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JP7342448B2 - 粒子検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子検出方法に関する。
高分子ミセルやリポソームといったナノ粒子を用いた医薬品の開発が長年進められており、特にリポソームに関しては実際に医薬品として世界で広く用いられているものもある。これらナノ粒子を用いた医薬品による治療はDrug Delivery System(以下、DDS)と呼ばれ、Enhanced Permeability and Retention効果による患部への効率的な薬剤の送達により副作用を低減した治療が可能になるとして注目を浴びている。一方で、ナノ粒子を用いた医薬品であるため、一般的な低分子医薬品と比べて粒子の凝集性や会合、融合を考慮した品質管理が必要となる。
ナノ粒子医薬品の品質管理項目の一つである粒子径測定は一般に動的光散乱(以下、DLS)もしくはレーザー回折散乱法により行われるが、粒子群から得られる散乱光を検出し、粒子径分布を計算する手法であるため、マイノリティーな粒子群の検出には向いていない。
マイノリティーな粒子群の検出には、粒子を個々に1つずつ測定する技術の方が正確な測定が可能と考えられ、例えば各粒子のブラウン運動を観察するナノトラッキングアナリシスや、個々の粒子の質量を測定する共振式質量測定法、電気的検出を用いるコールター法(電気的検知帯法;以下、ESZ)(例えば、非特許文献1参照)が知られている。これらの手法は、各検出手段から得られる情報(シグナル)が、各粒子に対して1対1で対応しているため粒子個々の評価をすることが可能であり、数的に含まれる割合の少ない粒子でも正確に測定が可能となるが、測定できる粒子径範囲(ダイナミックレンジ)が比較的狭いという課題がある。
R.W.De Blois.et al、The Review of Scientific Instruments、Volume 41、Number 7、pp909-916(1970)
本発明の課題は、ナノ粒子医薬品中に含まれる広範な分布をもつ粒子を個々にかつ連続的に検出できる粒子検出方法を提供することにある。
本発明に係るナノ粒子医薬品中に含まれる粒子を検出する方法は、粒子をその粒子径に応じて流体の流れに対して垂直方向へ分離し、分離された粒子を2以上の流路に分断し、前記流路に設置された粒子検出部で前記粒子を検出することを特徴とする。
また、本発明に係るナノ粒子医薬品中に含まれる粒子を検出する方法の一態様においては、前記流路に設置されたアパーチャを挟んで配置された電極を含む電気検出器で前記粒子を検出する。
また、本発明に係るナノ粒子医薬品中に含まれる粒子を検出する方法の一態様においては、前記電気検出器の検出できる粒子径範囲が設置している流路によって異なる。
また、本発明に係るナノ粒子医薬品中に含まれる粒子を検出する方法の一態様においては、前記電気検出器の検出できる粒子径範囲の一部が重複している。
また、本発明に係るナノ粒子医薬品中に含まれる粒子を検出する方法の一態様においては、前記流路の本数、分岐部の形状、幅、高さ、長さのうち少なくとも1つのパラメーターが調整され、ある一定以上の大きさの粒子が混入しない流路構造とすることで、粒子を2以上の流路に分断する。
また、本発明に係るナノ粒子医薬品中に含まれる粒子を検出する方法の一態様においては、ピンチドフローフラクショネーションの原理を利用して、粒子を分離する。
さらに、本発明は上述した方法でナノ粒子医薬品中の粒子、凝集体、会合体、融合体のうち少なくとも1つを検出し、粒子径分布、平均粒径、モード径、中間粒子径、各粒子の体積割合、濃度、個数、積算濃度、積算個数のうち少なくとも1つのパラメーターまたは前記パラメーターの経時変化を測定する方法を含んでいる。
本発明により、ナノ粒子医薬品中で広範な粒子径分布を持って存在する粒子やマイノリティーな粒子、粒子群を精度よく連続的に検出する事ができ、バッチ処理の分離技術と比較して、大量な粒子サンプルの測定が可能になる。
図1(a)(b)は、本発明の一実施形態を示す図であり、粒子分離流路110へ水力学的ろ過(Hydrodynamic Filtration:HDF)を応用したものを示す。図1(a)は、マイクロチップ10の上面図であり、図1(b)は図1(a)における領域190の拡大図である。 図2(a)は、本発明の一実施形態を示す図であり、粒子検出部103を直列に2つ配置した場合の態様を示す。図2(b)は、2つの粒子検出部103を1つの粒子が連続的に通過した場合の、測定している電流値の経時変化の様子を模式的に示した図で、上側のグラフが上流側の粒子検出部103により測定されたもので、下側のグラフが下流側の粒子検出部103により測定されたことを示す。ここで、便宜上、2つの粒子検出部103のグラフの縦軸の位置をずらしたが、実際は粒子が通過しないときのベースラインとなる電流値はほぼ同一である。 図3(a)は、本発明の一実施形態を示す図であり、アパーチャを直列に2つ配置した場合であり、図2とは異なり、電極を1対のみ用いた場合の態様を示す。図3(b)は、2つのアパーチャを粒子が連続的に通過した場合の測定している電流値の経時変化の様子を模式的に示した図である。 図4(a)は、本発明の一実施形態を示す図であり、1つの粒子回収流路102に対して複数の粒子検出部103が並列に設置された場合の態様を示す。図4(b)は、図4(a)の等価回路を示す。 図5(a)は、本発明の一実施形態を示す図であり、1つの粒子回収流路102に対して複数の粒子検出部103が並列に設置された場合の態様を示し、複数の粒子検出部103が、流体的に下流側の電極から電圧を印加することで、複数の粒子検出部103間での電気的干渉を低減する態様を示す。図5(b)は、図5(a)の等価回路を示し、複数の粒子回収流路102が独立していることを示す。 図6は、本発明の一実施形態を示す図であり、1つの粒子回収流路102に対して複数のアパーチャが並列に設置され、より低コストな装置として利用できる態様を示す。 図7は、中継流路60と電極挿入口59を用いた、より安価に粒子検出部103を作製するための態様を示している。 図8(a)~(c)は、本発明の一実施形態を示す図であり、粒子分離流路110でHDFを応用した態様を示す。図8(a)は、粒子回収流路102が2つのものを示し、図8(b)は、粒子回収流路102が3つのものを示し、図8(c)は、粒子回収流路102が3つで粒子分離流路110に分岐流路105をもつものを示す。 図9(a)は、図8(b)の分岐部110Aでの流体の流れを示す図であり、図9(b)は、図9(a)の直線流路部分の拡大図を示す。 図10(a)は、層流条件下における直線流路内での粒子の流れを示す図であり、図10(b)は、粒子拡散流路110Bでの粒子の流れの軌道を示す。 図11(a)~(c)は、本発明の一実施形態を示す図であり、粒子分離流路110でPFFを応用した態様を示す。図11(a)は、粒子回収流路102が2つのものを示し、図11(b)は、粒子回収流路102が3つのものを示し、図11(c)は、図11(a)(b)の領域21の拡大図を示す。 