JP7350557B2 - 飲料液配合用の乳原料、容器詰飲料および飲料液における凝集抑制方法 - Google Patents
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Description
〔1〕 酵素が添加された、飲料液配合用の乳原料であって、
前記酵素が、少なくともグルコース分解酵素を含む
ことを特徴とする飲料液配合用の乳原料。
〔2〕 前記酵素が添加される前の乳原料には、グルコースが含まれていることを特徴とする〔1〕に記載の飲料液配合用の乳原料。
〔3〕 前記酵素が添加される前において前記グルコースを0.3~20質量%含有することを特徴とする〔2〕に記載の飲料液配合用の乳原料。
〔4〕 前記酵素が過酸化水素分解酵素を含むことを特徴とする〔1〕~〔3〕に記載の飲料液配合用の乳原料。
〔5〕 前記グルコース分解酵素が、グルコースオキシダーゼであり、
前記過酸化水素分解酵素が、カタラーゼである
ことを特徴とする〔4〕に記載の飲料液配合用の乳原料。
〔6〕 乳糖を1.0~10.0質量%含有することを特徴とする〔1〕~〔5〕に記載の飲料液配合用の乳原料。
〔7〕 前記飲料液が、植物由来物を含有する原料液に配合されることを特徴とする〔1〕~〔6〕に記載の飲料液配合用の乳原料。
〔8〕 前記原料液が、コーヒー抽出液であることを特徴とする〔7〕に記載の飲料液配合用の乳原料。
〔9〕 〔1〕~〔8〕に記載の飲料液配合用の乳原料を配合した容器詰飲料。
〔10〕 植物由来物を含有する原料液に、前記飲料液配合用の乳原料が配合されていることを特徴とする〔9〕に記載の容器詰飲料。
〔11〕 糖類を0.50質量%未満含有することを特徴とする〔9〕または〔10〕に記載の容器詰飲料。
〔12〕 糖類を0.50~9.00質量%含有することを特徴とする〔9〕または〔10〕に記載の容器詰飲料。
〔13〕 前記飲料が、乳含有コーヒー飲料であることを特徴とする〔9〕~〔12〕に記載の容器詰飲料。
〔14〕 前記乳含有コーヒー飲料のカフェイン含有量が、200~1000ppmであることを特徴とする〔13〕に記載の容器詰飲料。
〔15〕 コーヒー固形分に対する乳固形分の質量比が、0.20~3.00であることを特徴とする〔13〕または〔14〕に記載の容器詰飲料。
〔16〕 前記容器が、PETボトルであることを特徴とする〔10〕~〔15〕に記載の容器詰飲料。
〔17〕 少なくともグルコース分解酵素を含む酵素が添加された乳原料を添加することを特徴とする飲料液における凝集抑制方法。
〔飲料液配合用の乳原料〕
本発明の一実施形態に係る飲料液配合用の乳原料は、少なくともグルコース分解酵素を含む酵素が添加されたものである。このように酵素が添加された乳原料を飲料液に配合して得られる飲料は、加熱殺菌による凝集の発生が抑制される。この効果を、以下「凝集抑制効果」という場合がある。
乳原料は、乳成分を含有する。乳成分の種類としては、各種液状乳類(例えば牛乳、やぎ乳、加工乳、脱脂乳、乳飲料、濃縮乳、脱脂濃縮乳)や、粉乳類(例えば全粉乳、脱脂粉乳、調整粉乳)、練乳類(例えば無糖練乳、加糖練乳)、クリーム類、発酵乳(例えば全脂無糖ヨーグルトや脱脂加糖ヨーグルトやドリンクタイプ・ヨーグルト等のヨーグルト、乳酸菌飲料)、チーズ類(例えば各種ナチュラルチーズ、プロセスチーズ)、アイスクリーム類(例えばアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、ソフトクリーム)、シャーベットやこれらを含む組成物などが挙げられる。これらの中でも、乳、全粉乳、脱脂粉乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、生クリーム、または無糖練乳が好ましく、乳の中でも牛乳が特に好ましい。これらの乳成分は、一種を単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
乳原料におけるグルコースの含有量が上記範囲にあることによって、酵素反応が良好に進行し、得られる容器詰飲料において、良好な香味を保持しながら、加熱殺菌による凝集の発生が効果的に抑制される。
なかでも、後述する第1の飲料を製造する場合においては、酵素添加前の乳原料におけるグルコースの含有量は、0.3~5質量%であることが好ましく、特に1.0~2.0質量%であることが好ましい。
