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JP7336282B2 - ポリビニルアルコール系繊維およびその製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系繊維およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、石鹸等のアルカリ性物質の包装材として好適なポリビニルアルコール系繊維、さらに該繊維を用いてなる繊維構造体に関する。
従来から、粉石鹸などのアルカリ性物質の包装材として紙やプラスチック製の箱が使用されている。さらに近年では所望量の石鹸を水溶性のフィルム・布帛等で包装し、包装ごと石鹸を水中に投入して使用する方法が採用されてきている。かかる方法によれば、所定量の石鹸を計量したり石鹸等に触れたりすることなく粉石鹸等を使用することが可能になる。また包装材は水中で溶解することからゴミの減量という点でも優れた効果が得られる。しかも持ち運びに便利であることから、所望量の石鹸を水溶性のフィルム・布帛等で包装した形態は旅行用の携帯洗剤として好適に用いることができる。
かかる包装材を構成する素材としては、水溶性と機械的強度に優れる点からポリビニルアルコールが好適に使用できることが知られている。
しかしながら、ポリビニルアルコールの水中溶解温度を低下させるためにはケン化度を低くする必要があるが、粉洗剤の包装のようにアルカリ環境下におかれると、ポリビニルアルコールにケン化反応が生じて水中溶解温度が上昇する。その結果、洗剤等を充填した直後は優れた水溶解性を有しているものの、時間の経過とともに水溶解性が損なわれ、使用時には充分な性能が発揮されない可能性が生じる。
上記の課題を解決するために、カルボキシル基やスルホン酸基からなる共重合体単位を含有するポリビニルアルコールを用いたフィルムを包装材とすることも提案されている(例えば特許文献1)。かかる共重合体単位を導入することによりアルカリ環境下でもケン化されにくい洗剤包装材が得られるものの、これらの低温水溶性のフィルムは低結晶、低配向性の2次元物であるため、低湿度下と高湿度下で機械的性質が極端に変動することを防止することは困難である。特に変性ポリビニルアルコールを用いたフィルムは高湿度下で吸湿するとタッキングを起してフィルム同士がひっつきあい、無理にこれを剥がすと包装材が破裂することとなる。そのため、個々の袋をアルミの除湿袋に入れさらに除湿箱で保管する必要があり、よって、保管・管理が繁雑であり非効率であった。
一方、ポリビニルアルコール系繊維を用いてなる布帛をアルカリ性物質包装材として使用することも検討されている。例えば、アルカリ環境下におかれても優れた水溶解性能を供し得る高品位のポリビニルアルコール系繊維として、スルホン酸基および/またはスルホネート基を有する共重合単位を1.0モル%以上含有するケン化度94モル%以上のビニルアルコール共重合体を含む水溶性繊維が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら上記の水溶性繊維は良好な水溶解性能を示すものの、アルカリ処理後の水溶解性能は未だ十分とは言えず、また、さらに低温でも良好な水溶解性能を示す水溶解性繊維が望まれている。
特開平9―272773号公報 特開2002-235236号公報
近年、環境問題、特に海洋へのプラスチック汚染への対策の観点から、水溶解性に優れる包装材への要望は高まっており、そのような包装材を与える水溶性繊維への要求性能も年々高まっている。
本発明の目的はアルカリ環境下でも水溶解性能に優れ、また極低温での水溶解性に優れる水溶性繊維、およびそれからなる繊維構造体、および該水溶性繊維の製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、[1]スルホン酸基を1.0モル%以上含有し、ケン化度が80~93モル%である、ポリビニルアルコール系繊維であって、前記ポリビニルアルコール系繊維中のポリビニルアルコールの重合度が500以上であるポリビニルアルコール系繊維に関する。
さらに本発明は好ましい形態として、
[2]3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中、-1.0℃における繊維の溶断時間が60分未満であることを特徴とする、上記[1]に記載のポリビニルアルコール系繊維、
[3]アルカリ処理後の繊維の水中溶断温度が25℃以下であることを特徴とする、上記[1]から[2]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系繊維、および
[4]結晶化度が20~30%であることを特徴とする、上記[1]~[3]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系繊維、に関する。
また本発明は好ましい一形態として、[5]少なくとも2種のポリビニルアルコールから構成される上記[1]から[4]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系繊維、および[6]ポリビニルアルコール系共重合体(A)とポリビニルアルコール系重合体(B)からなるポリビニルアルコール系繊維であって、前記ポリビニルアルコール系共重合体(A)が、スルホン酸基を1.0モル%以上含有し、ケン化度が80~96モル%であり、前記ポリビニルアルコール系共重合体(A)が60~90質量%、前記ポリビニルアルコール系重合体(B)が10~40質量%含有することを特徴とする、上記[5]記載のポリビニルアルコール系繊維、に関する。
さらに本発明は、
[7]上記[1]から[6]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系繊維を少なくとも一部に含む、繊維構造体に関する。
また本発明は、[8]スルホン酸基を1.0モル%以上含有し、ケン化度が80~96モル%であるポリビニルアルコール系共重合体(A)と、ポリビニルアルコール系重合体(B)とを、混合して紡糸原液を作製する工程を少なくとも含む、上記[6]に記載のポリビニルアルコール系繊維の製造方法、および[9]前記紡糸原液を、ポリビニルアルコールに対して固化能を有する有機溶媒を主体とする固化浴に湿式または乾湿式紡糸し、乾燥、延伸、熱処理の何れかの工程で、全工程における全延伸倍率を3倍以上とすることを特徴とする、上記[8]に記載のポリビニルアルコール系繊維の製造方法、を提供する。
本発明によれば、水溶解性に優れ、特に低温での水溶解性に優れる水溶性繊維、およびそれからなる繊維構造体、および該水溶性繊維の製造方法が提供される。
