以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」という。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の斜視図である。プリンタ10は、記録媒体5(図2参照)に印刷を行う。以下の説明では、プリンタ10を正面から見たときに、プリンタ10から遠ざかる方を前方、プリンタ10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは前後方向であり、平面視において主走査方向Yと直交している。符号Zは上下方向を示している。上下方向Zは、正面視において主走査方向Yと直交している。副走査方向Xは、第1の方向の一例である。主走査方向Yは、第2の方向の一例である。また、行き方向Y1は主走査方向Yの右方から左方に向かう方向を示し、帰り方向Y2は主走査方向Yの左方から右方に向かう方向を示し、行き方向X1は副走査方向Xの上流側から下流側に向かう方向(ここでは後ろから前に向かう方向)を示し、帰り方向X2は副走査方向Xの下流側から上流側に向かう方向(ここでは前から後に向かう方向)を示す。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
本実施形態において用いられる記録媒体5は、例えば、記録紙や転写紙などの平面シートであってもよいし、携帯電話ケースなどの各種ケース、小型電子機器、キーホルダやフォトフレームやペンなどの部品小物、日用品、アクセサリなどの立体物であってもよい。記録媒体5を形成する材料は、普通紙やインクジェット用印刷紙などの紙類はもちろんのこと、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラート(PET)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合体などの樹脂類、アルミニウムやステンレス鋼などの金属類、カーボン、陶器、セラミック、ガラス、ゴム、皮革、木材などであってもよい。
図1に示すように、プリンタ10は、箱状に形成された筐体12を備えている。筐体12には、内部空間12Sが形成されている。筐体12は、ケース15と、フロントカバー23と、操作パネル25とを含む。ケース15の前部には、開口28(図2参照)が形成されている。フロントカバー23は、ケース15の開口28を開閉自在に設けられている。ここでは、フロントカバー23は、後端を軸に回転可能なように、ケース15に支持されている。フロントカバー23を上方に回転させることによって、筐体12の内部空間12Sと外部空間とが連通される。内部空間12Sは、後述するインクヘッド50(図2参照)によって記録媒体5に印刷が行われる空間である。このように、印刷が行われる内部空間12Sがケース15およびフロントカバー23によって囲まれて形成されていることによって、印刷中に外部空間の塵および埃が内部空間12Sに入り込み難く、かつ、後述する紫外線照射装置40(図2参照)から照射された光が外部空間に漏れ難い。
図1に示すように、フロントカバー23の前部および上部には、窓23Aが設けられている。窓23Aは、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。窓23Aには、外部空間の光(例えば紫外線)が内部空間12Sに到達しないように処理が施されている。ユーザは、窓23Aから筐体12の内部を視認することが可能である。
操作パネル25は、ケース15に設けられている。操作パネル25は、ケース15の上面右側に設けられている。操作パネル25は、ユーザが画像の印刷に関する操作を行うパネルである。操作パネル25には、光沢感の有無などの印刷の種類、解像度、印刷の状況などの印刷に関する情報が表示される表示画面25A、および、印刷や記録媒体5に関する情報を設定するための入力ボタン25Bなどが備えられている。
次に、プリンタ10の内部の構成について説明する。図2に示すように、プリンタ10は、ガイドレール18と、キャリッジ20と、インクヘッド50と、紫外線照射装置40と、制御装置70とを備えている。ガイドレール18と、キャリッジ20と、インクヘッド50と、紫外線照射装置40とは、内部空間12Sに設けられている。ガイドレール18は、ケース15内に配置されている。図3に示すように、ガイドレール18は、ケース15の支持壁15Aに固定され、主走査方向Yに延びている。ガイドレール18には、キャリッジ20が摺動自在に設けられている。キャリッジ20は、キャリッジ移動機構21(図5参照)により、ガイドレール18に沿って主走査方向Yに往復移動する。キャリッジ移動機構21は、制御装置70によって制御される。キャリッジ20が主走査方向Yに移動することに伴い、キャリッジ20に搭載されたインクヘッド50および紫外線照射装置40は主走査方向Yに移動する。