図12(a)は、本発明の一実施形態を示す図であり、粒子分離流路110で非対称PFFを応用した態様を示す。図12(b)は、図12(a)の領域21の拡大図を示す。 図13(a)は、本発明の一実施形態を示す図であり、粒子分離流路110で非対称PFFを応用し、拡大流路17の狭窄流路壁面16b側の壁面が徐々に拡大する場合の態様を示す。図13(b)は、図13(a)の領域21の拡大図を示す。 図14は、本発明の一実施形態を示す図であり、2つのアパーチャで粒子検出部103が構成され、それぞれのアパーチャの下流がアウトレットへ接続されており、各アウトレットが電極挿入口59としても機能するようにした態様を示す。 図15(a)は、実施例1で用いたマイクロチップ10の概要図を示す。図15(b)は、図15(a)の領域21の拡大図を示す。 図16は、実施例1における測定結果から作成された、処理済サンプルの粒子径分布を示す。 図17は、実施例1における測定結果から作成された、未処理サンプルの粒子径分布を示す。 図18は、比較例1における測定結果から作成された、処理済サンプルの粒子径分布を示す。 図19は、比較例1における測定結果から作成された、未処理サンプルの粒子径分布を示す。 図20は、実施例2における測定結果から作成された、経時変化検証用の加熱処理済抗体医薬品の粒子径分布を示し、図20(a)は処理後0分、図20(b)は処理後10分、図20(c)は処理後120分を示す。 図21は、比較例2における測定結果から作成された、経時変化検証用の加熱処理済抗体医薬品の粒子径分布を示し、図21(a)は処理後0分、図21(b)は処理後10分、図21(c)は処理後120分を示す。 図22は、実施例3における測定結果から作成された、抗体凝集体量比較用の加熱処理済抗体医薬品の粒子径分布を示し、図22(a)は抗体医薬品A、図22(b)は抗体医薬品B、図22(c)は抗体医薬品Cの結果を示す。 図23は、比較例3における測定結果から作成された、抗体凝集体量比較用の加熱処理済抗体医薬品の粒子径分布を示し、図23(a)は抗体医薬品A、図23(b)は抗体医薬品B、図23(c)は抗体医薬品Cの結果を示す。 図24は、参考例1における示差走査熱量計による抗体医薬品の熱安定性評価結果を示す。 図25(a)は、実施例4における測定結果から作成された、未処理リポソーム製剤の粒子径分布を示しており、図25(b)は実施例4における保管リポソーム製剤の粒子径分布を示す。 図26(a)は、比較例4における測定結果から作成された、未処理リポソーム製剤の粒子径分布を示しており、図26(b)は比較例4における保管リポソーム製剤の粒子径分布を示す。
本発明は、ナノ粒子医薬品中に含まれる粒子を検出する方法であって、粒子をその粒子径に応じて流体の流れに対して垂直方向へ分離し、分離された粒子を2以上の流路に分断し、前記流路に設置された粒子検出部で前記粒子を検出することを特徴とする。以下、本発明の一実施形態について説明する。
ナノ粒子医薬品(以下、サンプルという場合がある)とは、流体中に、少なくとも部分的にナノオーダーの幅及び/または高さをもつ物質を含む流体を指し、例えば、高分子、ミセル、リポソーム、抗体、抗原、核酸、ペプチド、タンパク質、ウイルス、ウイルス様粒子、細胞または前記物質2以上で複合体を形成したものを含む流体を指し、最終的に医薬品として使用されることを意図したもの、または医薬品の候補となりうる前記物質を含む流体を指す。ナノ粒子医薬品中には前述した粒子の凝集体、会合体、融合体などが含まれている場合があり、粒径は1nm~100μmの範囲で分布している。
また、「垂直方向へ分離する」とは、流体の流れに対して厳密に垂直である必要はなく、流体の流れに対して凡そ垂直方向に粒子が分離すればよいものとする。
粒子検出装置の装置構成の一実施例を示す模式図である図1をもとに本発明の実施形態についての詳細を説明する。マイクロチップ10における流路の断面は、流路構造の作製上の容易さから、矩形であることが望ましいが、円形や楕円形、多角形などの断面であってもよく、また部分的に矩形以外の形状であってもよい。また、流路高さは作製の容易さから均一であることが好ましいが、部分的に深さが異なっていてもよい。
サンプルは、インレット14から導入され、送液部によって流路下流へと送液され、粒子導入流路101、粒子分離流路110、粒子回収流路102aまたは102b、それぞれ対応する粒子検出部103aまたは103bを通過して、アウトレット104aまたは104bへ流出する。粒子分離流路110において、粒子径に応じて粒子が流体の流れに対して垂直方向へ分離され、分離された粒子が、粒子回収流路102aまたは102bへと流れる。粒子回収流路102aまたは102bを経て到達した粒子検出部103a、103bにおいて、電気的検出が行われる。この時、粒子検出部103a、103bの内部は電解質を含む溶液で満たされ、電極54a、54bにそれぞれ接続された導線55を介して電気測定器56、電源57に接続されている。粒子検出時は、電源57により任意の値の電流が流れており、アパーチャ53を介した閉回路ができている(図2参照)。さらに電気測定器56は解析部61に接続されており、電気測定器56から得られた検出シグナルを解析部61で計算し、粒子径分布を作成する。
インレット14は、サンプルを保持できる構造であればよく、凹型構造であることが好ましい。また材質としては、溶出物が少ない金属やガラス、セラミクスを用いてもよいが、安価に製造するために高分子材料で形成されることが好ましい。粒子導入流路101は、インレット14と、粒子分離流路110との間に形成される。粒子導入流路101は、粒子分離流路110における粒子の分離を補助するために配置されるが、マイクロチップ10を小型化するために省いてもよい。
送液部は、シリンジポンプやペリスタポンプ、圧送ポンプ等の圧力勾配により送液させる方法を用いてもよいし、マイクロチップ10の流路断面における不均一な速度分布を抑制するために電気浸透流ポンプを用いてもよい。この場合、ポンプから接続された配管はインレット14へ直接接続することでインレット14内に保持されているサンプルへ圧力を印加することで送液する。また、アウトレットへ配管を介してポンプを接続し、陰圧をかけることによりマイクロチップ10の流路内の流体を吸引させることで送液してもよい。さらに、インレット14の液面を、アウトレット104aまたはアウトレット104bの液面よりも高くすることで、液面差により送液してもよく、この場合送液部は不要となる。より定量的な測定をするためには圧力勾配により粒子を通過させた方が好ましく、脈動がより少ない圧送ポンプで送液する態様が最も好ましい。
送液部の流量は、流路の断面積やアパーチャの断面積により任意の値に設定することが好ましく、一例として、0.1μL/hourから1mL/hourの間に設定することが好ましい。
