特許法第30条第2項適用 証拠書類A:開示1に関する頒布文書 証拠書類B:開示2に関する発表内容 証拠書類C:開示3に関する要約 証拠書類D:開示4に関するスライド 証拠書類E:開示5に関するウェブサイト 証拠書類F:開示4に関するウェブサイト
本開示の特定の態様は、より詳細が以下に記載される。本出願で使用され、本明細書で明らかとなる用語及び定義は、本開示内における意味を表すことを意図する。
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈によってそうでない旨が示されない限り、複数の表示内容を含む。
用語「およそ」及び「約」は、表示された数又は値とほぼ同一であることを意味する。本明細書で使用するとき、用語「およそ」及び「約」は、特定の量、頻度、又は値の±5%を包含することを一般に理解されたい。
用語「処置する」、「処置すること」、及び「処置」は、ヒト又は非ヒト哺乳動物に恩恵を与え得る任意の治療的適用を含む。ヒト及び獣医学的な処置の両方とも、本開示の範囲内である。処置は、既存の状態に対して応答性であり得るか又は予防的、すなわち予防用であり得る。
用語「投与する」、「投与」及び「投与すること」とは、本明細書で使用するとき、(1)健康指導医又はその医師に委任された者又はその医師の指示下のいずれかにより、本開示による化合物又は組成物を提供すること、与えること、投薬すること及び/又は処方すること、並びに(2)ヒトの患者又はその本人、又は非ヒト哺乳動物により、本開示による化合物又は組成物が取り込まれること、摂取されること又は消費されることを表す。
用語「薬学的有効量」とは、所望の薬理学的及び/又は治療的な効果を達成するのに十分な量、すなわち、その意図された目的に対して効果的な本開示の化合物の量を意味する。個々の対象/患者の必要性は異なり得るが、本開示の化合物の有効量に対する最適範囲の決定は、当技術分野の範囲内である。一般に、ここに開示される化合物を用いた、疾患及び/又は状態の処置に関する投薬レジメンは、対象/患者のタイプ、年齢、体重、性別、食餌、及び/又は医療状態などの様々な要因に応じて決定し得る。
用語「医薬組成物」とは、医療的使用に好適な任意の形態の、本開示による化合物を意味する。
式(I)の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はこれらの混合物を含む様々な立体異性体で存在し得る。本発明は、式(I)の化合物の全ての光学異性体及びこれらの混合物を包含することが理解されよう。このため、ジアステレオマー、ラセミ体及び/又はエナンチオマーとして存在する式(I)の化合物は、本開示の範囲内である。
本開示は、必要とする対象においてアポリポタンパク質C-III(アポC-III)mRNA又はタンパク質を低減する方法であって、薬学的有効量の式(I)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを対象に投与することを含み、
式中、R
1及びR
2は、水素原子又は直鎖、分岐、及び/若しくは環式C
1~C
6アルキル基から独立して選択され、但しR
1及びR
2が両方とも水素であることはない、方法に関する。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、必要とする対象においてアポリポタンパク質C-III(アポC-III)mRNA又はタンパク質を低減するための、薬学的有効量の式(I)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルの使用であって、
式中、R
1及びR
2は、水素原子又は直鎖、分岐、及び/若しくは環式C
1~C
6アルキル基から独立して選択され、但しR
1及びR
2が両方とも水素であることはない、使用に関する。
少なくとも1つの実施形態では、R1及びR2は、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基及びイソプロピル基から選択される。
少なくとも1つの実施形態では、R1及びR2は、水素原子、メチル基、及びエチル基から選択される。
少なくとも1つの実施形態では、R1及びR2の一方は水素原子であり、R1及びR2の他方はC1~C3アルキル基から選択される。1つの実施形態では、R1及びR2の一方は水素原子であり、R1及びR2の他方はメチル基又はエチル基から選択される。
少なくとも1つの実施形態では、本化合物は、エナンチオマー(R若しくはS)、ジアステレオマー、又はこれらの混合物などのその様々な立体異性体で存在する。
少なくとも1つの実施形態では、本化合物は、ラセミ体で存在する。
式(I)の化合物が、少なくとも1個の不斉中心を有する対イオンの塩、又は少なくとも1個の不斉中心を有するアルコールのエステルである場合は、本化合物は、複数の立体中心を有し得る。これらの状況では、本開示の化合物は、ジアステレオマーとして存在し得る。したがって、少なくとも1つの実施形態では、本開示の化合物は、少なくとも1種のジアステレオマーとして存在する。
少なくとも1つの実施形態では、本開示の化合物は、2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタン酸である。
少なくとも1つの実施形態では、本開示の化合物は、式:
少なくとも1つの実施形態では、疾患又は状態は、高トリグリセリド血症(HTG)、高カイロミクロン血症、脂質異常症、及び膵炎のいずれか、並びに心血管疾患若しくは代謝異常、又はこれらの症状の1種以上の予防及び/若しくは処置におけるものから選択される。1つの実施形態では、疾患又は状態は、高カイロミクロン血症、膵炎のいずれか、並びに心血管疾患若しくは代謝異常、又はこれらの症状の1種以上の予防及び/若しくは処置におけるものから選択される。1つの実施形態では、疾患又は状態は、高カイロミクロン血症及び膵炎のいずれかから選択される。
式(I)の化合物は、例えば、2010年5月7日に出願されたPCT出願第WO2010/128401号に記載されるように、かつ以下の実施例1-23に基づいて、調製し得る。
実施例1-23は、例示的なものであり、当業者は、これらの一般的な方法を適用して、式(I)の範囲内の他の化合物に到達するための方法を理解するであろう。本開示の化合物は、薬学的に許容される塩又はエステルの形態であり得る。例えば、式(I)の化合物は、リン脂質、グリセリド又はC1~C6-アルキルエステルなどのエステルの形態であり得る。少なくとも1つの実施形態では、エステルはグリセリド又はC1~C6-アルキルエステルから選択される。少なくとも1つの実施形態では、エステルは、トリグリセリド、1,2-ジグリセリド、1,3-ジグリセリド、1-モノグリセリド、2-モノグリセリド、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、n-ブチルエステル及びtert-ブチルエステルから選択される。少なくとも1つの実施形態では、式(I)の化合物は、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、n-ブチルエステル又はtert-ブチルエステルとして、例えばメチルエステル又はエチルエステルとして存在する。式(I)により表されるエステル(すなわち、エチルエステル及びブチルエステル)が、消化管内で迅速に加水分解されることが、生体関連の媒質におけるインビトロの消化研究により証明された。
本開示に好適な塩として、NH4+の塩;Li+、Na+、K+、Mg2+、又はCa2+などの金属イオン;tert-ブチルアンモニウム、(3S,5S,7S)-アダマンタン-1-アンモニウム、1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-アンモニウム、プロトン化アミノピリジン(例えば、ピリジン-2-アンモニウム)などのプロトン化第一級アミン;ジエチルアンモニウム、2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシ-N-メチルヘキサン-1-アンモニウム、N-エチルナフタレン-1-アンモニウムなどのプロトン化第二級アミン、4-メチルモルホリン-4-イウムなどのプロトン化第三級アミン、2-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチルエタン-1-アミニウムなどのプロトン化第四級アミン及びアミノ((4-アミノ-4-カルボキシブチル)アミノ)メタンイミニウムなどのプロトン化グアニジン又は1H-イミダゾール-3-イウムなどのプロトン化複素環が挙げられるが、これらに限定されない。好適な塩の更なる例として、エタン-1,2-二アンモニウム又はピペラジン-1,4-ジイウムなどのジプロトン化ジアミンの塩が挙げられる。本開示による他の塩は、プロトン化キトサンを含み得る。
少なくとも1つの実施形態では、塩はナトリウム塩、カルシウム塩、及びコリン塩から選択される。
本開示は、必要とする対象においてアポC-IIIを低減する方法であって、薬学的有効量の式(I)の化合物を対象に投与することを含む方法を提供する。対象は、ヒト又は非ヒト哺乳動物であってもよい。ここに開示される化合物は、医薬組成物におけるなどの医薬として投与し得る。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、薬学的有効量の式(I)の化合物を対象に投与することによる、スタチン療法中で、約200mg/dl~約499mg/dlのベースラインの空腹時トリグリセリドを有する対象のアポC-IIIレベルを低減する方法に関する。別の実施形態では、本開示は、スタチン療法中で、約200mg/dl~約499mg/dlのベースラインの空腹時トリグリセリドを有する対象のアポC-IIIレベルを低減するための医薬の製造における、薬学的有効量の式(I)の化合物の使用に関する。アポC-IIIレベルは、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%又は少なくとも約35%低減し得る。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、薬学的有効量の式(I)の化合物を対象に投与することによる、約200mg/dl~約499mg/dlのベースラインの空腹時トリグリセリドを有する対象のアポC-IIIレベルを低減する方法に関する。別の実施形態では、本開示は、約200mg/dl~約499mg/dlのベースラインの空腹時トリグリセリドを有する対象のアポC-IIIレベルを低減するための医薬の製造における、薬学的有効量の式(I)の化合物の使用に関する。アポC-IIIレベルは、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%又は少なくとも約35%低減し得る。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、薬学的有効量の式(I)の化合物を対象に投与することによる、スタチン療法中で、500mg/dl超のベースラインの空腹時トリグリセリドを有する対象のアポC-IIIレベルを低減する方法に関する。別の実施形態では、本開示は、スタチン療法中で、500mg/dl超のベースラインの空腹時トリグリセリドを有する対象のアポC-IIIレベルを低減するための医薬の製造における、薬学的有効量の式(I)の化合物の使用に関する。アポC-IIIレベルは、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%又は少なくとも約40%低減し得る。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、薬学的有効量の式(I)の化合物を対象に投与することによる、500mg/dl超のベースラインの空腹時トリグリセリドを有する対象のアポC-IIIレベルを低減する方法に関する。別の実施形態では、本開示は、500mg/dl超のベースラインの空腹時トリグリセリドを有する対象のアポC-IIIレベルを低減するための医薬の製造における、薬学的有効量の式(I)の化合物の使用に関する。アポC-IIIレベルは、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%又は少なくとも約40%低減し得る。
本開示はまた、薬学的有効量の式(I)の化合物を対象に投与することによる、少なくとも2.5mmol/L(約97mg/dl)の空腹時LDL-コレステロールをベースラインとする対象のアポC-IIIレベルを低減する方法にも関する。別の実施形態では、本開示は、少なくとも2.5mmol/L(約97mg/dl)の空腹時LDL-コレステロールをベースラインとする対象のアポC-IIIレベルを低減するための医薬の製造における、薬学的有効量の式(I)の化合物の使用に関する。アポC-IIIレベルは、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%又は少なくとも約40%低減し得る。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、必要とする対象においてアポC-IIIを低減する方法であって、例えばスタチン及び式(I)の化合物などの脂質異常症薬剤の薬学的有効量を対象に投与することを含む、方法に関する。
