以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置100を含む放射線撮影システム10の概略構成の一例を示す図である。放射線撮影システム10は、図1に示すように、放射線撮影装置100、及び、非接触給電装置200を有して構成されている。具体的に、図1(a)は、放射線の入射方向における放射線撮影装置100及び非接触給電装置200の断面図を示し、また、図1(b)は、放射線が入射する入射面部1601と対向する底面部1602の側から見た放射線撮影装置100及び非接触給電装置200の平面図である。
放射線撮影装置100は、図1(a)及び図1(b)に示すように、放射線センサパネル110、支持部材120、フレキシブルプリント配線板(FPC)130、電気基板131、配線132、電気基板133、配線134、2次電池135、配線136、充電回路部137、非接触受電部141、配線142、磁気シート143、凹み部150、受電側保持部151a~151d、及び、撮影装置筐体160を有して構成されている。
放射線センサパネル110は、入射した放射線を画像信号に変換するセンサパネルである。放射線センサパネル110は、複数の光電変換素子が配置されて形成されており、また、光電変換素子が配置された面(検出面)の側には、入射した放射線を光電変換素子が感知可能な可視光に変換する蛍光体(シンチレータ)が配置されて形成されている。まず、放射線センサパネル110に放射線が入射すると、蛍光体によって放射線が可視光に変換され、次いで、複数の光電変換素子によって蛍光体で発生した可視光が画像信号に変換される。ここで、放射線センサパネル110の検出面のうち、複数の光電変換素子が配置された領域を画素領域とする。なお、本実施形態においては、蛍光体及び光電変換素子によって入射した放射線を画像信号に変換する例を説明したが、入射した放射線を画像信号に直接変換する変換素子を放射線センサパネル110に形成してもよく、その場合、変換素子が配置された面が検出面となり、複数の変換素子が配置された領域が画素領域となる。
支持部材120は、放射線センサパネル110を支持するパネル支持構造体であり、放射線センサパネル110を支持する面の反対側の面に、脚部121を複数箇所備えている。
フレキシブルプリント配線板(FPC)130は、放射線センサパネル110と電気基板131とを電気的に接続する配線板である。
電気基板131は、放射線センサパネル110の画像信号を処理するため電気基板である。
配線132は、電気基板131と電気基板133とを電気的に接続する配線である。
電気基板133は、放射線撮影装置100のシステム全体の制御を行うための電気基板である。
配線134は、電気基板133と2次電池135とを電気的に接続する配線である。
2次電池135は、各種の配線を介して、放射線センサパネル110や電気基板131、電気基板133などに供給する電力を充電する電源である2次電池である。この2次電池135としては、放射線撮影装置100をなるべく軽量化、小型化できることが望ましく、例えば、リチウムイオン電池やリチウムイオンポリマ電池などが用いられうる。
配線136は、2次電池135と充電回路部137とを電気的に接続する配線である。
充電回路部137は、非接触受電部141で発生する電流(受電した電力)を整流し所定の電圧で2次電池135に充電するための回路部である。
非接触受電部141は、非接触給電装置200(より詳細には、非接触給電部210)から非接触で供給される電力を受電する構成部である。具体的に、非接触受電部141は、凹み部150に挿入し嵌合された非接触給電装置200(より詳細には、非接触給電部210)から電力を受電する。放射線撮影装置100は、非接触受電の方式の一例として、電磁誘導方式によって受電を行いうる。特に電磁誘導方式の場合には、1次側のコイルと2次側のコイルの中心軸を一致させた場合に受電効率が高くなる。この電磁誘導方式で非接触充電を行う場合、図1(b)に示すように非接触受電部141は、2次側のコイルとして円形コイルを用いるが、本実施形態においてはこれに限られるものではない。放射線撮影装置100内での配置や受電する電力に合わせてコイルの形状を変えることができ、例えば楕円形や長方形の形状のコイルを用いることもできる。本実施形態では、非接触受電部141の面方向は、放射線入射板161の面方向と平行になるように配置されているが、必要に応じて交差するように配置してもよい。また、放射線撮影装置100は、非接触充電の他の方式として、電波受信型、共鳴型を用いてもよい。その場合に、非接触受電部141は、受信アンテナや共鳴可能なコイルを用いる。
配線142は、非接触受電部141と充電回路部137とを電気的に接続する配線である。
磁気シート143は、非接触受電部141において電磁誘導方式で非接触受電を行う場合に、磁束線が放射線撮影装置100の内部に侵入して当該内部に影響を与えることを抑制するための構成部である。