粒子回収流路102は、測定可能粒子径範囲(ダイナミックレンジ)を拡げる観点で2以上設ける。ここで、粒子検出部103は粒子回収流路102の内部または下流に設けられており、粒子回収流路102へ流入してきた粒子を検出するために用いられる。1つの粒子回収流路102に対して少なくとも1つの粒子検出部103が設けられている必要があり、2以上の粒子検出部103が設けられていてもよい(図2~6)。また、測定可能粒子径範囲を外れる粒子を回収する流路をさらに設けることもできる。1つの粒子回収流路102に対して2以上の粒子検出部103が設けられた態様においては、前記2以上の粒子検出部103は直列に配置されてもよい(図2、3)。例えば2つの粒子検出部103が直列に配置された場合、2つの粒子検出部103を通過した同一の粒子から生成されたシグナルの間隔から、流路内の粒子の通過速度を算出することができ、粒子の通過速度は回収流路102の流量に一般に比例するため、回収流路内の流体の流量を見積もることが可能となる。この時、図2に示す通り電極に印加する電圧は、上流側のアパーチャ53’の上流側の電極と、下流側のアパーチャ53’’の下流側の電極から印加する態様が好ましい。上流側のアパーチャ53’の下流側の電極54b’または下流側のアパーチャ53’’の上流側の電極54a’’から電圧を印加した場合、前記2つの電極間で電圧降下が生じ、一方のアパーチャの電流値変化が、他方のアパーチャの電流値へと影響を及ぼすため、それらの影響を考慮しながら測定する必要がある。従って、2つまたは2つ以上のアパーチャを含む粒子検出部103を用いる場合、図3に示す通り上流側のアパーチャ53’の上流側の電極54a’と、下流側のアパーチャ53’’の下流側の電極54b’’のみを用いて測定してもよい。なお、図7に示すように、粒子検出流路の上流と下流それぞれへ、中継流路60を介して流体的かつ電気的にアパーチャと接続している電極挿入口59を設け、ここへ電極54を浸漬させることでESZによる粒子検出を行ってもよい。
また、1つの粒子回収流路102に対して2つ以上の粒子検出部103が設けられた態様において、前記2以上の粒子検出部103は並列に配置されてもよい(図4~6)。本態様により粒子検出部103の並列化された数に比例して処理量が増加するという優れた効果が得られる。この時、電気的に検出するための電極54は、各アパーチャを挟むように配置され、粒子検出部103の数の2倍あれば測定は可能である。一方で、図6に示したように、各アパーチャに対して上流側に1本、下流側に粒子検出部103の数の分だけ電極を配置した態様でも測定は可能であり、電極の数を減らすことによる低コスト化という観点からは、こちらの態様の方が好ましい。ここで、粒子検出部103を並列化し、各アパーチャへ同時に電圧を印加した場合、各アパーチャを挟むように配置される複数の電極対へ電圧を同時に印加すると、図4(a)に示すように、等価回路は複雑なものとなり、あるアパーチャの電流値変化が、他のアパーチャの電流値へと影響を及ぼすため、それら影響を考慮する必要がある。一方で、電圧を各アパーチャで個々に印加し、それぞれ個別に検出したい場合、測定しないアパーチャをグラウンド、シャーシへ接続せず、開回路の状態にすることで実施可能であり、前述の他のアパーチャへの影響はなくなる。この時、開回路の状態にするために、電極54と電源57の間にスイッチング回路を用いてもよく、リレー方式やフォトモス方式によるもので開回路の状態にしてもよい。粒子検出部103は、測定時に電磁ノイズが極力影響しない測定系を構築する方が好ましく、この点でスイッチング回路には、電磁石を用いるリレー方式よりも、フォトモスセンサーのような光電流を用いた方式の方が好ましい。但し、図5の通り、アパーチャの下流側の電極から上流側へ向けて電圧を印加した場合、あるアパーチャの電流値変化が、他のアパーチャの電流値へと影響を及ぼさないため、本態様を用いてもよい。
粒子検出部103は、アパーチャ53と電気検出器とを含む。アパーチャ53は、流路内に形成された流路直径よりも小さい穴を指し、粒子検出流路62とアパーチャ形成構造52により規定される。アパーチャの断面形状は、その製造工程によって種々の形状をとってもよく、エッチングやレーザー照射による加工では円、楕円の形状をとり、フォトリソグラフィーとソフトリソグラフィーによるポリジメチルシロキサン(以下、PDMS)等の高分子材料による成形の場合は矩形となる。アパーチャの断面積は、測定する粒子よりも大きければよいが、一般にESZで測定可能な粒子径範囲は、アパーチャ断面積の2~60%といわれているため、流入してくると想定される粒子の大きさに応じて設計する必要がある。また、図2、3及び14に示すように、2つのアパーチャで粒子検出部103が構成されてもよい。また、図4~6に示すように、複数の粒子検出部を備えることで複数のアパーチャを構成し、それぞれのアパーチャの下流がアウトレットへ接続されており、各アウトレットが電極挿入口59としても機能するようにした構成としてもよい。この場合、アパーチャの体積が凡そ同一であれば各アパーチャから得られるシグナルは凡そ同一となる。すなわち、各アパーチャ上流の回収流路へ流れてきた粒子全てを検出することが可能であり、濃度の定量的な測定という観点で好ましい態様といえる。ESZによる粒子検出の感度は、アパーチャと電極までの間の流路抵抗に比例して低下するため、得られたシグナルから粒子径を算出する場合は、このシグナル低下を加味する必要がある(式(1)参照)。この時、Lはアパーチャを形成する流路の長さ、deはアパーチャの等価直径、L’は中継流路60の長さ、de’は中継流路60の等価直径とした。また、式(1)によるシグナル低下の加味はその流路構造に応じて適宜行うことが好ましく、必ずしも式(1)と完全に合致した式でなくてもよい。
粒子検出部103の電気検出器は、電極54、電極54に導線55を介して接続される電気測定器56、及び電源57から主に構成される。2つの電極54は、アパーチャ53を挟んで配置される。電気測定器56は、電気的特性を検知するものであればよく、電流測定器、電圧測定器、抵抗測定器、電荷量測定器が挙げられ、ESZの測定においては電流測定器を用いるのが最も好ましい。また、IVアンプを用いて、電流電圧変換後に利得を上げて、微小な電流値変化を検出することが、より微小な粒子を検出する上で好ましい。また、アパーチャ内を通過した粒子を取りこぼしなく検出するために、電気測定器56のサンプリング時間間隔は、粒子がアパーチャを通過するのに要する時間よりも十分短いことが好ましく、1秒間に1万回以上サンプリングすることが好ましく、1秒間に2万回以上サンプリングすることがさらに好ましい。
解析部61では、測定結果を演算するための演算装置と、測定結果又はそれに由来する演算結果を記録するための記録媒体とを具備することができる。あるいは、これらの演算装置及び記録媒体は、電気測定器56と一体化していてよいし、電気測定器56に対して接続可能な外部装置であってもよい。記録媒体に記録されるデータには、サンプリングした電流値と、粒子が通過した際に発生する電流値変化、またその電流値変化から算出される粒子径、粒子数、粒子濃度、検出時間又は測定開始時からの経過時間が含まれる。
