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JP7357303B2 - 光導波路クラッド用組成物、光導波路クラッド用ドライフィルム及び光導波路 - Google Patents

光導波路クラッド用組成物、光導波路クラッド用ドライフィルム及び光導波路 Download PDF

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JP7357303B2 JP2021502063A JP2021502063A JP7357303B2 JP 7357303 B2 JP7357303 B2 JP 7357303B2 JP 2021502063 A JP2021502063 A JP 2021502063A JP 2021502063 A JP2021502063 A JP 2021502063A JP 7357303 B2 JP7357303 B2 JP 7357303B2
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Description

本発明は、光導波路クラッド用組成物、光導波路クラッド用ドライフィルム及び光導波路に関する。
中距離通信や長距離通信の分野、具体的には、FTTH(Fiber To The Home)や車載用の分野等では、高速伝送が求められており、これを実現するために、伝送媒体として光ファイバケーブルが用いられてきた。短距離通信、例えば、1m以内の通信においても、高速伝送が求められるようになってきている。このような短距離通信の分野では、光ファイバケーブルでは実現困難な性能も求められる。この求められる性能としては、具体的には、狭ピッチ、分岐、交差、及び多層化等の高密度配線、表面実装性、電気配線基板との一体化が可能であること、及び曲率半径の小さな曲げが可能であること等が挙げられる。これらの要求を満たすもとのとして、光導波路を備えた光配線板を用いることが考えられる。
このような光配線板には、光導波路から入出力された光を利用するために、垂直共振器面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)等の発光素子やフォトダイオード(Photo Diode:PD)等の受光素子等の光電変換素子、及び集積回路(IC)等の半導体素子等が実装されていることが好ましい。これらの素子を駆動させるためには、光配線板上等に、電気配線が設けられている必要がある。このことから、基板に、光導波路だけではなく、電気配線も設けられた光電気複合配線板であることが好ましい。
光導波路としては、例えば、樹脂材料からなる光導波路、すなわち、ポリマー光導波路等が挙げられる。光電気複合配線板に備えられる光導波路としては、電気回路が備えられた配線板との適合性からも、ポリマー光導波路が好ましく用いられる。
このような光導波路の材料としては、特許文献1に記載のエポキシ樹脂組成物が挙げられる。
特許文献1には、所定の構造を有する液状エポキシ樹脂、固形樹脂、及び光酸発生剤を含有する光導波路形成用エポキシ樹脂組成物が記載されている。特許文献1によれば、この光導波路形成用エポキシ樹脂組成物を用いて、例えば、光導波路のクラッド又はコアを形成すると、高Tg、高い柔軟性及びパターニング性を奏することが開示されている。
光配線板としては、シリコン上に受発光素子を一体化するシリコンフォトニクスに代表されるように、近距離化や高密度化等がより求められるようになってきている。この要求を満たすために、光導波路のシングルモード化による微細配線化も求められている。これらのこと等から、光導波路の微細配線化がより求められるようになってきている。
従来の光導波路の材料、例えば、特許文献1に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて、光導波路を形成した場合、コア周辺のクラッドにおいて応力が集中する箇所にクラックが発生することがあった。さらに、上記のような微細配線化等がなされた場合には、クラッドにおけるクラックがより発生しやすくなった。
特開2013-186462号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができる光導波路クラッド用組成物及び光導波路クラッド用ドライフィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、引裂強度が高く、耐クラック性に優れたクラッドを備える光導波路を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、ビスフェノール型エポキシ化合物(A)と、下記式(1)で示される構造及び下記式(2)で示される構造のうちの少なくとも一方を分子中に含み、分子量が350以上であるエポキシ化合物(B)とを含有する光導波路クラッド用組成物である。
Figure 0007357303000001
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示し、mは、2~15を示す。
Figure 0007357303000002
式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示し、nは、2~15を示す。
