高い親和性及び特異性でヒトIL-27(インターロイキン27)に特異的に結合して拮抗する、抗体またはその抗原結合部分を、本明細書に開示する。抗体分子をコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、及び抗体分子を作成する方法も提供する。抗体分子を含む医薬組成物も提供する。本明細書に開示する抗IL-27抗体またはその抗原結合部分を(単独で、または他の治療剤もしくは手技と組み合わせて)使用して、免疫障害及びがんを含む障害を、処置、予防及び/または診断することができる。ゆえに、抗IL-27抗体分子を使用して、がん及び免疫障害を含む様々な障害を、処置及び/または診断するための組成物及び方法を、本明細書に開示する。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下の特性:(i)ヒトIL-27に15nM以下の平衡解離定数(KD)で結合する;(ii)IL-27のIL-27受容体への結合を遮断する;(iii)細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する;(iv)細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する;(v)細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する;(vi)細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する;ならびに(vii)(i)~(vi)の組み合わせのうちの少なくとも1つまたは複数を呈する。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、ヒトIL-27に15nM以下の平衡解離定数(KD)で結合する。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、組換えヒトIL-27またはマウスIL-27に結合する。
一態様では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、(i)重鎖CDR1が、N-GFTFXXXX-C(配列番号408)であり、重鎖CDR2が、N-ISSSXXYI-C(配列番号409)であり、重鎖CDR3配列が、配列番号163である;軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号169、170及び171である;または(ii)重鎖CDR1が、N-FTFXXXXMN-C(配列番号410)であり、重鎖CDR2が、N-XISSSXXYIXYADSVKG-C(配列番号411)であり、重鎖CDR3配列が、配列番号166である;軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号172、173及び174である重鎖CDR及び軽鎖CDRを有する。
一実施形態では、重鎖CDR1は、N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号412)であり、重鎖CDR2は、N-ISSS[S/G][S/A]YI-C(配列番号413)である;または重鎖CDR1は、N-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]MN-C(配列番号414)であり、重鎖CDR2は、N-[G/S]ISSS[S/G][S/A]YI[L/Y]YADSVKG-C(配列番号415)である。
別の実施形態では、それぞれの重鎖CDR及び軽鎖CDRは:(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号161、162及び163であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号169、170及び171である;(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号164、165及び166であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号172、173及び174である;(iii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号73、74及び75であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号81、82及び83である;(iv)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号76、77及び78であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号84、85及び86である;(v)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号95、96及び97であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号103、104及び105である;(vi)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号98、99及び100であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号106、107及び108である;(vii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号117、118及び119であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号125、126及び127である;(viii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号120、121及び122であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号128、129及び130である;(ix)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号139、140及び141であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号147、148及び149である;(x)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号142、143及び144であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号150、151及び152である;(xi)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号51、52及び53であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号59、60及び61である;または(xii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号54、55及び56であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号62、63及び64である。
本開示の別の態様は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は:(i)それぞれ、重鎖CDR1が、N-GGSFSXYX-C(配列番号416)であり、重鎖CDR2が、N-IDXSGXT-C(配列番号417)であり、重鎖CDR3が、N-ARXXXYY[X]n=0-1DSS[X]n=4-6DX-C(配列番号418)である;及び軽鎖CDR1が、N-QXXSXY-C(配列番号419)であり、軽鎖CDR2が、N-DXS-C(配列番号420)であり、軽鎖CDR3が、N-QQXXDXPIT-C(配列番号421)である;または(ii)それぞれ、重鎖CDR1が、N-GSFSXYXWS-C(配列番号422)であり、重鎖CDR2が、N-SIDXSGXTXYNPSLKS-C(配列番号423)であり、重鎖CDR3配列が、N-ARXXXYY[X]n=0-1DSS[X]n=4-6DX-C(配列番号418)である;及び軽鎖CDR1が、N-XASQXXSXYLX-C(配列番号424)であり、軽鎖CDR2が、N-DXSNXXT-C(配列番号425)であり、軽鎖CDR3が、N-QQXXDXPIT-C(配列番号421)である、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
ある特定の実施形態では、(i)それぞれ、重鎖CDR1は、N-GGSFS[R/D]Y[E/Y]-C(配列番号426)であり、重鎖CDR2は、N-ID[W/Y]SG[I/S]T-C(配列番号427)であり、重鎖CDR3は、N-AR[D/L][P/G][M/V]YY[-/Y]DSS[VSTGSV/DLGF]D[V/I]-C(配列番号428)である;及び軽鎖CDR1は、N-Q[S/D][V/I]S[S/N]Y-C(配列番号429)であり、軽鎖CDR2は、N-D[S/A]S-C(配列番号430)であり、軽鎖CDR3は、N-QQ[D/Y][S/D]D[H/L]PIT-C(配列番号431)である;または(ii)それぞれ、重鎖CDR1は、N-GSFS[R/D]Y[E/Y]WS-C(配列番号432)であり、重鎖CDR2は、N-SID[W/Y]SG[I/S]T[N/E]YNPSLKS-C(配列番号433)であり、重鎖CDR3は、N-AR[D/L][P/G][M/V]YY[-/Y]DSS[VSTGSV/DLGF]D[V/I]-C(配列番号428)である;及び軽鎖CDR1は、N-[Q/R]ASQ[S/D][V/I]S[S/N]YL[N/A]-C(配列番号434)であり、軽鎖CDR2は、N-D[S/A]SN[R/L][A/E]T-C(配列番号435)であり、軽鎖CDR3は、N-QQ[D/Y][S/D]D[H/L]PIT-C(配列番号431)である。
一部の実施形態では、(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号229、230及び231であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号237、238及び239である;または(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号232、233及び234であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号240、241及び242である。
ある特定の実施形態では、(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号251、252及び253であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、配列番号259、260及び261である;または(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号254、255及び256であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号262、263及び264である。
本開示の別の態様は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号23、24及び25であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号26、27及び28である、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
本開示の追加の態様は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号339、340及び341であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号347、348及び349である;または(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号342、343及び344であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号350、351及び352である、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
本開示の別の態様は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号185、186及び187であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号193、194及び195である;または(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号188、189及び190であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号196、197及び198である、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
本開示の一態様は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号207、208及び209であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号215、216及び217である;または(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号210、211及び212であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号218、219及び220である、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
本開示の追加の態様は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、(i)重鎖鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号273、274及び275であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号281、282及び283である;または(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号276、277及び278であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号284、285及び286である、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
本開示の一態様は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、(i)それぞれ、重鎖CDR1が、N-GFTFSSYG-C(配列番号361)であり、重鎖CDR2が、N-IXXDGSXK-C(配列番号436)であり、重鎖CDR3が、N-ARXAP[X]n=3-8DV-C(配列番号437)である;及び軽鎖CDR1が、N-QSXSSY-C(配列番号438)であり、軽鎖CDR2が、N-XXS-C(配列番号439)であり、軽鎖CDR3が、N-QQXXXXP[X]n=0-1TC(配列番号440)である;または(ii)それぞれ、重鎖CDR1が、N-FTFSSYGMX-C(配列番号441)であり、重鎖CDR2が、N-XIXXDGSXKYYXDSVKG-C(配列番号442)であり、重鎖CDR3が、N-ARXAP[X]n=3-8DV-C(配列番号437)である;及び軽鎖CDR1が、N-RASQSXSSYLX-C(配列番号443)であり、軽鎖CDR2が、N-[X]n=1-2SS[X]n=3-4-C(配列番号444)であり、軽鎖CDR3が、N-QQXXXXP[X]n=0-1TC(配列番号440)である、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
ある特定の実施形態では、(i)それぞれ、重鎖CDR1は、N-GFTFSSYG-C(配列番号361)であり、重鎖CDR2は、N-I[K/W][Q/Y]DGS[E/N]K-C(配列番号445)であり、重鎖CDR3は、N-AR[D/G]AP[WDIYDYYM/EYV]DV-C(配列番号446)である;及び軽鎖CDR1は、N-QS[I/V]SSY-C(配列番号447)であり、軽鎖CDR2は、N-[A/D][A/S]S-C(配列番号448)であり、軽鎖CDR3は、N-QQ[S/Y][Y/S][V/L][P/Y]P[W/-]T-C(配列番号449)である;または(ii)それぞれ、重鎖CDR1は、N-FTFSSYGM[S/H]-C(配列番号450)であり、重鎖CDR2は、N-[N/V]I[K/W][Q/Y]DGS[E/N]KYY[V/A]DSVKG-C(配列番号451)であり、重鎖CDR3は、N-AR[D/G]AP[WDIYDYYM/EYV]DV-C(配列番号446)である;及び軽鎖CDR1は、N-RASQS[I/V]SSYL[N/A]-C(配列番号452)であり、軽鎖CDR2は、N-[AA/D]SS[LQS/NRAT]-C(配列番号453)であり、軽鎖CDR3は、N-QQ[S/Y][Y/S][V/L][P/Y]P[W/-]T-C(配列番号449)である。
一部の実施形態では、(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号361、362及び363であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号369、370及び371である;または(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号364、365及び366であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号372、373及び374である。
一実施形態では、(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号383、384及び385であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号391、392及び393である;または(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号386、387及び388であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号394、395及び396である。
本開示の別の態様は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、(i)それぞれ、重鎖CDR1が、N-GFTFXXXX-C(配列番号408)であり、重鎖CDR2が、N-IXXXXXXX-C(配列番号456)であり、重鎖CDR3が、N-AR[X]n=6-15DX-C(配列番号458)である;及び軽鎖CDR1が、N-QS[X]n=1-3SS[X]n=0-4Y-C(配列番号460)であり、軽鎖CDR2が、N-XXS-C(配列番号462)であり、軽鎖CDR3が、N-QQXXXXP[X]n=0-1T-C(配列番号464)である;または(ii)それぞれ、重鎖CDR1が、N-FTFXXXXMX-C(配列番号466)であり、重鎖CDR2が、N-XIXXXXXXXXYXDSVKG-C(配列番号468)であり、重鎖CDR3が、N-AR[X]n=6-15DX-C(配列番号470)である;及び軽鎖CDR1が、N-RASQSXSSYLX-C(配列番号472)であり、軽鎖CDR2が、N-[X]n=1-2S[X]n=4-5-C(配列番号474)であり、軽鎖CDR3が、N-QQXXXXP[X]n=0-1T-C(配列番号476)である、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
ある特定の実施形態では、(i)それぞれ、重鎖CDR1は、N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号454)であり、重鎖CDR2は、N-I[S/K/W][S/Q/Y][S/D][S/G][S/A][Y/E/N][I/K]-C(配列番号455)であり、重鎖CDR3は、N-AR[DGGRTSYTATAHNWF/DAPWDIYDYYM/GAPEYV]D[P/V]-C(配列番号457)である;及び軽鎖CDR1は、N-QS[VLF/I/V]SS[NNKN/-]Y-C(配列番号459)であり、軽鎖CDR2は、N-[W/A/D][A/S]S-C(配列番号461)であり、軽鎖CDR3は、N-QQ[H/S/Y][A/Y/S][S/V/L][A/P/Y]P[P/W/-]T-C(配列番号463)である;または(ii)それぞれ、重鎖CDR1は、N-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]M[N/S/H]-C(配列番号465)であり、重鎖CDR2は、N-[G/S/N/V]I[S/K/W][S/Q/Y][S/D][S/G][S/A][Y/E/N][I/K][L/Y]Y[V/A]DSVKG-C(配列番号467)であり、重鎖CDR3は、N-AR[D/G][GGRTSYTATAHNWF/APWDIYDYYM/APEYV]D[P/V]-C(配列番号469)である;及び軽鎖CDR1は、N-RASQS[I/V]SSYL[N/A]-C(配列番号471)であり、軽鎖CDR2は、N-[WA/AA/D]S[TRES/SLQS/SNRAT]-C(配列番号473)であり、軽鎖CDR3は、N-QQ[H/S/Y][A/Y/S][S/V/L][A/P/Y]P[P/W/-]T-C(配列番号475)である。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する。一部の実施形態では、細胞は、免疫細胞である。一部の実施形態では、細胞は、がん細胞である。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する(例えば、細胞におけるCD161発現の阻害を、回復または緩和する)。一部の実施形態では、細胞は、免疫細胞である。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるIL-27媒介性PD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する。一部の実施形態では、PD-L1発現は、阻害または低下される。一部の実施形態では、TIM-3発現は、阻害または低下される。一部の実施形態では、PD-L1発現及びTIM-3発現の両方が、低下される。一部の実施形態では、細胞は、免疫細胞である。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、TNFαである。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、IL-6である。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、TNFα及びIL-6である。一部の実施形態では、細胞は、免疫細胞である。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、及びIgE抗体からなる群から選択される。一部の実施形態では、抗体は、IgG1抗体またはIgG4抗体である。一部の実施形態では、抗体は、野生型IgG1重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、抗体は、野生型IgG4重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つの突然変異を含むFcドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、突然変異型IgG1重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、抗体は、突然変異型IgG4重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、突然変異型IgG4重鎖定常領域は、EUナンバリングに従って、置換S228P、L235E、L235Aのいずれか1つ、またはそれらの組み合わせを含む。
一部の実施形態では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合部分と実質的に同じIL-27上のエピトープに結合する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合部分が結合するIL-27を含むアミノ酸残基の少なくとも1つに結合する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、抗体またはその抗原結合部分が結合するIL-27上のエピトープの突然変異が、抗体またはその抗原結合部分及び前述の実施形態のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合部分の両方への結合を、阻害、低下、または遮断する。
一部の実施形態では、本開示は、IL-27上のエピトープに結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、エピトープは、表12に記載する抗体分子が結合するエピトープと同じであるまたは類似する。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号51、52及び53に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号59、60及び61に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ii)それぞれ、配列番号73、74及び75に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号81、82及び83に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iii)それぞれ、配列番号95、96及び97に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号103、104及び105に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iv)それぞれ、配列番号117、118及び119に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号125、126及び127に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(v)それぞれ、配列番号139、140及び141に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号147、148及び149に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vi)それぞれ、配列番号161、162及び163に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号169、170及び171に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vii)それぞれ、配列番号185、186及び187に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号193、194及び195に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(viii)それぞれ、配列番号207、208及び209に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号215、216及び217に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ix)それぞれ、配列番号229、230及び231に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号237、238及び239に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(x)それぞれ、配列番号251、252及び253に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号259、260及び261に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xi)それぞれ、配列番号273、274及び275に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号281、282及び283に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xii)それぞれ、配列番号295、296及び297に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号303、304及び305に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiii)それぞれ、配列番号317、318及び319に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号325、326及び327に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiv)それぞれ、配列番号339、340及び341に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号347、348及び349に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xv)それぞれ、配列番号361、362及び363に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号369、370及び371に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号383、384及び385に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号391、392及び393に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含み、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号161、162及び163に記載されており、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号169、170及び171に記載されている。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号54、55及び56に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号62、63及び64に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ii)それぞれ、配列番号76、77及び78に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号84、85及び86に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iii)それぞれ、配列番号98、99及び100に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号106、107及び108に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iv)それぞれ、配列番号120、121及び122に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号128、129及び130に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(v)それぞれ、配列番号142、143及び144に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号150、151及び152に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vi)それぞれ、配列番号164、165及び166に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号172、173及び174に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vii)それぞれ、配列番号188、189及び190に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号196、197及び198に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(viii)それぞれ、配列番号210、211及び212に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号218、219及び220に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ix)それぞれ、配列番号232、233及び234に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号240、241及び242に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(x)それぞれ、配列番号254、255及び256に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号262、263及び264に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xi)それぞれ、配列番号276、277及び278に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号284、285及び286に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xii)それぞれ、配列番号298、299及び300に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号306、307及び308に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiii)それぞれ、配列番号320、321及び322に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号328、329及び330に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiv)それぞれ、配列番号342、343及び344に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号350、351及び352に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xv)それぞれ、配列番号364、365及び366に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号372、373及び374に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号386、387及び388に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号394、395及び396に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含み、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号164、165及び166に記載されており、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号172、173及び174に記載されている。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含み、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列は、それぞれ、SYSMS(配列番号23)、YISYDGGSAYYPDTVKG(配列番号24)及びHGDYDDDDAMDY(配列番号25)であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列は、それぞれ、RASENIYSYLA(配列番号26)、NAETLTE(配列番号27)及びQHHYGTPLT(配列番号28)である。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号57、79、101、123、145、167、191、213、235、257、279、301、323、345、367及び389からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号65、87、109、131、153、175、199、221、243、265、287、309、331、353、375及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号57及び65;
(ii)それぞれ、配列番号79及び87;
(iii)それぞれ、配列番号101及び109;
(iv)それぞれ、配列番号123及び131;
(v)それぞれ、配列番号145及び153;
(vi)それぞれ、配列番号167及び175;
(vii)それぞれ、配列番号191及び199;
(viii)それぞれ、配列番号213及び221;
(ix)それぞれ、配列番号235及び243;
(x)それぞれ、配列番号257及び265;
(xi)それぞれ、配列番号279及び287;
(xii)それぞれ、配列番号301及び309;
(xiii)それぞれ、配列番号323及び331;
(xiv)それぞれ、配列番号345及び353;
(xv)それぞれ、配列番号367及び375;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号389及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号57、79、101、123、145、167、191、213、235、257、279、301、323、345、367及び389からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号65、87、109、131、153、175、199、221、243、265、287、309、331、353、375及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号57及び65;
(ii)それぞれ、配列番号79及び87;
(iii)それぞれ、配列番号101及び109;
(iv)それぞれ、配列番号123及び131;
(v)それぞれ、配列番号145及び153;
(vi)それぞれ、配列番号167及び175;
(vii)それぞれ、配列番号191及び199;
(viii)それぞれ、配列番号213及び221;
(ix)それぞれ、配列番号235及び243;
(x)それぞれ、配列番号257及び265;
(xi)それぞれ、配列番号279及び287;
(xii)それぞれ、配列番号301及び309;
(xiii)それぞれ、配列番号323及び331;
(xiv)それぞれ、配列番号345及び353;
(xv)それぞれ、配列番号367及び375;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号389及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号167及び175に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号167及び175に記載のアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は、配列番号67、89、111、133、155、177、201、223、245、267、289、311、333、355、377及び399からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は、配列番号67、89、111、133、155、177、201、223、245、267、289、311、333、355、377及び399からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は、配列番号71、93、115、137、159、181、205、227、249、271、293、315、337、359、381及び403からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は、配列番号71、93、115、137、159、181、205、227、249、271、293、315、337、359、381及び403からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号67及び69;
(ii)それぞれ、配列番号89及び91;
(iii)それぞれ、配列番号111及び113;
(iv)それぞれ、配列番号133及び135;
(v)それぞれ、配列番号155及び157;
(vi)それぞれ、配列番号177及び179;
(vii)それぞれ、配列番号201及び203;
(viii)それぞれ、配列番号223及び225;
(ix)それぞれ、配列番号245及び247;
(x)それぞれ、配列番号267及び269;
(xi)それぞれ、配列番号289及び291;
(xii)それぞれ、配列番号311及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号333及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号355及び357;
(xv)それぞれ、配列番号377及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号399及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号67及び69;
(ii)それぞれ、配列番号89及び91;
(iii)それぞれ、配列番号111及び113;
(iv)それぞれ、配列番号133及び135;
(v)それぞれ、配列番号155及び157;
(vi)それぞれ、配列番号177及び179;
(vii)それぞれ、配列番号201及び203;
(viii)それぞれ、配列番号223及び225;
(ix)それぞれ、配列番号245及び247;
(x)それぞれ、配列番号267及び269;
(xi)それぞれ、配列番号289及び291;
(xii)それぞれ、配列番号311及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号333及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号355及び357;
(xv)それぞれ、配列番号377及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号399及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号71及び69;
(ii)それぞれ、配列番号93及び91;
(iii)それぞれ、配列番号115及び113;
(iv)それぞれ、配列番号137及び135;
(v)それぞれ、配列番号159及び157;
(vi)それぞれ、配列番号181及び179;
(vii)それぞれ、配列番号205及び203;
(viii)それぞれ、配列番号227及び225;
(ix)それぞれ、配列番号249及び247;
(x)それぞれ、配列番号271及び269;
(xi)それぞれ、配列番号293及び291;
(xii)それぞれ、配列番号315及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号337及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号359及び357;
(xv)それぞれ、配列番号381及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号403及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号71及び69;
(ii)それぞれ、配列番号93及び91;
(iii)それぞれ、配列番号115及び113;
(iv)それぞれ、配列番号137及び135;
(v)それぞれ、配列番号159及び157;
(vi)それぞれ、配列番号181及び179;
(vii)それぞれ、配列番号205及び203;
(viii)それぞれ、配列番号227及び225;
(ix)それぞれ、配列番号249及び247;
(x)それぞれ、配列番号271及び269;
(xi)それぞれ、配列番号293及び291;
(xii)それぞれ、配列番号315及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号337及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号359及び357;
(xv)それぞれ、配列番号381及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号403及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号177及び179に記載のアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号177及び179に記載のアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号181及び179に記載のアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号181及び179に記載のアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する方法を提供し、該方法は、細胞を、本開示により提供する単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する。
一部の実施形態では、本開示は、細胞におけるCD161発現のIL-27媒介性阻害を阻害または低下する方法を提供し、該方法は、細胞を、本開示により提供する単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する。
一部の実施形態では、本開示は、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現のIL-27媒介性発現を阻害または低下する方法を提供し、該方法は、細胞を、本開示により提供する単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害する。
一部の実施形態では、本開示は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインの分泌を誘導または増強する方法を提供し、該方法は、細胞を、本開示により提供する単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、IL-27に特異的に結合して拮抗する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくはその抗原結合部分、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、対象のがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、IL-27に特異的に結合して拮抗する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくはその抗原結合部分、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含み、抗体もしくはその抗原結合部分、または医薬組成物は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下し、それによって免疫応答を刺激するまたはがんを処置する。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含み、抗体もしくはその抗原結合部分、または医薬組成物は、細胞におけるCD161発現のIL-27媒介性阻害を阻害または低下し、それによって免疫応答を刺激するまたはがんを処置する。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含み、抗体もしくはその抗原結合部分、または医薬組成物は、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3のIL-27媒介性発現を阻害または低下し、それによって免疫応答を刺激するまたはがんを処置する。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含み、抗体もしくはその抗原結合部分、または医薬組成物は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強し、それによって免疫応答を刺激するまたはがんを処置する。
一部の実施形態では、がんは、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、肉腫、精巣癌、卵巣癌、膵臓癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、黒色腫(例えば、ブドウ膜黒色腫などを含む)、頭頸部癌(例えば、扁平上皮性頭頸部癌)、結腸直腸癌、膀胱癌、子宮内膜癌、前立腺癌、甲状腺癌、肝細胞癌、胃癌、脳癌、リンパ腫(例えば、DL-BCL)、白血病(例えば、AML)または腎癌(例えば、腎細胞癌、例えば、腎明細胞癌)から選択される。
一部の実施形態では、本開示は、対象のがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、IL-27に特異的に結合して拮抗する、有効量の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を、1つまたは複数の追加の治療剤または手技と組み合わせて投与することを含み、第二の治療剤または手技は、化学療法、標的抗がん療法(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)を含む)、腫瘍溶解薬、細胞傷害剤、免疫系療法、サイトカイン、外科的手技、放射線手技、共刺激分子の活性化剤、阻害分子の阻害剤、ワクチン、もしくは細胞性免疫療法、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、PD-1アンタゴニスト、PD-L1阻害剤、TIM-3阻害剤、LAG-3阻害剤、TIGIT阻害剤、CD112R阻害剤、TAM阻害剤、STINGアゴニスト、4-1BBアゴニスト、またはそれらの組み合わせである。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、PD-1アンタゴニストである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PDR001、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI0680、REGN2810、TSR-042、PF-06801591、及びAMP-224からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、PD-L1阻害剤である。一部の実施形態では、PD-L1阻害剤は、FAZ053、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、及びBMS-936559からなる群から選択される。一部の実施形態では、本開示は、抗PD-1抗体の1つまたは複数の活性を増強する(例えば、PD-1媒介性サイトカイン分泌を増強する、抗PD-1媒介性TNFα分泌を増強する、抗PD-1抗体に曝露された細胞からの抗PD-1媒介性IL-6分泌を増強する)方法を提供し、該方法は、細胞を、抗PD-1抗体と同時並行または連続して、本開示により提供する、抗体またはその抗原結合部分に曝露することを含み、それによって抗PD-1抗体の1つまたは複数の活性を増強する。
ある特定の実施形態では、本開示は、抗PD-1抗体及び/または抗PD-L1抗体、ならびに本明細書に開示する抗体またはその抗原結合部分(例えば、抗IL-27抗体)、ならびに医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
関連する実施形態では、本開示は、同時並行または順次投与のための、抗PD-1抗体及び/または抗PD-L1抗体、ならびに本明細書に開示する抗体またはその抗原結合部分(例えば、抗IL-27抗体)、ならびにその使用説明書を含む、キットを提供する。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、TIM-3阻害剤であり、任意選択で、TIM-3阻害剤は、MGB453またはTSR-022である。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、LAG-3阻害剤であり、任意選択で、LAG-3阻害剤は、LAG525、BMS-986016、及びTSR-033からなる群から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、TIGIT阻害剤である。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、CD112R阻害剤である。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、TAM(Axl、Mer、Tyro)阻害剤である。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、STINGアゴニストである。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、4-1BBアゴニストである。