粒子分離流路110で用いる分離手法において水力学的ろ過(Hydrodynamic Filtration:HDF)を用いる場合、粒子分離流路110の上流部の末端が粒子導入流路101と接続しており、流体が流出する下流部の末端の分岐部110Aを介して粒子回収流路102へと接続していればよい(図8)。この時、分岐部110Aは、粒子を分離するために少なくとも2つ以上の粒子回収流路102へと流体的に接続されている必要があり、粒子回収流路を含む下流の流体力学的抵抗を考慮して、各流路やアパーチャの断面積、体積を設定する必要がある。例えば、図8(b)、図9の通り回収流路102を3つ設けた場合、各回収流路へ流れる流量をQa、Qb、Qcとすると、各流量の比は流路の幅w、高さh、長さLから算出され、具体的にはハーゲンポアズイユの式から直線流路内における流量は式(2)に従い計算される。
また、拡大図9(b)の通り、層流条件下でのマイクロチップの流路内の速度分布は放物線となり、一般に式(3)中のu(r)で表される(この時、w0は円管の半径、rは円管中心からの距離、μは粘度、Lは円管の長さ、ΔPは圧力損失を示す。)。
流路壁面からの任意の距離w1とw2で区切られる放物線内の面積Sa、Sb、Scの比は、各回収流路へ流れる流量Qa、Qb、Qcの比と等しくなる。この時、流路内に存在する粒子のうち、その粒子の中心または重心位置がw1よりも流路壁面近くに存在している粒子が回収流路102aへ流入し、w2よりも流路壁面近くに存在している粒子が回収流路102bへ流入し、w1とw2の間に存在する粒子は、回収流路102cへ流入する。従って、回収流路102a、102bへ流れる最も大きい粒子の半径はそれぞれw1、w2となるため、アパーチャの断面形状が円形の場合は、アパーチャの半径をw1またはw2以上とする必要があり、アパーチャの断面形状が略円形や楕円形の場合は、略円形または楕円形の中心または重心を通る最小半径をw1またはw2以上とする必要がある。また、アパーチャの断面形状が矩形の場合、2組の対向する辺それぞれがw1またはw2の2倍以上の長さである必要がある。加えてアパーチャの断面形状が多角形の場合、その内接円の半径をw1またはw2以上とする必要がある。
ここで、粒子分離流路110の末端以外の箇所に分岐部110A(図8に図示されていない)を複数設け、1以上の分岐流路105を設ける態様をとってもよい(図8(c))。分岐流路105は一方の流路壁面側のみに設けてもよいし、流路壁面の両側へ設けてもよい。また1以上の分岐流路105は、下流の回収流路102において同時に合流してもよく、徐々に合流する態様をとってもよい。
さらに、粒子分離流路110の分岐部110A(図10に図示されていない)の流体的に上流側に、粒子拡散流路110Bを形成してもよい(図10(b))。粒子拡散流路110Bの流体的な上流側が粒子導入流路101へと接続されており、流体的な下流側が分岐部110Aへと接続している。また、粒子導入流路101を用いない態様の場合は、粒子拡散流路110Bの流体的な上流側が直接インレットへと接続される。
粒子拡散流路110Bは、流体的な上流側から下流側へ向けて、流路の幅または高さ、もしくは両方が拡大していく構造をとることが好ましい。これは、粒子回収流路が、粒子拡散流路110Bの流路幅方向に複数存在するのか、高さ方向に複数存在するのかで好ましい態様が異なるが、一般的なフォトリソグラフィーとソフトリソグラフィーによるマイクロチップの流路形成技術を用いる場合、その作製の容易さという点で、流路の幅が拡大していく構造が好ましい。
この粒子拡散流路110Bでは、単位時間当たりの粒子のブラウン運動、つまり拡散距離がその粒子径の平方根に反比例することを利用し、粒子拡散流路110Bを粒子が流れていく際に、その粒子径に応じて粒子が流路の拡大する方向へ拡散するため、拡大した流路壁面付近では、粒子径の小さい粒子の存在確率が高くなり、濃縮効果が得られる。ここで、図10(b)の流路壁面aと粒子拡散流路壁面aの接続する角度θa、流路壁面bと粒子拡散流路壁面bの接続する角度θbは、流路幅を拡大させる点で180°未満である必要がある。また、流路壁面a、流路壁面bで囲まれる流路内の流速1m/秒以上となるような高流量の条件では、拡大部分での渦流れの発生が懸念されるため、1m/秒未満となるような比較的低流量な条件で送液をするか、角度θa、θbを90°よりも大きくすることが好ましい。一方で、粒子拡散流路110Bへ粒子が流入した際、粒子はその重さに応じて粒子が流れてきた方向(流体力学的な下流方向で、分岐部110Aが存在する方向)に慣性力を受ける。つまり、粒子の密度が同じ場合、粒子径の大きい粒子ほど流路中央に近づく方向に慣性力を受けるため、より流路壁面では粒子径の小さい粒子の存在割合が高くなり、HDFにおける更なる分離能向上へと寄与する。また、角度θa、θbは非対称でも良く、一方の壁面を略直線に接続し、対向する他方の壁面のみを180°未満の角度で拡大させて接続してもよい。
粒子分離流路110で用いる分離手法においてHDFを用いた場合、図8における粒子検出部103a、103bで検出できる粒子径範囲は、それぞれ全く同一でもよいが、広範な粒子径範囲を持つサンプルを測定するために異なる粒子径範囲を測定できるよう設定することが好ましく、その一部がお互いに重複している方が、分離しきれなかった粒子を検出でき、よりロバストな結果を得られる点でさらに好ましい。図8(a)に示したように、粒子回収流路102が2本の場合、粒子検出部103a、103bで検出できる粒子径範囲は、粒子検出部103aを大きい粒子径範囲にし、粒子検出部103bを小さい粒子径範囲に設定してもよく、その逆でも問題はない。但しHDFの理論に基づき、アパーチャが粒子により閉塞されないよう設定する必要がある。
粒子のカウント数からの濃度換算においては、各粒子回収流路102へ流れる流量は設定した送液部の流量と式(2)を用いて算出されるため、測定時間当たりの粒子のカウント数をこれで割ることにより、粒子濃度を算出する。
続いて、粒子分離流路110においてピンチドフローフラクショネーション(PFF)の原理を利用した流路を用いる場合の構成の一例を図11に示した。PFFの原理を利用した流路を用いる場合、粒子分離流路110は、分岐流路18a、分岐流路18b、狭窄流路16、及び拡大流路17を含む。粒子を含む流体100Pおよび粒子を含まない流体100Nを保持するインレット14a、14bはそれぞれ分岐流路18a、分岐流路18bと流体的に接続している。分岐流路18a、分岐流路18bはその下流で合流し、狭窄流路16の上流側へと流体的に接続される。その後、PFFの原理に基づいて狭窄流路16の下流と接続している拡大流路17で粒子が分離される。拡大流路17の流路幅は、所定の位置で一定となり、拡大流路17の下流で流体的に接続される回収流路102a、102bで粒子が回収され、回収流路の下流で接続される検出部103a、103bで粒子が検出される。ここで、回収流路は2本以上であれば何本設置してもよいが、流路の小型化、低コスト化の観点で5本以下にすることが好ましく、3本以下が最も好ましい。