図1は、本発明の実施形態に係る光導波路クラッド用ドライフィルムの構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る光導波路を備えた光電気複合配線板の製造方法を説明するための図面である。
本発明者等は、種々検討した結果、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができる光導波路クラッド用組成物を提供するといった上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。具体的には、光導波路クラッド製造用組成物には、後述するような、分子中に柔軟性を有する構造を含むエポキシ化合物が含有されることにより、その硬化物が引き裂けにくくなって、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができることを本発明者等は見出した。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[光導波路クラッド用組成物]
本発明の実施形態に係る光導波路クラッド用組成物は、ビスフェノール型エポキシ化合物(A)と、下記式(1)で示される構造及び下記式(2)で示される構造のうちの少なくとも一方を分子中に含み、分子量が350以上であるエポキシ化合物(B)とを含有する光導波路クラッド用組成物である。
Figure 0007357303000003
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示し、mは、2~15を示す。
Figure 0007357303000004
式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示し、nは、2~15を示す。
前記光導波路クラッド用組成物は、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができる。このことは、前記式(1)で示される構造及び前記式(2)で示される構造が、いずれも柔軟性を有する構造であることによると考えられる。前記式(1)で示される構造及び前記式(2)で示される構造は、いずれも伸縮可能な構造と考えられ、これらの構造を分子内に有するエポキシ化合物(B)を含有する前記光導波路クラッド用組成物の硬化物は、応力を受けた場合に、その伸縮可能な構造によって応力を吸収することができるために、引裂強度が向上すると考えられる。このことから、前記光導波路クラッド用組成物の硬化物からなるクラッドは、引裂強度が高いことにより、クラッドにおいて応力が集中する部分での、クラックの発生も充分に抑制されると考えられる。よって、前記光導波路クラッド用組成物は、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができる光導波路クラッド用組成物であると考えられる。
前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)としては、ビスフェノール型エポキシ化合物であれば、特に限定されず、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールE、及びビスフェノールS等のビスフェノールを用いて製造されるエポキシ化合物等が挙げられる。すなわち、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型化合物、ビスフェノールB型エポキシ化合物、ビスフェノールE型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールFノボラック型化合物、ビスフェノールBノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールEノボラック型エポキシ化合物、及びビスフェノールSノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)としては、液状のもの(例えば、液状ビスフェノールA型エポキシ化合物等)であってもよいし、固形のもの(例えば、固形ビスフェノールA型エポキシ化合物等)であってもよい。また、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)としては、水添加されたものであってもよい。前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)としては、前記各エポキシ化合物の重合体であるエポキシ樹脂も含まれる。
固形ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、三菱化学株式会社製の、1001、1002、1003,1055、1004、1004AF、1003F、1004F、1005F、1004FS、1006FS、及び1007FS等が挙げられる。
液状ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、三菱化学株式会社製の825、827、828、及びDIC株式会社製の840、850、850S等が挙げられる。
固形水添ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、三菱化学株式会社製の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるYX8000、YX8034、YX8040、YL7170、及び新日鉄住金化学株式会社製のST-3000、ST-4000D等が挙げられる。