一部の実施形態では、本開示は、対象からの試料中のIL-27を検出する方法を提供し、該方法は、(a)対象からの試料を、検出抗体と、IL-27が試料中に存在する場合に、検出抗体が検出抗体-IL-27複合体を形成することを可能にする条件下で接触させること、ここで検出抗体は本開示により提供する抗体またはその抗原結合フラグメントである、及び(b)存在する場合、ステップ(a)において産生された複合体の存在を検出することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、対象のIL-27関連がんを検出する方法を提供し、該方法は、(a)IL-27関連がんを有する疑いのある対象からの試料を、検出抗体と、IL-27が試料中に存在する場合に、検出抗体が検出抗体-IL-27複合体を形成することを可能にする条件下で接触させるステップ、ここで検出抗体は本開示により提供する抗体またはその抗原結合部分である、及び(b)存在する場合、ステップ(a)において産生された複合体の存在を検出するステップを含む。一部の実施形態では、検出抗体は、検出可能な標識に結合している。一部の実施形態では、該方法は、試料を、捕捉抗体と接触させて、IL-27が試料中に存在する場合に、IL-27及び捕捉抗体を含む複合体を産生することをさらに含み、捕捉抗体は、本開示により提供する抗体またはその抗原結合部分である。
一部の実施形態では、検出抗体または捕捉抗体は、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含み、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列は、それぞれ、SYSMS(配列番号23)、YISYDGGSAYYPDTVKG(配列番号24)及びHGDYDDDDAMDY(配列番号25)であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列は、それぞれ、RASENIYSYLA(配列番号26)、NAETLTE(配列番号27)及びQHHYGTPLT(配列番号28)である。
一部の実施形態では、検出抗体または捕捉抗体は、それぞれ、配列番号1及び配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、捕捉抗体は、固体支持体上に固定化されている。一部の実施形態では、試料を、検出抗体の前に捕捉抗体と接触させる。一部の実施形態では、試料は、体液試料である。一部の実施形態では、流体試料は、血液、血清、血漿、細胞溶解液または組織溶解液である。
一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌(RCC)、肝細胞癌(HCC)、肺癌、胃食道癌、卵巣癌、子宮内膜癌、黒色腫、白血病及びリンパ腫から選択される。一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌(RCC)である。一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌(HCC)である。一部の実施形態では、がんは、白血病及びリンパ腫から選択される。一部の実施形態では、がんは、急性骨髄性白血病(AML)である。
定義
本特許請求の範囲及び明細書内で使用する用語は、別段の指定がない限り、下記のように定義される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上そうでないと明確に指示されない限り、複数形の指示対象を含むことに留意されなければならない。
本明細書で使用する場合、「約」は、当業者により理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変動するだろう。当業者にとって明白ではない本用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考慮して、「約」は、特定の値のプラスまたはマイナス10%までを意味するだろう。
本明細書で使用する場合、「アゴニスト」という用語は、本明細書に開示する天然ポリペプチドの生物学的活性を、部分的または完全に促進、誘導、増加、及び/または活性化する任意の分子を指す。好適なアゴニスト分子は、アゴニスト抗体または抗体フラグメント、天然ポリペプチド、ペプチドまたはタンパク質の、フラグメントまたはアミノ酸配列変異体を具体的に含む。一部の実施形態では、アゴニストの存在下での活性化は、用量依存様式にて観察される。一部の実施形態では、測定されたシグナル(例えば、生物学的活性)は、同等の条件下で陰性対照を用いて測定されたシグナルよりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%高い。本明細書では、本開示の方法における使用に好適なアゴニストを同定する方法も開示する。例えば、これらの方法には、限定されないが、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、Forte Bio(著作権)システム、及びラジオイムノアッセイ(RIA)などの結合アッセイが含まれる。これらのアッセイは、目的のポリペプチド(例えば、受容体またはリガンド)に結合するアゴニストの能力を決定し、それゆえ、ポリペプチドの活性を促進、増加または活性化するアゴニストの能力を示す。ポリペプチドの機能を活性化または促進するアゴニストの能力などのアゴニストの有効性は、機能性アッセイを使用して決定することもできる。例えば、機能性アッセイは、ポリペプチドを候補アゴニスト分子と接触させること、及びポリペプチドに通常関連する1つまたは複数の生物学的活性における検出可能な変化を測定することを含み得る。アゴニストの効力は、通常、そのEC50値(アゴニスト応答の50%を活性化するために必要な濃度)によって定義される。EC50値が低いほど、アゴニストの効力は大きくなり、最大の生物学的応答を活性化するために必要な濃度は低くなる。
本明細書で使用する場合、「アラニンスキャニング」という用語は、所定のタンパク質またはポリペプチドの安定性または機能(複数可)(例えば、結合親和性)に対する特定の野生型残基の寄与を決定するために使用される技術を指す。この技術は、ポリペプチドの野生型残基のアラニン残基での置換、その後、アラニン置換誘導体または突然変異型ポリペプチドの安定性または機能(複数可)(例えば、結合親和性)の評価、及び野生型ポリペプチドとの比較を伴う。ポリペプチドの野生型残基をアラニンで置換する技術は、当該技術分野で公知である。
「回復する」という用語は、予防、重症度もしくは進行の緩和、寛解、または治癒を含む、疾患状態、例えば、がんの処置における任意の治療上有益な結果を指す。
本明細書で使用する場合、「アミノ酸」という用語は、天然に生じるアミノ酸及び合成アミノ酸、ならびに天然に生じるアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体を指す。天然に生じるアミノ酸は、遺伝暗号によってコードされるもの、ならびに後に修飾されたアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート及びO-ホスホセリンである。アミノ酸類似体とは、天然に生じるアミノ酸と同じ塩基化学構造を有する化合物、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基に結合しているα炭素を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。このような類似体は、修飾されたR基を有するか(例えばノルロイシン)または修飾されたペプチド主鎖を有するが、天然に生じるアミノ酸と同じ塩基化学構造を保持している。アミノ酸模倣体とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に生じるアミノ酸と同様の様式で機能する化学化合物を指す。
アミノ酸は、本明細書では、一般に公知である三文字の記号、またはIUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されている一文字の記号のいずれかによって称することができる。ヌクレオチドも同様に、一般に認められている一文字の略号で称することができる。
本明細書で使用する場合、「アミノ酸置換」は、所定のアミノ酸配列(出発ポリペプチドのアミノ酸配列)における少なくとも1つの既存のアミノ酸残基の、第二の、異なる「置換」アミノ酸残基での置換を指す。「アミノ酸挿入」とは、少なくとも1つの追加のアミノ酸を所定のアミノ酸配列に組み込むことを指す。挿入は通常、1つまたは2つのアミノ酸残基の挿入からなり得るが、より大きな「ペプチド挿入」、例えば約3~約5、またさらには最大約10、15、または20のアミノ酸残基の挿入もなされ得る。挿入された残基(複数可)は、上に開示するように、天然に生じても非天然に生じてもよい。「アミノ酸欠失」は、所定のアミノ酸配列からの少なくとも1つのアミノ酸残基の除去を指す。
本明細書で使用する場合、「量」または「レベル」という用語は、最も広い意味で使用され、物質(例えば、代謝産物、小分子、タンパク質、mRNA、マーカー)の数量、濃度または存在量を指す。代謝産物または小分子(例えば、薬物)に言及する場合、「量」、「レベル」、及び「濃度」という用語は、一般的に互換可能に使用され、一般的に生体試料中の検出可能な量を指す。「上昇したレベル」または「増加したレベル」とは、対照試料、例えば疾患もしくは障害(例えば、がん)に罹患していない1つもしくは複数の個体に由来するものまたは内部対照と比較した、試料内での物質の数量、濃度または存在量における増加を指す。一部の実施形態では、試料中の物質(例えば、薬物)の上昇したレベルは、当該技術分野で公知の技術(例えば、HPLC)によって決定される、対照試料中の物質の量に対する約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の物質の量の増加を指す。「低下したレベル」とは、対照、例えば疾患もしくは障害(例えば、がん)に罹患していない1つもしくは複数の個体に由来するものまたは内部対照と比較した、個体内での物質(例えば、薬物)の数量、濃度または存在量における低減を指す。一部の実施形態では、低下したレベルは、検出可能な数量、濃度または存在量がほとんどまたは全くない。一部の実施形態では、試料中の物質(例えば、薬物)の低下したレベルは、当該技術分野で公知の技術(例えば、HPLC)によって決定される、対照試料中の物質の量に対する約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の物質の量の低減を指す。
本明細書に記載されているものなどのタンパク質、mRNAまたはマーカーに言及するとき、「発現のレベル」または「発現レベル」という用語は、一般に互換可能に使用され、一般的に生体試料中のタンパク質、mRNAまたはマーカーの検出可能な量を指す。一部の態様では、タンパク質、mRNAまたはマーカーの検出可能な量または検出可能なレベルは、本明細書に記載されているものなどの作用物質に対する応答の尤度に関連する。「発現」は、一般的に、遺伝子内に含有された情報が、細胞内に存在し作動する構造体(例えば、PD-L1などのタンパク質マーカー)へと転換される、プロセスを指す。それゆえ、本明細書で使用する場合、「発現」とは、ポリヌクレオチドへの転写、ポリペプチドへの翻訳、あるいはさらにはポリヌクレオチド及び/またはポリペプチド修飾(例えば、ポリペプチドの翻訳後修飾)を指し得る。転写されたポリヌクレオチド、翻訳されたポリペプチド、あるいはポリヌクレオチド及び/またはポリペプチド修飾(例えば、ポリペプチドの翻訳後修飾)のフラグメントも、それらが選択的スプライシングによって生成された転写物もしくは分解された転写物に由来するか、または例えばタンパク質分解によるポリペプチドの翻訳後プロセシングに由来するかどうかにかかわらず、発現されたものと見なされるべきである。「発現遺伝子」は、mRNAとしてポリヌクレオチドに転写され、その後、ポリペプチドに翻訳される遺伝子を含み、RNAに転写されるが、ポリペプチドに翻訳されない遺伝子(例えば、トランスファーRNA及びリボソームRNA)も含む。「上昇した発現」、「上昇した発現レベル」、または「上昇したレベル」とは、対照試料、例えば疾患もしくは障害(例えば、がん)に罹患していない1つもしくは複数の個体または内部対照と比較した、試料内の物質の発現の増加またはレベルの増加を指す。一部の実施形態では、試料中の物質(例えば、PD-L1などのタンパク質マーカー)の上昇した発現は、当該技術分野で公知の技術(例えば、FACS)によって決定される、対照試料中の物質の量に対する約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の物質の量の増加を指す。「低下した発現」、「低下した発現レベル」、または「低下したレベル」とは、対照、例えば疾患もしくは障害(例えば、がん)に罹患していない1つもしくは複数の個体または内部対照と比較した、個体内の物質(例えば、タンパク質マーカー)の発現の低減またはレベルの低減を指す。一部の実施形態では、低下した発現は、発現がほとんどまたは全くない。一部の実施形態では、試料中の物質(例えば、タンパク質マーカー)の低下した発現は、当該技術分野で公知の技術(例えば、FACS)によって決定される、対照試料中の物質の量に対する約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の物質の量の低減を指す。
本明細書で使用する場合、「血管新生」または「新血管新生」という用語は、新しい血管が既存の血管から発生するプロセスを指す(Varner et al.,(1999)Angiogen.3:53-60;Mousa et al.,(2000)Angiogen.Stim.Inhib.35:42-44;Kim et al.,(2000)Amer.J.Path.156:1345-1362;Kim et al.,(2000)J.Biol.Chem.275:33920-33928;Kumar et al.(2000)Angiogenesis:From Molecular to Integrative Pharm.169-180)。既存の血管または循環内皮幹細胞(Takahashi et al.,(1995)Nat.Med.5:434-438;Isner et al.,(1999)J.Clin.Invest.103:1231-1236)由来の内皮細胞は、成長因子もしくはホルモンによる合図または低酸素もしくは虚血状態に応答して、遊走、増殖及び管腔を有する構造へと分化するよう活性化され、新たな血管を形成するようになる。がんにおいて生じるような、虚血の際の、酸素負荷及び栄養素の送達を増加させる必要性は、罹患組織による血管新生因子の分泌を明らかに誘導する;これらの因子は、新たな血管形成を刺激する。いくつかの追加の用語が、血管新生に関係する。
本明細書で使用する場合、「アンタゴニスト」という用語は、本明細書に開示する天然ポリペプチドの生物学的活性を部分的または完全に遮断、阻害、または中和する任意の分子を指す。好適なアンタゴニスト分子は、アンタゴニスト抗体または抗体フラグメント、天然ポリペプチド、ペプチドまたはタンパク質の、フラグメントまたはアミノ酸配列変異体を具体的に含む。一部の実施形態では、アンタゴニストの存在下での阻害は、用量依存様式にて観察される。一部の実施形態では、測定されたシグナル(例えば、生物学的活性)は、同等の条件下で陰性対照を用いて測定されたシグナルよりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%低い。本明細書では、本開示の方法における使用に好適なアンタゴニストを同定する方法も開示する。例えば、これらの方法には、限定されないが、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、Forte Bio(著作権)システム、ラジオイムノアッセイ(RIA)、Meso Scale Discoveryアッセイ(例えば、Meso Scale Discovery電気化学発光(MSD-ECL))、及びビーズベースLuminex(登録商標)アッセイが含まれる。これらのアッセイは、アンタゴニストが目的のポリペプチド(例えば、受容体またはリガンド)に結合する能力を決定し、それゆえ、アンタゴニストがポリペプチドの活性を阻害、中和または遮断する能力を示す。ポリペプチドまたはアゴニストの機能を阻害するアンタゴニストの能力などのアンタゴニストの有効性は、機能性アッセイを使用して決定することもできる。例えば、機能性アッセイは、ポリペプチドを候補アンタゴニスト分子と接触させること、及びポリペプチドに通常関連する1つまたは複数の生物学的活性における検出可能な変化を測定することを含み得る。アンタゴニストの効力は、そのIC50値(アゴニスト応答の50%を阻害するために必要な濃度)によって通常定義され得る。IC50値が低いほど、アンタゴニストの効力は大きくなり、最大の生物学的応答を阻害するために必要な濃度は低くなる。
本明細書で使用する場合、「ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分」という語句は、ヒトIL-27の少なくとも1つの当該技術分野で認識されている活性(例えば、IL-27生物学的活性及び/またはIL-27シグナル伝達によって媒介される下流経路(複数可)または他のIL-27媒介機能)に拮抗する抗体を指し、例えば、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上のヒトIL-27活性における低減(または低下)に関連する。IL-27生物学的活性及び/またはIL-27シグナル伝達によって媒介される下流経路(複数可)または他のIL-27媒介機能のさらなる例は、本明細書下記及び他の箇所にてさらに詳細に説明する。
本明細書で使用する場合、「抗IL-27アンタゴニスト抗体」(互換可能に「抗IL-27抗体」と称する)という用語は、IL-27に特異的に結合し、IL-27生物学的活性及び/またはIL-27シグナル伝達によって媒介される下流経路(複数可)または他のIL-27媒介機能を阻害する抗体を指す。抗IL-27アンタゴニスト抗体は、受容体結合及び/またはIL-27もしくはその代謝産物に対する細胞応答の誘発などのIL-27シグナル伝達または機能によって媒介される下流経路を含む、IL-27生物学的活性(例えば、リガンド結合、酵素活性)を遮断、拮抗、抑制、阻害、または低下する抗体を包含する。一部の実施形態では、本開示により提供する抗IL-27アンタゴニスト抗体は、ヒトIL-27に結合し、その同族もしくは正常受容体(例えば、IL-27受容体)または1つもしくは複数の受容体サブユニット(例えば、gp130及び/またはIL-27Rα(WSX1/TCCRとしても知られる))へのヒトIL-27の結合を防止、遮断、または阻害する。一部の実施形態では、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、ヒトIL-27のgp130への結合を防止、遮断または阻害する。一部の実施形態では、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、ヒトIL-27のIL-27Rαへの結合を防止、遮断、または阻害する。一部の実施形態では、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、IL-27単量体の二量体化を防止、遮断、または阻害する。一部の実施形態では、抗IL-27抗体は、EBI3単量体に特異的に結合する。一部の実施形態では、抗IL-27抗体は、IL-27p28単量体に特異的に結合する。一部の実施形態では、抗IL-27抗体は、両方のIL-27単量体に特異的に結合する。一部の実施形態では、抗IL-27抗体は、EBI3及びP28の両方を含む非隣接エピトープに特異的に結合する。一部の実施形態では、抗IL-27抗体は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する。一部の実施形態では、抗IL-27抗体は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する(例えば、細胞におけるCD161発現のIL-27媒介性阻害を回復または緩和する)。一部の実施形態では、抗IL-27抗体は、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する。一部の実施形態では、抗IL-27は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する。一部の実施形態では、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、ヒトIL-27に結合し、抗腫瘍応答を刺激または増強する。一部の実施形態では、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、ヒトIL-27に15nM以下の親和性で結合する。一部の実施形態では、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、ヒトIL-27に結合し、野生型もしくは突然変異型IgG1重鎖定常領域または野生型もしくは突然変異型IgG4重鎖定常領域を含む。抗IL-27アンタゴニスト抗体の例は、本明細書に提供する。
本明細書で使用する場合、「抗体」という用語は、2つの軽鎖ポリペプチド及び2つの重鎖ポリペプチドを含む全抗体を指す。全抗体には、IgM、IgG、IgA、IgD、及びIgE抗体を含む異なる抗体アイソタイプが含まれる。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ化抗体またはキメラ抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体、脱免疫化抗体、及び完全ヒト抗体を含む。抗体は、様々な種、例えば、哺乳動物、例えばヒト、非ヒト霊長類(例えば、オランウータン、ヒヒ、またはチンパンジー)、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、スナネズミ、ハムスター、ラット及びマウスのいずれかにおいて作成するまたはこれに由来することができる。抗体は、精製または組換え抗体であることができる。本明細書で使用する場合、「抗体フラグメント」、「抗原結合フラグメント」という用語、または類似の用語は、標的抗原(例えば、IL-27)に結合し、標的抗原の活性を阻害する能力を保持する抗体のフラグメントを指す。このようなフラグメントには、例えば、一本鎖抗体、一本鎖Fvフラグメント(scFv)、Fdフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、またはF(ab’)2フラグメントが含まれる。scFvフラグメントは、scFvが由来する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の両方を含む単一のポリペプチド鎖である。加えて、イントラボディ、ミニボディ、トリアボディ、及びダイアボディも抗体の定義に含まれ、本明細書に記載の方法での使用に適合する。例えば、Todorovska et al.,(2001)J.Immunol.Methods 248(1):47-66;Hudson and Kortt,(1999)J.Immunol.Methods 231(1):177-189;Poljak,(1994)Structure 2(12):1121-1123;Rondon and Marasco,(1997)Annu.Rev.Microbiol. 51:257-283を参照されたく、それぞれの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書中で使用する場合、「抗体フラグメント」という用語はまた、例えば、ラクダ化単一ドメイン抗体などの単一ドメイン抗体を含む。例えば、Muyldermans et al.,(2001)Trends Biochem.Sci.26:230-235;Nuttall et al.,(2000)Curr.Pharm.Biotech.1:253-263;Reichmann et al.,(1999)J.Immunol.Meth.231:25-38;PCT出願公開番号WO94/04678及びWO94/25591;ならびに米国特許第6,005,079号を参照されたく、これらは全て、参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、本開示は、単一ドメイン抗体が形成されるように修飾された2つのVHドメインを含む単一ドメイン抗体を提供する。
一部の実施形態では、抗原結合フラグメントは、重鎖ポリペプチドの可変領域及び軽鎖ポリペプチドの可変領域を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の抗原結合フラグメントは、抗体の軽鎖及び重鎖ポリペプチドのCDRを含む。
「抗原提示細胞」または「APC」という用語は、MHCと複合体を形成した外来抗原をその表面上に提示する細胞である。T細胞は、T細胞受容体(TCR)を使用してこの複合体を認識する。APCの例としては、限定されないが、B細胞、樹状細胞(DC)、末梢血単核細胞(PBMC)、単球(THP-1など)、Bリンパ芽球細胞(C1R.A2、1518 B-LCLなど)及び単球由来樹状細胞(DC)が挙げられる。一部のAPCは、食作用または受容体を介したエンドサイトーシスのいずれかによって抗原を内在化させる。
「抗原提示」という用語は、APCが抗原を捕捉し、例えば、MHC-I及び/またはMHC-IIコンジュゲートの成分としての、T細胞によるそれらの認識を可能にするプロセスを指す。
本明細書で使用する場合、「アポトーシス」という用語は、多細胞生物(例えば、ヒト)において生じるプログラムされた細胞死のプロセスを指す。アポトーシスをもたらす高度に制御された生化学的及び分子的事象は、細胞に観察可能及び特徴的な形態変化をもたらし、それには膜の小疱形成、細胞体積の収縮、染色体DNAの凝縮及びフラグメント化、ならびにmRNAの崩壊が含まれる。アポトーシスを起こしているT細胞を含む細胞を同定する一般的な方法は、細胞をフルオロフォアコンジュゲートタンパク質(アネキシンV)に曝露することである。アネキシンVは、細胞がアポトーシスの過程にあることの初期の指標である、原形質膜の外側の小葉上のホスファチジルセリンに結合する能力によって、アポトーシス細胞を検出するために一般に使用される。
本明細書で使用する場合、「B細胞」(あるいは「Bリンパ球」)という用語は、リンパ球サブタイプの白血球細胞の一種を指す。B細胞は、抗体を分泌することにより、適応免疫系の体液性免疫成分中で機能する。B細胞はまた、抗原を提示し、サイトカインを分泌する。B細胞は、他の2つのクラスのリンパ球であるT細胞及びナチュラルキラー細胞とは異なり、その細胞膜上にB細胞受容体(BCR)を発現する。BCRは、B細胞が特定の抗原に結合することを可能にし、それに対して抗体応答を開始することになる。
本明細書で使用する場合、「固定化IL-27に結合する」という用語は、例えば、細胞の表面上で発現しているか、または固体支持体に付着している、IL-27に結合する本開示の抗体の能力を指す。
本明細書で使用する場合、「二重特異性」または「二機能性抗体」という用語は、2つの異なる重/軽鎖対及び2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体を指す。二重特異性抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’フラグメントの連結を含む様々な方法によって生産することができる。例えば、Songsivilai&Lachmann,(1990)Clin.Exp.Immunol.79:315-321;Kostelny et al.,(1992)J.Immunol.148:1547-1553を参照されたい。
従来、二重特異性抗体の組換え産生は、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の共発現に基づき、この場合2つの重鎖/軽鎖対は、異なる特異性を有する(Milstein and Cuello,(1983)Nature 305:537-539)。所望の結合特異性を伴う抗体可変ドメイン(抗体-抗原複合部位)は、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合することができる。重鎖可変領域の融合は、好ましくは、ヒンジ、CH2、及びCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとの融合である。二重特異性抗体を生成するための例示的な現在公知の方法のさらなる詳細については、例えば、Suresh et al.,(1986)Methods Enzymol.121:210;PCT公開番号WO96/27011;Brennan et al.,(1985)Science 229:81;Shalaby et al.,J.Exp.Med.(1992)175:217-225;Kostelny et al.,(1992)J.Immunol.148(5):1547-1553;Hollinger et al.,(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448;Gruber et al.,(1994)J.Immunol.152:5368;及びTutt et al.,(1991)J.Immunol.147:60を参照されたい。二重特異性抗体には、架橋またはヘテロコンジュゲート抗体も含まれる。ヘテロコンジュゲート抗体は、任意の好都合な架橋方法を使用して作成され得る。好適な架橋剤が当該技術分野で周知であり、いくつかの架橋技術とともに、米国特許第4,676,980号に開示されている。
組換え細胞培養物から直接二重特異性抗体フラグメントを作成する及び単離するための様々な技術も記載されている。例えば、二重特異性抗体は、ロイシンジッパーを使用して産生されている。例えば、Kostelny et al.(1992)J Immunol 148(5):1547-1553を参照されたい。Fos及びJunタンパク質由来のロイシンジッパーペプチドを、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のFab’部分に連結させ得る。抗体ホモ二量体をヒンジ領域にて還元して単量体を形成し、次に、再酸化して抗体ヘテロ二量体を形成し得る。この方法は、抗体ホモ二量体の産生にも利用することができる。Hollinger et al.(1993)Proc Natl Acad Sci USA 90:6444-6448により記載される「ダイアボディ」技術は、二重特異性抗体フラグメントを作成するための代替的機序を提供している。フラグメントは、同じ鎖上で2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーによって軽鎖可変ドメイン(VL)に連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。従って、1つのフラグメントのVH及びVLドメインは別のフラグメントの相補的VL及びVHドメインと強制的に対合し、それにより2つの抗原結合部位が形成される。一本鎖Fv(scFv)二量体の使用による二重特異性抗体フラグメントを作成するための別の戦略も報告されている。例えば、Gruber et al.(1994)J Immunol 152:5368を参照されたい。あるいは、抗体は、例えば、Zapata et al.(1995)Protein Eng.8(10):1057-1062に記載されるように「線状抗体」であることができる。簡潔には、これらの抗体は、一対の抗原結合領域を形成する一対のタンデムFdセグメント(VH-CH1-VH-CH1)を含む。線状抗体は、二重特異性または単一特異性であることができる。
2つ以上の価数を伴う抗体(例えば、三重特異性抗体)は企図され、例えば、Tutt et al.(1991)J Immunol 147:60に記載されている。
本開示はまた、Wu et al.(2007)Nat Biotechnol 25(11):1290-1297に記載されている二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-Ig)分子などの多重特異性抗体の変異形態も包含する。DVD-Ig分子は、2つの異なる親抗体からの2つの異なる軽鎖可変ドメイン(VL)がタンデムに直接または短いリンカーを介して組換えDNA技術によって連結され、その後に軽鎖定常ドメインが続くように設計されている。同様に、重鎖は、タンデムに連結された2つの異なる重鎖可変ドメイン(VH)、続く定常ドメインCH1及びFc領域を含む。2つの親抗体からDVD-Ig分子を作成する方法は、例えば、PCT公開番号WO08/024188及びWO07/024715にさらに記載されている。一部の実施形態では、二重特異性抗体は、第二の特異性を有する軽鎖可変領域が全抗体の重鎖可変領域に融合している、タンデム型Fab免疫グロブリンである。そのような抗体は、例えば、国際特許出願公開番号WO2015/103072に記載されている。
本明細書で使用する場合、「がん抗原」または「腫瘍抗原」とは、(i)腫瘍特異的抗原、(ii)腫瘍関連抗原、(iii)腫瘍特異的抗原を発現する細胞、(iv)腫瘍関連抗原を発現する細胞、(v)腫瘍上の胚性抗原、(vi)自己腫瘍細胞、(vii)腫瘍特異的膜抗原、(viii)腫瘍関連膜抗原、(ix)増殖因子受容体、(x)増殖因子リガンド、及び(xi)がんに関連する任意の他のタイプの抗原または抗原提示細胞もしくは物質を指す。
本明細書で使用する場合、「がん特異的免疫応答」という用語は、腫瘍、がん細胞、またはがん抗原の存在によって誘発される免疫応答を指す。ある特定の実施形態では、応答は、がん抗原特異的リンパ球の増殖を含む。ある特定の実施形態では、応答は、抗体及びT細胞受容体の発現及び上方制御、ならびにリンホカイン、ケモカイン、及びサイトカインの形成及び放出を含む。自然免疫系及び後天性免疫系の両方が相互作用して、腫瘍、がん細胞、またはがん抗原に対する抗原応答を開始する。ある特定の実施形態では、がん特異的免疫応答は、T細胞応答である。
「癌種」という用語は、当該技術分野で認識されており、呼吸器系癌、消化器系癌、泌尿生殖器系癌、精巣癌、乳癌、前立腺癌、内分泌系癌、及び黒色腫を含む上皮または内分泌組織の悪性腫瘍を指す。本明細書に記載の抗IL-27抗体を使用して、腎癌もしくは黒色腫を含む任意のタイプのがん、または任意のウイルス性疾患を有する、有する疑いのある、または発症するリスクが高い可能性がある患者を処置することができる。例示的な癌種には、子宮頸部、肺、前立腺、乳房、頭頸部、結腸及び卵巣の組織から形成されるものが含まれる。本用語は、癌性肉腫も含み、これには、癌性組織及び肉腫性組織から構成される悪性腫瘍が含まれる。「腺癌」は、腺組織に由来する癌種、または腫瘍細胞が認識可能な腺構造を形成する癌種を指す。
本明細書で使用する場合、「CD112R」という用語は、ポリオウイルス受容体様タンパク質のメンバーを指し、ヒトT細胞に対する共阻害受容体である。CD112Rは、T細胞上に優先的に発現し、T細胞受容体を介したシグナルを阻害する。抗原提示細胞及び腫瘍細胞上で広く発現しているCD112は、CD112Rに対するリガンドである。CD112Rは、CD112への結合をめぐってCD226と競合する。CD112R-CD112相互作用を妨害することは、ヒトT細胞応答を増強する。CD112との相互作用を介するヒトT細胞に対する新規チェックポイントとしてのCD112R。本明細書で使用する場合、「CD112R阻害剤」という用語は、CD112Rの生物学的機能または活性を妨害、遮断または阻害する作用物質を指す。
本明細書で使用する場合、「CD137」(あるいは「4-1BB」)という用語は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーのメンバーを指す。4-1BBは、主に活性化T細胞に対する共刺激性免疫チェックポイント分子である。CD137の架橋は、T細胞の増殖、IL-2分泌、生存、及び細胞溶解活性を増強する。本明細書で使用する場合、「4-1BBアゴニスト」という用語は、4-1BBの1つまたは複数の機能を刺激、誘導または増加させる作用物質を指す。例示的な4-1BBアゴニストは、この4-1BBを標的としてT細胞を刺激する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体である、ウトミルマブ(PF-05082566)である。
本明細書で使用する場合、「CD161」という用語(あるいはキラー細胞レクチン様受容体サブファミリーB、メンバー1(KLRB1);NK1.1、またはNKR-P1Aとしても知られる)は、C型レクチンスーパーファミリーのメンバーを指す。CD161は、T細胞のマーカーであり、CD161の発現は、多くの異なるがんタイプの腫瘍微小環境へのT細胞浸潤と関連している。CD161は、Fergusson et al.,(2014)Cell Reports 9(3):1075-1088にさらに記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用する場合、「IL-27」または「インターロイキン27」という用語は、IL-27サイトカインを指す。IL-27は、IL-6/IL-12サイトカインファミリーに関連しており、エプスタイン-バーウイルス誘導遺伝子3として知られる(EBI3;IL-27サブユニットβ及びIL-27Bとしても知られる)第一のサブユニット及びIL-27p28として知られる(IL30、IL-27サブユニットα及びIL-27Aとしても知られる)第二のサブユニットを含む、ヘテロ二量体サイトカインである。IL-27は、単球、内皮細胞及び樹状細胞を含む活性化抗原提示細胞によって主に合成される(Jankowski et al.(2010)Arch Immunol.Ther.Exp.58:417-425、Diakowski et al.(2013)Adv.Clin.Exp.Med.(2013)22(5):683-691)。IL-27は、炎症促進性の作用を有し得るが、多くの研究が、IL-27の重要な役割を免疫抑制剤として示している(Shimizu et al.(2006)J.Immunol.176:7317-7324、Hisada et al.(2004)Cancer Res.64:1152-1156、Diakowski(2013)上記)。当初は、Th1応答の開始を促進する因子として説明されていたが、後に、IL-27が、Th1応答を制限し、Th2及びTh17細胞分化を阻害し、Tr1及び他のT制御細胞集団の発生を制御することにより、主要なT細胞抑制機能を担うことが見いだされた(Dietrich et al.(2014)J.Immunol.192:5382-5389)。免疫制御因子としての役割に加えて、IL-27は、血管新生、造血、及び破骨細胞形成(osteocalstogenesis)を制御する(同上)。
IL-27は、WSX1として知られる(IL-27受容体サブユニットα、IL-27RA、T細胞1型サイトカイン受容体(TCCR)、及びサイトカイン受容体様1(CRL1)としても知られる)第一のサブユニット及びgp130として知られる(インターロイキン-6シグナルトランスデューサー(IL6ST)、インターロイキン-6受容体サブユニットβ(IL-6RB)、及びオンコスタチンM受容体としても知られる)第二のサブユニットを含むヘテロ二量体I型サイトカイン受容体(IL-27受容体またはIL-27R)を通してシグナル伝達する。gp130は、IL-6ファミリーサイトカインに対する受容体サブユニットでもある(Liu et al.(2008)Scan.J.Immunol.68:22-299、Diakowski(2013)上記)。IL-27Rを通したIL-27シグナル伝達は、JAK-STAT及びp38MAPK経路を含む複数のシグナル伝達カスケードを活性化する。
EBI3は、さらにp28またはIL-27ヘテロ二量体とは独立した生物学的機能を有すると考えられている。例えば、EBI3は、p35とも相互作用してヘテロ二量体サイトカインIL-35を形成し(Yoshida et al.(2015)Annu.Rev Immunol.33:417-43)、p28またはIL-27が対応して増加することなく、ある特定の細胞型で選択的に過剰発現されることが示されている(Larousserie et al.(2005)Am.J.Pathol.166(4):1217-28)。
例示的なヒトEBI3タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号698(NCBI参照配列:NP_005746.2;N-MTPQLLLALVLWASCPPCSGRKGPPAALTLPRVQCRASRYPIAVDCSWTLPPAPNSTSPVSFIATYRLGMAARGHSWPCLQQTPTSTSCTITDVQLFSMAPYVLNVTAVHPWGSSSSFVPFITEHIIKPDPPEGVRLSPLAERQLQVQWEPPGSWPFPEIFSLKYWIRYKRQGAARFHRVGPIEATSFILRAVRPRARYYVQVAAQDLTDYGELSDWSLPATATMSLGK-C)に提供する。例示的なヒトp28タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号699(NCBI参照配列:NP_663634.2;N-MGQTAGDLGWRLSLLLLPLLLVQAGVWGFPRPPGRPQLSLQELRREFTVSLHLARKLLSEVRGQAHRFAESHLPGVNLYLLPLGEQLPDVSLTFQAWRRLSDPERLCFISTTLQPFHALLGGLGTQGRWTNMERMQLWAMRLDLRDLQRHLRFQVLAAGFNLPEEEEEEEEEEEEERKGLLPGALGSALQGPAQVSWPQLLSTYRLLHSLELVLSRAVRELLLLSKAGHSVWPLGFPTLSPQP-C)に提供する。例示的なヒトWSX1タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号700(NCBI参照配列:NP_004834.1;N-MRGGRGAPFWLWPLPKLALLPLLWVLFQRTRPQGSAGPLQCYGVGPLGDLNCSWEPLGDLGAPSELHLQSQKYRSNKTQTVAVAAGRSWVAIPREQLTMSDKLLVWGTKAGQPLWPPVFVNLETQMKPNAPRLGPDVDFSEDDPLEATVHWAPPTWPSHKVLICQFHYRRCQEAAWTLLEPELKTIPLTPVEIQDLELATGYKVYGRCRMEKEEDLWGEWSPILSFQTPPSAPKDVWVSGNLCGTPGGEEPLLLWKAPGPCVQVSYKVWFWVGGRELSPEGITCCCSLIPSGAEWARVSAVNATSWEPLTNLSLVCLDSASAPRSVAVSSIAGSTELLVTWQPGPGEPLEHVVDWARDGDPLEKLNWVRLPPGNLSALLPGNFTVGVPYRITVTAVSASGLASASSVWGFREELAPLVGPTLWRLQDAPPGTPAIAWGEVPRHQLRGHLTHYTLCAQSGTSPSVCMNVSGNTQSVTLPDLPWGPCELWVTASTIAGQGPPGPILRLHLPDNTLRWKVLPGILFLWGLFLLGCGLSLATSGRCYHLRHKVLPRWVWEKVPDPANSSSGQPHMEQVPEAQPLGDLPILEVEEMEPPPVMESSQPAQATAPLDSGYEKHFLPTPEELGLLGPPRPQVLA-C)に提供する。例示的なヒトgp130タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号701(NCBI参照配列:NP_002175.2;N-MLTLQTWLVQALFIFLTTESTGELLDPCGYISPESPVVQLHSNFTAVCVLKEKCMDYFHVNANYIVWKTNHFTIPKEQYTIINRTASSVTFTDIASLNIQLTCNILTFGQLEQNVYGITIISGLPPEKPKNLSCIVNEGKKMRCEWDGGRETHLETNFTLKSEWATHKFADCKAKRDTPTSCTVDYSTVYFVNIEVWVEAENALGKVTSDHINFDPVYKVKPNPPHNLSVINSEELSSILKLTWTNPSIKSVIILKYNIQYRTKDASTWSQIPPEDTASTRSSFTVQDLKPFTEYVFRIRCMKEDGKGYWSDWSEEASGITYEDRPSKAPSFWYKIDPSHTQGYRTVQLVWKTLPPFEANGKILDYEVTLTRWKSHLQNYTVNATKLTVNLTNDRYLATLTVRNLVGKSDAAVLTIPACDFQATHPVMDLKAFPKDNMLWVEWTTPRESVKKYILEWCVLSDKAPCITDWQQEDGTVHRTYLRGNLAESKCYLITVTPVYADGPGSPESIKAYLKQAPPSKGPTVRTKKVGKNEAVLEWDQLPVDVQNGFIRNYTIFYRTIIGNETAVNVDSSHTEYTLSSLTSDTLYMVRMAAYTDEGGKDGPEFTFTTPKFAQGEIEAIVVPVCLAFLLTTLLGVLFCFNKRDLIKKHIWPNVPDPSKSHIAQWSPHTPPRHNFNSKDQMYSDGNFTDVSVVEIEANDKKPFPEDLKSLDLFKKEKINTEGHSSGIGGSSCMSSSRPSISSSDENESSQNTSSTVQYSTVVHSGYRHQVPSVQVFSRSESTQPLLDSEERPEDLQLVDHVDGGDGILPRQQYFKQNCSQHESSPDISHFERSKQVSSVNEEDFVRLKQQISDHISQSCGSGQMKMFQEVSAADAFGPGTEGQVERFETVGMEAATDEGMPKSYLPQTVRQGGYMPQ-C)に提供する。
本明細書で使用する場合、「競合する」という用語は、同じエピトープへの結合をめぐって競合する抗原結合タンパク質(例えば、免疫グロブリン、抗体、またはその抗原結合フラグメント)の文脈で使用される場合、アッセイ(例えば、競合結合アッセイ、クロスブロッキングアッセイ)によって決定される抗原結合タンパク質間の相互作用を指し、試験抗原結合タンパク質(例えば、試験抗体)は、参照抗原結合タンパク質(例えば、参照抗体)の共通抗原(例えば、IL-27またはそのフラグメント)に対する特異的結合を阻害する(例えば、低下または遮断する)。
指定されたポリペプチドまたはタンパク質「に由来する」ポリペプチドまたはアミノ酸配列は、ポリペプチドの起源を指す。好ましくは、特定の配列に由来するポリペプチドまたはアミノ酸配列は、その配列またはその一部分と本質的に同一であるアミノ酸配列を有し、その部分は、少なくとも10~20個のアミノ酸、好ましくは少なくとも20~30個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも30~50個のアミノ酸からなるか、またはそうでなければ、配列にその起源を有するとして当業者に識別可能である。別のペプチドに由来するポリペプチドは、出発ポリペプチドに対して1つまたは複数の突然変異、例えば、別のアミノ酸残基で置換された、または1つもしくは複数のアミノ酸残基の挿入もしくは欠失を有する1つまたは複数のアミノ酸残基を有し得る。
ポリペプチドは、天然に生じないアミノ酸配列を含むことができる。このような変異体は、必然的に出発分子と100%未満の配列同一性または類似性を有する。ある特定の実施形態では、変異体は、出発ポリペプチドのアミノ酸配列と、例えば、変異分子の長さにわたって、約75%から100%未満の、より好ましくは約80%から約100%未満、より好ましくは約85%から100%未満、より好ましくは約90%から100%未満(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)、そして最も好ましくは約95%から100%未満のアミノ酸配列同一性または類似性のアミノ酸配列を有するだろう。
ある特定の実施形態では、出発ポリペプチド配列及びそれに由来する配列との間に1個のアミノ酸の差異がある。この配列に関する同一性または類似性は、本明細書において、これらの配列をアライメントし、必要に応じてギャップを導入して、最大パーセント配列同一性を達成した後の、出発アミノ酸残基と同一(すなわち、同じ残基)である候補配列中のアミノ酸残基の割合(%)と定義される。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、表12に記載の配列から選択されるアミノ酸配列からなる、から本質的になる、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、表12に記載の配列から選択されたアミノ酸配列に、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、表12に記載の配列から選択された連続したアミノ酸配列に、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一である連続したアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、表12に記載の配列から選択されたアミノ酸配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、または500(またはこれらの数値内の任意の整数)の連続したアミノ酸を有するアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、本開示の抗体は、ヌクレオチド配列によってコードされる。本発明のヌクレオチド配列は、多くの用途、例えば、クローニング、遺伝子治療、タンパク質発現及び精製、突然変異導入、それを必要とする宿主のDNAワクチン接種、例えば、受動免疫のための抗体生成、PCR、プライマー及びプローブの生成などに有用であることができる。ある特定の実施形態では、本発明のヌクレオチド配列は、表12に記載の配列から選択されるヌクレオチド配列を含む、からなる、またはから本質的になる。ある特定の実施形態では、ヌクレオチド配列は、表12に記載の配列から選択されたヌクレオチド配列に、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある特定の実施形態では、ヌクレオチド配列は、表12に記載の配列から選択された連続したヌクレオチド配列に、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一である連続したヌクレオチド配列を含む。ある特定の実施形態では、ヌクレオチド配列は、表12に記載の配列から選択されたヌクレオチド配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、または500(またはこれらの数値内の任意の整数)の連続したヌクレオチドを有するヌクレオチド配列を含む。
本明細書に開示の方法における使用に好適な抗体は、天然配列の望ましい活性を保持しつつ、それらが由来する天然に生じるまたは天然配列とは配列が異なるように変更され得ることも当業者は理解するだろう。例えば、「非必須」アミノ酸残基にて保存的置換または変化をもたらすヌクレオチドまたはアミノ酸置換が行われ得る。突然変異は、標準的な技術、例えば部位特異的突然変異誘発及びPCRを介した突然変異誘発によって導入され得る。
本明細書に開示の方法における使用に好適な抗体は、1つまたは複数のアミノ酸残基、例えば、必須または非必須アミノ酸残基にて保存的アミノ酸置換を含み得る。「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されている置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されており、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。ゆえに、結合ポリペプチド中の非必須アミノ酸残基は、好ましくは、同じ側鎖ファミリー由来の別のアミノ酸残基で置換される。ある特定の実施形態では、一連のアミノ酸は、側鎖ファミリーのメンバーの順序及び/または組成が異なる構造的に類似した連続鎖で置換され得る。あるいは、ある特定の実施形態では、突然変異を、飽和突然変異誘発法などにより、コード配列の全部または一部にわたってランダムに導入し、得られた突然変異体を本発明の結合ポリペプチドに組み入れて、所望の標的に結合するそれらの能力に関してスクリーニングすることができる。
本明細書で使用する場合、抗原「交差提示」という用語は、APC上のMHCクラスI及びクラスII分子を介したT細胞への外因性タンパク質抗原の提示を指す。
本明細書で使用する場合、「交差反応する」という用語は、本開示の抗体が異なる種に由来するIL-27に結合する能力を指す。例えば、ヒトIL-27に結合する本開示の抗体はさらに、別の種のIL-27に結合し得る。本明細書で使用する場合、交差反応性は、結合アッセイ(例えば、SPR、ELISA)における精製抗原との特異的反応性またはIL-27を生理学的に発現する細胞への結合、そうでなければ機能的相互作用の検出によって測定する。交差反応性の決定方法には、例えば、Biacore(商標)2000SPR機器(Biacore AB,Uppsala,Sweden)を使用したBiacore(商標)表面プラズモン共鳴(SPR)分析による本明細書に記載するような標準的な結合アッセイ、またはフローサイトメトリー技術が含まれる。
本明細書で使用する場合、「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答」という用語は、細胞傷害性T細胞によって誘導される免疫応答を指す。CTL応答は、主にCD8+T細胞によって媒介される。
本明細書で使用する場合、「樹状細胞」または「DC」という用語は、骨髄(BM)由来の白血球であり、最も強力なタイプの抗原提示細胞である抗原提示細胞のタイプを指す。DCは、抗原を捕捉して処理し、T細胞によって認識される主要組織適合複合体(MHC)分子上に提示されるペプチドにタンパク質を変換する。DCは、不均一であり、例えば骨髄及び形質細胞様DCが挙げられ、全てのDCは、抗原の取り込み、処理、及びナイーブT細胞への提示が可能であるが、DCサブタイプは別個のマーカーを有し、場所、遊走経路、詳細な免疫機能、及びそれらの生成に関する感染または炎症刺激への依存性が異なる。適応免疫応答の発達中に、DCの表現型及び機能は、寛容、メモリー、及び極性化Tヘルパー1(Th1)、Th2、Th17分化の開始において役割を担う。
本明細書で使用する場合、「樹状細胞活性化」という用語は、未成熟樹状細胞から成熟樹状細胞への移行を指す。そして、活性化された樹状細胞は、成熟樹状細胞及び移行の過程中の樹状細胞を包含し、共刺激シグナルを誘導するCD80及びCD86の発現は、活性化刺激によって上昇する。成熟したヒト樹状細胞は、CD40、CD80、CD86、及びHLAクラスII(例えば、HLA-DR)の発現に関して陽性である細胞である。未成熟樹状細胞は、例えば、CD80及びCD86からなる群から選択されるマーカーに基づいて、成熟樹状細胞と区別することができる。未成熟樹状細胞はこれらのマーカーに関して弱陽性であり、好ましくは陰性であるが、一方で成熟樹状細胞は陽性である。成熟樹状細胞の識別は、当業者によって慣例的に行われており、上記のそれぞれのマーカー及びそれらの発現を測定するための方法も当業者に周知である。
本明細書で使用する場合、「EC50」という用語は、最大応答の50%である、つまり、最大応答及びベースラインの中間である、in vitroまたはin vivoアッセイのいずれかにおいて応答を誘導する抗体またはその抗原結合部分の濃度を指す。
本明細書で使用する場合、「有効用量」または「有効投与量」という用語は、所望の効果を、達成するまたは少なくとも部分的に達成するために十分な量として定義される。「治療有効用量」という用語は、疾患に既に罹患している患者の疾患及びその合併症を、治癒するまたは少なくとも部分的に停止させるために十分な量として定義される。この使用に有効な量は、処置される障害の重症度、及び患者自身の免疫系の全体状態に依存するだろう。