また、非対称PFFの原理に基づいて、拡大流路17を形成してもよい。この場合、図12及び13に示される通り、拡大流路17にドレイン流路22を設置してもよく、粒子の分離能を向上させる点では、この態様がより好ましい。ドレイン流路22は、アウトレット23と接続されており、流体が排出又は回収される。ドレイン流路へは50%以上の流体が流れるよう設計することが好ましく、70%以上の流体が流れるよう設計することがさらに好ましい。
さらに、狭窄流路16と拡大流路17が接続する構造は、図11(c)や図13(b)に示すように流路幅が徐々に拡大するように構成してもよい。流路幅が徐々に拡大する場合、拡大流路の壁面17bが直線を描くように拡大して、スロープ40を形成してもよいし、曲線を描くように拡大してもよい。拡大流路17の流路幅が、段状に拡大するか又は直線的に拡大する場合、狭窄流路の壁面16a、16bと、当該壁面に続く拡大流路17の壁面17a、17bとの間の角度24a、24bにより、拡大流路を規定することができる。例えば、段状に拡大する場合の角度24a、24bは90°である。拡大流路17の壁面が、徐々に直線的に拡大する場合、角度24a、24bは、90°~180°で表される。拡大領域の壁面の角度24a、24bは、独立に90°~180°の間の任意の角度をとることができ、一例として、120°、135°、150°、180°をとることができる。ただし、狭窄流路壁面16bに対する拡大流路壁面17bの角度24bは90°又はそれ未満の場合であっても、それが部分的な構造で、実質的には徐々に拡大していくような構造であれば、大半の流体は徐々にアウトレット23の方向へ流れることから問題ない。
拡大流路17の下流に接続する複数の粒子回収流路102は、少なくとも2つ設けられる必要があり、測定したい粒子径範囲に応じてその数を任意に増やすことが好ましい。各粒子回収流路102は、少なくとも1つの粒子検出部103があり、複数設けてもよい。
拡大流路17は、HDFの項で記載した粒子拡散流路110Bとしての機能も持たせることで、さらに粒子の分離能を促進させる機能を付与させてもよいが、この場合は、拡大流路の長さは、粒子が拡散できる十分な長さを持つ必要があり、少なくとも1μm以上は必要となる。拡大流路17の流路長さは、拡大する流路幅と角度24a、24bにより任意の値に決定される。
また、拡大流路を用いず、狭窄流路16の下流に直接複数の粒子回収流路102を設けてもよい。
粒子分離流路110にPFFの原理を利用した流路を用いた場合、粒子は狭窄流路壁面16a側から16b側へ向けて存在しうる粒子の直径が大きくなっていくため、例えば図11(a)の場合、粒子検出部103aが小径粒子を検出し、粒子検出部103bが大径粒子を検出するようにアパーチャの断面積を設定すること好ましい。また、図11(c)の場合、粒子検出部103aが小径粒子を検出し、粒子検出部103cが中径粒子を検出し、粒子検出部103bが大径粒子を検出するようにアパーチャの断面積を設定することが好ましい。つまり、狭窄流路壁面16aに近い粒子検出部103ほど、小さい粒子を検出できるようアパーチャの断面積を設定することが好ましい。例えば、0.1~2.0μmの粒子を検出しようとする場合、図11(c)、図12、図13の場合、粒子検出部103aでは直径0.1~0.3μmの粒子を検出するためにアパーチャ断面積が0.4μm^2(幅1μm、高さ0.4μmの矩形状のもの、または半径0.36μmの円形状のもの)のものを設置し、粒子検出部103cでは直径0.2~0.8μmの粒子を検出するためにアパーチャ断面積が2μm^2(幅2μm、高さ1μmの矩形状のもの、または半径0.8μmの円形状のもの)のものを設置し、粒子検出部103bでは直径0.4~2.0μmの粒子を検出するためにアパーチャ断面積が14μm^2(幅3.5μm、高さ4μmの矩形状のもの、または半径2.1μmの円形状のもの)のものを設置してもよい。
また粒子分離流路110でPFFの原理を利用した流路を用いる場合、送液部により設定される流量は、0.1μL/hourから1mL/hourの間に設定することが好ましく、粒子を含まない流体100Nの流量が、粒子を含む流体100Pよりも2倍以上多いことが好ましい。粒子を含まない流体100Nの流量が、粒子を含む流体100Pよりも何倍以上であることが好ましいかについては、狭窄流路16の流路幅と分離したい粒子の直径に依存し、例えば、分離したい粒子の直径が狭窄流路16の流路幅の1/4であった場合、粒子を含まない流体100Nの流量が、粒子を含む流体100Pよりも3倍以上であることが好ましく、分離したい粒子の直径が狭窄流路16の流路幅の1/10であった場合、粒子を含まない流体100Nの流量が、粒子を含む流体100Pの流量よりも9倍以上であることが好ましい。つまり、PFFの原理に基づいて分離したい粒子の直径に対して、狭窄流路16の流路幅がN倍であった場合、粒子を含まない流体100Nの流量が、粒子を含む流体100PよりもN-1倍以上多いことが好ましい。前記流量比であれば、分離したい粒子は狭窄流路の壁面16aを滑流することになるため、PFFの原理に基づいた粒子分離が可能となる。
さらに、粒子分離流路110でPFFの原理を利用した流路を用いる場合において、粒子を含む流体100Pに含まれる粒子全てを狭窄流路壁面16aに滑流させる必要はなく、相対的に大きい粒子径を持つ粒子のみを狭窄流路壁面16aに滑流させてもよい。例えば図11(b)、図12、図13の場合、小粒径の粒子を検出する粒子検出部103aで検出できる最大粒子径以下の粒子を、狭窄流路壁面16aへ滑流させれば、最大粒子径以下の粒子が狭窄流路壁面16aに整列されなかったとしても、粒子検出部103aでその分布をESZの原理に基づいて作成することができる。すなわち、PFFで分離しきれなかった粒子がいたとしても、粒子検出部でその粒子径分布が作成できるため、ESZがPFFの分離能を補完するという優れた効果が得られる。
また、小粒径の粒子を検出する粒子検出部103aで検出できる最大粒子径以上の粒子までしか狭窄流路壁面16aへ滑流させられない流量条件下であっても、前述のHDFの理論に基づき、粒子検出部103aのアパーチャが閉塞する粒子径の粒子が流入しないよう流路抵抗を設定することで、本発明の目的としている広範な粒子径分布を持つサンプルの測定が可能となる。すなわち、PFFによる中粒径、大粒径粒子の分離と、HDFによる小粒径粒子の分離と、ESZによる精密な粒子径分布の作成により、広範な粒子径分布を持つサンプルの測定が可能になるという優れた効果が得られる。この時、PFFにおける拡大流路17が、前述の粒子拡散流路110Bの役割も併せて果たすため、単位時間あたりの拡散距離の大きい小粒径粒子の分離を促進させるという優れた効果が得られる。またこの態様において、小粒径粒子は粒子検出部103cにも流入し、場合によっては粒子検出部102bにも流入するため、粒子検出部103aへ流入してくる小粒径粒子は粒子サンプルを含む流体100Pの一部となる。その流入量は、粒子拡散流路110Bの役割を果たす拡大流路17の長さが、小粒径粒子が拡散するのに十分な距離であれば、粒子回収流路102aとその下流の流路構造から算出される流量に比例するため、その算出された値から定量することができる。ここで、拡大流路17の長さにおける「小粒径粒子が拡散するのに十分な距離」とは、粒子を含まない流体100Nの流量と粒子を含む流体100Pの流量の和が0.1μL/hourから1mL/hourの範囲であれば、1μm以上が好ましく、より好ましくは100μm以上が好ましい。