一方、後述する第2の飲料を製造する場合は、酵素添加前の乳原料におけるグルコースの含有量は、0.5~20質量%であることが好ましく、特に1.0~7.5質量%であることが好ましく、さらには2.5~5質量%であることが好ましい。
本実施形態に係る飲料液配合用の乳原料は、酵素添加前の乳原料に対して、少なくともグルコース分解酵素を含む酵素が添加されたものである。グルコース分解酵素としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ等が挙げられるが、凝集抑制効果の観点から、グルコースオキシダーゼが好ましい。
また、グルコース分解酵素(特にグルコースオキシダーゼ)の使用量(酵素濃度)は、乳原料に対して、0.0005~0.0500質量%であることが好ましく、特に0.0010~0.0250質量%であることが好ましく、さらには0.0025~0.0100質量%であることが好ましい。さらに、グルコース分解酵素(特にグルコースオキシダーゼ)の使用量を酵素活性で表した場合、乳原料に対して1×10-2~1u/gであることが好ましく、特に2×10-2~5×10-1u/gであることが好ましく、さらには5×10-2~2×10-1u/gであることが好ましい。これらにより、グルコースの分解を良好に行うことができ、かつ、最終的に得られる容器詰飲料において、グルコース分解酵素由来のエグ味を問題ないレベルに抑えやすくすることができる。
また、過酸化水素分解酵素(特にカタラーゼ)の使用量(酵素濃度)は、乳原料に対して、0.0010~0.0250質量%であることが好ましく、特に0.0025~0.0100質量%であることが好ましい。さらに、過酸化水素分解酵素(特にカタラーゼ)の使用量を酵素活性で表した場合、乳原料に対して2×10-1~5u/gであることが好ましく、特に5×10-1~2u/gであることが好ましい。これらにより、過酸化水素の分解を良好に行うことができ、かつ、最終的に得られる容器詰飲料において、過酸化水素分解酵素由来のエグ味を問題ないレベルに抑えることができる。
さらに、グルコース分解酵素と過酸化水素分解酵素とを併用する場合の比率は、グルコース分解酵素1uに対し、過酸化水素分解酵素が2~50uであることが好ましく、特に5~20uであることが好ましく、さらには10~15uであることが好ましい。
本実施形態に係る乳原料を配合する原料液としては、凝集抑制効果が発揮される限り特に限定されないが、植物由来物を含有する原料液であることが好ましい。植物由来物を含有する原料液に対して、本実施形態に係る乳原料を配合した場合に、凝集抑制効果が良好に発揮される。
本発明の一実施形態に係る容器詰飲料は、前述した飲料液配合用の乳原料を、所定の原料液に配合したものである。原料液としては、前述したものが好ましく挙げられる。したがって、本実施形態に係る容器詰飲料は、植物由来物を含有する原料液に、前述した飲料液配合用の乳原料が配合されたものであることが好ましい。
(1)配合比
本実施形態に係る容器詰飲料の飲料において、植物由来物を含有する原料液と、飲料液配合用の乳原料との配合比は、植物由来物固形分と乳固形分との比で示すことができる。本実施形態に係る容器詰飲料の飲料において、植物由来物固形分に対する乳固形分の質量比(乳固形分/植物由来物固形分)は、0.20~3.00であることが好ましく、特に0.25~2.50であることが好ましく、さらには0.30~2.00であることが好ましい。
上記質量比を実現しやすくする観点から、本実施形態に係る容器詰飲料の飲料において、乳固形分は、0.26~6.25質量%とすることができ、さらに0.625~3質量%とすることができ、さらにまた1.25~2.25質量%とすることができる。同様に、本実施形態に係る容器詰飲料の飲料において、植物由来物固形分は、0.55~2.0質量%とすることができ、さらに0.8~1.8質量%とすることができ、さらにまた1.0~1.5質量%とすることができる。
本実施形態に係る容器詰飲料の飲料は、第1に、糖類を0.5質量%未満含有するものであってもよいし、第2に、糖類を0.50~9.00質量%含有するものであってもよい。第1の飲料の場合には、無糖の容器詰飲料として提供することができ、第2の飲料の場合には、有糖(加糖)の容器詰飲料として提供することができる。
また、第2の飲料の場合、糖類の含有量は、0.50~9.00質量%であってよく、また1.00~6.00質量%であってよく、さらには2.00~4.00質量%であってよい。