液状水添ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、三菱化学株式会社製のYX8000等が挙げられる。
液状ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、例えば、DIC株式会社製の830S等が挙げられる。
固体ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、例えば、三菱化学株式会社製の4007等が挙げられる。
前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)は、上記例示のビスフェノール型エポキシ化合物(A)を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)の含有量は、前記光導波路クラッド用組成物に含まれる全エポキシ化合物(前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)と前記エポキシ化合物(B)と後述の他のエポキシ化合物とを含む全エポキシ化合物)100質量部に対して、50質量部以上90質量部以下であることが好ましく、65質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)が少なすぎると、前記エポキシ化合物(B)の含有量が相対的に多くなり、材料全体の架橋密度が低くなり、ガラス転移温度(Tg)が低くなる傾向がある。また、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)が多すぎると、前記エポキシ化合物(B)の含有量が相対的に少なくなり、前記エポキシ化合物(B)を含有させる効果、すなわち、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができるという効果を充分に奏することができない傾向がある。
前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)は、分子量が1000以上5000以下の範囲であることが好ましい。前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)の分子量が大きすぎると、硬化後の樹脂組成物のTg(ガラス転移温度)が低くなりすぎる傾向にあり、現像性の観点からもこの程度が好ましい。
前記エポキシ化合物(B)は、前記式(1)で示される構造及び前記式(2)で示される構造のうちの少なくとも一方を分子中に含み、分子量が350以上であれば、特に限定されない。前記エポキシ化合物(B)としては、前記各エポキシ化合物の重合体であるエポキシ樹脂も含まれる。
前記エポキシ化合物(B)は、分子量が350以上であり、350~2400であることが好ましく、600~2400であることがより好ましく、700~2000であることがさらに好ましい。前記エポキシ化合物(B)の分子量が低すぎると、材料全体の架橋密度が高くなり、柔軟性が損なわれる傾向がある。また、前記エポキシ化合物(B)は、分子量が高いほうが好ましいが、高すぎると、材料全体の架橋密度が低くなるため、ガラス転移温度(Tg)が低くなりすぎる傾向があるため、2400以下であることが好ましい。よって、前記エポキシ化合物(B)の分子量は、上記範囲内であることによって、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができる光導波路クラッド用組成物が得られる。ここで分子量は、前記エポキシ化合物(B)がエポキシ樹脂である場合、例えば、重量平均分子量を指す。なお、ここで、重量平均分子量は、具体的には、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)等を用いて測定することができる。
前記式(1)におけるmは、前記式(1)で示される構造の繰り返し数(重合度)を示し、2~15であって、前記エポキシ化合物(B)の分子量が350以上となる値である。また、前記mは、上述したように、2~15であり、3~13であることが好ましく、4~10であることがより好ましい。また、前記式(2)におけるnは、前記式(1)で示される構造の繰り返し数(重合度)を示し、2~15であって、前記エポキシ化合物(B)の分子量が350以上となる値である。また、前記nは、上述したように、2~15であり、3~13であることが好ましく、4~10であることがより好ましい。また、前記エポキシ化合物(B)が前記式(1)で示される構造及び前記式(2)で示される構造をともに分子中に含む場合、mとnとの合計値が、2~15であることが好ましく、3~13であることがより好ましく、4~10であることがさらに好ましい。m、n、及びmとnとの合計値が小さすぎると、前記平均分子量が低すぎる傾向になり、この場合、材料全体の架橋密度が高くなり、柔軟性が損なわれる傾向がある。また、m、n、及びmとnとの合計値が大きすぎると、前記平均分子量が高すぎる傾向になり、この場合、材料全体の架橋密度が低くなるため、ガラス転移温度(Tg)が低くなりすぎる傾向がある。