図2に示すように、キャリッジ20には、複数のインクヘッド50が搭載されている。インクヘッド50は、後述するテーブル35より上方に配置されている。インクヘッド50は、テーブル35に載置された記録媒体5に光硬化性を有するインク(光硬化性インク)を吐出する。インクヘッド50は、それぞれ、可撓性を有するインクチューブ(図示せず)によって、ケース15内に収容されたインクカートリッジ30と連通されている。インクカートリッジ30には、それぞれ、光硬化性インクが貯留されている。
図4に示すように、インクヘッド50は、画像形成前の下地形成または画像形成後の表面仕上げに用いられる第1インクを吐出する第1インクヘッド51および第2インクヘッド52と、画像形成に用いられる第2インクを吐出する第3インクヘッド53と、ホワイトインクを吐出する第4インクヘッド54とを含む。第1インクヘッド51、第2インクヘッド52、第3インクヘッド53および第4インクヘッド54は、キャリッジ20に搭載されている。即ち、キャリッジ20は、後述する第1インクヘッド51の左側第1ノズル列51Lおよび右側第1ノズル列51R、第2インクヘッド52の左側第2ノズル列52Lおよび右側第2ノズル列52R、第3インクヘッド53の左側第3ノズル列53Lおよび右側第3ノズル列53R、第4インクヘッド54の左側第4ノズル列54Lおよび右側第4ノズル列54Rを含む。第1インクヘッド51、第2インクヘッド52、第3インクヘッドおよび第4インクヘッド54は、主走査方向Yに並んで配置されている。第1インクヘッド51は、第2インクヘッド52に隣接している。第2インクヘッド52は、第1インクヘッド51よりも右方に配置されている。第1インクヘッド51および第2インクヘッド52は、副走査方向Xに関して互いにずれた位置に配置されている。第1インクヘッド51は、第2インクヘッド52より副走査方向Xの下流側(ここでは前方)に配置されている。第1インクヘッド51および第3インクヘッド53は、副走査方向Xに関して揃った位置に配置されている。ここでは、第3インクヘッド53は、第1インクヘッド51の左方に配置されている。第2インクヘッド52および第4インクヘッド54は、副走査方向Xに関して揃った位置に配置されている。ここでは、第4インクヘッド54は、第2インクヘッド52の右方に配置されている。第1インクヘッド51~第4インクヘッド54は、いわゆるスタガ配列となっている。第1インクヘッド51~第4インクヘッド54は、副走査方向Xの長さが主走査方向Yの長さよりも長い形状に形成されている。第1インクヘッド51~第4インクヘッド54は、同じ形状かつ同じ大きさに形成されている。なお、本実施形態では、インクヘッド50は5個設けられているが、インクヘッド50の数は5個に限定されない。また、インクヘッド50は、2つのノズル列を有するが、ノズル列は1つまたは3つ以上であってもよい。
図4に示すように、第1インクヘッド51は、副走査方向Xに並ぶ複数の左側第1ノズル51Aと、副走査方向Xに並びかつ左側第1ノズル51Aの右方に位置する複数の右側第1ノズル51Bと、左側第1ノズル51Aおよび右側第1ノズル51Bが形成された第1ノズル面51Cとを備えている。複数の左側第1ノズル51Aが1列に並んで左側第1ノズル列51Lを構成している。複数の右側第1ノズル51Bが1列に並んで右側第1ノズル列51Rを構成している。左側第1ノズル51Aおよび右側第1ノズル51Bは、記録媒体5に向けて第1インクを吐出する。左側第1ノズル51Aおよび右側第1ノズル51Bは、第1ノズルの一例である。左側第1ノズル列51Lおよび右側第1ノズル列51Rは、第1ノズル列の一例である。第2インクヘッド52は、副走査方向Xに並ぶ複数の左側第2ノズル52Aと、副走査方向Xに並びかつ左側第2ノズル52Aの右方に位置する複数の右側第2ノズル52Bと、左側第2ノズル52Aおよび右側第2ノズル52Bが形成された第2ノズル面52Cとを備えている。複数の左側第2ノズル52Aが1列に並んで左側第2ノズル列52Lを構成している。複数の右側第2ノズル52Bが1列に並んで右側第2ノズル列52Rを構成している。左側第2ノズル52Aおよび右側第2ノズル52Bは、記録媒体5に向けて第1インクを吐出する。左側第2ノズル52Aおよび右側第2ノズル52Bは、第2ノズルの一例である。左側第2ノズル列52Lおよび右側第2ノズル列52Rは、第2ノズル列の一例である。左側第2ノズル列52Lおよび右側第2ノズル列52Rの一部は、左側第1ノズル列51Lおよび右側第1ノズル列51Rに対して主走査方向Yに並列して設けられている。即ち、左側第2ノズル列52Lおよび右側第2ノズル列52Rの一部と、左側第1ノズル列51Lおよび右側第1ノズル列51Rの一部は、図4の領域SAにおいて副走査方向Xに関して揃った位置に配置されている。本実施形態では、左側第1ノズル列51Lの左側第1ノズル51Aの数と、右側第1ノズル列51Rの右側第1ノズル51Bの数と、左側第2ノズル列52Lの左側第2ノズル52Aの数と、右側第2ノズル列52Rの右側第2ノズル52Bの数とは相互に等しい。左側第1ノズル列51Lの左側第1ノズル51A同士の間隔(隣合うノズルのピッチ)と、右側第1ノズル列51Rの右側第1ノズル51B同士の間隔と、左側第2ノズル列52Lの左側第2ノズル52A同士の間隔と、右側第2ノズル列52Rの右側第2ノズル52B同士の間隔とは等しい。