本発明においては、スルホン酸基、スルホネート基、マレイン酸基、イタコン酸基、アクリル酸基およびメタクリル酸基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を1.0モル%以上含有し、ケン化度が80~93モル%であるポリビニルアルコール系繊維を用いることによって、アルカリ環境下でも優れた水溶解性能(水溶性)を示し、極低温でも水溶性に優れるポリビニルアルコール系繊維を得ることが可能となる。
なお本発明において、上記ポリビニルアルコール系繊維は上記の官能基を有し、その含有率、およびケン化度は上記範囲を満足しておればよく、ポリビニルアルコール系繊維は一種のポリビニルアルコールから構成されていても2種以上のポリビニルアルコールから構成されていてもよい。またポリビニルアルコール以外の他のポリマーを含んでいてもよい。ポリビニルアルコール系繊維が2種以上のポリビニルアルコールから構成される場合、または他のポリマーを含んでいる場合、ポリビニルアルコール系繊維全体に含まれる官能基の量は上記範囲であればよく、またケン化度は後述するようにして求められるポリビニルアルコール系繊維全体のケン化度(以下単にケン化度と称する場合がある)が上記範囲内であればよい。
本発明のポリビニルアルコール系繊維に含まれる官能基はスルホン酸基、スルホネート基、マレイン酸基、イタコン酸基、アクリル酸基およびメタクリル酸基からなる群より選択される少なくとも1種である。これら官能基を有するポリビニルアルコールを紡糸することでポリビニルアルコール系繊維を製造することができる。上記官能基を有するポリビニルアルコールの製造方法は、これらの官能基を有する単量体とビニルエステル単量体とを共重合し、得られたポリビニルエステル共重合体をケン化する方法、または予め合成したポリビニルアルコールに後からこれらの官能基を導入する方法等が挙げられる。
スルホン酸基またはスルホネート基を含有する単量体は、ビニルエステルと共重合可能で、ケン化後スルホン酸基またはその塩であるスルホネート基となるような単量体である。具体的には、2-アクリルアミド-2-エチルプロパンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸などのオレフィンスルホン酸またはその金属塩などが挙げられる。なかでもビニルエステルとの反応性やケン化時の安定性などの点から、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩が好ましい。
スルホン酸基またはスルホネート基をポリビニルアルコールに後から導入してもよい。例えば、予め合成されたポリビニルアルコールをDMSO等の有機溶媒に溶解し、オルトベンズアルデヒドスルホン酸ナトリウムのような芳香族アルデヒドスルホン酸またはその塩と反応させ、ポリビニルアルコールの水酸基の部分をスルホン酸基またはその金属塩で変性してもよい。
この時、触媒としてパラトルエンスルホン酸のような芳香族スルホン酸を用いてもよい。
マレイン酸基を含有する単量体は、ビニルエステルと共重合可能で、マレイン酸基が得られた共重合体に存在するものである。具体的には、マレイン酸またはその塩、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸エステル、無水マレイン酸またはその誘導体などが挙げられる。なかでもビニルエステルとの共重合反応やケン化時の安定性などの点から、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチルが好ましい。
イタコン酸基を含有する単量体は、ビニルエステルと共重合可能で、イタコン酸基が得られた共重合体に存在するものである。具体的には、イタコン酸またはその塩、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル等のイタコン酸エステル、無水イタコン酸またはその誘導体などが挙げられる。なかでもビニルエステルとの共重合反応やケン化時の安定性などの点から、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチルが好ましい。
アクリル酸基を含有する単量体は、ビニルエステルと共重合可能で、アクリル酸基が得られた共重合体に存在するものである。具体的には、アクリル酸またはその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル等のアクリル酸エステルなどが挙げられる。なかでもビニルエステルとの共重合反応やケン化時の安定性などの点から、アクリル酸、アクリル酸メチルが好ましい。
メタクリル酸基を含有する単量体は、ビニルエステルと共重合可能で、メタクリル酸基が得られた共重合体に存在するものである。具体的には、メタクリル酸またはその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。なかでもビニルエステルとの共重合反応やケン化時の安定性などの点から、メタクリル酸、メタクリル酸メチルが好ましい。
上述したこれらの官能基を有する単量体は1種または2種以上を用いてもよいが、1種の単量体を用いる方が好ましい。
共重合するビニルエステル単量体は、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリアン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸ビニルが好ましい。
ビニルエステル単量体として1種または2種以上を用いてもよいが、1種のビニルエステル単量体を用いる方が好ましい。
上述した方法により、スルホン酸基、スルホネート基、マレイン酸基、イタコン酸基、アクリル酸基およびメタクリル酸基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を有するポリビニルアルコールが得られる。共重合により製造する場合は共重合する際に単量体の量を適宜調整することで得られるポリビニルアルコール中の官能基の含有率を調整することができる。
後からポリビニルアルコールにこれら官能基を導入する場合はポリビニルアルコールの量と官能基を有する化合物の量を調節することで所望の官能基の含有率とすることができる。
かかる官能基の含有率はポリビニルアルコール中、1.0モル%以上である。耐アルカリ性の観点から、1.5モル%以上が好ましく、2.0モル%以上がより好ましい。含有率が低すぎると、アルカリ環境下でポリビニルアルコールのケン化反応が進行しやすくなるため所望の水溶性を保持できなくなる。
コストおよび工程通過性や糸品位の観点から、官能基の含有率は20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、6モル%以下がさらに好ましい。
ポリビニルアルコール系繊維が2種以上のポリビニルアルコールから構成される場合、および他のポリマーを含有する場合、最終的に得られるポリビニルアルコール系繊維中に含まれる官能基の量が、上記範囲となるように各ポリビニルアルコールが含有する官能基の量を調整すればよい。