前記式(1)におけるR及びR及び前記式(2)におけるR及びRで示されるアルキル基は、特に限定されない。前記アルキル基は、炭素数が1~5であるアルキル基が好ましく、炭素数が1~3であるアルキル基がより好ましい。前記アルキル基としては、より具体的には、メチル基、エチル基、及びプロピル基等が挙げられる。また、前記式(1)におけるR及びR及び前記式(2)におけるR及びRは、前記アルキル基又は水素原子であり、この中でも、水素原子が好ましい。
前記エポキシ化合物(B)は、エポキシ当量が200~1200g/eqであることが好ましく、300~1100g/eqであることがより好ましい。エポキシ当量が小さすぎても、大きすぎても、光導波路のクラッドを形成しにくくなる傾向がある。具体的には、エポキシ当量が小さすぎると、ドライフィルムを形成しにくくなる傾向がある。また、エポキシ当量が大きすぎると、現像性に劣り、光導波路のクラッドを形成する際の現像を好適に行いにくくなる傾向がある。これらのことから、前記エポキシ化合物(B)のエポキシ当量が上記範囲内であると、光導波路のクラッドを好適に形成することができる。なお、エポキシ当量は、エポキシ基1個あたりの分子量であり、分子量を分子中のエポキシ基の数で除した値に近似される。
前記エポキシ化合物(B)は、上述したように、前記式(1)で示される構造及び前記式(2)で示される構造のうちの少なくとも一方を分子中に含んでいればよく、前記式(1)で示される構造及び前記式(2)で示される構造より剛直な剛直構造を分子中にさらに含むことが好ましい。前記剛直構造は、前記式(1)で示される構造及び前記式(2)で示される構造より剛直な構造であれば、特に限定されないが、例えば、2つのベンゼン環が1つの炭素原子を介して結合した構造等が挙げられる。前記剛直構造としては、例えば、2つのベンゼン環が、メチレン基、メチルメチレン基、及びジメチルメチレン基等を介して結合した構造等が挙げられる。
前記エポキシ化合物(B)としては、例えば、下記式(3)~(8)で示すエポキシ化合物等が挙げられる。
Figure 0007357303000005
式(3)中、pは、1~10を示す。
Figure 0007357303000006
式(4)中、pは、1~15を示し、qは、1~5を示す。
Figure 0007357303000007
式(5)中、pは、1~5を示す。
Figure 0007357303000008
式(6)中、pは、1~15を示す。
Figure 0007357303000009
Figure 0007357303000010
式(8)中、pは、5~10を示す。
前記エポキシ化合物(B)は、上記例示のエポキシ化合物(B)を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記エポキシ化合物(B)の含有量は、前記光導波路クラッド用組成物に含まれる全エポキシ化合物(前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)と前記エポキシ化合物(B)と後述の他のエポキシ化合物とを含む全エポキシ化合物)100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下であることが好ましく、8質量部以上23質量部以下であることがより好ましい。前記エポキシ化合物(B)が少なすぎると、前記エポキシ化合物(B)を含有させる効果、すなわち、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができるという効果を充分に奏することができない傾向がある。また、前記エポキシ化合物(B)が多すぎると、材料全体の架橋密度が低くなり、ガラス転移温度(Tg)が低くなる傾向がある。
前記光導波路クラッド用組成物は、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)及び前記エポキシ化合物(B)を含んでいれば、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)及び前記エポキシ化合物(B)以外の成分(他の成分)を含んでいてもよい。前記他の成分としては、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)及び前記エポキシ化合物(B)以外のエポキシ化合物(他のエポキシ化合物)、及び硬化剤等が挙げられる。
前記他のエポキシ化合物としては、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)及び前記エポキシ化合物(B)以外のエポキシ化合物(ビスフェノール型エポキシ化合物ではなく、かつ、前記式(1)で示される構造及び前記式(2)で示される構造のいずれも分子中に含まないエポキシ化合物や、ビスフェノール型エポキシ化合物ではなく、かつ、分子量が350未満のエポキシ化合物)であれば、特に限定されない。前記他のエポキシ化合物としては、例えば、液状かつ脂肪族のエポキシ化合物(液状脂肪族エポキシ化合物)、エポキシ基を分子中に3つ以上有し、かつ、芳香族のエポキシ化合物(多官能芳香族エポキシ化合物)、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、固形脂環式エポキシ化合物、及びエポキシ基を分子中に2つ以上有する固形脂肪族エポキシ化合物等が挙げられる。
