以下に説明する実施形態は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態に限定されることなく、以下の実施形態以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の点灯システム、及び照明器具は、主に、トンネル、道路、グラウンドなどの屋外で用いられる。また、本実施形態の点灯システム、及び照明器具は、オフィス、工場、店舗、戸建住宅、又は集合住宅の住戸などの屋内で用いられることも可能である。
以下に実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(1.1)点灯システムの概略
図1は、第1実施形態の点灯システムとして、照明負荷3を点灯させる点灯システムA1のブロック構成を示す。
照明負荷3は、複数の固体発光素子を有する。例えば、照明負荷3は、複数の固体発光素子に相当する複数のLED(Light Emitting Diode)が直列接続されたLEDアレイを有している。なお、照明負荷3は、固体発光素子としてLEDを有する構成に限らない。照明負荷3は、例えば、有機EL(Organic Electro Luminescence、OEL)、又は半導体レーザダイオード(Laser Diode、LD)などの他の固体発光素子を有していてもよい。また、固体発光素子の数は、複数に限らず、1つであってもよい。複数の固体発光素子の電気的な接続関係は直列接続であるが、この接続関係に限らない。複数の固体発光素子の電気的な接続関係は、並列接続であってもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続関係であってもよい。
点灯システムA1は、電源回路1と、制御回路2と、を主構成として備える。
電源回路1は、外部電源(例えば、商用の電力系統)9から供給される交流の入力電圧Viを、直流の出力電圧Voに変換する。電源回路1は、電源回路1の一対の出力端から出力電圧Voを出力し、一対の出力端に接続された照明負荷3に負荷電流Ioを供給する。照明負荷3は、負荷電流Ioが流れることで点灯する。
制御回路2は、外部の調光装置から出力された調光信号Yd1に基づいて、電源回路1を制御することで、照明負荷3を調光制御する。調光信号Yd1は、照明負荷3の調光レベルの指示値(調光指示値)を通知する信号であり、制御回路2は、照明負荷3の調光レベルが調光指示値に一致するように電源回路1を制御する。
(1.2)電源回路
電源回路1は、整流回路11、昇圧チョッパ回路12、及び降圧チョッパ回路13を有して、外部電源9から供給される交流の入力電圧Viを、直流の出力電圧Voに変換する。
整流回路11は、例えばフルブリッジ接続された複数のダイオードを備えて、入力電圧Viを全波整流し、直流の整流電圧V1を出力する。昇圧チョッパ回路12は、整流電圧V1を昇圧して直流の中間電圧V2を出力する。降圧チョッパ回路13は、中間電圧V2を降圧して直流の出力電圧Voを出力する。出力電圧Voが照明負荷3の両端間に印加されることで、負荷電流Ioが照明負荷3に流れ、照明負荷3は点灯する。
(1.2.1)昇圧チョッパ回路
昇圧チョッパ回路12は、コンデンサC1、インダクタL1、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、検出抵抗R1~R3、及び平滑コンデンサC2を備える。スイッチング素子Q1は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)である。なお、スイッチング素子Q1は、MOSFET以外に、例えばバイポーラトランジスタなどの他の半導体スイッチング素子であってもよい。平滑コンデンサC2は、例えば電解コンデンサである。
コンデンサC1は、整流回路11の出力端間に接続され、コンデンサC1の正極と負極との間には整流電圧V1が印加される。インダクタL1の第1端はコンデンサC1の正極に接続され、インダクタL1の第2端はダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1のカソードは、平滑コンデンサC2の正極に接続されている。平滑コンデンサC2の負極は、コンデンサC1の負極に接続されている。スイッチング素子Q1のドレインは、インダクタL1とダイオードD1との接続点(ダイオードD1のアノード)に接続され、スイッチング素子Q1のソースは、コンデンサC1の負極に接続されている。平滑コンデンサC2の両端間には、検出抵抗R1~R3の直列回路が接続されている。スイッチング素子Q1のゲートは制御回路2に接続されている。制御回路2は、ゲート信号Yg1をゲート電圧としてスイッチング素子Q1のゲート-ソース間に印加し、ゲート電圧を調整することでスイッチング素子Q1をオンオフ駆動する。
そして、スイッチング素子Q1がオンすることで、整流回路11の正側出力端から、インダクタL1、スイッチング素子Q1を通って、整流回路11の負側出力端へ向かう経路に電流が流れる。この電流によって、インダクタL1に磁気エネルギーが蓄積される。次に、スイッチング素子Q1がオフすることで、インダクタL1の磁気エネルギーが放出され、インダクタL1の第2端から、ダイオードD1、平滑コンデンサC2、コンデンサC1を通って、インダクタL1の第1端へ向かう経路に電流が流れる。この電流によって平滑コンデンサC2の両端間に、整流電圧V1を昇圧した中間電圧V2が生成される。中間電圧V2の大きさは、スイッチング素子Q1のデューティ(スイッチング周期に対するオン時間の割合)を可変とすることで調整される。
中間電圧V2は、検出抵抗R1~R3の直列回路によって分圧される。検出抵抗R1~R3の直列回路による分圧電圧は、電圧検出信号Ys1として制御回路2に出力される。電圧検出信号Ys1の大きさは、中間電圧V2の大きさに比例する。
(1.2.2)降圧チョッパ回路
降圧チョッパ回路13は、スイッチング素子Q2、インダクタL11、コンデンサC11、ダイオードD11、検出抵抗R11、及び抵抗R12を備える。スイッチング素子Q2は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFETである。なお、スイッチング素子Q2は、MOSFET以外に、例えばバイポーラトランジスタなどの他の半導体スイッチング素子であってもよい。検出抵抗R11は、電流検出用のシャント抵抗であり、低抵抗値の抵抗である。抵抗R12は、コンデンサC11を放電させる放電用抵抗であり、高抵抗値の抵抗である。
スイッチング素子Q2のドレインは、平滑コンデンサC2の正極に接続され、スイッチング素子Q1のソースは、インダクタL11の第1端に接続されている。インダクタL11の第2端は、コンデンサC11の正極に接続され、コンデンサC11の負極は、検出抵抗R11の第1端に接続されている。検出抵抗R11の第2端は、平滑コンデンサC2の負極、及びダイオードD11のアノードに接続されている。ダイオードD11のカソードは、スイッチング素子Q2のソース(インダクタL11の第1端)に接続されている。ダイオードD11の両端間には、抵抗R12が接続されている。スイッチング素子Q2のゲートは制御回路2に接続されている。制御回路2は、ゲート信号Yg2をゲート電圧としてスイッチング素子Q2のゲート-ソース間に印加し、ゲート電圧を調整することでスイッチング素子Q2をオンオフ駆動する。