図4に示すように、プリンタ10は、2つの第3インクヘッド53を備えている。第3インクヘッド53は、副走査方向Xに並ぶ複数の左側第3ノズル53Aと、副走査方向Xに並びかつ左側第3ノズル53Aの右方に位置する複数の右側第3ノズル53Bと、左側第3ノズル53Aおよび右側第3ノズル53Bが形成された第3ノズル面53Cとを備えている。複数の左側第3ノズル53Aが1列に並んで左側第3ノズル列53Lを構成している。複数の右側第3ノズル53Bが1列に並んで右側第3ノズル列53Rを構成している。左側第3ノズル53Aおよび右側第3ノズル53Bは、記録媒体5に向けて第2インクを吐出する。左側第3ノズル53Aおよび右側第3ノズル53Bは、第3ノズルの一例である。左側第3ノズル列53Lおよび右側第3ノズル列53Rは、第3ノズル列の一例である。第4インクヘッド54は、副走査方向Xに並ぶ複数の左側第4ノズル54Aと、副走査方向Xに並びかつ左側第4ノズル54Aの右方に位置する複数の右側第4ノズル54Bと、左側第4ノズル54Aおよび右側第4ノズル54Bが形成された第4ノズル面54Cとを備えている。複数の左側第4ノズル54Aが1列に並んで左側第4ノズル列54Lを構成している。複数の右側第4ノズル54Bが1列に並んで右側第4ノズル列54Rを構成している。左側第4ノズル54Aおよび右側第4ノズル54Bは、記録媒体5に向けてホワイトインクを吐出する。左側第4ノズル54Aおよび右側第4ノズル54Bは、第4ノズルの一例である。左側第4ノズル列54Lおよび右側第4ノズル列54Rは、第4ノズル列の一例である。なお、図4では第1インクヘッド51~第4インクヘッド54の各ノズルを直線で表している。
第1インクは、画像形成前の下地形成または画像形成後の表面仕上げに用いられるインクである。第1インクは、光硬化性を有する。即ち、第1インクは、光(例えば紫外線)が照射されると硬化する性質を有する光硬化性インクである。第1インクが硬化されることによって、第1インク層が形成される。画像形成前の下地形成に用いられるインクは、例えば、プライマーインクである。プライマーインクは粘着性を有する。画像形成後の表面仕上げに用いられるインクは、例えば、グロスインクである。本実施形態では、第1インクヘッド51の左側第1ノズル51Aおよび右側第1ノズル51B、第2インクヘッド52の左側第2ノズル52Aおよび右側第2ノズル52Bからはプライマーインクが吐出されるがグロスインクが吐出されてもよい。また、例えば、左側第1ノズル51Aおよび右側第2ノズル52Bからはプライマーインクおよびグロスインクのいずれか一方が吐出され、右側第1ノズル51Bおよび左側第2ノズル52Aからはプライマーインクおよびグロスインクのいずれか他方が吐出されてもよい。
第2インクは、画像形成に用いられるインクである。第2インクは、光硬化性を有する。即ち、第2インクは、光(例えば紫外線)が照射されると硬化する性質を有する光硬化性インクである。第2インクが硬化されることによって、第2インク層(即ち印刷層)が形成される。第2インクは、例えば、プロセスカラーインクである。プロセスカラーインクとしては、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク等が挙げられる。本実施形態では、左側の第3インクヘッド53の左側第3ノズル53A、右側第3ノズル53B、右側の第3インクヘッド53の左側第3ノズル53A、右側第3ノズル53Bからは、それぞれ、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクが吐出されるが、吐出されるインクの種類はこれに限定されない。
ホワイトインクは、画像形成前の下地形成に用いられるインクである。ホワイトインクは、光硬化性を有する。即ち、ホワイトインクは、光(例えば紫外線)が照射されると硬化する性質を有する光硬化性インクである。ホワイトインクが硬化されることによって、ホワイト下地層が形成される。
図2に示すように、プリンタ10は1つの紫外線照射装置40を備えている。紫外線照射装置40は、光(典型的には紫外線)を照射する。紫外線照射装置40は、記録媒体5に吐出された第1インク、第2インクおよびホワイトインクに向けて光(ここでは紫外線)を照射可能に構成されている。紫外線照射装置40は、副走査方向Xに並ぶ複数の光源43を備えている。紫外線照射装置40では、複数の光源43が1列に並んで光源列44を構成している。光源43の一部は、第1インクヘッド51よりも後方(即ち副走査方向Xの上流側)に位置し、光源43の他の一部は、第2インクヘッド52よりも前方(即ち副走査方向Xの下流側)に位置する。光源43は、記録媒体5に吐出された第1インク、第2インクおよびホワイトインクに光(ここでは紫外線)を照射する。なお、図4では光源43を直線で表している。光源43は、例えば、LEDである。紫外線照射装置40は、光照射装置の一例である。図2に示すように、紫外線照射装置40は、キャリッジ20に搭載されている。紫外線照射装置40は、後述するテーブル35より上方に配置されている。図4に示すように、紫外線照射装置40は、インクヘッド50よりも帰り方向Y2側(ここでは右方)に配置されている。