前記液状脂肪族エポキシ化合物としては、具体的には、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート及びトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートとしては、例えば、株式会社ダイセル製のセロキサイド2021P等が挙げられる。また、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルとしては、例えば、新日鉄住金化学株式会社製のYH-300及びナガセケムテックス株式会社製のEX-321L等が挙げられる。
前記多官能芳香族エポキシ化合物としては、具体的には、2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-([2,3-エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン等が挙げられる。また、この化合物としては、例えば、株式会社プリンテック製のVG3101等が挙げられる。
前記フェノールノボラック型エポキシ化合物としては、例えば、DIC株式会社製のN-740、N-770、N-775、日本化薬株式会社製のEPPN-501H、EPPN-502H、EPPN-201、BREN-S等が挙げられる。
前記クレゾールノボラック型エポキシ化合物としては、例えば、日本化薬株式会社製のEOCN-4600が挙げられる。
前記固形脂環式エポキシ化合物は、エポキシ基を分子中に3つ以上有し、例えば、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。この化合物としては、例えば、株式会社ダイセル製のEHPE3150 等が挙げられる。
前記固形脂肪族エポキシ化合物は、エポキシ基を分子中に2つ以上有し、固形で、かつ、脂肪族のエポキシ化合物等が挙げられる。
前記他のエポキシ化合物は、上記例示化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記他のエポキシ化合物の含有量は、前記光導波路クラッド用組成物に含まれる全エポキシ化合物(前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)と前記エポキシ化合物(B)と前記他のエポキシ化合物とを含む全エポキシ化合物)100質量部に対して、5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、5質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。前記他のエポキシ化合物が少なすぎると、ガラス転移温度(Tg)が低くなったり、または、未硬化フィルムの溶融粘度が低くなり、取り扱い性が損なわれる傾向がある。また、前記他のエポキシ化合物が多すぎると、前記エポキシ化合物の含有量が少なくなりすぎる場合があり、この場合、前記エポキシ化合物を含有させる効果、すなわち、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができるという効果を充分に奏することができない傾向がある。
前記硬化剤は、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)及び前記エポキシ化合物(B)を含む組成物の硬化を促進させることができれば、特に限定されない。また、前記硬化剤としては、例えば、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)及び前記エポキシ化合物(B)を含む組成物の、光による硬化を促進させることができる光硬化剤等が挙げられる。また、前記光硬化剤としては、例えば、光カチオン硬化剤及び光アニオン硬化剤等が挙げられる。
前記光カチオン硬化剤は、前記各エポキシ化合物のエポキシ基を開環重合させるための重合開始剤であり、光によって反応を開始させることができる化合物である。光カチオン硬化剤としては、例えば、サンアプロ株式会社製の、CPI-100P、CPI-101A、CPI-200K、株式会社アデカ製のSP-170、和光純薬工業株式会社製の、B2380、C1390、D2238、D2960、I0591、M1209、N0137、T1608等を用いることができる。
前記光アニオン硬化剤は、前記各エポキシ化合物のエポキシ基を開環重合させるための重合開始剤であり、光によって反応を開始させることができる化合物である。光アニオン硬化剤としては、例えば、和光純薬工業株式会社製の、A2502、N0528、O0396等を用いることができる。
前記硬化剤は、上記例示化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記硬化剤の含有量は、前記光導波路クラッド用組成物に含まれる全エポキシ化合物(前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)と前記エポキシ化合物(B)と前記他のエポキシ化合物とを含む全エポキシ化合物)100質量部に対して、0.1質量部以上3質量部以下であることが好ましく、0.4質量部以上1.5質量部以下であることがより好ましい。前記硬化剤が少なすぎると、光導波路クラッド用組成物が硬化しにくくなる傾向がある。また、前記硬化剤が多すぎると、カチオン又はアニオンが過剰に発生する傾向がある。このため、例えば、光導波路クラッド用組成物が硬化しやすくなりすぎ、光導波路クラッド用組成物の保存性が低下したり、取扱性が低下する傾向がある。