粒子分離流路110で用いる分離手法において、DLD(決定論的側方変位法)、ディーン力または慣性力による粒子分離の原理を用いる場合、粒子導入流路101は少なくとも1本が必要であり、より安定した分離を行うために複数本導入し、そのうちの1つからサンプルを導入し、残りの粒子導入流路101から粒子を含まない流体を導入させてもよい。
粒子分離流路110で用いる分離手法において、電場による粒子分離を行う場合、分離流路内に、流体の流れに対して垂直方向に一対の電極を配置した流路構造とすることが好ましい。この時、粒子はその大きさだけでなく、流体中での表面電荷も分離の要素に入るため、粒子回収流路102内またはその下流の粒子検出部103はそれを考慮した設計とする必要がある。
粒子分離流路110で用いる分離手法において、磁場による粒子分離を行う場合、分離流路内または分離流路外に、流体の流れに対して垂直方向に一対の磁場発生部品、また磁場発生装置を配置する構成とすることが好ましい。この時、粒子はその大きさだけでなく、粒子の磁性も分離の要素に入るため、粒子回収流路102内またはその下流の粒子検出部103はそれを考慮した設計とする必要がある。
粒子分離流路110で用いる分離手法において、表面弾性波や音響泳動による粒子分離を行う場合、分離流路内または分離流路外に、流体の流れに対して垂直方向に一対の音響トランスデューサ―を配置した流路構造とすることが好ましい。この時、粒子はその大きさだけでなく、粒子の剛性や密度も分離の要素に入るため、粒子回収流路102内またはその下流の粒子検出部103はそれを考慮した設計とする必要がある。
粒子検出流路62は、ESZ以外の原理に基づいた構造とすることもでき、例えば、ナノトラッキングアナリシス、DLS、散乱光検出、レーザー回折散乱法、共振式質量測定法、光遮蔽法、顕微鏡観察法、フローサイトメトリーを用いることが出来る。
また本発明は、製剤の過程で生じたナノ粒子医薬品中の粒子や凝集体、会合体、融合体を検出することにより、粒子径分布、平均粒径、モード径、中間粒子径、各粒子の体積割合、濃度、個数、積算濃度、積算個数のうち少なくとも1つのパラメーターまたは前記パラメーターの経時変化を測定することが可能である。この測定結果を基に、ナノ粒子医薬品の安定性、安全性、凝集・会合・融合に関わる物理特性の評価することが可能である。また、ナノ粒子医薬品に対して加熱、加圧、攪拌、振動、懸濁溶液組成の変更、凍結融解等のストレスを加えることで意図的にナノ粒子医薬品中の粒子の凝集体や会合体、融合体を生成させ、ナノ粒子医薬品の安定性、安全性、凝集・会合・融合に関わる物理特性の評価を行ってもよい。
ここで経時変化とは、時間の経過とともにナノ粒子医薬品またはその候補となる物質の粒子径、体積またはその個数が変化すること以外に、ナノ粒子医薬品の製剤過程またはその候補となる物質の製造過程で施される処理前後での前記変化も含むこととする。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
粒子検出装置の製造
図15で示されるマイクロチップ10を、一般的なフォトリソグラフィーとソフトリソグラフィー技術を用いて作製した。具体的な手順を以下に示す。
4インチベアシリコンウェハ(株式会社フィルテック)上へ、フォトレジストSU-8 3005(Microchem社)を滴下後、スピンコーター(MIKASA社)を用いてフォトレジスト薄膜を形成した。この時、目的膜厚に応じて、SU-8 3005へ希釈剤Cyclopentanone(東京応化工業社)を添加した。続いて、マスクアライナー(ウシオ電機社)と、任意のパターンを形成したクロムマスクを用いて流路パターンをフォトレジスト膜へ形成し、SU-8Developer(Microchem社)を用いて流路パターンを現像することで、用いたい流路の鋳型を作製した。
続いて、作製した鋳型へ、未硬化のLSR7070FC(モメンティブパフォーマンス社)を流し込み、80℃で2時間加熱することで、流路の形状を転写されたポリジメチルシロキサン(PDMS)を作製した。硬化したPDMSを鋳型から慎重に剥がし、カッターで任意の大きさに成形後、パンチャーを用いて流路のインレット、アウトレットを形成した。剥離したPDMSとスライドガラス(松浪ガラス社)を酸素プラズマ発生装置(メイワフォーシス社)で表面処理後、PDMSとスライドガラスを貼り合わせることでマイクロチップ10を作製した。
流路13の高さは粒子検出部103a、粒子検出部103c以外すべて5.5μmとし、流路13の端部に、基板11の上面に貫通するインレット14a、14b、アウトレット104a、104a’、104b、104b’、104c、104c’、23(それぞれ穴の径2mm)を設けた。流路13は、分岐流路18a(幅20μm、長さ1.5mm)、分岐流路18b(幅40μm、長さ500μm)、狭窄流路16(幅6μm、長さ20μm)、拡大流路17(拡大角度135度、最大拡大時流路幅600μm、長さ0.5mm)、ドレイン流路22(幅500μm、長さ1.7mm)、粒子回収流路102a(幅75μm、長さ4mm)、粒子回収流路102c(幅140μm、長さ7.5mm)、粒子回収流路102b(幅512μm、長さ3.75mm)とした。また、粒子検出部102aの2つのアパーチャは、どちらも幅1.6μm、高さ0.6μm、長さ2.5μmとし、粒子検出部102cの2つのアパーチャは、どちらも幅2.6μm、高さ1.2μm、長さ3μmとし、粒子検出部102bの2つのアパーチャは、どちらも幅5.8μm、高さ5.5μm、長さ10μmとした。各粒子検出部の形状は図14と同様であり、また式(1)において算出されるk値は、アパーチャ抵抗と、アパーチャから電極が挿入されているアウトレットまでの流路の抵抗比から、3.0とした。
電気検出実施例
作製したマイクロチップ10は、基板上へ載置され、マイクロチップ10内の複数の粒子検出部103へ電極を接続した。電極は一対の白金線より構成され、一方の電極は導線を介してプログラマブル電流増幅器CA5350(エヌエフ回路社)へ接続され、ADコンバーターを介してPCへと接続され、送信されてきたデジタルの信号をLabViewにより解析した。また粒子検出部103へ接続される電極のもう一方は9Vの乾電池へ導線を介して接続した。
各インレットは、テフロンチューブを介してプレッシャーポンプP-PumpBasic(Dolomite社)へ接続し、一定の流量で送液した。
大粒子検出装置の製造