撮影装置筐体160は、放射線センサパネル110及び非接触受電部141を含む、上述した各種の構成部(120,130,131~137,142,143,150,151a~151d)を内包する筐体である。この撮影装置筐体160は、放射線が入射する入射面部1601に位置する放射線入射板161と、入射面部1601と対向する底面部1602及び図1(b)に示す4つの側面部1603~1606を備える筐体本体162を有して構成されている。この際、4つの側面部1603~1606は、入射面部1601と底面部1602に結合する側面部である。放射線入射板161は、放射線センサパネル110に放射線を入射させるため、放射線の吸収率が筐体本体162よりも低い材料で構成されている。また、放射線入射板161は、重量が軽く、かつ衝撃などに対し一定の強度を確保できることが好ましい。この放射線入射板161の材料としては、例えば樹脂材料やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などが用いられうる。筐体本体162は、落下や衝撃などに対する強度確保、及び運搬時の負担軽減を目的とした軽量化のため、マグネシウムやアルミニウム、CFRP等の低比重の材料が用いられうる。また、筐体本体162は、放射線撮影装置100の電磁遮蔽能力の向上のため、マグネシウムやアルミニウム等の導電性のある金属材料を用いられうる。ここで、電磁遮蔽能力とは、放射線撮影装置100の付近にある電気機器などから発生する電磁波などによって、放射線撮影装置100の動作が影響を受けにくくする能力や放射線撮影装置100が撮影装置筐体160の外部に発する電磁波を遮蔽する能力を指す。
凹み部150は、少なくとも側面部1603に設けられた凹み部である。具体的に、図1に示す例では、凹み部150は、筐体本体162の側面部1603と底面部1602とを結ぶ角部の一部に設けられている。なお、本実施形態においては、凹み部150の内側に、非接触受電部141を設けるようにしてもよい。また、凹み部150は、図1(b)に示すように筐体本体162の底面部1602の側から見た際に、側面部1603の開口部よりも内部の方が狭くなっている。
受電側保持部151a~151d(151a,151b,151c,151d)は、凹み部150の内側に設けられており、凹み部150に挿入された非接触給電装置200の当該挿入された状態を保持するための保持部である。この受電側保持部151a~151dは、図1(b)に示すように、受電側保持部151aと受電側保持部151b、または、受電側保持部151cと受電側保持部151dの配置関係のように、凹み部150における側面部1603の開口面に対し、垂直方向に複数個配置されている。
非接触給電装置200は、図1(b)に示す例では、筐体本体162の側面部1603の側から、凹み部150に挿入されて嵌合するように形成されている。この非接触給電装置200は、非接触給電部210、放射線遮蔽材220、給電回路基板230、電源変換部240、給電側保持部251a~251d、表示部252、給電装置把持部253、給電装置筐体260、及び、電源ケーブル270を有して構成されている。
非接触給電部210は、非接触給電装置200において第1面部2601の側に配置されており、放射線撮影装置100の非接触受電部141に非接触で電力を供給する構成部である。非接触給電部210は、上述した電磁誘導方式で非接触給電を行う場合、1次側のコイルを含む。また、非接触給電装置200は、非接触受電部141の方式に合わせて、電波受信型、共鳴型に対応した非接触給電部210を用いることもできる。この場合には、非接触給電部210は、送信アンテナや非接触受電部141と共鳴可能なコイルを用いる。
給電回路基板230は、直流電力を交流電力に変換し、非接触給電部210に供給する。給電回路基板230には、給電時の温度異常や過電流等の異常を検知して給電状態を制御する保護回路も内蔵されている。
放射線遮蔽材220は、給電回路基板230の回路を放射線から保護するための遮蔽部材である。この放射線遮蔽材220を設けることにより、給電回路基板230に照射される放射線を減ずることができる。放射線遮蔽材220としては、比重の重い金属や金属の粉末を混合した樹脂シート等を用いることができる。
電源変換部240には、外部の商用電源等から電力を供給するための電源ケーブル270が接続されている。電源変換部240は、電源ケーブル270により供給される商用電源からの電力を整流回路により整流し、直流電流として給電回路基板230に供給する。
給電側保持部251a~251d(251a,251b,251c,251d)は、放射線撮影装置100の凹み部150に非接触給電装置200が挿入された際に、受電側保持部151a~151dとともに、当該挿入された状態を保持するための保持部である。凹み部150に非接触給電装置200が挿入された際には、給電側保持部251aは受電側保持部151aと対向する位置に配置され、給電側保持部251bは受電側保持部151bと対向する位置に配置され、給電側保持部251cは受電側保持部151cと対向する位置に配置され、給電側保持部251dは受電側保持部151dと対向する位置に配置される。
なお、非接触給電装置200は、非接触給電部210による給電開始前に、非接触給電部210を通じて接続された放射線撮影装置100の認証を行い、認証後に給電を開始する。表示部252は、この給電状態やエラー等の状態を表示する。
