JP7328519B2 - 冷間鍛造用鋼材 - Google Patents
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質量%で、
C:0.02~0.25%、
Si:0.005~0.500%、
Mn:0.70超~2.25%、
P:0.030%以下、
S:0.050%以下、
Al:0.005~0.050%、
Cr:0.02~0.30%、
V:0.055~0.280%未満、
Ti:0.005超~0.100%、及び、
N:0.003~0.012%、を含有し、
残部はFe及び不純物、からなり、
前記不純物中のCu、Ni及びMoの合計含有量が0.05質量%以下であり、
式(1)を満たす化学組成を有し、
ミクロ組織が、フェライトと、パーライト及び/又はベイナイトとを含有し、
前記ミクロ組織における前記フェライトの面積率が15~90%である。
[V析出物]/[V含有量]≦0.50 (1)
ここで、式(1)中の[V析出物]はV析出物として析出したV含有量(質量%)を示し、[V含有量]は冷間鍛造用鋼材中のV含有量(質量%)を示す。
[V析出物]/[V含有量]≦0.50 (1)
ここで、式(1)中の[V析出物]はV析出物として析出したV含有量(質量%)を示し、[V含有量]は冷間鍛造用鋼材中のV含有量(質量%)を示す。
質量%で、
C:0.02~0.25%、
Si:0.005~0.500%、
Mn:0.70超~2.25%、
P:0.030%以下、
S:0.050%以下、
Al:0.005~0.050%、
Cr:0.02~0.30%、
V:0.055~0.280%未満、
Ti:0.005超~0.100%、及び、
N:0.003~0.012%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記不純物中のCu、Ni及びMoの合計含有量が0.05質量%以下であり、
式(1)を満たす化学組成を有し、
ミクロ組織が、フェライトと、パーライト及び/又はベイナイトとを含有し、
前記ミクロ組織における前記フェライトの面積率が15~90%である。
[V析出物]/[V含有量]≦0.50 (1)
ここで、式(1)中の[V析出物]はV析出物として析出したV含有量(質量%)を示し、[V含有量]は冷間鍛造用鋼材中のV含有量(質量%)を示す。
[1]に記載の冷間鍛造用鋼材であって、
前記化学組成は、さらに、
Ca:0.005%以下、
Bi:0.10%以下、及び、
Pb:0.09%以下、
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する。
[1]又は[2]に記載の冷間鍛造用鋼材であって、
前記化学組成は、さらに、
Nb:0.10%以下、及び、
B:0.005%以下、
からなる群から選択される1種以上を含有する。
本発明の冷間鍛造用鋼材は、次の元素を含有する化学組成を有する。
炭素(C)は、時効硬化処理後に後述のVと結合してV析出物を形成し、鋼材の強度を高める。その結果、鋼材の疲労強度が高まる。C含有量が0.02%未満であれば、時効硬化処理後の鋼材において、十分な疲労強度が得られない。一方、C含有量が0.25%を超えれば、鋼材の冷間鍛造性が低下する。C含有量が0.25%を超えればさらに、低温靭性が低下する。したがって、C含有量は0.02~0.25%である。C含有量の好ましい下限は0.03%である。C含有量の好ましい上限は0.23%未満であり、さらに好ましくは0.21%である。
シリコン(Si)は、鋼を脱酸する。Si含有量が0.005%未満であれば、この効果が得られない。一方、Siは鋼材中のフェライトを固溶強化する。そのため、Si含有量が0.500%を超えれば、フェライトの強度が高くなりすぎて、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、Si含有量は0.005~0.500%である。Si含有量の好ましい下限は0.007%であり、さらに好ましくは0.010%である。Si含有量の好ましい上限は0.450%であり、さらに好ましくは0.400%である。
マンガン(Mn)は、鋼材のフェライト中に固溶して強度を高める。また、鉄炭化物を安定化させるため、パーライト又はベイナイトの生成を促進し、鋼材の強度を高める。Mn含有量が0.70%以下であれば、これらの効果が得られない。一方、Mn含有量が2.25%を超えれば、鋼材の硬度が高くなりすぎて冷間鍛造性が低下する。Mn含有量が2.25%を超えればさらに、鋼材のフェライト面積率が低下する。したがって、Mn含有量は0.70超~2.25%である。Mn含有量の好ましい下限は0.75%であり、さらに好ましくは0.80%である。Mn含有量の好ましい上限は2.15%であり、さらに好ましくは2.10%である。