なお本発明の効果を損なわない範囲であれば、本発明のポリビニルアルコールは、スルホン酸基、スルホネート基、マレイン酸基、イタコン酸基、アクリル酸基およびメタクリル酸基以外の共重合単位を含有してもよく、また他の成分により変性されていてもよい。他の共重合体または成分としては、アリルスルホン酸、ビニルピロリドン、エチレンなどが挙げられる。
本発明のポリビニルアルコール系繊維のケン化度は80モル%以上93モル%以下である。ケン化度が上記下限値未満では得られるポリビニルアルコール、およびそれから得られるポリビニルアルコール系繊維の機械的強度が劣り、包装体とした時に実用性に劣る。またケン化度が上記上限値を超えると極低温での水溶解性能に劣る。ポリビニルアルコール系繊維のケン化度は、好ましくは83モル%以上93モル%以下であり、さらに好ましくは88モル%以上93モル%以下である。
上述したように、本発明のポリビニルアルコール系繊維は1種でも2種以上のポリビニルアルコールを含有していてもよい。ポリビニルアルコールが1種の場合は、上記範囲内のケン化度を有するポリビニルアルコールを用いて後述するような方法で紡糸し、目的とするポリビニルアルコール系繊維とすることができる。
2種以上のポリビニルアルコールを用いる場合、各ポリビニルアルコールのケン化度に加成性が成り立つので、予め各ポリビニルアルコールのケン化度を測定等により求めておき、下記式(1)により得られるポリビニルアルコール系繊維全体のケン化度を求め、得られたケン化度が上記範囲内となるように用いるポリビニルアルコールの配合量を調整すればよい。
ポリビニルアルコールのケン化度は、通常、JIS K6726記載の方法により求めることができる。
(数1)
ポリビニルアルコール系繊維のケン化度(モル%)=Σ(ni×Mi)/100 (1)
ni:各ポリビニルアルコールのケン化度(モル%)
Mi:ポリビニルアルコール系繊維中の各ポリビニルアルコールの割合(重量%)
なおポリビニルアルコール系繊維がポリビニルアルコール以外の他のポリマーを含む場合は、上記式(1)においてポリビニルアルコール以外の他のポリマーについてMiにポリビニルアルコール以外の他のポリマーの割合を、niに0(ゼロ)を代入すればよい。
このようにして2種以上のポリビニルアルコールを用いて、後述する方法で紡糸し、目的とするポリビニルアルコール系繊維とすることができる。
本発明に用いられるポリビニルアルコールの重合度(粘度平均重合度)は、特に制限はないが、機械的強度および水溶解時の収縮とゲル化による繊維の不溶解化抑制の観点から、2400以下が好ましく、1800以下がより好ましい。重合度が大きすぎると、高温水での処理や長時間水に浸漬する必要が生じる場合がある。また、紡糸性の低下や繊維間膠着を抑制し、繊維及び繊維構造体の機械的性能・品位の維持の観点から、重合度は500以上が好ましく、700以上がより好ましく、1000以上が特に好ましい。
本発明のポリビニルアルコール系繊維はさらに、極低温でも水溶性に優れることを氷点下で評価するため、水の凝固点を下げる目的と海水中での適用性を考慮して一般的な海水の塩分濃度である3.5質量%の塩化ナトリウム水溶液を用いて評価した。3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中、-1.0℃における繊維の溶断時間が60分未満であることが、低温での水溶解性の観点から好ましい。3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中、-1.0℃における繊維の溶断時間は40分未満がより好ましい。
3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中、-1.0℃における繊維の溶断時間はポリビニルアルコール系繊維を構成するポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、官能基の種類と含有率などによりコントロールすることができる。
本発明のポリビニルアルコール系繊維は、アルカリ処理後の繊維の水中溶断温度が25℃以下であることが、粉石鹸等の洗剤の包装用途に好適であるため、好ましい。アルカリ処理後の繊維の水中溶断温度は20℃以下がより好ましい。
アルカリ処理後の繊維の水中溶断温度はポリビニルアルコール系繊維を構成するポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、官能基の種類と含有率などによりコントロールすることができる。
本発明のポリビニルアルコール系繊維は、水溶解性の観点から、結晶化度は30%以下が好ましく、28%以下がより好ましい。また繊維化および機械的強度の観点から、20%以上が好ましい。
結晶化度はポリビニルアルコール系繊維を構成するポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、官能基の種類と含有率などによりコントロールすることができる。
本発明のポリビニルアルコール系繊維の水中溶解温度(WTb)は、水溶解性の観点から、50℃以下が好ましく、20℃以下がさらに好ましく、10℃以下が特に好ましい。なお、ポリビニルアルコール系繊維の水中溶解温度は、該繊維を構成するポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、官能基の種類と含有率などによりコントロールすることができる。また水溶解時にゲル化して水溶性が低下するのを抑制し、高い水溶性を確保する点からは水溶解時の収縮率が小さいものが好ましく、具体的には水溶解時の最大収縮率(水中収縮率)が30%以下、特に10%以下の繊維が好ましい。
本発明のポリビニルアルコール系繊維が2種類以上のポリビニルアルコールから構成される場合、かかるポリビニルアルコール系繊維としては、
(1)スルホン酸基、スルホネート基、マレイン酸基、イタコン酸基、アクリル酸基およびメタクリル酸基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を有するポリビニルアルコール(以下ポリビニルアルコール系共重合体(A)と称する場合がある)の2種以上から構成されるポリビニルアルコール系繊維、
(2)ポリビニルアルコール系共重合体(A)と上記官能基を有さないポリビニルアルコール(以下ポリビニルアルコール系重合体(B)と称する場合がある)から構成されるポリビニルアルコール系繊維
等が挙げられる。
またポリビニルアルコール以外のポリマーを含む場合、例えば、
(3)ポリビニルアルコール系共重合体(A)およびポリビニルアルコール系重合体(B)とポリビニルアルコール以外のポリマーとから構成されるポリビニルアルコール系繊維、またはポリビニルアルコール系共重合体(A)とポリビニルアルコール以外のポリマーとから構成されるポリビニルアルコール系繊維