前記光導波路クラッド用組成物は、酸化防止剤を含んでいてもよい。耐熱性を高めるという点では、酸化防止剤を含むことが好ましい。前記酸化防止剤は、特に限定されず、フェノール系の酸化防止剤、ホスファイト系の酸化防止剤、及び硫黄系の酸化防止剤等を用いることができる。フェノール系の酸化防止剤としては、例えば、株式会社アデカ製の、AO-20、AO-30、AO-40、AO-50、AO-60、AO-80、住友化学株式会社製のSUMILIZER GA-80等が挙げられる。ホスファイト系の酸化防止剤としては、例えば、株式会社アデカ製の、PEP-8、PEP-36、HP-10、2112、1178、1500、城北化学工業株式会社の、JP-360、JP-3CP等が挙げられる。硫黄系の酸化防止剤としては、例えば、株式会社アデカ製の、AO-412S、AO-503、住友化学株式会社製のSUMILIZER TP-D等が挙げられる。また、前記酸化防止剤は、上記例示化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記光導波路クラッド用組成物は、その硬化物の引裂強度が、60N/mm以上であることが好ましく、80N/mm以上であることがより好ましい。前記引裂強度は、高いほうが好ましいが、実際には、100N/mm程度が限界である。このため、前記引裂強度は、60~100N/mmであることが好ましく、80~100N/mmであることがより好ましい。前記光導波路クラッド用組成物の硬化物の引裂強度が、上記のように高ければ、前記光導波路クラッド用組成物を用いて製造された光導波路クラッドの耐クラック性が充分に高まる。よって、前記光導波路クラッド用組成物の硬化物の引裂強度が、上記範囲内であれば、引裂強度がより高く、耐クラック性により優れた光導波路クラッドを製造することができる光導波路クラッド用組成物が得られる。なお、引裂強度は、JIS K 7128-3:1998に準拠の方法により測定することができる。
前記光導波路クラッド用組成物は、その硬化物を、-55℃で15分間保持し、その後、125℃まで昇温させ、125℃で15分保持し、-55℃まで冷却する工程を1サイクルとして、前記硬化物にクラックが発生するまでのサイクル数が、1000サイクル以上であることが好ましく、2000サイクル以上であることがより好ましい。前記サイクル数は、多いほうが好ましく、クラックが発生しないことがさらに好ましい。このような光導波路クラッド用組成物であれば、引裂強度がより高く、耐クラック性により優れた光導波路クラッドを製造することができる。
以上のように、本実施形態に係る光導波路クラッド用組成物は、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができる組成物である。
前記光導波路クラッド用組成物は、光導波路クラッドを製造する際に用いるドライフィルムの材料として用いることができる。
本発明の他の一実施形態に係る光導波路クラッド用ドライフィルムは、前記光導波路クラッド用組成物からなる層を備えるものであれば、特に限定されない。具体的には、光導波路クラッド用ドライフィルムは、図1に示すように、光導波路クラッド用組成物層(前記光導波路クラッド用組成物からなる層)1の一方の面上に、フィルム基材2を備え、他方の面上に、保護フィルム3を備えるもの等が挙げられる。また、光導波路クラッド用ドライフィルムは、光導波路クラッド用組成物層を備えていればよく、フィルム基材及び保護フィルムだけではなく、他の層を備えていてもよい。なお、図1は、本実施形態に係る光導波路クラッド用ドライフィルムの構成を示す断面図である。
前記フィルム基材は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、及びポリイミドフィルム等が挙げられる。この中でも、PETフィルムが好ましく用いられる。
また、前記保護フィルムは、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
前記光導波路クラッド用ドライフィルムの製造方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法等が挙げられる。まず、光導波路クラッド用組成物に溶媒等を加えて、ワニス状にし、そのワニスを、フィルム基材上に塗布する。この塗布は、コンマコーター等を用いる塗布等が挙げられる。そして、このワニスを乾燥させることにより、フィルム基材上に、光導波路クラッド用組成物層を形成する。さらに、この光導波路クラッド用組成物層上に、保護フィルムを積層する。その積層方法としては、例えば、熱ラミネート法等が挙げられる。
前記光導波路クラッド用ドライフィルムは、前記光導波路クラッド用組成物からなる層を備えていることから、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができる。なお、本実施形態に係る光導波路クラッド用組成物は、上述のようなドライフィルムにして用いなくてもよく、例えば、ワニス状にして用いてもよい。
本発明の他の一実施形態に係る光導波路は、コアと、前記コアを覆うクラッドとを備え、前記クラッドが、前記光導波路クラッド用組成物の硬化物からなる光導波路である。このような光導波路は、前記光導波路クラッド用組成物の硬化物からなるクラッドを備えることから、引裂強度が高く、耐クラック性に優れたクラッドを備える光導波路である。よって、このような光導波路によれば、クラッドにおけるクラックの発生を充分に抑制できる。