燐(P)は、不純物であり、鋼材中に不可避的に含有される。つまり、P含有量の下限は0%超である。Pは鋼中で偏析しやすく、局所的な靭性低下の原因となる。P含有量が0.030%を超えれば、局所的な靭性低下が発生する。したがって、P含有量は0.030%以下である。P含有量の好ましい上限は0.025%であり、さらに好ましくは0.020%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。したがって、P含有量の下限は特に限定されない。しかしながら、P含有量が0.002%であれば、上記の局所的な靭性低下は発生しにくい。さらに、実際の操業において、P含有量を0.002%未満に低下するには製造コストが過剰に高くなる。したがって、P含有量の好ましい下限は0.002%である。
硫黄(S)は、鋼材中に不可避的に含有される。つまり、S含有量の下限は0%超である。SはMnと結合してMnSを形成し、鋼材の被削性を高める。しかしながら、S含有量が0.050%を超えれば、粗大なMnSが生成する。粗大なMnSは割れの起点となるため、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、S含有量は0.050%以下である。S含有量の好ましい上限は0.045%であり、さらに好ましくは0.040%である。過剰な脱硫は製造コストを高める。したがって、S含有量の好ましい下限は0.0005%である。冷間鍛造用鋼材の被削性を有効に高める場合、S含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.006%である。
アルミニウム(Al)は鋼を脱酸する。Al含有量が0.005%未満であれば、その効果が得られない。一方、Al含有量が0.050%を超えれば、過剰にAl窒化物が析出し、Vの析出を阻害する。その結果、耐久比が低下する。したがって、Al含有量は0.005~0.050%である。Al含有量の好ましい上限は、0.045%である。なお、本発明の実施の形態におけるAl含有量とは、鋼中の全Alの含有量を意味する。
クロム(Cr)は、フェライトに固溶してフェライトの強度を高める。その結果、耐久比が高まる。Cr含有量が0.02%未満であれば、この効果が得られない。一方、Cr含有量が0.30%を超えれば、パーライト及び/又はベイナイト組織が粗大化する。その結果、鋼材の低温靭性が低下する。したがって、Cr含有量は0.02~0.30%である。Cr含有量の好ましい下限は0.031%であり、さらに好ましくは0.041%である。Cr含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。
バナジウム(V)は、冷間鍛造後の鋼材に対して時効硬化処理を実施することにより、V析出物を形成する。これにより、時効硬化処理に起因した鋼材の強度低下が抑制される。V含有量が0.055%未満であれば、この効果が得られない。一方、V含有量が0.280%以上では、冷間鍛造前の鋼材の強度が高くなりすぎて、鋼材の冷間鍛造性が低下する。V含有量が0.280%以上ではさらに、鋼材の低温靭性が低下する。したがって、V含有量は0.055~0.280%未満である。V含有量の好ましい下限は0.060%であり、さらに好ましくは0.080%である。V含有量の好ましい上限は0.270%であり、さらに好ましくは0.250%である。
チタン(Ti)は、鋼材の低温靱性を高める。Ti含有量が0.005%以下であれば、この効果が得られない。一方、Ti含有量が0.100%を超えれば、鋼材の冷間鍛造性が低下する。Ti含有量が0.100%を超えればさらに、低温靱性はかえって低下する。したがって、Ti含有量は0.005超~0.100%である。Ti含有量の好ましい上限は、0.050%である。
窒素(N)は、時効硬化処理によりV及びCと結合してV析出物を析出する。N含有量が0.003%未満であれば、この効果が得られない。一方、N含有量が0.012%を超えれば、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、N含有量は0.003~0.012%である。N含有量の好ましい下限は0.003%超であり、さらに好ましくは0.005%である。N含有量の好ましい上限は0.011%であり、さらに好ましくは0.010%である。
銅(Cu)、ニッケル(Ni)及びモリブデン(Mo)は、不純物である。Cu含有量は0%であってもよいし、Ni含有量は0%であってもよいし、Mo含有量は0%であってもよい。つまり、Cu、Ni及びMoの合計含有量は0%であってもよい。
上記の化学組成を有する本発明の冷間鍛造用鋼材はさらに、式(1)を満たす。
[V析出物]/[V含有量]≦0.50 (1)
ここで、式(1)中の[V析出物]は、冷間鍛造後時効硬化処理鋼材において、V析出物として析出したV含有量(鋼材の化学組成を100%としたときの質量%)を示す。[V含有量]は、冷間鍛造用鋼材の化学組成におけるV含有量(質量%)(つまり、鋼材全体でのV含有量)を示す。本明細書において、V析出物として析出したV含有量(鋼材の化学組成を100%としたときの質量%)を「V析出量」ともいう。
