圧によって、基材シート中の樹脂および繊維が型の内部空間の隙間を埋める。その結果、基材シートは、型の内部空間の形状に成形される。
本実施形態における樹脂成形体の製造方法は、本実施形態の効果が得られる範囲において、前述した第一の工程および第二の工程以外の他の工程をさらに含んでいなくてもよい。当該他の工程の例には、予熱工程、加熱工程および冷却工程が含まれる。
以下、本発明の一実施形態について、上述した基材シートからの成形を計算したコンピュータシミュレーションに基づき説明する。
コンピュータシミュレーションでは、図2に示される樹脂成形体について計算した。図2本発明の一実施形態に係る樹脂成形体の一例の構造を模式的に示す図である。図2に示されるように、樹脂成形体20は、本体部21および壁部22を有する。
<成形条件>
圧縮速度[mm/sec]、圧縮時間[sec]、型締力[ton]
<基本物性値>
固化温度[℃]、No-Flow温度[℃]、ゲル化反応率、硬化反応熱[J/kg]、高温時と低温時の密度[kg/m3]・比熱[J/kg/℃]・熱伝導率[W/m/℃]、粘度[Pa・sec]のせん断速度[/sec]依存性、硬化反応率曲線(硬化反応率-時間[sec])、硬化反応前・後におけるPVT曲線(各圧力における比容積の温度変化)
<強化繊維の物性値>
繊維含有率[wt%]、密度[kg/m3]、ヤング率[kgf/mm2]、ポアソン比、線膨張係数[/℃]、アスペクト比
図3は、本発明の一実施形態に係る樹脂成形体である例1の製造の一例についてコンピュータシミュレーションにより求めた充填率の分布を示す図である。図3に示されるシミュレーション結果では、色が濃いほど充填率は高い。
図6は、本発明の比較の形態に係る樹脂成形体である例2の製造の一例についてコンピュータシミュレーションにより求めた充填率の分布を示す図である。図6に示されるように、例2では、一端から他端にかけて基材シートを最大で五層重ねていることが伺える。例2において、充填率は、本体部の長手方向における一端側では十分に高いが、他端側に向けて漸次低くなっており、他端側で最も低い。例2における充填率の最低値は、他端部で48%である。
<配向テンソルと曲げ強度>
図9は、樹脂成形体における繊維の配向テンソルと曲げ強度との関係を示す図である。前述のコンピュータシミュレーションにより求めた配向テンソルの第一主方向の値が0.2以下、0.3~0.7および0.8以上に対応する樹脂成形体の板をそれぞれ作製した。作製した板のそれぞれから幅10mmの試験片を切り出し、支点間45mm、試験速度2mm/minの試験条件で三点曲げ試験を行った。圧子の半径は5mmであり、支点の半径は2mmである。三点曲げ試験の試験結果から、下記式(1)より各試験片の曲げ強度を算出した。
σ=3FL/2bh2 (1)
前述したコンピュータシミュレーションにおいて、例1における図中のY方向およびZ方向のそれぞれにおける配向テンソルの値を求めた。そして、図9に示される相関関係から、例1におけるY方向の曲げ強度Sy1と、例1におけるZ方向の曲げ強度Sz1とを求めた。そして、Sy1に対するSz1の比(Sz1/Sy1)を求めたところ、当該比は0.72であった。
本発明の実施形態に係る樹脂成形体(20)は、樹脂相中に分散している繊維を有する樹脂成形体であって、本体部(21)と、本体部の表面から起立する壁部(22)とを備え、繊維の配向テンソルの第一主方向の値が0.3以上、0.7以下である。この構成では、樹脂成形体中において繊維は、互いに直交する三方向のいずれに対してもある程度の割合で存在する。したがって、繊維は、当該三方向のいずれに対しても、樹脂成形体の強度を実質的に向上させる。よって、繊維の配合による所期の強度を発現する樹脂成形体を実現することができる。
11 下型
12 上型
15 基材シート
20 樹脂成形体
21 本体部
22 壁部
Claims (11)
- 樹脂相中に分散している繊維を有する樹脂成形体であって、
本体部と、
前記本体部の表面から起立する壁部と、
前記樹脂成形体の厚さ方向において対向する第一の面および第二の面において、前記第一の面に対して前記第二の面が傾斜している傾斜部と、
を備え、
前記繊維の配向テンソルの第一主方向の値が0.35以上、0.7以下であり、
前記壁部は長手方向を有している、樹脂成形体。 - 前記壁部は、前記表面から起立するリブである、請求項1に記載の樹脂成形体。
- 前記繊維の含有量は、30質量%以上である、請求項1又は2に記載の樹脂成形体。
- 前記繊維は、不連続繊維である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
- 前記繊維の繊維長は、1mm以上、100mm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
- 前記繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維および炭素繊維からなる群から選択される一種以上の繊維である、請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
- 前記樹脂相の樹脂は、熱硬化性樹脂である、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂成形体の製造方法であって、
前記繊維と前記繊維を被覆する樹脂とによって構成されている基材シートを、前記壁部に対応する凹部を有する型の下型に、前記型の内部空間の高さに応じて敷設する工程と、
前記基材シートが敷設された前記下型に上型を設置して前記基材シートを押圧する工程と、を含み、
前記内部空間の高さ方向において、前記下型に敷設されている前記基材シートに前記上型が接触したときの、前記上型の内表面と前記下型の内表面との距離に対する、前記上型の内表面から敷設されている前記基材シートの上面までの距離の比は、0.4以下である、
樹脂成形体の製造方法。 - 前記押圧する工程において、前記内部空間での前記壁部の長手方向の前記樹脂の流動速度における絶対値の平均値は、5mm/秒以下である、請求項8に記載の樹脂成形体の製造方法。
- 前記敷設する工程において、前記基材シートを前記凹部の開口に架け渡されるように配置する、請求項8または9に記載の樹脂成形体の製造方法。
- 前記比は0.1以上である、請求項8~10のいずれか一項に記載の樹脂成形体の製造方法。
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