光導波路の製造方法について、図2を用いて説明する。ここでは、光導波路を備えた光電気複合配線板の製造方法について、説明する。なお、図2は、本実施形態に係る光導波路を備えた光電気複合配線板の製造方法を説明するための図面である。
まず、図2(a)に示すように、電気回路9を備える基板5を用意する。次に、図2(b)に示すように、基板5の、電気回路9を設けた面上に、光導波路クラッド用ドライフィルムを用いて、下クラッド層10を形成する。次に、図2(c)に示すように、下クラッド層10上にコア11を形成する。
次に、光導波路クラッド用ドライフィルムを用いて、上クラッド層を形成する。具体的には、図2(d)に示すように、光導波路クラッド用ドライフィルムから保護フィルム3を剥離する。その後、図2(e)に示すように、剥離した光導波路クラッド用ドライフィルムを、光導波路クラッド用組成物層1が、下クラッド層10及びコア11を覆うように、積層する。その後、図2(f)に示すように、光導波路クラッド用ドライフィルムから、フィルム基材2を剥離する。次に、図2(g)に示すように、光導波路クラッド用組成物層1に紫外線を照射し、光導波路クラッド用組成物を硬化させる。そうすることによって、光導波路クラッド用組成物層1が上クラッド層になる。
なお、図2(g)に示すように、マスク12を介して紫外線を照射し、その後、現像することによって、図2(h)に示すように、ビア15を形成することができる。
以上のようにして、本実施形態に係る光導波路クラッド用ドライフィルムを用いて、コア11、及び前記上クラッド層1と前記下クラッド層10とからなるクラッドを備える光導波路を形成することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
はじめに、本実施例において用いた材料を以下にまとめて示す。
[エポキシ化合物]
2021P:下記式(9)で示すエポキシ化合物(株式会社ダイセル製の2021P、分子量280、エポキシ当量137g/eq)
Figure 0007357303000011
2081:上記式(3)で示すエポキシ化合物(株式会社ダイセル製の2081、分子量400、エポキシ当量200g/eq)
EXA4850-150:上記式(4)で示すエポキシ化合物(DIC株式会社製のEXA4850-150、分子量900、エポキシ当量450g/eq)
EXA4850-1000:上記式(4)で示すエポキシ化合物(DIC株式会社製のEXA4850-1000、分子量700、エポキシ当量350g/eq)
EXA4816:上記式(5)で示すエポキシ化合物(DIC株式会社製のEXA4816、分子量810、エポキシ当量403g/eq)
YX7400:上記式(6)で示すエポキシ化合物(三菱ケミカル株式会社製のYX7400、分子量880、エポキシ当量440g/eq)
JER871:上記式(7)で示すエポキシ化合物(三菱ケミカル株式会社製のJER871、分子量670、エポキシ当量421g/eq)
YX7110:上記式(8)で示すエポキシ化合物(三菱ケミカル株式会社製のYX7110、分子量2300、エポキシ当量1124g/eq、固体)
850S:液状ビスフェノールA型エポキシ化合物(DIC株式会社製の850S)
VG3101:3官能の芳香族エポキシ化合物(株式会社プリンテック製のVG3101)
YX8040:固形水添ビスフェノールA型エポキシ化合物(三菱化学株式会社製のYX8040)
1006FS:固形ビスフェノールA型エポキシ化合物(三菱化学株式会社製の1006FS)
[硬化剤]
硬化剤:光カチオン硬化剤(サンアプロ株式会社製のCPI-101A)
[実施例1~7、比較例]
実施例1~7、及び比較例に係る各組成物は、以下のように調製した。
まず、表1に示す組成(質量部)となるように、各材料を、ガラス容器内に秤量し、溶剤として2-ブタノンとトルエンとを加えた。その配合物を80℃の還流下で攪拌した。そうすることで、溶解可能な固形分がすべて溶解させた均一なワニス状の組成物が得られた。得られたワニス状の組成物は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の孔径1μmのメンブレンフィルターでろ過した。そうすることにより、含有している固形状の異物を除去された。以下、このろ過したワニス状の組成物を用いた。
以下、得られた組成物について、以下の評価を行った。
[引裂強度]
得られた組成物の硬化物の引裂強度を、JIS K 7128-3:1998に準拠の方法により測定した。
この結果を、組成とともに、表1に示す。
Figure 0007357303000012
表1からわかるように、前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)、及び前記式(1)で示される構造及び下記式(2)で示される構造のうちの少なくとも一方を分子中に含み、分子量が350以上であるエポキシ化合物(B)(具体的には、前記式(3)~(8)で示すエポキシ化合物のうちのいずれか1種以上)を含有する組成物の場合(実施例1~7)は、上記エポキシ化合物(B)を含有しない組成物(比較例)と比較して、硬化物の引裂強度が高かった。このため、実施例1~7に係る組成物を用いてクラッドを製造すると、クラックの発生を充分に抑制できると考えられる。
次に、実施例1、6、及び比較例に係る組成物を用いて、光導波路を作製した。