fn=[V析出物]/[V含有量]
要するに、fnは式(1)の左辺である。図1は、fnと、冷間鍛造荷重/耐久比との関係を示す図である。図1は次の試験により得られた。
上記冷間鍛造用鋼材の化学組成は、さらに、Ca、Bi及びPbからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。Ca、Bi及びPbは任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Ca、Bi及びPb含有量はそれぞれ、Ca:0.005%以下、Bi:0.10%以下、及び、Pb:0.09%以下である。
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ca含有量は0%であってもよい。Caが含有される場合、つまり、Ca含有量が0%超の場合、Caは鋼材の被削性を高める。しかしながら、Ca含有量が高すぎれば、粗大な析出物により鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、Caが含有されない場合、Ca含有量は0%である。Caが含有される場合、Ca含有量は0.005%以下、つまり0超~0.005%である。言い換えれば、Ca含有量は、0~0.005%である。Ca含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.002%である。Ca含有量の好ましい上限は0.0045%であり、さらに好ましくは0.004%である。
ビスマス(Bi)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Bi含有量は0%であってもよい。Biが含有される場合、つまり、Bi含有量が0%超の場合、Biは鋼材の被削性を高める。しかしながら、Bi含有量が高すぎれば、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、Biが含有されない場合、Bi含有量は0%である。Biが含有される場合、Bi含有量は0.10%以下、つまり0超~0.10%である。言い換えれば、Bi含有量は、0~0.10%である。Bi含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Bi含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.06%である。
鉛(Pb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Pb含有量は0%であってもよい。Pbが含有される場合、つまり、Pb含有量が0%超の場合、Pbは鋼材の被削性を高める。しかしながら、Pb含有量が高すぎれば、粗大な析出物により鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、Pbが含有されない場合、Pb含有量は0%である。Pbが含有される場合、Pb含有量は0.09%以下、つまり0超~0.09%である。言い換えれば、Pb含有量は、0~0.09%である。Pb含有量の好ましい下限は0.02%であり、さらに好ましくは0.03%であり、さらに好ましくは0.04%である。Pb含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.06%である。
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Nb含有量は0%であってもよい。Nbが含有される場合、つまり、Nb含有量が0%超の場合、Nbは鋼材の疲労強度を高める。しかしながら、Nb含有量が高すぎれば、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、Nbが含有されない場合、Nb含有量は0%である。Nbが含有される場合、Nb含有量は0.10%以下、つまり0超~0.10%である。言い換えれば、Nb含有量は、0~0.10%である。Nb含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Nb含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.06%であり、さらに好ましくは0.05%である。
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、B含有量は0%であってもよい。Bが含有される場合、つまり、B含有量が0%超の場合、Bは鋼材の疲労強度を高める。しかしながら、B含有量が高すぎても、その効果が飽和する。したがって、Bが含有されない場合、B含有量は0%である。Bが含有される場合、B含有量は0.005%以下、つまり0超~0.005%である。言い換えれば、B含有量は、0~0.005%である。B含有量の好ましい下限は0.001%である。B含有量の好ましい上限は0.004%であり、さらに好ましくは0.003%である。