ここに開示される組成物は、少なくとも1種の式(I)の化合物及び任意選択で少なくとも1種の非活性医薬成分、すなわち、賦形剤を含み得る。非活性成分は、活性成分が安全で、簡便であり、かつ/又はそうでない場合は使用に許容可能であるように、活性成分を、可溶化し、懸濁し、増粘し、希釈し、乳化し、安定化し、保存し、保護し、着色し、香り付けをし、かつ/又は適用可能で効果的な調製に適合させ得る。賦形剤の例として、溶媒、担体、希釈剤、結合剤、充填剤、甘味料、芳香剤、pH調整剤、粘度調整剤、抗酸化剤、増量剤、保水剤、崩壊作用剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤、滑沢剤、着色剤、分散剤、及び防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。賦形剤は、2種以上の役割若しくは機能を有し得て、又は2種以上の群に分類され得て;分類は単に説明的なものであり、限定することを意図するものではない。いくつかの実施形態では、例えば、少なくとも1種の賦形剤は、トウモロコシデンプン、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、エタノール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース、及び硬質脂肪などの脂肪性物質又は好適なこれらの混合物から選択し得る。いくつかの実施形態では、ここに開示される組成物は、少なくとも1種の式(I)の化合物並びに少なくとも1種の薬学的に許容される抗酸化剤、例えば、アルファ-トコフェロール、ベータ-トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、及びデルタ-トコフェロールなどのトコフェロール、又はこれらの混合物、2-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール及び3-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソールなどのBHA、又はこれらの混合物並びにBHT(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン)、又はこれらの混合物を含む。
ここに開示される組成物は、経口投与の形態、例えば、錠剤又はゼラチンのソフト又はハードのカプセル剤に製剤し得る。剤形は、球形、楕円形、楕円体、立方体状、規則的かつ/又は不規則的な形状などの経口投与に好適な任意の形状であり得る。当技術分野で知られている従来の製剤技術を使用して、本開示による化合物を製剤し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、ゼラチンカプセル剤又は錠剤の形態であり得る。
式(I)の化合物の好適な1日投薬量は、約5mg~約2gの範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、1日用量は、約50mg~約1g、約100mg~約1g、約50mg~約800mg、約100mg~約800mg、約100mg~約600mgの範囲である。少なくとも1つの実施形態では、1日用量は、約200mg~約600mgの範囲である。化合物は、例えば、1日当たり1回、2回、又は3回投与し得る。少なくとも1つの実施形態では、式(I)の化合物は、1用量当たり約200mg~約800mgの範囲の量で投与する。少なくとも1つの実施形態では、式(I)の化合物は、1日当たり1回投与する。
本発明者らは、2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタン酸などの式(I)の化合物は、著しく良好な医薬活性を有することを見出した。驚いたことに、ここに開示される式(I)の化合物は、EPA及びDHAなどの自然起源のオメガ-3脂肪酸と比較して、アポC-IIIを低減するための改善された生物活性を示す。
いくつかの実施形態では、例えば、式(I)の化合物は、血漿中又は肝臓中のアポC-IIIの中央値レベルをベースラインに対して少なくとも25~30%低減し得る、すなわち、入手可能なEPA/DHA/DPAの組合せを用いて達成されるものより大きく減少させ得る。式(I)の化合物は、前臨床モデルにおいて、肝性アポC-IIImRNAを減少させる(したがって、おそらく肝性の産生/分泌も減少させる)ことが示されているので、アポB粒子の肝取り込みの増加を介してアポC-IIIを低減する、例えばスタチン又はPCSK-9阻害剤のような脂質低下剤の追加により、更なる血漿アポC-IIIの低下効果を発揮することが期待され得る。
[実施例]
本開示は、以下の非限定的な実施例により更に説明することができ、実施例においては、当業化学者に公知の標準的技術及びこれらの実施例に記載される技術と類似の技術を、適切な場合には使用し得る。当業者であれば本明細書において提供される開示と矛盾しない更なる実施形態を考えつくことになることがわかる。
特に明記されない限り、反応は、室温で、典型的には18~25℃の範囲で、HPLCグレードの溶媒を用いて無水条件下で行った。蒸発は、真空中でロータリーエバポレーションにより行った。カラムクロマトグラフィーは、シリカゲルでフラッシュ法により実施した。核磁気共鳴(NMR)のシフト値は、Bruker Avance DPX200若しくは300、又はAVII400装置で記録し、多重ピークは以下のように記載した:s、1重線;d、2重線;dd、2重の2重線;t、3重線;q、4重線;p、5重線;m、多重線;br、広幅。質量スペクトルは、Gl956A質量分析計(エレクトロスプレー、3000V)を用い、正及び負のイオン化モードに切り替えて記録した。報告する収率は例証的なものであり、必ずしも達成し得る最大収率を表すわけではない。
[実施例1]
tert-ブチル2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタノエートの調製:
塩化テトラブチルアンモニウム(0.55g、1.98mmol)を、トルエン(35mL)中の(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-オール(3.50g、12.1mmol)の溶液に、室温、窒素下で添加した。水酸化ナトリウム水溶液(50%(w/w)、11.7mL)を、強く撹拌しながら室温で添加し、続いてt-ブチル2-ブロモブチレート(5.41g、24.3mmol)を添加した。得られた混合物を50℃に加熱し、追加のt-ブチル2-ブロモブチレートを、1.5時間後に(2.70g、12.1mmol)、3.5時間後に(2.70g、12.1mmol)及び4.5時間後に(2.70g、12.1mmol)添加し、合計12時間撹拌した。室温まで冷却した後、氷水(25mL)を添加し、得られた2相を分離した。有機相を、NaOH(5%)と塩水の混合物で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(100:0から95:5へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として1.87g(36%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCI3): δ 0.85-1.10 (m, 6H), 1.35-1.54 (m, 11H), 1.53-1.87 (m, 4H), 1.96-2.26 (m, 4H), 2.70-3.02 (m, 8H), 3.31 (dt, 1H), 3.51-3.67 (m, 2H), 5.10-5.58 (m, 10H).
[実施例2]
2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタン酸(化合物A)の調製:
tert-ブチル2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタノエート(19.6g、45.5mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解し、窒素下に置いた。トリフルオロ酢酸(50mL)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。水を添加し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタン、酢酸エチル及びギ酸の混合物(90:10:1から80:20:1へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーを施した。適切な画分の濃縮により、油状物として12.1g(71%収率)の標題化合物を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.90-1.00 (m, 6H), 1.50 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.80 (m, 2H), 2.10 (m, 4H), 2.80-2.90 (m, 8H), 3.50 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.75 (t, 1H), 5.30-5.50 (m, 10H); MS (エレクトロスプレー): 373.2 [M-H]-.
[実施例3]
(4S,5R)-3-((S)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタノイル)-4-メチル-5-フェニルオキサゾリジン-2-オン及び(4S,5R)-3-((R)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタノイル)-4-メチル-5-フェニルオキサゾリジン-2-オンの調製:
DMAP(1.10g、8.90mmol)及びDCC(1.90g、9.30mmol)を、乾燥ジクロロメタン(100mL)中の2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタン酸(3.20g、8.50mmol)の混合物に添加し、窒素下で0℃に維持した。得られた混合物を0℃で20分間撹拌した。(4S,5R)-4-メチル-5-フェニルオキサゾリジン-2-オン(1.50g、8.50mmol)を添加し、得られた濁りのある混合物を周囲温度で5日間撹拌した。混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、所望の生成物を2種のジアステレオマー混合物として含有する粗生成物を得た。残渣を、溶離液としてヘプタン中の15%酢酸エチルを使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。2種のジアステレオマーを分離し、適切な画分を濃縮した。(4S,5R)-3-((S)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタノイル)-4-メチル-5-フェニルオキサゾリジン-2-オンを最初に溶離し、油状物として1.1g(40%収率)を得た。(4S,5R)-3-((R)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタノイル)-4-メチル-5-フェニルオキサゾリジン-2-オンを、油状物として0.95g(34%収率)を得た。
(4S,5R)-3-((S)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタノイル)-4-メチル-5-フェニルオキサゾリジン-2-オン(E1):1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.90 (d, 3H), 1.00 (t, 3H), 1.07 (t, 3H), 1.45-1.57 (m, 2H), 1.62-1.76 (m, 3H), 1.85-1.95 (m, 1H), 2.05-2.15 (m, 4H), 2.87 (m, 8H), 3.39 (m, 1H), 3.57 (m, 1H), 4.85-4.92 (m, 2H), 5.30-5.45 (m, 10H), 5.75 (d, 1H), 7.32 (m, 2H), 7.43 (m, 3H).