等が挙げられる。
上記(1)において、複数種のポリビニルアルコール系共重合体(A)は官能基の種類、含有率、ケン化度、重合度のうち少なくとも1種が異なる。また(2)において、ポリビニルアルコール系共重合体(A)とポリビニルアルコール系重合体(B)のケン化度、重合度は異なっていても同じでもよい。
3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中、-1.0℃における繊維の溶断時間、アルカリ処理後の繊維の水中溶断温度および機械的強度のそれぞれを制御しやすいという観点から、本発明のポリビニルアルコール系繊維は、2種以上のポリビニルアルコールから構成されているのが好ましく、上記(2)ポリビニルアルコール系共重合体(A)とポリビニルアルコール系重合体(B)とから構成されるポリビニルアルコール系繊維がより好ましい。
ポリビニルアルコール系共重合体(A)としては、スルホン酸基、スルホネート基、マレイン酸基、イタコン酸基、アクリル酸基およびメタクリル酸基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を少なくとも1モル%有している。上記官能基の量は2モル%以上がさらに好ましい。また上記官能基の量は、通常、20モル%以下である。
ポリビニルアルコール系共重合体(A)のケン化度は、ポリビニルアルコール系重合体(B)との配合割合にもよるが、得られるポリビニルアルコール系繊維のケン化度を80~93モル%にコントロールしやすいという観点から、80モル%以上、96モル%以下が好ましい。
ポリビニルアルコール系共重合体(A)の重合度は、上述同様、2400以下が好ましく、1800以下がより好ましい。また、重合度は500以上が好ましく、700以上がより好ましく、1000以上が特に好ましい。
ポリビニルアルコール系重合体(B)のケン化度は、ポリビニルアルコール(A)のケン化度および配合割合に応じて適宜、選定すればよいが、得られるポリビニルアルコール系繊維のケン化度を80モル%以上93モル%以下にコントロールしやすいという観点から、87モル%以上100モル%以下が好ましい。
ポリビニルアルコール系共重合体(A)とポリビニルアルコール系重合体(B)との配合割合は、得られるポリビニルアルコール系繊維の共重合体含量およびケン化度が上記範囲となるように、設定すれば良いが、通常、ポリビニルアルコール系共重合体(A)が60質量%以上90質量%以下、ポリビニルアルコール系重合体(B)が10質量%以上40質量%以下(ただし、ポリビニルアルコール系繊維全体を100質量%とする)である。
なお、本発明のポリビニルアルコール系繊維には上記以外に、通常用いられる他の添加剤を添加してもよい。添加する場合、ポリビニルアルコール系繊維中のポリビニルアルコールは60質量%以上、特に70~100質量%であるのが好ましい。
本発明のポリビニルアルコール系繊維を製造するに際しては、まず上記要件を満たすポリビニルアルコールを含む紡糸原液を調製する。紡糸原液を構成する溶媒は水であってもかまわないが、機械的性能及び寸法安定性が高く断面が略円形で均質な繊維が得られること、さらに紡糸原液構成溶媒を水とした場合に比して水中溶解温度を低くできることから、紡糸原液構成溶媒を有機溶媒とするのが好ましい。
有機溶媒は、例えばジメチルスルホキシド(以下DMSOと略記)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなどの極性溶媒やグリセリン、エチレングリコールなどの多価アルコール類、およびこれらとロダン塩、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛などの膨潤性金属塩の混合物、更にはこれら溶媒同士、あるいはこれら溶媒と水との混合物などが例示される。とりわけDMSOが低温溶解性、低毒性、低腐食性などの点で最も好ましい。
紡糸原液中のポリマー濃度は、組成、重合度、溶媒によって異なるが、8~40質量%の範囲が一般的である。紡糸原液構成溶媒が有機溶媒の場合、溶解は窒素置換後減圧下で撹拌しながら行うのが、酸化、分解、架橋反応等の防止及び発泡抑制の点で好ましい。紡糸原液の吐出時の液温としては50~150℃の範囲で、原液がゲル化したり分解・着色しない範囲とすることが好ましい。
本発明のポリビニルアルコール系繊維が、ポリビニルアルコール系共重合体(A)とポリビニルアルコール系重合体(B)とから構成される場合、上記溶媒を用いてポリビニルアルコール系共重合体(A)とポリビニルアルコール系重合体(B)の紡糸原液を調整する。紡糸原液を調整する際、あらかじめポリビニルアルコール系共重合体(A)とポリビニルアルコール系重合体(B)とを混合し、上記溶媒を用いて紡糸原液としてもよいし、上記溶媒を用いてポリビニルアルコール系共重合体(A)を含む液とポリビニルアルコール系重合体(B)とを含む液をそれぞれ調整し、その後、両液を混合して紡糸原液としてもよい。
上記のように調整した紡糸原液を紡糸することで、本発明のポリビニルアルコール系繊維を製造することができる。紡糸方法は特に限定されず、たとえば乾式紡糸法、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法が例示される。なかでも生産性が高いことなどから湿式紡糸又は乾湿式紡糸により紡糸するのが好ましく、ポリビニルアルコールに対して固化能を有する固化液に吐出すればよい。特に多ホールから紡糸原液を吐出する場合には、吐出時の繊維同士の膠着を防ぐ点から乾湿式紡糸法よりも湿式紡糸法の方が好ましい。なお、湿式紡糸法とは、紡糸口金から直接に固化浴に紡糸原液を吐出する方法のことであり、一方、乾湿式紡糸法とは、紡糸口金から一旦、空気や不活性ガス中に紡糸原液を吐出し、それから固化浴に導入する方法のことである。なお、本発明でいう固化とは、流動性のある紡糸原液が流動性のない固体に変化することをいい、原液組成が変化せずに固化するゲル化と原液組成が変化して固化する凝固の両方を包含する。
紡糸原液構成溶媒が水である場合には、たとえば飽和芒硝水溶液を固化液として吐出すればよく、紡糸原液構成溶媒が有機溶媒である場合には、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどの脂肪酸エステル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族類やこれらの2種以上の混合物を固化液として吐出すればよい。繊維内部まで十分に固化させるために、固化溶媒に紡糸原液構成溶媒を混合したものを用いるのが好ましく、固化溶媒/原液溶媒の混合質量比は95/5~40/60が好ましく、90/10~50/50がさらに好ましく、85/15~55/45が最も好ましい。また固化浴に原液溶媒を混合することにより、固化能を調整すると共に原液溶媒と固化溶媒の分離回収コストの低下をはかることができる。固化浴の温度に限定はないが、紡糸原液構成溶媒が有機溶媒の場合、固化は通常固化浴温度が-15~30℃の間で行う。均一固化および省エネルギーの点からは、固化浴温度が-10~20℃が好ましく、-5~15℃がさらに好ましく、0~10℃が特に好ましい。固化浴の温度がこの温度範囲外の場合、得られる繊維の引張り強度が低下する場合がある。紡糸原液が高温に加熱されている場合には、固化浴温度を低く保つためには、固化浴を冷却するのが好ましい。