本発明の冷間鍛造用鋼材の組織は、フェライト、パーライト及び/又はベイナイトを含有する。
組織中のフェライト面積率、パーライト面積率、及びベイナイト面積率は次の方法で測定する。冷間鍛造用鋼材の中心部からサンプルを採取する。鋼材が棒鋼又は線材の場合、中心軸を含む部分から試料を採取する。採取された試料表面のうち、鋼材の圧延方向に垂直な面を観察面とする。
Microscopy)を用いて解析し、冷間鍛造用鋼材の横断面の中央部を中心とする200μm(軸方向)×500μm(径方向)の観察視野における初析フェライトの面積率(%)を求める。EBSD-OIMの観察倍率は400倍とする。測定ステップは0.3μmとする。
本発明の冷間鍛造用鋼材の製造方法の一例を説明する。本例では、冷間鍛造用鋼材として、棒鋼又は線材(以下、棒線という)を製造する例を説明する。なお、本発明の冷間鍛造用鋼材は、下記製造方法に限定されない。
上記の化学組成を有する溶鋼を製造する。溶鋼を用いて素材を準備する。たとえば、上述の化学組成を有する溶鋼を、転炉及び電気炉等を用いて製造する。溶鋼を用いて連続鋳造法により鋳片を製造する。又は、溶鋼を用いて造塊法によりインゴットを製造する。
準備された素材に対して熱間加工を実施して、冷間鍛造用鋼材を製造する。
熱間加工工程において、最終の熱間加工を実施する直前の鋼材の加熱温度は1000~1300℃である。たとえば、熱間圧延工程が粗圧延工程と仕上げ圧延工程とを含む場合、粗圧延工程後であって仕上げ圧延工程前の加熱温度が1000~1300℃である。
熱間加工工程において、最後の圧下後の鋼材温度を仕上げ温度(℃)と定義する。熱間圧延工程が粗圧延工程と仕上げ圧延工程とを含む場合、仕上げ温度は、仕上げ圧延工程での仕上げ圧延機列で最後に圧下をしたスタンドの出側での鋼材温度(鋼材の表面温度)を意味する。仕上げ温度は800~1100℃未満である。仕上げ温度の好ましい下限は850℃であり、さらに好ましくは900℃である。仕上げ温度の好ましい上限は1080℃であり、さらに好ましくは1050℃である。
熱間加工工程において、熱間加工後の冷却速度は、0.5~10.0℃/sである。ここで、熱間加工後の冷却速度は、次のとおり定義される。熱間加工完了後において、鋼材温度が、仕上げ温度から200℃に至るまでの平均の冷却速度を、熱間加工後の冷却速度(℃/s)と定義する。
上記の冷間鍛造用鋼材を用いた冷間鍛造部品の製造方法の一例を説明する。冷間鍛造部品の製造方法は、冷間鍛造工程、時効硬化処理工程、及び、切削加工工程を含む。以下、それぞれの工程について説明する。
冷間鍛造用鋼材を用いて、周知の方法で冷間鍛造を実施して、中間品を製造する。冷間鍛造用鋼材が棒線の場合、冷間鍛造工程前に、伸線加工工程を実施してもよい。伸線加工は、一次伸線のみであってもよいし、二次伸線等、複数回の伸線加工を実施してもよい。
中間品に対して、時効硬化処理を実施する。時効硬化処理での処理温度(℃)、処理温度での保持時間(分)は次のとおりである。
処理温度:200℃~Ac3点
Ac3点(℃)は、式(2)で定義される。
Ac3=-230×√C+44.7×Si+104×V+31.5×Mo+910 (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
上記処理温度での保持時間を30分以上とする。保持時間が30分以上であれば、V析出物が十分に析出する。その結果、さらに高い耐久比が得られる。一方、保持時間が長くても時効硬化は生じるものの、製造コストが高くなる。したがって、保持時間の好ましい上限は180分である。
時効硬化処理工程後の中間品に対して、切削加工を実施して、冷間鍛造部品を製造する。製造された冷間鍛造部品は、時効硬化処理により高い引張強度、疲労強度、及び、耐久比を有する。本発明による冷間鍛造用鋼材を利用することにより、従来の製造工程(熱間鍛造工程-切削加工工程)に代えて、上記の製造工程(冷間鍛造工程-時効硬化処理工程-切削加工工程)を実施できる。そのため、生産性を高めることができる。
各試験番号の丸棒鍛伸材の中心部から試験片を採取した。採取された試験片を用いて、JIS Z2244(2013)に準拠したビッカース硬さ試験を実施した。試験力は9.8Nとした。測定箇所は、丸棒鍛伸材の中心付近の任意の3点とした。測定された3点の値の平均値を、その試験番号の硬さ(Hv)とした。得られたビッカース硬さ(Hv)を表2に示す。
[ミクロ組織観察]
各試験番号の丸棒鍛伸材の中心部から試験片を採取した。試験片を樹脂埋めした後、試験片の面のうち、丸棒鍛伸材の軸方向に対して垂直な面を観察面として、機械研磨を実施した。機械研磨された観察面をナイタルで腐食してミクロ組織を観察し、ミクロ組織(フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト等)を特定した。さらに、上述の方法で、フェライトの面積率(%)を求めた。得られたフェライトの面積率(%)を表2に合わせて示す。