(4S,5R)-3-((R)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタノイル)-4-メチル-5-フェニルオキサゾリジン-2-オン(E2):1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.98 (d, 3H), 0.99 (t, 3H), 1.08 (t, 3H), 1.40-1.52 (m, 2H), 1.55-1.75 (m, 3H), 1.80-1.90 (m, 1H), 2.05-2.15 (m, 4H), 2.84 (m, 8H), 3.39 (m, 1H), 3.56 (m, 1H), 4.79 (五重線, 1H), 4.97 (dd, 1H), 5.30-5.45 (m, 10H), 5.71 (d, 1H), 7.33 (m, 2H), 7.43 (m, 3H).
[実施例4]
(S)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタン酸の調製:
過酸化水素(水中35%、0.75mL、8.54mmol)及び水酸化リチウム一水和物(0.18g、4.27mmol)を、テトラヒドロフラン(12mL)及び水(4mL)中の(4S,5R)-3-((S)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタノイル)-4-メチル-5-フェニルオキサゾリジン-2-オン(1.10g、2.13mmol)の溶液に添加し、窒素下で0℃に維持した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。10%Na2SO3(水溶液)(30mL)を添加し、2MのHClを用いてpHを約2に調整し、混合物をヘプタン(30mL)で2回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(98:8から1:1へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーを施した。適切な画分の濃縮により、油状物として0.48g(60%収率)の標題化合物を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.90-1.00 (m, 6H), 1.48 (m, 2H), 1.65 (m, 2H), 1.85 (m, 2H), 2.10(m, 4H), 2.80-2.90 (m, 8H), 3.55 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.88 (t, 1H), 5.35-5.45 (m, 10H); MS (エレクトロスプレー): 373.3 [M-H]-; [α]D -37° (c=0.104, エタノール).
[実施例5]
(R)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタン酸の調製:
過酸化水素(水中35%、0.65mL、7.37mmol)及び水酸化リチウム一水和物(0.15g、3.69mmol)を、テトラヒドロフラン(12mL)及び水(4mL)中の(4S,5R)-3-((R)-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)ブタノイル)-4-メチル-5-フェニルオキサゾリジン-2-オン(0.95g、1.84mmol)の溶液に添加し、窒素下で0℃に維持した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。10%Na2SO3(水溶液)(30mL)を添加し、2MのHClを用いてpHを2に調整し、混合物をヘプタン(30mL)で2回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(98:8から50:50へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーを施した。適切な画分の濃縮により、油状物として0.19g(29%収率)の標題化合物を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.90-1.00 (m, 6H), 1.48 (m, 2H), 1.65 (m, 2H), 1.85 (m, 2H), 2.10 (m, 4H), 2.80-2.90 (m, 8H), 3.55 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.88 (t, 1H), 5.35-5.45 (m, 10H); MS (エレクトロスプレー): 373.3 [M-H]-; [α]D -31° (c=0.088, エタノール).
[実施例6]
tert-ブチル2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)プロパノエートの調製:
(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-オール(1.00g、3.47mmol)、塩化テトラブチルアンモニウム(0.24g、0.87mmol)及びt-ブチル2-ブロモプロピオネート(3.62g、17.3mmol)の混合物を、トルエン(36mL)に溶解し、窒素下に置いた。水酸化ナトリウムの水溶液(50%、8mL)を強く撹拌しながらゆっくり添加し、得られた混合物を周囲温度で20時間撹拌した。水を添加し、混合物をエーテルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘプタン中の2%酢酸エチルを使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として1.40g(90%収率)の標題化合物を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.95 (t, 3H), 1.41 (d, 3H), 1.48 (s, 9H), 1.48-1.66 (m, 4H), 2.05 (m, 4H), 2.83 (m, 8H), 3.35 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.79 (q, 1H), 5.32-5.44 (m, 10H).
[実施例7]
2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)プロパン酸の調製:
トリフルオロ酢酸(2mL)を、ジクロロメタン(10mL)中の2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)プロパノエート(1.40g、3.36mmol)の溶液に添加し、窒素下で維持し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。ジエチルエーテル(50mL)を添加し、有機相を水(30mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタン、酢酸エチル及びギ酸の混合物(95:5:0.25から80:20:1へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーを施した。適切な画分の濃縮により、0.67gのわずかに不純な生成物を得た。この物質をヘプタン(15mL)に溶解し、水(5mL)で3回洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、油状物として0.50g(41%収率)の標題化合物を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.99 (t, 3H), 1.40-1.48 (m, 5H), 1.67 (m, 2H), 2.09 (m, 4H), 2.80-2.60 (m, 8H), 3.53 (m, 2H), 4.01 (q, 1H), 5.31-5.47 (m, 10H); MS (エレクトロスプレー): 359.2 [M-H]-.
[実施例8]
tert-ブチル2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)-2-メチルプロパノエートの調製:
(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-オール(0.83g、3.14mmol)、塩化テトラブチルアンモニウム(0.24g、0.85mmol)及びt-ブチル2-ブロモイソブチレート(3.50g、15.7mmol)の混合物を、トルエン(15mL)に溶解し、窒素下に置いた。水酸化ナトリウム水溶液(50%、5mL)を、強く撹拌しながら室温で添加した。得られた混合物を60℃まで加熱し、6時間撹拌した。混合物を冷却し、水を添加し、エーテルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣を、溶離液として5~10%の勾配のヘプタン中の酢酸エチルを使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として0.60g(44%収率)の標題化合物を得た。MS(エレクトロスプレー):453.3[M+Na]+。
[実施例9]
2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)-2-メチルプロパン酸の調製:
トリフルオロ酢酸(5mL)を、ジクロロメタン(20mL)中のtert-ブチル2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエニルオキシ)-2-メチルプロパノエート(600mg、1.39mmol)の溶液に窒素下で添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水を添加し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘプタン、酢酸エチル及びギ酸の混合物(80:20:1)を使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を濃縮し、残渣(135mg)を、溶離液として5~10%の勾配のヘプタン中の酢酸エチル及びギ酸の混合物(95:5)を使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより更に精製した。適切な画分の濃縮により、80mgのわずかに不純な生成物を得た。この物質をヘプタン(5mL)に溶解し、水(5mL)で2回洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、油状物として40mg(8%収率)の標題化合物を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.99 (t, 3H), 1.47 (s, 6H), 1.64 (m, 2H), 2.07 (m, 4H), 2.81-2.88 (m, 8H), 3.46 (t, 2H), 5.29-5.44 (m, 10H); MS (エレクトロスプレー): 373.3 [M-H]-.
[実施例10]
tert-ブチル2-エチル-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタノエートの調製:
tert-ブチル2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタノエート(480mg、1.11mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中のリチウムジイソプロピルアミン(LDA)(2.0M、750μL、1.50mmol)の溶液に30分間にわたり滴下添加し、窒素下で-70℃に維持した。反応混合物を30分間撹拌した。ヨウ化エチル(312mg、2.00mmol)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度まで1時間加温した。反応混合物を周囲温度で17時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl(水溶液)(50mL)に注入し、ヘプタンで(50mLで2回)抽出した。合わせた有機相を、塩水(50mL)、0.25MのHCl(50mL)及び塩水(50mL)で連続して洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(100:0から95:5へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として343mg(67%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCI3): δ 0.84 (t, 6H), 0.99 (td, 3H), 1.35-1.55 (m, 11 H), 1.54-1.69 (m, 2H), 1.68-1.87 (m, 4H), 1.99-2.24 (m, 4H), 2.74-2.99 (m, 8H), 3.31 (t, 2H), 5.23-5.52 (m, 10H); MS (エレクトロスプレー): 401.3 [M-1]-.
[実施例11]
2-エチル-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタン酸の調製:
ギ酸(5ml)とtert-ブチル2-エチル-2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタノエート(250mg、0.55mmol)の混合物を、窒素下、室温で4.5時間、強く撹拌した。ギ酸を真空中で除去した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(100:0から80:20へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として163mg(74%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.86 (t, 6H), 0.99 (t, 3H), 1.36-1.57 (m, 2H), 1.68 (dd, 2H), 1.73-1.98 (m, 4H), 2.11 (tt, 4H), 2.70-3.01 (m, 8H), 3.39 (t, 2H), 5.20-5.56 (m, 10H). MS (エレクトロスプレー): 481.4 [M+Na]+.
[実施例12]
エチル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製:
ジシクロヘキシルメタンジイミン(DCC)(304mg、1.47mmol)及びN,N-ジメチルピリジン-4-アミン(DMAP)(10mg、0.067mmol)を、ジクロロメタン(DCM)(4mL)中の2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(501.3mg、1.335mmol)の撹拌された溶液に、0℃、窒素雰囲気下で添加した。混合物を5分間撹拌した後、エタノール(EtOH)(0.16mL、2.67mmol)を添加した。得られた混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を、次第に高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(100:0から99:1へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として473mg(88%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 0.95 (2 x t, 6H), 1.37-1.48 (m, 2H), 1.54-1.79 (m, 4H), 2.01-2.10 (m, 4H), 2.77-2.84 (m, 8H), 3.27-3.34 (m, 1H), 3.53-3.60 (m, 1H), 3.69-3.73 (dd, 1H), 4.13-4.24 (m, 2H), 5.25-5.33 (m, 10H), MS (エレクトロスプレー); 425.3 [M+Na]+; HRMS (エレクトロスプレー): 実測値425.3021 [M+Na]+, [C26H42O3+Na]+の計算値425.3031.