そして、スイッチング素子Q2がオンすることで、平滑コンデンサC2の正極から、スイッチング素子Q2、インダクタL11、コンデンサC11を通って、平滑コンデンサC2の負極へ向かう経路に電流が流れる。この電流によって、コンデンサC11が充電されるとともに、インダクタL11に磁気エネルギーが蓄積される。次に、スイッチング素子Q2がオフすることで、インダクタL11の磁気エネルギーが放出され、インダクタL11の第2端から、コンデンサC11、ダイオードD11を通って、インダクタL11の第1端へ向かう経路に電流が流れる。この電流によってコンデンサC11が充電される。この結果、コンデンサC11の両端間には、中間電圧V2を降圧した出力電圧Voが生成される。出力電圧Voの大きさは、スイッチング素子Q2のデューティを可変とすることで調整される。
コンデンサC11の両端間には照明負荷3が接続されており、出力電圧Voが照明負荷3の両端間に印加されることで、降圧チョッパ回路13は、負荷電流Ioを出力する。負荷電流Ioは、照明負荷3と検出抵抗R11の直列回路を流れる。したがって、検出抵抗R11の両端には負荷電流Ioに比例した電圧が生じる。検出抵抗R11の両端電圧は、電流検出信号Ys2として制御回路2に出力される。
また、インダクタL11には巻線Naが磁気的に結合しており、巻線Naの第1端は、ダイオードD21のアノード、及びダイオードD22のアノードに接続している。巻線Naの第2端は、平滑コンデンサC2の負極に接続している。ダイオードD21のカソード、及びダイオードD22のカソードは、制御回路2に接続している。入力電圧Viが点灯システムA1に供給されていれば、スイッチング素子Q2のスイッチングによって、インダクタL11にインダクタ電流が流れる。このとき、巻線Naの両端間には、電源回路1の内部電圧として、インダクタ電流による誘起電圧が発生する。誘起電圧はダイオードD21、D22のそれぞれによって半波整流されて、ダイオードD21のカソードの電圧が出力検出信号Ys31として、ダイオードD22のカソードの電圧が出力検出信号Ys32として、制御回路2に出力される。
(1.3)制御回路
通常、点灯システムA1への入力電圧Viの供給が遮断されてから、十分な時間が経過すると、点灯システムA1内の各部の電圧(整流電圧V1、中間電圧V2、調光信号Yd1の平滑電圧など)も0(ゼロ)V付近にまで低下する。なお、本実施形態では、調光信号Yd1は、デューティによって調光指示値を通知するPWM電圧信号であり、制御回路2は、調光信号Yd1を平滑した直流の平滑電圧の大きさに基づいて、調光指示値を判定する。
そして、入力電圧Viが点灯システムA1に供給されると、制御回路2は、電源回路1を起動させる。制御回路2は、入力電圧Viの大きさなどに基づいて、入力電圧Viの供給及び停止を検出できる。制御回路2は、電源回路1の起動直後における照明負荷3のちらつき、及び起動不良などを抑制するために、予め決められた起動シーケンスを実行した後に、照明負荷3を定常点灯させる。例えば、起動してから第1待機期間、第2待機期間、及び第3待機期間を経た後に、照明負荷3が定常点灯する。第1待機期間は、調光信号Yd1を生成する外部の調光装置の安定に要する時間である。第2待機期間は、昇圧チョッパ回路12が出力する中間電圧V2の安定に要する期間である。第3待機期間は、ソフトスタートのために照明負荷3の調光レベルを調光下限に維持する期間である。
ここで、外部電源9は、瞬時的に電圧が低下する瞬低(瞬時電圧低下)を発生することがある。瞬低は、例えば入力電圧Viの数サイクル~100サイクル程度の期間で入力電圧Viが低下する現象であり、数十msec~2sec程度の期間に亘って発生する。瞬低時には、入力電圧Viは短時間で定格電圧値にまで復帰する。この結果、瞬低が発生しても、点灯システムA1内の各部の電圧は過度に低下していない。したがって、瞬低後の再起動時にも、通常の起動時と同様の起動シーケンスで再起動すると、点灯システムA1内の各部の電圧は殆ど低下していないにも関わらず、照明負荷3が定常点灯するまでには、通常の起動時と同様に比較的長い時間がかかる。
なお、瞬低には、JIS B9960-32:2011で規定されている瞬時停電、及び瞬時電圧降下の両方を含む。瞬時停電では、電源の中断又は無電圧状態が、供給電源のサイクルのどの時点でも3msec以下で、次の中断までの間隔は1secを超える。瞬時電圧降下では、降下量は電源の波高値の20%以下で、降下持続時間は1サイクルの長さを超えず、次の降下までの間隔は1secを超える。
そこで、制御回路2は、出力検出信号Ys31、Ys32に基づいて、今回の起動が通常の起動及び瞬低後の再起動のいずれであるかを判定する。そして、制御回路2は、瞬低後の再起動時に照明負荷3を定常点灯させるまでに要する時間を、通常の起動時よりも短くすることで、瞬低後の照明負荷3の調光レベルを瞬低前と同じ調光レベルにまで迅速に復帰させる。すなわち、制御回路2は、瞬低からの再起動時に照明負荷3が定常点灯するまでに要する時間を短縮させる。
以下、制御回路2の構成、及び動作について詳述する。
(1.3.1)制御回路のブロック構成
制御回路2は、図1に示すように、電源制御回路21、信号発生回路22、及び判定回路23を備える。
電源制御回路21は、電圧検出信号Ys1に基づいてゲート信号Yg1を生成し、ゲート信号Yg1をスイッチング素子Q1のゲートに出力する。ゲート信号Yg1は、Hレベル及びLレベルのいずれかの値をとる2値の電圧信号である。ゲート信号Yg1がHレベルであれば、スイッチング素子Q1はオンし、ゲート信号Yg1がLレベルであれば、スイッチング素子Q1はオフする。電源制御回路21は、スイッチング周期に対してゲート信号Yg1がHレベルとなる期間を可変とすることで、スイッチング素子Q1のデューティを調整する。電源制御回路21は、中間電圧V2を増加させるのであれば、スイッチング素子Q1のデューティを増加させる。電源制御回路21は、中間電圧V2を低下させるのであれば、スイッチング素子Q1のデューティを減少させる。すなわち、電源制御回路21は、昇圧チョッパ回路12を制御することで、中間電圧V2の大きさを目標電圧値に一致させる。
また、電源制御回路21は、電流検出信号Ys2に基づいてゲート信号Yg2を生成し、ゲート信号Yg2をスイッチング素子Q2のゲートに出力する。ゲート信号Yg2は、Hレベル及びLレベルのいずれかの値をとる2値の電圧信号である。ゲート信号Yg2がHレベルであれば、スイッチング素子Q2はオンし、ゲート信号Yg2がLレベルであれば、スイッチング素子Q2はオフする。電源制御回路21は、スイッチング周期に対してゲート信号Yg2がHレベルとなる期間を可変とすることで、スイッチング素子Q2のデューティを調整する。電源制御回路21は、負荷電流Ioを増加させる(出力電圧Voを増加させる)のであれば、スイッチング素子Q2のデューティを増加させる。電源制御回路21は、負荷電流Ioを減少させる(出力電圧Voを低下させる)のであれば、スイッチング素子Q2のデューティを減少させる。すなわち、電源制御回路21は、降圧チョッパ回路13を制御することで、出力電圧Voの大きさを調整し、負荷電流Ioの大きさを目標電流値に一致させる。
判定回路23は、入力電圧Viが低下して電源回路1が停止してから起動するまでの時間である停止時間が時間閾値Tr(図4参照)以下であるか否かを判定する。時間閾値Trは、入力電圧Viが瞬時的に低下する瞬低(瞬時電圧低下)の継続時間の上限値である。すなわち、判定回路23は、入力電圧Viが低下した後に再び増加したときに、この入力電圧Viの低下が瞬低に相当するか否かを判定する。判定回路23は、判定結果を判定信号Ya1として、信号発生回路22に出力する。