丸棒鍛伸材から10mm立方の抽出残渣試験片を採取した。抽出残渣試験片を用いて、上記の方法により、抽出残渣によるV析出量(質量%)を求めた。
各試験番号の丸棒鍛伸材から、直径14mm、高さ(長さ)21mm(φ14×21)の円柱状試験片を複数採取した。円柱試験片の中心軸は、丸棒の中心軸と同軸であった。円柱状試験片を用いて、室温(25℃)での圧縮試験(冷間鍛造)による冷間鍛造性評価を実施した。
加工率=(1-(加工後の円柱試験片の長さ/加工前の円柱試験片の長さ))×100
(3)
各試験番号の丸棒鍛伸材を用いて、次の製造工程により、時効硬化処理模擬品を製造した。丸棒を直径20mmになるまでピーリング加工した。ピーリング加工後の丸棒に対して加工率20%の冷間鍛造を模擬した冷間引抜加工を実施して、直径18mmの丸棒を製造した。
[引張試験]
各試験番号の時効硬化処理模擬品の中心位置から、JIS Z2241(2011)に規定される14A号試験片を採取した。試験片の長手方向は時効硬化処理模擬品の長手方向であり、平行部の直径は6mm、標点距離は10mmであった。採取した試験片に対して、室温(25℃)で引張試験を実施して、引張強度(MPa)を求めた。得られた引張強度を表3に示す。
各試験番号の時効硬化処理模擬品から、JIS Z2274(2011)に準拠した小野式回転曲げ疲労試験片を複数採取した。小野式回転曲げ疲労試験片の中心軸は、時効硬化処理模擬品の中心軸と同軸であった。上記の小野式回転曲げ疲労試験片を用いて、室温、大気雰囲気中にて、JIS Z2274(2011)に準拠した小野式回転曲げ疲労試験を実施した。回転数を3000rpmとし、応力負荷繰返し回数が107サイクル後において破断しなかった最大応力を疲労強度(MPa)とした。
時効硬化処理後の丸棒試験片の中心軸付近の任意の3点で、JIS Z2244(2013)に準拠したビッカース硬さ試験を実施した。試験力は9.8Nとした。測定点は3点とし、その平均値を、対応する試験番号の時効硬化処理模擬品のビッカース硬さ(Hv)と定義した。得られたビッカース硬さを表3に示す。
各試験番号の時効硬化処理模擬品から、JIS3号Uノッチシャルピー試験片を作製した。試験片を用いて、JIS Z2242(2005)に準拠したシャルピー衝撃試験を実施した。シャルピー衝撃試験温度は0℃とし、吸収エネルギー(J)を求め、シャルピー衝撃値(J/cm2)を算出した。得られたシャルピー衝撃値を表3に示す。
表3に試験結果を示す。表1~表3を参照して、試験番号1~5、8、9、11、12、14、15、17~20、23、25~27、29~35、42~46、49及び50の化学組成は本発明の範囲内であり、さらに、ミクロ組織はFとP及び/又はBとであり、ミクロ組織中のフェライトの面積率は15~90%であった。さらに、fnが0.50以下であり、式(1)を満たした。その結果、冷間鍛造性評価試験において、70%加工時にき裂が観察されず、50%加工時の荷重も35ton以下であり、優れた冷間鍛造性を示した。さらに、時効硬化処理後の時効硬化処理模擬品において、耐久比はいずれも0.55以上と高く、疲労強度が高かった。さらに、シャルピー衝撃値はいずれも150J/cm2以上と高く、低温靱性が高かった。
Claims (3)
- 質量%で、
C:0.02~0.25%、
Si:0.005~0.500%、
Mn:0.70超~2.25%、
P:0.030%以下、
S:0.050%以下、
Al:0.005~0.050%、
Cr:0.02~0.30%、
V:0.055~0.280%未満、
Ti:0.005超~0.100%、及び、
N:0.003~0.012%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記不純物中のCu、Ni及びMoの合計含有量が0.05質量%以下であり、
式(1)を満たす化学組成を有し、
ミクロ組織が、フェライトと、パーライト及び/又はベイナイトとを含有し、
前記ミクロ組織における前記フェライトの面積率が15~90%であり、マルテンサイトの総面積率は5%以下である、冷間鍛造用鋼材。
[V析出物]/[V含有量]≦0.50 (1)
ここで、式(1)中の[V析出物]はV析出物として析出したV含有量(質量%)を示し、[V含有量]は前記冷間鍛造用鋼材中のV含有量(質量%)を示す。 - 請求項1に記載の冷間鍛造用鋼材であって、
前記化学組成は、さらに、
Ca:0.005%以下、
Bi:0.10%以下、及び、
Pb:0.09%以下、
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、冷間鍛造用鋼材。 - 請求項1又は請求項2に記載の冷間鍛造用鋼材であって、
前記化学組成は、さらに、
Nb:0.10%以下、及び、
B:0.005%以下、
からなる群から選択される1種以上を含有する、冷間鍛造用鋼材。
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