次いで固化浴から離浴後の繊維を必要に応じて湿延伸すればよい。繊維の機械的性能、膠着防止の点からは1.5~7.0倍、特に2.5~5.5倍の湿延伸を施すのが好ましく、糸篠の膠着抑制のため、毛羽の出ない範囲で湿延伸倍率を大きくすることが好ましい。湿延伸倍率を大きくするためには、抽出工程中において2段以上の多段に分けて湿延伸を行うことが有効である。
なお紡糸原液構成溶媒が有機溶媒の場合、固化溶媒を主体とする抽出浴に接触させて糸篠から原液溶媒を抽出除去するのが好ましい。また湿延伸と抽出を同工程で行ってもかまわない。この抽出処理は、純粋な固化溶媒を糸篠の走行方向に対して向流方向で連続的に流すことにより抽出浴での滞留時間を短縮できる。この抽出処理により、糸篠中に含まれている紡糸原液溶媒の量を糸篠質量の1%以下、特に0.1%以下にすることができるので、このような方法が好ましい。接触させる時間としては5秒以上、特に15秒以上が好ましい。抽出速度を高め、抽出を向上させるためには、抽出浴中で糸篠をばらけさせることが好ましい。また乾燥に先立って、ポリビニルアルコールに対して固化能の大きい溶剤たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類に置換したり、鉱物油系、酸化ポリエチレン系、シリコン系、フッ素系などの疎水性油剤を溶液状またはエマルジョン状で付着させたり、乾燥時の収縮応力を緩和させるために収縮させることも膠着防止に有効である。
次いで、繊維を好ましくは180℃以下で乾燥すればよく、さらに乾熱延伸することにより繊維の機械的性能を高めることができる。乾熱処理条件はポリビニルアルコールの性状、特に融点や所望の水中溶解温度に応じて適宜選定できるが、乾熱延伸の延伸倍率は1.1~10倍程度とするのが好ましく、乾熱延伸温度は80~250℃とするのが好ましい。工程通過性と乾熱延伸および/または乾熱処理の効果の点で100~235℃、特に120~180℃であるとさらに好ましい。繊維間膠着を抑制して効率的に延伸を行う点からは、乾熱延伸を2倍以上の多段で行うのが好ましく、特に昇温での多段延伸を行うのが好ましい。
得られるポリビニルアルコール系繊維の結晶化度の観点から、上記の乾燥、延伸、熱処理工程のいずれかの工程で、全延伸倍率を3倍以上とすることが好ましい。
本発明のポリビニルアルコール系繊維の単繊維の繊度は特に限定されないが、0.1~1000dtex、特に0.2~100dtex、さらに0.5~10dtex程度のものが広く使用できる。繊維の繊維長は用途に応じて適宜設定すればよいが、たとえば紙や紡績糸に加工する場合には、繊維長を1~30mm程度とするのが好ましい。またポリビニルアルコール系繊維の横断面形状に特別な限定はないが、複雑な形状よりもシンプルな実質的に円形の繊維が水分散性、製品の均質性などの点から好ましい。また、本発明のポリビニルアルコール系繊維の強度は1.5cN/dtex以上、特に3cN/dtex以上であるのが好ましい。
本発明のポリビニルアルコール系繊維は機械的性能等の諸性能に優れるものであり、該繊維を用いることによりあらゆる繊維構造体が得られる。たとえば、カットファイバー、フィラメント、紡績糸、布帛(織編物、乾式不織布、湿式不織布)、ロープ、紐状物等の繊維構造体に加工できる。なかでも機械的性能、柔軟性などに優れていることから、布帛、特に不織布、なかでも乾式不織布とするのがより好ましい。またかかる布帛を所望形状に成形してもかまわない。このとき、他の繊維(水溶性繊維、非水溶性繊維:本発明以外のポリビニルアルコール系繊維を包含する)を併用してもよいが、本発明の効果を効率的に得る点からは、繊維構造体の40質量%以上、さらに60質量%以上、特に80~100質量%を本発明のポリビニルアルコール系繊維とするのが好ましい。また他の素材(金属、フィルム等)と併用してもかまわない。
本発明のポリビニルアルコール系繊維は水溶解性、特に低温での水溶解性に優れることから、それから得られる繊維構造体は水・熱水等で処理することにより容易に溶解除去することができる。必要に応じて水以外の他の液体を用いてもよく、添加剤等を含む液体を用いてもよい。処理が容易で環境にやさしい点からは水(熱水)又は水溶液により処理するのが好ましい。また、用途などによっては風呂や水洗トイレ、洗濯機浴槽などに投入して溶解除去させることもできる。
本発明のポリビニルアルコール系繊維及び該繊維構造体はあらゆる用途に使用できるが、アルカリ条件下におかれた場合であっても優れた水溶解性が保持されることから、アルカリ性物質の包装材に特に好適に使用でき、アルカリ性物質を繊維構造体で包装した包装体とすることができる。本発明に適用可能なアルカリ性物質は特に限定されないが、たとえば、洗剤(洗濯用、工業用等)、農薬、炭酸塩、水溶性固体酸、高沸点溶剤、界面活性剤などが挙げられる。なかでも、本発明の繊維及び包装材は固体、特に粒状物に対して好適に使用できる。通常のポリビニルアルコール系繊維はかかるアルカリ性物質に接触したり、高湿度下で接触した状態におかれると水溶性が損われるが、本発明のポリビニルアルコール系繊維および該繊維構造体からなる包装材は、このようなアルカリ性物質に対しても好適に適用できる。
本発明の繊維構造体を包装材に用いる場合、機械的性能、柔軟性、水中溶解性、包装性能等の観点から、少なくとも繊維布帛を使用するのが好ましい。特に製造工程性、コスト、水中溶解性等の点からは不織布であるのがより好ましい。かかる布帛の目付は、機械的性能、包装性能の点からは10g/m以上、特に40g/m以上であるのが好ましく、生産効率、柔軟性の点からは80g/m以下、さらに60g/m以下であるのが好ましい。また機械的性能の点からは、布帛の裂断長は5N/25cm以上であるのが好ましい。