本明細書で使用する場合、「エピトープ」または「抗原決定基」という用語は、免疫グロブリンまたは抗体が特異的に結合する抗原上の部位を指す。「エピトープマッピング」という用語は、その標的タンパク質抗原上の、抗体またはその抗原結合フラグメントの結合部位、つまりエピトープを同定するプロセスまたは方法を指す。エピトープマッピングの方法及び技術を本明細書に提供する。エピトープは、連続アミノ酸、及びタンパク質の3次折り畳みによって並置した非連続アミノ酸の両方から形成することができる。連続アミノ酸から形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒への曝露で保持され、一方で3次折り畳みによって形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒を用いた処理で失われる。エピトープは、典型的には、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個のアミノ酸を固有の空間構造にて含む。所与の抗体がどのエピトープに結合するかを決定する方法(すなわち、エピトープマッピング)は、当該技術分野で周知であり、例えば、免疫ブロット法及び免疫沈降アッセイが含まれ、この場合、IL-27からの重複または連続ペプチドを、所与の抗IL-27抗体との反応性に関して試験する。エピトープの空間構造を決定する方法には、当該技術分野における技術及び本明細書に記載する技術、例えば、X線結晶学及び2次元核磁気共鳴を含む(例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66,G.E.Morris,Ed.(1996)を参照されたい)。
また、本開示は、本明細書に記載の特定の抗体によって認識されるエピトープの全てまたは一部(例えば、同じもしくは重複領域または領域間の領域もしくは領域にまたがる領域)を含むIL-27上のエピトープに結合する抗体を包含する。
本開示は、同じエピトープと結合する抗体及び/または本明細書に記載の抗体とヒトIL-27への結合をめぐって競合する抗体も包含する。同じエピトープを認識する、または結合をめぐって競合する抗体は、通常の技術を使用して同定できる。そのような技術には、例えば、ある抗体が別の抗体の標的抗原への結合を遮断する能力を示すイムノアッセイ、すなわち競合結合アッセイが含まれる。競合結合は、試験中の免疫グロブリンがIL-27などの共通の抗原に対する参照抗体の特異的結合を阻害するアッセイにて決定される。多くの種類の競合結合アッセイが公知であり、例えば、固相直接または間接ラジオイムノアッセイ(RIA)、固相直接または間接酵素イムノアッセイ(EIA)、サンドイッチ競合アッセイ(Stahli et al.,Methods in Enzymology 9:242(1983)を参照されたい)、固相直接ビオチン-アビジンEIA(Kirkland et al.,J.Immunol.137:3614(1986)を参照されたい)、固相直接標識アッセイ、固相直接標識サンドイッチアッセイ(Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press(1988))を参照されたい)、I-125標識を使用した固相直接標識RIA(Morel et al.,Mol.Immunol.25(1):7(1988)を参照されたい)、固相直接ビオチン-アビジンEIA(Cheung et al.,Virology 176:546(1990))、及び直接標識RIA(Moldenhauer et al.,Scand.J.Immunol.32:77(1990))である。典型的には、このようなアッセイは、非標識試験免疫グロブリン及び標識参照免疫グロブリンのいずれかを担持する固体表面または細胞に結合する精製抗原の使用を伴う。競合阻害は、試験免疫グロブリンの存在下で、固体表面または細胞に結合する標識の量を決定することによって測定する。通常、試験免疫グロブリンは過剰に存在する。通常、競合抗体が過剰に存在する場合、それは共通の抗原への参照抗体の特異的結合を少なくとも50~55%、55~60%、60~65%、65~70%、70~75%以上阻害するだろう。
他の技術には、例えば、エピトープマッピング法、例えば、エピトープの原子分解能を提供する抗原:抗体複合体の結晶のX線分析、ならびに抗原:抗体相互作用の立体構造及び動力学を試験する水素/重水素(H/D)交換と組み合わせた質量分析が含まれる。他の方法は、抗体の抗原フラグメントまたは抗原の突然変異させた変異体への結合をモニターし、ここでは、抗原配列内のアミノ酸残基の修飾に起因する結合の消失がエピトープ構成成分の指標であるとしばしばみなされる。加えて、エピトープマッピングのために計算論的なコンビナトリアル法も使用できる。これらの方法は、コンビナトリアルファージディスプレイペプチドライブラリから特定の短いペプチドを親和性単離する目的の抗体の能力に依存する。次に、ペプチドは、ペプチドライブラリをスクリーニングするために用いられる抗体に対応するエピトープの定義のための手掛かりと見なされる。エピトープマッピングに関しては、立体構造的に不連続なエピトープをマッピングすることが示されている計算アルゴリズムも開発されている。
本明細書で使用する場合、「Fc媒介エフェクター機能」または「Fcエフェクター機能」という用語は、抗体の主要な機能及び目的以外の抗体の生物学的活性を指す。例えば、治療横断的(therapeutic agnostic)抗体のエフェクター機能は、標的タンパク質または経路の活性化以外の生物学的活性である。抗体のエフェクト機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害性、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)、ファゴサイトーシス、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御、Fc受容体を発現する血小板の活性化の欠如、ならびにB細胞活性化が挙げられる。多くのエフェクター機能は、Fcγ受容体へのFc結合で開始する。一部の実施形態では、腫瘍抗原標的化抗体は、エフェクター機能、例えば、ADCC活性を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の腫瘍抗原標的化抗体は、非修飾形態の定常領域と比較してエフェクター機能が増加した(例えば、ADCCを媒介する能力が増加した)変異した定常領域を含む。
本明細書で使用する場合、「Fc受容体」という用語は、抗体のFc領域によって結合される、免疫エフェクター細胞の表面上に見出されるポリペプチドを指す。一部の実施形態では、Fc受容体はFcγ受容体である。Fcγ受容体には、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFγcRIII(CD16)の3つのサブクラスがある。全ての4つのIgGアイソタイプ(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4)は、Fc受容体のFcγRI、FcγRIIA及びFcγRIIIAと結合し、活性化する。FCγRIIBは、阻害性受容体であり、それゆえこの受容体に結合する抗体は、補体及び細胞応答を活性化しない。FCγRIは、IgGに単量体形態で結合する高親和性受容体であり、一方で、FcγRIIA及びFcγRIIAは、多量体形態でのみIgGに結合し、わずかに低い親和性を有する、低親和性受容体である。Fc受容体及び/またはC1qへの抗体の結合は、Fc領域内の特定の残基またはドメインによって管理される。結合は、抗体のヒンジ領域内及びCH2部分内に位置する残基にも依存する。一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体の作動性及び/または治療活性は、Fc受容体(例えば、FcγR)へのFc領域の結合に依存する。一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体の作動性及び/または治療活性は、Fc受容体(例えば、FcγR)へのFc領域の結合により増強される。
本開示において採用されるある特定のFc受容体配列のリストを、以下に表13として記載する。
本明細書で使用する場合、「グリコシル化パターン」という用語は、タンパク質、より具体的には免疫グロブリンタンパク質に共有結合される炭水化物単位のパターンとして定義される。異種抗体のグリコシル化パターンは、当業者が、異種抗体のグリコシル化パターンを、導入遺伝子のCH遺伝子が由来する種よりも、非ヒトトランスジェニック動物の種におけるグリコシル化の前記パターンにより類似していると認識し得る場合、非ヒトトランスジェニック動物の種によって産生される抗体に対して天然に生じるグリコシル化パターンと実質的に同様であると特徴付けることができる。
本明細書で使用する場合、「ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖細胞免疫グロブリン配列の可変領域及び定常領域(存在する場合)を有する抗体を含む。本開示のヒト抗体は、ヒト生殖細胞免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroでのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によって、またはin vivoでの体細胞突然変異によって導入された突然変異)を含むことができる(例えば、Lonberg et al.,(1994)Nature 368(6474):856-859);Lonberg,(1994)Handbook of Experimental Pharmacology 113:49-101;Lonberg&Huszar,(1995)Intern.Rev.Immunol.13:65-93、及びHarding&Lonberg,(1995)Ann.N.Y.Acad.Sci.764:536-546を参照されたい)。しかしながら、「ヒト抗体」という用語は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植されている抗体(すなわち、ヒト化抗体)を含まない。
本明細書で使用する場合、「異種抗体」という用語は、そのような抗体を産生するトランスジェニック非ヒト生物に関連して定義される。本用語は、トランスジェニック非ヒト動物からならない生物に見られるものに相当するアミノ酸配列またはコーディング核酸配列を有し、一般的にはトランスジェニック非ヒト動物の種以外の種を由来とする抗体を指す。
「免疫応答の誘導」及び「免疫応答の増強」という用語は、互換可能に使用され、特定の抗原に対する免疫応答(すなわち、受動的または適応的)の刺激を指す。CDCまたはADCCを誘導することに関して使用される「誘導する」という用語は、特定の直接的な細胞殺滅機序の刺激を指す。
本明細書で使用する場合、「免疫原性細胞死」という(あるいは「免疫原性アポトーシス」としても知られる、用語は、腫瘍細胞の免疫原性の増加及び免疫原性様式での(例えば、食作用による)腫瘍細胞の死をもたらす、腫瘍細胞からのダメージ関連分子パターン(DAMP)分子(例えば、アデノシン三リン酸、ATP)の死亡前発現及び放出を誘導する1つまたは複数のシグナル伝達経路の活性化に関連する細胞死様式を指す。本明細書で使用する場合、「免疫原性細胞死誘導剤」という用語は、免疫原性細胞死プロセス、経路、または様式を誘導する化学的、生物学的、または薬理学的作用物質を指す。
本明細書で使用する場合、「阻害する」、「低下する」または「遮断する」という用語(例えば、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3のヒトIL-27媒介性リン酸化の阻害または低下に言及する)は、互換可能に使用され、部分的及び完全な阻害/遮断の両方を含む。IL-27の阻害/遮断は、阻害または遮断を伴わない場合に生じる正常レベルまたはタイプの活性を低下または変化させる。阻害及び遮断はまた、抗IL-27抗体と接触していないIL-27と比較して、抗IL-27抗体と接触している場合のIL-27の結合親和性における任意の測定可能な低減を含むことを意図し、例えば、IL-27の結合を少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%阻害する。
本明細書で使用する場合、「血管新生を阻害する」、「血管新生を減少させる」及び「血管新生を低下する」という用語は、対応する対照組織における数量の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%以下であり、最も好ましくは対照組織において観察されるレベルと同じである数量まで組織における血管新生のレベルを低下することを指す。
本明細書で使用する場合、「増殖を阻害する」(例えば、細胞に言及する)という用語は、細胞の増殖における任意の測定可能な低減、例えば、細胞の増殖の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%の阻害を含むことを意図する。
本明細書で使用する場合、「予防が必要」、「処置が必要」、または「それが必要」である対象は、適切な医療従事者(例えば、ヒトの場合は、医師、看護師、またはナース・プラクティショナー、非ヒト哺乳動物の場合は、獣医師)の判断により、所与の処置(例えば、抗IL-27抗体を含む組成物を用いた処置)から合理的に利益を得るだろうものを指す。
「in vivo」という用語は、生体内で生じるプロセスを指す。
本明細書で使用する場合、「単離された抗体」という用語は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指すことが意図される(例えば、ヒトIL-27に特異的に結合する単離された抗体は、IL-27以外の抗原と特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、エピトープに特異的に結合する単離された抗体は、異なる種に由来する他のIL-27タンパク質に対する交差反応性を有し得る。しかしながら、抗体は、本明細書に記載するような特異的結合アッセイにおいて、ヒトIL-27への特異的結合を提示し続ける。加えて、単離された抗体は、典型的には、他の細胞物質及び/または化学物質を実質的に含まない。一部の実施形態では、異なるIL-27特異性を有する「単離された」抗体の組み合わせは、十分に定義された組成にて組み合わされる。
本明細書で使用する場合、「単離された核酸分子」という用語は、IL-27に結合する抗体または抗体部分(例えば、VH、VL、CDR3)をコードする核酸を指し、抗体または抗体部分をコードするヌクレオチド配列が、IL-27以外の抗原に結合する抗体または抗体部分をコードする他のヌクレオチド配列を含まず、他の配列は、ヒトゲノムDNA中の核酸に自然に隣接し得る、核酸分子を指すと意図される。例えば、表12に記載の配列から選択される配列は、本明細書に記載される抗IL-27抗体モノクローナル抗体の重鎖(VH)可変領域及び軽鎖(VL)可変領域を含むヌクレオチド配列に対応する。
本明細書で使用する場合、「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgMまたはIgG1)を指す。一部の実施形態では、本開示のヒトモノクローナル抗体は、IgG1アイソタイプのものである。一部の実施形態では、本開示のヒトモノクローナル抗体は、IgG2アイソタイプのものである。一部の実施形態では、本開示のヒトモノクローナル抗体は、IgG3アイソタイプのものである。一部の実施形態では、本開示のヒトモノクローナル抗体は、IgG4アイソタイプのものである。当業者に明らかであるように、抗体アイソタイプ(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、及びIgE)の同定は、当該技術分野において日常的であり、一般に、公知の抗体、公開されたFc変異体配列及び保存配列を用いた配列アライメントの組み合わせを伴う。
本明細書で使用する場合、「アイソタイプスイッチング」という用語は、抗体のクラスまたはアイソタイプが、1つのIgクラスから他のIgクラスの1つに変化する現象を指す。
本明細書で使用する場合、「KD」または「KD」という用語は、抗体及び抗原間の結合反応の平衡解離定数を指す。KDの値は、抗体の会合速度定数(ka)に対する抗体の解離速度定数(kd)の比率を数値で表したものである。KDの値は、抗原に対する抗体の結合親和性に反比例する。KD値が小さいほど、その抗原に対する抗体の親和性が高くなる。親和性は、単一分子のそのリガンドに対する結合の強度であり、典型的には、平衡解離定数(KD)によって測定及び報告され、この平衡解離定数を使用して、二分子間相互作用の強度を評価し、順位決定する。
本明細書で使用する場合、「kd」または「kd」(あるいは「koff」または「koff」)という用語は、抗体/抗原複合体からの抗体の解離の解離速度定数を指すことを意図する。kdの値は、1秒あたりに減衰または解離する複合体の割合を数値で表したものであり、秒-1の単位で表される。
本明細書で使用する場合、「ka」または「ka」(あるいは「kon」または「kon」)という用語は、抗原と抗体の会合の会合速度定数を指すことを意図する。kaの値は、1モル(1M)溶液の抗体及び抗原において1秒あたりに形成される抗体/抗原複合体の数を数値で表したものであり、M-1秒-1の単位で表される。
本明細書で使用する場合、「白血球」という用語は、感染性生物及び異物から身体を防御することに関与する白血球細胞の一種を指す。白血球は、骨髄にて産生される。白血球細胞には、5つの主要な種類があり、2つの主要な群:多形核白血球(好中球、好酸球、好塩基球)及び単核白血球(単球及びリンパ球)に分類される。
本明細書で使用する場合、「リンパ球」という用語は、身体の免疫防御に関与する白血球または白血球細胞の一種を指す。リンパ球には、2つの主要な種類:B細胞及びT細胞がある。
本明細書で使用する場合、「連結した」、「融合した」、または「融合」という用語は、互換可能に使用される。これらの用語は、化学的コンジュゲーションまたは組換え手段を含む任意の手段によって、2つ以上の要素または構成要素またはドメインを1つに結合することを指す。(例えば、ヘテロ二官能性架橋剤を使用する)化学的コンジュゲーションの方法は、当該技術分野で公知である。
本明細書で使用する場合、「局所投与」または「局所送達」は、血管系を介したその意図された標的組織または部位への組成物または作用物質の輸送に依存しない送達を指す。例えば、組成物は、組成物もしくは作用物質の注射もしくは移植によって、または組成物もしくは作用物質を含有するデバイスの注射もしくは移植によって送達され得る。標的組織または部位の近傍への局所投与に続いて、組成物もしくは作用物質、またはその1つもしくは複数の成分は、意図された標的組織または部位へと拡散し得る。
本明細書で使用する場合、「MHC分子」は、2つのタイプの分子、MHCクラスI及びMHCクラスIIを指す。MHCクラスI分子は特定のCD8+T細胞に抗原を提示し、MHCクラスII分子は特定のCD4+T細胞に抗原を提示する。APCに外因的に送達された抗原は、主にMHCクラスIIと会合するためにプロセシングされる。対照的に、APCに内因的に送達された抗原は、主にMHCクラスIと会合するためにプロセシングされる。
本明細書で使用する場合、「モノクローナル抗体」という用語は、特定のエピトープに対して単一結合特異性及び親和性を示す抗体を指す。従って、「ヒトモノクローナル抗体」という用語は、単一の結合特異性を示し、ヒト生殖細胞免疫グロブリン配列に由来する可変及び任意の定常領域を有する抗体を指す。一部の実施形態では、ヒトモノクローナル抗体は、不死化細胞に融合されたヒト重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する、トランスジェニック非ヒト動物、例えば、トランスジェニックマウスから得られたB細胞を含むハイブリドーマによって産生される。
本明細書で使用する場合、「単球」という用語は、白血球の一種を指し、マクロファージ及び樹状細胞に分化して免疫応答をもたらすことができる。
本明細書で使用する場合、「ナチュラルキラー(NK)細胞」という用語は、細胞傷害性リンパ球の一種を指す。これらは大きく、通常は顆粒状で、非Tリンパ球、非Bリンパ球であり、ある特定の腫瘍細胞を殺滅し、ウイルス及び他の細胞内病原体に対する自然免疫において、ならびに抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)において重要である。
本明細書で使用する場合、「天然に生じる」という用語は、ある対象物に適用される場合、対象物を天然に見出すことができるという事実を指す。例えば、(ウイルスを含む)生物中に存在し、天然の源から単離でき、研究室で人為的に改変されていないポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は天然に生じるものである。
本明細書で使用する場合、「非スイッチングアイソタイプ」は、アイソタイプスイッチングが生じない場合に生産される重鎖のアイソタイプクラスを指し、非スイッチングアイソタイプをコードするCH遺伝子は典型的には、機能的再編成の起きるVDJ遺伝子のすぐ下流にある1番目のCH遺伝子である。アイソタイプスイッチングは、古典的または非古典的なアイソタイプスイッチングに分類される。古典的なアイソタイプスイッチングは、導入遺伝子中の少なくとも1つのスイッチ配列領域が関与する組換え事象によって生じる。非古典的なアイソタイプスイッチングは、例えば、ヒトσμ及びヒトΣμ間の相同的組換え(δ関連欠失)によって生じ得る。中でも、導入遺伝子間及び/または染色体間での組換えなどの代替的な非古典的なスイッチング機序が生じて、アイソタイプスイッチングにつながることもある。
本明細書で使用する場合、「核酸」という用語は、一本鎖または二本鎖形のいずれかのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド及びそれらのポリマーを指す。特に限定しない限り、本用語は、参照核酸と同様の結合特性を有し、天然に生じるヌクレオチドと同様の様式で代謝される、天然ヌクレオチドの公知の類似体を含有する核酸を包含する。特に明記しない限り、特定の核酸配列は、保存的に改変されたその突然変異体(例えば、縮重コドン置換)及び相補的配列、ならびに明示的に示された配列も暗黙的に包含する。具体的には、縮重コドン置換は、1つまたは複数の選択された(または全ての)コドンの第三位が、混合塩基及び/またはデオキシイノシン残基で置換された配列を生成することによって達成することができる(Batzer et al.,Nucleic Acid Res.19:5081,1991;Ohtsuka et al.,Biol.Chem.260:2605-2608,1985;及びCassol et al,1992;Rossolini et al,Mol.Cell.Probes 8:91-98,1994)。アルギニン及びロイシンに関しては、第二の塩基での修飾も保存的であることができる。核酸という用語は、遺伝子、cDNA、及び遺伝子によってコードされるmRNAと互換可能に使用される。
本明細書で使用するポリヌクレオチドは、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドで構成することができ、それらは非修飾RNAもしくはDNAまたは修飾RNAもしくはDNAであり得る。例えば、ポリヌクレオチドは、一本鎖DNA、二本鎖DNA、一本鎖領域及び二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖RNA、二本鎖RNA、ならびに一本鎖領域及び二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖またはより典型的には二本鎖であるもしくは一本鎖領域及び二本鎖領域の混合物であることができるDNA及びRNAを含むハイブリッド分子から構成され得る。加えて、ポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNA、またはRNA及びDNAの両方を含む三本鎖領域から構成され得る。ポリヌクレオチドはまた、安定性または他の理由のために修飾された1つまたは複数の修飾された塩基またはDNAもしくはRNA骨格を含有することができる。「修飾された」塩基には、例えば、トリチル化された塩基及びイノシンなどの微量塩基が含まれる。DNA及びRNAに様々な修飾を行うことができ、ゆえに、「ポリヌクレオチド」は、化学的、酵素的、または代謝的に修飾された形態を包含する。
核酸は、それが別の核酸配列と機能的な関係性に置かれるとき、「作動可能に連結」している。例えば、プロモータまたはエンハンサは、それがコード配列の転写に影響を及ぼす場合、そのコード配列に作動可能に連結している。転写制御配列に関する場合、作動可能に連結したとは、連結しているDNA配列が連続していることを意味し、2つのタンパク質コーディング領域を接合する必要がある場合には、連続し、リーディングフレーム内にあることを意味する。スイッチ配列に関しては、作動可能に連結したとは、当該配列がスイッチ組換えをもたらすことができることを指す。
本明細書で使用する場合、「非経口投与」、「非経口的に投与する」、及び他の文法的に等しい語句は、経腸及び局所投与以外の投与様式を指し、通常、注射によるものであり、限定されないが、静脈内、鼻腔内、眼内、筋肉内、動脈内、髄腔内、被膜内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外、脳内、頭蓋内、頸動脈内及び胸骨内注射及び注入を含む。
本明細書で使用する場合、「患者」という用語は、予防的または治療的処置のいずれかを受けるヒト及び他の哺乳動物対象を含む。
本明細書で使用する場合、「PD-1アンタゴニスト」という用語は、PD-1シグナル伝達経路を阻害するか、さもなければ細胞(例えば、免疫細胞)におけるPD-1機能を阻害する任意の化学化合物または生体分子を指す。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-L1のPD-1への及び/またはPD-L2のPD-1への結合を遮断する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1と特異的に結合する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-L1と特異的に結合する。
2つ以上の核酸またはポリペプチドの配列の文脈における、「パーセント同一性」という用語は、下記の配列比較アルゴリズム(例えば、BLASTP及びBLASTNまたは当業者に利用可能な他のアルゴリズム)の1つを用いて、または目視検査によって測定されるような、最大一致について比較及びアライメントしたときに、同一である特定の割合(%)のヌクレオチドまたはアミノ酸残基を有する2つ以上の配列または部分配列を指す。適用に応じて、「パーセント同一性」は、比較される配列のある領域にわたって、例えば、機能性ドメインにわたって存在し得る、あるいは比較される2つの配列の全長にわたって存在する。配列比較に関して、典型的には、一方の配列は、試験配列を比較する参照配列として役割を担う。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列及び参照配列をコンピュータにインプットし、必要であれば部分配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。次に、配列比較アルゴリズムが、指定されたプログラムパラメータに基づいて試験配列(複数可)の参照配列に対するパーセント配列同一性を算出する。
比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所的相同性アルゴリズムによって、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アライメントアルゴリズムによって、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性検索法よって、これらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)のコンピュータ化実装によって、または目視検査(一般的に、Ausubel et al.,下記を参照されたい)によって、行うことができる。
パーセント配列同一性及び配列類似性を決定するために適したアルゴリズムの一例は、BLASTアルゴリズムであり、これは、Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)に記載されている。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationのウェブサイトを通して、公開されている。
一般に本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能」とは、安全な医学的判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織、臓器、及び/または体液と接触させて使用するのに好適な、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わない、妥当な利益/リスク比に見合う、化合物、物質、組成物及び/または剤形を指す。
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能な担体」は、生理学的に適合性のある、あらゆる及び全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤ならびに吸収遅延剤などを指し、含む。組成物は、医薬的に許容可能な塩、例えば、酸付加塩または塩基付加塩を含むことができる(例えば、Berge et al.(1977)J Pharm Sci 66:1-19を参照されたい)。
本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、互換可能に使用され、アミノ酸残基のポリマーを指す。これらの用語は、1つまたは複数のアミノ酸残基が、対応する天然に生じるアミノ酸の人工的な化学的模倣体であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に生じるアミノ酸ポリマー及び非天然に生じるアミノ酸ポリマーに適用される。
本明細書で使用する場合、状態に関して使用される場合の「予防する」という用語は、組成物を受けない対象に比べて、対象における医学的状態の症状の頻度を低下する、または発症を遅延させる組成物の投与を指す。
本明細書で使用する場合、本明細書に記載のタンパク質(抗体またはフラグメント)のいずれかに適用される「精製」または「単離」という用語は、それに天然に付随する成分(例えば、タンパク質または他の天然に生じる生体分子もしくは有機分子)、例えば、他のタンパク質、脂質、及びタンパク質を発現する原核生物の核酸から、分離または精製されているポリペプチドを指す。典型的には、ポリペプチドが試料中の総タンパク質の、少なくとも60(例えば、少なくとも65、70、75、80、85、90、92、95、97、または99)重量%を構成するとき、ポリペプチドは精製されている。
本明細書で使用する場合、「プログラムされた細胞死タンパク質1」または「PD-1」という用語は、CD28ファミリーに属する免疫阻害性受容体である、プログラムされた細胞死タンパク質1ポリペプチドを指し、ヒトではPDCD1遺伝子によってコードされる。PD-1の別名または同義語には、PDCD1、PD1、CD279及びSLEB2が含まれる。PD-1は、in vivoでは、前もって活性化されたT細胞、B細胞、骨髄細胞に主に発現し、2つのリガンドであるPD-L1及びPD-L2に結合する。本明細書で使用する場合、「PD-1」という用語は、ヒトPD-1(hPD-1)、hPD-1の変異体、アイソフォーム、及び種ホモログ、ならびにhPD-1と少なくとも1つの共通のエピトープを有する類似体を含む。完全なhPD-1配列は、GenBankアクセッション番号AAC51773に見出すことができる。
本明細書で使用する場合、「プログラムされた死リガンド-1」または「PD-L1」という用語は、PD-1に対する2つの細胞表面糖タンパク質リガンドの1つ(他方は、PD-L2)であり、PD-1への結合の際に、T細胞の活性化及びサイトカイン分泌を下方制御する。PD-L1の別名及び同義語には、PDCD1L1、PDL1、B7H1、B7-4、CD274及びB7-Hが含まれる。本明細書で使用する場合、「PD-L1」という用語は、ヒトPD-L1(hPD-L1)、hPD-L1の変異体、アイソフォーム、及び種ホモログ、ならびにhPD-L1と少なくとも1つの共通エピトープを有する類似体を含む。完全なhPD-L1配列は、GenBankアクセッション番号Q9NZQ7に見出すことができる。
PD-1は、TCRシグナルを負に制御する免疫阻害性タンパク質として知られている(Ishida,Y.et al.(1992)EMBO J.11:3887-3895;Blank,C.et al.(Epub 2006 Dec.29)Immunol.Immunother.56(5):739-745)。PD-1及びPD-L1間の相互作用は、免疫チェックポイントとして機能することができ、これによりT細胞受容体を介した増殖の低減をもたらすことができる(Dong et al.(2003)J.Mol.Med.81:281-7;Blank et al.(2005)Cancer Immunol.Immunother.54:307-314;Konishi et al.(2004)Clin.Cancer Res.10:5094-100)。PD-1とPD-L1またはPD-L2との局所的な相互作用を阻害することにより、免疫抑制を逆転させることができ、PD-1とPD-L2の相互作用も同様に遮断される場合、その効果は相加的である(Iwai et al.(2002)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 99:12293-7;Brown et al.(2003)J.Immunol.170:1257-66)。
いくつかのがんに関しては、腫瘍の生存及び増殖は、腫瘍を介した免疫チェックポイントの調節によって維持される。この調節は、抗がん免疫系機能の破壊をもたらし得る。例えば、最近の研究では、腫瘍細胞によるPD-L1やPD-L2などの免疫チェックポイント受容体リガンドの発現が、特にT細胞を抑制することにより、腫瘍微小環境における免疫系の活性を下方制御し、がん免疫回避を促進し得ることが示されている。PD-L1は、様々なヒトのがんによって多量に発現される(Dong et al.,(2002)Nat Med 8:787-789)。PD-L1の受容体である、PD-1は、リンパ球(例えば、活性化T細胞)上に発現し、通常は、特にT細胞の抑制による、免疫系の下方制御及び自己寛容の促進に関与する。しかしながら、T細胞上で発現するPD-1受容体が腫瘍細胞上の同族PD-L1リガンドに結合すると、結果として生じるT細胞抑制が、腫瘍に対する免疫応答不全(例えば、腫瘍浸潤リンパ球の低減またはがん細胞による免疫回避の確立)に寄与する。
卵巣癌、腎癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肝癌及び黒色腫の大規模な試料セットでは、PD-L1の発現が予後不良と相関し、その後の処置に関係なく全生存率を低下することが示された(例えば、Dong et al.,(2002)Nat Med 8(8):793-800;Yang et al.,(2008)Invest Ophthalmol Vis Sci 49(6):2518-2525;Ghebeh et al.,(2006)Neoplasia 8:190-198;Hamanishi et al.,(2007)Proc Nat Acad Sci USA 104:3360-3365;Thompson et al.,(2006)Clin Genitourin Cancer 5:206-211;Nomi et al.,(2005)Clin Cancer Res 11:2947-2953;Inman et al.,(2007)Cancer 109:1499-1505;Shimauchi et al.,(2007)Int J Cancer 121:2585-2590;Gao et al.,(2009)Clin Cancer Res 15:971-979;Nakanishi et al.,(2007)Cancer Immunol Immunother 56:1173-1182;Hino et al.,(2010)Cancer 116(7):1757-1766)。同様に、腫瘍リンパ球上のPD-1発現は、乳癌(Kitano et al.,(2017)ESMO Open 2(2):e000150)及び黒色腫(Kleffel et al.,(2015)Cell 162(6):1242-1256)において機能不全T細胞を示すことが見出された。例えば、PD-1/PD-L1/PD-L2シグナル伝達軸の機能に影響を与えるもの、及び/またはPD-1とPD-L1及び/またはPD-L2との間の相互作用を妨害するものなどのPD-1アンタゴニストが、開発されており、免疫細胞-腫瘍細胞相互作用の調節を介して機能する新規クラスの抗腫瘍阻害剤を表す。
本明細書で使用する場合、「再編成された」という用語は、Vセグメントが、D-JまたはJセグメントのすぐ隣に位置し、それぞれ完全VHまたはVLドメインを本質的にコードする立体構造となっている重鎖または軽鎖免疫グロブリン遺伝子座の立体配置を指す。再編成された免疫グロブリン遺伝子座は、生殖細胞DNAに比較することによって同定でき、再編成された遺伝子座は少なくとも1つの組換え7量体/9量体相同エレメントを有するだろう。
本明細書で使用する場合、「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)は、組換え発現ベクターが導入されている細胞を指すと意図される。このような用語は、特定の対象細胞だけでなく、このような細胞の後代も指すものと意図されていることが理解されたい。突然変異または環境的影響に起因して、ある特定の修飾が継代に起きる場合があるため、このような後代は実際には親細胞と同一でない可能性があるが、それでもなお、本明細書で用いる場合「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。
本明細書で使用する場合、「組換えヒト抗体」という用語は、例えば(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子に関してトランスジェニックもしくはトランスクロモソーマルである動物(例えばマウス)から、またはそれから調製されたハイブリドーマから単離された抗体、(b)抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から、例えばトランスフェクトーマから単離された抗体、(c)組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリから単離された抗体、及び(d)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを伴う何らかの他の手段により調製、発現、作製または単離された抗体など、組換え手段により調製、発現、作製または単離された全てのヒト抗体を含む。そのような組換えヒト抗体は、生殖細胞遺伝子によってコードされる特定のヒト生殖細胞免疫グロブリン配列を利用する可変領域及び定常領域を含むが、例えば、抗体成熟の間に起こるその後の再編成及び突然変異を含む。当該技術分野で知られているように(例えば、Lonberg(2005)Nature Biotech.23(9):1117-1125)、可変領域は、抗原結合ドメインを含有し、これは、再編成して外来抗原に特異的な抗体を形成する様々な遺伝子によってコードされる。再編成に加えて、可変領域を、複数の単一アミノ酸の変化(体細胞突然変異または超突然変異と称する)によってさらに修飾して、外来抗原に対する抗体の親和性を増加することができる。定常領域は、抗原にさらに応答して変化するだろう(すなわち、アイソタイプスイッチ)。それゆえ、抗原に応答して軽鎖免疫グロブリンポリペプチド及び重鎖免疫グロブリンポリペプチドをコードする再編成された及び体細胞突然変異した核酸分子は、元の核酸分子と配列同一性を持たない可能性があるが、代わりに実質的に同一または類似するだろう(すなわち、少なくとも80%の同一性を有する)。
本明細書で使用する場合、「参照抗体」(「参照mAb」と互換可能に使用される)または「参照抗原結合タンパク質」という用語は、IL-27上の特定のエピトープに結合する抗体またはその抗原結合フラグメントを指し、それ自体と1つまたは複数の別個の抗体との間の関係を確立するために使用され、この関係は、IL-27上の同じエピトープに対する参照抗体及び1つまたは複数の別個の抗体の結合である。本明細書で使用する場合、本用語は、本明細書に記載のものなどの試験またはアッセイ(例えば、競合結合アッセイ)において競合物質として有用である抗IL-27抗体を暗示し、アッセイは、同じエピトープに結合する1つまたは複数の別個の抗体の発見、同定または開発に有用である。
本明細書で使用する場合、「特異的結合」、「選択的結合」、「選択的に結合する」、及び「特異的に結合する」という用語は、所定の抗原上のエピトープに結合する抗体を指す。典型的には、抗体は、組換えヒトIL-27を分析物として及び抗体をリガンドとして使用してBIACORE 2000機器にて表面プラズモン共鳴(SPR)技術により決定した場合に、およそ10-6M未満、例えばおよそ10-7、10-8M、10-9Mもしくは10-10M未満またはさらに低い平衡解離定数(KD)で結合し、所定の抗原に、所定の抗原または密接に関連する抗原以外の非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン)に対する結合の親和性より少なくとも2倍大きい親和性で結合する。ある特定の実施形態では、IL-27に特異的に結合する抗体は、組換えヒトIL-27を分析物として及び抗体をリガンドとして使用してBIACORE 2000機器にて表面プラズモン共鳴(SPR)技術により決定した場合に、およそ100nM(10-7M)未満、任意選択でおよそ50nM(5×10-8M)未満、任意選択でおよそ15nM(1.5×10-8M)未満、任意選択でおよそ10nM(10-8M)未満、任意選択でおよそ5nM(5×10-9M)未満、任意選択でおよそ1nM(10-9M)未満、任意選択でおよそ0.1nM(10-10M)未満、任意選択でおよそ0.01nM(10-11M)未満、またはさらに低い平衡解離定数(KD)で結合し、所定の抗原への結合は、所定の抗原または密接に関連する抗原以外の非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン)に対する結合に関する抗体の親和性より少なくとも2倍大きい親和性で生じる。「抗原を認識する抗体」及び「抗原に特異的な抗体」という語句は、本明細書では、「抗原に特異的に結合する抗体」という用語と互換可能に使用される。
本明細書で使用する場合、「STAT1リン酸化」という用語は、ヒトにおいてSTAT1遺伝子によってコードされる転写因子である、シグナル伝達性転写因子1(STAT1)ポリペプチドのリン酸化を指す。STAT分子は、受容体関連キナーゼによってリン酸化され、核に移動して転写因子として機能するホモまたはヘテロ二量体を形成することにより、活性化及び二量体化を引き起こす。STAT1は、IL-27を含むいくつかのリガンドを介したシグナル伝達に応じて、活性化(すなわち、リン酸化)することができる。IL-27Rを通したIL-27シグナル伝達は、STAT1のリン酸化(pSTAT1)をもたらす。STAT1は、細胞の生存、生存力、病原体応答に関与する遺伝子発現において重要な役割を有する。IL-27シグナル伝達の結果としてのSTAT1リン酸化を決定する方法には、限定されないが、リン酸化STAT1を特異的に認識する抗体を用いて標識された細胞のフローサイトメトリー分析が含まれる(例えば、Tochizawa et al.,(2006)J Immunol Methods 313(1-2):29-37を参照されたい)。
本明細書で使用する場合、「STAT3リン酸化」という用語は、ヒトにおいてSTAT3遺伝子によってコードされる転写因子である、シグナル伝達性転写因子3(STAT3)ポリペプチドのリン酸化を指す。STAT3は、細胞刺激に応じて、様々な遺伝子の発現を媒介し、ゆえに細胞増殖及びアポトーシスなどの多くの細胞プロセスにおいて重要な役割を担う。IL-27シグナル伝達の結果としてのSTAT3リン酸化を決定する方法には、限定されないが、リン酸化STAT3を特異的に認識する抗体を用いて標識された細胞または細胞抽出物の分析が含まれる(例えば、Fursov et al.,(2011)Assay Drug Dev Technol 9(4):420-429を参照されたい)。
本明細書で使用する場合、「スイッチ配列」という用語は、スイッチ組換えを担うDNA配列を指す。「スイッチドナー」配列は、典型的にはμスイッチ領域であり、スイッチ組換えの際に欠失するコンストラクト領域の5’側(すなわち、上流)にあるだろう。「スイッチアクセプター」領域は、欠失することになるコンストラクト領域と、置換定常領域(例えば、γ、ε、など)との間にあるだろう。組換えが常に起きるという特定の部位はないため、最終的な遺伝子配列は典型的にはコンストラクトからは予測不能だろう。
本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、任意のヒトまたは非ヒト動物を含む。例えば、本発明の方法及び組成物は、免疫障害を有する対象を処置するために使用され得る。「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物及び非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両性類、爬虫類などを含む。
核酸に関しては、「実質的な相同性」という用語は、2つの核酸またはそのうちの指定した配列が、最適にアライメント及び比較した場合、適切なヌクレオチド挿入または欠失を伴って、ヌクレオチドの少なくとも約80%、通常は少なくとも約90%~95%、より好ましくは、ヌクレオチドの少なくとも約98%~99.5%において同一であることを示す。あるいは、セグメントが選択的ハイブリダイゼーション条件下で鎖の相補配列にハイブリダイズし得るときに、実質的な相同性が存在する。
2つの配列間のパーセント同一性は、配列によって共有される同一位置の数の関数(すなわち、パーセント相同性=同一位置の数/位置の総数×100)であり、2つの配列の最適なアライメントのために導入されることが必要なギャップの数及び各ギャップの長さが考慮される。配列の比較及び2つの配列間のパーセント同一性の決定は、以下の非限定的な例に記載するように、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。
2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを使用して決定することができ(http://www.gcg.comにて入手可能)、これは、NWSgapdna.CMPマトリックス、ならびに40、50、60、70または80のギャップ加重及び1、2、3、4、5または6の長さ加重を使用する。2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間のパーセント同一性はまた、E.Meyers及びW.Miller(CABIOS,4:11-17(1989))のアルゴリズムを使用して決定することができ、これは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれており、PAM120加重残基表、12のギャップ長ペナルティー及び4のギャップペナルティーを使用する。加えて、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、Needleman及びWunsch(J.Mol.Biol.(48):444-453(1970))アルゴリズムを使用して決定することができ、これは、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムに組み込まれており(http://www.gcg.comにて入手可能)、Blossum62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれか、ならびに16、14、12、10、8、6または4のギャップ加重及び1、2、3、4、5または6の長さ加重を使用する。
本開示の核酸配列及びタンパク質配列を「クエリー配列」としてさらに使用して、例えば、関連する配列を同定するために公共のデータベースに対して検索を行うことができる。そのような検索は、Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-10のNBLAST及びXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して行うことができる。BLASTヌクレオチド検索を、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12を用いて行って、本発明の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索を、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて行って、本発明のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的のためのギャップアライメントを得るために、Gapped BLASTを、Altschul et al.,(1997)Nucleic Acids Res.25(17):3389-3402に記載のように利用することができる。BLAST及びGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトパラメータを使用できる。http://www.ncbi.nlm.nih.gov.を参照されたい。
核酸は全細胞中にあっても、細胞ライセート中にあっても、または部分的に精製されたもしくは実質的に純粋な形で存在してもよい。核酸は、アルカリ/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィ、アガロースゲル電気泳動法、及び当該技術分野で公知の他の技術を含む標準的な技術により、他の細胞成分または他の混入物質、例えば、他の細胞内核酸またはタンパク質を取り除いて精製されている場合に、「単離された」または「実質的に純粋にされた」ことになる。F.Ausubel,et al.,ed.Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing and Wiley Interscience,New York(1987)を参照されたい。
cDNA、ゲノムまたはこれらの混合物に由来する、本開示の核酸組成物は、しばしば天然配列(修飾された制限部位などを除き)であり、遺伝子配列を提供する標準的技術に従って突然変異させてよい。コード配列に関しては、これらの突然変異は、必要に応じてアミノ酸配列を左右してよい。具体的には、天然V、D、J、定常、スイッチ及び本明細書に記載する他のこのような配列に実質的に相同するまたは由来とするDNA配列が企図される(この場合、「由来する」は、ある配列が別の配列と同一であるかまたは別の配列から修飾されていることを示す)。
本明細書で使用する場合、「STING」(あるいはTMEM173)という用語は、直接細胞質ゾルDNAセンサー及びアダプタータンパク質の両方として機能するタンパク質である、インターフェロン遺伝子の刺激因子を指す。ヒトでは、STINGは、TMEM173遺伝子によってコードされている。STINGは、自然免疫において重要な役割を担う。STINGは、細胞が、細胞内病原体、例えばウイルス、マイコバクテリア及び細胞内寄生虫に感染したとき、I型インターフェロンの産生を誘導する。I型インターフェロンは、STINGによって媒介され、感染した細胞及び近接細胞を、それを分泌する同じ細胞及び近接細胞に結合することにより、局所感染から保護する。STINGの例示的なアミノ酸配列は、NCBI Genbankデータベースにより、アクセッション番号NP_001288667の下に提供される。
「T細胞」という用語は、細胞表面上のT細胞受容体の存在によって他の白血球細胞と区別できる白血球細胞の一種を指す。T細胞にはいくつかのサブセットがあり、Tヘルパー細胞(別名、TH細胞またはCD4+T細胞)ならびにサブタイプ、例えばTH1、TH2、TH3、TH17、TH9、及びTFH細胞、細胞傷害性T細胞(別名、TC細胞、CD8+T細胞、細胞傷害性Tリンパ球、Tキラー細胞、キラーT細胞)、メモリーT細胞ならびにサブタイプ、例えばセントラルメモリーT細胞(TCM細胞)、エフェクターメモリーT細胞(TEM及びTEMRA細胞)、及びレジデントメモリーT細胞(TRM細胞)、制御性T細胞(別名、Treg細胞またはサプレッサーT細胞)ならびにサブタイプ、例えばCD4+FOXP3+Treg細胞、CD4+FOXP3-Treg細胞、Tr1細胞、Th3細胞、及びTreg17細胞、ナチュラルキラーT細胞(別名、NKT細胞)、粘膜関連インバリアントT細胞(MAIT)、ならびにガンマデルタT細胞(γδT細胞)、例えばVγ9/Vδ2T細胞が含まれるがこれらに限定されない。前述のまたは言及していないT細胞の任意の1つまたは複数が、本発明の使用の方法の標的細胞型であり得る。
本明細書で使用する場合、「T細胞媒介性応答」という用語は、エフェクターT細胞(例えば、CD8+細胞)及びヘルパーT細胞(例えば、CD4+細胞)を含むがこれらに限定されない、T細胞により媒介される任意の応答を指す。T細胞媒介性応答には、例えば、T細胞細胞傷害性及び増殖が含まれる。
本明細書で使用する場合、「治療有効量」もしくは「治療有効用量」という用語、または本明細書で使用される同様の用語は、望ましい生物学的または医学的応答(例えば、がんの1つまたは複数の症状における改善)を引き出し得る作用物質(例えば、抗IL-27抗体またはその抗原結合フラグメント)の量を意味することが意図される。
本明細書で使用する場合、「TAM受容体」という用語は、TAM受容体タンパク質チロシンキナーゼ(TYRO3、AXL及びMER)を指す。TAM受容体は、免疫系恒常性の制御に関与している。がん環境では、TAM受容体は、腫瘍発生の開始及び進行、ならびに同時に、多様な免疫細胞の関連する抗腫瘍応答を管理する、二重制御の役割を有する。TAM受容体のさらなる記載は、Paolino and Penninger(2016)Cancers 8(97):doi:10.3390/cancers8100097)に見出される。本明細書で使用する場合、「TAM受容体阻害剤」または「TAM阻害剤」という用語は、TAM受容体の機能または活性を阻害、遮断または低下する作用物質を指す。
本明細書で使用する場合、「TIGIT」または「Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体」は、別途示されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来の任意の天然TIGITを指す。TIGITは、当該技術分野において、DKFZp667A205、FLJ39873、Vセット及び免疫グロブリンドメイン含有タンパク質9、Vセット及び膜貫通ドメイン含有タンパク質3、VSIG9、VSTM3、ならびにWUCAMとしても知られている。本用語は、TIGITの天然に生じる変異型、例えば、スプライス変異型または対立遺伝子変異型も包含する。例示的なヒトTIGITのアミノ酸配列は、UniProtアクセッション番号Q495A1下に見出され得る。
本明細書で使用する場合、「処置する」、「処置すること」、及び「処置」という用語は、本明細書に記載の治療的または予防的手段を指す。「処置」の方法は、障害もしくは再発性障害の1つもしくは複数の症状を、予防、治癒、遅延、重症度を軽減する、もしくは改善するため、またはかかる処置の不在下で予想されるものを超えて対象の生存を延長するために、本開示のヒト抗体の、そのような処置を必要とする対象、例えば、特定の抗原に対する免疫応答の増強を必要とする対象または最終的にそのような障害を得る可能性がある対象への投与を採用する。