図2に示すように、プリンタ10は、所謂、フラットベッドタイプのプリンタである。プリンタ10は、キャリッジ20より下方に配置されたテーブル35と、第1テーブル移動機構36と、第2テーブル移動機構37とを備えている。テーブル35、第1テーブル移動機構36および第2テーブル移動機構37は、内部空間12Sに設けられている。テーブル35は、載置台の一例である。テーブル35には、記録媒体5が載置される。テーブル35は、記録媒体5を支持する台である。テーブル35は、第1テーブル移動機構36によって、副走査方向Xに移動可能に構成されている。テーブル35は、第2テーブル移動機構37によって、上下方向Zに移動可能に構成されている。
図2に示すように、第1テーブル移動機構36は、スライドレール36a、36bと、搬送部材36cと、第1モータ39A(図5参照)とを備えている。スライドレール36a、36bは、副走査方向Xに延びている。搬送部材36cは、スライドレール36a、36bに対して摺動自在に設けられている。搬送部材36cの上方には、他の部材を介してテーブル35が支持されている。第1モータ39Aは、制御装置70と電気的に接続されており、制御装置70によって制御される。第1モータ39Aが駆動すると、スライドレール36a、36bに沿って搬送部材36cが移動する。これにより、テーブル35が、副走査方向Xに移動する。第1テーブル移動機構36は、移動装置の一例である。
図2に示すように、第2テーブル移動機構37は、高さ調整部材37aと、第2モータ39B(図5参照)とを備えている。高さ調整部材37aは、テーブル35の下面に設けられている。高さ調整部材37aは、第2モータ39Bに接続されている。第2モータ39Bは、制御装置70と電気的に接続されており、制御装置70によって制御される。第2モータ39Bが駆動すると、高さ調整部材37aの高さが変化して、テーブル35の高さが調整される。即ち、テーブル35は、上下方向Zに移動する。
図5に示すように、制御装置70は、記録媒体5への印刷を制御する装置である。制御装置70の構成は特に限定されない。制御装置70は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェアの構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置と、を備えている。図2に示すように、制御装置70は、ケース15の内部に設けられている。ただし、制御装置70はケース15の内部に設けられていなくてもよい。例えば、制御装置70は、ケース15の外部に設置されたコンピュータなどであってもよい。この場合、制御装置70は、有線または無線を介してプリンタ10と通信可能に接続されている。
図5に示すように、制御装置70は、操作パネル25と、キャリッジ移動機構21と、第1インクヘッド51と、第2インクヘッド52と、第3インクヘッド53と、第4インクヘッド54と、紫外線照射装置40と、第1テーブル移動機構36(図2参照)の第1モータ39Aと、第2テーブル移動機構37(図2参照)の第2モータ39Bと通信可能に接続している。制御装置70は、キャリッジ移動機構21、第1インクヘッド51、第2インクヘッド52、第3インクヘッド53、第4インクヘッド54、紫外線照射装置40、第1モータ39Aおよび第2モータ39Bを制御する。
制御装置70は、第1インクヘッド51~第4インクヘッド54の各ノズルから吐出されるインクの吐出量や吐出するタイミング等を制御する。制御装置70は、紫外線照射装置40の光源43から照射される紫外線の光量や照射するタイミング等を制御する。制御装置70は、キャリッジ20の主走査方向Yの移動を制御する。制御装置70は、テーブル35の副走査方向Xの移動を制御する。
図5に示すように、制御装置70は、第1インク層先形成部72と、第1インク層後形成部74と、移動制御部76とを備えている。制御装置70の各部の機能は、プログラムによって実現されている。このプログラムは、例えばCDやDVDなどの記録媒体から読み込まれる。なお、このプログラムは、インターネットを通じてダウンロードされるものであってもよい。また、制御装置70の各部の機能は、プロセッサおよび/または回路などによって実現可能なものであってもよい。なお、これら各部の具体的な機能については後述する。