信号発生回路22は、周期的に変化する信号として、三角波の電圧信号である三角波信号Ya2を生成する。信号発生回路22は、三角波信号Ya2の周期を、判定回路23が出力する判定信号Ya1に基づく周期に設定する。本実施形態では、信号発生回路22は、三角波信号Ya2の周期を、判定信号Ya1に基づいて、第1周期Tp1及び第2周期Tp2(図4参照)のいずれかに切り替える。
そして、電源制御回路21は、起動後における三角波信号Ya2のサイクル数がカウント閾値に達すると、電源回路1の制御を開始する。
(1.3.2)制御回路の回路構成
図2は、制御回路2の具体的な回路構成を示す。
(判定回路)
制御回路2は、判定回路23として、コンパレータ(第1比較回路)K1、コンパレータ(第2比較回路)K2、抵抗R33、第1時定数回路CR1、第2時定数回路CR2、及び直流電源E1を備える。第1時定数回路CR1は、抵抗R31とコンデンサC31の並列回路であり、コンデンサC31の両端電圧を充電電圧Vc1とする。第2時定数回路CR2は、抵抗R32とコンデンサC32の並列回路であり、コンデンサC32の両端電圧を充電電圧Vc2とする。直流電源E1は直流電圧を発生し、直流電源E1が発生する直流電圧(の大きさ)を電圧閾値Vr1とする。
出力検出信号Ys31は第1時定数回路CR1に入力され、コンデンサC31は出力検出信号Ys31によって充電される。出力検出信号Ys32は、第2時定数回路CR2に入力され、コンデンサC32は出力検出信号Ys32によって充電される。そして、入力電圧Viが正常に供給されていれば、充電電圧Vc1及び充電電圧Vc2のそれぞれは、電圧閾値Vr1以上になる。また、入力電圧Viが停止(又は低下)すると、コンデンサC31の電荷は抵抗R31によって放電され、充電電圧Vc1は低下する。同様に、入力電圧Viが停止(又は低下)すると、コンデンサC32の電荷は抵抗R32によって放電され、充電電圧Vc2は低下する。
コンデンサC31の静電容量とコンデンサC32の静電容量とは等しい。抵抗R31の抵抗値は抵抗R32の抵抗値よりも大きい。したがって、出力検出信号Ys31による充電電圧Vc1の増加傾きと出力検出信号Ys32による充電電圧Vc2の増加傾きとは、互いに等しくなる。一方、抵抗R31による充電電圧Vc1の低下傾きは、抵抗R32による充電電圧Vc2の低下傾きよりも小さくなる。すなわち、第2時定数回路CR2の放電時の時定数は、第1時定数回路CR1の放電時の時定数よりも小さい。なお、充電電圧の増加傾きは、充電電圧の時間当たりの増加分であり、充電電圧の低下傾きは、充電電圧の時間当たりの低下分である。
コンパレータK1の正入力端子には充電電圧Vc1が入力され、コンパレータK1の負入力端子には電圧閾値Vr1が入力されている。コンパレータK1の出力はオープンコレクタ出力であり、コンパレータK1は、充電電圧Vc1と電圧閾値Vr1との比較結果を、Hレベル及びLレベルの2値の信号として出力する。コンパレータK1は、充電電圧Vc1が電圧閾値Vr1以上であれば、出力をHレベルとし、充電電圧Vc1が電圧閾値Vr1未満であれば、出力をLレベルとする。
コンパレータK2の正入力端子には電圧閾値Vr1が入力され、コンパレータK1の負入力端子には充電電圧Vc2が入力されている。コンパレータK2の出力はオープンコレクタ出力であり、コンパレータK2は、充電電圧Vc2と電圧閾値Vr1との比較結果を、Hレベル及びLレベルの2値の信号として出力する。コンパレータK2は、充電電圧Vc2が電圧閾値Vr1未満であれば、出力をHレベルとし、充電電圧Vc2が電圧閾値Vr1以上であれば、出力をLレベルとする。
コンパレータK1の出力とコンパレータK2の出力とは並列接続されて、抵抗R33によってプルアップされており、コンパレータK1、K2の各出力によって判定信号Ya1が形成される。コンパレータK1の出力及びコンパレータK2の出力の両方がHレベルであれば、判定信号Ya1はHレベルとなる。コンパレータK1の出力及びコンパレータK2の出力の少なくとも一方がLレベルであれば、判定信号Ya1はLレベルとなる。
(信号発生回路)
制御回路2は、信号発生回路22として、発振回路J1、トランジスタQ3、及びコンデンサC41、C42を備える。トランジスタQ3は、pnp型のバイポーラトランジスタである。コンデンサC41、C42が、本開示の容量回路を構成する。なお、トランジスタQ3は、バイポーラトランジスタ以外に、例えばFETなどの他の半導体スイッチング素子であってもよい。
発振回路J1は、三角波信号Ya2を生成する。三角波信号Ya2の周期は、発振回路J1に接続される静電容量によって可変となる。発振回路J1に接続される静電容量が小さくなるほど、三角波信号Ya2の周期は短くなる(三角波信号Ya2の周波数が高くなる)。本実施形態では、発振回路J1にはコンデンサC41が常時接続され、発振回路J1に対するコンデンサC42の接続、非接続をトランジスタQ3によって切り替える。トランジスタQ3は、判定信号Ya1がLレベル(コンパレータK1、K2の各出力の少なくとも一方がLHレベル)であれば、オンする。トランジスタQ3は、判定信号Ya1がHレベル(コンパレータK1、K2の各出力がともにHレベル)であれば、オフする。そして、トランジスタQ3がオンすれば、コンデンサC42は発振回路J1に接続され、トランジスタQ3がオフすれば、コンデンサC42は発振回路J1から切り離される。したがって、トランジスタQ3がオフしているときの三角波信号Ya2の第2周期Tp2(図4参照)は、トランジスタQ3がオンしているときの三角波信号Ya2の第1周期Tp1(図4参照)よりも短くなる。
なお、本実施形態では、発振回路J1はシーケンス制御回路2aに含まれている。シーケンス制御回路2aは、例えば電源制御用のIC(Integrated Circuit)チップである。
(電源制御回路)
制御回路2は、電源制御回路21として、起動制御部211、昇圧制御回路2b、及び降圧制御回路2cを備える。なお、本実施形態では、起動制御部211はシーケンス制御回路2aに含まれている。
起動制御部211は、三角波信号Ya2を入力され、三角波信号Ya2のサイクル数を、カウント値としてカウントする。起動制御部211は、カウント値に基づいて起動シーケンスを実行し、昇圧許可信号Ya3、及び目標電流信号Ya4を生成する。昇圧許可信号Ya3は、Hレベル及びLレベルのいずれかの値をとる2値の電圧信号である。昇圧許可信号Ya3は、昇圧チョッパ回路12の昇圧動作が許可されているときにLレベルになり、昇圧チョッパ回路12の昇圧動作が禁止されているときにHレベルになる。目標電流信号Ya4は、負荷電流Ioの目標電流値を表す電圧信号であり、目標電流信号Ya4の電圧値が高いほど、目標電流値は大きくなる。目標電流信号Ya4の電圧値は、調光信号Yd1によって通知された調光指示値に応じて設定される。
昇圧制御回路2bは、パルス設定部212、オペアンプK3、コンデンサC51、及びトランジスタQ4を備える。トランジスタQ4は、npn型のバイポーラトランジスタである。なお、トランジスタQ4は、バイポーラトランジスタ以外に、例えばMOSFETなどの他の半導体スイッチング素子であってもよい。
オペアンプK3の正入力端子には直流の基準電圧Vr2が入力され、オペアンプK3の負入力端子には電圧検出信号Ys1が入力される。オペアンプK3の出力端子と負入力端子との間にはコンデンサC51が接続されている。基準電圧Vr2は、中間電圧V2の目標電圧値に相当する。すなわち、オペアンプK3は、中間電圧V2の検出値と目標電圧値との差分を誤差信号Ya5として出力する。