本明細書で使用する場合、「腫瘍微小環境」(あるいは「がん微小環境」;略してTME)という用語は、周囲の血管ならびに免疫細胞、線維芽細胞、骨髄由来炎症細胞及びリンパ球を含むがこれらに限定されない非がん性細胞を含む、腫瘍または新生物が存在する細胞環境(environment)または環境(milieu)を指す。シグナル伝達分子及び細胞外マトリックスもTMEに含まれる。腫瘍及び周囲の微小環境は密接に関連しており、常に相互作用している。腫瘍は、細胞外シグナルを放出し、腫瘍の血管新生を促進し、末梢免疫寛容を誘導することにより、微小環境に影響を与えることができ、一方で、微小環境内の免疫細胞は、腫瘍細胞の増殖及び発展に影響を及ぼすことができる。
本明細書で使用する場合、「再編成のない」または「生殖細胞の配置」という用語は、VセグメントがDまたはJセグメントにすぐ隣接するように組換えられていない配置を指す。
本明細書で使用する場合、「ベクター」という用語は、それが連結している別の核酸を輸送できる核酸分子を指すことを意図する。ベクターの一種が「プラスミド」であり、これは付加的なDNAセグメントが連結され得る環状の二本鎖DNAループを指す。ベクターの別種は、ウイルスベクターであり、付加的なDNAセグメントは、ウイルスゲノム内に連結し得る。ある特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞内で自律的複製が可能である(例えば、細菌由来の複製開始点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入の際に、宿主細胞のゲノムに組み込まれ得、それにより、宿主ゲノムと一緒に複製される。さらに、ある特定のベクターは、それらが作動可能に連結された遺伝子の発現を命令することができる。そのようなベクターは、本明細書では、「組換え発現ベクター」(または単に「発現ベクター」)と称される。一般に、組換えDNA技術で実用性のある発現ベクターは、しばしばプラスミドの形態である。本明細書では、「プラスミド」及び「ベクター」は、プラスミドが最も一般的に使用されるベクターの形態であるため、互換可能に使用され得る。しかしながら、本発明には、ウイルスベクター(例えば、複製欠陥レトロウイルス、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルス)などの、同等の機能を果たす他の形の発現ベクターを含むことが意図される。
別段の定義がない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。好ましい方法及び材料を後述するが、本明細書に記載するものと類似するまたは同等な方法及び材料も、本開示の方法及び組成物の実施または試験において使用できる。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下の特性:
(i)ヒトIL-27に15nM以下の平衡解離定数(K
D
)で結合する;
(ii)IL-27のIL-27受容体への結合を遮断する;
(iii)細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する;
(iv)細胞におけるCD161発現のIL-27媒介性阻害を阻害または低下する;
(v)細胞におけるIL-27媒介性PD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する;ならびに
(vi)細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する
のうちの少なくとも1つまたは複数を呈する、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目2)
前記抗体またはその抗原結合部分が、ヒトIL-27に15nM以下の平衡解離定数(K
D
)で結合する、項目1に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目3)
前記抗体またはその抗原結合部分が、マウスIL-27に結合する、項目1または2に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目4)
ヒトIL-27と特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)N-GFTFXXXX-C(配列番号408)からなる重鎖CDR1、N-ISSSXXYI-C(配列番号409)からなる重鎖CDR2、及び配列番号163に記載の重鎖CDR3配列;ならびにそれぞれ、配列番号169、170及び171に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;または
(ii)N-FTFXXXXMN-C(配列番号410)からなる重鎖CDR1、N-XISSSXXYIXYADSVKG-C(配列番号411)からなる重鎖CDR2、及び配列番号166に記載の重鎖CDR3配列;ならびにそれぞれ、配列番号172、173及び174に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目5)
前記重鎖CDR1が、N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号412)からなり、前記重鎖CDR2が、N-ISSS[S/G][S/A]YI-C(配列番号413)からなる;または前記重鎖CDR1が、N-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]MN-C(配列番号414)からなり、前記重鎖CDR2が、N-[G/S]ISSS[S/G][S/A]YI[L/Y]YADSVKG-C(配列番号415)からなる、項目4に記載の単離されたモノクローナル抗体。
(項目6)
(i)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号161、162及び163に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号169、170及び171に記載されている;
(ii)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号164、165及び166に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号172、173及び174に記載されている;
(iii)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号73、74及び75に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号81、82及び83に記載されている;
(iv)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号76、77及び78に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号84、85及び86に記載されている;
(v)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号95、96及び97に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号103、104及び105に記載されている;
(vi)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号98、99及び100に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号106、107及び108に記載されている;
(vii)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号117、118及び119に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号125、126及び127に記載されている;
(viii)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号120、121及び122に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号128、129及び130に記載されている;
(ix)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号139、140及び141に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号147、148及び149に記載されている;
(x)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号142、143及び144に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号150、151及び152に記載されている;
(xi)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号51、52及び53に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号59、60及び61に記載されている;または
(xii)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号54、55及び56に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号62、63及び64に記載されている、項目4に記載の単離されたモノクローナル抗体。
(項目7)
ヒトIL-27と特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、N-GGSFSXYX-C(配列番号416)からなる重鎖CDR1、N-IDXSGXT-C(配列番号417)からなる重鎖CDR2、及びN-ARXXXYY[X]
n=0-1
DSS[X]
n=4-6
DX-C(配列番号418)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-QXXSXY-C(配列番号419)からなる軽鎖CDR1、N-DXS-C(配列番号420)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQXXDXPIT-C(配列番号421)からなる軽鎖CDR3配列;または
(ii)それぞれ、N-GSFSXYXWS-C(配列番号422)からなる重鎖CDR1、N-SIDXSGXTXYNPSLKS-C(配列番号423)からなる重鎖CDR2、及びN-ARXXXYY[X]
n=0-1
DSS[X]
n=4-6
DX-C(配列番号418)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-XASQXXSXYLX-C(配列番号424)からなる軽鎖CDR1、N-DXSNXXT-C(配列番号425)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQXXDXPIT-C(配列番号421)からなる軽鎖CDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目8)
(i)それぞれ、前記重鎖CDR1が、N-GGSFS[R/D]Y[E/Y]-C(配列番号426)からなり、前記重鎖CDR2が、N-ID[W/Y]SG[I/S]T-C(配列番号427)からなり、N-AR[D/L][P/G][M/V]YY[-/Y]DSS[VSTGSV/DLGF]D[V/I]-C(配列番号428)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-Q[S/D][V/I]S[S/N]Y-C(配列番号429)からなる軽鎖CDR1、N-D[S/A]S-C(配列番号430)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQ[D/Y][S/D]D[H/L]PIT-C(配列番号431)からなる軽鎖CDR3配列;または、
(ii)それぞれ、前記重鎖CDR1が、N-GSFS[R/D]Y[E/Y]WS-C(配列番号432)からなり、前記重鎖CDR2が、N-SID[W/Y]SG[I/S]T[N/E]YNPSLKS-C(配列番号433)からなり、N-AR[D/L][P/G][M/V]YY[-/Y]DSS[VSTGSV/DLGF]D[V/I]-C(配列番号428)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-[Q/R]ASQ[S/D][V/I]S[S/N]YL[N/A]-C(配列番号434)からなる軽鎖CDR1、N-D[S/A]SN[R/L][A/E]T-C(配列番号435)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQ[D/Y][S/D]D[H/L]PIT-C(配列番号431)からなる軽鎖CDR3配列の、項目7に記載の単離されたモノクローナル抗体。
(項目9)
(i)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号229、230及び231に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号237、238及び239に記載されている;または
(ii)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号232、233及び234に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号240、241及び242に記載されている、項目7に記載の単離されたモノクローナル抗体。
(項目10)
(i)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号251、252及び253に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号259、260及び261に記載されている;または
(ii)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号254、255及び256に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号262、263及び264に記載されている、項目7に記載の単離されたモノクローナル抗体。
(項目11)
ヒトIL-27と特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号23、24及び25に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号26、27及び28に記載されている、からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目12)
ヒトIL-27と特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号339、340及び341に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号347、348及び349に記載されている;または
(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号342、343及び344に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号350、351及び352に記載されている、からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目13)
ヒトIL-27と特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号185、186及び187に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号193、194及び195に記載されている;または
(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号188、189及び190に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号196、197及び198に記載されている、からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目14)
ヒトIL-27と特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号207、208及び209に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号215、216及び217に記載されている;または
(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号210、211及び212に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号218、219及び220に記載されている、からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目15)
ヒトIL-27と特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号273、274及び275に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号281、282及び283に記載されている;または
(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号276、277及び278に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号284、285及び286に記載されている、からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目16)
ヒトIL-27と特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、N-GFTFSSYG-C(配列番号361)からなる重鎖CDR1、N-IXXDGSXK-C(配列番号436)からなる重鎖CDR2、及びN-ARXAP[X]
n=3-8
DV-C(配列番号437)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-QSXSSY-C(配列番号438)からなる軽鎖CDR1、N-XXS-C(配列番号439)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQXXXXP[X]
n=0-1
T-C(配列番号440)からなる軽鎖CDR3配列;または
(ii)それぞれ、N-FTFSSYGMX-C(配列番号441)からなる重鎖CDR1、N-XIXXDGSXKYYXDSVKG-C(配列番号442)からなる重鎖CDR2、及びN-ARXAP[X]
n=3-8
DV-C(配列番号437)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-RASQSXSSYLX-C(配列番号443)からなる軽鎖CDR1、N-[X]
n=1-2
SS[X]
n=3-4
-C(配列番号444)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQXXXXP[X]
n=0-1
T-C(配列番号440)からなる軽鎖CDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目17)
(i)それぞれ、前記重鎖CDR1が、N-GFTFSSYG-C(配列番号361)からなり、重鎖CDR2が、N-I[K/W][Q/Y]DGS[E/N]K-C(配列番号445)からなり、重鎖CDR3配列が、N-AR[D/G]AP[WDIYDYYM/EYV]DV-C(配列番号446)からなる;及び軽鎖CDR1が、N-QS[I/V]SSY-C(配列番号447)からなり、軽鎖CDR2が、N-[A/D][A/S]S-C(配列番号448)からなり、軽鎖CDR3配列が、N-QQ[S/Y][Y/S][V/L][P/Y]P[W/-]T-C(配列番号449)からなる;または(ii)それぞれ、前記重鎖CDR1が、N-FTFSSYGM[S/H]-C(配列番号450)からなり、重鎖CDR2が、N-[N/V]I[K/W][Q/Y]DGS[E/N]KYY[V/A]DSVKG-C(配列番号451)からなり、重鎖CDR3配列が、N-AR[D/G]AP[WDIYDYYM/EYV]DV-C(配列番号446)からなる;及び軽鎖CDR1が、N-RASQS[I/V]SSYL[N/A]-C(配列番号452)からなり、軽鎖CDR2が、N-[AA/D]SS[LQS/NRAT]-C(配列番号453)からなり、軽鎖CDR3配列が、N-QQ[S/Y][Y/S][V/L][P/Y]P[W/-]T-C(配列番号449)からなる、項目16に記載の単離されたモノクローナル抗体。
(項目18)
(i)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号361、362及び363であり、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号369、370及び371である;または
(ii)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号364、365及び366であり、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号372、373及び374である、項目16に記載の単離されたモノクローナル抗体。
(項目19)
(i)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号383、384及び385であり、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号391、392及び393である;または
(ii)前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号386、387及び388であり、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号394、395及び396である、項目16に記載の単離されたモノクローナル抗体。
(項目20)
ヒトIL-27と特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、N-GFTFXXXX-C(配列番号408)からなる重鎖CDR1、N-IXXXXXXX-C(配列番号456)からなる重鎖CDR2、及びN-AR[X]n=
6-15
DX-C(配列番号458)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-QS[X]
n=1-3
SS[X]
n=0-4
Y-C(配列番号460)からなる軽鎖CDR1、N-XXS-C(配列番号462)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQXXXXP[X]
n=0-1
T-C(配列番号464)からなる軽鎖CDR3配列;または
(ii)それぞれ、N-FTFXXXXMX-C(配列番号466)からなる重鎖CDR1、N-XIXXXXXXXXYXDSVKG-C(配列番号468)からなる重鎖CDR2、及びN-AR[X]
n=6-15
DX-C(配列番号470)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-RASQSXSSYLX-C(配列番号472)からなる軽鎖CDR1、N-[X]
n=1-2
S[X]
n=4-5
-C(配列番号474)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQXXXXP[X]
n=0-1
T-C(配列番号476)からなる軽鎖CDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目21)
(i)それぞれ、前記重鎖CDR1が、N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号454)からなり、重鎖CDR2が、N-I[S/K/W][S/Q/Y][S/D][S/G][S/A][Y/E/N][I/K]-C(配列番号455)からなり、重鎖CDR3配列が、N-AR[DGGRTSYTATAHNWF/DAPWDIYDYYM/GAPEYV]D[P/V]-C(配列番号457)からなる;及び軽鎖CDR1が、N-QS[VLF/I/V]SS[NNKN/-]Y-C(配列番号459)からなり、軽鎖CDR2が、N-[W/A/D][A/S]S-C(配列番号461)からなり、軽鎖CDR3配列が、N-QQ[H/S/Y][A/Y/S][S/V/L][A/P/Y]P[P/W/-]T-C(配列番号463)からなる;または
(ii)それぞれ、前記重鎖CDR1が、N-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]M[N/S/H]-C(配列番号465)からなり、重鎖CDR2が、N-[G/S/N/V]I[S/K/W][S/Q/Y][S/D][S/G][S/A][Y/E/N][I/K][L/Y]Y[V/A]DSVKG-C(配列番号467)からなり、重鎖CDR3配列が、N-AR[D/G][GGRTSYTATAHNWF/APWDIYDYYM/APEYV]D[P/V]-C(配列番号469)からなる;及び軽鎖CDR1が、N-RASQS[I/V]SSYL[N/A]-C(配列番号471)からなり、軽鎖CDR2が、N-[WA/AA/D]S[TRES/SLQS/SNRAT]-C(配列番号473)からなり、軽鎖CDR3配列が、N-QQ[H/S/Y][A/Y/S][S/V/L][A/P/Y]P[P/W/-]T-C(配列番号475)からなる、項目20に記載の単離されたモノクローナル抗体。
(項目22)
前記抗体またはその抗原結合部分が、IL-27に拮抗する、項目1~21のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目23)
前記抗体またはその抗原結合部分が、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する、項目1~22のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目24)
前記細胞が、免疫細胞である、項目23に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目25)
前記細胞が、がん細胞である、項目23に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目26)
前記抗体またはその抗原結合部分が、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する、項目1~25のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目27)
前記細胞が、免疫細胞である、項目26に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目28)
前記抗体またはその抗原結合部分が、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する、項目1~27のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目29)
前記細胞が、免疫細胞である、項目28に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目30)
前記細胞が、がん細胞である、項目29に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目31)
前記細胞が、がん細胞であり、前記抗体またはその抗原結合部分が、がん細胞におけるPD-L1発現を阻害または低下する、項目29に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目32)
前記抗体またはその抗原結合部分が、細胞からの1つまたは複数のサイトカインの前記PD-1媒介性分泌を誘導または増強する、項目1~31のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目33)
前記1つまたは複数のサイトカインが、IFNg、TNFαまたはIL-6である、項目32に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目34)
前記1つまたは複数のサイトカインが、IFNg、IL-17、TNFαまたはIL-6である、項目33に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目35)
前記1つまたは複数のサイトカインが、TNFαである、項目33に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目36)
前記細胞が、免疫細胞である、項目32~35のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目37)
前記抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、及びIgE抗体からなる群から選択される、項目1~36のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目38)
前記抗体が、IgG1抗体またはIgG4抗体である、項目37に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目39)
前記抗体が、野生型IgG1重鎖定常領域を含む、項目38に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目40)
前記抗体が、野生型IgG4重鎖定常領域を含む、項目38に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目41)
前記抗体が、少なくとも1つの突然変異を含むFcドメインを含む、項目1~40のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目42)
前記抗体が、突然変異型IgG1重鎖定常領域を含む、項目41に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目43)
前記抗体が、突然変異型IgG4重鎖定常領域を含む、項目41に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目44)
前記突然変異型IgG4重鎖定常領域が、EUナンバリングに従って、置換S228P、L235E、L235Aのいずれか1つ、またはその組み合わせを含む、項目43に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目45)
項目1~44のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合部分と実質的に同じエピトープに結合する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目46)
項目1~44のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合部分が結合するアミノ酸残基の少なくとも1つに結合する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目47)
前記抗体またはその抗原結合部分が結合する前記エピトープの突然変異が、前記抗体またはその抗原結合部分及び項目1~44のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合部分の両方への結合を、阻害、低下、または遮断する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目48)
IL-27上のエピトープに結合し、前記エピトープが、表12に記載する抗体分子が結合するエピトープと同じであるまたは類似している、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
(項目49)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、配列番号51、52及び53に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号59、60及び61に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ii)それぞれ、配列番号73、74及び75に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号81、82及び83に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iii)それぞれ、配列番号95、96及び97に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号103、104及び105に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iv)それぞれ、配列番号117、118及び119に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号125、126及び127に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(v)それぞれ、配列番号139、140及び141に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号147、148及び149に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vi)それぞれ、配列番号161、162及び163に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号169、170及び171に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vii)それぞれ、配列番号185、186及び187に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号193、194及び195に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(viii)それぞれ、配列番号207、208及び209に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号215、216及び217に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ix)それぞれ、配列番号229、230及び231に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号237、238及び239に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(x)それぞれ、配列番号251、252及び253に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号259、260及び261に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xi)それぞれ、配列番号273、274及び275に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号281、282及び283に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xii)それぞれ、配列番号295、296及び297に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号303、304及び305に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiii)それぞれ、配列番号317、318及び319に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号325、326及び327に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiv)それぞれ、配列番号339、340及び341に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号347、348及び349に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xv)それぞれ、配列番号361、362及び363に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号369、370及び371に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号383、384及び385に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号391、392及び393に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目50)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、配列番号54、55及び56に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号62、63及び64に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ii)それぞれ、配列番号76、77及び78に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号84、85及び86に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iii)それぞれ、配列番号98、99及び100に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号106、107及び108に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iv)それぞれ、配列番号120、121及び122に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号128、129及び130に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(v)それぞれ、配列番号142、143及び144に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号150、151及び152に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vi)それぞれ、配列番号164、165及び166に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号172、173及び174に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vii)それぞれ、配列番号188、189及び190に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号196、197及び198に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(viii)それぞれ、配列番号210、211及び212に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号218、219及び220に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ix)それぞれ、配列番号232、233及び234に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号240、241及び242に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(x)それぞれ、配列番号254、255及び256に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号262、263及び264に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xi)それぞれ、配列番号276、277及び278に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号284、285及び286に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xii)それぞれ、配列番号298、299及び300に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号306、307及び308に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiii)それぞれ、配列番号320、321及び322に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号328、329及び330に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiv)それぞれ、配列番号342、343及び344に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号350、351及び352に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xv)それぞれ、配列番号364、365及び366に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号372、373及び374に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号386、387及び388に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号394、395及び396に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目51)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含み、前記重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号164、165及び166に記載されており、前記軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列が、それぞれ、配列番号172、173及び174に記載されている、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目52)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域が、配列番号57、79、101、123、145、167、191、213、235、257、279、301、323、345、367及び389からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号65、87、109、131、153、175、199、221、243、265、287、309、331、353、375及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目53)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、配列番号57及び65;
(ii)それぞれ、配列番号79及び87;
(iii)それぞれ、配列番号101及び109;
(iv)それぞれ、配列番号123及び131;
(v)それぞれ、配列番号145及び153;
(vi)それぞれ、配列番号167及び175;
(vii)それぞれ、配列番号191及び199;
(viii)それぞれ、配列番号213及び221;
(ix)それぞれ、配列番号235及び243;
(x)それぞれ、配列番号257及び265;
(xi)それぞれ、配列番号279及び287;
(xii)それぞれ、配列番号301及び309;
(xiii)それぞれ、配列番号323及び331;
(xiv)それぞれ、配列番号345及び353;
(xv)それぞれ、配列番号367及び375;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号389及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目54)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域が、配列番号57、79、101、123、145、167、191、213、235、257、279、301、323、345、367及び389からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号65、87、109、131、153、175、199、221、243、265、287、309、331、353、375及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目55)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、配列番号57及び65;
(ii)それぞれ、配列番号79及び87;
(iii)それぞれ、配列番号101及び109;
(iv)それぞれ、配列番号123及び131;
(v)それぞれ、配列番号145及び153;
(vi)それぞれ、配列番号167及び175;
(vii)それぞれ、配列番号191及び199;
(viii)それぞれ、配列番号213及び221;
(ix)それぞれ、配列番号235及び243;
(x)それぞれ、配列番号257及び265;
(xi)それぞれ、配列番号279及び287;
(xii)それぞれ、配列番号301及び309;
(xiii)それぞれ、配列番号323及び331;
(xiv)それぞれ、配列番号345及び353;
(xv)それぞれ、配列番号367及び375;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号389及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目56)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、それぞれ、配列番号167及び175に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目57)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、それぞれ、配列番号167及び175に記載のアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目58)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖が、配列番号67、89、111、133、155、177、201、243、245、267、289、311、333、355、377及び399からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目59)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖が、配列番号67、89、111、133、155、177、201、243、245、267、289、311、333、355、377及び399からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目60)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖が、配列番号71、93、115、137、159、181、205、227、249、271、293、315、337、359、381及び403からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目61)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖が、配列番号71、93、115、137、159、181、205、227、249、271、293、315、337、359、381及び403からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目62)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、配列番号67及び69;
(ii)それぞれ、配列番号89及び91;
(iii)それぞれ、配列番号111及び113;
(iv)それぞれ、配列番号133及び135;
(v)それぞれ、配列番号155及び157;
(vi)それぞれ、配列番号177及び179;
(vii)それぞれ、配列番号201及び203;
(viii)それぞれ、配列番号243及び225;
(ix)それぞれ、配列番号245及び247;
(x)それぞれ、配列番号267及び269;
(xi)それぞれ、配列番号289及び291;
(xii)それぞれ、配列番号311及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号333及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号355及び357;
(xv)それぞれ、配列番号377及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号399及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目63)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、配列番号67及び69;
(ii)それぞれ、配列番号89及び91;
(iii)それぞれ、配列番号111及び113;
(iv)それぞれ、配列番号133及び135;
(v)それぞれ、配列番号155及び157;
(vi)それぞれ、配列番号177及び179;
(vii)それぞれ、配列番号201及び203;
(viii)それぞれ、配列番号243及び225;
(ix)それぞれ、配列番号245及び247;
(x)それぞれ、配列番号267及び269;
(xi)それぞれ、配列番号289及び291;
(xii)それぞれ、配列番号311及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号333及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号355及び357;
(xv)それぞれ、配列番号377及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号399及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目64)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、配列番号71及び69;
(ii)それぞれ、配列番号93及び91;
(iii)それぞれ、配列番号115及び113;
(iv)それぞれ、配列番号137及び135;
(v)それぞれ、配列番号159及び157;
(vi)それぞれ、配列番号181及び179;
(vii)それぞれ、配列番号205及び203;
(viii)それぞれ、配列番号227及び225;
(ix)それぞれ、配列番号249及び247;
(x)それぞれ、配列番号271及び269;
(xi)それぞれ、配列番号293及び291;
(xii)それぞれ、配列番号315及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号337及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号359及び357;
(xv)それぞれ、配列番号381及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号403及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目65)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、以下:
(i)それぞれ、配列番号71及び69;
(ii)それぞれ、配列番号93及び91;
(iii)それぞれ、配列番号115及び113;
(iv)それぞれ、配列番号137及び135;
(v)それぞれ、配列番号159及び157;
(vi)それぞれ、配列番号181及び179;
(vii)それぞれ、配列番号205及び203;
(viii)それぞれ、配列番号227及び225;
(ix)それぞれ、配列番号249及び247;
(x)それぞれ、配列番号271及び269;
(xi)それぞれ、配列番号293及び291;
(xii)それぞれ、配列番号315及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号337及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号359及び357;
(xv)それぞれ、配列番号381及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号403及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目66)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、それぞれ、配列番号177及び179に記載のアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目67)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、それぞれ、配列番号177及び179に記載のアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目68)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、それぞれ、配列番号181及び179に記載のアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目69)
ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であって、それぞれ、配列番号181及び179に記載のアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む、前記抗体またはその抗原結合部分。
(項目70)