[実施例13]
イソプロピル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製
DCC(310mg、1.47mmol)及びDMAP(9mg、0.067mmol)を、DCM(4mL)中の2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(501mg、1.335mmol)の撹拌された溶液に、0℃、窒素雰囲気下で添加した。混合物を5分間撹拌した後、イソプロパノール(iPrOH)(0.16mL、2.67mmol)を添加した。得られた混合物を室温で20時間撹拌した。混合物を濾過し、真空中で濃縮した。残渣をヘプタン(50mL)に添加し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘプタン中の1%酢酸エチルを使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として496mg(89%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.97 (2 x t, 6H), 1.25 (m, 6H), 1.42-1.50 (m, 2H), 1.61-1.70 (m, 2H), 1.70-1.77 (m, 2H), 2.05-2.12 (m, 4H), 2.79-2.86 (m, 8H), 3.29-3.34 (m, 1H), 3.54-3.59 (m, 1H), 3.67-3.71 (m, 1H), 5.06-5.10 (m, 1H), 5.31-5.42 (m, 10 H); MS (エレクトロスプレー): 439.3 [M+Na]+.
[実施例14]
メチル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製:
硫酸(0.049ml、0.918mmol)を、メタノール(20ml)中の2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(385mg、1.028mmol)の溶液に、室温、N2雰囲気下で添加し、得られた混合物を室温で終夜、撹拌した。MS(エレクトロスプレー):389.3[M+1]+。
[実施例15]
ブチル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製:
硫酸(0.049ml、0.918mmol)を、ブタン-1-オール(400mL、4.37mol)中の2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(33g、88mmol)の溶液に、室温、N2雰囲気下で添加し、反応混合物を120時間撹拌した。ヘプタン(400mL)及び酢酸エチル(400mL)を添加し、この溶液をNaHCO3飽和水溶液(300mLで3回)及び水(300mLで2回)で洗浄した。合わせた水相を、ヘプタン/エーテル(1:1)で(300mLで2回)抽出した。合わせた有機相を、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘプタンと酢酸エチルの増加する混合物(99:1から96:4へ)を使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として26.3g(67%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.93-1.02 (m, 9H), 1.36-1.51 (m, 4H), 1.60-1.70 (m, 4H), 1.72-1.84 (m, 2H), 2.05-2.16 (m,4H), 2.78-2.92 (m, 8H), 3.28-3.39 (m, 1H), 3.54-3.65 (m, 1H), 3.70-3.82 (m, 1H), 4.08-4.24 (m, 2H), 5.27-5.48 (m, 10H), MS (エレクトロスプレー): 453.2 [M+Na]+.
[実施例16]
2,3-ジヒドロキシプロピル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製:
工程a)(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製
2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(25g、66.7mmol)及びDMAP(8.15g、66.7mmol)を、クロロホルム(150mL)中の2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール(7.54mL、60.7mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で添加した。次に、クロロホルム(65mL)中のDCC(13.77g、66.7mmol)の溶液を、周囲温度で滴下添加した。混合物を終夜撹拌し、真空中で濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタン中の10%酢酸エチルの混合物を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として19.6g(66%収率)の標題生成物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.99 (t, 6H), 1.37-1.40 (m, 3H), 1.41-1.53 (m, 5H), 1.59-1.71 (m, 2H), 1.72-1.85 (m, 2H), 2.05-2.14 (m, 4H), 2.74-2.95 (m, 8H), 3.31-3.38 (m, 1H), 3.57-3.65 (m, 1H), 3.72-3.86 (m, 2H), 4.07-4.12 (m, 1H), 4.15-4.27 (m, 2H), 4.29-4.40 (m, 1H), 5.23-5.50 (m, 10H). MS (エレクトロスプレー): 511.3 [M+Na]+.
工程b)2,3-ジヒドロキシプロピル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製
ジオキサン(280mL)中の(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート(27.5g、56.3mmol)の溶液に、HCl水溶液(37%(w/w)、28mL、341mmol)を、室温、窒素下で添加し、混合物を60分間撹拌した。次に混合物を、飽和NaHCO3水溶液(500mL)に注意深く注入し、EtOAcで(300mLで2回)抽出した。有機相を1MのHCl(200mL)、塩水(200mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘプタンと酢酸エチル(50:50)を使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として19gの標題生成物を得た。生成物には、約10%の異性体1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートが混入していた。この物質を、1.35グラムの別のバッチと混合した後、分取HPLCにより更に精製した。水/アセトニトリル(9:1)対アセトニトリル(100%)が17:83の均一濃度混合物を溶離液として使用した。適切な画分の濃縮により、油状物として11.3g(38%収率)の標題生成物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.97-1.03 (m, 6H), 1.41-1.51 (m, 2H), 1.59-1.69 (m, 2H), 1.72-1.87 (m, 2H), 2.05-2.14 (m, 5H), 2.56 (s, 1H), 2.73-2.94 (m, 8H), 3.33-3.40 (m, 1H), 3.55-3.68 (m, 2H), 3.69-3.77 (m, 1H), 3.79-3.85 (m, 1H), 3.93-4.03 (m, 1H), 4.15-4.37 (m, 2H), 5.25-5.51 (m, 10H). MS (エレクトロスプレー): 471.3 [M+Na]+.
[実施例17]
1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製
工程a)オキシラン-2-イルメチル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製
乾燥DCM(7mL)中の2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(800mg、2.14mmol)、グリシドール(0.17mL、2.56mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC*HCl)(491mg、2.56mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(313mg、2.56mmol)の混合物を、室温、N2雰囲気下で撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(99:1から95:5へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として527mg(57%収率)の標題生成物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.94-0.98 (m, 6H), 1.40-1.44 (m, 2H), 1.57-1.64 (m, 2H), 1.70-1.82 (m, 2H), 2.02-2.12 (m, 4H), 2.63 (bs, 1H), 2.78-2.84 (m, 9H), 3.20 (bs, 1H), 3.30-3.35 (m, 1H), 3.55-3.61 (m, 1H), 3.77-3.80 (m, 1H), 3.94-4.01 (m, 1H), 4.42-4.48 (m, 1H), 5.36-5.26 (m, 10H). MS (エレクトロスプレー): 453.3 [M+Na]+.
工程b)2-((2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)プロパン-1,3-ジイルビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)の調製
乾燥DCM(3mL)中のトリフルオロ酢酸無水物(TFAA)(0.55mL、3.96mmol)を、乾燥DCM(3mL)中のオキシラン-2-イルメチル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート(286mg、0.66mmol)の事前冷却した溶液に、-20℃、N2雰囲気下で数回に分けて添加した。冷却槽を取り除き、混合物を19時間、周囲温度で撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をトルエン(6mL)に溶解し、シリカ(6.5g)のパッドを通過させ、トルエン(150mL)で溶離した。真空中での濃縮により、油状物として357mg(84%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.95 (2xt, 6H), 1.38-1.45 (m, 2H), 1.57-1.63 (m, 2H), 1.66-1.78 (m, 2H), 2.09-2.02 (m, 4H), 2.78-2.84 (m, 8H), 3.27-3.33 (m, 1H), 3.51-3.56 (m, 1H), 3.77 (dd, 1H), 4.30-4.53 (m, 2H), 4.60-4.69 (m, 2H), 5.17-5.43 (m, 10H), 5.43-5.55 (m, 1H). MS (エレクトロスプレー): 661.1 [M+Na]+.
工程c)1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製
ペンタン/DCM(2:1)(4.5mL)中のピリジン(0.4mL、4.95mmol)及びメタノール(0.3mL、7.41mmol)の溶液を、ペンタン/DCM(2:1)(5mL)中の2-((2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)プロパン-1,3-ジイルビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)(354mg、0.552mmol)の溶液に、-20℃に冷却し、N2雰囲気下で滴下添加した。冷却槽を取り除き、混合物を3時間、室温で撹拌した後、真空中で濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(95:5から90:10、80:20、50:50へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、粗製油状物として223mgの標題生成物を得た。分取HPLCによる精製により、油状物として58mg(22%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.95 (t, 3H), 0.96 (t, 3H), 1.38-1.45 (m, 2H), 1.54-1.64 (m, 2H), 1.67-1.84 (m, 2H), 2.01-2.09 (m, 4H), 2.45 (bs, 2H), 2.83-2.77 (m, 8H), 3.36-3.30 (m, 1H), 3.60-3.55 (m, 1H), 3.84-3.78 (m, 5H), 4.98-4.93 (m, 1H), 5.65-5.09 (m, 10H). MS (エレクトロスプレー): 471.1 [M+Na]+.
[実施例18]
3-ヒドロキシプロパン-1,2-ジイルビス(2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート)の調製
工程a)tert-ブチル((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)ジメチルシランの調製
tert-ブチル-クロロジメチルシラン(14.41g、91mmol)を、THF(100mL)中の(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メタノール(10g、76mmol)及びイミダゾール(7.73g、114mmol)の溶液に、周囲温度、窒素雰囲気下で添加した。混合物を1.5時間撹拌し、水(200mL)に注入し、tert-ブチルメチルエーテルで(150mLで2回)抽出した。相を分離し、有機層を水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘプタン中の3%酢酸エチルを使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として18g(97%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.02-0.05 (m, 6H), 0.85-0.89 (m, 9H), 1.31-1.35 (m, 3H), 1.35-1.40 (m, 3H), 3.50-3.60 (m, 1H), 3.63-3.72 (m, 1H), 3.75-3.85 (m, 1H), 3.96-4.05 (m, 1H), 4.07-4.18 (m, 1H). MS (エレクトロスプレー): 229.2 [M+Na]+.