給電装置把持部253は、非接触給電装置200において第1面部2601と対向する第2面部2602の側に設けられており、ユーザが非接触給電装置200を把持する際に手を掛けるための構成部である。この給電装置把持部253を設けることによって、例えば、非接触充電中にも、放射線撮影装置100の手掛かりを用意することができる。
給電装置筐体260は、非接触給電部210、放射線遮蔽材220、給電回路基板230、電源変換部240、給電側保持部251a~251d、表示部252及び給電装置把持部253を内包する筐体である。
電源ケーブル270は、商用電源からの電力を電源変換部240に供給する。
次に、以下に、放射線撮影装置100の凹み部150について詳細に説明する。
図1(a)では、凹み部150は、筐体本体162の側面部及び底面部にまたがるように設けられている。より詳細に、図1(a)では、凹み部150は、筐体本体162の1つの側面部1603と底面部1602との2面が結ばれる角部に設けられているが、本実施形態においては、これに限定されるものではない。本実施形態においては、例えば、凹み部150は、筐体本体162の2つの側面部(例えば、側面部1603及び1604、或いは、側面部1603及び1606)と底面部1602との3面が結ばれる角部に設けられていてもよい。これにより、凹み部150に対して非接触給電装置200が筐体本体162の側面部及び底面部における複数方向から(どちらの方向からでも)挿抜可能になる。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置100の概略構成の他の一例を示す図である。この図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。図2(a)は、放射線の入射方向における放射線撮影装置100の断面図を示し、また、図2(b)は、底面部1602の側から見た放射線撮影装置100の平面図である。図1に示す放射線撮影装置100に対して、図2に示す放射線撮影装置100は、凹み部150が、1つの側面部1603における4辺よりも内側に形成されており、筐体本体162の側面部1603にのみ開口部が設けられている。この図2に示す例の場合、非接触給電装置200の挿抜方向は、側面部1603における1方向に限られるため、非接触給電装置200の意図しない外れが生じにくくなる。また、例えば、放射線撮影装置100がベッド上で用いられる場合、非接触給電装置200を凹み部150に装着する際に、シーツ等の巻き込みを防止することができる。
また、凹み部150の内側には、図1及び図2に示すように、非接触給電部210から非接触で供給される電力を受電する非接触受電部141を有している。凹み部150と非接触給電装置200が嵌合したときに、高い充電効率を得るため、非接触受電部141と非接触給電部210との中心軸を、充電が行える程度に一致させることが望ましい。この場合、受電側保持部151a~151dと給電側保持部251a~251dは、非接触受電部141と非接触給電部210との間の距離が数mmから100mm程度の距離になるように保持する。なお、この距離は、非接触受電の方式に応じて一定以上の受電効率が確保できる位置であって、これに限定されるものではない。また、図1(b)に示す例では、非接触給電装置200と凹み部150は、放射線撮影装置100の底面部1602の側から見た際に台形の形状となっているが、これに限定されるものではなく、例えば、長方形や三角形、半円形であってもよい。例えば、凹み部150の幅や高さが、非接触給電装置200の挿入時の先端の形状の幅や高さよりも大きくなるような、台形や三角形等の形状としたり、凹み部150の開口部に面取りを設けたりすると、非接触給電装置200を凹み部150へ挿入する際の操作性が向上する。
さらに、凹み部150は、筐体本体162が電磁遮蔽能力の高い材料で構成されている場合には、凹み部150のうちの非接触受電部141の受電面は、電磁遮蔽能力が他の箇所より低い材料で構成することが望ましい。この構成により、非接触受電部141の受電効率を高めつつ、電磁遮蔽能力を確保することができる。さらに、非接触受電部141を凹み部150の内側に配置することにより、放射線撮影装置100に加わる外力が伝わりにくくなるため、非接触受電部141を保護することができる。また、ユーザは、凹み部150を手掛かりとして使用することもできる。図1に示す例では、筐体本体162の側面部1603と底面部1602とを結ぶ角部に凹み部150を設けている。この構成により、放射線撮影装置100が放射線入射板161を上向きにして設置された際、ユーザは凹み部150を手掛かりとして利用することができる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置100の概略構成の他の一例を示す図である。この図3において、図1及び図2に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。具体的に、図3は、図1(b)及び図2(b)と同様に、底面部1602の側から見た放射線撮影装置100の平面図である。