第1インク層先形成部72は、記録媒体5に第1インク層82(図7参照)、ホワイト下地層84(図7参照)および第2インク層86(図7参照)を形成させる部位である。第1インク層先形成部72は、先ず第1インク層82を形成し、その後にホワイト下地層84および第2インク層86をこの順で形成する第1吐出制御と、先ず第1インク層82を形成し、その後に第2インク層86およびホワイト下地層84をこの順で形成する第2吐出制御とを実行可能に構成されている。なお、第1インク層82が先に形成される場合には、通常第1インクとしてプライマーインクが用いられる。第1インク層先形成部72は、キャリッジ移動機構21、第1インクヘッド51~第4インクヘッド54および紫外線照射装置40の光源43を制御する。第1インク層先形成部72は、光源43の光量や点灯のタイミング等を制御する。
第1吐出制御では、第1インク層先形成部72は、第1インクヘッド51の左側第1ノズル51Aおよび右側第1ノズル51B、第2インクヘッド52の左側第2ノズル52Aおよび右側第2ノズル52Bから第1インクを記録媒体5に吐出させた後に、紫外線照射装置40の光源43から第1インクに光を照射して第1インク層82を形成する。第1インク層先形成部72は、第4インクヘッド54の左側第4ノズル54Aおよび右側第4ノズル54Bからホワイトインクを第1インク層82に吐出させた後に、吐出されたホワイトインクに紫外線照射装置40の光源43から光を照射して第1インク層82上にホワイト下地層84を形成する。第1インク層先形成部72は、第3インクヘッド53の左側第3ノズル53Aおよび右側第3ノズル53Bから第2インクをホワイト下地層84に吐出させた後に、吐出された第2インクに紫外線照射装置40の光源43から光を照射してホワイト下地層84上に第2インク層86を形成して印刷成果物80Aを得る。
第2吐出制御では、第1インク層先形成部72は、第1インクヘッド51の左側第1ノズル51Aおよび右側第1ノズル51B、第2インクヘッド52の左側第2ノズル52Aおよび右側第2ノズル52Bから第1インクを記録媒体5に吐出させた後に、紫外線照射装置40の光源43から第1インクに光を照射して第1インク層82を形成する。第1インク層先形成部72は、第3インクヘッド53の左側第3ノズル53Aおよび右側第3ノズル53Bから第2インクを第1インク層82に吐出させた後に、吐出された第2インクに紫外線照射装置40の光源43から光を照射して第1インク層82上に第2インク層86を形成する。第1インク層先形成部72は、第4インクヘッド54の左側第4ノズル54Aおよび右側第4ノズル54Bからホワイトインクを第2インク層86に吐出させた後に、吐出されたホワイトインクに紫外線照射装置40の光源43から光を照射して第2インク層86上にホワイト下地層84を形成して印刷成果物80Aを得る。なお、第2吐出制御では、例えばアクリル樹脂から形成された透明な記録媒体5が用いられる。
第1インク層後形成部74は、記録媒体5にホワイト下地層、第2インク層および第1インク層をこの順に形成させる部位である。第1インク層後形成部74は、キャリッジ移動機構21、第1インクヘッド51~第4インクヘッド54および紫外線照射装置40の光源43を制御する。第1インク層後形成部74は、光源43の光量や点灯のタイミング等を制御する。第1インク層後形成部74は、第4インクヘッド54の左側第4ノズル54Aおよび右側第4ノズル54Bからホワイトインクを記録媒体5に向けて(例えば記録媒体5上に)吐出させた後に、吐出されたホワイトインクに紫外線照射装置40の光源43から光を照射してホワイト下地層84(図9参照)を形成する。図9に示す例では、ホワイト下地層84は、記録媒体5上に形成される。第1インク層後形成部74は、第3インクヘッド53の左側第3ノズル53Aおよび右側第3ノズル53Bから第2インクをホワイト下地層84に吐出させた後に、吐出された第2インクに紫外線照射装置40の光源43から光を照射してホワイト下地層84上に第2インク層86(図9参照)を形成する。第1インク層後形成部74は、第1インクヘッド51の左側第1ノズル51Aおよび右側第1ノズル51B、第2インクヘッド52の左側第2ノズル52Aおよび右側第2ノズル52Bから第1インクを第2インク層86上に吐出させた後に、紫外線照射装置40の光源43から第1インクに光を照射して第2インク層86上に第1インク層82(図9参照)を形成して印刷成果物80Bを得る。第1インク層後形成部74は、先ずホワイト下地層84および第2インク層86を形成し、その後に第1インク層82を形成する。なお、第1インク層82が後に形成される場合には、通常第1インクとしてグロスインクが用いられる。
第1インク層先形成部72および第1インク層後形成部74は、第1インク層82を形成するときの第1解像度と、ホワイト下地層84および第2インク層86を形成するときの第2解像度とを異ならせてもよい。例えば、第1解像度は第2解像度より低い。また、第1インク層先形成部72および第1インク層後形成部74は、第1インク層82を形成するときの第1パス数(副走査方向Xのパス数)と、ホワイト下地層84および第2インク層86を形成するときの第2パス数(副走査方向Xのパス数)とを異ならせてもよい。例えば、第1パス数は第2パス数より小さい。