パルス設定部212は、誤差信号Ya5の大きさが0になるように、スイッチング素子Q1をオンオフ制御するためのゲート信号Yg1を生成し、ゲート信号Yg1を出力する。すなわち、昇圧制御回路2bは、中間電圧V2が目標電圧値に一致するように、昇圧チョッパ回路12をフィードバック制御する。
トランジスタQ4のコレクタはオペアンプK3の出力端子に接続され、トランジスタQ4のエミッタはグランドに接続されている。そして、トランジスタQ4のベースには起動制御部211から出力された昇圧許可信号Ya3が入力される。トランジスタQ4は、昇圧許可信号Ya3がHレベルであればオンし、昇圧許可信号Ya3がLレベルであればオフする。
昇圧チョッパ回路12の昇圧動作が許可されていれば、昇圧許可信号Ya3がLレベルであるので、トランジスタQ4はオフする。この場合、パルス設定部212は、オペアンプK3が生成した誤差信号Ya5に基づいて、スイッチング素子Q1をオンオフ制御するためのゲート信号Yg1を生成する。
昇圧チョッパ回路12の昇圧動作が禁止されていれば、昇圧許可信号Ya3がHレベルであるので、トランジスタQ4はオンする。この結果、誤差信号Ya5は0Vに維持される。この場合、パルス設定部212は、誤差信号Ya5が0Vに維持されているので、Lレベル一定のゲート信号Yg1を生成して、スイッチング素子Q1をオフ状態に維持する。
降圧制御回路2cは、パルス設定部213、オペアンプK4、及びコンデンサC52を備える。
オペアンプK4の正入力端子には目標電流信号Ya4が入力され、オペアンプK4の負入力端子には電流検出信号Ys2が入力される。オペアンプK4の出力端子と負入力端子との間にはコンデンサC52が接続されている。すなわち、オペアンプK4は、負荷電流Ioの検出値と目標電流値との差分を誤差信号Ya6として出力する。
パルス設定部212は、誤差信号Ya6の大きさが0になるように、スイッチング素子Q2をオンオフ制御するためのゲート信号Yg2を生成し、ゲート信号Yg2を出力する。すなわち、降圧制御回路2cは、負荷電流Ioが目標電流値に一致するように、降圧チョッパ回路13をフィードバック制御する。
(1.4)点灯システムの起動シーケンス
点灯システムA1の起動シーケンスについて、図3及び図4を用いて説明する。
(1.4.1)通常の起動時の起動シーケンス
図3は、通常の起動時の起動シーケンスを示す。
時間t0以前では、入力電圧Viが遮断されており、点灯システムA1は停止している。このとき、充電電圧Vc1、Vc2はそれぞれ0Vである。
時間t0に入力電圧Viの供給が開始された後、判定回路23は、時間t1において、前回の入力電圧Viの遮断から時間t1までの停止時間Tsが時間閾値Tr以下であるか否かを判定する。時間閾値Trは、定常点灯によって充電された充電電圧Vc1が入力電圧Viの遮断によって放電を継続した場合に、充電電圧Vc1が電圧閾値Vr1にまで低下するのに要する時間である。判定回路23は、コンパレータK1、K2の各出力がHレベルであれば、停止時間Tsが時間閾値Tr以下であると判定する。時間t1では、充電電圧Vc1、Vc2の両方が電圧閾値Vr1未満になっている。このとき、コンパレータK1の出力がLレベルであり、コンパレータK2の各出力がHレベルであり、判定信号Ya1はLレベルになる。すなわち、判定回路23は、停止時間Tsが時間閾値Trより長いと判定する(時間t1)。したがって、トランジスタQ3がオンし、信号発生回路22は、第1周期Tp1の三角波信号Ya2を生成する。
起動制御部211は、三角波信号Ya2のサイクル数をカウント値としてカウントし、カウント値を第1カウント閾値N1と比較する。この時点では、カウント値は第1カウント閾値N1未満であり、起動制御部211は、昇圧許可信号Ya3をHレベルとし、目標電流信号Ya4を0Vにする。すなわち、起動制御部211は、トランジスタQ4をオンして昇圧チョッパ回路12の昇圧動作を禁止し、降圧チョッパ回路13の目標電流値を0Aにしている。したがって、ゲート信号Yg1、Yg2は、Lレベルを維持し、負荷電流Ioは0Aを維持して、照明負荷3は消灯している。なお、中間電圧V2は、整流電圧V1とほぼ同じ電圧値にまで増加する。
そして、時間t2において、カウント値が第1カウント閾値N1に達する。起動制御部211は、カウント値が第1カウント閾値N1に達すると、昇圧許可信号Ya3をLレベルとする。すなわち、起動制御部211は、トランジスタQ4をオフして昇圧チョッパ回路12の昇圧動作を許可する。したがって、ゲート信号Yg1は、Hレベル及びLレベルを交互に繰り返し、スイッチング素子Q1をスイッチングさせる。この結果、中間電圧V2は目標電圧値にまで増加する。
起動制御部211は、三角波信号Ya2のサイクル数をカウントするカウント処理を継続しており、時間t3において、カウント値が第2カウント閾値N2に達する。第2カウント閾値N2は、第1カウント閾値N1より大きい値である。起動制御部211は、カウント値が第2カウント閾値N2に達すると、目標電流信号Ya4の電圧値を、照明負荷3の調光下限に対応する値に設定する。したがって、ゲート信号Yg2は、Hレベル及びLレベルを交互に繰り返し、スイッチング素子Q2をスイッチングさせる。この結果、出力電圧Voが0Vから増加し、負荷電流Ioは調光下限に対応する値にまで増加し、照明負荷3は調光下限で点灯する。
また、時間t3以降では、インダクタL11にインダクタ電流が流れるので、充電電圧Vc1、Vc2はそれぞれ増加し、充電電圧Vc1、Vc2はそれぞれ電圧閾値Vr1以上になる。したがって、時間t3以降でも、判定信号Ya1はLレベルになり、信号発生回路22は、第1周期Tp1の三角波信号Ya2を生成する。
起動制御部211は、照明負荷3を調光下限で所定時間だけ点灯させた後、時間t4において目標電流信号Ya4の電圧値を、調光信号Yd1に応じた値にまで増加させる。すなわち、起動制御部211は、時間t4以降では、降圧チョッパ回路13の目標電流値を調光信号Yd1に応じて設定する。この結果、時間t5において、負荷電流Ioは、調光信号Yd1に応じた目標電流値にまで増加する。したがって、照明負荷3は、調光信号Yd1に応じた調光レベルで定常点灯する。
上述の通常の起動時では、時間t1~t2までの期間が第1待機期間T1aとなる。時間t2~t3までの期間が第2待機期間T2aとなる。時間t3~t4までの期間が第3待機期間T3aとなる。第1待機期間T1aは、調光信号Yd1を生成する外部の調光装置の安定に要する時間である。第2待機期間T2aは、中間電圧V2の安定に要する時間である。第3待機期間T3aは、ソフトスタートのために照明負荷3の調光レベルを調光下限に維持する時間である。
また、時間t0~t5までの期間が、入力電圧Viの供給開始から照明負荷3が定常点灯するまでの起動期間T10aとなる。
(1.4.2)瞬低後の再起動時の起動シーケンス
瞬低が発生すると、昇圧チョッパ回路12は昇圧動作を停止する。しかしながら、平滑コンデンサC2の両端電圧である中間電圧V2は、すぐに低下せずに、徐々に低下する。したがって、瞬低後の再起動時においては、中間電圧V2の安定化のために要する第2待機期間を、通常の起動時に比べて短縮できる。
また、瞬低が発生すると、調光信号Yd1を平滑した直流の平滑電圧もすぐに低下せずに、徐々に低下する。したがって、瞬低後の再起動時においては、調光信号Yd1を生成する外部の調光装置の安定に要する第1待機時間を、通常の起動時に比べて短縮できる。
そこで、瞬低後の再起動時の起動シーケンスを図4に示す。
時間t10以前では、制御回路2は、調光信号Yd1に応じた調光レベルで照明負荷3を定常点灯させている。