本実施形態に係る容器詰飲料のpHは、6.0~7.0であることが好ましく、特に6.2~6.8であることが好ましく、さらには6.3~6.7であることが好ましい。なお、本実施形態に係る容器詰飲料のpHは、殺菌後に測定されるものである。本実施形態に係る容器詰飲料は、pHが上記の範囲にあることにより、凝集抑制効果がより優れたものとなる。また、飲料としての風味も良好なものとなる。
本実施形態に係る容器詰飲料のBrix値は、1.00~10.0であることが好ましく、特に1.50~7.50であることが好ましく、さらには2.00~5.00であることが好ましい。本実施形態に係る容器詰飲料は、Brix値が上記の範囲にあることにより、凝集抑制効果がより優れたものとなる。また、飲料としての風味も良好なものとなる。なお、Brix値は、20℃における糖用屈折計示度(°Brix)で表され、汎用の糖用屈折率計等で測定することができる。
本実施形態に係る容器詰飲料の種類としては、例えば、乳含有コーヒー飲料;乳含有紅茶飲料、乳含有ほうじ茶飲料等の乳含有茶飲料;乳含有抹茶飲料;乳含有ココア飲料などが挙げられる。これらの中でも、凝集抑制効果がより顕著に示される乳含有コーヒー飲料が好ましく、特にコーヒー抽出液を使用した乳含有コーヒー飲料が好ましい。
本実施形態に係る容器詰飲料は、本実施形態の効果を阻害しない限り、前述した成分以外の添加剤を含有してもよい。かかる添加剤としては、例えば、安定剤、抗酸化剤、香料、人工甘味料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、保存料、調味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で、または併用して配合することができる。
本実施形態に係る容器詰飲料で使用する容器としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、透明、半透明又は不透明のビンなどが挙げられ、特に限定されない。なお、PETボトルや紙容器等を用いる場合、高速充填が可能な製造工程を採用しやすい一方、かかる製造工程において凝集物の発生が特に問題となりやすい傾向にあるが、本実施形態においては殺菌処理における凝集物の発生が抑制されるため、PETボトルや紙容器等も好適に採用可能である。
本実施形態に係る容器詰飲料を製造するには、前述したように酵素を添加した乳原料を得るとともに、所望の原料液を調製する。次いで、得られた酵素添加後の乳原料と、原料液と、必要に応じて糖類やpH調整剤、その他の添加剤とを混合し、調合液を得る。調合液を得るにあたり、ホモゲナイザー等によって均質化処理しても良い。
加熱殺菌は、食品衛生法に定められた殺菌条件で行う。加熱殺菌の方法としては、UHT殺菌、レトルト殺菌等が挙げられる。UHT殺菌の場合、例えば、130~145℃で6~60秒間行うことが好ましい。レトルト殺菌の場合、例えば、121~130℃で5~40分間行うことが好ましい。充填速度(生産効率)の観点、そして風味劣化が少ないという観点から、UHT殺菌が好ましい。
また、酵素添加で使用した酵素由来のエグ味も、その酵素の添加量から問題ないレベルに抑えられる。
本発明の一実施形態に係る飲料液における凝集抑制方法では、所望の原料液に対し、少なくともグルコース分解酵素を含む酵素が添加された乳原料を配合する。かかる方法によれば、加熱殺菌による凝集の発生が効果的に抑制される。原料液の種類、乳原料、酵素添加、原料液に対する酵素添加された乳原料の配合量等は、前述した通りであることが好ましい。
1.コーヒー抽出液の調製
調合量に対して、コーヒー豆3.85%を粉砕し、88℃の温水にてドリップ抽出を行った。抽出液量は粉砕豆に対して、抽出効率26%になるよう回収した。
牛乳(明治社製)(乳固形分:12.3質量%,乳糖:4.8質量%)10質量部および生クリーム(明治社製,乳固形分:50質量%,乳糖:3.1質量%)0.155質量部に、乳原料のグルコース濃度が表1に示される値となるように添加し、これを酵素添加前の乳原料とした。当該乳原料を10℃に調整し、グルコースオキシダーゼ#1(新日本化学工業社製,「スミチームPGO」,力価:2,000u/g,(夾雑物として)カラターゼ:500u/g以下)を、100ppmの濃度となるよう添加し、5分間撹拌した。これにより、酵素が添加された乳原料を得た。
上記で得られたコーヒー抽出液と、酵素添加された乳原料とを、乳固形分1.23質量%、コーヒー固形分1.0質量%となるように混合した。この混合液に、pH調整剤として重曹を0.08質量%添加するとともに、得られる飲料におけるpHが表1~3に示される値となるように炭酸カリウムを添加し、ホモゲナイザーによって均質化処理した。このようにして、乳含有コーヒー飲料を得た。