具体的には、得られたワニス状の組成物を、株式会社ヒラノテクシード社製のコンマコーターヘッドのマルチコーターを用い、フィルム基材としてのPETフィルム(東洋紡株式会社製のA4100)上に、組成物からなる層が25μmとなるように塗布した後、125℃で乾燥した。そうすることによって、PETフィルム上に、厚み25μmの、組成物からなる層が形成された。この組成物からなる層上に、保護フィルムとして、配向性ポリプロピレンフィルムを熱ラミネートした。そうすることで、クラッド用ドライフィルムが得られた。
両面の銅をエッチオフした基板(パナソニック株式会社製の1515Wを使用)に前記クラッド用ドライフィルムを用い、真空ラミネーターでラミネートした。そして、紫外線を照射し、基材のPETフィルムを剥離した後に140℃で加熱処理することで、アンダークラッド(下クラッド)を形成した。次に、厚さ25μmのコア用ドライフィルムを用い、アンダークラッドの表面に真空ラミネーターでラミネートした。
そして、幅25μm、長さ50mmの直線パターンの開口部が形成された露光用マスクを、ラミネートされたコア用ドライフィルムの表面に重ね、紫外線を照射した。その後、140℃で加熱処理を行い、コア用ドライフィルムの露光部が硬化したものが得られた。
ついで、水系フラックス洗浄剤(荒川化学工業株式会社製のパインアルファST-100SX)を用いて現像処理することによって、コア用ドライフィルムの未硬化部分を除去し、エアブローと乾燥を行い、コアを形成した。
次に、前記クラッド用ドライフィルムを用い、コアの上からこのクラッド用ドライフィルムを真空ラミネーターでラミネートした。そして、紫外線を照射した後に140℃で加熱することで、クラッド用ドライフィルムを硬化させた。
上記のようにして、光導波路が形成された基板を得た。
この得られた光導波路が形成された基板を、-55℃で15分間保持し、その後、125℃まで昇温させ、125℃で15分保持し、-55℃まで冷却する工程を1サイクルとして、繰り返した。
その結果、実施例1に係る組成物を用いて得られた光導波路が形成された基板の場合、1500サイクルでも、2000サイクルでも、クラッドにクラックが発生しなかった。また、実施例6に係る組成物を用いて得られた光導波路が形成された基板の場合、1500サイクルでは、クラッドにクラックが発生したが、1000サイクルでは、クラッドにクラックが発生しなかった。これらに対して、比較例に係る組成物を用いて得られた光導波路が形成された基板の場合、1000サイクルでも、クラッドにクラックが発生した。これらのことから、硬化物の引裂強度の高い実施例に係る組成物を用いた場合は、硬化物の引裂強度の低い比較例に係る組成物を用いた場合と比較して、耐クラック性に優れたクラッドを備える光導波路を製造することができることがわかった。
この出願は、2019年2月21日に出願された日本国特許出願特願2019-029518を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、引裂強度が高く、耐クラック性に優れた光導波路クラッドを製造することができる光導波路クラッド用組成物及び光導波路クラッド用ドライフィルムが提供される。また、本発明によれば、引裂強度が高く、耐クラック性に優れたクラッドを備える光導波路が提供される。

Claims (6)

  1. ビスフェノール型エポキシ化合物(A)と、
    下記式(3)で示すエポキシ化合物と、下記式(4)~(8)で示すエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含み、分子量が350以上であるエポキシ化合物(B)とを含有することを特徴とする光導波路クラッド用組成物。

    [式(3)中、pは、1~10を示す。]

    [式(4)中、pは、1~15を示し、qは、1~5を示す。]

    [式(5)中、pは、1~5を示す。]

    [式(6)中、pは、1~15を示す。]


    [式(8)中、pは、5~10を示す。]
  2. 前記ビスフェノール型エポキシ化合物(A)の含有量は、前記光導波路クラッド用組成物に含まれる全エポキシ化合物100質量部に対して、50質量部以上90質量部以下であり、
    前記エポキシ化合物(B)の含有量は、前記光導波路クラッド用組成物に含まれる全エポキシ化合物100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下である請求項1に記載の光導波路クラッド用組成物。
  3. 前記光導波路クラッド用組成物の硬化物の引裂強度が、60N/mm以上である請求項1又は請求項2に記載の光導波路クラッド用組成物。
  4. 前記光導波路クラッド用組成物の硬化物を、-55℃で15分間保持し、その後、125℃まで昇温させ、125℃で15分保持し、-55℃まで冷却する工程を1サイクルとして、前記硬化物にクラックが発生するまでのサイクル数が、1000サイクル以上である請求項1~のいずれか1項に記載の光導波路クラッド用組成物。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の光導波路クラッド用組成物からなる層を備えることを特徴とする光導波路クラッド用ドライフィルム。
  6. コアと、前記コアを覆うクラッドとを備え、
    前記クラッドが、請求項1~のいずれか1項に記載の光導波路クラッド用組成物の硬化物からなることを特徴とする光導波路。
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