時間t10に瞬低が発生して、入力電圧Viが低下すると、信号発生回路22は、時間t11において三角波信号Ya2の出力を停止する。また、起動制御部211は、時間t11において、昇圧許可信号Ya3をHレベルとし、目標電流信号Ya4を0Vにする。したがって、ゲート信号Yg1、Yg2は、Lレベルを維持する。この結果、昇圧チョッパ回路12は昇圧動作を停止し、降圧チョッパ回路13は降圧動作を停止する。したがって、負荷電流Ioは0Aを維持して、照明負荷3は消灯する。
瞬低が発生すると、降圧チョッパ回路13は降圧動作を停止し、インダクタL11にインダクタ電流が流れなくなるので、充電電圧Vc1、Vc2は低下し始める。このとき、充電電圧Vc1の低下傾きは、充電電圧Vc2の低下傾きよりも小さくなる。したがって、充電電圧Vc2が電圧閾値Vr1未満になるタイミングは、充電電圧Vc1が電圧閾値Vr1未満になるタイミングよりも早くなる。本実施形態では、想定される瞬低の継続時間内に充電電圧Vc1が電圧閾値Vr1未満にまで低下しないように、コンデンサC31の静電容量、及び抵抗R31の抵抗値が設定されている。
そして、時間t12において瞬低が解消され、入力電圧Viの供給が再開された後、時間t13において、判定回路23は停止時間Ts(時間t11~t13)が時間閾値Tr以下であるか否かを判定する。判定回路23は、コンパレータK1、K2の各出力がHレベルであれば、停止時間Tsが時間閾値Tr以下であると判定する。時間t13では、充電電圧Vc1が電圧閾値Vr1以上であり、充電電圧Vc2が電圧閾値Vr1未満になっている。このとき、コンパレータK1、K2の各出力がHレベルであり、判定信号はHレベルになる。したがって、トランジスタQ3がオフし、信号発生回路22は、第2周期Tp2の三角波信号Ya2を生成する。起動制御部211は、三角波信号Ya2のサイクル数をカウント値としてカウントし、カウント値を第1カウント閾値N1と比較する。この時点では、カウント値は第1カウント閾値N1未満であり、起動制御部211は、昇圧許可信号Ya3をHレベルとし、目標電流信号Ya4を0Vにする。したがって、ゲート信号Yg1、Yg2はLレベルを維持するので、負荷電流Ioは0Aとなり、照明負荷3は消灯している。
そして、時間t14において、カウント値が第1カウント閾値N1に達する。起動制御部211は、カウント値が第1カウント閾値N1に達すると、昇圧許可信号Ya3をLレベルとする。すなわち、起動制御部211は、トランジスタQ4をオフして昇圧チョッパ回路12の昇圧動作を許可する。したがって、ゲート信号Yg1は、Hレベル及びLレベルを交互に繰り返し、スイッチング素子Q1をスイッチングさせる。この結果、中間電圧V2は、目標電圧値にまで増加する。
起動制御部211は、三角波信号Ya2のサイクル数をカウントするカウント処理を継続しており、時間t15において、カウント値が第2カウント閾値N2に達する。起動制御部211は、カウント値が第2カウント閾値N2に達すると、目標電流信号Ya4の電圧値を、照明負荷3の調光下限に対応する値に設定する。したがって、ゲート信号Yg2は、Hレベル及びLレベルを交互に繰り返し、スイッチング素子Q2をスイッチングさせる。この結果、負荷電流Ioは調光下限に対応する値にまで増加し、照明負荷3は調光下限で点灯する。
また、時間t15以降では、インダクタL11にインダクタ電流が流れるので、充電電圧Vc1、Vc2はそれぞれ増加し、充電電圧Vc1、Vc2はそれぞれ電圧閾値Vr1以上になる。したがって、時間t15以降、判定信号Ya1はLレベルになり、信号発生回路22は、第1周期Tp1の三角波信号Ya2を生成する。
起動制御部211は、照明負荷3を調光下限で所定時間だけ点灯させた後、時間t16において目標電流信号Ya4の電圧値を、調光信号Yd1に応じた値にまで増加させる。すなわち、起動制御部211は、時間t16以降では、降圧チョッパ回路13の目標電流値を調光信号Yd1に応じて設定する。この結果、負荷電流Ioは、時間t17において、調光信号Yd1に応じた目標電流値にまで増加する。したがって、照明負荷3は、調光信号Yd1に応じた調光レベルで定常点灯する。
上述の通常の起動時では、時間t13~t14までの期間が第1待機期間T1bとなる。時間t14~t15までの期間が第2待機期間T2bとなる。時間t15~t16までの期間が第3待機期間T3aとなる。第1待機期間T1bは、調光信号Yd1を生成する外部の調光装置の安定に要する時間である。第2待機期間T2bは、中間電圧V2の安定に要する時間である。第3待機期間T3bは、ソフトスタートのために照明負荷3の調光レベルを調光下限に維持する時間である。
また、時間t12~t17までの期間が、入力電圧Viの供給開始から照明負荷3が定常点灯するまでの起動期間T10bとなる。
上述のように、信号発生回路22は、瞬低後の再起動時では、第1周期Tp1よりも短い第2周期Tp2の三角波信号Ya2を生成する。したがって、瞬低後の再起動時において、カウント値が第1カウント閾値N1に達するまでに要する時間、及びカウント値が第2カウント閾値N2に達するまでに要する時間は、通常の起動時に比べて短くなる。すなわち、瞬低後の再起動時における第1待機期間T1bは、通常の起動時における第1待機期間T1aより短くなり、瞬低後の再起動時における第2待機期間T2bは、通常の起動時における第2待機期間T2aより短くなる。しかして、瞬低後の再起動時における起動期間T10bは、通常の起動時における起動期間T10aより短くなる。言い換えると、瞬低からの再起動時に照明負荷3が定常点灯するまでに要する時間を短縮できる。
(第2実施形態)
(2.1)点灯システムの概略
図5は、第2実施形態の点灯システムとして、照明負荷3を点灯させる点灯システムA2のブロック構成を示す。なお、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
点灯システムA2は、電源回路10と、制御回路20と、を主構成として備える。
電源回路10は、外部電源9から供給される交流の入力電圧Viを、直流の出力電圧Voに変換する。電源回路10は、電源回路10の一対の出力端から出力電圧Voを出力し、照明負荷3に負荷電流Ioを供給する。
制御回路20は、調光信号Yd1に基づいて、電源回路10を制御する。制御回路2は、照明負荷3の調光レベルが調光指示値に一致するように電源回路1を制御する。
(2.2)電源回路
電源回路10は、整流回路11、SEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)回路14、及び電流調整回路15を有する。SEPIC回路14は、外部電源9から供給される交流の入力電圧Viを、直流の出力電圧Voに変換する昇降圧チョッパ回路である。電流調整回路15は、負荷電流Ioの大きさを目標電流値に一致させる。
(2.2.1)SEPIC回路
SEPIC回路14は、整流回路11から整流電圧V1を入力されて、直流の出力電圧Voを出力する。SEPIC回路14は、制御回路20によって制御される。
具体的に、SEPIC回路14は、インダクタL61、L62、コンデンサC61、C62、平滑コンデンサC63、ダイオードD61、及びスイッチング素子Q5を備える。インダクタL61、L62は、同じ鉄心に巻き回されていてもよいし、それぞれ別の鉄心に巻き回されていてもよい。コンデンサC61の正極(整流電圧V1の高電位)と負極(整流電圧V1の低電位)との間には、正極からインダクタL61、コンデンサC62、ダイオードD61、平滑コンデンサC63を順に接続した直列回路が接続されている。インダクタL61とコンデンサC62との接続点とコンデンサC61の負極との間には、スイッチング素子Q5が接続されている。スイッチング素子Q5は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFETである。スイッチング素子Q5のドレインは、インダクタL61とコンデンサC62との接続点に接続され、スイッチング素子Q5のソースは、コンデンサC61の負極に接続される。なお、スイッチング素子Q5は、MOSFET以外に、例えばバイポーラトランジスタなどの他の半導体スイッチング素子であってもよい。