先行項目のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分、及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
(項目71)
項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分の軽鎖、重鎖、または軽鎖及び重鎖の両方をコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
(項目72)
項目71に記載の核酸を含む、発現ベクター。
(項目73)
項目72に記載の発現ベクターで形質転換された細胞。
(項目74)
ヒトIL-27と特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を産生する方法であって、項目73に記載の細胞を、前記モノクローナル抗体またはその抗原結合部分の発現を可能にする条件下で維持することを含む、前記方法。
(項目75)
前記モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を得ることをさらに含む、項目74に記載の方法。
(項目76)
細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する方法であって、前記細胞を、項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、前記抗体またはその抗原結合部分が、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する、前記方法。
(項目77)
細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する方法であって、前記細胞を、項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、前記抗体またはその抗原結合部分が、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する、前記方法。
(項目78)
細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する方法であって、前記細胞を、項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、前記抗体またはその抗原結合部分が、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害またはする、前記方法。
(項目79)
細胞からの1つまたは複数のサイトカインの分泌を誘導または増強する方法であって、前記細胞を、項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、前記抗体またはその抗原結合部分が、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する、前記方法。
(項目80)
対象の免疫応答を刺激する方法であって、前記対象に、有効量の項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメントまたは項目70に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目81)
対象のがんを処置する方法であって、前記対象に、有効量の項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメントまたは項目70に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目82)
対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法であって、前記対象に、有効量の項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメントまたは項目70に記載の医薬組成物を投与することを含み、前記抗体もしくはその抗原結合部分または前記医薬組成物が、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下し、それによって前記免疫応答を刺激するまたは前記がんを処置する、前記方法。
(項目83)
対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法であって、前記対象に、有効量の項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメントまたは項目70に記載の医薬組成物を投与することを含み、前記抗体もしくはその抗原結合部分または前記医薬組成物が、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下し、それによって前記免疫応答を刺激するまたは前記がんを処置する、前記方法。
(項目84)
対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法であって、前記対象に、有効量の項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメントまたは項目70に記載の医薬組成物を投与することを含み、前記抗体もしくはその抗原結合部分または前記医薬組成物が、細胞上のPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下し、それによって前記免疫応答を刺激するまたは前記がんを処置する、前記方法。
(項目85)
対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法であって、前記対象に、有効量の項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメントまたは項目70に記載の医薬組成物を投与することを含み、前記抗体もしくはその抗原結合部分または前記医薬組成物が、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強し、それによって前記免疫応答を刺激するまたは前記がんを処置する、前記方法。
(項目86)
前記がんが、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、肉腫、精巣癌、卵巣癌、膵臓癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、黒色腫、頭頸部癌(例えば、扁平上皮性頭頸部癌)、結腸直腸癌、膀胱癌、子宮内膜癌、前立腺癌、甲状腺癌、肝細胞癌、胃癌、脳癌、リンパ腫(例えば、DL-BCL)、白血病(例えば、AML)または腎癌(例えば、腎細胞癌、例えば、腎明細胞癌)から選択される、項目81~85のいずれか1項に記載の方法。
(項目87)
抗PD-1抗体の1つまたは複数の活性を増強する(例えば、PD-1媒介性サイトカイン分泌を増強する、抗PD-1媒介性TNFα分泌を増強する、抗PD-1抗体に曝露された細胞からの抗PD-1媒介性IL-6分泌を増強する)方法であって、細胞を、抗PD-1抗体と同時並行または連続して、項目1~69のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合部分に曝露することを含み、それによって抗PD-1抗体の1つまたは複数の活性を増強する、前記方法。
(項目88)
抗PD-1抗体、及び項目1~69のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合部分、及び医薬的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
(項目89)
同時並行または順次投与のための、抗PD-1抗体及び項目1~69のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合部分、及びその使用説明書を含む、キット。
(項目90)
前記単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分が、1つまたは複数の追加の治療剤または手技と組み合わせて投与され、前記第二の治療剤または手技が、化学療法、標的抗がん療法、腫瘍溶解薬、細胞傷害剤、免疫系療法、サイトカイン、外科的手技、放射線手技、共刺激分子の活性化剤、阻害分子の阻害剤、ワクチン、もしくは細胞性免疫療法、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目80~86のいずれか1項に記載の方法。
(項目91)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、PD-1アンタゴニスト、PD-L1阻害剤、TIM-3阻害剤、LAG-3阻害剤、TIGIT阻害剤、CD112R阻害剤、TAM阻害剤、STINGアゴニスト、4-1BBアゴニスト、またはそれらの組み合わせである、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、PD-1アンタゴニストである、項目91に記載の方法。
(項目93)
前記PD-1アンタゴニストが、PDR001、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI0680、REGN2810、TSR-042、PF-06801591、及びAMP-224からなる群から選択される、項目92に記載の方法。
(項目94)
前記PD-L1阻害剤が、FAZ053、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、及びBMS-936559からなる群から選択される、項目91に記載の方法。
(項目95)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、スニチニブ(Sutent(登録商標))、カボザンチニブ(Cabometyx(登録商標))、アキシチニブ(Inlyta(登録商標))、レンバチニブ(Lenvima(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、エパカドスタット、NKTR-214(CD-122バイアスアゴニスト)、チボザニブ(Fotivda(登録商標))、アベキシノスタット、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))、トレメリムマブ、パゾパニブ(Votrient(登録商標))、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、テムシロリムス(Torisel(登録商標))、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、ニラパリブ、サボリチニブ、ボロラニブ(X-82)、レゴラフェニブ(Stivargo(登録商標))、ドナフェニブ(マルチキナーゼ阻害剤)、カムレリズマブ(SHR-1210)、ペキサスチモジンデバシレプベク(JX-594)、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、アパチニブ(YN968D1)、カプセル化ドキソルビシン(Thermodox(登録商標))、チバンチニブ(ARQ197)、ADI-PEG20、ビニメチニブ、アパチニブメシレート、ニンテダニブ、リリルマブ、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、アテゾリズマブ(Tecentriq(登録商標))、アベルマブ(Bavencio(登録商標))、デュルバルマブ(Imfimzi(登録商標))、セミプリマブ-rwlc(Libtayo(登録商標))、チスレリズマブ、及びスパルタリズマブからなる群から選択される、項目91に記載の方法。
(項目96)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、TIM-3阻害剤であり、任意選択で、前記TIM-3阻害剤が、MGB453またはTSR-022である、項目91に記載の方法。
(項目97)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、LAG-3阻害剤であり、任意選択で、前記LAG-3阻害剤が、LAG525、BMS-986016、及びTSR-033からなる群から選択される、項目91に記載の方法。
(項目98)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、TIGIT阻害剤である、項目91に記載の方法。
(項目99)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、CD112R阻害剤である、項目91に記載の方法。
(項目100)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、TAM(Axl、Mer、Tyro)阻害剤である、項目91に記載の方法。
(項目101)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、4-1BBアゴニストである、項目91に記載の方法。
(項目102)
前記1つまたは複数の追加の治療剤が、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)である、項目91に記載の方法。
(項目103)
対象からの試料中のIL-27またはEBI3を検出する方法であって、(a)前記対象からの試料を、検出抗体と、IL-27またはEBI3が前記試料中に存在する場合に、前記検出抗体が検出抗体-EBI3複合体を形成することを可能にする条件下で接触させること、ここで前記検出抗体は項目1~69のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントである、及び(b)存在する場合、ステップ(a)において産生された前記複合体の存在を検出することを含む、前記方法。
(項目104)
対象のIL-27関連がんを検出する方法であって、(a)IL-27関連がんを有する疑いのある対象からの試料を、検出抗体と、IL-27またはEBI3が前記試料中に存在する場合に、前記検出抗体が検出抗体-EBI3複合体を形成することを可能にする条件下で接触させるステップ、ここで前記検出抗体は項目1~69のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合部分である、及び(b)存在する場合、ステップ(a)において産生された前記複合体の存在を検出するステップを含む、前記方法。
(項目105)
前記検出抗体が、検出可能な標識に結合している、項目103または104に記載の方法。
(項目106)
前記方法が、前記試料を、捕捉抗体と接触させて、IL-27またはEBI3が前記試料中に存在する場合に、IL-27またはEBI3及び前記捕捉抗体を含む複合体を産生することをさらに含み、前記捕捉抗体が、項目1~69のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合部分である、項目103~105のいずれか1項に記載の方法。
(項目107)
前記捕捉抗体が、固体支持体上に固定化されている、項目106に記載の方法。
(項目108)
前記試料を、前記検出抗体の前に前記捕捉抗体と接触させる、項目103~107のいずれか1項に記載の方法。
(項目109)
前記試料が、体液試料である、項目103~108のいずれか1項に記載の方法。
(項目110)
前記流体試料が、血液、血清、血漿、細胞溶解液または組織溶解液である、項目109に記載の方法。
(項目111)
前記がんが、腎細胞癌(RCC)、肝細胞癌(HCC)、肺癌、胃食道癌、卵巣癌、子宮内膜癌、黒色腫、白血病及びリンパ腫から選択される、項目104~110のいずれか1項に記載の方法。
(項目112)
前記がんが、腎細胞癌(RCC)である、項目111に記載の方法。
(項目113)
前記がんが、肝細胞癌(HCC)である、項目111に記載の方法。
(項目114)
前記がんが、白血病及びリンパ腫から選択される、項目111に記載の方法。
(項目115)
前記がんが、卵巣癌である、項目111に記載の方法。
(項目116)
対象の免疫応答を刺激するため、または対象のがんを処置するため、任意選択で1つまたは複数の追加の治療剤または手技と組み合わせて使用するための、項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体もしくはその抗原結合部分、または項目70に記載の医薬組成物の使用。
(項目117)
項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体もしくはその抗原結合部分、または項目70に記載の医薬組成物、及び対象の免疫応答の刺激または対象のがんの処置における使用説明書を、1つまたは複数の追加の治療剤または手技との併用説明書を任意選択で伴って含む、キット。
(項目118)
項目1~69のいずれか1項に記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分及び対照からの試料中のIL-27を検出するための使用説明書を、対象のIL-27関連がんを検出するための使用説明書を任意選択で伴って含む、キット。
本開示は、少なくとも部分的に、高い親和性及び特異性でヒトIL-27に結合する抗体分子を提供する。一実施形態では、IL-27に結合するヒト抗体を本明細書に開示する。本明細書で使用する場合、「IL-27」及び「IL27」という用語は、2つの異なる遺伝子:エプスタイン-バーウイルス誘導遺伝子3(EBI3)及びIL-27p28によってコードされる2つの別個のサブユニットから構成されるヘテロ二量体サイトカインである、IL-27を互換可能に指す。IL-27は、炎症促進性と抗炎症性の両方の特性を有し、造血細胞及び非造血細胞に多様な影響を与える。
従って、一態様では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗するモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下の特性:
(i)ヒトIL-27に15nM以下の平衡解離定数(KD)で結合する;
(ii)IL-27のIL-27受容体への結合を遮断する;
(iii)細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する;
(iv)細胞におけるCD161発現のIL-27媒介性阻害を阻害または低下する;
(v)細胞におけるIL-27媒介性PD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する;
(vi)細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する;ならびに
(vii)(i)~(vi)の組み合わせのうちの少なくとも1つまたは複数を呈する。
他の態様では、本開示は、ヒトIL-27と特異的に結合し、IL-27生物学的活性またはIL-27シグナル伝達を阻害または低下する、モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供する。
本発明の追加の態様は、抗体分子をコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、及び抗体分子を作成する方法を含む。イムノコンジュゲート、多重または二重特異性分子及び抗体分子を含む医薬組成物も提供する。本明細書に開示する抗IL-27抗体分子を使用して、がん性または悪性障害、例えば、固形及び液体腫瘍(例えば、白血病、例えば、リンパ腫、例えば、AML)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、黒色腫、精巣癌、肉腫、頭頸部癌(例えば、扁平上皮性頭頸部癌)、肝癌(例えば、肝細胞癌(HCC))、結腸直腸癌、卵巣癌、脳癌(例えば、多形性膠芽腫)、または腎癌(例えば、腎細胞癌、例えば、腎明細胞癌)を処置、予防及び/または診断することができる。
抗IL-27抗体及びその抗原結合フラグメント
本開示は、IL-27、特にヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する抗体及びその抗原結合部分を提供する。表12に記載の重鎖CDR及び軽鎖CDRならびに可変配列を含む、ヒトIL-27に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を本明細書にて提供する。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下の特性:(i)ヒトIL-27に15nM以下の平衡解離定数(KD)で結合する;(ii)IL-27のIL-27受容体への結合を遮断する;(iii)細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する;(iv)細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する;(v)細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する;(vi)細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する;ならびに(vii)(i)~(vi)の組み合わせのうちの少なくとも1つまたは複数を呈する。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、ヒトIL-27に15nM以下の平衡解離定数(KD)で結合する。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、組換えヒトIL-27またはマウスIL-27に結合する。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する。一部の実施形態では、細胞は、免疫細胞である。一部の実施形態では、細胞は、がん細胞である。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する(例えば、細胞におけるCD161発現の阻害を、回復または緩和する)。一部の実施形態では、細胞は、免疫細胞である。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する。一部の実施形態では、PD-L1発現は、阻害または低下される。一部の実施形態では、TIM-3発現は、阻害または低下される。一部の実施形態では、PD-L1発現及びTIM-3発現の両方が、低下される。一部の実施形態では、細胞は、免疫細胞である。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、TNFαである。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、IL-6である。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、TNFα及びIL-6である。一部の実施形態では、細胞は、免疫細胞である。
一部の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、及びIgE抗体からなる群から選択される。一部の実施形態では、抗体は、IgG1抗体またはIgG4抗体である。一部の実施形態では、抗体は、野生型IgG1重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、抗体は、野生型IgG4重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つの突然変異を含むFcドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、突然変異型IgG1重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、抗体は、突然変異型IgG4重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、突然変異型IgG4重鎖定常領域は、EUナンバリングに従って、置換S228P、L235E、L235Aのいずれか1つ、またはそれらの組み合わせを含む。
一部の実施形態では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合部分と実質的に同じIL-27上のエピトープに結合する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合部分が結合するIL-27を含むアミノ酸残基の少なくとも1つに結合する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、抗体またはその抗原結合部分が結合するIL-27上のエピトープの突然変異が、抗体またはその抗原結合部分及び前述の実施形態のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合部分の両方への結合を、阻害、低下、または遮断する。
一部の実施形態では、本開示は、IL-27上のエピトープに結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、エピトープは、表12に記載する抗体分子が結合するエピトープと同じであるまたは類似する。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号51、52及び53に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号59、60及び61に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ii)それぞれ、配列番号73、74及び75に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号81、82及び83に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iii)それぞれ、配列番号95、96及び97に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号103、104及び105に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iv)それぞれ、配列番号117、118及び119に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号125、126及び127に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(v)それぞれ、配列番号139、140及び141に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号147、148及び149に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vi)それぞれ、配列番号161、162及び163に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号169、170及び171に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vii)それぞれ、配列番号185、186及び187に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号193、194及び195に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(viii)それぞれ、配列番号207、208及び209に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号215、216及び217に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ix)それぞれ、配列番号229、230及び231に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号237、238及び239に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(x)それぞれ、配列番号251、252及び253に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号259、260及び261に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xi)それぞれ、配列番号273、274及び275に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号281、282及び283に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xii)それぞれ、配列番号295、296及び297に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号303、304及び305に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiii)それぞれ、配列番号317、318及び319に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号325、326及び327に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiv)それぞれ、配列番号339、340及び341に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号347、348及び349に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xv)それぞれ、配列番号361、362及び363に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号369、370及び371に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号383、384及び385に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号391、392及び393に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含み、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号161、162及び163に記載されており、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号169、170及び171に記載されている。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号54、55及び56に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号62、63及び64に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ii)それぞれ、配列番号76、77及び78に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号84、85及び86に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iii)それぞれ、配列番号98、99及び100に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号106、107及び108に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(iv)それぞれ、配列番号120、121及び122に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号128、129及び130に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(v)それぞれ、配列番号142、143及び144に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号150、151及び152に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vi)それぞれ、配列番号164、165及び166に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号172、173及び174に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(vii)それぞれ、配列番号188、189及び190に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号196、197及び198に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(viii)それぞれ、配列番号210、211及び212に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号218、219及び220に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(ix)それぞれ、配列番号232、233及び234に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号240、241及び242に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(x)それぞれ、配列番号254、255及び256に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号262、263及び264に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xi)それぞれ、配列番号276、277及び278に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号284、285及び286に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xii)それぞれ、配列番号298、299及び300に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号306、307及び308に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiii)それぞれ、配列番号320、321及び322に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号328、329及び330に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xiv)それぞれ、配列番号342、343及び344に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号350、351及び352に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;
(xv)それぞれ、配列番号364、365及び366に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号372、373及び374に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号386、387及び388に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、ならびにそれぞれ、配列番号394、395及び396に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含み、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号164、165及び166に記載されており、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ、配列番号172、173及び174に記載されている。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR及び軽鎖CDRを含み、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列は、それぞれ、SYSMS(配列番号23)、YISYDGGSAYYPDTVKG(配列番号24)及びHGDYDDDDAMDY(配列番号25)であり、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列は、それぞれ、RASENIYSYLA(配列番号26)、NAETLTE(配列番号27)及びQHHYGTPLT(配列番号28)である。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号57、79、101、123、145、167、191、213、235、257、279、301、323、345、367及び389からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号65、87、109、131、153、175、199、221、243、265、287、309、331、353、375及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号57及び65;
(ii)それぞれ、配列番号79及び87;
(iii)それぞれ、配列番号101及び109;
(iv)それぞれ、配列番号123及び131;
(v)それぞれ、配列番号145及び153;
(vi)それぞれ、配列番号167及び175;
(vii)それぞれ、配列番号191及び199;
(viii)それぞれ、配列番号213及び221;
(ix)それぞれ、配列番号235及び243;
(x)それぞれ、配列番号257及び265;
(xi)それぞれ、配列番号279及び287;
(xii)それぞれ、配列番号301及び309;
(xiii)それぞれ、配列番号323及び331;
(xiv)それぞれ、配列番号345及び353;
(xv)それぞれ、配列番号367及び375;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号389及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号57、79、101、123、145、167、191、213、235、257、279、301、323、345、367及び389からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号65、87、109、131、153、175、199、221、243、265、287、309、331、353、375及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号57及び65;
(ii)それぞれ、配列番号79及び87;
(iii)それぞれ、配列番号101及び109;
(iv)それぞれ、配列番号123及び131;
(v)それぞれ、配列番号145及び153;
(vi)それぞれ、配列番号167及び175;
(vii)それぞれ、配列番号191及び199;
(viii)それぞれ、配列番号213及び221;
(ix)それぞれ、配列番号235及び243;
(x)それぞれ、配列番号257及び265;
(xi)それぞれ、配列番号279及び287;
(xii)それぞれ、配列番号301及び309;
(xiii)それぞれ、配列番号323及び331;
(xiv)それぞれ、配列番号345及び353;
(xv)それぞれ、配列番号367及び375;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号389及び397からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号167及び175に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号167及び175に記載のアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は、配列番号67、89、111、133、155、177、201、223、245、267、289、311、333、355、377及び399からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は、配列番号67、89、111、133、155、177、201、223、245、267、289、311、333、355、377及び399からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は、配列番号71、93、115、137、159、181、205、227、249、271、293、315、337、359、381及び403からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は、配列番号71、93、115、137、159、181、205、227、249、271、293、315、337、359、381及び403からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号69、91、113、135、157、179、203、225、247、269、291、313、335、357、379及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号67及び69;
(ii)それぞれ、配列番号89及び91;
(iii)それぞれ、配列番号111及び113;
(iv)それぞれ、配列番号133及び135;
(v)それぞれ、配列番号155及び157;
(vi)それぞれ、配列番号177及び179;
(vii)それぞれ、配列番号201及び203;
(viii)それぞれ、配列番号223及び225;
(ix)それぞれ、配列番号245及び247;
(x)それぞれ、配列番号267及び269;
(xi)それぞれ、配列番号289及び291;
(xii)それぞれ、配列番号311及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号333及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号355及び357;
(xv)それぞれ、配列番号377及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号399及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号67及び69;
(ii)それぞれ、配列番号89及び91;
(iii)それぞれ、配列番号111及び113;
(iv)それぞれ、配列番号133及び135;
(v)それぞれ、配列番号155及び157;
(vi)それぞれ、配列番号177及び179;
(vii)それぞれ、配列番号201及び203;
(viii)それぞれ、配列番号223及び225;
(ix)それぞれ、配列番号245及び247;
(x)それぞれ、配列番号267及び269;
(xi)それぞれ、配列番号289及び291;
(xii)それぞれ、配列番号311及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号333及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号355及び357;
(xv)それぞれ、配列番号377及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号399及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号71及び69;
(ii)それぞれ、配列番号93及び91;
(iii)それぞれ、配列番号115及び113;
(iv)それぞれ、配列番号137及び135;
(v)それぞれ、配列番号159及び157;
(vi)それぞれ、配列番号181及び179;
(vii)それぞれ、配列番号205及び203;
(viii)それぞれ、配列番号227及び225;
(ix)それぞれ、配列番号249及び247;
(x)それぞれ、配列番号271及び269;
(xi)それぞれ、配列番号293及び291;
(xii)それぞれ、配列番号315及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号337及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号359及び357;
(xv)それぞれ、配列番号381及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号403及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、以下:
(i)それぞれ、配列番号71及び69;
(ii)それぞれ、配列番号93及び91;
(iii)それぞれ、配列番号115及び113;
(iv)それぞれ、配列番号137及び135;
(v)それぞれ、配列番号159及び157;
(vi)それぞれ、配列番号181及び179;
(vii)それぞれ、配列番号205及び203;
(viii)それぞれ、配列番号227及び225;
(ix)それぞれ、配列番号249及び247;
(x)それぞれ、配列番号271及び269;
(xi)それぞれ、配列番号293及び291;
(xii)それぞれ、配列番号315及び313;
(xiii)それぞれ、配列番号337及び335;
(xiv)それぞれ、配列番号359及び357;
(xv)それぞれ、配列番号381及び379;ならびに
(xvi)それぞれ、配列番号403及び401からなる群から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号177及び179に記載のアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号177及び179に記載のアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号181及び179に記載のアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトIL-27に特異的に結合して拮抗する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供し、該抗体またはその抗原結合部分は、それぞれ、配列番号181及び179に記載のアミノ酸配列に、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む。
抗IL-27抗体及びその抗原結合フラグメントを産生するための方法
本開示は、本明細書に記載の抗IL-27抗体またはその抗原結合フラグメントのいずれかを産生するための方法にも関する。一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体を調製するための方法は、適切な免疫原で対象(例えば、非ヒト哺乳動物)に免疫付与することを含むことができる。本明細書に記載の抗体のいずれかを生成するための好適な免疫原は、本明細書に記載する。例えば、IL-27に結合する抗体を生成するために、当業者は好適な対象(例えば、ラット、マウス、スナネズミ、ハムスター、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウマ、または非ヒト霊長類などの非ヒト哺乳動物)に、IL-27を用いて、免疫付与することができる。一部の実施形態では、配列番号97に記載のアミノ酸配列を含む完全長ヒトIL-27 EBI3単量体ポリペプチドを、免疫原として使用する。一部の実施形態では、配列番号98に記載のアミノ酸配列を含む完全長ヒトIL-27p28単量体ポリペプチドを、免疫原として使用する。
好適な対象(例えば、非ヒト哺乳動物)は、適切な抗原を、後続の追加免疫を伴って、哺乳動物による抗体の産生を誘発するのに十分な回数用いて、免疫付与することができる。免疫原は、アジュバントを伴って対象(例えば、非ヒト哺乳動物)に投与することができる。対象において抗体を産生するのに有用なアジュバントには、限定されないが、タンパク質アジュバント;細菌アジュバント、例えば全細菌(BCG、Corynebacterium parvumまたはSalmonella minnesota)及び細菌成分、例えば細胞壁骨格、トレハロースジミコレート、モノホスホリルリピドA、tubercle bacillusのメタノール抽出残渣(MER)、完全または不完全フロイントアジュバント;ウイルスアジュバント;化学的アジュバント、例えば、水酸化アルミニウム、ならびにヨードアセテート及びコレステリルヘミスクシネートが含まれる。免疫応答を誘導するための方法において使用することができる他のアジュバントには、例えば、コレラ毒素及びパラポックスウイルスタンパク質が含まれる。Bieg et al.(1999)Autoimmunity 31(1):15-24も参照されたい。例えば、Lodmell et al.(2000)Vaccine 18:1059-1066;Johnson et al.(1999)J Med Chem 42:4640-4649;Baldridge et al.(1999)Methods 19:103-107;及びGupta et al.(1995)Vaccine 13(14):1263-1276も参照されたい。
一部の実施形態では、本方法は、免疫原に結合するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株を調製することを含む。例えば、好適な哺乳動物、例えば実験用マウスに、上記のようにIL-27ポリペプチドを用いて免疫付与する。免疫付与された哺乳動物の抗体産生細胞(例えば、脾臓のB細胞)は、免疫原を少なくとも1回追加免疫した2~4日後に単離され得、次に短時間培養して増殖させてから好適な骨髄腫細胞株の細胞と融合させる。これらの細胞は、融合促進剤、例えば、ワクシニアウイルスまたはポリエチレングリコールの存在下で融合することができる。融合において得られたハイブリッド細胞をクローニングし、所望の抗体を分泌する細胞クローンを選択する。例えば、好適な免疫原を用いて免疫付与されたBalb/cマウスの脾臓細胞を、骨髄腫細胞株PAIまたは骨髄腫細胞株Sp2/0-Ag14の細胞と融合させることができる。融合後、細胞を、正常な骨髄腫細胞による所望のハイブリドーマ細胞の過剰増殖を防ぐために、一定間隔で選択培地、例えば、HAT培地を補充した好適な培養培地中で拡大させる。得られたハイブリッド細胞を、次に、所望の抗体、例えば、ヒトIL-27に結合する抗体の分泌についてスクリーニングし、一部の実施形態では、当業者は、例えば、米国特許第6,300,064号(Knappik et al.;Morphosys AG)及びSchoonbroodt et al.(2005)Nucleic Acids Res 33(9):e81に記載されるように、非免疫バイアスライブラリから抗IL-27抗体を同定することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、例えば、ファージディスプレイ技術、細菌ディスプレイ、酵母表面ディスプレイ、真核生物ウイルスディスプレイ、哺乳動物細胞ディスプレイ、及び無細胞(例えば、リボソームディスプレイ)抗体スクリーニング技術(例えば、Etz et al.(2001)J Bacteriol 183:6924-6935;Cornelis(2000)Curr Opin Biotechnol 11:450-454;Klemm et al.(2000)Microbiology 146:3025-3032;Kieke et al.(1997)Protein Eng 10:1303-1310;Yeung et al.(2002)Biotechnol Prog 18:212-220;Boder et al.(2000)Methods Enzymology 328:430-444;Grabherr et al.(2001)Comb Chem High Throughput Screen 4:185-192;Michael et al.(1995)Gene Ther 2:660-668;Pereboev et al.(2001)J Virol75:7107-7113;Schaffitzel et al.(1999)J Immunol Methods 231:119-135;及びHanes et al.(2000)Nat Biotechnol 18:1287-1292を参照されたい)を伴うことができる、またはと合わせて使用することができる。
様々なファージディスプレイ法を使用する抗体を同定するための方法は当該技術分野で公知である。ファージディスプレイ法では、機能的抗体ドメインは、それをコードするポリヌクレオチド配列を運ぶファージ粒子の表面上に提示される。このようなファージを利用して、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリ(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される、Fab、Fv、またはジスルフィド結合安定化Fv抗体フラグメントなどの抗体の抗原結合ドメインを提示することができる。これらの方法で使用されるファージは、典型的には、fd及びM13などの繊維状ファージである。抗原結合ドメインは、ファージコートタンパク質pIII、pVIII、またはpIXのいずれかに組換えて融合されたタンパク質として発現される。例えば、Shi et al.(2010)JMB 397:385-396を参照されたい。本明細書に記載の免疫グロブリンまたはそのフラグメントを作成するために使用できるファージディスプレイ法の例としては、Brinkman et al.(1995)J Immunol Methods 182:41-50;Ames et al.(1995)J Immunol Methods 184:177-186;Kettleborough et al.(1994)Eur J Immunol 24:952-958;Persic et al.(1997)Gene 187:9-18;Burton et al.(1994)Advances in Immunology 57:191-280;ならびにPCT公開番号WO90/02809、WO91/10737、WO92/01047、WO92/18619、WO93/11236、WO95/15982、及びWO95/20401に開示されるものが挙げられる。好適な方法は、例えば、米国特許第5,698,426号、同第5,223,409号、同第5,403,484号、同第5,580,717号、同第5,427,908号、同第5,750,753号、同第5,821,047号、同第5,571,698号、同第5,427,908号、同第5,516,637号、同第5,780,225号、同第5,658,727号、同第5,733,743号及び同第5,969,108号にも記載されている。