工程b)3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン-1,2-ジオールの調製
クロロホルム(60mL)中のtert-ブチル((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)ジメチルシランの溶液に、シリカゲル上に吸収されたFeCl3x6H2O(30g、11.9mmol)を添加し、混合物を終夜撹拌した。混合物を濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(50:50から25:75へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として760mg(9%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.09-0.12 (m, 6H). 0.91- 0.95 (m, 9H), 2.11-2.17 (m, 1H), 2.60 (d, 1H), 3.57- 3.85 (m, 5H). MS (エレクトロスプレー): 229.2 [M+Na]+.
工程c)3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン-1,2-ジイルビス(2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート)の調製
DMF(20ml)中の3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン-1,2-ジオール(0.91g、4.41mmol)の溶液に、N2雰囲気下、周囲温度で、2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(3.47g、9.3mmol)、DMAP(1.13g、9.3mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(DCI)(1.776g、9.26mmol)及び乾燥DCM(60ml)を添加した。混合物を終夜撹拌した後、反応混合物をジエチルエーテル(200mL)で希釈した。混合物を1MのHCl(100mL)及び塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘプタン中の3%酢酸エチルを使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として2.26g(56%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.08 (s, 6H), 0.90 (d, 9H), 0.95-1.03 (m, 12H), 1.40-1.52 (m, 4H), 1.58-1.69 (m, 4H), 1.70-1.83 (m, 4H), 2.04-2.15 (m, 8H), 2.77-2.92 (m, 16H), 3.27-3.37 (m, 2H), 3.57-3.67 (m, 2H), 3.72-3.80 (m, 4H), 4.14-4.32 (m, 1H), 4.41-4.56 (m, 1H), 5.09-5.22 (m, 1H), 5.23-5.49 (m, 20H). MS (エレクトロスプレー): 941.6 [M+Na]+.
工程d)3-ヒドロキシプロパン-1,2-ジイルビス(2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート)の調製
ジオキサン(100mL)中の3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン-1,2-ジイルビス(2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート)(2.26g、2.46mmol)の溶液に、HCl水溶液(37%(w/w、2mL)を添加し、混合物を3時間、窒素雰囲気下、周囲温度で撹拌した後、真空中で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘプタン中の15%酢酸エチルを使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として0.83g(42%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.96-1.03 (m, 12H), 1.40-1.53 (m, 4H), 1.58-1.68 (m, 4H), 1.70-1.85 (m, 4H), 1.87-2.01 (m, 1H), 2.05-2.15 (m, 8H), 2.75-2.95 (m, 16H), 3.28-3.41 (m, 2H), 3.56-3.65 (m, 2H), 3.73-3.85 (m, 4H), 4.24-4.37 (m, 1H), 4.42-4.53 (m, 1H), 5.14-5.23 (m, 1H), 5.26-5.51 (m, 20H). MS (エレクトロスプレー): 827.5 [M+Na]+.
[実施例19]
2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルビス(2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート)の調製:
工程a)2-オキソプロパン-1,3-ジイルビス(2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート)
2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(5.0g、13.4mmol)及びDMAP(1.63g、13.4mmol)を、クロロホルム(25mL)中の1,3-ジヒドロキシアセトンダイマー(1.145g、6.36mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で添加した。次に、クロロホルム(10mL)中のDCC(2.75g、13.35mmol)の溶液を、周囲温度で滴下添加した。混合物を終夜、室温で撹拌した後、真空中で濃縮した。残渣を、次第に極性が高くなるヘプタンと酢酸エチルの混合物(90:10から88:12へ)を溶離液として使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として2.4g(47%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.97-1.06 (m, 12H). 1.38-1.53 (m, 4H), 1.57-1.73 (m, 4H), 1.73-1.96 (m, 4H), 2.03-2.17 (m, 8H), 2.76-2.92 (m, 16H), 3.35-3.42 (m, 2H), 3.63-3.70 (m, 2H), 3.89 (dd, 2H), 4.75-4.93 (m, 4H), 5.27-5.49 (m, 20H). MS (エレクトロスプレー): 827.5 [M+Na]+.
工程b)2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルビス(2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート)
NaBH4(0.336g、8.87mmol)を、THF(55mL)及び水(4mL)中の2-オキソプロパン-1,3-ジイルビス(2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート)(3.24g、4.03mmol)の溶液に、0℃で注意深く添加した。混合物を0℃で15分間撹拌した。次に、酢酸(1mL)、続いて酢酸エチル(100mL)を注意深く添加した。混合物を、水(100mL)、飽和NaHCO3水溶液(100mL)及び塩水で洗浄した後、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、別のバッチの物質と合わせた後、溶離液としてヘプタン中の15%酢酸エチルを使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として1.62g(50%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.97-1.03 (m, 12H), 1.41-1.52 (m, 4H), 1.58-1.69 (m, 6H), 1.71-1.87 (m, 4H), 2.05-2.14 (m, 8H), 2.38-2.42 (m, 1H), 2.78-2.92 (m, 16H), 3.32-3.39 (m, 2H), 3.57-3.64 (m, 2H), 3.80-3.84 (m, 2H), 4.05-4.34 (m, 5H), 5.26-5.49 (m, 20H). MS (エレクトロスプレー): 827.5 [M+Na]+.
[実施例20]
プロパン-1,2,3-トリイルトリス(2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエート)の調製
2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(4.0g、10.7mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(1.305g、10.7mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(2.047g、10.7mmol)及び乾燥DCM(30ml)を、DMF(10ml)中のグリセリン(0.173ml、2.373mmol)の溶液に、N2雰囲気下、室温で添加した。混合物を終夜撹拌した後、反応混合物をジエチルエーテル(250mL)で希釈した。混合物を、1MのHCl水溶液(100mL)及び塩水(100mL)で洗浄後、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣を、溶離液としてヘプタン中の5%酢酸エチルを使用して、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分の濃縮により、油状物として2.1g(73%収率)の標題化合物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.91-1.05 (m, 18H), 1.40-1.52 (m, 6H), 1.57-1.69 (m, 6H), 1.69-1.86 (m, 6H), 2.01-2.17 (m, 12H), 2.69-2.96 (m, 24H), 3.27-3.38 (m, 3H), 3.53-3.67 (m, 3H), 3.73-3.81 (m, 3H), 4.17-4.27 (m, 2H), 4.37-4.54 (m, 2H), 5.28-5.47 (m, 30H). MS (エレクトロスプレー): 1183.8 [M+Na]+.
[実施例21]
カルシウム2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製
2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(1.87g、4.99mmol、93%)を、CaCO3(0.25g、2.50mmol)と混合した。水(1ml)を添加し、混合物をRTで1時間、機械式撹拌機で撹拌した。CO2が発生する。濃密で、均質のペーストが形成された。撹拌しながら、アセトン(7ml)を添加した。固体物質が分離する。固体物質を濾過し、窒素上で乾燥し、密封し、4℃で冷蔵庫内で保存した。収率:1.86グラム(95%)。固体は、分析法又は分光法による更なる特性評価はしなかったが、カルシウム塩が形成されたことを示す数種の実験を行った:
・固体物質は、熱板上で100℃未満で融解する。シャープな融点は測定されなかった。
・この物質は、酸の添加時にCO2を放出しないが、「溶解し」かつ油状物として沈殿する。
[実施例22]