クロムマスクのパターンとスピンコーターを用いた薄膜形成条件が異なる点以外は上述の粒子検出装置と同様にして大粒子検出用マイクロチップを作製した。この時、流路13の高さは粒子検出部103a、粒子検出部103c以外すべて15μmとして設計し、流路13は、狭窄流路16(幅20μm、長さ60μm)、拡大流路17(拡大角度135度、最大拡大時流路幅570μm、長さ1.25mm)、ドレイン流路22(幅545μm、長さ1.4mm)、粒子回収流路102a(幅75μm、長さ4mm)、粒子回収流路102c(幅140μm、長さ7.5mm)、粒子回収流路102b(幅350μm、長さ3.7mm)とした。また、粒子検出部102aの2つのアパーチャは、どちらも幅2μm、高さ2.5μm、長さ10μmとし、粒子検出部102cの2つのアパーチャは、どちらも幅4μm、高さ5μm、長さ10μmとし、粒子検出部102bの2つのアパーチャは、どちらも幅15μm、高さ15μm、長さ10μmとした。
サンプル調製
(1)未処理サンプル
直径0.3μmリポソーム(片山化学工業)を、ポアサイズ0.1μmのシリンジフィルター(メルクミリポア社製)を用いて異物除去を行った、0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液(リン酸緩衝液)で10000倍希釈した。
(2)処理済サンプル
上述の直径0.3μmリポソームを上述の0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液で100倍に希釈後、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)処理(121℃、2気圧、20分)を施し、0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液でさらに100倍希釈した。
(3)未処理抗体医薬品
ポアサイズ0.1μmのシリンジフィルター(メルクミリポア社製)を用いて異物除去を行った、0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液(リン酸緩衝液)で、市販の抗体医薬品A、B、Cをそれぞれ1mg/mLの濃度となるよう希釈した。
(4)経時変化検証用の加熱処理済抗体医薬品
抗体医薬品Cを、製剤の状態で60℃30分の加熱処理を行い、室温で10分放置後、0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液で1mg/mLの濃度となるよう希釈し、希釈した時間を処理後0分とした。
(5)抗体凝集体量比較用の加熱処理済抗体医薬品
抗体医薬品A、B、Cを、それぞれ0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液で1mg/mLの濃度となるよう希釈し、68℃30分の加熱処理を行った。
(6)示差走査熱量計測定用抗体医薬品
抗体医薬品A、B、Cを、それぞれ0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液で15時間透析を行った。
(7)未処理リポソーム製剤
アムビソーム(登録商標、大日本住友製薬)を、メーカー指定のプロトコルにて調製した後、0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBS溶液で100倍希釈した。
(8)保管リポソーム製剤
上述の未処理リポソーム製剤を40℃で10日間保管した。
(実施例1)
上述のマイクロチップ10を用い、インレット14aへ調製した処理済サンプルを2.4μL/hourの流量で送液し、インレット14bへ0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBSを10μL/hourの流量で送液した。続いて、上述の電気検出実施例に基づき3つの各粒子回収流路102へ流入した粒子を1分間検出し、測定結果を1つのヒストグラムへまとめると図16の通りとなった。この時、リポソームは比重1.05μg/mLの真球として重量濃度換算(μg/mL)し、ヒストグラムとしてまとめた。
未処理サンプルについても同様にして実験を行い、得られた測定結果を1つのヒストグラムへまとめると図17の通りとなった。
両者を比較すると、処理済サンプルでのみ0.5μm以上の領域に凝集体または融合体とみられる大粒子の分布が見られ、オートクレーブ処理によりリポソームの凝集体または融合体が発生していることが確認できた。
(比較例1)
処理済サンプルを、AggregatesSizer(島津製作所社)により測定を行い、図18に示す測定結果が得られた。また、未処理サンプルも同様に測定を行い、図19に示す測定結果が得られた。なお、AggregatesSizerは、粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めるレーザー回折・散乱法を測定原理としており、粒子径に応じた粒子の分離は行っていない。
両者を比較すると、直径0.5μm以上の粒子径分布に大きな差がないことから、本手法では僅かに存在するリポソームの凝集体または融合体を検出することは難しいことが確認された。
(実施例2)
上述のマイクロチップ10を用い、インレット14aへ調製した経時変化検証用の加熱処理済抗体医薬品(処理後0分)を2.4μL/hourの流量で送液し、インレット14bへ0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBSを10μL/hourの流量で送液した。続いて、上述の電気検出実施例に基づき3つの各粒子回収流路102へ流入した粒子を1分間検出し、測定結果を1つのヒストグラムへまとめると図20(a)の通りとなった。この時、抗体凝集体は比重1.32μg/mLの真球として重量濃度換算(μg/mL)し、ヒストグラムとしてまとめた。さらに、処理後10分、120分の前記加熱処理済抗体医薬品についても同様に測定を行ったところ、各々図20(b)、(c)の通りとなり、抗体凝集体量とピークトップ位置が経時的に増大していく様子を観察した。
また、未処理抗体医薬品についても同様にして実験を行ったところ、粒子の検出はほぼなく、未処理のものに関しては抗体凝集体または不純物は殆ど存在しないことを確認した。
(比較例2)
経時変化検証用の加熱処理済抗体医薬品の処理後0分、10分、120分のサンプルを、比較例1と同様にして測定を行い、図21(a)~(c)に示す測定結果が得られた。これより、レーザー・回折散乱法においても抗体凝集体の経時変化を観察可能であることを確認した。しかしながら、ピーク幅が実施例2と比較してブロードであり、定量的な測定は難しいといえる。
(実施例3)
上述のマイクロチップ10を用い、インレット14aへ調製した抗体凝集体量比較用の加熱処理済抗体医薬品A、B、Cを2.4μL/hourの流量で送液し、インレット14bへ0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBSを10μL/hourの流量で送液した。続いて、上述の電気検出実施例に基づき3つの各粒子回収流路102へ流入した粒子を1分間検出し、測定結果を1つのヒストグラムへまとめると図22(a)~(c)の通りとなった。この時、抗体凝集体は比重1.32μg/mLの真球として重量濃度換算(μg/mL)してヒストグラムとしてまとめた。また、積算した抗体凝集体量は、抗体医薬品Aは7.3μg/mL、抗体医薬品Bは2.1μg/mL、抗体医薬品Cは0.74μg/mLとなった。