かかる包装材に好適な不織布の製造方法は特に限定されないが、風合、柔軟性等の点から繊維ウエブを処理して得られる乾式不織布とするのが好ましい。たとえば、ポリビニルアルコール系繊維のフィラメントトウを摩擦帯電による反発作用によって開繊したり、捲縮、カットしたステープルなどをカードなどで開繊してウエブを形成し、これを面積圧着率10~50%(特に好ましくは10~30%)、すなわち不織布表面積の10~50%(特に好ましくは10~30%)を熱エンボスローラーで熱圧着する方法が好適に挙げられる。不織布の一部を熱圧着処理することにより、不織布の風合、柔軟性及び水溶解性を損なうことなく機械的性能・形態安定性を高めることができる。風合、水溶解性などの点からは各熱圧着部の面積は4cm以下、特に2cm以下、さらに1cm以下であるのが好ましく、不織布の機械的性能の点からは1mm以上であるのが好ましい。熱圧着温度はたとえば180~230℃程度、圧力は1~6MPa程度とすればよい。なお本発明のポリビニルアルコール系繊維は乾熱処理により接着能を発現することから、かかるエンボス処理により繊維間を接合して効率的に不織布の機械的性能を高めることができ、また熱圧着処理により容易に所望の形状に成形することもできる。たとえば袋状、箱状などの所望の形状に成形すればよい。包装材としては袋状のものが好適に使用できる。たとえば1辺3~10cm程度の袋状物とすればよい。
また本発明においては、水溶性のフィルムをさらに積層することにより、包装材の機械的性能・形態安定性や内包物の漏れ防止性などをより一層高めることができる。このとき、包装材の内側(内包物充填側)が水溶性のフィルムとなるように積層するのが好ましい。一般に低温水溶性のフィルムは低結晶、低配向性の2次元物であるため、低湿度下と高湿度下で機械的性質が極端に変動したり、高湿度下で吸湿してタッキングを起してフィルム同士がひっつく場合があるが、本発明においては特定の繊維又は繊維構造体を併用していることから、かかる現象は抑制されて高性能の包装材を得ることが可能となる。水溶性フィルムとしては、たとえばポリビニルアルコールフィルムなどが好適に使用でき、特に本発明の繊維を構成するポリビニルアルコールにより構成されたポリビニルアルコールフィルムがより好適に使用できる。かかるフィルムは本発明の繊維構造体との接着性が高く、優れた水溶解性を有しており、しかもアルカリ環境下でも水溶性が損なわれにくいことから優れた効果が得られる。フィルムの積層方法は特に限定されないが、たとえば熱圧着処理を行うことにより効率的に積層一体化できる。またかかる積層体を袋状物等の所望の形状に成形してもかまわない。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[重合度]
JIS K6726に準拠し、30℃の水溶液の極限粘度[η]の測定値から、下記式(2)によって算出した。なお、Pはポリビニルアルコールの平均重合度である。
(数2)
logP=1.613・log([η]×104/8.29) (2)
[ケン化度(モル%)]
JIS K6726に準じて測定した。
[ポリビニルアルコール系繊維の結晶化度]
メトラー社製示差走査熱量測定装置(DSC-20)を用い、繊維サンプル10mgを窒素下20℃/minの速度で昇温した際の、吸熱ピークにおける吸熱量ΔH(J/g)を測定し、ポリビニルアルコールの完全結晶融解熱である174.5J/gに対する割合から、下記式(3)によって、結晶化度を算出した。
(数3)
結晶化度(%)=ΔH(J/g)/174.5(J/g)×100 (3)
[繊維の水中溶断温度(℃)](水中WTb)
長さ10cmの繊維束に2.2mg/dtexの荷重をかけて0℃の水中に吊し、水温を2℃/分の速度で昇温し、繊維が溶解して荷重が落下した時点の温度を水中溶断温度とした。
[繊維の水中収縮率(%)]
長さ10cmの繊維束に2.2mg/dtexの荷重をかけて0℃の水中に吊し、水温を2℃/分の速度で昇温し、繊維が溶解して荷重が落下する時点より前に、繊維が最も収縮した際の長さを、元の長さで除した値を水中収縮率とした。
[繊維の3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中、-1.0℃における溶断時間](3.5%NaCl水溶液WTb)
長さ10cmの繊維束に2.2mg/dtexの荷重をかけて-1.0℃の3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中に吊し、繊維が溶解して荷重が落下した時点の時間を3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とした。
[アルカリ処理後の水溶性](アルカリ処理後のWTb)
アルカリ性物質(市販の粉末洗剤)と繊維束を接触させた状態で恒温恒湿器中に温度30℃、湿度93%の条件で5週間放置し、上記と同様の方法で水中溶解温度(℃)を測定した。
[参考例1]
[ポリビニルアルコールの追いケン化]
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ製「22-88」)を、水酸化ナトリウム10質量%のメタノールの溶液に水酸化ナトリウムに対してモル比で0.01添加し、45℃で1時間浸漬した。その後、酢酸メチルと水との質量比が95/5の溶液を用いて室温で30分、ポリビニルアルコールを中和した。中和したポリビニルアルコールはメタノールで洗浄し、80℃で10時間乾燥した。
[スルホン酸変性ポリビニルアルコールの合成]
重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ製「22-88」)を上記方法により追いケン化し、ケン化度92モル%のポリビニルアルコールをDMSOに90℃で4時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度18質量%の原液を得た。この原液にオルトベンズアルデヒドスルホン酸ナトリウムをポリビニルアルコールに対して3モル%とパラトルエンスルホン酸を原液1kg当たり0.065モル添加して90℃で1時間撹拌し、その後酢酸ナトリウムを原液1kg当たり0.0325モル添加して中和し、スルホン酸基を含有した紡糸原液を合成した。
[実施例1]
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(以後AMPSと略す)を1.5モル%含有する重合度1300、ケン化度91モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)(クラレ製「S-1113」)と重合度1700、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコール系重合体(B)(クラレ製「25-100」)とを(A)/(B)=80/20(重量比)でDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度23質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して5℃のメタノール/DMSO=80/20の固化浴中に乾湿式紡糸し、20℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、メタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[実施例2]