ナトリウム2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製
2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(1.87g、4.99mmol、93%)を、NaHCO3(0.420g、5.00mmol)と混合した。水(1ml)を添加し、混合物をRTで1時間、機械式撹拌機で撹拌した。CO2が生じ、濃い均質のペーストが形成された。撹拌しながら、エタノール(7ml)を反応フラスコに添加した。2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸から形成されたナトリウム塩が、エタノール(7ml)の添加時に溶液内に含まれる。少量の未反応NaHCO3を濾過し、溶液を蒸発乾固した。粗製のわずかに粘稠性の油状物を、96%エタノールを用いて2回蒸発させ、微量の水を除去した。
[実施例23]
2-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチルエタン-1-アミニウム2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタノエートの調製
水中のコリン水酸化物(327.7μL)を、約2.5mLのMTBE及び7.5mLのn-ヘプタンと共にシンチレーションバイアルにピペットで入れた。窒素チャンバ内で、2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸(500mg、95.8%)をバイアル内に移した。窒素チャンバ内で、撹拌しながら、約1.0mLの水をバイアルにゆっくり添加した。次に、バイアルを密封した。反応混合物を約30分間撹拌した。形成された2-(((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イル)オキシ)ブタン酸コリン塩は、ブフナー漏斗で濾過される剛性のゲル様の物質であった。フィルター上の湿った物質を、1mLのMTBETを使用して3回洗浄した。洗浄された物質は剛性のゲル様の固体であると思われた。
[実施例24]
前臨床研究
脂質異常症のマウスモデル(APOE*3Leidenトランスジェニックマウス)におけるアポC-III調節の評価
APOE*3Leidenトランスジェニックマウスは、ヒトアポリポタンパク質C1(APOC1)に加えて、ヒトアポリポタンパク質E3(APOE3)の変異型、APOE*3Leidenを発現している。APOE*3Leidenトランスジェニックマウスは、主にVLDL/LDLサイズのリポタンパク分画に限定される血漿コレステロール及びトリグリセリドレベルの上昇を示す(Van den Maagdenberg AMJMら、Transgenic mice carrying the apolipoprotein E3-Leiden gene exhibit hyperlipoproteinemia、J Biol Chem 1993年;268:10540-10545)。正常な野生型マウスと対照的に、APOE*3Leidenトランスジェニックマウスは、血漿VLDL及びカイロミクロンレベルに影響を及ぼす食餌及び抗高脂血症薬に対して高度に応答性である(Van Vlijmen Bら、Diet-induced hyperlipoproteinemia and atherosclerosis in apolipoprotein E3-Leiden transgenic mice, J Clin Invest 1994年;93:1403-1410;Groot PHEら、Quantitative assessment of aortic atherosclerosis in apoE3Leiden transgenic mice and its relationship to serum cholesterol exposure,Arterioscler Thromb Vasc Biol 1996年;16:926-933)。結果的に、このモデルは、高脂血症治療薬の効果を評価するのに適切である。
本研究では、メスのAPOE*3Leidenトランスジェニックマウスに、半合成の西洋型食餌を用いた(WTD;15%カカオバター、40%スクロース及び0.25%コレステロール;全てw/w)。この食餌を用いて4週間後、血漿コレステロールレベルは、約12~15mmol/lの上昇レベルに穏やかに到達した。次に、マウスを、血漿コレステロール、トリグリセリド及び体重が一致する(t=0)10頭ずつのマウスの群に細分した。被験物質は、0.3mmol/kg体重/日で、WTDと混合して経口投与して試験を行った。4週間後、全ての動物を屠殺し、血清及び組織を収集した。
肝臓組織を、RNA later(Qiagen)に-80℃で保存した。組織を、製造業者の手順に従って、ジチオスレイトール(Qiagen)を用いてRLT緩衝剤内で均質化し、RNeasyキット(Qiagen)を使用してRNAを単離した。単離RNAの品質はBioanalyser(Agilent)で試験を行い、高品質を表す8.1~9.5の間の値のRIN(RNAの完全性数値)を示した。cDNAを、「RNA to cDNA」キット(Applied Biosystems)により合成した。遺伝子発現を、低密度アレイ(LDA、マウスRNAに対して特異的(Applied Biosystems))を使用して測定した。各試料を3並行して測定し、結果を対照(添加なしのWTD)と比較した平均値として提示する。遺伝子発現における倍率変化を、Rplp0をハウスキーピング遺伝子として、かつ対照試料の平均値を標準物質として使用して、比較Ct法により算出した。
図1に示す結果は、化合物A(実施例2)を摂食したマウスが、標準WTDを摂食したマウスより、有意に低下したアポC-III発現を有することを確証している(P<0.05、スチューデントT-検定)。化合物Aの効果は、参照化合物12の効果より強力であり、WO2010/008299の実施例20に基づいて調製したEPA誘導体は、以下の構造を有する:
加えて、血漿TGを低減させる両方の化合物の能力を測定した。両方の化合物は、対照と比較して、TGレベルを69%低減させた。これは、観察されたアポC-III低減とTG低下効果との間に直接的な相関関係はないことを裏付けている。
[実施例25]
臨床研究
化合物AのアポC-III低減特性を、脂質異常症を有する患者における、2件の12週間の研究及び1件の4週間の研究で実証した。3件すべての研究は、化合物A処置を用いて、臨床的かつ統計学的に有意なアポC-III低減を実証した。
[実施例25A]
重度の高トリグリセリド血症を有する集団
本研究は、500mg/dL超の空腹時血漿トリグリセリドレベルを有する患者を調査した。本研究の第1目標は、12週間の処置後の、トリグリセリド(TG)のベースラインからの変化率の検討により、化合物A(実施例2)の600mg1日1回(QD)経口投与の有効性を評価することであった。第2目標の1つは、アポC-IIIの血漿レベルに対する化合物Aの影響力を評価することであった。
この第II相、多施設共同、概念実証の研究は、6~8週間のスクリーニング期間(4週間又は6週間の食餌及び生活習慣安定化/休薬期間並びに2週間のTG適格化期間を含む)、並びに12週間の二重盲検、無作為化、並行群、プラセボ対照処置期間から構成された。
空腹時TG値の適格化の確認後、好適な対象は、12週間の、無作為化、二重盲検処置期間に入った。来診4(0週)で、対象は、1:1の比で以下の処置群の1つに無作為に割り付けられた:化合物A600mgQD又はプラセボQD。
処置群(合計およそ86名の対象)当たりおよそ43名の対象は、本研究において無作為化されていた。層別は、ベースライン時のTGレベル(≦700mg/dL又は>700mg/dL)、無作為化時のスタチン使用、及び性別毎に行った。
本研究の集団は、18~79歳を含めた年齢の間の男性及び女性(出産の可能性がある女性は、妊娠を避けるために適した方法をとる必要があった)であった。安定化脂質低下スタチン治療中の対象及び非スタチン脂質低下治療中でない対象は、本研究で登録するのに好適であった。対象は、無作為化に先立ち、来診2及び来診3の値又は来診3及び来診3.1の値から、≧500mg/dL及び≦1500mg/dLの平均空腹時TGレベルを有することが必要とされた。
包括分析(ITT)集団は、治験品の少なくとも1用量を摂取し、ベースライン時の有効性測定を受け、かつ少なくとも1回の無作為化後の有効性測定を受けた、全ての無作為化対象からなっていた。ITT集団は、1次分析集団であった。全ての有効性分析は、ITT集団に対して実施した。
ベースライン時及びベースライン後の測定値に対する要約統計量(n、平均値、標準偏差[SD]、中央値、最小値及び最大値)、ベースラインからの変化率又は変化量は、分析された全ての有効性変数に関して、処置群毎及び来診毎に示した。
第1有効性分析は、処置、性別、及び無作為化時のスタチン治療の使用を要因として、かつベースライン時のTG値を共変数として用いて、共分散(ANCOVA)モデル分析を使用して実施した。各処置群に関して、かつ化合物Aとプラセボとの比較に関して、最小二乗平均、標準誤差、及び両側95%信頼区間(CI)を得た。
第2有効性変数の分析に関して、処置、性別、及び無作為化時のスタチン治療の使用を要因として、かつそれぞれの有効性変数のベースライン時の値を共変数として用いて、ANCOVAモデルを使用した。
現研究のために募集された集団は、平均年齢52.5歳で、男性(69.0%)及び女性(31.0%)を含んだ。両方の処置群における対象のおよそ21%は、本研究を通してスタチン治療を受けた。全ての他の非スタチン脂質変化療法は、スクリーニング時に中断された。本研究中の薬物療法を研究するための平均服薬率は、プラセボ群に関して96.5%及び化合物Aの600mg群に関して99.9%であった。
ITT集団では、アポC-IIIにおける最小二乗(LS)平均変化率は、ベースラインに対して-38.0%(-47.5、-28.5)、及びプラセボに対して-34.7%(-46.5、-22.8)であった。
[実施例25B]
混合型脂質異常症を有する集団
本研究は、200~499mg/dLの間の空腹時血漿TGレベル及び130mg/dL超の非高密度リポタンパクコレステロール(非HDL-C)を有し、スタチンを用いた処置を既に受けている患者を調査した。本研究の第1目標は、12週間の処置後の、トリグリセリド非HDL-Cのベースラインからの変化率の検討により、600mgQDの化合物A(実施例2)の有効性を経口で評価することであった。第2目標の1つは、アポC-IIIの血漿レベルに対する化合物Aの影響力を評価することであった。
本第II相、多施設共同、概念実証研究は、6~8週間のスクリーニング期間(4週間又は6週間の食餌及び生活習慣安定化/休薬期間並びに2週間のTG及び非HDL-Cの適格化期間を含む)並びに12週間の二重盲検、無作為化、並行群、プラセボ対照処置期間から構成された。
空腹時TG及び非HDL-C値の適格化の確認後、好適な対象は、12週間の、無作為化、二重盲検処置期間に入った。来診4(0週)で、対象は、1:1の比で以下の処置群の1つに無作為に割り付けられた:化合物A600mgQD又はプラセボQD。
本研究の集団は、18~79歳を含めた年齢の間の男性及び女性(出産の可能性がある女性は、妊娠を避けるために適した方法をとる必要があった)であった。安定化脂質低下スタチン治療中の対象及び非スタチン脂質低下治療中でない対象は、本研究では登録するのに好適であった。対象は、無作為化に先立ち、来診2及び来診3の値又は来診3及び来診3.1の値から、200~499mg/dLの間の平均空腹時TGレベル及び130mg/dL超の非HDL-C値を有することが必要とされた。
包括分析(ITT)集団は、治験品の少なくとも1用量を摂取し、ベースライン時の有効性測定を受け、かつ少なくとも1回の無作為化後の有効性測定を受けた、全ての無作為化対象からなっていた。ITT集団は、1次分析集団であった。全ての有効性分析は、ITT集団に関して実施した。
ベースライン時及びベースライン後の測定値に対する要約統計量(n、平均値、標準偏差[SD]、中央値、最小値及び最大値)、ベースラインからの変化率又は変化量は、分析された全ての有効性変数に関して、処置群毎及び来診毎に示した。