移動制御部76は、記録媒体5を副走査方向X(即ち行き方向X1および帰り方向X2)に移動させる部位である。移動制御部76は、第1テーブル移動機構36の第1モータ39Aを制御する。移動制御部76は、キャリッジ20が行き方向Y1および帰り方向Y2に一往復した後に、第1モータ39Aを制御してテーブル35を副走査方向Xに1パス分の距離だけ移動させる。これにより、記録媒体5が副走査方向Xに1パス分の距離だけ移動する。移動制御部76は、第1インク層82が先に形成される場合には、第1テーブル移動機構36を制御して、第1インク層82(図7参照)を形成するときには記録媒体5を行き方向X1に移動(第1の移動に相当)させ、かつ、第1インク層82が形成された後に記録媒体5を帰り方向X2に移動させ(即ち記録媒体5を引き戻し)、かつ、ホワイト下地層84および第2インク層86を形成するときには記録媒体5を行き方向X1に移動(第2の移動に相当)させるように構成されている。ここでは、移動制御部76は、第1インク層82が形成された後に記録媒体5を引き戻す。また、移動制御部76は、第1インク層82が後に形成される場合には、第1テーブル移動機構36を制御して、ホワイト下地層84(図9参照)および第2インク層86(図9参照)を形成するときには記録媒体5を行き方向X1に移動させ、かつ、ホワイト下地層84および第2インク層86が形成された後に記録媒体5を帰り方向X2に移動させ(即ち記録媒体5を引き戻し)、かつ、第2インク層86上に第1インク層82(図9参照)を形成するときには記録媒体5を行き方向X1に移動させる。ここでは、移動制御部76は、第1インク層82が形成される前に記録媒体5を引き戻す。
図6は、第1インク層を先に形成する場合の手順を示すフローチャートである。ここでは、第1インク層先形成部72は第1吐出制御を実行し、第1吐出制御では例えば第1インクとしてプライマーインクが用いられる。
まず、ステップS10において、第1インク層先形成部72によって記録媒体5上に第1インク層82(図7参照)が形成される。そして、ステップS20において、移動制御部76は、記録媒体5を引き戻す。その後、ステップS30において、第1インク層先形成部72によって第1インク層82上にホワイト下地層84(図7参照)が形成され、ホワイト下地層84上に第2インク層86(図7参照)が形成される。ここで、第3インクヘッド53と第4インクヘッド54は、いわゆるスタガ配列であるため、キャリッジ20が主走査方向Yに1往復移動するときに、第4インクヘッド54の左側第4ノズル54Aおよび右側第4ノズル54Bから記録媒体5に向けてホワイトインクが吐出されると共に、第3インクヘッド53の左側第3ノズル53Aおよび右側第3ノズル53Bからホワイト下地層84に向けて第2インクが吐出される。即ち、キャリッジ20が主走査方向Yに1往復移動するときに、記録媒体5の上流側の部分ではホワイト下地層84が形成され、これと同時に記録媒体5の下流側の部分では第2インク層86が形成される。
図8は、第1インク層を後に形成する場合の手順を示すフローチャートである。図8では、例えば第1インクとしてグロスインクが用いられる。
まず、ステップS110において、第1インク層後形成部74によって記録媒体5上にホワイト下地層84(図9参照)が形成され、ホワイト下地層84上に第2インク層86(図9参照)が形成される。そして、ステップS120において、移動制御部76は、記録媒体5を引き戻す。その後、ステップS130において、第1インク層後形成部74によって第2インク層86上に第1インク層82(図9参照)が形成される。
以上のように、本実施形態のプリンタ10によると、第1インクを吐出する左側第1ノズル51Aから構成された左側第1ノズル列51Lと、第1インクを吐出する左側第2ノズル52Aから構成された左側第2ノズル列52Lとは、副走査方向Xに関してずれて配置されている。このため、キャリッジ20が主走査方向Yに往復移動する際に、左側第1ノズル列51Lの左側第1ノズル51Aおよび左側第2ノズル列52Lの左側第2ノズル52Aからそれぞれ記録媒体5に向けて第1インクを吐出することができるので、キャリッジ20が主走査方向Yに1往復移動するときに副走査方向Xに関して記録媒体5のより広範囲に第1インクを吐出することができる。即ち、第1インクを硬化させて、記録媒体5のより広範囲に第1インク層82を形成することができる。この結果、記録媒体5をより速く副走査方向Xに移動させることができることになるため、第1インクをより速く記録媒体5の全体に亘って吐出することができる。また、第2インクを吐出する左側第3ノズル53Aから構成された左側第3ノズル列53Lは左側第1ノズル列51Lに対して主走査方向Yに並列に設けられ、ホワイトインクを吐出する左側第4ノズル54Aから構成された左側第4ノズル列54Lは左側第2ノズル列52Lに対して主走査方向Yに並列に設けられている。即ち、左側第3ノズル列53Lと左側第4ノズル列54Lとは副走査方向Xに関してずれて配置されている。