AMPSを2.0モル%含有する重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)(クラレ製「S-2217」)と重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系重合体(B)(クラレ製「22-88」)とを(A)/(B)=70/30(重量比)でDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度22質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して5℃のメタノール/DMSO=80/20の固化浴中に乾湿式紡糸し、20℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、メタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[実施例3]
AMPSを2.0モル%含有する重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)(クラレ製「S-2217」)と重合度2400、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコール系重合体(B)(クラレ製「60-98」)とを(A)/(B)=90/10(重量比)でDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度22質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して0℃のメタノール/DMSO=80/20の固化浴中に乾湿式紡糸し、20℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、メタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[実施例4]
AMPSを4.0モル%含有する重合度1200、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)と重合度1700、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール系重合体(B)(クラレ製「28-98」)とを(A)/(B)=70/30(重量比)でDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度24質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して5℃のメタノール/DMSO=80/20の固化浴中に乾湿式紡糸し、20℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、メタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率1.67倍(総延伸倍率TD=5.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[実施例5]
上記参考例1でスルホン酸変性したスルホン酸基を3.0モル%含有する重合度1700、ケン化度92モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)と重合度1000、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール系重合体(B)(クラレ製「11-98」)とを(A)/(B)=90/10(重量比)でDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度22質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して5℃のメタノール/DMSO=80/20の固化浴中に乾湿式紡糸し、20℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、メタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[実施例6]
AMPSを2.0モル%含有する重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)(クラレ製「S-2217」)と重合度1700、ケン化度96モル%のポリビニルアルコール系重合体(B)(クラレ製「27-96」)とを(A)/(B)=60/40(重量比)でDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度22質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して5℃のメタノール/DMSO=80/20の固化浴中に乾湿式紡糸し、20℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、メタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を140℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[実施例7]
AMPSを2.0モル%含有する重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)(クラレ製「S-2217」)をDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度24質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して0℃のメタノールの固化浴中に乾湿式紡糸し、5℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、5℃のメタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。紡糸性は実施例1から6に比較して劣るものであった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[実施例8]
AMPSを2.0モル%含有する重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)(クラレ製「S-2217」)と重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系重合体(B)(クラレ製「22-88」)とを(A)/(B)=95/5(重量比)でDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度23質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して0℃のメタノールの固化浴中に乾湿式紡糸し、5℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、5℃のメタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は実施例7より良好であったが実施例1から6よりは劣るものであった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[比較例1]