一部の実施形態では、ファージディスプレイ抗体ライブラリは、免疫付与された哺乳動物からのB細胞から収集したmRNAを使用して生成することができる。例えば、B細胞を含む脾臓細胞試料は、上記のようにIL-27ポリペプチドを用いて免疫付与したマウスから単離することができる。mRNAを細胞から分離し、標準的な分子生物学技術を使用してcDNAに変換することができる。例えば、Sambrook et al.(1989)“Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,”Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.;Harlow and Lane(1988)、上記;Benny K.C.Lo(2004)、上記;及びBorrebaek(1995)、上記を参照されたい。免疫グロブリンの重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドの可変領域をコードするcDNAを使用して、ファージディスプレイライブラリを構築する。そのようなライブラリを生成するための方法は、例えば、Merz et al.(1995)J Neurosci Methods 62(1-2):213-9;Di Niro et al.(2005)Biochem J 388(Pt3):889-894;及びEngberg et al.(1995)Methods Mol Biol 51:355-376に記載されている。
一部の実施形態では、選択及びスクリーニングの組み合わせを採用して、目的の抗体を、例えば、ハイブリドーマ由来の抗体の集団またはファージディスプレイ抗体ライブラリから同定することができる。好適な方法が当該技術分野で公知であり、例えば、Hoogenboom(1997)Trends in Biotechnology 15:62-70;Brinkman et al.(1995)、上記;Ames et al.(1995)、上記;Kettleborough et al.(1994)、上記;Persic et al.(1997)、上記;及びBurton et al.(1994)、上記に記載されている。例えば、それぞれがバクテリオファージコートタンパク質(例えば、M13ファージのpIII、pVIII、またはpIX)及び異なる抗原複合領域の融合タンパク質をコードする複数のファージミドベクターが、標準的な分子生物学技術を使用して産生され、細菌(例えば、E.coli)の集団へと導入される。細菌におけるバクテリオファージの発現は、一部の実施形態では、ヘルパーファージの使用を必要とし得る。一部の実施形態では、ヘルパーファージは必要とされない(例えば、Chasteen et al.,(2006)Nucleic Acids Res 34(21):e145を参照されたい)。細菌から産生されたファージを回収し、例えば、固体支持体に結合した(固定化された)標的抗原に接触させる。ファージを溶液中の抗原に接触させてもよく、続いて、複合体を固体支持体に結合させる。
上記の方法を使用してスクリーニングされた抗体の亜集団は、当該技術分野で公知の任意の免疫学または生化学に基づく方法を使用して、特定の抗原(例えば、ヒトIL-27)に対するそれらの特異性及び結合親和性について特徴評価することができる。例えば、IL-27への抗体の特異的結合は、例えば、上記のELISAアッセイ、SPRアッセイ、免疫沈降アッセイ、アフィニティークロマトグラフィー、及び平衡透析などであるがこれらに限定されない免疫学または生化学に基づく方法を使用して決定され得る。抗体の免疫特異的結合及び交差反応性を解析するために使用できるイムノアッセイには、ウエスタンブロット、RIA、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)などの技術を使用する競合及び非競合アッセイ系、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体固定アッセイ、免疫放射定量アッセイ、蛍光イムノアッセイならびにプロテインAイムノアッセイが含まれるが、これらに限定されない。このようなアッセイは慣習的であり、当該技術分野において周知である。
上記の方法を使用して、例えば、抗IL-27抗体が、完全長、ヒトIL-27及び/またはIL-27タンパク質に結合しないか否かを決定することもできることが理解されたい。
選択されたCDRアミノ酸配列が短い配列(例えば、10~15アミノ酸長未満)である実施形態では、CDRをコードする核酸は、例えば、Shiraishi et al.(2007)Nucleic Acids Symposium Series 51(1):129-130及び米国特許第6,995,259号に記載のように化学合成することができる。アクセプター抗体をコードする所与の核酸配列に関しては、CDRをコードする核酸配列の領域は、標準的な分子生物学技術を使用して化学合成された核酸で置き換えることができる。化学合成された核酸の5’及び3’末端を合成して、核酸をドナー抗体の可変領域をコードする核酸へとクローニングする際に使用するための粘着末端制限酵素部位を含むことができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載の抗IL-27抗体は、その対応する未改変の定常領域と比較してエフェクター機能が低下した(または有さない)改変された重鎖定常領域を含む。抗IL-27抗体の定常領域を伴うエフェクター機能は、定常またはFc領域の特性を改変することにより調節され得る。改変されたエフェクター機能は、例えば、以下の活性:抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、補体依存性細胞傷害性(CDC)、アポトーシス、1つまたは複数のFc受容体への結合、及び炎症促進反応のうちの1つまたは複数の調節を含む。調節は、未改変形態の定常領域の活性と比較して、改変定常領域を含有する対象抗体によって呈されるエフェクター機能活性の増加、低減、または排除を指す。特定の実施形態では、調節は、活性が廃止されるか、または完全に存在しない状況を含む。
一実施形態では、本明細書に記載の抗IL-27抗体は、IgG4重鎖定常領域を含む。一実施形態では、IgG4重鎖定常領域は、野生型IgG4重鎖定常領域である。別の実施形態では、IgG4定常領域は、突然変異、例えば、EUナンバリング(Kabat,E.A.,et al.,上記)に従って、例えば、S228P及びL235EまたはL235Aの一方または両方を含む。野生型及び突然変異型IgG4定常領域の本開示の抗体で使用するための代表的な配列を表12に記載する。一実施形態では、本明細書に記載の抗IL-27抗体は、IgG1定常領域を含む。一実施形態では、IgG1重鎖定常領域は、野生型IgG1重鎖定常領域である。別の実施形態では、IgG1重鎖定常領域は、突然変異を含む。野生型及び突然変異型IgG4定常領域の本開示の抗体で使用するための代表的な配列を表12に記載する。
改変FcR結合親和性及び/またはADCC活性及び/または改変CDC活性を有する改変定常領域は、未改変形態の定常領域と比較して、増強または減少したFcR結合活性及び/またはADCC活性及び/またはCDC活性を有するポリペプチドである。FcRへの結合の増加を提示する改変定常領域は、未改変ポリペプチドよりも大きい親和性で少なくとも1つのFcRと結合する。FcRへの結合の低減を提示する改変定常領域は、未改変形態の定常領域よりも低い親和性で少なくとも1つのFcRと結合する。FcRへの結合の低減を提示するかかる変異体は、FcRへの認識できる結合をほとんどまたは全く有しない場合があり、例えば、FcRへの天然配列免疫グロブリン定常領域またはFc領域の結合レベルと比較して、0~50%(例えば、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)のFcRへの結合である。同様に、調節されたADCC及び/またはCDC活性を提示する改変定常領域は、未改変定常領域と比較して、増加または低下したADCC及び/またはCDC活性を呈し得る。例えば、一部の実施形態では、改変定常領域を含む抗IL-27抗体は、未改変形態の定常領域のおよそ0~50%(例えば、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)のADCC及び/またはCDC活性を呈し得る。低下したADCC及び/またはCDCを提示する改変定常領域を含む本明細書に記載の抗IL-27抗体は、低下したADCC及び/またはCDC活性を呈するか、または全く呈さない場合がある。
一部の実施形態では、本明細書に記載の抗IL-27抗体は、低下したエフェクター機能を呈するか、または全く呈さない。一部の実施形態では、抗IL-27抗体は、ハイブリッド定常領域またはその一部、例えば、G2/G4ハイブリッド定常領域を含む(例えば、Burton et al.(1992)Adv Immun 51:1-18;Canfield et al.(1991)J Exp Med 173:1483-1491;及びMueller et al.(1997)Mol Immunol 34(6):441-452を参照されたい)。上記を参照されたい。
一部の実施形態では、抗IL-27抗体は、増強または低下した補体依存性細胞傷害性(CDC)を呈する改変定常領域を含有し得る。調節されたCDC活性は、1つまたは複数のアミノ酸置換、挿入、または欠失を、抗体のFC領域に導入することによって達成され得る。例えば、米国特許第6,194,551号を参照されたい。あるいはまたは加えて、システイン残基(複数可)を、Fc領域に導入し、それにより、この領域における鎖間ジスルフィド結合形成を可能にし得る。このように生成されたホモ二量体抗体は、改善もしくは低下した内部移行能力及び/または増加したもしくは低減した補体媒介性細胞殺滅性を有し得る。例えば、Caron et al.(1992)J Exp Med 176:1191-1195及びShopes(1992)Immunol 148:2918-2922;PCT公開番号WO99/51642及びWO94/29351;Duncan and Winter(1988)Nature 322:738-40;ならびに米国特許第5,648,260号及び同第5,624,821号を参照されたい。
組換え抗体発現及び精製
本明細書に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントは、分子生物学及びタンパク質化学の技術分野において公知の様々な技術を使用して産生することができる。例えば、抗体の重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドの一方または両方をコードする核酸は、例えば、プロモータ配列、リボソーム結合部位、転写開始及び停止配列、翻訳開始及び停止配列、転写ターミネータシグナル、ポリアデニル化シグナル、ならびにエンハンサまたはアクチベータ配列を含む、転写及び翻訳制御配列を含有する発現ベクターに挿入することができる。制御配列は、プロモータ、ならびに転写開始及び停止配列を含む。加えて、発現ベクターは、それが2つの異なる生物において、例えば、発現のために哺乳動物または昆虫細胞において、ならびにクローニング及び増幅のために原核宿主において維持され得るように、複数の複製系を含むことができる。
いくつかの可能性のあるベクター系が、哺乳動物細胞中の核酸からのクローン化された重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドの発現のために利用可能である。ベクターの1つのクラスは、所望の遺伝子配列の宿主細胞ゲノムへの統合に依存する。安定的に統合されたDNAを有する細胞は、E.coli gpt(Mulligan and Berg(1981)Proc Natl Acad Sci USA 78:2072)またはTn5neo(Southern and Berg(1982)Mol Appl Genet 1:327)などの薬物耐性遺伝子を同時に導入することによって選択することができる。選択可能なマーカー遺伝子は、発現されるDNA遺伝子配列に連結され得るか、または同時形質移入によって同じ細胞に導入され得るかのいずれかである(Wigler et al.(1979)Cell 16:77)。ベクターの2番目のクラスは、染色体外プラスミドに自律複製能力を与えるDNAエレメントを利用する。これらのベクターは、動物ウイルス、例えばウシパピローマウイルス(Sarver et al.(1982)Proc Natl Acad Sci USA,79:7147)、サイトメガロウイルス、ポリオーマウイルス(Deans et al.(1984)Proc Natl Acad Sci USA 81:1292)、またはSV40ウイルス(Lusky and Botchan(1981)Nature 293:79)から誘導することができる。
発現ベクターは、核酸のその後の発現のために好適な様式で細胞に導入することができる。導入方法は、以下で説明するように、標的とする細胞の種類によって大きく左右される。例示的な方法としては、CaPO4沈殿、リポソーム融合、カチオン性リポソーム、エレクトロポレーション、ウイルス感染、デキストラン媒介トランスフェクション、ポリブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、及び直接マイクロインジェクションが挙げられる。
抗体またはその抗原結合フラグメントの発現に適切な宿主細胞には、酵母、細菌、昆虫、植物、及び哺乳動物細胞が含まれる。特に興味深いのは、E.coliなどの細菌、Saccharomyces cerevisiae及びPichia pastorisなどの真菌、SF9などの昆虫細胞、哺乳動物細胞株(例えば、ヒト細胞株)、ならびに初代細胞株である。
一部の実施形態では、抗体またはそのフラグメントは、トランスジェニック動物(例えば、トランスジェニック哺乳動物)において発現することができる、及びそれから精製することができる。例えば、抗体は、例えば、Houdebine(2002)Curr Opin Biotechnol 13(6):625-629;van Kuik-Romeijn et al.(2000)Transgenic Res 9(2):155-159;及びPollock et al.(1999)J Immunol Methods 231(1-2):147-157に記載されるように、トランスジェニック非ヒト哺乳動物(例えば、げっ歯類)において産生することができ、乳汁から単離することができる。
抗体及びそのフラグメントは、抗体またはフラグメントをコードする核酸を含有する発現ベクターで形質転換された宿主細胞を、タンパク質の発現を可能にするのに十分な条件下及び時間量をかけて培養することにより、細胞から産生することができる。タンパク質発現のためのそのような条件は、発現ベクター及び宿主細胞の選択によって変動し、慣例的な実験を通して当業者によって容易に確認されるだろう。例えば、E.coliで発現された抗体は、封入体からリフォールディングすることができる(例えば、Hou et al.(1998)Cytokine 10:319-30を参照されたい)。細菌発現系及びそれらの使用方法は、当該技術分野で周知である(Current Protocols in Molecular Biology,Wiley&Sons、及びMolecular Cloning--A Laboratory Manual--3rd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(2001)を参照されたい)。コドン、好適な発現ベクター及び好適な宿主細胞の選択は、いくつかの要因に応じて変動し得、必要に応じて容易に最適化され得る。本明細書に記載の抗体(またはそのフラグメント)は、哺乳動物細胞、または他の発現系、例えば限定されないが酵母、バキュロウイルス、及びin vitro発現系において発現することができる(例えば、Kaszubska et al.(2000)Protein Expression and Purification 18:213-220を参照されたい)。
発現後、抗体及びそのフラグメントを単離することができる。抗体またはそのフラグメントは、試料中に存在する他の成分に応じて、当業者に公知の様々な方法において単離または精製することができる。標準的な精製方法には、電気泳動、分子、免疫学、ならびにクロマトグラフィー技術、例えばイオン交換、疎水性、アフィニティー、及び逆相HPLCクロマトグラフィーが含まれる。例えば、抗体は、標準的な抗抗体カラム(例えば、プロテインAまたはプロテインGカラム)を使用して精製することができる。タンパク質濃縮と組み合わせた、限外濾過及びダイアフィルトレーション技術も有用である。例えば、Scopes(1994)“Protein Purification,3rd edition,”Springer-Verlag,New York City,New Yorkを参照されたい。必要な精製の程度は、所望の用途に応じて変動するだろう。一部の例では、発現された抗体またはそのフラグメントの精製は必要ないだろう。
精製された抗体またはそのフラグメントの収率または純度を決定するための方法は、当該技術分野で公知であり、例えば、ブラッドフォードアッセイ、紫外分光法、ビウレットタンパク質アッセイ、ローリータンパク質アッセイ、アミドブラックタンパク質アッセイ、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析(MS)、及びゲル電気泳動法(例えば、クマシーブルーまたはコロイド銀染色などのタンパク質染色を使用する)が含まれる。
抗体またはその抗原結合フラグメントの修飾
抗体またはその抗原結合フラグメントは、それらの発現及び精製の後に修飾することができる。修飾は、共有結合修飾または非共有結合修飾であることができる。そのような修飾は、例えば、ポリペプチドの標的アミノ酸残基を、選択された側鎖または末端残基と反応することができる有機誘導体化剤と反応させることによって、抗体またはフラグメントに導入することができる。修飾のための好適な部位は、例えば、抗体またはフラグメントの構造分析またはアミノ酸配列分析を含む、様々な基準のいずれかを使用して選択することができる。
一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、異種部分にコンジュゲートすることができる。異種部分は、例えば、異種ポリペプチド、治療剤(例えば、毒素または薬物)、または検出可能な標識、例えば、限定されないが、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、重金属標識、発光標識、またはビオチンもしくはストレプトアビジンなどの親和性タグであることができる。好適な異種ポリペプチドには、例えば、抗体またはフラグメントの精製に使用するための、抗原タグ(FLAG(DYKDDDDK(配列番号405))、ポリヒスチジン(6-His;HHHHHH(配列番号406)、ヘマグルチニン(HA;YPYDVPDYA(配列番号407))、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、またはマルトース結合タンパク質(MBP))が含まれる。異種ポリペプチドには、診断または検出可能マーカーとして有用であるポリペプチド(例えば、酵素)、例えば、ルシフェラーゼ、蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP))、またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)も含まれる。好適な放射性標識には、例えば、32P、33P、14C、125I、131I、35S、及び3Hが含まれる。好適な蛍光標識には、限定されないが、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、DyLight(商標)488、フィコエリトリン(PE)、ヨウ化プロピジウム(PI)、PerCP、PE-Alexa Fluor(登録商標)700、Cy5、アロフィコシアニン、及びCy7が含まれる。発光標識には、例えば、様々な発光ランタニド(例えば、ユーロピウムまたはテルビウム)キレートのいずれかが含まれる。例えば、好適なユーロピウムキレートには、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはテトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)のユーロピウムキレートが含まれる。酵素標識には、例えば、アルカリホスファターゼ、CAT、ルシフェラーゼ、及び西洋ワサビペルオキシダーゼが含まれる。
2つのタンパク質(例えば、抗体及び異種部分)は、いくつかの公知の化学的架橋剤のいずれかを使用して架橋することができる。そのような架橋剤の例は、2つのアミノ酸残基を「障害された」ジスルフィド結合を含む連結を介して連結するものである。これらの連結において、架橋単位内のジスルフィド結合は、例えば、還元型グルタチオンまたは酵素ジスルフィド還元酵素の作用による還元から、(ジスルフィド結合の両側の障害基によって)保護されている。ある好適な試薬、4-スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α(2-ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)は、一方のタンパク質の末端リジン及びもう一方の末端システインを利用して、2つのタンパク質間にこのような結合を形成する。各タンパク質上の異なるカップリング部分によって架橋するヘテロ二官能性試薬も使用できる。他の有用な架橋剤には、限定されないが、2つのアミノ基を連結する試薬(例えば、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド)、2つのスルフヒドリル基を連結する試薬(例えば、1,4-ビス-マレイミドブタン)、アミノ基及びスルフヒドリル基を連結する試薬(例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、アミノ基及びカルボキシル基を連結する試薬(例えば、4-[p-アジドサリチルアミド]ブチルアミン)、ならびにアミノ基及びアルギニンの側鎖に存在するグアニジニウム基を連結する試薬(例えば、p-アジドフェニルグリオキサール一水和物)が含まれる。
一部の実施形態では、放射性標識は、抗体のアミノ酸骨格に直接コンジュゲートすることができる。あるいは、放射性標識を、遊離アミノ基に結合して関連タンパク質のメタヨードフェニル(mIP)誘導体を形成するより大きな分子(例えば、メタ-[125I]ヨードフェニル-N-ヒドロキシスクシンイミド([125I]mIPNHS)中の125I)(例えば、Rogers et al.(1997)J Nucl Med 38:1221-1229を参照されたい)またはキレート(例えば、DOTAもしくはDTPA)の一部として含めることができ、次にそれをタンパク質骨格に結合する。放射性標識またはそれらを含有するより大きな分子/キレートを本明細書に記載の抗体または抗原結合フラグメントにコンジュゲートする方法は当該技術分野で公知である。そのような方法は、放射性標識またはキレートのタンパク質への結合を促進する条件(例えば、pH、塩濃度及び/または温度)下でタンパク質を放射性標識とインキュベートすることを伴う(例えば、米国特許第6,001,329号を参照されたい)。
蛍光標識(「フルオロフォア」と称する場合がある)をタンパク質(例えば、抗体)にコンジュゲートするための方法はタンパク質化学の分野において公知である。例えば、フルオロフォアを、フルオロフォアに付着したスクシンイミジル(NHS)エステルまたはテトラフルオロフェニル(TFP)エステル部分を使用してタンパク質の遊離アミノ基(例えばリジンの)またはスルフヒドリル基(例えばシステイン)にコンジュゲートすることができる。一部の実施形態では、フルオロフォアを、スルホ-SMCCなどのヘテロ二官能性架橋剤部分にコンジュゲートすることができる。好適なコンジュゲート方法は、抗体またはそのフラグメントを、フルオロフォアのタンパク質への結合を促進する条件下で、フルオロフォアとインキュベートすることを伴う。例えば、Welch and Redvanly(2003)“Handbook of Radiopharmaceuticals:Radiochemistry and Applications,”John Wiley and Sons(ISBN 0471495603)を参照されたい。
一部の実施形態では、抗体またはフラグメントは、例えば、循環中、例えば、血液、血清または他の組織中の抗体の安定化及び/または保持を改善する部分を用いて修飾することができる。例えば、抗体またはフラグメントは、例えば、Lee et al.(1999)Bioconjug Chem 10(6):973-8;Kinstler et al.(2002)Advanced Drug Deliveries Reviews 54:477-485;及びRoberts et al.(2002)Advanced Drug Delivery Reviews 54:459-476に記載のようにPEG化する、またはHES化することができる(Fresenius Kabi,Germany;例えば、Pavisic et al.(2010)Int J Pharm 387(1-2):110-119を参照されたい)。安定化部分は、抗体(またはフラグメント)の安定性または保持を少なくとも1.5(例えば、少なくとも2、5、10、15、20、25、30、40または50以上)倍改善することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントは、グリコシル化することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントは、抗体またはフラグメントのグリコシル化が低下または存在しないように、酵素処理もしくは化学処理に供されるか、または細胞から産生されることができる。グリコシル化が低下した抗体を産生するための方法は、当該技術分野で公知であり、例えば、米国特許第6,933,368号;Wright et al.(1991)EMBO J 10(10):2717-2723;及びCo et al.(1993)Mol Immunol 30:1361に記載されている。
医薬組成物及び製剤
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-27抗体を、医薬的に許容可能な希釈剤、担体、可溶化剤、乳化剤、防腐剤及び/またはアジュバントと共に含む医薬組成物を提供する。
ある特定の実施形態では、許容可能な製剤材料は、好ましくは、採用される投与量及び濃度にてレシピエントに対して非毒性である。ある特定の実施形態では、製剤材料(複数可)は、皮下及び/または静脈内投与用である。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、例えば、組成物のpH、オスモル濃度、粘度、透明度、色、等張性、匂い、滅菌性、安定性、溶解速度もしくは放出速度、吸着または浸透を改変する、維持する、または保存するための製剤材料を含有することができる。ある特定の実施形態では、好適な製剤材料には、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジンなど);抗菌剤;酸化防止剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウムなど);緩衝剤(ホウ酸塩、重炭酸塩、トリス-HCl、クエン酸塩、リン酸塩または他の有機酸など);増量剤(マンニトールまたはグリシンなど)、キレート剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など);錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、ベータ-シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンなど);充填剤;単糖;二糖;ならびに他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリン類など);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど);着色剤;香味剤及び希釈剤;乳化剤;親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);低分子量ポリペプチド;塩形成対イオン(ナトリウムなど);防腐剤(塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、または過酸化水素など);溶媒(グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコールなど);糖アルコール(マンニトールまたはソルビトールなど);懸濁剤;界面活性剤もしくは湿潤剤(プルロニック(登録商標)、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート20、ポリソルベート80などのポリソルベート、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサパール(tyloxapal)など);安定性増強剤(スクロースまたはソルビトールなど);等張化増強剤(アルカリ金属ハロゲン化物、好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトールソルビトールなど);送達ビヒクル;希釈剤;賦形剤、及び/または医薬アジュバントが含まれるが、これらに限定されない。(Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,A.R.Gennaro,ed.,Mack Publishing Company(1995)。ある特定の実施形態では、製剤は、PBS;20mM NaOAC、pH5.2、50mM NaCl;及び/または10mM NAOAC、pH5.2、9%スクロースを含む。ある特定の実施形態では、最適な医薬組成物は、例えば、意図される投与経路、送達形式及び所望の投与量に応じて、当業者によって決定されるだろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、上記を参照されたい。ある特定の実施形態では、そのような組成物は、抗IL-27抗体の物理状態、安定性、in vivo放出速度及び/またはin vivoクリアランス速度に影響を及ぼし得る。
ある特定の実施形態では、医薬組成物中の主要なビヒクルまたは担体は、本質的に水性または非水性のいずれでもあることができる。例えば、ある特定の実施形態では、好適なビヒクルまたは担体は、注射用水、生理食塩水溶液または人工脳脊髄液であることができ、非経口投与用の組成物に一般的な他の材料が補充されている可能性がある。ある特定の実施形態では、生理食塩水は、等張リン酸緩衝生理食塩水を含む。ある特定の実施態様では、中性緩衝生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水が、さらなる例示的なビヒクルである。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約pH7.0~8.5のトリス緩衝液、または約pH4.0~5.5の酢酸緩衝液を含み、これらはさらにソルビトールまたはその好適な代替物を含むことができる。ある特定の実施形態では、抗IL-27抗体を含む組成物は、所望の純度を有する選択された組成物を、凍結乾燥ケーキまたは水溶液の形態の任意選択の製剤作用物質(Remington’s Pharmaceutical Sciences、上記)と混合することによって、貯蔵用に調製することができる。さらに、ある特定の実施形態では、抗IL-27抗体を含む組成物は、スクロースなどの適切な賦形剤を使用して、凍結乾燥物として製剤化することができる。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、非経口送達用に選択することができる。ある特定の実施形態では、組成物は、吸入または消化管を通じた送達、例えば経口用に選択することができる。そのような医薬的に許容可能な組成物の調製は、当業者の能力の範囲内である。
ある特定の実施形態では、製剤成分は、投与部位に対して許容可能な濃度で存在する。ある特定の実施形態では、緩衝剤を使用して、組成物を生理学的pHまたはわずかに低いpH、典型的には約5~約8のpH範囲内に維持する。
ある特定の実施形態では、非経口投与が企図される場合、治療組成物は、医薬的に許容可能なビヒクル中に、抗IL-27抗体を含む、発熱物質を含まない非経口的に許容可能な水溶液の形態であり得る。ある特定の実施形態では、非経口注射用のビヒクルは、抗IL-27抗体が滅菌等張性溶液として製剤化され、適正に保存される滅菌蒸留水である。ある特定の実施形態では、調製は、所望の分子の、その後デポ注射を介して送達することができる産物の制御放出または持続放出を提供できる作用物質、例えば、注射可能なマイクロスフェア、生体浸食性粒子、ポリマー化合物(例えば、ポリ乳酸またはポリグリコール酸)、ビーズまたはリポソームなどとの製剤化を伴う。ある特定の実施形態では、ヒアルロン酸も使用することができ、循環中の持続期間を促進する効果を有することができる。ある特定の実施形態では、移植可能な薬物送達デバイスを使用して、所望の分子を導入することができる。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、吸入用に製剤化され得る。ある特定の実施形態では、抗IL-27抗体は、吸入用乾燥粉末として製剤化され得る。ある特定の実施形態では、抗IL-27抗体を含む吸入溶液は、エアロゾル送達のための噴霧剤と共に製剤化され得る。ある特定の実施形態では、溶液を噴霧化することができる。肺投与は、PCT出願番号PCT/US94/001875においてさらに記載されており、これは化学的に修飾されたタンパク質の肺送達について記載している。
ある特定の実施形態では、製剤を経口投与できることが企図される。ある特定の実施形態では、この様式で投与される抗IL-27抗体は、錠剤及びカプセルなどの固体剤形の配合において慣習的に使用される担体を用いて、または用いずに製剤化され得る。ある特定の実施形態では、カプセルは、バイオアベイラビリティが最大化され、前全身分解が最小化されるときに、胃腸管内のポイントで製剤の活性部分を放出するように設計され得る。ある特定の実施形態では、抗IL-27抗体の吸収を促進するために、少なくとも1つの追加の作用物質を含めることができる。ある特定の実施形態では、希釈剤、香味剤、低融点ワックス、植物油、潤滑剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤、及び結合剤も採用することができる。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、錠剤の製造に好適な非毒性の賦形剤との混合物中に有効量の抗IL-27抗体を伴うことができる。ある特定の実施形態では、錠剤を滅菌水または別の適切なビヒクルに溶解することにより、溶液を単位剤形にて調製することができる。ある特定の実施形態では、好適な賦形剤には、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムもしくは炭酸水素ナトリウム、ラクトース、もしくはリン酸カルシウム;または結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、もしくはアラビアゴム;または潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、もしくはタルクなどが含まれるがこれらに限定されない。
抗IL-27抗体を持続送達製剤または制御送達製剤中に伴う製剤を含む、追加的な医薬組成物は、当業者には明らかだろう。ある特定の実施形態では、リポソーム担体、生体浸食性微粒子または多孔質ビーズ及びデポ注射などの様々な他の持続送達手段または制御送達手段を製剤化するための技術も当業者には公知である。例えば、PCT出願番号PCT/US93/00829号を参照されたく、これは、医薬組成物の送達のための多孔質ポリマー微粒子の制御放出について記載している。ある特定の実施形態では、持続放出調製物は、半透性ポリマーマトリックスを、造形品、例えば、フィルム、またはマイクロカプセルの形態で含み得る。持続放出マトリックスには、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号及びEP058,481)、L-グルタミン酸及びガンマエチル-L-グルタメートの共重合体(Sidman et al.,Biopolymers,22:547-556(1983))、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)(Langer et al.,J.Biomed.Mater.Res.,15:167-277(1981)及びLanger,Chem.Tech.,12:98-105(1982))、エチレン酢酸ビニル(Langer et al.,上記)またはポリ-D(-)-3-ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が含まれる。ある特定の実施形態では、持続放出組成物は、当該技術分野で公知のいくつかの方法のいずれかによって調製され得るリポソームも含むことができる。例えば、Eppstein et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:3688-3692(1985);EP036,676;EP088,046及びEP143,949を参照されたい。
in vivo投与に使用される医薬組成物は、典型的には滅菌である。ある特定の実施形態では、これは、滅菌濾過膜を通す濾過によって達成することができる。ある特定の実施形態では、組成物が凍結乾燥される場合、この方法を使用する滅菌は、凍結乾燥及び再構成の前後で行うことができる。ある特定の実施形態では、非経口投与用の組成物は、凍結乾燥形態または溶液にて保存することができる。ある特定の実施形態では、非経口組成物は、一般的に、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針によって穿刺可能なストッパーを有する静脈内輸液バッグまたはバイアルに入れられる。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は製剤化されると、溶液、懸濁液、ゲル、乳濁液、固体として、または脱水もしくは凍結乾燥粉末として滅菌バイアル中に保存することができる。ある特定の実施形態では、そのような製剤は、すぐに使用できる形態または投与前に再構成される形態(例えば、凍結乾燥)のいずれかで保存することができる。
ある特定の実施形態では、単回投与単位を産生するためのキットを提供する。ある特定の実施形態では、キットは、乾燥タンパク質を有する第一の容器及び水性製剤を有する第二の容器の両方を含有することができる。ある特定の実施形態では、単一チャンバー及びマルチチャンバーのプレフィルドシリンジ(例えば、液体シリンジ及びリオシリンジ)を含有するキットが含まれる。
ある特定の実施形態では、治療的に採用される抗IL-27抗体を含む医薬組成物の有効量は、例えば、治療の状況及び目的に依存するだろう。当業者は、ある特定の実施形態に従って、処置のための適切な投与量レベルが、部分的に、送達される分子、抗IL-27抗体が使用されている適応症、投与経路、ならびに患者のサイズ(体重、体表面積または臓器サイズ)及び/または状態(年齢及び全身健康状態)に依存して、変動するだろうことを理解するだろう。ある特定の実施形態では、臨床医は、最適な治療効果を得るように、投与量を滴定する及び投与経路を変更することができる。
ある特定の実施形態では、投薬の頻度は、使用される製剤中の抗IL-27抗体の薬物動態パラメータを考慮に入れるだろう。ある特定の実施形態では、臨床医は、所望の効果を達成する投与量に達するまで組成物を投与するだろう。ある特定の実施形態では、組成物は、それゆれ、単回用量として、または2回以上の用量(同じ量の所望の分子を含んでも含まなくてもよい)として経時的に、または移植デバイスもしくはカテーテルを介した持続注入として投与され得る。適切な投与量のさらなる改良は、当業者によって日常的に行われ、彼らが日常的に実施するタスクの範囲内である。ある特定の実施形態では、適切な投与量は、適切な用量反応データの使用を通して確認することができる。
ある特定の実施形態では、医薬組成物の投与経路は、公知の方法に従う、例えば、経口的な、静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、皮下、眼内、動脈内、門脈内または病巣内経路による注射を通した;持続放出システムによるかまたは移植デバイスによるものである。ある特定の実施形態では、組成物は、ボーラス注射により、または注入により継続的に、または移植デバイスにより投与することができる。ある特定の実施形態では、併用療法の個々の要素は、異なる経路によって投与され得る。
ある特定の実施形態では、組成物を、所望の分子をその上に吸着しているまたはカプセル化している膜、スポンジまたは別の適切な材料の移植を介して局所的に投与することができる。ある特定の実施形態では、移植デバイスを使用する場合、デバイスを、任意の好適な組織または臓器に移植することができ、所望の分子の送達は、拡散、時限放出ボーラス、または連続投与を介することができる。ある特定の実施形態では、抗IL-27抗体を含む医薬組成物をex vivo様式で使用することが望ましい場合がある。そのような場合、患者から取り出された細胞、組織及び/または臓器は、抗IL-27抗体を含む医薬組成物に曝露され、その後、細胞、組織及び/または臓器は続いて患者の体内に移植し戻される。
ある特定の実施形態では、抗IL-27抗体は、ポリペプチドを発現及び分泌するように、本明細書に記載するような方法を使用して遺伝子操作されているある特定の細胞を移植することにより、送達することができる。ある特定の実施形態では、そのような細胞は、動物またはヒト細胞であり得、自己、異種(heterologous)、または異種(xenogeneic)であり得る。ある特定の実施形態では、細胞を不死化することができる。ある特定の実施形態では、免疫学的応答の可能性を低減するために、細胞をカプセル化して、周囲の組織の浸潤を回避することができる。ある特定の実施形態では、カプセル化材料は、典型的には、タンパク質産物(複数可)の放出を可能にするが、患者の免疫系による、または周囲組織からの他の有害な因子による、細胞の破壊を防ぐ、生体適合性、半透過性のポリマーエンクロージャまたは膜である。
適用
本明細書に記載の組成物は、多くの診断及び治療用途で使用できる。例えば、検出可能に標識された抗原結合分子は、試料(例えば、生物学的試料)中の標的抗原の存在または量を検出するためのアッセイにおいて使用できる。組成物は、標的抗原機能の阻害を研究するためのin vitroアッセイにおいて使用できる。例えば、組成物が補体タンパク質に結合して阻害する一部の実施形態では、組成物は、補体活性を阻害するか、さもなければ補体関連障害の処置に有用である、追加の新規化合物を同定するために設計されたアッセイにおける陽性対照として使用できる。例えば、IL-27阻害性組成物を、IL-27産生を低下または抑止する追加の化合物(例えば、小分子、アプタマー、または抗体)を同定するためのアッセイにおける陽性対照として使用できる。組成物は、以下に詳述するような治療方法においても使用できる。
一部の実施形態では、本開示は、IL-27を、生体試料または対象において検出する方法であって、(i)試料または対象(及び任意選択で、参照試料または対象)を、本明細書に記載の任意の抗体と、抗体分子及びIL-27の相互作用の発生を可能にする条件下で、接触させること、ならびに(ii)抗体分子及び試料または対象(及び任意選択で、参照試料または対象)間での複合体の形成を検出することを含む、方法を提供する。
キット
キットは、本明細書に開示する抗IL-27抗体、及び使用説明書を含み得る。キットは、好適な容器内に、抗IL-27抗体、1つまたは複数の対照、及び当該技術分野で周知の様々な緩衝剤、試薬、酵素及び他の標準的な成分を含み得る。一部の態様では、本開示は、本明細書に開示する抗IL-27抗体または抗原結合部分、及び対象の免疫応答の刺激または対象のがんの処置における使用説明書を、本明細書に開示する1つまたは複数の追加の治療剤または手技との併用説明書を任意選択で伴って含む、キットを提供する。
容器は、少なくとも1つのバイアル、ウェル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジ、または他の容器手段を含むことができ、その中に抗IL-27抗体を入れ、場合によっては好適に分注し得る。追加の成分が提供される場合、キットは、この成分を入れ得る追加の容器を含有することができる。キットはさらに、商業的販売のために密閉した状態で、抗IL-27抗体を含有するための手段及び任意の他の試薬容器を含むことができる。そのような容器は、所望のバイアルが保持される射出またはブロー成形プラスチック容器を含み得る。容器及び/またはキットは、使用説明書及び/または注意書きを伴うラベルを含むことができる。
使用方法
本発明の組成物は、IL-27及び/またはIL-27機能の拮抗作用の検出及び/または定量化を伴う多数のin vitro及びin vivoでの有用性を有する。
一部の実施形態では、本開示は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する方法を提供し、該方法は、細胞を、本開示により提供する単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下する。
一部の実施形態では、本開示は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する方法を提供し、該方法は、細胞を、本開示により提供する単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下する。
一部の実施形態では、本開示は、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下する方法を提供し、該方法は、細胞を、本開示により提供する単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害またはする。
一部の実施形態では、本開示は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインの分泌を誘導または増強する方法を提供し、該方法は、細胞を、本開示により提供する単離されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントと接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強する。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、IL-27に特異的に結合して拮抗する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくはその抗原結合部分、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、対象のがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、IL-27に特異的に結合して拮抗する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくはその抗原結合部分、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含み、抗体もしくはその抗原結合部分、または医薬組成物は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低下し、それによって免疫応答を刺激するまたはがんを処置する。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含み、抗体もしくはその抗原結合部分、または医薬組成物は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低下し、それによって免疫応答を刺激するまたはがんを処置する。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含み、抗体もしくはその抗原結合部分、または医薬組成物は、細胞におけるPD-L1及び/またはTIM-3発現を阻害または低下し、それによって免疫応答を刺激するまたはがんを処置する。
一部の実施形態では、本開示は、対象の免疫応答を刺激するまたはがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、有効量の単離されたモノクローナル抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗体もしくはその抗原結合部分及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を投与することを含み、抗体もしくはその抗原結合部分、または医薬組成物は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または増強し、それによって免疫応答を刺激するまたはがんを処置する。
一部の実施形態では、がんは、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、肉腫、精巣癌、卵巣癌、膵臓癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、黒色腫、頭頸部癌(例えば、扁平上皮性頭頸部癌)、結腸直腸癌、膀胱癌、子宮内膜癌、前立腺癌、甲状腺癌、肝細胞癌、胃癌、脳癌、リンパ腫(例えば、DL-BCL)、白血病(例えば、AML)または腎癌(例えば、腎細胞癌、例えば、腎明細胞癌)から選択される。
上記の組成物は、とりわけ、対象における様々ながんを処置または予防するための方法において有用である。組成物は、対象、例えばヒト対象に、投与経路に一部依存する様々な方法を使用して、投与することができる。経路は、例えば、静脈内注射もしくは注入(IV)、皮下注射(SC)、腹腔内(IP)注射、筋肉内注射(IM)、または髄腔内注射(IT)であり得る。注射は、ボーラスまたは持続注入であり得る。
投与は、例えば、局所注入、注射によって、またはインプラントを用いることによって達成することができる。インプラントは、多孔性、非多孔性、またはゼラチン性材料のものであり得、膜、例えばシアラスティック(sialastic)膜、または繊維のものが含まれる。インプラントは、対象への組成物の持続的または周期的な放出のために構成され得る。例えば、米国特許出願公開第20080241223号;米国特許第5,501,856号;同第4,863,457号;及び同第3,710,795号;EP488401;及びEP430539を参照されたく、このそれぞれの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。組成物は、例えば、拡散システム、侵食システム、または対流システムに基づく移植可能デバイス、例えば、浸透圧ポンプ、生体分解性インプラント、電気拡散システム、電気浸透システム、蒸気圧ポンプ、電解ポンプ、気泡ポンプ、圧電ポンプ、侵食ベースのシステム、または電子機械システムにより、対象に送達することができる。
一部の実施形態では、抗IL-27抗体またはその抗原結合フラグメントは、局所投与によって対象に治療的に送達される。
本明細書に記載の抗体またはそのフラグメントの好適な用量であって、対象のがんを処置または予防することができる用量は、例えば、処置される対象の年齢、性別、及び体重、ならびに用いられる特定の阻害剤化合物を含む様々な因子に依存し得る。例えば、がんを有する対象を処置するには、同じ対象を処置するのに必要とされるIL-27結合Fab’抗体フラグメントの用量と比較して、異なる用量の全抗IL-27抗体が必要とされ得る。対象に投与される用量に影響を与える他の因子には、例えば、がんの種類または重症度が含まれる。例えば、転移性黒色腫を有する対象は、神経膠芽腫を有する対象とは異なる投与量の抗IL-27抗体の投与を必要とし得る。他の因子には、例えば、同時にまたは以前に対象が罹患した他の医学的障害、対象の全身健康状態、対象の遺伝的性質、食事、投与時間、排出速度、併用薬物、及び対象に投与される任意の他の追加の治療剤が含まれ得る。また、任意の特定の対象に対する特定の投与量及び処置計画は、処置を行う医療従事者(例えば、医師または看護師)の判断にも依存するだろうことが理解されたい。好適な投与量は、本明細書に記載する。
医薬組成物は、治療有効量の本明細書に記載の抗IL-27抗体またはその抗原結合フラグメントを含むことができる。そのような有効量は、投与される抗体の効果、または複数の作用物質が使用される場合、抗体及び1つまたは複数の追加の活性剤のコンビナトリアル効果に一部基づいて、当業者によって容易に決定され得る。本明細書に記載の抗体またはそのフラグメントの治療有効量はまた、個体の疾患状態、年齢、性別及び体重ならびに個体における所望の応答、例えば、腫瘍増殖の低下を誘発する抗体(及び1つまたは複数の活性剤)の能力などの因子に従って変動し得る。例えば、抗IL-27抗体の治療有効量は、当該技術分野で公知であるまたは本明細書に記載する特定の障害、及び/または特定の障害の症状のいずれか1つを阻害する(重症度を緩和するまたは発症を取り除く)及び/または予防することができる。治療有効量は、組成物の任意の毒性効果または有害効果を治療的に有益な効果が上回る量でもある。
本明細書に記載の抗体またはそのフラグメントのいずれかの好適なヒト用量は、例えば、第I相用量漸増研究においてさらに評価することができる。例えば、van Gurp et al.(2008)Am J Transplantation 8(8):1711-1718;Hanouska et al.(2007)Clin Cancer Res 13(2,part 1):523-531;及びHetherington et al.(2006)Antimicrobial Agents and Chemotherapy 50(10):3499-3500を参照されたい。
一部の実施形態では、組成物が全体として治療上有効であるように、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントのいずれか及び1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11以上)の追加の治療剤を含有する。例えば、組成物は、本明細書に記載の抗IL-27抗体及びアルキル化剤を含有することができ、抗体及び作用物質はそれぞれ、組み合わせた場合に、対象のがん(例えば、黒色腫)の処置または予防に治療上有効な濃度である。
そのような組成物の毒性及び治療効果は、細胞培養または実験動物(例えば、本明細書に記載のがんのいずれかの動物モデル)における公知の薬学的手順によって決定することができる。これらの手順は、例えば、LD50(集団の50%に対する致死量)及びED50(集団の50%に対する治療有効用量)を決定するために使用され得る。毒性効果及び治療効果との間の用量比は治療指数であり、LD50/ED50の比率として表すことができる。高い治療指数を示す抗体またはその抗原結合フラグメントが好ましい。有毒な副作用を呈する組成物を使用してよいが、そのような化合物を患部組織の部位に標的化し、正常細胞への潜在的な損傷を最小限に抑え、それによって副作用を減らす送達システムを設計するように注意するべきである。
細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための投与量の範囲の策定に使用できる。そのような抗体または抗原結合フラグメントの投与量は、一般的には、毒性をほとんどまたは全く伴わないED50を含む抗体またはフラグメントの循環濃度の範囲内に収まる。投与量は、採用される剤形及び利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動し得る。本明細書に記載の抗IL-27抗体について、治療有効用量は、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。用量は、細胞培養で決定されるIC50(すなわち、症状の最大の半分の阻害を達成する抗体の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにおいて策定され得る。このような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定することができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。例えば、(例えば、目または関節への)局所投与が望ましい一部の実施形態では、細胞培養または動物モデリングを使用して、局所部位内で治療有効濃度を達成するために必要な用量を決定することができる。