得られた乳含有コーヒー飲料に対して、138.5℃で45秒のUHT殺菌を行い、PETボトルに充填して、容器詰飲料を得た。この容器詰飲料の糖類の量(質量%)を、示差屈折計を検出器とした高速液体クロマトグラフィーによって測定した。また、コーヒー固形分に対する乳固形分の質量比(乳固形分/植物由来物固形分)を算出した。それぞれの結果を表1~3に示す。
酵素の種類および使用量、乳原料の組成、コーヒー抽出液の組成、コーヒー抽出液と酵素添加された乳原料との配合比(乳固形分/コーヒー固形分)、ならびに容器詰飲料のpHを表1~3に示すように変更する以外、実施例1と同様にして容器詰飲料を製造した。なお、比較例1は、酵素を添加しなかった例であり、比較例2は、酵素としてカタラーゼのみを添加した例であり、参考例1は、乳原料を使用せず、コーヒー抽出液のみを使用した例である。
実施例10、19および20で調製・使用した乳含有コーヒー飲料液について、下記方法によってクロロゲン酸類の含有量の定量分析を行った。
測定対象試料を、蒸留水にて適量希釈し、メンブレンフィルターにて濾過後、分析に供した。結果を表4に示す。
=装置構成=
・UV検出器:2487 デュアル λ UV/VIS 検出器(日本ウォーターズ(株))
・HPLC:アライアンス2695 セパレーションモジュール(日本ウォーターズ(株))
・カラム:Cadenza CD-C18 内径4.6mm×長さ100mm、粒子径3μm(インタクト(株))
=分析条件=
・サンプル注入量:10μL
・流量:0.8mL/min
・検出波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:40℃
・溶離液A:0.05M酢酸/蒸留水
・溶離液B:0.05M酢酸/100% アセトニトリル
=濃度勾配条件=
・93%Aから60%Bへのグラジェント法
=定量方法=
・モノカフェオイルキナ酸、フェルラキナ酸、ジカフェオイルキナ酸の合計9種のクロロゲン酸類の面積値から5-モノカフェオイルキナ酸を標準物質として濃度(ppm)を算出した。結果を表4に示す。
また、「6種合計」は、上記3種に3-フェルロイルキナ酸(3FQA)、4-フェルロイルキナ酸(4FQA)、および5-フェルロイルキナ酸(5FQA)を加えた6種の合計濃度である。
さらに、「9種合計」は、上記6種に3,4-ジカフェオイルキナ酸(3,4diCQA)、3,5-ジカフェオイルキナ酸(3,5diCQA)、および4,5-ジカフェオイルキナ酸(4,5diCQA)を加えた9種の合計濃度である。ただし、3,4diCQA、3,5diCQAおよび4,5diCQAはいずれも検出限界(2ppm)未満であったため、6種合計と9種合計とは同じ値として算出された。
実施例、比較例および参考例で製造した容器詰飲料について、凝集を評価するため、各実施例、比較例および参考例で製造した容器詰飲料の飲料液を200mlの缶容器に移し、さらに140℃で30分間のレトルト殺菌を行った。得られた試料について、濾過精度10μmのフィルター濾過を行い、フィルターに残った残渣の有無を目視により確認し、以下の基準にそって、陽性対照および陰性対照と対比して、凝集の評価を行った。ここで、乳原料を使用せずコーヒー抽出液のみを使用した参考例1の容器詰飲料を凝集評価の陽性対照とし、酵素を添加しなかった比較例1の容器詰飲料を凝集評価の陰性対照とした。結果を表1~3に示す。
5:凝集が確認されず、非常に良好。(陽性対照と同等)
4:凝集がわずかしかなく、良好。
3:凝集がややあるが、許容範囲。
2:凝集があり、良好でない。
1:凝集が多く確認でき、問題あり。(陰性対照と同等)
実施例、比較例および参考例で製造した容器詰飲料について、酵素由来のエグ味の官能評価試験を行った。当該官能評価試験は、飲料の開発を担当する訓練された5人のパネラーにて行った。以下の基準に沿って、陽性対照および陰性対照と対比して、酵素由来のエグ味を評価した。ここで、酵素を使用しなかった比較例1の容器詰飲料をエグ味評価の陽性対照とし、グルコースオキシダーゼ100ppmを添加した参考例2の容器詰飲料をエグ味評価の陰性対照とした。最も多かったパネラーの評点を表に示す(評点が同数だった場合は、パネラー同士でディスカッションを行い評点を決定した)。
5:酵素由来のエグ味を感じず、非常に良好。(陽性対照と同等)
4:酵素由来のエグ味をわずかしか感じず、良好。
3:酵素由来のエグ味をやや感じるが、許容範囲。