AMPSを2.0モル%含有する重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)(クラレ製「S-2217」)と重合度1700、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコール系重合体(B)(クラレ製「25-100」)とを(A)/(B)=50/50(重量比)でDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度21質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して5℃のメタノール/DMSO=80/20の固化浴中に乾湿式紡糸し、20℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、メタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[比較例2]
AMPSを2.0モル%含有する重合度1700、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)(クラレ製「S-2217」)と重合度1700、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール系重合体(B)(クラレ製「28-98」)とを(A)/(B)=30/70(重量比)でDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度20質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して5℃のメタノール/DMSO=80/20の固化浴中に乾湿式紡糸し、20℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、メタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
[比較例3]
AMPSを2.0モル%含有する重合度1700、ケン化度95モル%のポリビニルアルコール系共重合体(A)(クラレ製「S-2117」)をDMSOに90℃で5時間、撹拌溶解し、ポリビニルアルコール濃度20質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔数80、孔径0.1mmφのノズルを通して5℃のメタノール/DMSO=80/20の固化浴中に乾湿式紡糸し、20℃のメタノール浴で3.0倍の湿熱延伸を施した。ついで、メタノールで糸篠中のDMSOを抽出した後に紡糸油剤を付与し120℃で乾燥し、得られた乾燥原糸を160℃で乾熱延伸倍率2.0倍(総延伸倍率TD=6.0倍)の条件で乾熱延伸してポリビニルアルコール系繊維を製造した。紡糸性は良好であった。得られた繊維の水中溶断温度、水中収縮率、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中溶断時間とアルカリ処理後の水中溶断温度を測定した結果を表1に示す。
Figure 0007336282000001
上記表1から明らかなように、本発明のポリビニルアルコール系繊維は水溶解性、アルカリ処理後の水溶解性に優れ、また3.5質量%塩化ナトリウム水溶液-1.0℃中溶断時間も短いことから、極低温での水溶解性に優れている。
本発明のポリビニルアルコール系繊維は、繊維構造体とし、該構造体で洗剤(洗濯用、工業用等)、農薬、炭酸塩、水溶性固体酸、高沸点溶剤、界面活性剤等のアルカリ性物質を包装してなる包装体の原料として好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. スルホン酸基を1.0モル%以上含有し、ケン化度が80~93モル%である、ポリビニルアルコール系繊維であって、前記ポリビニルアルコール系繊維中のポリビニルアルコールの重合度が500以上であるポリビニルアルコール系繊維
  2. 3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中、-1.0℃における繊維の溶断時間が60分未満であることを特徴とする、請求項1に記載のポリビニルアルコール系繊維。
  3. アルカリ処理後の繊維の水中溶断温度が25℃以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリビニルアルコール系繊維。
  4. 結晶化度が20~30%であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系繊維。
  5. 少なくとも2種のポリビニルアルコールから構成される請求項1から4のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系繊維。
  6. ポリビニルアルコール系共重合体(A)とポリビニルアルコール系重合体(B)からなるポリビニルアルコール系繊維であって、前記ポリビニルアルコール系共重合体(A)が、スルホン酸基を1.0モル%以上含有し、ケン化度が80~96モル%であり、前記ポリビニルアルコール系共重合体(A)が60~90質量%、前記ポリビニルアルコール系重合体(B)が10~40質量%含有することを特徴とする、請求項5に記載のポリビニルアルコール系繊維。
  7. 請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系繊維を少なくとも一部に含む、繊維構造体。
  8. スルホン酸基を1.0モル%以上含有し、ケン化度が80~96モル%であるポリビニルアルコール系共重合体(A)と、ポリビニルアルコール系重合体(B)とを、混合して紡糸原液を作製する工程を少なくとも含む、請求項6に記載のポリビニルアルコール系繊維の製造方法。
  9. 前記紡糸原液を、ポリビニルアルコールに対して固化能を有する有機溶媒を主体とする固化浴に湿式または乾湿式紡糸し、乾燥、延伸、熱処理の何れかの工程で、全工程における全延伸倍率を3倍以上とすることを特徴とする、請求項8に記載のポリビニルアルコール系繊維の製造方法。
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