第1有効性分析は、無作為化を要因として、かつ基準非HDL-C値を共変数として用いて、ANCOVAモデルを使用して実施した。各処置群に関して、かつ化合物Aとプラセボとの比較に関して、最小二乗平均、標準誤差、及び両側95%CIを得た。
第1有効性分析は、12週間の完了者集団に基づいた。
現研究のために募集された集団は、平均年齢58.3歳で、男性(58.4%)及び女性(46.1%)を含んだ。全ての対象は、研究中にスタチン治療中である(エゼチミブを用いるか又は用いない)ことが必要とされた。全ての他の非スタチン脂質変化療法は、スクリーニング時に中断された。本研究中の薬物療法を研究するための平均服薬率は、プラセボ群に関して97.2%及び化合物A群に関して95.3%であった。
本研究集団の基準平均値非HDL-Cレベルは165.9mg/dLであり;基準中央値TGレベルは262.0mg/dLであった。
12週間の完了者集団では、アポC-IIIにおけるLS平均変化率は、ベースラインに対して-32.5%(-38.4、-26.6)かつプラセボに対して-20.8%(-28.8、-12.7)であった。
実施例25Aは、超高トリグリセリド(TG500~2000mg/dl)を有する患者における研究について述べている。実施例25Bは、混合型脂質異常症及び持続性の高トリグリセリド血症(TG200~499mg/dl)を有するスタチン安定化患者における研究について述べている。各節に含まれる研究は、同等の患者集団を有し、設計において同様である。
実施例25C 高コレステロール血症を有する集団
本研究は、少なくとも2.5mmol(約97mg/dl)の空腹時LDL-Cを有する対象を調査した。本研究の目的は、男性で安定化スタチン治療を中止した高コレステロール血症の対象における、4週間の治療後の化合物A(実施例2)の薬力学及び脂質低下効果を決定することであった。
本研究の集団は、任意の民族起源で18.0~35.0kg/m2の間のBMIを有する18~65歳の男性から構成された。
本相Ib研究は、4~5週間のスクリーニング期間、及び4週間の二重盲検、無作為化、プラセボ対照処置期間から構成された。
全ての対象は、最初のスクリーニング来診に先立ち、少なくとも3か月間の脂質低下スタチン治療を受け、かつ最初のスクリーニング来診に先立ち、少なくとも4週間の安定化スタチン服用を受けておらねばならなかった。
スタチン処置は、最初のスクリーニング来診時に中止され、全スクリーニング期間中に中止されたままであった。少なくとも21日間のスタチン療法の中止に続いて、対象は、第2スクリーニング来診時に少なくとも2.5mmol/l(約97mmol/l)のLDL-Cを有し、無作為化に先立ち、第1スクリーニング来診と第2スクリーニング来診の間に少なくとも20%のLDL-C増加を有さなければならなかった。
空腹時LDL-C値の適格化の確認後、好適な対象は、4週間の、二重盲検、無作為化、プラセボ対照処置期間に入った。対象は、3:1の比で以下の処置群の1つに無作為に割り付けられた:化合物A600mgQD(N=18)又はプラセボQD(N=6)。
血中脂質は、スクリーニング期間の最後、及び4週間の処置後に測定した。探索的薬力学測定は、LDL-C、VLDL-C、TC、TG、HDL-C、非HDL-C、及びアポBを含んでいた。化合物AのアポC-IIIに対する影響力もまた測定した。
ベースラインに関する要約統計量は、変動係数を用いた平均値として得られる。95%信頼区間を有するベースラインからの平均変化量は、分析された全ての有効性変数に関して、処置群毎に示した。
分析は、ベースラインからの変化量に関して、ベースラインを共変数として含めた共分散(ANCOVA)モデル分析を使用して実施した。
現研究のために募集された集団は、平均年齢55歳、平均体重85kg、及び平均BMI27.9kg/m2の白人男性(100%)を含んだ。
化合物Aを用いた処置後のアポC-IIIにおける平均変化率は、ベースラインに対して-42%であった。この変化は、統計学的に有意であった。
[実施例26]
化合物Aに対する、EPA/DHAにより達成されたアポC-IIIにおける比較的低減
(a)重度のHTGを有する対象における、化合物Aに対するEPA/DHA製剤の、血漿アポC-III及び他の脂質パラメータへの効果
MARINE試験:
二重盲検、無作為化、プラセボ対照研究では、500~2000mg/dlの空腹時血漿TGを有する229名の対象において、エイコサペンタエン酸エチルエステル(>96重量%の濃縮物)(Vascepa)のアポC-IIIへの効果を調査した。4g/日、12週間のVascepaにより、アポC-IIIレベル中央値は25.6mg/dlから19.7mg/dlに低減され、ベースラインからの-10.1%の中央値変化に相当する[Journal of Clinical Lipidology 2014;8(3):313-314、Icosapent Ethyl(eicosapentaenoic acid ethyl ester):Effects on Apolipoprotein C-III in patients from the MARINE and ANCHOR studies.](表1)。
EVOLVE試験:
二重盲検、無作為化、プラセボ対照研究では、500~2000mg/dlの空腹時血漿TGを有する399名の患者において、遊離脂肪酸としてのEPAとDHAの組合せ(55重量%のEPA及び20重量%のDHA)(Epanova)のアポC-IIIへの効果を調査した。4g/日、12週間のEpanovaにより、ベースラインからの-15%のアポC-III中央値変化という結果がもたらされた[Circulation 2012年;126:A19030、Abstract 19030:Apolipoprotein C-III is Significantly Reduced by Prescription Omega-3 Free Fatty Acids (Epanova) in Patients with Severe Hypertriglyceridemia and Changes Correlate with Increases in LDL-C: A Sub-analysis of the EVOLVE trial](表1)。
(b)混合型脂質異常症及び持続性高トリグリセリド血症を有するスタチン安定化対象における、化合物Aに対するEPA/DHA製剤の、血漿アポC-III及び他の脂質パラメータへの効果
ANCHOR試験:
二重盲検、無作為化、プラセボ対照研究では、混合型脂質異常症及び200~499mg/dlの空腹時血漿TGを有する持続性高トリグリセリド血症を有する、702名のスタチン安定化患者において、エイコサペンタエン酸エチルエステル(Vascepa)のアポC-IIIへの効果を調査した。4g/日、12週間のVascepaにより、アポC-IIIレベル中央値は15.2mg/dlから13.7mg/dlに低減され、ベースラインからの-9.4%の中央値変化に相当する[Journal of Clinical Lipidology 2015年、出版、http://dx.doi.org/10.1016/j.jacl.2014.11.009、Effects of icosapent ethyl on lipoprotein particle concentration and size in statin-treated patients with persistent high triglycerides(ANCHOR study)](表2)。
ESPRIT試験:
二重盲検、無作為化、プラセボ対照研究では、混合型脂質異常症及び200~499mg/dlの空腹時血漿TGを有する持続性高トリグリセリド血症を有する、647名のスタチン安定化患者において、遊離脂肪酸としてのEPAとDHAの組合せ(Epanova)のアポC-IIIへの効果を調査した。4g/日、12週間のEpanovaにより、-13.1%のベースラインからの平均アポC-III値変化という結果がもたらされた[JACC 2013年;61: E1468, A highly bioavailable omega-3 fatty acid reduces non-high density lipoprotein cholesterol in high-risk patients treated with a statin and residual hypertriglyceridemia(ESPRIT trial)](表2)。
COMBOS試験:
二重盲検、無作為化研究では、混合型脂質異常症及び200~400mg/dlの空腹時血漿TGを有する持続性高トリグリセリド血症を有する、256名のスタチン安定化患者において、EPAとDHAのエチルエステルの組合せ(46.5%重量のEPA EE及び37.5重量%のDHA EE)(Lovaza)のアポC-IIIへの効果を調査した。4g/日、週間のLovazaにより、ベースラインからの-7.8%のアポC-III中央値変化という結果がもたらされた[Clinical Therapeutics 2007年;29(7):1354-1367、Efficacy and tolerability of adding prescription Omega-3 fatty acids 4 g/d to simvastatin 40 mg/d in hypertriglyceridemic patients: An 8-week, randomized, double-blind, placebo-controlled study](表2)。
化合物Aに対する、EPA/DHAを用いた血漿アポC-IIIにおける比較的低減の要約
直接対面(head-to-head)試験は完了していなかったが、同等の患者集団及び研究設計により、血漿アポC-III低下における、EPA/DHAに対する化合物Aの有効性を比較するための納得のできるベンチマークが提供される。自然起源のオメガ-3脂肪酸と化合物Aの間には、2つの注目すべき差異要因がある。
第1の要因は、混合型脂質異常症及び重度のHTGの患者集団において、それぞれ35及び41%のアポC-IIIの中央値低減を達成した化合物Aの優れた効能である。これは、EPA/DHA研究における7.8~15%のみのアポC-III低減と比較される。
第2の差異要因は、EPA/DHA研究における4gの用量に対する、必要とされる化合物Aの低用量(600mgQD)である。グラム対グラム基準では、この違いは化合物Aに関して更に大きく、血漿アポC-IIIの低減における、EPA/DHAに対する化合物A分子の効能を明瞭に実証している。前述のように、前臨床モデルは、アポC-III低下は、TG低下に非依存性である(図1)ことを示唆している。
(付記)
(付記1)
必要とする対象においてアポリポタンパク質C-III(アポC-III)mRNA又はタンパク質を低減する方法であって、薬学的有効量の式(I)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを対象に投与することを含み、
式中、R
1及びR
2は、水素原子又は直鎖、分岐、及び/若しくは環式C
1~C
6アルキル基から独立して選択され、但しR
1及びR
2が両方とも水素であることはない、方法。
(付記2)
前記化合物が、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はこれらの混合物の形態で存在する、付記1に記載の方法。
(付記3)
R
1及びR
2が、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基及びイソプロピル基から選択される、付記1に記載の方法。
(付記4)
R
1及びR
2が、水素原子、メチル基、及びエチル基から選択される、付記1に記載の方法。
(付記5)
R
1及びR
2の一方が水素原子であり、R
1及びR
2の他方がC
1~C
3アルキル基から選択される、付記1に記載の方法。
(付記6)
R
1及びR
2の一方が水素原子であり、R
1及びR
2の他方がメチル基又はエチル基から選択される、付記1に記載の方法。
(付記7)
前記エステルが、グリセリド、及びC
1~C
6アルキルエステルから選択される、付記1に記載の方法。