一部の実施形態では、本方法は、がんの他の治療と併せて実施することができる。例えば、組成物は、対象に、放射線、手術、標的化もしくは細胞傷害性化学療法、化学放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、遺伝子療法、細胞移植療法、精密医療、ゲノム編集療法、または他の薬物療法と同時に、その前または後に、投与することができる。
上記のように、本明細書に記載の組成物(例えば、抗IL-27組成物)を使用して、様々ながん、例えば限定されないが、カポジ肉腫、白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄芽球前骨髄球性骨髄単球性単球性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、バーキットリンパ腫及び辺縁帯B細胞性リンパ腫、真性赤血球増加症リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、多発性骨髄腫、ウォルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、固形腫瘍、肉腫、及び癌種、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸肉腫、結腸直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌(HCC)、肝癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、上咽頭癌、食道癌、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、骨癌、脳及び中枢神経系(CNS)癌、子宮頸癌、絨毛癌、結腸直腸癌、結合組織癌、消化器系癌、子宮内膜癌、食道癌、眼癌、頭頸部癌、胃癌、上皮内腫瘍、腎臓癌、喉頭癌、肝癌、肺癌(小細胞、大細胞)、黒色腫、神経芽細胞腫;口腔癌(例えば、唇、舌、口、咽頭)、卵巣癌、膵臓癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、直腸癌;呼吸器系癌、肉腫、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、ならびに泌尿器系癌を処置することができる。
併用療法
一部の実施形態では、本開示により提供する、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、1つまたは複数の追加の治療剤または処置、例えば、がんの別の治療剤または処置と組み合わせることができる。例えば、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、対象(例えば、ヒト患者)に、1つまたは複数の追加の治療剤と組み合わせて投与することができ、その組み合わせは、がんを有する、または発症のリスクがある対象に対して治療上の利益を提供する。
一部の実施形態では、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分、及び1つまたは複数の追加の治療剤は、同じ時に(例えば、同時に)投与される。他の実施形態では、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分が時間に関して最初に投与され、1つまたは複数の追加の治療剤が時間に関して2番目に投与される(例えば、順次)。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤が時間に関して最初に投与され、抗IL-27抗体が時間に関して2番目に投与される。
本明細書に記載の抗IL-27抗体またはその抗原結合フラグメントは、以前または現在施されている治療を、置き換えるか、または増大させることができる。例えば、抗IL-27抗体またはその抗原結合フラグメントを用いて処置する際、1つまたは複数の追加の治療剤の投与を中止または減少させる、例えば、より低いレベルで投与することができる。一部の実施形態では、以前の治療の投与を維持することができる。一部の実施形態では、以前の治療は、抗IL-27抗体のレベルが治療効果を提供するのに十分なレベルに達するまで、維持されるだろう。
一部の実施形態では、本開示は、対象のがんを処置する方法を提供し、該方法は、対象に、本開示により提供する、IL-27に特異的に結合して拮抗する、有効量の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を、1つまたは複数の追加の治療剤または手技と組み合わせて投与することを含み、第二の治療剤または手技は、化学療法、標的抗がん療法、腫瘍溶解薬、細胞傷害剤、免疫系療法、サイトカイン、外科的手技、放射線手技、共刺激分子の活性化剤、阻害分子の阻害剤、ワクチン、もしくは細胞性免疫療法、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、PD-1アンタゴニスト、TIM-3阻害剤、LAG-3阻害剤、TIGIT阻害剤、CD112R阻害剤、TAM阻害剤、STINGアゴニスト、4-1BBアゴニスト、またはそれらの組み合わせである。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、PD-1アンタゴニストである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PDR001、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI0680、REGN2810、TSR-042、PF-06801591、及びAMP-224からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、PD-L1阻害剤である。一部の実施形態では、PD-L1阻害剤は、FAZ053、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、及びBMS-936559からなる群から選択される。一部の実施形態では、本開示は、抗PD-1抗体の1つまたは複数の活性を増強する(例えば、PD-1媒介性サイトカイン分泌を増強する、抗PD-1媒介性TNFα分泌を増強する、抗PD-1抗体に曝露された細胞からの抗PD-1媒介性IL-6分泌を増強する)方法を提供し、該方法は、細胞を、抗PD-1抗体と同時並行または連続して、本開示により提供する、抗体またはその抗原結合部分に曝露することを含み、それによって抗PD-1抗体の1つまたは複数の活性を増強する。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、スニチニブ(Sutent(登録商標))、カボザンチニブ(Cabometyx(登録商標))、アキシチニブ(Inlyta(登録商標))、レンバチニブ(Lenvima(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、エパカドスタット、NKTR-214(CD-122バイアスアゴニスト)、チボザニブ(Fotivda(登録商標))、アベキシノスタット、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))、トレメリムマブ、パゾパニブ(Votrient(登録商標))、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、テムシロリムス(Torisel(登録商標))、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、ニラパリブ、サボリチニブ、ボロラニブ(X-82)、レゴラフェニブ(Stivargo(登録商標))、ドナフェニブ(マルチキナーゼ阻害剤)、カムレリズマブ(SHR-1210)、ペキサスチモジンデバシレプベク(JX-594)、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、アパチニブ(YN968D1)、カプセル化ドキソルビシン(Thermodox(登録商標))、チバンチニブ(ARQ197)、ADI-PEG20、ビニメチニブ、アパチニブメシレート、ニンテダニブ、リリルマブ、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、アテゾリズマブ(Tecentriq(登録商標))、アベルマブ(Bavencio(登録商標))、デュルバルマブ(Imfimzi(登録商標))、セミプリマブ-rwlc(Libtayo(登録商標))、チスレリズマブ、及び/またはスパルタリズマブである。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、TIM-3阻害剤であり、任意選択で、TIM-3阻害剤は、MGB453またはTSR-022である。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、LAG-3阻害剤であり、任意選択で、LAG-3阻害剤は、LAG525、BMS-986016、及びTSR-033からなる群から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、TIGIT阻害剤である。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、CD112R阻害剤である。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、TAM(Axl、Mer、Tyro)阻害剤である。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、STINGアゴニストである。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の治療剤は、4-1BBアゴニストである。
化学療法剤との組み合わせ
本発明の組成物と組み合わせて及び/または同時投与するのに好適な化学療法剤には、例えば、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭素エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルチシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、及びピュロマイシン、ならびにそれらの類似体または相同体が含まれる。さらなる作用物質としては、例えば、代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシル、デカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ、クロランブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、シス-ジクロロジアミンプラチナ(II)(DDP)、プロカルバジン、アルトレタミン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、サトラプラチン、または四硝酸トリプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、及びアントラマイシン(AMC))、及び抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)、及びテモゾロミドが含まれる。
PD-1/PD-L1アンタゴニストとの組み合わせ
一部の実施形態では、本開示により提供する、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、ヒトPD-1またはPD-L1に特異的に結合して、PD-1/PD-L1生物学的活性及び/またはヒトPD-1/PD-L1シグナル伝達により媒介される下流経路(複数可)及び/または細胞プロセスまたは他のヒトPD-1/PD-L1媒介機能を阻害する1つまたは複数のPD-1アンタゴニストと組み合わされる(例えば、組み合わせて投与される)。
従って、PD-1/PD-L1生物学的活性、例えば、PD-1/PD-L1シグナル伝達により媒介される下流経路及び/または細胞プロセス、例えばPD-1/PD-L1に対する受容体結合及び/または細胞反応の誘発を、直接またはアロステリックに遮断、拮抗、抑制、阻害または低下するPD-1アンタゴニストを本明細書に提供する。細胞または対象によって産生されるヒトPD-1またはPD-L1の数量または量を低下するPD-1アンタゴニストも本明細書に提供する。
一部の実施形態では、本開示は、ヒトPD-1と結合し、PD-1へのPD-L1結合を防止、阻害または低下するPD-1アンタゴニストを提供する。一部の態様では、PD-1アンタゴニストは、PD-1またはPD-L1をコードするmRNAに結合し、翻訳を防止する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1またはPD-L1をコードするmRNAに結合し、分解及び/または代謝回転を引き起こす。
一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1シグナル伝達または機能を阻害する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1のPD-L1、PD-L2、またはPD-L1及びPD-L2の両方への結合を遮断する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1のPD-L1への結合を遮断する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1のPD-L2への結合を遮断する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1のPD-L1及びPD-L2への結合を遮断する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1と特異的に結合する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-L1と特異的に結合する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-L2と特異的に結合する。
一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1の、その同族リガンドへの結合を阻害する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1のPD-L1への結合、PD-1のPD-L2への結合、またはPD-1のPD-L1及びPD-L2の両方への結合を阻害する。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1の、その同族リガンドへの結合を阻害しない。
一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1またはPD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体(mAb)またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-L1に結合し、PD-L1のPD-1への結合を阻害する抗体または抗原結合フラグメントである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1に結合し、PD-L1のPD-1への結合を阻害する抗体または抗原結合フラグメントである。
PD-1ならびにそのリガンドPD-L1及びPD-L2のいずれか一方または両方の間の相互作用を阻害または妨害するいくつかの免疫チェックポイントアンタゴニストは、臨床開発中である、またはがんを処置するために臨床医が現在利用可能である。
本開示が提供する組成物、方法、及び使用のいずれかにおいてPD-1アンタゴニストを含み得る抗ヒトPD-1モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントの例としては、限定はされないが:KEYTRUDA(登録商標)(ペムブロリズマブ、MK-3475、h409A11;US8952136、US8354509、US8900587、及びEP2170959を参照されたく、これらは全て参照によりその全体が本明細書に含まれる;Merck)、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ、BMS-936558、MDX-1106、ONO-4538;US7595048、US8728474、US9073994、US9067999、EP1537878、US8008449、US8779105、及びEP2161336を参照されたく、これらは全て参照によりその全体が本明細書に含まれる;Bristol Myers Squibb)、MEDI0680(AMP-514)、BGB-A317及びBGB-108(BeiGene)、244C8及び388D4(WO2016106159を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる;Enumeral Biomedical)、PDR001(Novartis)、ならびにREGN2810(Regeneron)が挙げられる。従って、一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ペムブロリズマブである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ニボルマブである。
本開示が提供する組成物、方法、及び使用のいずれかにおいてPD-1アンタゴニストを含み得る抗ヒトPD-L1モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントの例としては、限定されないが:BAVENCIO(登録商標)(アベルマブ、MSB0010718C、WO2013/79174を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる;Merck/Pfizer)、IMFINZI(登録商標)(デュルバルマブ、MEDI4736)、TECENTRIQ(登録商標)(アテゾリズマブ、MPDL3280A、RG7446;WO2010/077634を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる;Roche)、MDX-1105(BMS-936559、12A4;US7943743及びWO2013/173223を参照されたく、これらは両方とも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる;Medarex/BMS)、及びFAZ053(Novartis)が挙げられる。従って、一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、アベルマブである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、デュルバルマブである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、アテゾリズマブである。
一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1またはヒトPD-L1に特異的に結合するイムノアドヘシン、例えば、免疫グロブリン分子のFc領域などの定常領域に融合したPD-L1またはPD-L2の細胞外またはPD-1結合部分を含有する融合タンパク質である。PD-1に特異的に結合するイムノアドヘシン分子の例は、WO2010/027827及びWO2011/066342に記載されており、これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1に特異的に結合するPD-L2-FC融合タンパク質であるAMP-224(B7-DCIgとしても知られる)である。
PD-1またはPD-L1に結合し、PD-1/PD-L1シグナル伝達経路を破壊する任意のPD-1アンタゴニストが、本明細書に開示する組成物、方法、及び使用に好適であることが当業者によって理解されるだろう。
一部の実施形態では、PD-1/PD-L1アンタゴニストは、小分子、核酸、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質、炭水化物、炭水化物誘導体、または糖ポリマーである。例示的な小分子PD-1阻害剤は、Zhan et al.,(2016)Drug Discov Today 21(6):1027-1036に記載されている。
TIM-3阻害剤との組み合わせ
一部の実施形態では、本開示により提供する、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、TIM-3阻害剤と組み合わされる(例えば、組み合わせて投与される)。TIM-3阻害剤は、抗体、その抗原結合フラグメント、イムノアドヘシン、融合タンパク質、またはオリゴペプチドであり得る。一部の実施形態では、TIM-3阻害剤は、MGB453(Novartis)、TSR-022(Tesaro)、またはLY3321367(Eli Lilly)から選択される。一部の実施形態では、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、MGB453と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、TSR-022と組み合わせて投与される。
LAG-3阻害剤との組み合わせ
一部の実施形態では、本開示により提供する、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、LAG-3阻害剤と組み合わされる(例えば、組み合わせて投与される)。LAG-3阻害剤は、抗体、その抗原結合フラグメント、イムノアドヘシン、融合タンパク質、またはオリゴペプチドであり得る。一部の実施形態では、LAG-3阻害剤は、LAG525(Novartis)、BMS-986016(Bristol-Myers Squibb)、TSR-033(Tesaro)、MK-4280(Merck&Co)、またはREGN3767(Regeneron)から選択される。
その他の組み合わせ
一部の実施形態では、本開示により提供する、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、TIGIT阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI))、CD112R阻害剤、TAM受容体阻害剤、STINGアゴニスト及び/または4-1BBアゴニスト、あるいはそれらの組み合わせと組み合わされる(例えば、組み合わせて投与される)。
検出方法
一部の実施形態では、本明細書に記載の抗IL-27抗体またはその抗原結合フラグメントは、生体試料中のヒトIL-27の検出及び/または定量化の方法において採用することができる。従って、本明細書に記載の抗IL-27抗体またはその抗原結合フラグメントは、患者の疾患(例えば、がん)の診断、予後診断及び/または進行決定に有用である。
本明細書で定義するように、がんの改善に関して対象(例えば、ヒト患者)をモニタリングすることは、対象を疾患パラメータにおける変化、例えば、腫瘍増殖の低下に関して評価することを意味する。一部の実施形態では、評価は、投与の、少なくとも1時間、例えば、少なくとも2、4、6、8、12、24、もしくは48時間、または少なくとも1日、2日、4日、10日、13日、20日以上、または少なくとも1週間、2週間、4週間、10週間、13週間、20週間以上後に行われる。対象は、以下の期間:処置の開始前;処置中;または処置の1つもしくは複数の要素が施された後のうちの、1つまたは複数において評価することができる。評価には、さらなる処置の必要性を評価すること、例えば、投与量、投与頻度、または処置期間を変更すべきか否かを評価することを含むことができる。選択された治療法を追加または削除する必要性を評価すること、例えば、本明細書に記載のがんのための処置のいずれかを追加または削除することも含むことができる。
一部の実施形態では、本開示は、対象からの試料中のIL-27を検出する方法を提供し、該方法は、(a)対象からの試料を、検出抗体と、IL-27が試料中に存在する場合に、検出抗体が検出抗体-IL-27複合体を形成することを可能にする条件下で接触させること、ここで検出抗体は本開示により提供する抗体またはその抗原結合フラグメントである、及び(b)存在する場合、ステップ(a)において産生された複合体の存在を検出することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、対象のIL-27関連がんを検出する方法を提供し、該方法は、(a)IL-27関連がんを有する疑いのある対象からの試料を、検出抗体と、IL-27が試料中に存在する場合に、検出抗体が検出抗体-IL-27複合体を形成することを可能にする条件下で接触させるステップ、ここで検出抗体は本開示により提供する抗体またはその抗原結合部分である、及び(b)存在する場合、ステップ(a)において産生された複合体の存在を検出するステップを含む。一部の実施形態では、検出抗体は、検出可能な標識に結合している。一部の実施形態では、該方法は、試料を、捕捉抗体と接触させて、IL-27が試料中に存在する場合に、IL-27及び捕捉抗体を含む複合体を産生することをさらに含み、捕捉抗体は、本開示により提供する抗体またはその抗原結合部分である。
一部の実施形態では、捕捉抗体は、固体支持体上に固定化されている。一部の実施形態では、試料を、検出抗体の前に捕捉抗体と接触させる。一部の実施形態では、試料は、体液試料である。一部の実施形態では、流体試料は、血液、血清、血漿、細胞溶解液または組織溶解液である。
一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌(RCC)、肝細胞癌、肺癌、胃食道癌、卵巣癌、子宮内膜癌、黒色腫、白血病及びリンパ腫から選択される。一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌(RCC)である。一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌(HCC)である。一部の実施形態では、がんは、白血病及びリンパ腫から選択される。一部の実施形態では、がんは、急性骨髄性白血病(AML)である。
本開示を、その特定の実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本開示の真の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われてもよく、等価物が置き換えられてもよいことを理解されたい。加えて、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、1つまたは複数のプロセスステップを、本開示の目的、主旨及び範囲に適応させるために、多くの修正が行われてもよい。全てのそのような修正は、本開示の範囲内であることが意図される。
実施例1:IL-27 EBI3単量体と特異的に結合する抗IL-27抗体の生成及び特徴評価
この実施例は、ヒトIL-27のEBI3サブユニットに特異的に結合する抗IL-27抗体の産生を説明する。簡潔には、BALB/cマウスにヒトEBI3免疫付与ベクター(Aldevron)を用いて免疫付与し、抗EBI3モノクローナル抗体を発現するハイブリドーマの生成及び単離に使用した。単離したハイブリドーマには、本明細書でAb1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、及びAb8と称する抗IL-27抗体分子を発現するハイブリドーマが含まれた。ハイブリドーマ上清を、表面標的化ヒトEBI3を発現する哺乳動物細胞のフローサイトメトリーによって分析した。試験した全てのハイブリドーマクローン上清は、EBI3発現細胞に結合した(データは示さず)。
例示的な単離された抗EBI3抗体Ab7(以下、「Ab7」と称し、以下「Ab7-VH0」と称する免疫グロブリン重鎖可変領域、及び以下「Ab7-VL0」と称する免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む)を配列決定し、以下にさらに特徴評価した(アミノ末端シグナルペプチド配列は示さず)。
単離されたAb7抗体の重鎖可変領域(Ab7-VH0)は、以下の配列
(配列番号1)を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH0をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
単離されたAb7抗体(Ab7-VL0の軽鎖可変領域は、以下の配列
を有する。
単離されたAb7抗体の重鎖(Ab7-VH0-mIgG2a)は、以下の配列
を有する。
軽鎖可変領域Ab7-VL0をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
単離されたAb7抗体の軽鎖(Ab7-VL0-mKappa)は、以下の配列
を有する。
ヒト化Ab7抗体は、当該技術分野で公知の方法を使用して設計した。簡潔には、マウスモノクローナルAb7抗体をコードするV領域遺伝子配列を使用して、一連の完全ヒト化抗体を構築した。可変領域遺伝子を、ヒトIgG1重鎖定常ドメイン及びヒトカッパ軽鎖定常ドメインをコードするベクターにクローニングした。キメラ及びヒト化抗体は、哺乳動物細胞で一過性に発現された。単離されたAb7重鎖可変領域のヒト化により、5つのヒト化重鎖可変領域変異型(以下、「Ab7-VH1」、「Ab7-VH2」、「Ab7-VH3」、「Ab7-VH4」及び「Ab7-VH5」と称する)がもたらされた。単離されたAb7軽鎖可変領域のヒト化により、4つのヒト化軽鎖可変領域変異型(以下、「Ab7-VL1」、「Ab7-VL2」、「Ab7-VL3」、及び「Ab7-VL4」と称する)がもたらされた。
ヒト化Ab7変異型可変領域を定義するタンパク質配列、及びヒト化Ab7変異型可変領域をコードするヌクレオチド配列を、以下にまとめる(アミノ末端シグナルペプチド配列は示さず)。
重鎖可変領域Ab7-VH1は、以下の配列
を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH1をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH2は、以下の配列
(配列番号7)を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH2をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH3は、以下の配列
(配列番号9)を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH3をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH4は以下の配列
(配列番号11)を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH4をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH5は、以下の配列
(配列番号13)を有する。
重鎖可変領域Ab7-VH5をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
軽鎖可変領域Ab7-VL1は、以下の配列
を有する。
軽鎖可変領域Ab7-VL1をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
軽鎖可変領域Ab7-VL2は、以下の配列
を有する。
軽鎖可変領域Ab7-VL2をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
軽鎖可変領域Ab7-VL3は、以下の配列
を有する。
軽鎖可変領域Ab7-VL3をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
軽鎖可変領域Ab7-VL4は、以下の配列
を有する。
軽鎖可変領域Ab7-VL4をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
単離された親Ab7抗体(Kabat定義)の重鎖CDRアミノ酸配列及び軽鎖CDRアミノ酸配列を表1に示す。
完全なキメラ及びヒト化重鎖抗体配列または軽鎖抗体配列を作製するために、上記の各重鎖可変領域をヒトIgG1定常領域と組み合わせ、上記の各軽鎖可変領域をヒトカッパ定常領域と組み合わせた。
キメラ及びヒト化Ab7変異体の完全な重鎖及び軽鎖を定義するタンパク質配列を、以下にまとめる(アミノ末端シグナルペプチド配列は示さず)。
重鎖Ab7-VH0-IgG1は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH0-IgG1をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH1-IgG1は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH1-IgG1をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH2-IgG1は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH2-IgG1をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH3-IgG1は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH3-IgG1をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH4-IgG1は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH4-IgG1をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH5-IgG1は、以下の配列
を有する。
重鎖Ab7-VH5-IgG1をコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL0-Kappaは、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL0-Kappaをコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL1-Kappaは、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL1-Kappaをコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL2-Kappaは、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL2-Kappaをコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL3-Kappaは、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL3-Kappaをコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL4-Kappaは、以下の配列
を有する。
軽鎖Ab7-VL4-kappaをコードする核酸配列は、以下の配列
を有する。
また、可変領域配列を他の抗体定常領域配列に融合させて、完全長免疫グロブリン重鎖及び軽鎖を産生できることも企図される。例えば、Ab7-VH0、Ab7-VH1、Ab7-VH2、Ab7-VH3、Ab7-VH4、またはAb7-VH5重鎖可変領域は、ヒトIgG2、IgG3、IgG4または定常領域に1つもしくは複数のアミノ酸置換を含むIgG4(例えば、IgG4mt、またはIgG4mt2)と組み合わせてよい。同様に、Ab7-VL0、Ab7-VL1、Ab7-VL2、Ab7-VL3またはAb7-VL4軽鎖可変領域は、ヒトラムダ定常領域と組み合わせてよい。
上記のAb7及びヒト化Ab7変異体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域をコードするDNAフラグメントを、IgG1重鎖及びカッパ軽鎖のpANT発現ベクター(Antitope)系にクローニングするために、隣接する制限酵素部位を用いて合成した。全ての構築物は、配列決定によって確認した。表2に示す重鎖及び軽鎖の組み合わせを、PEIトランスフェクション法を使用してHEK293 EBNA付着細胞(LGC Standards,Teddington,UK)に一過的にトランスフェクトし、トランスフェクション後7日間インキュベートした。
抗体を、プロテインAコンジュゲートセファロースカラム(GE Healthcare,Little Chalfont,UK)で細胞培養物上清から精製し、緩衝液を、1×DPBS pH7.2に交換し、予測されたアミノ酸配列に基づいて吸光係数(Ec(0.1%))を使用してOD280nmにより定量化した。1μgの各抗体をSDS-PAGEにより分析し、典型的な抗体のプロファイルに対応するバンドを観察した(データは示さず)。
抗EBI3抗体のin vitro特徴評価
表2に記載の通りに産生されたAb7抗体及びAb7抗体変異体を、その生物学的特徴及び活性を確認するために、一連のin vitroアッセイで試験した。
キメラAb7.1抗体と比較したヒト化Ab7抗体変異体の結合を評価するために、結合競合ELISAを確立した。アッセイプレートを、1×DPBS pH7.2に希釈した1μg/mLのヒトIL-27(hIL-27)(R&D Systems,Abingdon,UK)でコーティングし、一晩4℃にてインキュベートした。全ての抗体を、2%BSA/DPBSに25μg/mLまで希釈し、プレートを3倍まで段階希釈して、8点結合曲線を生成した。抗体希釈液を、0.08μg/mLの一定の最終濃度にてビオチン化Ab7.1抗体と予混合した。次に、抗体混合物を、コーティングしたアッセイプレート上に移し、1時間室温にてインキュベートした。ビオチン化Ab7.1抗体の結合を、ストレプトアビジン-ペルオキシダーゼコンジュゲート(Sigma-Aldrich,Gillingham,UK)及びTMB基質(ThermoFisher,Loughborough,UK)を用いて検出した。反応を、1M HClを用いて停止し、Dynex Technologies MRX TC IIプレートリーダー上で450nmにて吸光度を読み取った。
試験抗体の絶対IC50値を、4パラメータロジスティック曲線を使用して決定した。各プレート上のキメラ抗体のIC50に対して正規化されたIC50を、表3にまとめた。結果は、Ab7-VL4軽鎖を含有する変異体を除いて、生成された全てのヒト化Ab7変異体が、キメラAb7.1抗体と同様の結合プロファイルを有し、ほとんどの変異体がキメラAb7.1抗体の2倍以内で競合していることを示す。
抗体を、表面プラズモン共鳴(SPR)によってさらに特徴評価した。反応速度実験を、Biacore T200(GE Healthcare,Uppsala,Sweden)で行った。全ての実験は、25℃にて、HBS-P+泳動用緩衝液(pH7.4)(GE Healthcare,Little Chalfont,UK)を用いて、hIL-27(R&D Systems,Abingdon,UK)を使用して実行した。ヒトIL-27(hIL-27)抗原は、CM5チップ上に捕捉して、約16RUを得た。固定化を、10mM酢酸緩衝液pH5.0中1μg/mLのタンパク質濃度にて実行した。各濃度間で再生することなく、HBS-P+緩衝液に希釈した3.3nMから30nMの抗体の3点、3倍希釈範囲を使用した。漸増濃度の抗体の3回の注射についての会合相を各時75秒間モニターし、最後の抗体注射後250秒間、単一の解離相を測定した。hIL-27表面の再生は、120秒間の2M MgCl2の単回注射を使用して行った。キメラ抗体の複数回の反復測定(n=4)を、アッセイ全体を通して行って、動態サイクル全体にわたって表面及び分析物の安定性を確認した。
1:1結合及び二価分析物モデルの両方を使用して、抗体の二価性質に起因するデータを分析した。1:1結合モデル分析からの結果を表4にまとめ、二価分析物モデルからの結果を表5にまとめる。
1:1モデル(表4)を使用する単一サイクル反応速度は、Ab7-VL4ヒト化変異体が、hIL-27に結合せず、残りの変異体がキメラ抗体の2倍以内で結合したことを実証し、これは、二価分析物モデル(表5)及び競合ELISAからの結果と一致する。
要約すると、単一サイクル反応速度によって及び1:1結合モデルを使用して決定したAb7.1キメラ抗体の結合親和性は、1nMであった。結合が消失したAb7-VL4含有変異体を除いて、全てのヒト化変異体のKDは1.5nM以下であった。これらの結果は、Ab7抗体及びAb7抗体変異体が、IL-27のEBI3サブユニットに高い親和性で結合することを実証する。
実施例2:ヒトIL-27のEBI3及び/またはP28サブユニットと特異的に結合する酵母における抗IL-27抗体の生成
複数のエピトープビンを表す追加の抗IL-27モノクローナル抗体を、下記の方法を使用して、8つのナイーブヒト合成酵母ライブラリから選択した。
材料及び方法
約109の多様性をそれぞれ有する8つのナイーブヒト合成酵母ライブラリを、以前に記載されているとおりに増殖させた(例えば、Xu et al.,(2013)Protein Eng Des Sel 26(10):663-670;WO2009036379;WO2010105256;及びWO2012009568を参照されたく、これらは全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。選択の最初の2ラウンドには、Miltenyi MACSシステムを利用する磁気ビーズソーティング法を、以前に記載されているとおりに実施した(例えば、Siegel et al.(2004)J Immunol Methods 286(1-2):141-153を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
簡潔に言えば、酵母細胞(約1010個の細胞/ライブラリ)を、洗浄緩衝液(リン酸緩衝生理食塩水(PBS)/0.1%ウシ血清アルブミン(BSA))中、3mlの100nMビオチン化抗原(組換えヒトIL-27;R&D Systems)と30分間30℃にてインキュベートした。40ml氷冷洗浄緩衝液を用いて1回洗浄した後、細胞ペレットを20mL洗浄緩衝液に再懸濁し、ストレプトアビジンマイクロビーズ(500μl)を酵母に加え、15分間4℃にてインキュベートした。次に、酵母細胞をペレット化し、20mL洗浄緩衝液に再懸濁し、Miltenyi LSカラム上に充填した。20mLを充填した後、カラムを3ml洗浄緩衝液を用いて3回洗浄した。カラムを、次に、磁場から取り出し、酵母細胞を5mLの増殖培地で溶離し、次に一晩増殖させた。次の選択ラウンドを、フローサイトメトリーを使用して実施した。およそ2×107個の酵母細胞をペレット化し、洗浄緩衝液を用いて3回洗浄し、30℃にて、平衡条件下にて漸減濃度のビオチン化抗原(100から1nM)、種交差反応性を得るために異なる種の30nMビオチン化抗原、または選択から非特異的抗体を除去するために多特異性除去試薬(PSR)のいずれかとインキュベートした。PSRを枯渇させるために、ライブラリをビオチン化PSR試薬の1:10希釈液とインキュベートした。
次に、酵母細胞を、洗浄緩衝液を用いて2回洗浄し、LC-FITC(1:100に希釈)及びSA-633(1:500に希釈)またはEAPE(1:50に希釈)のいずれかの二次試薬を用いて15分間4℃にて染色した。洗浄緩衝液を用いて2回洗浄した後、細胞ペレットを0.3mL洗浄緩衝液に再懸濁し、ストレーナーキャップ付きのソートチューブに移した。FACS ARIAソーター(BD Biosciences)を使用してソーティングを行い、所望の特徴を持つ抗体を選択するためにソートゲートを決定した。所望の特徴を全て備えた集団が得られるまで、選択ラウンドを繰り返した。ソーティングの最終ラウンドの後、酵母細胞をプレーティングし、特徴評価のために個々のコロニーを精選した。
軽鎖の多様化
抗体のさらなる探索研究及び改善のために、プライマリ探索研究段階中に、軽鎖多様化プロトコルを使用した。
軽鎖バッチ多様化プロトコル:ナイーブ選択出力からの重鎖プラスミドを、スマッシュアンドグラブを介して酵母から抽出し、E.coliにて増殖させてから精製し、5×106の多様性を有する軽鎖ライブラリに形質転換した。選択を、ナイーブ探索研究と同じ条件を採用して1ラウンドのMACS及び4ラウンドのFACSを用いて実施した。
抗体最適化
抗体の最適化を、下記のように重鎖可変領域及び軽鎖可変領域へと多様性を導入することにより実施した。
CDRH1及びCDRH2選択:単一抗体のCDRH3を、1×108の多様性のCDRH1変異体及びCDRH2変異体を有する既製のライブラリ中に組換え、ナイーブ探索研究において記載するように1ラウンドのMACS及び4ラウンドのFACSを用いて選択を実施した。異なるFACSラウンドでは、ライブラリを、PSR結合、種交差反応性、滴定または親Fab予複合体化による親和性圧力について調べ、所望の特徴を有する集団を得るために、ソーティングを実施した。
抗体産生及び精製
酵母クローンを飽和状態まで増殖させ、次に48時間30℃にて振とうしながら誘導した。誘導後、酵母細胞をペレット化し、上清を精製のために回収した。プロテインAカラムを使用してIgGを精製し、酢酸、pH2.0で溶出した。Fabフラグメントを、パパイン消化によって生成し、KappaSelect(GE Healthcare LifeSciences)上で精製した。
ForteBio KD測定
ForteBio親和性測定を、一般的に、以前に記載されているようにOctet RED384で実施した(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Estep et al,High throughput solution-based measurement of antibody-antigen affinity and epitope binning.Mabs 5(2),270-278(2013)を参照されたい)。簡潔には、ForteBio親和性測定を、IgGをAHQセンサー上にオンラインで充填することによって実施した。センサーをアッセイ緩衝液中で30分間にわたりオフラインで平衡化した後、ベースライン確立のために、オンラインで60秒間モニタリングした。IgGを充填したセンサーを100nM抗原に3分間曝露し、その後、アッセイ緩衝液に3分間移して、解離速度を測定した。全ての反応速度を、1:1結合モデルを使用して分析した。組換えヒトIL-27タンパク質(R&D Systemsカタログ番号:2526-IL)を抗原として使用した。抗IL-27抗体に関する親和性測定を、図1に示す。
ForteBioエピトープビニング/リガンドブロッキング
エピトープビニング/リガンドブロッキングを、標準的なサンドイッチ形式のクロスブロッキングアッセイを使用して実施した。対照抗標的IgGをAHQセンサー上に充填し、センサー上の非占有Fc結合部位を無関連ヒトIgG1抗体でブロッキングした。次に、センサーを100nM標的抗原に曝露し、続いて、二次抗標的抗体またはリガンドに曝露した。抗原会合後の二次抗体またはリガンドによる追加的結合は、非占有エピトープ(非競合物質)を示し、一方で結合無しはエピトープブロッキング(競合物質またはリガンドブロッキング)を示す。
MSD-SET反応速度アッセイ
以前に記載されている(Estep et al.,2013)通りに平衡親和性測定を実施した。溶液平衡滴定(SET)を、抗原を10~100pMで一定に保持したPBS+0.1%IgG不含BSA(PBSF)中で実施し、5~100nMにて開始する抗体の3倍~5倍の連続希釈物とインキュベートした(実験条件は試料に依存する)。抗体(PBS中20nM)を、標準的な結合MSD-ECLプレート上へと一晩4℃にてまたは室温にて30分間コーティングした。次に、プレートを700rpmにて振とうしながら30分間ブロックし、その後、洗浄緩衝液(PBSF+0.05%Tween20)を用いて3回洗浄した。SET試料を適用し、プレート上で700rpmにて振とうしながら150秒間インキュベートした後、1回洗浄した。プレート上に捕捉された抗原を、PBSF中250ng/mLスルホタグ標識ストレプトアビジンを用いて、プレート上で3分間インキュベートすることにより検出した。プレートを、洗浄緩衝液を用いて3回洗浄し、次に界面活性剤を伴う1×リード緩衝液Tを使用してMSD Sector Imager 2400測定器で読み取った。遊離抗原の割合(%)を、滴定された抗体の関数としてPrismにプロットし、二次方程式に当てはめてKDを抽出した。スループットを向上させるために、SET試料調製を含む、MSD-SET実験を通して、液体処理ロボットを使用した。
実施例3:組換えヒトIL-27への抗IL-27抗体の結合
実施例2に記載の抗IL-27抗体が組換えヒトIL-27に結合する能力を、ELISAによって評価した。簡潔には、Nunc MaxiSorp ELISAプレート(Affymetrix番号44-2404-21)を、100μL/ウェル組換えヒトIL-27(R&D Systems番号2526-IL/CF)(0.5μg/mLをPBS中に希釈)を用いてコーティングし、密封して、一晩4℃にてインキュベートした。プレートを、100μL/ウェルの洗浄緩衝液(PBS+0.01%Tween)を用いて3回洗浄した。次に、プレートを200μL/ウェルのブロッキング緩衝液(PBS+0.1% BSA+0.01%Tween)を用いて、1時間室温(RT)にて振とうしながらブロックした。示すように、ブロッキング緩衝液をデカントし、100μL/ウェルの希釈対照及び抗IL-27抗体を加えた。抗体を、1μg/mLの最高濃度から開始して1:10に希釈することにより、各抗体に関して10点段階希釈を作製した。プレートを、1~2時間室温にて振とうしながらインキュベートした。プレートを、100μL/ウェルの洗浄緩衝液を用いて3回洗浄した。100μL/ウェルの抗ヒトIgG二次抗体(SouthernBiotech;カタログ番号2014-05)を加えた(ブロッキング緩衝液中に1:5000希釈)。次に、プレートを、1時間室温にて振とうしながらインキュベートした。1時間のインキュベーション後、プレートを、100μL/ウェルの洗浄緩衝液を用いて3回洗浄した。プレートを展開させるために、100μL/ウェルTMB緩衝液(Life Technologies番号00-2023)を加えた。標準曲線のウェルで青色の発色が観察され、希釈された対照抗体の最高濃度が濃い青色(5~10分)に達するとすぐに、50μL/ウェルSTOP溶液(Thermo Fisher番号SS04)を加えた(色は黄色に変化するだろう)。展開されたプレートを、反応停止後30分以内に450nm(波長補正に関してはマイナス570nm)にて読み取った。
図2に示すように、抗IL-27抗体は、組換えヒトIL-27に結合する。IgGアイソタイプ対照抗体(IgG対照)を、コンパレーターとして使用した。
例えば、生化学的親和性及び特異性の研究では、抗IL-27抗体SRF388がヘテロ二量体サイトカインIL-27のp28サブユニット(しかし、EBI3サブユニットではない)に結合することが示された。SRF388は、ヒト、非ヒト霊長類、及びげっ歯類組換えIL-27に結合し、結合の程度は種間で異なった。SRF388のIL-27への結合特異性を、約4500細胞表面及び可溶性分子のパネルに対して試験することにより確認し、オフターゲット結合は観察されなかった。IL-27のその受容体IL-27RA(WSX-1)に対する結合特異性も確認した:他の細胞表面受容体はヒトIL-27に結合しなかった。SRF388がヒトIL-27及びIL-27RA(WSX-1)間の相互作用を遮断する能力は、表面プラズモン共鳴によって確認した。
本明細書に開示する抗体の結合を、いくつかのモデル系において評価した。ヒトIL-27がマウス細胞上で生物学的に活性であるため、DNAミニサークル送達を使用したマウスにおけるヒトIL-27の全身過剰発現を利用して、全ゲノムマイクロアレイ分析、フローサイトメトリー、及び血清サイトカイン分析により、in vivoでのIL-27媒介作用を分析した。in vivoでIL-27によって調節されたマーカーの多くは、ヒトの細胞ベースのアッセイでの所見と一致していた。SRF381は、播種性B16腫瘍モデルでも評価した。その設定では、SRF381を用いた処置は、IL-27リガンド(IL-27p28、EBI3)または受容体(IL-27RA)の様々な構成要素が欠損しているマウスで観察された表現型と一致する結果を示した。
まとめると、これらの研究は、SRF388(及びその同胞SRF381)が、マウスのIL27欠損症を表現型コピーすることができ、IL-27に特異的及び高い親和性で結合し、単独でまたはPD-L1遮断剤と組み合わせてその免疫抑制効果を阻害できることを実証する。
実施例4:抗IL27抗体は、in vitroでSTAT1のリン酸化を阻害する
IL-27受容体(IL-27R)を通したIL-27シグナル伝達は、シグナル伝達性転写因子(STAT1)ポリペプチドのリン酸化(pSTAT1)をもたらす。実施例2に記載した抗IL-27抗体を、フローサイトメトリーにより、ヒト全血、ヒトPBMC、U937骨髄細胞(組織球性リンパ腫細胞株)及びHUT-78T細胞リンパ腫におけるSTAT1のIL-27媒介性リン酸化を阻害する能力について試験した。
抗IL-27抗体を、ヒト全血におけるSTAT1のIL-27媒介性リン酸化を阻害する能力について試験した。簡潔には、室温で保存された、EDTA抗凝固処理ヒト全血を、このアッセイで使用した。45μL血液を、深型ウェル丸底プレート(Phenix番号850356)の各ウェルへと配布し、プレートウォーマー(EchoTherm IC20)上または37℃インキュベーター内で30分間37℃にて加温した。抗IL-27抗体を、ポリプロピレンV底プレート(Corning番号3363)にてエンドトキシン不含PBS(Teknova番号P0300)中10倍最高濃度に希釈した。抗IL-27抗体を、エンドトキシン不含PBS中に必要に応じて段階希釈した。PBS単独を、未刺激対照及び刺激対照のウェルに加えた。5μLの各希釈液を、45μL血液のウェルに加え、プレートシェーカー上で15秒間、1000RPM(Eppendorf Mix Mate)にて振とうすることによって混合した。プレートを、60分間37℃にてプレートウォーマー上または37℃インキュベーター内でインキュベートした。
10μgバイアルの組換えヒトIL-27(R&D Systems番号2526-IL)を、100μL PBS+0.1%BSA(10%BSA Sigma番号A1595から作成)を加えることにより100μg/mLへと再構成した。組換えhIL-27(rhIL-27)のワーキングストックを、エンドトキシン不含PBS中200ng/mLへと希釈することにより調製した。60分間のインキュベーション後、5μLの200ng/mL rhIL-27を刺激された血液の各ウェルに加えた。5μL PBSを未刺激対照ウェルに加えた。プレートを、プレートシェーカー上で15秒間1000RPMにて振とうした。プレートを、30分間37℃にてインキュベートした。