コンデンサC62とダイオードD61との接続点とコンデンサC61の負極との間には、インダクタL62が接続されている。そして、平滑コンデンサC63の両端電圧が出力電圧Voになる。なお、ダイオードD61のアノードはコンデンサC62に接続され、ダイオードD61のカソードは平滑コンデンサC63の正極に接続されている。
そして、スイッチング素子Q5がオンオフすることによって、整流電圧V1を入力とする昇降圧動作が行われ、平滑コンデンサC63の両端間に直流の出力電圧Voが発生する。
また、インダクタL62には巻線Nbが磁気的に結合しており、巻線Nbの第1端は、ダイオードD23のアノード、及びダイオードD24のアノードに接続している。巻線Nbの第2端は、平滑コンデンサC63の負極に接続している。ダイオードD23のカソード、及びダイオードD24のカソードは、制御回路20に接続している。入力電圧Viが点灯システムA1に供給されていれば、スイッチング素子Q5のスイッチングによって、インダクタL62にインダクタ電流が流れる。このとき、巻線Nbの両端間には、電源回路1の内部電圧として、インダクタ電流による誘起電圧が発生する。誘起電圧はダイオードD23、D24のそれぞれによって半波整流されて、ダイオードD23のカソードの電圧が出力検出信号Ys51として、ダイオードD24のカソードの電圧が出力検出信号Ys52として、制御回路20に出力される。
(2.2.2)電流調整回路
SEPIC回路14の出力端間には、照明負荷3と電流調整回路15との直列回路が接続されている。照明負荷3と電流調整回路15との直列回路には、出力電圧Voが印加される。照明負荷3に流れる負荷電流Ioの大きさは、電流調整回路15によって制御される。電流調整回路15は、負荷電流Ioの大きさを制御することで照明負荷3の光出力を調整し、照明負荷3の点灯、消灯、及び調光を行うことができる。
電流調整回路15は、トランジスタQ6、オペアンプK5、検出抵抗R61、及び抵抗R62、R63を備える。
トランジスタQ6は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFETであり、トランジスタQ6のドレインは、照明負荷3のカソード側に接続している。トランジスタQ6のソースは、検出抵抗R61の第1端に接続している。検出抵抗R61の第2端は、平滑コンデンサC63の負極に接続している。すなわち、SEPIC回路14の出力端間には、照明負荷3とトランジスタQ6と検出抵抗R61との直列回路が接続している。なお、トランジスタQ6には、例えばバイポーラトランジスタなどの他のトランジスタを用いてもよい。
トランジスタQ6のソースと検出抵抗R61との接続点は、抵抗R62を介してオペアンプK5の負入力端子に接続している。さらに、オペアンプK5の正入力端子は、制御回路20に接続し、制御回路20から目標電流信号Ya12を入力される。また、オペアンプK5の出力端子と負入力端子との間には、抵抗R63が接続されている。さらに、オペアンプK5の出力端子は、トランジスタQ6のゲートに接続している。そして、オペアンプK5は、トランジスタQ6のゲート電圧を制御することで、トランジスタQ6と検出抵抗R61との直列回路に流れる負荷電流Ioの大きさを調節できる。
すなわち、電流調整回路15は、負荷電流Ioが流れる検出抵抗R61の両端電圧が目標電流信号Ya12の電圧値に一致するようにトランジスタQ6を制御することで、負荷電流Ioを目標電流値に調節する。
さらに、本実施形態では、トランジスタQ6と検出抵抗R61との直列回路の両端電圧(トランジスタQ6のドレインと平滑コンデンサC63の負極との間の電圧)をフィードバック信号Ys4とする。フィードバック信号Ys4は、制御回路20に入力される。制御回路20は、フィードバック信号Ys4に基づいて、スイッチング素子Q5のスイッチング動作を制御する。
(2.3)制御回路
制御回路20は、出力検出信号Ys51、Ys52に基づいて、今回の起動が通常の起動及び瞬低後の再起動のいずれであるかを判定する。そして、制御回路20は、瞬低後の再起動時に照明負荷3を定常点灯させるまでに要する時間を、通常の起動時よりも短くすることで、瞬低後の照明負荷3の調光レベルを瞬低前と同じ調光レベルにまで迅速に復帰させる。すなわち、制御回路2は、瞬低からの再起動時に照明負荷3が定常点灯するまでに要する時間を短縮させる。
以下、制御回路20の構成、及び動作について詳述する。
(2.3.1)制御回路のブロック構成
制御回路2は、図5に示すように、電源制御回路210、信号発生回路22、及び判定回路23を備える。なお、信号発生回路22、及び判定回路23は、第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
電源制御回路210は、フィードバック信号Ys4に基づいてゲート信号Yg5を生成し、ゲート信号Yg5をスイッチング素子Q5のゲートに出力する。ゲート信号Yg5は、Hレベル及びLレベルのいずれかの値をとる2値の電圧信号である。ゲート信号Yg5がHレベルであれば、スイッチング素子Q5はオンし、ゲート信号Yg5がLレベルであれば、スイッチング素子Q5はオフする。電源制御回路21は、スイッチング周期に対してゲート信号Yg5がHレベルとなる期間を可変とすることで、スイッチング素子Q5のデューティを調整する。電源制御回路210は、出力電圧Voを増加させるのであれば、スイッチング素子Q5のデューティを増加させる。電源制御回路210は、出力電圧Voを低下させるのであれば、スイッチング素子Q5のデューティを減少させる。
また、電源制御回路210は、調光信号Yd1に基づいて目標電流信号Ya12を生成し、目標電流信号Ya12をオペアンプK5の正入力端子に出力する。すなわち、電源制御回路210は、SEPIC回路14を制御することで、出力電圧Voの大きさを調整し、電流調整回路15を制御することで、負荷電流Ioの大きさを目標電流値に一致させる。
そして、電源制御回路210は、起動後における三角波信号Ya2のサイクル数がカウント閾値に達すると、電源回路10の制御を開始する。
(2.3.2)制御回路の回路構成
図6は、制御回路20の具体的な回路構成を示す。なお、信号発生回路22、及び判定回路23の各回路構成は、第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
制御回路20は、電源制御回路210として、起動制御部214、及び電圧制御回路2eを備える。なお、本実施形態では、起動制御部211は、発振回路J1とともにシーケンス制御回路2dに含まれている。
起動制御部214は、三角波信号Ya2を入力され、三角波信号Ya2のサイクル数を、カウント値としてカウントする。起動制御部211は、カウント値に基づいて起動シーケンスを実行し、出力許可信号Ya11、及び目標電流信号Ya12を生成する。出力許可信号Ya11は、Hレベル及びLレベルのいずれかの値をとる2値の電圧信号である。出力許可信号Ya11は、SEPIC回路14の出力動作が許可されているときにLレベルになり、SEPIC回路14の昇圧動作が禁止されているときにHレベルになる。目標電流信号Ya12は、負荷電流Ioの目標電流値を表すアナログの電圧信号であり、目標電流信号Ya4の電圧値が高いほど、目標電流値は大きくなる。目標電流信号Ya12の電圧値は、調光信号Yd1によって通知された調光指示値に応じて設定される。