(付記8)
前記エステルが、トリグリセリド、1,2-ジグリセリド、1,3-ジグリセリド、1-モノグリセリド、及び2-モノグリセリドから選択される、付記1に記載の方法。
(付記9)
前記エステルが、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、n-ブチルエステル、及びtert-ブチルエステルから選択される、付記1に記載の方法。
(付記10)
前記エステルが、メチルエステル及びエチルエステルから選択される、付記1に記載の方法。
(付記11)
前記化合物が、そのR体で存在する、付記2に記載の方法。
(付記12)
前記化合物が、そのS体で存在する、付記2に記載の方法。
(付記13)
前記化合物が、ラセミ体で存在する、付記2に記載の方法。
(付記14)
R
1が水素であり、R
2がエチルであり、前記式が
である、付記1に記載の方法。
(付記15)
前記化合物が、式:
で表されるそのS及び/又はR体で存在する、付記14に記載の方法。
(付記16)
式(I)の化合物の薬学的有効量が、1用量当たり約5mg~約2gの範囲である、付記1に記載の方法。
(付記17)
式(I)の化合物の薬学的有効量が、1用量当たり約200mg~約800mgの範囲である、付記1に記載の方法。
(付記18)
式(I)の化合物の薬学的有効量が、約600mgである、付記1に記載の方法。
(付記19)
前記対象が、ヒトである、付記1に記載の方法。
(付記20)
前記化合物を、1日1回投与する、付記1に記載の方法。
(付記21)
前記化合物が、経口投与用の医薬組成物として製剤されている、付記1に記載の方法。(付記22)
前記医薬組成物が、ゼラチンカプセル剤又は錠剤の形態である、付記21に記載の方法。(付記23)
前記医薬組成物が、少なくとも1種の結合剤、賦形剤、希釈剤、又はこれらの任意の組合せを更に含む、付記22に記載の方法。
(付記24)
前記医薬組成物が、抗酸化剤を更に含む、付記22に記載の方法。
(付記25)
前記抗酸化剤が、トコフェロール、BHA、及びBHT、又はこれらの混合物から選択される、付記24に記載の方法。
(付記26)
必要とする対象においてアポC-IIIを低減する方法であって、薬学的有効量の2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタン酸:
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを対象に投与することを含む、方法。
(付記27)
2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタン酸の薬学的有効量が、1用量当たり約200mg~約800mgの範囲である、付記26に記載の方法。
(付記28)
2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタン酸を、1日1回投与する、付記27に記載の方法。
(付記29)
薬学的有効量の式(I)の化合物
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルの使用であって、
式中、R
1及びR
2が、水素原子又は直鎖、分岐、及び/若しくは環式C
1~C
6アルキル基から独立して選択され、但しR
1及びR
2が両方とも水素であることはなく、
必要とする対象においてアポリポタンパク質C-III(アポC-III)mRNA又はタンパク質を低減するための医薬の製造における、使用。
(付記30)
前記化合物が、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はこれらの混合物の形態で存在する、付記29に記載の使用。
(付記31)
R
1及びR
2が、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基及びイソプロピル基から選択される、付記29に記載の使用。
(付記32)
R
1及びR
2が、水素原子、メチル基、及びエチル基から選択される、付記29に記載の使用。
(付記33)
R
1及びR
2の一方が水素原子であり、R
1及びR
2の他方はC
1~C
3アルキル基から選択される、付記29に記載の使用。
(付記34)
R
1及びR
2の一方が水素原子であり、R
1及びR
2の他方がメチル基又はエチル基から選択される、付記29に記載の使用。
(付記35)
前記エステルが、グリセリド、及びC
1~C
6アルキルエステルから選択される、付記29に記載の使用。
(付記36)
前記エステルが、トリグリセリド、1,2-ジグリセリド、1,3-ジグリセリド、1-モノグリセリド、及び2-モノグリセリドから選択される、付記29に記載の使用。
(付記37)
前記エステルが、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、n-ブチルエステル、及びtert-ブチルエステルから選択される、付記29に記載の使用。
(付記38)
前記エステルが、メチルエステル及びエチルエステルから選択される、付記29に記載の使用。
(付記39)
前記化合物が、そのR体で存在する、付記30に記載の使用。
(付記40)
前記化合物が、そのS体で存在する、付記30に記載の使用。
(付記41)
前記化合物が、ラセミ体で存在する、付記30に記載の使用。
(付記42)
R
1が水素であり、R
2がエチルであり、前記式が
である、付記29に記載の使用。
(付記43)
前記化合物が、式:
で表されるそのS及び/又はR体で存在する、付記42に記載の使用。
(付記44)
式(I)の化合物の薬学的有効量が、1用量当たり約5mg~約2gの範囲である、付記29に記載の使用。
(付記45)
式(I)の化合物の薬学的有効量が、1用量当たり約200mg~約800mgの範囲である、付記29に記載の使用。
(付記46)
式(I)の化合物の薬学的有効量が、約600mgである、付記29に記載の使用。
(付記47)
前記対象が、ヒトである、付記29に記載の使用。
(付記48)
前記化合物を、1日1回投与する、付記29に記載の使用。
(付記49)
前記化合物が、経口投与用の医薬組成物として製剤化される、付記29に記載の使用。
(付記50)
前記医薬組成物が、ゼラチンカプセル剤又は錠剤の形態である、付記49に記載の使用。(付記51)
前記医薬組成物が、少なくとも1種の結合剤、賦形剤、希釈剤、又はこれらの任意の組合せを更に含む、付記50に記載の使用。
(付記52)
前記医薬組成物が、抗酸化剤を更に含む、付記50に記載の使用。
(付記53)
前記抗酸化剤が、トコフェロール、BHA、及びBHT、又はこれらの混合物から選択される、付記52に記載の使用。
(付記54)
薬学的有効量の2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタン酸:
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルの使用であって、必要とする対象においてアポC-IIIを低減するための医薬の製造における、使用。
(付記55)
2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタン酸の薬学的有効量が、1用量当たり約200mg~約800mgの範囲である、付記54に記載の使用。
(付記56)
2-((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン-1-イルオキシ)ブタン酸を、1日1回投与する、付記55に記載の使用。
(付記57)
前記対象が、スタチン療法中であり、約200mg/dl~約499mg/dlのベースラインの空腹時トリグリセリドを有する、付記1に記載の方法。
(付記58)
前記対象が、約200mg/dl~約499mg/dlのベースラインの空腹時トリグリセリドを有する、付記1に記載の方法。
(付記59)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約20%低減される、付記57又は58に記載の方法。
(付記60)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約35%低減される、付記57又は58に記載の方法。
(付記61)
前記対象が、スタチン療法中であり、500mg/dl超のベースラインの空腹時トリグリセリドを有する、付記1に記載の方法。
(付記62)
前記対象が、500mg/dl超のベースラインの空腹時トリグリセリドを有する、付記1に記載の方法。
(付記63)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約25%低減される、付記61又は62に記載の方法。
(付記64)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約40%低減される、付記61又は62に記載の方法。
(付記65)
前記対象が、少なくとも2.5mmol/L(約97mg/dl)の空腹時LDL-コレステロールを有する、付記1に記載の方法。
(付記66)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約25%低減される、付記65に記載の方法。
(付記67)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約40%低減される、付記65に記載の方法。
(付記68)
必要とする対象においてアポC-IIIを低減する方法であって、薬学的有効量の脂質異常症薬剤及び式(I)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを対象に投与することを含み、
式中、R
1及びR
2は、水素原子又は直鎖、分岐、及び/若しくは環式C
1~C
6アルキル基から独立して選択され、但しR
1及びR
2が両方とも水素であることはない、方法。
(付記69)
前記脂質異常症薬剤が、スタチンである、付記68に記載の方法。
(付記70)
前記対象が、スタチン療法中であり、約200mg/dl~約499mg/dlのベースラインの空腹時トリグリセリドを有する、付記29に記載の使用。
(付記71)
前記対象が、約200mg/dl~約499mg/dlのベースラインの空腹時トリグリセリドを有する、付記29に記載の使用。
(付記72)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約20%低減される、付記70又は71に記載の使用。
(付記73)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約35%低減される、付記70又は71に記載の使用。
(付記74)
前記対象が、スタチン療法中であり、500mg/dl超のベースラインの空腹時トリグリセリドを有する、付記29に記載の使用。
(付記75)
前記対象が、500mg/dl超のベースラインの空腹時トリグリセリドを有する、付記29に記載の使用。
(付記76)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約25%低減される、付記74及び75に記載の使用。
(付記77)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約40%低減される、付記74及び75に記載の使用。
(付記78)
前記対象が、少なくとも2.5mmol/L(約97mg/dl)の空腹時LDL-コレステロールを有する、付記29に記載の使用。
(付記79)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約25%低減される、付記78に記載の使用。
(付記80)
アポC-IIIレベルが、少なくとも約40%低減される、付記78に記載の使用。
(付記81)
前記必要とする対象が、重度の高トリグリセリド血症、混合型脂質異常症、及び高コレステロール血症から選択される疾患又は状態を有する、付記1に記載の方法。
(付記82)
前記必要とする対象が、重度の高トリグリセリド血症、混合型脂質異常症、及び高コレステロール血症から選択される疾患又は状態を有する、付記29に記載の使用。