30分間のインキュベーション後、細胞を固定した。Lyse/Fix試薬(BD番号558049)を、滅菌水(Hyclone番号SH3052902)中1:5に希釈し、水浴にて37℃まで加温した。500μL Lyse/Fix試薬を、深型ウェルプレートの各ウェルに加え、プレートをプレートシェーカー上で15秒間1000RPMにて混合した。プレートを、15分間37℃にてインキュベートした。
15分間のインキュベーション後、プレートを5分間1500RPMで室温にて遠心分離し(Eppendorf遠心分離5810R)、フリックして上清を廃棄した。1mLのエンドトキシン不含PBSを、ウェルごとに加え、プレートをプレートシェーカー上で15秒間1000RPMにて振とうした。プレートを、5分間1500RPMで室温にて遠心分離し(Eppendorf遠心分離5810R)、フリックして上清を廃棄した。細胞ペレットは、プレートに残した。
細胞ペレットを、FACS緩衝液(PBS,Gibco番号14190-144/2%FBS,Sigma番号F8317/1mM EDTA,Fisher番号BP2482)中50μL 1:200 CD14-パシフィックブルー(Biolegend番号325616)に再懸濁し、U底96ウェルプレート(Costar番号3799)に移した。プレートを、プレートシーラー(VWR番号89134-432)を用いて密封し、30分間室温にて暗所でインキュベートした。
30分間のインキュベーション後、150μL FACS緩衝液を各ウェルに加え、プレートを1500RPMで5分間室温にて遠心分離した。次に、細胞ペレットを、100μL Perm III(-20℃にて保存)(BD番号558050)にピペッティングを用いて再懸濁し、プレートをプレートシーラー及び蓋で密封した。プレートを、一晩-20℃にてまたは15分間4℃にてインキュベートした。インキュベーション後、150μL PBSを加え、プレートを1500RPMで5分間室温にて遠心分離した。フリックしてプレートから上清を廃棄し、プレートを、以下の表6に記載のように調製した50μL染色カクテルに再懸濁した。
プレートを、1時間室温にて暗所でインキュベートした。1時間のインキュベーション後、100μLのFACS緩衝液を加え、プレートを1500RPMで5分間室温にて遠心分離した。フリックしてプレートから上清を廃棄し、プレートを100μL FACS緩衝液に再懸濁して、フローサイトメトリーにより分析した。
図3Aに示すように、抗IL-27抗体は、ヒト全血におけるSTAT1のリン酸化を阻害する。抗IL-27抗体Ab14は、ヒト全血において24.7ng/mLのIC50でSTAT1のリン酸化を阻害した。
実施例2に記載の抗IL-27抗体を、フローサイトメトリーにより、プールされたヒトPBMCにおけるSTAT1のIL-27媒介性リン酸化を阻害する能力についてさらに試験した。簡潔には、バフィーコートから得たヒトPBMC(末梢血単核細胞)の凍結したクライオバイアルを、液体窒素貯蔵庫から取り出し、37℃の水浴にて素早く解凍した。各クライオバイアルの内容物を、P1000ピペットを用いて取り出し、15mLコニカルファルコンチューブに移した。2~3mLの完全RPMI-1640(Gibco,61870-036)を解凍した細胞にゆっくりと加え、細胞を穏やかにかき回すかまたは、フリックして懸濁させた。コニカルチューブに完全RPMI-1640を最大10mLまで補充し、チューブを逆さにして混合した。コニカルチューブを、1400RPMで室温にて8分間遠心分離した。
PBMC細胞を、温かい、血清不含RPMI-1640に、400万個の細胞/mLの密度で再懸濁し、丸底96ウェルプレート(Costar,3799)に200,000個の細胞/ウェル(50μ)の密度でプレーティングした。抗IL-27抗体を、96ウェルポリプロピレンプレートの一列目にて血清不含RPMI-1640に希釈して、40μg/mlの最高濃度とした(最終的には10μg/mlとなるだろう)。必要に応じて、段階希釈(1:2、1:3、など)を、プレートの最初の10列の残りにて行った。50マイクロリットル(μL)の抗体ストック(4倍)を、丸底プレートのPBMC細胞のプレート最初の10列に加えた。列11及び12では、50μLの血清不含RPMI-1640細胞培地を加えた。次に、プレートを37℃にて2時間インキュベートした。
2時間のインキュベーション後、血清不含RPMI-1640細胞培地に希釈した100μの50ng/ml組換えヒトIL-27(R&D Systems,2526-IL)を、各ウェル(血清不含培地のみまたは抗体のみを含む対照ウェルを除く)に加え、最終濃度を25ng/mlとした。100μL血清不含RPMI-1640細胞培地を、対照ウェルまたは抗体のみのウェルに加えた。プレートを、20分間37℃にてインキュベートした。
20分のインキュベーション後、50μLの4%PFA(Pierce,28906)を含むDI水を、各ウェルに直接加え、プレートを37℃にて5分間インキュベートして、細胞を固定した。プレートを、2000RPMにて5分間遠心分離した。フリックして培地を廃棄し、プレートを150μL DPBSを用いて洗浄した。洗浄工程をさらに2回繰り返した。H2Oに希釈した50μ氷冷90%メタノール(MeOH)(Sigma,439193)を、12チャネルピペットを使用して各ウェルに素早く加えた。MeOHを加えるとき、各ウェルを混合するために特別な注意を払った。プレートを、20℃にて少なくとも15分間インキュベートした。100μLのDPBSを、各ウェルの90%メタノールの上に加え、プレートを2000RPMにて5分間遠心分離した。プレートの内容物を、フリックして廃棄し、プレートを、前述の通りに3回洗浄した。最後の洗浄後、細胞ペレットを、プレートのウェルに残した。
ペレット化したPBMCを、pSTAT1 PE(BD Phosflow,526069)を1:100でFACS緩衝液(2%FBS、DPBS中2mM EDTA)中にて用いて45分間室温にて暗所で染色した。染色液を加えるとき、各ウェルを12チャンネルピペットを用いて混合するために特別な注意を払った。45分間のインキュベーション後、100μL FACS緩衝液を各ウェルに加え、プレートを2000RPMにて5分間遠心分離した。フリックして上清を廃棄し、プレートを、前述の通りに2回洗浄した。細胞を100μl FACS緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーにより分析した。
図3Bに示すように、抗IL-27抗体は、ヒトプールPBMCにおいてSTAT1のリン酸化を阻害した。抗IL-27抗体SRF381は、プールされたヒトPBMCにおいて140.5ng/mlの平均IC50(n=2)でSTAT1のリン酸化を阻害した。抗IL-27抗体SRF388は、プールされたヒトPBMCにおいて58.3ng/mlの平均IC50(n=3)でSTAT1のリン酸化を阻害した。
抗IL-27抗体を、本質的に図3Bに関して記載の通りに、フローサイトメトリーにより、Fc受容体を発現することが公知の細胞株であるU937細胞におけるSTAT1のIL-27媒介性リン酸化を阻害する能力についてさらに試験した。図3Cに示すように、抗IL-27抗体は、図示の通り、U-937細胞におけるSTAT1のリン酸化を阻害する。抗体SRF381は、U937細胞において81ng/mlの平均IC50(n=2)でSTAT1のリン酸化を阻害した。抗体SRF388は、U937細胞において96ng/mlの平均IC50(n=2)でSTAT1のリン酸化を阻害した。
抗IL-27抗体を、本質的に図3Bに関して記載の通りに、フローサイトメトリーにより、細胞表面Fc受容体を発現しない皮膚T細胞性リンパ腫株HUT-78におけるSTAT1のIL-27媒介性リン酸化を阻害する能力について試験した。図3Dに示すように、抗IL-27抗体は、HUT-78細胞におけるSTAT1のリン酸化を阻害した。抗体SRF381は、HUT-78細胞において80ng/mlのIC50(n=1)でSTAT1のリン酸化を阻害した。抗体SRF388は、HUT-78細胞において95ng/mlのIC50(n=1)でSTAT1のリン酸化を阻害した。
本開示は、全血アッセイにおける種間でのSRF388によるIL-27阻害も評価した。種間でのSRF388活性を特徴評価するために、ヒト、カニクイザル、ラット、及びマウス由来の組換えIL-27を試験して、これらの種から得た全血試料のTリンパ球におけるpSTAT1シグナル伝達を刺激した(データは示さず)。
簡潔には、全血を37℃まで加温し、その後SRF388と60分間プレインキュベーションし、20ng/mLのヒトIL-27を加えた。試料を、さらに30分間インキュベートした。白血球を固定し、赤血球を溶解した。洗浄後、固定した細胞を透過処理し、抗CD3及び抗リン酸化STAT1(Y701)を用いて染色した。1時間のインキュベーション後、試料を洗浄し、再懸濁して、フローサイトメトリーを行った。阻害率(%)を、刺激及び未刺激対照ウェルを使用して計算し、IC50値を、GraphPad Prismを使用して計算した。
ヒトT細胞におけるSRF388シグナル伝達阻害に関する代表的なデータを、図3Eに示す。様々な種に対するSRF388の親和性で得られた所見と一致して、SRF388によるIL-27シグナル伝達阻害の効力はヒトにおいて最も強く、次にカニクイザル、ラット、及びマウスが続いた(例えば、表7を参照されたい)。
略語:IC
50=最大阻害濃度の半分、N/A=該当せず
実施例5:抗IL-27抗体によるCD161のIL-27媒介性阻害の低下
C型レクチンCD161は、IL-27によって発現が抑制されるT細胞のマーカーである。実施例2に記載の抗IL-27抗体を、フローサイトメトリーにより、プールされたヒトPBMCにおけるCD161のIL-27媒介性阻害を逆転させる能力について試験した。簡潔には、バフィーコートから得たプールされたヒトPBMC(末梢血単核細胞)の凍結クライオバイアルを、液体窒素貯蔵庫から取り出し、37℃の水浴にて素早く解凍した。各クライオバイアルの内容物を、P1000ピペットを用いて取り出し、15mLコニカルファルコンチューブに移した。2~3mLの完全RPMI-1640(Gibco,61870-036)を解凍した細胞にゆっくりと加え、細胞を穏やかにかき回すかまたは、フリックして懸濁させた。コニカルチューブに完全RPMI-1640を最大10mLまで補充し、チューブを逆さにして混合した。コニカルチューブを、1400RPMで室温にて8分間遠心分離した。
5日間のアッセイ中の蒸発の影響を最小限に抑えるため、外側の壁の使用は避けた。外側のウェルには、200μL/ウェルのDPBS(Gibco,14190-144)を充填するべきである。PBMC細胞を、温かい、完全RPMI-1640に、200万個の細胞/mLの密度で再懸濁した。精製ヒト抗CD3抗体(Biolegend,UCTH1、番号300402)を、0.5μg/mLの濃度にて加えた(これは最終濃度の2倍である)。100μL/ウェルのこの細胞混合物(200,000個の細胞/ウェル)を、丸底96ウェルプレート(Costar,3799)にプレーティングする。
抗IL-27抗体を、96ウェルポリプロピレンプレートの一列目にて完全RPMI-1640に希釈して、40μg/mlの最高濃度とした(最終10μg/mlとなるだろう)。必要に応じて、段階希釈(1:2、1:3、など)を、プレートの最初の10列の残りにて行った。50μLの抗体ストック(4倍)を、丸底プレートのPBMC細胞のプレートの最初の10列に加えた。列11及び12では、50μLの完全RPMI-1640を加えた。
抗IL-27抗体の添加後、完全RPMI-1640に希釈した50μlの100ng/ml組換えヒトIL-27(R&D Systems、番号2526-IL)を、各ウェル(血清不含培地または抗体のみを含む対照ウェルを除く)に加え、最終濃度を25ng/mlとした。50μLの完全RPMI-1640を、対照ウェルに加えた。プレートを、組織培養インキュベーター内で干渉を最小限に抑えながら5日間37℃にてインキュベートした。
5日間のインキュベーション後、プレートをインキュベーターから取り出し、プレートシェーカー上で30秒間600RPMにて攪拌した。プレートを、1800RPMにて5分間遠心分離した。培地を取り出し、追加のアッセイのために取っておき、プレートを150μL DPBS(Gibco、番号14190-144)を用いて洗浄した。洗浄工程を、さらに2回繰り返した。細胞ペレットを、以下の表8に記載するように、50μL/ウェルの染色カクテルを用いて染色した。
プレートを、プレートシェーカー上で30秒間600RPMにて撹拌し、プレートを30分間室温にて暗所でインキュベートした。
30分間のインキュベーション後、プレートを遠心分離し、フリックすることにより上清を廃棄した。プレートを、前述の通りに2回洗浄した。最後の洗浄後、細胞ペレットを、50μL 4%PFA(Pierce,28906)を含むDI水を、室温にて10分間加えることにより固定した。100μLのFASC緩衝液を各ウェルに加え、プレートを1800RPMで5分間遠心分離した。細胞を、100μL FACS緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーにより読み取った。
図4に示すように、抗IL-27抗体は、図示の通り、CD161のIL-27媒介性阻害を低下させた。
実施例6:抗IL-27抗体の追加のin vitro特徴評価を含む、抗IL-27抗体による、TNFα、IL-6、及び他のサイトカインのPD-1媒介性分泌の増強
抗IL-27抗体を、がん患者由来のヒトPBMC細胞におけるTNFα及びIL-6のPD-1媒介性分泌を増強する能力について試験した。がん患者由来のヒトPBMC細胞を、本質的に実施例5に記載の通りに培養し、図示するように、1μg/mLにて抗PD-1抗体を受けるウェルも追加した。アッセイからの上清を、ヒトCBA Th1/Th2/Th17キット(BD,560484)を使用してTNFα及びIL-6について分析した。図5A及び5Bに示すように、抗IL-27抗体は、プールされたヒトPBMC細胞におけるTNFα及びIL-6のPD-1媒介性分泌を増強する。
本明細書中の技術により、ヒトPBMCにおけるSRF388単剤療法及び抗PD-1との組み合わせのサイトカイン誘導活性も示された。IL-27は、いくつかの炎症性サイトカインの発現を負に制御することが公知である。サイトカイン産生に対するIL-27遮断の効果を決定するために、健常ドナー、RCC患者、及び卵巣癌患者からのヒトPBMCを、SRF388の存在下または非存在下で抗CD3で数日間活性化し、IL-17、IFNγ、TNFα及びIL-6を含むサイトカインの分泌レベルに関して試験した。簡潔には、4人の健常ドナー、5人のRCC患者、及び2人の卵巣癌患者からの新鮮な全血から単離したPBMCを、SRF388(1μg/mL)の非存在下もしくは存在下での0.25μg/mL抗CD3抗体、抗PD1(ペムブロリズマブ、1μg/mL)または両方の抗体により活性化した。5日後、上清を収集し、MSDまたはCBAにより、TNFα(A)またはIFNγ(B)のレベルに関して試験した。示すデータは、抗CD3刺激単独と比較したサイトカイン産生における倍率変化を表す。統計は、対応のあるt検定によって計算した(*p<0.005)。
抗PD-1抗体をこれらのアッセイにおける対照として使用し、図5Cに示すようにPD-1及びIL-27遮断の組み合わせも調査した。SRF388処置により、試験したPBMC試料11のうち6においてTNFα産生が増加し(2倍を超える増加により決定)、これには4人中2人の健常ドナー、5人中3人のRCC患者、2人中1人の卵巣癌患者が含まれた。ドナーのサブセットにおいて試験した場合、この活性はSRF388用量依存性であった(データは示さず)。抗PD-1(ペンブロリズマブ)処置は、試験した11人中2人(RCC5人中1人、卵巣癌2人中1人)においてTNFαの増加を示し、一方でSRF388及び抗PD-1の組み合わせは、ドナー11人中10人において増加をもたらした。併用処置条件で見られたTNFαの増加は、10人中8人の応答者で相加的であるように思われた。SRF388及び抗PD-1処置後、これらの培養物においてIFNγ産生に関する相加効果が観察された(ドナー11人中10人)。しかしながら、抗PD-1処置単独に対する応答は、SRF388(ドナー11人中2人)と比較して、より頻度高く見られた(ドナー11人中10人)。まとめると、これらのデータは、SRF388が、健常ドナー及びがん患者からの活性化PBMC培養物におけるTNFαレベルを増加させ、SRF388及び抗PD-1処置の組み合わせが、いずれかの処置単独と比較してより高いレベルのTNFα及びIFNγをもたらすことを示す。
IL-27及びPD-1遮断の役割をさらに調査するために、同じ活性化PBMC培養系を使用して、IL-27がPD-1遮断によって引き起こされる増加したサイトカイン産生の作用を直接打ち消すことができるか否かを決定した。簡潔には、ヒト全血から新鮮に単離されたPBMCを、0.25μg/mL抗CD3抗体によって活性化した。細胞を、対照IgG1(1μg/mL)、αPD-1抗体(ペムブロリズマブ、1μg/mL)単独、rhIL-27(25ng/mL)プラスαPD-1またはrhIL-27プラスαPD-1とSRF388(1μg/mL)のいずれかで37℃にて5日間処置した。上清を収集して、CBA検出を行った。4人の健常ドナーからの例としてのサイトカイン(IL-17A及びIFNγ)を、対照に対する倍率変化として示した。平均及び標準偏差を示した。統計は、対応のあるt検定によって計算した(*p<0.05、**p<0.01)。同様の結果が、RCC患者からのPBMCにおいても見られた。PD-1遮断は、IL-17及びIFNγの両方をこれらの培養物において増加させ、IL-27はこの活性、つまり図5Dにおいて示す通りのSRF388の存在下で逆転された応答を完全に阻害し得た。これらのデータは、IL-27が、サイトカイン産生に対する抗PD-1処置の効果を弱めることができることを示す。
それゆえ、IL-27が、SRF388によって遮断された特性である、活性化されたヒトPBMCにおける抗PD-1媒介性炎症促進性サイトカインの産生を阻害することが示された。さらに、PD-1遮断と組み合わせたSRF388は、健常ドナー及びRCC患者からの活性化PBMCにおけるサイトカイン産生の増加をもたらした。ゆえに、IL-27を遮断することにより、SRF388は免疫制御受容体発現を変化させ、炎症性サイトカイン産生を増加させることにより、免疫細胞の活性化を増強する。
抗IL-27抗体(本明細書では、SRF388)、αPD-1抗体、または抗IL-27及びαPD-1抗体の組み合わせの存在下での個々の抗IL-27抗体の追加の特徴評価では、サイトカイン誘導/分泌のさらなる特徴評価を実施した(図5E、具体的には、TNFα、IFNγ、IL-6及びIL-17Aについて)。in vitro用量応答曲線を、さらにSRF405、SRF410、SRF411、SRF414、SRF416、SRF536、SRF543、SRF529、SRF381、SRF388及びAb7抗体のいくつかのIL-27媒介性シグナル伝達作用にわたって得た(図5F~5K、ここで:図5Fは、漸増濃度の抗IL-27抗体にわたるU937(リンパ腫)細胞におけるpSTAT1シグナルの阻害を示し;図5Gは、漸増濃度の抗IL-27抗体にわたるPBMC(末梢血単核細胞)におけるpSTAT1シグナルの阻害を示し;図5Hは、漸増濃度の抗IL-27抗体にわたるPBMC(末梢血単核細胞)におけるCD161シグナルに対する効果の変動を示し;図5Iは、漸増濃度の抗IL-27抗体にわたるCD4Tリンパ球(CD4細胞)におけるPD-L1シグナルに対する効果の変動を示し;図5Jは、漸増濃度の抗IL-27抗体にわたる単球におけるPD-L1シグナルに対する効果の変動を示し;図5Kは、漸増濃度の抗IL-27抗体にわたる単球におけるTIM-3シグナルに対する阻害性効果の変動程度を示す)。
実施例7:抗IL-27抗体によるPD-L1及びTIM3のIL-27媒介性発現の阻害
実施例1及び2に記載の抗IL-27抗体を、フローサイトメトリーにより、プールされたヒト単球におけるIL-27媒介性発現PD-L1及びTIM-3を阻害する能力について試験した。
新鮮な単球を、RosetteSep(商標)ヒト単球濃縮カクテル(Stemcell番号15068)を使用してヒトバフィーコートから単離した。
5日間のアッセイ中の蒸発の影響を最小限に抑えるため、外側の壁の使用は避けた。外側のウェルには、200μL/ウェルのDPBS(Gibco,14190-144)を充填するべきである。単球を、温かい、完全RPMI-1640に、200万個の細胞/mLの密度で再懸濁した。100μL/ウェルのこの細胞混合物を、丸底96ウェルプレート(Costar,3799)にプレーティングした(200,000個の細胞/ウェル)。
抗IL-27抗体を、96ウェルポリプロピレンプレートの一列目にて完全RPMI-1640に希釈して、40μg/mlの最高濃度とした(最終濃度は10μg/ml)。必要に応じて、段階希釈(1:2、1:3、など)を、プレートの最初の10列の残りにて行った。50μLの抗体ストック(4倍)を、丸底プレートのPBMC細胞のプレートの最初の10列に加えた。列11及び12では、1250μLの完全RPMI-1640を加えた。
抗IL-27抗体の添加後、完全RPMI-1640に希釈した50μlの80ng/ml組換えヒトIL-27(R&D Systems,2526-IL)を、各ウェル(血清不含培地または抗体のみを含む対照ウェルを除く)に加えて、最終濃度を20ng/mlとした。100μL血清不含RPMI-1640を、対照ウェルに加えた。プレートを、干渉を最小限に抑えながら3日間37℃にてインキュベートした。
3日間のインキュベーション後、プレートをインキュベーターから取り出し、プレートシェーカー上で30秒間600RPMにて攪拌した。プレートを、1800RPMにて5分間遠心分離した。フリックして培地を廃棄し、プレートを150μL DPBS(Gibco,14190-144)を用いて洗浄した。洗浄工程を、2回繰り返した。細胞ペレットを、以下の表9に記載するように、50μL/ウェルの染色カクテルを用いて染色した。
プレートを、プレートシェーカー上で30秒間600RPMにて撹拌し、プレートを30分間4℃にて暗所でインキュベートした。
30分間のインキュベーション後、プレートを遠心分離し、フリックして上清を廃棄した。プレートを、前述の通りに2回洗浄した。最後の洗浄後、細胞ペレットを、50μL 4%PFA(Pierce,28906)を含む脱イオン(DI)水を、室温にて10分間加えることにより固定した。100μLのFASC緩衝液を各ウェルに加え、プレートを1800RPMにて5分間遠心分離した。細胞を100μl FACS緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーにより分析した。
図6A、6B及び6Cに示すように、抗IL-27抗体は、プールされたヒト単球におけるPD-L1及びTIM3のIL-27媒介性発現を強力に阻害する。
抗IL-27抗体を、本質的に図6A、6B及び6Cに関して記載の通りに、休止T細胞(不活化)におけるPD-L1のIL-27媒介性発現を阻害する能力についてさらに試験した。休止T細胞を、RosetteSep(商標)ヒトT細胞濃縮カクテル(Stemcell番号15061)を使用してヒトバフィーコートから単離した。
アッセイの終わりに、細胞ペレットを、以下の表10に記載するように、50μL/ウェルの染色カクテルを用いて染色した。
プレートを、プレートシェーカー上で30秒間600RPMにて撹拌し、プレートを30分間4℃にて暗所でインキュベートした。
30分間のインキュベーション後、プレートを遠心分離し、フリックして上清を廃棄した。プレートを、前述の通りに2回洗浄した。最後の洗浄後、細胞ペレットを、50μL 4%PFA(Pierce,28906)を含むDI水を、室温にて10分間加えることにより固定した。100μLのFASC緩衝液を各ウェルに加え、プレートを1800RPMにて5分間遠心分離した。細胞を、100μL FACS緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーにより読み取った。図6Dに示すように、抗IL-27抗体は、プールされたヒト休止T細胞におけるPD-L1のIL-27媒介性発現を強力に阻害する。
実施例8:黒色腫の播種性B16F10モデルにおける抗IL-27抗体のin vivo有効性
黒色腫肺転移のモデルを使用して、臨床候補SRF388を使用するIL-27遮断の抗腫瘍活性を評価した。播種性B16F10肺転移の増殖は、EBI3及びIl27ra(Wsx-1)欠損マウスにおいて有意に低下することが公知である(Sauer et al.,J.Immunology 181:6148-6157)。肺結節のサイズ及び増殖速度論が、転移したB16F10細胞の数に依存し、可変的及び急速に進行し得るため、抗PD-1及び抗CTLA-4の組み合わせを治療活性のベンチマークとして研究した。SRF388前処置により、全体的な腫瘍量の有意な減少がもたらされた。in vivoでの抗IL-27抗体の抗腫瘍有効性を評価するために、B16F10黒色腫腫瘍モデルにおける腫瘍増殖に対するAb14の効果を評価した。
簡潔には、6~8週齢の雌C57BL/6マウス(n=10/群)に、200μLリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.5×105個のB16F10細胞または1×105個のB16-Luc細胞のいずれかを、尾静脈を介して、静脈内(i.v.)接種した。動物に、SRF388(1mg用量)(Wuxi;ロット2108SD170316K01X01I01)またはポリクローナルヒトIgGアイソタイプ対照(1mg用量)(Bioxcell;BE0092;ロット658417D1)を腹腔内(i.p.)注射した。抗体を、腫瘍注射の7日前に開始して、週1回、合計4回(-7日、0日、7日、14日)投与した。肺転移の視覚計数のために、B16F10腫瘍を有するマウスを、腫瘍細胞注入18日後にCO2窒息により安楽死させ、肺を心臓穿刺を介してPBSで灌流し、取り出し、10%中性緩衝ホルマリン中で24時間固定した。次に、固定した肺を、70%エタノールに移し、表面肺転移を視覚的に計数した。免疫組織化学分析に関しては、ホルマリン固定肺(n=5/群)をパラフィン包埋し、切片化し、ヘマトキシリン及びエオシンを用いて染色して、各切片における総組織面積の割合(%)として総腫瘍面積を定量化した。肺転移のin vivo腫瘍イメージングに関しては、B16-Luc腫瘍を有する動物に、200μl PBS(Promega)中3mgのVivoGlo D-ルシフェリンを、週2回、尾静脈を介して静脈内注射した。ルシフェリン注射の5分後に、動物を麻酔し、IVIS Lumina LTシリーズIIIイメージャーを使用して生物発光イメージングを行った。画像は、Living Image(バージョン4.5.5)ソフトウェアを使用して分析し、フォトン/秒の総フラックス測定値として表す。
図7A~7Dに示すように、B16F10腫瘍を有するマウスを、抗IL-27抗体SRF388を用いて処置すると、表面肺転移の総数(肺結節の数、図7A)及び免疫組織化学(IHC)分析による肺組織切片における腫瘍面積の低下(図7C及び図7D)によって測定して、全体的な腫瘍量における有意な低下がもたらされた。SRF388を用いたp28の遮断により、アイソタイプ対照処置と比較して、肺B16結節の数が42%減少した。SRF388処置は、アイソタイプ対照と比較してB16F10肺転移の増殖を有意に阻害した(p=0.0079)(それぞれ、21.6±8.4対37.6±10.9肺結節)。SRF388処置により、IHCによって測定して、全体の肺腫瘍転移面積が83%減少した(アイソタイプ対照群では16.43±1.39%であるのに対し、SRF388処置群では2.83±1.45%)。同様に、生物発光イメージングにより、SRF388処置がB16-Luc肺転移の増殖を有意に(p=0.0062)遅延させたことが明らかになった(図7B)。表面肺転移数及び総腫瘍面積において同様の減少が、IL-27RA(WSX-1)媒介性抗体遮断及び抗PD-1+抗CTLA-4併用療法で観察され、これは図7Dに示す通りである。これらのデータは、抗PD-1及び抗CTLA-4のベンチマーク組み合わせが抗腫瘍活性を示した2つの独立した実験からのものである。B16F10細胞(2.5×105)を、C57BL/6マウス(n=10/群)に静脈内注射した。マウスを、1mgのSRF388、抗IL-27RA(WSX-1)、またはヒトIgGアイソタイプ対照抗体のいずれかを用いて腹腔内処置した(-7日、0日、7日、14日)。一部の動物は、抗PD-1及び抗CTLA-4を用いて腹腔内処置した(0日、4日、7日、及び11日)。肺を、上記のように処置したB16F10肺転移を有する動物(n=5/群)から収集し、切片化し、H&Eを用いて染色した。B16F10腫瘍組織を、処置された動物からのH&E染色済み肺切片における正常肺組織から描写した(図7A)。腫瘍面積は、総肺面積の割合(%)として計算した(図7D)。統計は、t検定によって計算した。まとめると、これらのデータは、SRF388が腫瘍モデルにおいてIl27ra(WSX-1)及びEBI3欠損症を表現型コピーでき、PD-1及びCTLA-4の組み合わせた遮断と同様の活性を示すことを実証する。
これらのデータは、抗IL-27抗体(SRF388)を用いた処置が、抗腫瘍効果をもたらし、腫瘍増殖及び転移の両方を、IL-27と結合しないアイソタイプ対照抗体を用いた処置よりも大きい程度に低下することを実証する。
実施例9:ヒトIL-27ミニサークルを流体力学的にトランスフェクトしたマウスからのマウス脾臓細胞の遺伝子発現プロファイリング
in vivoでのT細胞表現型に対するIL-27の効果を調べるために、IL-27をコードするDNAミニサークルを使用して、マウスにおいてIL-27を過剰発現させ、T細胞応答をRNA-Seq及びフローサイトメトリーにより評価した。ヒトIL-27は、種交差反応性であることが知られており、in vitroでマウス脾臓細胞においてpSTAT1シグナル伝達及びPD L1を誘導することができる。この種交差反応性を使用して、マウスにおけるヒトIL-27過剰発現の効果及びSRF388によるその阻害を研究した。これを行うために、ヒトIL-27をコードするDNAプラスミドミニサークル(p28がグリシンセリンリンカーによってEBI3に係留している)を、下記の通りに流体力学的トランスフェクションによってマウスに投与し、IL-27の全身レベルを高めた。
ヒトIL-27ミニサークルの流体力学的トランスフェクション
6週齢の雌BALB/cマウスに、2mLの0.9%生理食塩水中、20μgの空ベクターまたは連結されたヒトIL-27ミニサークルDNA(System Biosciences,Palo Alto,CA)のいずれかを、尾静脈を介して、5秒間かけて注射した。注射された動物を、加熱パッドを備えた空のケージに移し、5分間回復させた。全血を、K2-EDTAチューブに収集し、ミニサークル注射の24時間後に血漿分離し、ELISAにより血漿IL-27レベルを確認した。トランスフェクションの5日後にPBMC及び総脾臓細胞を収集し、細胞を染色し、フローサイトメトリーにより分析した。指示するマーカーの発現を、CD4+T細胞及びCD8+T細胞で分析した。分析は、FlowJoソフトウェアを使用して行った。
遺伝子発現プロファイリング
マウス脾臓細胞は、全脾臓を機械的に解離し、その後赤血球をACK溶解することによって調製した。総RNAを、脾臓細胞から、RNeasy(登録商標)ミニキット(Qiagen、カタログ番号74104)を用いて抽出し、ヌクレアーゼ不含水(Qiagen、カタログ番号19101)中20ng/ulに調整した。遺伝子発現プロファイリングを、Affymetrix GeneChip(商標)Mouse Gene 2.0 ST Arrays(Applied Biosystems、カタログ番号:902118)で実行した。RNA試料の処理、ハイブリダイゼーション及びアレイスキャンを、Boston University Microarray and Sequencing Resource (BUMSR)にて標準的なAffymetrix GeneChip(商標)プロトコルを使用して実行した。全てのCELファイルを、Robust Multi-array Average(RMA)(Irizarry et al.,2003)によって正規化し、遺伝子発現データを、未発現プローブを削除し、高い複製間変動係数を有する転写物を破棄することによって前処理した。その後の分析(平均発現、倍率変化、t検定)は、Rにて行った。
フローサイトメトリー分析
全血及び脾臓を、ミニサークル注射の5日後にマウスから収集した。脾臓細胞を、トランスフェクションの5日後にIL27発現マウスから収集し、Affymetrix GeneChip Mouse Gene 2.0 ST Arrayによって分析した。単細胞脾臓細胞懸濁液は、40μmナイロンセルストレーナーを通した機械的解離と、それに続くACK緩衝液での赤血球溶解によって調製した。全血細胞を直接染色した後、製造業者(BD Biosciences,San Jose,CA)の指示に従ってBD Phosflow Lyse/Fix緩衝液中で赤血球を溶解及び固定した。FcγRIII/IIを、細胞を、2%FBS及び2mM EDTAを含むPBS中のラット抗マウスCD16/CD32mAb(1μg/100万個の細胞;Biolegend,San Diego,CA)とプレインキュベートすることにより遮断した。細胞を、マウスCD4(クローンGK1.5)、CD8(53-6.7)、PD-L1(10F.9G2)、TIM3(RMT3-23)、LAG3(C9B7W)、及びTIGIT(1G9)に対して、APC-、PE-、Brilliant Violet 510-、及びBrilliant Violet711-コンジュゲートmAbを用いて染色した(Biolegend)。LSRFortessa X-20フローサイトメーター(BD Biosciences)を使用して、細胞関連蛍光を測定し、FlowJoソフトウェア(Tree Star,Ashland,OR)を使用して分析を行った。
統計分析
統計学的有意性は、指示するように、対応のある、対応のない、または比のスチューデントのt検定を使用して、GraphPad Prismソフトウェアを使用して決定した。比のt検定を使用した場合、0.1をゼロ値に追加して、それらをゼロではなくした。0.05未満のP値は有意であるとみなした。
IL-27は、in vivoでT細胞による阻害性受容体の発現を促進する
図8Aに示すように、IL-27の投与に応答して、400を超える遺伝子が1.0倍以上変化した。これらの遺伝子のサブセットを表11に示す。これらの遺伝子の中には、免疫応答において重要な役割を担う免疫阻害性受容体をコードする遺伝子があった。図8Bに示すように、Ly6a(Sca-1をコードする)、Lag3、Tigit及びIl10は、IL-27に応答して脾臓細胞で上方制御された。Ctla4及びCd274(PD-L1をコードする)のIL-27媒介性上方制御への傾向もあったが、1倍未満の誘導であった(データは示さず)。発現データを検証するために、フローサイトメトリーを利用して、これらのマウス由来のT細胞でのPD-L1、LAG-3、TIGIT及びTIM-3のタンパク質発現を評価した。IL-27ミニサークルの投与は、脾臓の(脾臓)及び末梢血(PBMC)CD4+T細胞におけるPD-L1、LAG-3及びTIGITの上方制御をもたらした。CD8+T細胞では、IL-27ミニサークルは、PD-L1、LAG-3、TIGIT、及びTIM-3を上方制御した。図8Cに示すように、IL-27ミニサークルの投与は、脾臓の及び末梢血CD4+T細胞におけるPD-L1、Lag-3、及びTigitの上方制御をもたらした。CD8+T細胞では、IL-27ミニサークルは、PD-L1、Lag-3、Tigit、及びTim-3を上方制御した。これらのデータは、IL-27が、in vivoで免疫制御性受容体発現を駆動する上で重要な役割を担うことができることを示す。
SRF388が、in vivoでミニサークル由来ヒトIL-27を遮断する能力を調査するために、脾臓細胞における酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)による標的結合及び免疫制御性受容体発現の両方を研究した。IL-27トランスフェクション及びSRF388(50mg/kg)を用いた処置の5日後に、血漿をマウスから収集して、Meso Scale Discovery(MSD)によってIL-27ヘテロ二量体及びEBI3レベルを分析した。IL-27ヘテロ二量体アッセイは、SRF388及びヒト特異的EBI3検出抗体をクロスブロックするp28捕捉抗体を利用する;それゆえ、SRF388がIL-27に結合している場合、その検出は遮蔽されることになる。EBI3アッセイは、ヒトEBI3の2つの別個のエピトープに特異的な捕捉抗体及び検出抗体の両方を利用し、ミニサークル由来のIL-27が係留されたヘテロ二量体であるため、このアッセイにより、SRF388結合に関係なく、総IL27の検出が可能になる。
簡潔には、6週齢の雌Balb/cマウスに空ベクター(対照)またはヒトIL-27のいずれかを注射した。ミニサークルトランスフェクションの7日前及び当日(-7日と0日)に、マウスを、1mgのSRF388または抗DNP IgG1アイソタイプ対照抗体のいずれかを用いて処置した。全血を収集し、血漿をIL-27(図8D)に関してMeso Scale Discoveryにより分析した。図8Dは、MSDにより、SRF388処置が血漿中のIL-27検出を完全に阻害することを示す。同様のデータが、25mg/kgの用量のSRF388を試験したときに見られた。これらのデータは、25mg/kg以上の用量でのSRF388がミニサークル由来IL-27をin vivoで完全に飽和させることができることを示す。この完全な標的結合は、pSTAT1機能性アッセイにおいても確認された。
SRF388がin vivoでIL-27の活性を遮断する能力を評価するために、PD L1、Tim-3、Lag-3、及びTigitの発現を、マウスPBMC及び脾臓細胞においてフローサイトメトリーにより分析した。SRF388は、CD4+PBMCにおけるIL27誘導性PD-L1及びLag3発現、ならびにCD8+PBMCにおけるPD-L1、Tim-3、Lag-3、及びTigit発現を有意に遮断した。SRF388処置は、CD4+脾臓細胞におけるIL27誘導性PD-L1、Lag-3、及びTigit発現、ならびにCD8+脾臓細胞におけるPD-L1及びLag3発現も遮断した。これらのデータは、SRF388が、in vivoでヒトIL-27と結合でき、その活性を遮断できることを示す。
これらの結果は、in vivoでのIL-27の異所性発現が、T細胞による複数の阻害性受容体、及び脾臓細胞における免疫制御活性を伴ういくつかの他の分子の上方制御をもたらすことを実証する。これらのデータは、IL-27拮抗作用(例えば、抗IL-27抗体を用いた処置による)が、T細胞上の阻害受容体の発現を低減させ得、それによって免疫応答を増加させることを示す。
実施例10:SRF388結合特性及びIL-27受容体遮断
SRF388濃度を1μg/mLとして、0~5.0μg/mLの範囲の濃度での組換えヒトIL-27の会合及び解離を決定した。表14に、データに対するモデルの当てはめの良さを実証する結合モデルフィットパラメータ(R2及びχ2)とともに、最終的な結合速度論パラメータを示す。
ヒトIL-27は、この研究で試験された全ての種のSRF388に対して最も強い結合親和性を示した(3.86pM)。組換えラット及びカニクイザルIL-27も、SRF388に対して強い親和性を示し、それぞれ80.9及び37.4pMの値であったが、ヒトタンパク質よりもやや弱いものであった。組換えマウスIL-27は、ヒトタンパク質と比較してSRF388に対する親和性が最も低く、会合速度が遅く、解離速度が速いことにより示されるように、値はnM範囲であった(4.43nM)。
略語:IL-27=インターロイキン27、k
a=会合定数、k
d=解離定数、K
D=結合親和性
注釈:R
2値>0.95及びχ2値<3.0は、データに対してモデルの当てはめが良いことを示す。
実施例11:CDR配列のアライメント
本開示の抗IL-27抗体の多くのサブセレクションは、それらのCDR領域にわたって配列相同性を共有し、機能性を保持するものとして検証されている多様な変異型CDR配列を提供する。以下のコンセンサスCDR配列が、本開示により完全に支持され、それゆえ本開示の範囲内であることが、本明細書で明確に企図されている。
SRF388、SRF381、SRF382、SRF384、SRF386、及びSRF529抗体に関して、これらの抗IL-27抗体のそれぞれのCDR配列のアライメントにより、可変残基によって区切られた広範な相同性が明らかになった。具体的には、重鎖CDR1アライメントにより、以下の可変残基が明らかになった:
HCDR1(IMGT)
CLUSTAL O(1.2.4)複数配列アライメント
1 GFTFRSYG 8 (配列番号161)
5 GFTFRSYG 8 (配列番号73)
4 GFTFASYG 8 (配列番号139)
2 GFTFSRTG 8 (配列番号95)
3 GFTFSRYG 8 (配列番号117)
6 GFTFSSYS 8 (配列番号51)
****
それゆえ、これらの相同抗体のコンセンサス重鎖CDR1(IMGT)配列は、N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号412)であり、従って、コンセンサス重鎖CDR1(IMGT)配列として本明細書でより一般的に企図されるのは、N-GFTFXXXX-C(配列番号408)であり、Xは任意のアミノ酸残基である。
SRF388、SRF381、SRF382、SRF384、SRF386、及びSRF529抗体重鎖CDR2(IMGT)配列のアライメントにより、以下が明らかになった:
HCDR2(IMGT)
CLUSTAL O(1.2.4)複数配列アライメント
10 ISSSGSYI 8 (配列番号162)
11 ISSSSSYI 8 (配列番号140)
7 ISSSSSYI 8 (配列番号74)
9 ISSSSSYI 8 (配列番号96)
8 ISSSSAYI 8 (配列番号118)
12 ISSSSSYI 8 (配列番号52)
****.:**
それゆえ、これらの相同抗体のコンセンサス重鎖CDR2(IMGT)配列は、N-ISSS[S/G][S/A]YI-C(配列番号413)であり、従って、コンセンサス重鎖CDR2(IMGT)配列として本明細書でより一般的に企図されるのは、N-ISSSXXYI-C(配列番号409)であり、Xは任意のアミノ酸残基である。
ヒトCDR1(NT)及びヒトCDR2(NT)配列のアライメントにより、さらに以下が明らかになった:
HCDR1(NT)
CLUSTAL O(1.2.4)複数配列アライメント
13 FTFRSYGMN 9 (配列番号76)
16 FTFRSYGMN 9 (配列番号164)
17 FTFASYGMN 9 (配列番号142)
14 FTFSRTGMN 9 (配列番号98)
15 FTFSRYGMN 9 (配列番号120)
18 FTFSSYSMN 9 (配列番号54)
*** ***
HCDR2(NT)
CLUSTAL O(1.2.4)複数配列アライメント
23 GISSSGSYIYYADSVKG 17 (配列番号165)
19 SISSSSSYIYYADSVKG 17 (配列番号77)
20 SISSSSSYIYYADSVKG 17 (配列番号99)
22 SISSSSSYIYYADSVKG 17 (配列番号143)
21 SISSSSAYILYADSVKG 17 (配列番号121)
24 SISSSSSYIYYADSVKG 17 (配列番号55)
.****.:** *******
それゆえ、これらの相同抗体のコンセンサス重鎖CDR1(NT)及びCDR2(NT)配列は、それぞれ、N-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]MN-C(配列番号414)及びN-[G/S]ISSS[S/G][S/A]YI[L/Y]YADSVKG-C(配列番号415)である。これらのコンセンサス配列を考慮して、本明細書でより一般的に企図されるのは、それぞれ、コンセンサス重鎖CDR1(NT)及びCDR2(NT)配列N-FTFXXXXMN-C(配列番号410)及びN-XISSSXXYIXYADSVKG-C(配列番号411)であり、Xは任意のアミノ酸残基である。
重鎖CDR3(IMGTまたはNT)及び軽鎖CDRのCDR1(IMGTまたはNT)、CDR2(IMGTまたはNT)及びCDR3(IMGTまたはNT)は、SRF388、SRF381、SRF382、SRF384、SRF386及びSRF529間で完全に保存されていた。
SRF535及びSRF538モノクローナル抗体に対して同様のCDR配列アライメントを実行することにより、これらの2つの関連抗体に関して以下のコンセンサスCDR配列が明らかになった:
観察された変異(IMGT):
HCDR1(IMGT)-N-GFTFSSYG-C(配列番号361)
HCDR2(IMGT)-N-I[K/W][Q/Y]DGS[E/N]K-C(配列番号445)
HCDR3(IMGT)-N-AR[D/G]AP[WDIYDYYM/EYV]DV-C(配列番号446)
LCDR1(IMGT)-N-QS[I/V]SSY-C(配列番号447)
LCDR2(IMGT)-N-[A/D][A/S]S-C(配列番号448)
LCDR3(IMGT)-N-QQ[S/Y][Y/S][V/L][P/Y]P[W/-]T-C(配列番号449)
コンセンサス(IMGT):
HCDR1(IMGT)-N-GFTFSSYG-C(配列番号361)
HCDR2(IMGT)-N-IXXDGSXK-C(配列番号436)
HCDR3(IMGT)-N-ARXAP[X]n=3-8DV-C(配列番号437)
LCDR1(IMGT)-N-QSXSSY-C(配列番号438)
LCDR2(IMGT)-N-XXS-C(配列番号439)
LCDR3(IMGT)-N-QQXXXXP[X]n=0-1T-C(配列番号440)
観察された変異(NT):
HCDR1(NT)-N-FTFSSYGM[S/H]-C(配列番号450)
HCDR2(NT)-N-[N/V]I[K/W][Q/Y]DGS[E/N]KYY[V/A]DSVKG-C(配列番号451)
HCDR3(NT)-N-AR[D/G]AP[WDIYDYYM/EYV]DV-C(配列番号446)
LCDR1(NT)-N-RASQS[I/V]SSYL[N/A]-C(配列番号452)
LCDR2(NT)-N-[AA/D]SS[LQS/NRAT]-C(配列番号453)
LCDR3(NT)-N-QQ[S/Y][Y/S][V/L][P/Y]P[W/-]T-C(配列番号449)
コンセンサス(NT):
HCDR1(NT)-N-FTFSSYGMX-C(配列番号441)
HCDR2(NT)-N-XIXXDGSXKYYXDSVKG-C(配列番号442)
HCDR3(NT)-N-ARXAP[X]n=3-8DV-C(配列番号437)
LCDR1(NT)-N-RASQSXSSYLX-C(配列番号443)
LCDR2(NT)-N-[X]n=1-2SS[X]n=3-4-C(配列番号444)
LCDR3(NT)-N-QQXXXXP[X]n=0-1TC(配列番号440)
CDR配列のアライメントを、SRF388、SRF381、SRF382、SRF384、SRF386、SRF529、SRF535及びSRF538抗体の全体間でも実行し、これにより以下の観察された変異及びコンセンサス配列が得られた:
観察された変異(IMGT):
HCDR1(IMGT)-N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号454)
HCDR2(IMGT)-N-I[S/K/W][S/Q/Y][S/D][S/G][S/A][Y/E/N][I/K]-C(配列番号455)
HCDR3(IMGT)-N-AR[DGGRTSYTATAHNWF/DAPWDIYDYYM/GAPEYV]D[P/V]-C(配列番号457)
LCDR1(IMGT)-N-QS[VLF/I/V]SS[NNKN/-]Y-C(配列番号459)
LCDR2(IMGT)-N-[W/A/D][A/S]S-C(配列番号461)
LCDR3(IMGT)-N-QQ[H/S/Y][A/Y/S][S/V/L][A/P/Y]P[P/W/-]T-C(配列番号463)
コンセンサス(IMGT):
HCDR1(IMGT)-N-GFTFXXXX-C(配列番号408)
HCDR2(IMGT)-N-IXXXXXXX-C(配列番号456)
HCDR3(IMGT)-N-AR[X]n=6-15DX-C(配列番号458)
LCDR1(IMGT)-N-QS[X]n=1-3SS[X]n=0-4YC(配列番号460)
LCDR2(IMGT)-N-XXS-C(配列番号462)
LCDR3(IMGT)-N-QQXXXXP[X]n=0-1T-C(配列番号464)
観察された変異(NT):
HCDR1(NT)-N-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]M[N/S/H]-C(配列番号465)
HCDR2(NT)-N-[G/S/N/V]I[S/K/W][S/Q/Y][S/D][S/G][S/A][Y/E/N][I/K][L/Y]Y[V/A]DSVKG-C(配列番号467)
HCDR3(NT)-N-AR[D/G][GGRTSYTATAHNWF/APWDIYDYYM/APEYV]D[P/V]-C(配列番号469)
LCDR1(NT)-N-RASQS[I/V]SSYL[N/A]-C(配列番号471)
LCDR2(NT)-N-[WA/AA/D]S[TRES/SLQS/SNRAT]-C(配列番号473)
LCDR3(NT)-N-QQ[H/S/Y][A/Y/S][S/V/L][A/P/Y]P[P/W/-]T-C(配列番号475)
コンセンサス(NT):
HCDR1(NT)-N-FTFXXXXMX-C(配列番号466)
HCDR2(NT)-N-XIXXXXXXXXYXDSVKG-C(配列番号468)
HCDR3(NT)-N-AR[X]n=6-15DX-C(配列番号470)
LCDR1(NT)-N-RASQSXSSYLX-C(配列番号472)
LCDR2(NT)-N-[X]n=1-2S[X]n=4-5-C(配列番号474)
LCDR3(NT)-N-QQXXXXP[X]n=0-1T-C(配列番号476)
SRF543及びSRF414のアライメントも行い、以下の観察された変異及びコンセンサス配列が得られた:
観察された変異(IMGT):
HCDR1(IMGT)-N-GGSFS[R/D]Y[E/Y]-C(配列番号426)
HCDR2(IMGT)-N-ID[W/Y]SG[I/S]T-C(配列番号427)
HCDR3(IMGT)-N-AR[D/L][P/G][M/V]YY[-/Y]DSS[VSTGSV/DLGF]D[V/I]-C(配列番号428)
LCDR1(IMGT)-N-Q[S/D][V/I]S[S/N]Y-C(配列番号429)
LCDR2(IMGT)-N-D[S/A]S-C(配列番号430)
LCDR3(IMGT)-N-QQ[D/Y][S/D]D[H/L]PIT-C(配列番号431)
コンセンサス(IMGT):
HCDR1(IMGT)-N-GGSFSXYX-C(配列番号416)
HCDR2(IMGT)-N-IDXSGXT-C(配列番号417)
HCDR3(IMGT)-N-ARXXXYY[X]n=0-1DSS[X]n=4-6DX-C(配列番号418)
LCDR1(IMGT)-N-QXXSXY-C(配列番号419)
LCDR2(IMGT)-N-DXS-C(配列番号420)
LCDR3(IMGT)-N-QQXXDXPIT-C(配列番号421)
観察された変異(NT):
HCDR1(NT)-N-GSFS[R/D]Y[E/Y]WS-C(配列番号432)
HCDR2(NT)-N-SID[W/Y]SG[I/S]T[N/E]YNPSLKS-C(配列番号433)
HCDR3(NT)-N-AR[D/L][P/G][M/V]YY[-/Y]DSS[VSTGSV/DLGF]D[V/I]-C(配列番号428)
LCDR1(NT)-N-[Q/R]ASQ[S/D][V/I]S[S/N]YL[N/A]-C(配列番号434)
LCDR2(NT)-N-D[S/A]SN[R/L][A/E]T-C(配列番号435)
LCDR3(NT)-N-QQ[D/Y][S/D]D[H/L]PIT-C(配列番号431)
コンセンサス(NT):
HCDR1(NT)-N-GSFSXYXWS-C(配列番号422)
HCDR2(NT)-N-SIDXSGXTXYNPSLKS-C(配列番号423)
HCDR3(NT)-N-ARXXXYY[X]n=0-1DSS[X]n=4-6DX-C(配列番号418)
LCDR1(NT)-N-XASQXXSXYLX-C(配列番号424)
LCDR2(NT)-N-DXSNXXT-C(配列番号425)
LCDR3(NT)-N-QQXXDXPIT-C(配列番号421)
実施例12:選択されたモノクローナル抗体の特性
本開示の選択されたモノクローナル抗体を、様々な機能特性について評価した。ある特定のこのような評価の結果を、図9に表として示した。注目すべきことに、(上記の通りに、BIACORE 2000機器にて表面プラズモン共鳴(SPR)技術により決定して)15nM以下の平衡解離定数(KD)でヒトIL-27への結合を呈した幅広いモノクローナル抗体が同定され(「特性(i)」)、それにはAb7、SRF557、SRF536、SRF416、SRF543、SRF414、SRF529、SRF381、SRF388、SRF382、SRF384、SRF386、SRF410、SRF411、SRF405、SRF535、SRF538が含まれた。
予期せぬことに、選出モノクローナル抗体がWSX-1競合性であることが同定され(「特性(ii)」)、それにはAb7、SRF536、SRF416、SRF543、SRF414、SRF529、SRF381、SRF388、SRF382、SRF384、SRF386、SRF535、及びSRF538が含まれた。
驚くべきことに、pSTAT1 U937を阻害した選出モノクローナル抗体が同定され(「特性(iii)」)、それにはAb7、SRF536、SRF416、SRF543、SRF414、SRF529、SRF381、SRF388、SRF382、SRF384、SRF386、SRF410、SRF411、SRF405、SRF535及びSRF538が含まれた。
注目すべきことに、CD161発現を阻害した選出モノクローナル抗体も同定され(「特性(iv)」)、それにはAb7、SRF536、SRF416、SRF543、SRF529、SRF381、SRF388、SRF382、SRF384、及びSRF386が含まれた。
CD4+T細胞においてPD-L1発現を、注目すべきことに、阻害した選出モノクローナル抗体も同定され(「特性(v)」)、それにはAb7、SRF536、SRF416、SRF543、SRF414、SRF529、SRF381、SRF388、SRF382、SRF384、SRF386、及びSRF535が含まれた。
限られた数のモノクローナル抗体についてのみ試験したが、試験されたこれらの抗体がPD-1媒介性サイトカイン分泌を増強する能力(「特性(vi)」)のばらつきも観察された。具体的には、SRF381及びSRF388抗体は、PD-1媒介性サイトカイン分泌を増強することが注目すべきことに同定されたが、SRF536はそうではなかった。
上記の通りの特性(i)~(vi)のそれぞれを有するモノクローナル抗体を、それゆえ、本明細書で同定している。検査された全ての抗体が特性(i)~(vi)のそれぞれを有すると同定されたわけではなく、それゆえ、これらの特性のサブセレクションを有する選出抗体を集めることができることが明確に企図される。例えば、抗体Ab7、SRF536、SRF416、SRF543、SRF529、SRF381、SRF388、SRF382、SRF384及びSRF386は、特性(i)~(v)のそれぞれを有すると同定された。一方、抗体Ab7、SRF536、SRF416、SRF543、SRF529、SRF381、SRF388、SRF382、SRF384及びSRF386は、特性(iii)及び(iv)のそれぞれを有すると同定された。当業者に明らかであるように、抗体の類似するサブセレクション及び関連特性は、図9に提示される情報から容易に集められる。