図22の通り、抗体医薬品の種類により、生成する抗体凝集体の分布や量が異なる様子を確認した。
(比較例3)
抗体凝集体量比較用の加熱処理済抗体医薬品A、B、Cを、比較例1と同様にして測定を行い、図23に示す測定結果が得られた。これより、レーザー・回折散乱法においても異なる抗体医薬品における抗体凝集体の分布や量の違いを確認できるものの、図23(c)の抗体医薬品Cに関しては抗体凝集体を検出できず、正確な測定は難しいことが確認された。
(参考例1)
示差走査熱量計測定用抗体医薬品A、B、Cについて、示差走査熱量計MicroCal(マルバーン社)により各々の抗体の熱安定性を測定した結果を図24に示す。それぞれの吸熱ピークトップの位置は、抗体医薬品Aは72.3℃、Bは72.8℃、Cは75.0℃となり、熱安定性は抗体医薬品Cが最も高く、続いて抗体医薬品Bの安定性が高く、最も安定性が低いのは抗体医薬品Cと解釈される結果が得られた。
実施例3と参考例1の結果より、抗体医薬品の熱安定性が低いものほど抗体凝集体量が多いことが確認され、前記熱安定性と抗体凝集体量とが相関する様子を確認できた。従って、本発明を用いて抗体医薬品の安定性評価が可能であることを見出した。
(実施例4)
上述のマイクロチップ10を用い、インレット14aへ調製した未処理リポソーム製剤を3.6μL/hourの流量で送液し、インレット14bへ0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBSを800mbarの圧力で送液した。続いて、上述の電気検出実施例に基づき、粒子回収流路102aへ流入した粒子を2分間、粒子回収流路102cへ流入した粒子を4分間、粒子回収流路102bへ流入した粒子を100秒間検出した。
また、大粒子検出用マイクロチップを用い、インレット14aへ調製した未処理リポソーム製剤を16μL/hourの流量で送液し、インレット14bへ0.05%(v/v)ツイーン20含有の1×PBSを400mbarの圧力で送液した。続いて、上述の電気検出実施例に基づき、粒子回収流路102aへ流入した粒子を2分間、粒子回収流路102cへ流入した粒子を4分間、粒子回収流路102bへ流入した粒子を4分間検出した。
マイクロチップ10において検出した直径0.5μm未満の粒子と、大粒子検出用マイクロチップにおいて検出した直径0.5μm以上の粒子の測定結果をヒストグラムにまとめると図25(a)の通りとなった。この時、リポソームは比重1.05μg/mLの真球として重量濃度換算(μg/mL)し、ヒストグラムとしてまとめた。
図25(a)の通り、前記未処理リポソーム製剤は数十nmから数μmの幅広い分布を持つためマイクロチップ10の他、より大径粒子の測定が可能な大粒子検出用マイクロチップを併用し、0.5μm未満の粒子についてはマイクロチップ10での測定結果を、0.5μm以上の粒子については大粒子検出用マイクロチップでの測定結果を用いることで、図25(a)に示すヒストグラムを得た。
さらに、同様にして保管リポソーム製剤を測定し、図25(b)に示すヒストグラムを得た。
両者を比較すると、0.5μm以上の領域に凝集体または融合体とみられる大粒子の分布が双方見られ、さらに保管リポソーム製剤においては、前記凝集体または融合体の量が0.6μg/mLから1.2μg/mLへ増加していることが確認できた。
(比較例4)
未処理リポソーム製剤と保管リポソーム製剤を動的光散乱法(大塚電子工業、ゼータ電位・粒径測定システム)を用いて測定し、図26(a)、(b)に示す測定結果が得られた。なお、動的光散乱法は、粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる散乱光強度の時間変化から計算によって粒子径分布を求める手法であり、粒子径に応じた粒子の分離は行っていない。また、動的光散乱法はリポソーム製剤の粒子径測定時に一般に用いられる手法で、厚生労働省から発行されているリポソーム製剤の開発に関するガイドラインにおいても、主たる粒子径分布測定方法として記載されているため、比較例として用いた。
なお、図26より動的光散乱法においては凝集体または融合体とみられる大粒子の分布が双方見られないことから、前記凝集体または融合体の検出が難しいことが確認された。
10 マイクロチップ
11 基板
13 流路
14、14a、14b インレット
16 狭窄流路
16a サンプル液側狭窄流路壁面
16b シース液側狭窄流路壁面
17 拡大流路
17a サンプル液側拡大流路壁面
17b シース液側狭拡大路壁面
18a、18b 入口側分岐流路
19 拡大開始点
21 領域
22 ドレイン流路
23 アウトレット
24a、24b 角度
40 スロープ部分
50 粒子
51 粒子の流れる方向
52 アパーチャ形成構造
53 アパーチャ
54、54a、54b 電極
55 導線
56 電気測定器
57 電源
58 導電性溶液
59 電極挿入口
60 中継流路
61 解析部
62 粒子検出流路
100 流体
100P 流体
100N 流体
101 粒子導入流路
102a~c 粒子回収流路
103a~c 粒子検出部
104a~c アウトレット
110 粒子分離流路
110A 分岐部
110B 粒子拡散流路

Claims (5)

  1. ナノ粒子医薬品中に含まれる粒子を検出する方法であって、
    粒子をその粒子径に応じて流体の流れに対して垂直方向へ分離し、
    分離された粒子を2以上の流路に分断し、
    前記流路に設置されたアパーチャを挟んで配置された電極を含む電気検出器で前記粒子を検出し、
    前記アパーチャの断面積が異なることで、前記電気検出器で検出できる粒子径範囲が異なることを特徴とする、前記方法。
  2. 前記電気検出器の検出できる粒子径範囲の一部が重複していることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記流路の本数、分岐部の形状、幅、高さ、長さのうち少なくとも1つのパラメーターが調整され、ある一定以上の大きさの粒子が混入しない流路構造とすることで、粒子を2以上の流路に分断することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. ピンチドフローフラクショネーションの原理を利用して、粒子を分離することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の方法でナノ粒子医薬品中の粒子、凝集体、会合体、融合体のうち少なくとも1つを検出し、
    粒子径分布、平均粒径、モード径、中間粒子径、各粒子の体積割合、濃度、個数、積算濃度、積算個数のうち少なくとも1つのパラメーターまたは前記パラメーターの経時変化を測定する方法。
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