電圧制御回路2eは、パルス設定部215、及びエラーアンプK11を備える。
エラーアンプK11は、フィードバック信号Ys4と直流の基準電圧Vr11との差分を出力する。基準電圧Vr11は、照明負荷3を点灯可能、かつ、できるだけ低い値に設定されることが好ましく、照明負荷3の順方向電圧の最大値に一定値を加算した値になる。したがって、トランジスタQ6のドレイン-ソース間電圧は、基準電圧Vr11から検出抵抗R61での電圧降下を引いた値に維持され、トランジスタQ6の電力損失を抑制することができる。
パルス設定部215は、エラーアンプK11の出力の大きさが0になるように、スイッチング素子Q5をオンオフ制御するためのゲート信号Yg5を生成し、ゲート信号Yg5を出力する。すなわち、電圧制御回路2eは、フィードバック信号Ys4が基準電圧Vr11に一致するように、SEPIC回路14をフィードバック制御する。
パルス設定部215は、出力許可信号Ya11がLレベルであれば、SEPIC回路14の出力動作が許可されているとして、スイッチング素子Q5をオンオフ制御するゲート信号Yg5を生成する。パルス設定部215は、出力許可信号Ya11がHレベルであれば、SEPIC回路14の出力動作が禁止されているとして、スイッチング素子Q5をオフ状態に維持するゲート信号Yg5を生成する。
(2.4)点灯システムの起動シーケンス
起動制御部214は、起動後に、三角波信号Ya2のサイクル数をカウント値としてカウントし、カウント値を第1カウント閾値N1と比較する。起動制御部214は、カウント値が第1カウント閾値N1未満であれば、出力許可信号Ya11をHレベルとし、目標電流信号Ya12を0Vにする。すなわち、起動制御部214は、SEPIC回路14の出力動作を禁止し、電流調整回路15の目標電流値を0Aにしている。したがって、負荷電流Ioは0Aを維持して、照明負荷3は消灯している。
そして、起動制御部214は、カウント値が第1カウント閾値N1に達すると、出力許可信号Ya11をLレベルとする。すなわち、起動制御部214は、SEPIC回路14の出力動作を許可する。したがって、ゲート信号Yg5は、Hレベル及びLレベルを交互に繰り返し、スイッチング素子Q5をスイッチングさせる。この結果、出力電圧Voは増加する。
起動制御部214は、カウント値が第2カウント閾値N2に達すると、目標電流信号Ya12の電圧値を、照明負荷3の調光下限に対応する値に設定する。負荷電流Ioは調光下限に対応する値にまで増加し、照明負荷3は調光下限で点灯する。
起動制御部214は、照明負荷3を調光下限で所定時間だけ点灯させた後、目標電流信号Ya12の電圧値を、調光信号Yd1に応じた値にまで増加させる。この結果、負荷電流Ioは、調光信号Yd1に応じた目標電流値にまで増加する。したがって、照明負荷3は、調光信号Yd1に応じた調光レベルで定常点灯する。
そして、信号発生回路22は、実施形態1と同様に、瞬低後の再起動時では、第1周期Tp1よりも短い第2周期Tp2の三角波信号Ya2を生成する。したがって、瞬低後の再起動時において、カウント値が第1カウント閾値N1に達するまでに要する時間、及びカウント値が第2カウント閾値N2に達するまでに要する時間は、通常の起動時に比べて短くなる。しかして、瞬低後の再起動時における起動期間は、通常の起動時における起動期間より短くなる。言い換えると、瞬低からの再起動時に照明負荷3が定常点灯するまでに要する時間を短縮できる。
なお、昇降圧チョッパ回路として、SEPIC回路以外に、CUK回路、及びZETA回路のいずれかを用いてもよい。
(第3実施形態)
図7は、点灯システムA1が備える複数の回路部品を実装したプリント配線板7を示す平面図である。複数の回路部品は、電源回路1が有する回路部品X11、及び制御回路2が有する回路部品X12を含む。
プリント配線板7は、長尺の矩形板(平板)状であり、長手方向の第1端71、長手方向の第2端72を有する。プリント配線板7の第1端71には、入力電圧Viが供給される一対の端子を有する入力コネクタ(入力端子)CN1が実装されている。プリント配線板7の第2端72には、出力電圧Voが出力される一対の端子を有する出力コネクタ(出力端子)CN2が実装されている。
回路部品X11は電源回路10を構成する回路部品であり、複数の回路部品X11が、第1端71から第2端72に向かって、電力の伝達方向に沿って並ぶように実装されている。
プリント配線板7は、長手方向の略中央から第2端72に至る領域を出力領域Z1としている。出力領域Z1には、複数の回路部品X11のうち、電源回路10の出力段を構成する回路部品X11であるインダクタL11及び巻線Na(図1参照)などが実装されている。出力領域Z1には、制御回路2を構成する回路部品X12も実装されている。
したがって、巻線Naから制御回路2に至る出力検出信号Ys31、Ys32の経路を短くでき、さらに経路の引き回しの簡略化を図ることができる。この結果、プリント配線板7の小型化が可能になる。また、出力検出信号Ys31、Ys32の経路は低電圧の経路であり、プリント配線板7における高電圧の経路を削減できる。
(第4実施形態)
図8A及び図8Bは、照明器具B1を示す。照明器具B1は、点灯システムA1と、照明負荷3と、器具本体8とを備える。
器具本体8は、筐体81と、カバー82とを有する。筐体81は、金属材料により、前面が開口する箱状に形成されている。カバー82は、石英ガラスやポリカーボネート樹脂などの透光性材料により、筐体81の開口部分の外形に一致した平板状に形成されている。カバー82は、一対の蝶番83により、筐体81の前面開口を閉塞する閉位置と、前面開口を開放する開位置との間で回転可能となるように筐体81に取り付けられる。また、筐体81の端縁には、一対の止め具84が設けられる。すなわち、カバー82が閉位置に在る状態において、一対の止め具84がカバー82の自由端側の端部に引っ掛かることでカバー82が閉位置で固定される。
また、器具本体8(筐体81)の外側の底面には、トンネルの壁面などに取り付けるために、2つの取付金具85が外側に突出するように設けられている。これらの取付金具85がトンネルの壁面などにねじ止めされることで、器具本体8がトンネルの壁面などに固定される。
点灯システムA1、及び照明負荷3は、筐体81の内底面に固定されている。また、筐体81の内底面には端子台86が取り付けられている。点灯システムA1は、端子台86を介して入力電圧Viを供給される。
なお、器具本体8の内部には、点灯システムA1の代わりに点灯システムA2が収納されてもよい。
(変形例)
上述の各実施形態における制御回路2、20は、コンピュータシステムを含んでいてもよい。この場合、コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御回路2、20の機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、制御回路2、20は、コンピュータシステムに限らず、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、制御用IC(Integrated Circuit)などであってもよい。
(まとめ)