2:酵素由来のエグ味を感じて、良好でない。
1:酵素由来のエグ味が目立ち、問題あり。(陰性対照と同等)
◎:「凝集」及び「エグ味」の評価が両方とも「5」である。
○:「凝集」及び「エグ味」の評価に「1」及び「2」がない。
△:「凝集」及び「エグ味」の評価に「1」がなく、「2」がある。
×:「凝集」又は「エグ味」の評価に「1」がある。
実施例10、15、17、19~22で製造した容器詰飲料について、乳の風味、コーヒーの香味、および甘味の官能評価試験を行った。当該官能評価試験は、飲料の開発を担当する訓練された5人のパネラーにて行った。以下の基準に沿って、対照と比較して、各味の強さを評価した。ここで、比較例1の容器詰飲料の殺菌処理前の飲料液を対照(評点2)とした。最も多かったパネラーの評点の表3に示す(評点が同数だった場合は、パネラー同士でディスカッションを行い評点を決定した)。
3:乳の風味を強く感じる。対照よりも強い。
2:乳の風味を適度に感じる。(対照)
1:乳の風味を弱く感じる。対照よりも弱い。
3:コーヒーの香味を強く感じる。対照よりも強い。
2:コーヒーの香味を適度に感じる。(対照)
1:コーヒーの香味を弱く感じる。対照よりも弱い。
3:甘味を強く感じる。対照よりも強い。
2:甘味を適度に感じる。(対照)
1:甘味を弱く感じる。対照よりも弱い。
◎:すべての評価が「2」であり、乳含有コーヒー飲料として非常に適した香味を有している。
○:「2」の評価が2つあり、乳含有コーヒー飲料として適した香味を有している。
△:「2」の評価が1つであり、乳含有コーヒー飲料としてやや適した香味を有している。
×:「2」の評価がなく、乳含有コーヒー飲料としての香味が十分でない。
Claims (15)
- 酵素が添加された、飲料液配合用の乳原料であって、
前記酵素が、少なくともグルコース分解酵素を含み、
植物由来物を含有する原料液に配合される用途に用いられる
ことを特徴とする飲料液配合用の乳原料。 - 前記酵素が添加される前の乳原料には、グルコースが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の飲料液配合用の乳原料。
- 前記酵素が添加される前において前記グルコースを0.3~20質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の飲料液配合用の乳原料。
- 前記酵素が過酸化水素分解酵素を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料液配合用の乳原料。
- 前記グルコース分解酵素が、グルコースオキシダーゼであり、
前記過酸化水素分解酵素が、カタラーゼである
ことを特徴とする請求項4に記載の飲料液配合用の乳原料。 - 乳糖を1.0~10.0質量%含有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料液配合用の乳原料。
- 前記原料液が、コーヒー抽出液であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の飲料液配合用の乳原料。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の飲料液配合用の乳原料を配合した容器詰飲料であって、
植物由来物を含有する原料液に、前記飲料液配合用の乳原料が配合されていることを特徴とする容器詰飲料。 - 糖類の含有量が0.50質量%未満であることを特徴とする請求項8に記載の容器詰飲料。
- 糖類を0.50~9.00質量%含有することを特徴とする請求項8に記載の容器詰飲料。
- 前記飲料が、乳含有コーヒー飲料であることを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の容器詰飲料。
- 前記乳含有コーヒー飲料のカフェイン含有量が、200~1000ppmであることを特徴とする請求項11に記載の容器詰飲料。
- コーヒー固形分に対する乳固形分の質量比が、0.20~3.00であることを特徴とする請求項11または12に記載の容器詰飲料。
- 前記容器が、PETボトルであることを特徴とする請求項8~13のいずれか一項に記載の容器詰飲料。
- 少なくともグルコース分解酵素を含む酵素が添加された乳原料を、植物由来物を含有する原料液に配合することを特徴とする飲料液における凝集抑制方法。
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