このため、キャリッジ20が主走査方向Yに往復移動する際に、左側第3ノズル列53Lの全ての左側第3ノズル53Aから記録媒体5に向けて第2インクを吐出することと、左側第4ノズル列54Lの全ての左側第4ノズル54Aからホワイトインクを記録媒体5に吐出することとを同時に実施することができるため、副走査方向Xに関して記録媒体5のより広範囲に亘って第2インクおよびホワイトインクを吐出することができる。さらに、ホワイトインクを吐出させた後に記録媒体5を引き戻さなくてもよくなるため、第2インクとホワイトインクとの着弾位置ずれ(即ち第2インク層86とホワイト下地層84との位置ずれ)を抑制することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、制御装置70は、左側第1ノズル51Aおよび左側第2ノズル52Aから第1インクを記録媒体5に吐出させて第1インク層82を形成し、かつ、左側第4ノズル54Aからホワイトインクを第1インク層82に吐出させて第1インク層82上にホワイト下地層84を形成し、かつ、左側第3ノズル53Aから第2インクをホワイト下地層84に吐出させてホワイト下地層84上に第2インク層86を形成する第1インク層先形成部72を有していてもよい。これにより、記録媒体5上に第1インク層82、ホワイト下地層84および第2インク層86を適切に形成することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、第1インク層先形成部72は、左側第1ノズル51Aおよび左側第2ノズル52Aから第1インクを記録媒体5に吐出させて第1インク層82を形成し、かつ、左側第3ノズル53Aから第2インクを第1インク層82に吐出させて第1インク層82上に第2インク層86を形成し、かつ、左側第4ノズル54Aからホワイトインクを第2インク層86に吐出させて第2インク層86上にホワイト下地層84を形成してもよい。これにより、記録媒体5上に第1インク層82、第2インク層86およびホワイト下地層84を適切に形成することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、第1インク層82は、記録媒体5を副走査方向Xに移動させる第1の移動の際に形成され、ホワイト下地層84および第2インク層86は、第1の移動より後であり、かつ、記録媒体5を副走査方向Xに移動させる第2の移動の際に形成される。このように、第1インク層82と、ホワイト下地層84および第2インク層86とは、記録媒体5が副走査方向Xに1回移動するときに同時に形成するものではないため、各層に適した条件で各層を形成することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、制御装置70は、第1テーブル移動機構36を制御して、第1インク層82を形成するときには記録媒体5を行き方向X1に移動させ、かつ、第1インク層82が形成された後に記録媒体5を帰り方向X2に移動させ、かつ、ホワイト下地層84および第2インク層86を形成するときには記録媒体5を行き方向X1に移動させる移動制御部76を有していてもよい。このように、第1インク層82と、ホワイト下地層84および第2インク層86とは、別工程で形成されるため、各工程での解像度や記録媒体5の送り量を異ならせることができる。ここで、第1インク層82は、画像の画質に与える影響は比較的小さいため、比較的低い解像度で形成することができる。即ち、第1インク層82はより速く形成することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、制御装置70は、左側第4ノズル54Aからホワイトインクを記録媒体5に向けて吐出させてホワイト下地層84を形成し、かつ、左側第3ノズル53Aから第2インクをホワイト下地層84に吐出させてホワイト下地層84上に第2インク層86を形成し、かつ、左側第1ノズル51Aおよび、左側第2ノズル52Aから第1インクを第2インク層86上に吐出させて第2インク層86上に第1インク層82を形成する第1インク層後形成部74を有していてもよい。これにより、記録媒体5上にホワイト下地層84、第2インク層86および第1インク層82を適切に形成することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、ホワイト下地層84および第2インク層86は、記録媒体5を副走査方向Xに移動させる第1の移動の際に形成され、第1インク層82、第1の移動より後であり、かつ、記録媒体5を副走査方向Xに移動させる第2の移動の際に形成される。このように、ホワイト下地層84および第2インク層86と、第1インク層82とは、記録媒体5が副走査方向Xに1回移動するときに同時に形成するものではないため、各層に適した条件で各層を形成することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、制御装置70は、第1テーブル移動機構36を制御して、ホワイト下地層84および第2インク層86を形成するときには記録媒体5を行き方向X1に移動させ、かつ、ホワイト下地層84および第2インク層86が形成された後に記録媒体5を帰り方向X2に移動させ、かつ、第2インク層86上に第1インク層82を形成するときには記録媒体5を行き方向X1に移動させる移動制御部76を有していてもよい。