上述の実施形態に係る第1の態様の点灯システム(A1、A2)は、電源回路(1、10)と、制御回路(2、20)と、を備える。電源回路(1、10)は、外部電源(9)から入力電圧(Vi)を供給されると起動し、起動後に入力電圧(Vi)を電圧変換して、出力電圧(Vo)を照明負荷(3)へ供給する。制御回路(2、20)は、電源回路(1、10)を制御する。制御回路(2、20)は、信号発生回路(22)と、電源制御回路(21、210)と、判定回路(23)と、を有する。信号発生回路(22)は、周期的に変化する信号(Ya2)を発生させる。電源制御回路(21、210)は、起動後における信号(Ya2)のサイクル数をカウントし、カウント値がカウント閾値(N1、N2)に達すると、電源回路(1、10)の制御を開始する。判定回路(23)は、電源回路(1、10)が停止してから起動するまでの時間である停止時間(Ts)が時間閾値(Tr)以下であるか否かを判定する。信号発生回路(22)は、停止時間(Ts)が時間閾値(Tr)より長ければ、信号(Ya2)の周期を第1周期(Tp1)とし、停止時間(Ts)が時間閾値(Tr)以下であれば、信号(Ya2)の周期を第1周期(Tp1)より短い第2周期(Tp2)とする。
したがって、点灯システム(A1、A2)は、瞬低からの再起動時に照明負荷(3)が定常点灯するまでに要する時間を短縮できる。
上述の実施形態に係る第2の態様の点灯システム(A1、A2)は、第1の態様において、判定回路(23)は、第1時定数回路(CR1)と、第2時定数回路(CR2)と
第1比較回路(K1)と、第2比較回路(K2)と、を備えることが好ましい。第1時定数回路(CR1)は、電源回路(1、10)の内部電圧によって充電され、第1時定数で放電される。第2時定数回路(CR2)は、内部電圧によって充電され、第1時定数よりも短い第2時定数で放電される。第1比較回路(K1)は、第1時定数回路(CR1)の充電電圧(Vc1)と電圧閾値(Vr1)とを比較する。第2比較回路(K2)は、第2時定数回路(CR2)の充電電圧(Vc2)と電圧閾値(Vr1)とを比較する。
したがって、点灯システム(A1、A2)は、停止時間(Ts)を簡易な構成で測定できる。
上述の実施形態に係る第3の態様の点灯システム(A1、A2)は、第2の態様において、判定回路(23)は、第1比較回路(K1)の比較結果において第1時定数回路(CR1)の充電電圧(Vc1)が電圧閾値(Vr1)以上であり、かつ、第2比較回路(K2)の比較結果において第2時定数回路(CR2)の充電電圧(Vc2)が電圧閾値(Vr1)未満であれば、停止時間(Ts)が時間閾値(Tr)以下であると判定することが好ましい。
したがって、点灯システム(A1、A2)は、停止時間(Ts)を簡易な構成で判定できる。
上述の実施形態に係る第4の態様の点灯システム(A1、A2)は、第2又は第3の態様において、判定回路(23)は、第1比較回路(K1)の比較結果において第1時定数回路(CR1)の充電電圧(Vc1)が電圧閾値(Vr1)未満であれば、停止時間(Ts)が時間閾値(Tr)より長いと判定することが好ましい。
したがって、点灯システム(A1、A2)は、停止時間(Ts)を容易に判定できる。
上述の実施形態に係る第5の態様の点灯システム(A1、A2)は、第1乃至第4の態様のいずれか1つにおいて、信号発生回路(22)は、静電容量を有する容量回路(C41、C42)を備えることが好ましい。信号発生回路(22)は、静電容量を変化させることによって、信号(Ya2)の周期を第1周期(Tp1)又は第2周期(Tp2)に切り替える。
したがって、点灯システム(A1、A2)は、信号(Ya2)の周期を切り替える構成を具体的に実現できる。
上述の実施形態に係る第6の態様の点灯システム(A1)は、第1乃至第5の態様のいずれか1つにおいて、電源回路(1)は、昇圧チョッパ回路(12)と、降圧チョッパ回路(13)と、を有することが好ましい。昇圧チョッパ回路(12)は、入力電圧(Vi)を昇圧した中間電圧(V2)を生成する。降圧チョッパ回路(13)は、中間電圧(V2)を出力電圧(Vo)に降圧する。電源制御回路(21)は、カウント閾値として、第1カウント閾値(N1)、及び第1カウント閾値(N1)より大きい第2カウント閾値(N2)を用いる。電源制御回路(21)は、起動後におけるサイクル数が第1カウント閾値(N1)に達すると、昇圧チョッパ回路(12)の制御を開始する。電源制御回路(21)は、起動後におけるサイクル数が第2カウント閾値(N2)に達すると、降圧チョッパ回路(13)の制御を開始する。
したがって、点灯システム(A1)は、昇圧チョッパ回路(12)と、降圧チョッパ回路(13)とを備えた構成において、瞬低からの再起動時に照明負荷(3)が定常点灯するまでに要する時間を短縮できる。
上述の実施形態に係る第7の態様の点灯システム(A2)は、第1乃至第5の態様のいずれか1つにおいて、電源回路(10)は、昇降圧チョッパ回路(14)と、電流調整回路(15)と、を有することが好ましい。昇降圧チョッパ回路(14)は、入力電圧(Vi)を出力電圧(Vo)に変換する。電流調整回路(15)は、照明負荷(3)に流れる負荷電流(Io)を調整する。電源制御回路(210)は、カウント閾値として、第1カウント閾値(N1)、及び第1カウント閾値(N1)より大きい第2カウント閾値(N2)を用いる。電源制御回路(210)は、起動後におけるサイクル数が第1カウント閾値(N1)に達すると、昇降圧チョッパ回路(14)の制御を開始する。電源制御回路(210)は、起動後におけるサイクル数が第2カウント閾値(N2)に達すると、電流調整回路(15)の制御を開始する。
したがって、点灯システム(A2)は、昇降圧チョッパ回路(14)と、電流調整回路(15)とを備えた構成において、瞬低からの再起動時に照明負荷(3)が定常点灯するまでに要する時間を短縮できる。
上述の実施形態に係る第8の態様の点灯システム(A1)は、第1乃至第7の態様のいずれか1つにおいて、電源回路(1)及び制御回路(2)のそれぞれを構成する複数の回路部品(X11、X12)が実装されるプリント配線板(7)を備えることが好ましい。
プリント配線板(7)は、長尺の平板状に形成されている。入力電圧(Vi)が入力される入力端子(CN1)がプリント配線板(7)の長手方向の第1端(71)に設けられ、出力電圧(Vo)が出力される出力端子(CN2)がプリント配線板(7)の長手方向の第2端(72)に設けられる。複数の回路部品(X11、X12)のうち、電源回路(1)を構成する少なくとも2つの回路部品(X11)は、プリント配線板(7)の第1端(71)から第2端(72)に向かって並ぶように実装されている。複数の回路部品(X11、X12)のうち、判定回路(23)を構成する少なくとも1つの回路部品(X12)は、プリント配線板(7)において第1端(71)よりも第2端(72)に近い位置に実装される。
したがって、点灯システム(A1)は、プリント配線板7の小型化を図ることができる。
上述の実施形態に係る第9の態様の照明器具(B1は、第1乃至第8の態様のいずれか1つの点灯システム(A1、A2)と、点灯システム(A1、A2)によって点灯させられる照明負荷(3)と、少なくとも照明負荷(3)を支持する器具本体(8)と、を備える。
したがって、照明器具(B1)は、瞬低からの再起動時に照明負荷(3)が定常点灯するまでに要する時間を短縮できる。
また、上述の実施形態および変形例は一例である。このため、本発明は、上述の実施形態および変形例に限定されることはなく、この実施形態および変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。