このように、ホワイト下地層84および第2インク層86と、第1インク層82とは、別工程で形成されるため、各工程での解像度や記録媒体5の送り量を異ならせることができる。ここで、第1インク層82は、画像の画質に与える影響は比較的小さいため、比較的低い解像度で形成することができる。即ち、第1インク層82はより速く形成することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、左側第1ノズル列51Lの左側第1ノズル51A同士の間隔と、左側第2ノズル列52Lの左側第2ノズル52A同士の間隔とは等しい。これにより、左側第1ノズル51Aおよび左側第2ノズル52Aの全てを使用して第1インクを吐出することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
第1インク層82が先に形成される場合には、移動制御部76は、第1テーブル移動機構36を制御して、記録媒体5を帰り方向X2に移動させて第1インク層82を形成し、その後に記録媒体5を行き方向X1に移動させてホワイト下地層84および第2インク層86を形成してもよい。また、移動制御部76は、第1テーブル移動機構36を制御して、記録媒体5を行き方向X1に移動させて第1インク層82を形成し、その後に記録媒体5を帰り方向X2に移動させてホワイト下地層84および第2インク層86を形成してもよい。さらに、移動制御部76は、第1テーブル移動機構36を制御して、第1インク層82を形成するときには記録媒体5を帰り方向X2に移動させ、かつ、第1インク層82が形成された後に記録媒体5を行き方向X1に移動させ、かつ、ホワイト下地層84および第2インク層86を形成するときには記録媒体5を帰り方向X2に移動させるように構成されていてもよい。
第1インク層82が後に形成される場合には、移動制御部76は、第1テーブル移動機構36を制御して、記録媒体5を帰り方向X2に移動させてホワイト下地層84および第2インク層86を形成し、その後に記録媒体5を行き方向X1に移動させて第2インク層86上に第1インク層82を形成してもよい。また、移動制御部76は、第1テーブル移動機構36を制御して、記録媒体5を行き方向X1に移動させてホワイト下地層84および第2インク層86を形成し、その後に記録媒体5を帰り方向X2に移動させて第2インク層86上に第1インク層82を形成してもよい。さらに、移動制御部76は、第1テーブル移動機構36を制御して、ホワイト下地層84および第2インク層86を形成するときには記録媒体5を帰り方向X2に移動させ、かつ、ホワイト下地層84および第2インク層86が形成された後に記録媒体5を行き方向X1に移動させ、かつ、第1インク層82を形成するときには記録媒体5を帰り方向X2に移動させるように構成されていてもよい。
上述した実施形態では、プリンタ10は1つの紫外線照射装置40を備えていたが、2つの紫外線照射装置40を備えていてもよい。即ち、インクヘッド50の右方および左方のそれぞれに紫外線照射装置40を備えていてもよい。
記録媒体5上にプライマーインクから構成された第1インク層82、ホワイト下地層84および第2インク層86を順に形成した後、第2インク層86上にさらにグロスインクを吐出してグロスインクから構成された第1インク層82を形成してもよい。
上述した実施形態では、第1インクヘッド51と第3インクヘッド53とは別体に設けられていたが一体であってもよい。また、第2インクヘッド52と第4インクヘッド54とは別体に設けられていたが一体であってもよい。
上述した実施形態では、インクヘッド50は光硬化性を有するインクを吐出するように構成されていたが、これに限定されない。インクヘッド50は、例えば、電子線硬化型インクやラテックスインクのような熱硬化型のインク、加熱により溶媒(溶剤)が蒸発する水性ラテックスインクやソルベントインクのような熱乾燥型のインク等を吐出可能に構成され、上述のように下地層を形成してその上にプロセスカラーインク、ホワイトインクで画像を形成してもよい。
上述した実施形態では、プリンタ10は、記録媒体5が載置されたテーブル35をキャリッジ20に対して副走査方向Xに相対的に移動させることによって、記録媒体5をキャリッジ20に対して副走査方向Xに相対的に移動させる第1テーブル移動機構36を移動装置として備えていたが、これに限定されない。例えば、テーブル35を筐体12に固定し、キャリッジ20をテーブル35に対して副走査方向Xに相対的に移動させることによって、記録媒体5をキャリッジ20に対して副走査方向Xに相対的に移動させる移動装置を備えていてもよい。
ここで開示される技術は様々なタイプのプリンタに適用することができる。上述した実施形態で示したフラットベッドタイプのプリンタ10の他、例えば、ロール状の記録媒体5を副走査方向Xに搬送する、所謂、Roll-to-Rollタイプのプリンタ10にも同様に適用することができる。