本実施形態においては、図3に示すように、複数の側面部1603~1606における各側面部に、凹み部150(150-1~150-4)、非接触受電部141及び受電側保持部151a~151dを設けてもよい。この構成によって、どの側面部を正面に置いても、凹み部150を視認することが可能であり、また、複数の側面部に凹み部150を形成して手掛かりが設けられることで、放射線撮影装置100の使い勝手が向上する。
次に、以下に、受電側保持部151a~151d及び給電側保持部251a~251dについて詳細に説明する。
受電側保持部151a~151d及び給電側保持部251a~251dは、凹み部150に挿入された非接触給電装置200の当該挿入された状態を保持する機能に加えて、非接触給電装置200を凹み部150の内部に引き込む機能を有している。本実施形態では、受電側保持部151a~151d及び給電側保持部251a~251dは、磁石で構成されており、当該磁石の磁力によって、非接触給電装置200を凹み部150の内部へと引き込み、非接触給電部210を非接触受電部141の位置に保持する。この際、受電側保持部151a~151d及び給電側保持部251a~251dのうちのどちらか一方は、磁石に換えて磁性体材料で構成されていてもよい。
また、凹み部150に挿入された非接触給電装置200の当該挿入された状態を保持する受電側保持部151及び給電側保持部251は、それぞれ、受電側保持部151a~151d及び給電側保持部251a~251dの全てが配置されていなくてもよい。例えば、受電側保持部151a及び151bと給電側保持部251a及び251bのみや、受電側保持部151a及び151cと給電側保持部251a及び251cのみのような構成でもよい。非接触給電装置200が凹み部150に挿入されて嵌合された際に、筐体本体162の側面部1603の側に配置される、受電側保持部151a及び151dと給電側保持部251a及び251dは、可能な範囲で側面部1603の側に配置されることが望ましいが、側面部1603の側から見た凹み部150の深さに対して、半分までの深さの位置に配置されればよい。即ち、本実施形態においては、受電側保持部151a~151d及び給電側保持部251a~251dは、非接触給電装置200を凹み部150に挿入する際に、当該挿入する方向に離間して複数配置されている。そして、本実施形態においては、当該複数配置された受電側保持部151a~151d及び給電側保持部251a~251dのそれぞれのうちの少なくとも1つの保持部は、非接触給電装置200が凹み部150に挿入された際に凹み部150の深さの半分までの位置に配置されている。
また、図1では、非接触給電装置200が凹み部150に挿入された際に、受電側保持部151a~151dに対向する位置に同数の給電側保持部251a~251dが配置される例を示しているが、本実施形態においてはこれに限定されるものではない。本実施形態においては、例えば、受電側保持部151及び給電側保持部251のうちのの一方が複数個配置され、他方が1個配置される態様であってもよい。例えば、受電側保持部151a及び151bや受電側保持部151c及び151dの配置関係のように、凹み部150の開口面に対し、垂直方向に複数個配置されていれば、給電側保持部251a及び251bや給電側保持部251c及び251dはそれぞれ一体の磁石でもよい。
以上の構成を有することにより、非接触給電装置200を凹み部150の近傍へと移動させることで、非接触給電装置200が凹み部150の内部に引き込まれ、非接触給電部210と非接触受電部141との位置合わせを半自動的に行うことができる。これにより、充電作業が容易になる。さらに、放射線撮影装置100に電力を供給する際、受電側保持部151と給電側保持部251によって、非接触受電部141に対して非接触給電部210が充電効率が一定以上となる位置に保持されるため、充電効率を高い状態で安定した受電を行うことができる。また、図1に示す例では、凹み部150を筐体本体162の側面部1603と底面部1602とを結ぶ角部に形成することにより、放射線撮影装置100を撮影台上に平置きしたり、架台に組み込んだりした際にも充電作業が可能となる。
次に、図4を用いて、非接触給電部210と非接触受電部141との位置合わせの手順について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影システム10において、図1に示す非接触給電部210と非接触受電部141との位置合わせ手順の一例を示す図である。ここで、図4において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。また、図4(a)~図4(c)は、図1(b)と同様に、底面部1602の側から見た放射線撮影装置100の一部及び非接触給電装置200の平面図である。
まず、図4(a)に示すように、非接触給電装置200を放射線撮影装置100の側面部1603の側から凹み部150の近傍へと移動させることで、例えば磁石で構成された、給電側保持部251bと受電側保持部151aとが引き合う。
続いて、図4(b)に示すように、非接触給電装置200を矢印に示す挿入方向Aに押し進めることで、例えば磁石で構成された、給電側保持部251aと受電側保持部151a及び給電側保持部251bと受電側保持部151bとが引き合う。
その後、図4(c)に示すように、凹み部150に非接触給電装置200が引き込まれて嵌合し、非接触給電部210と非接触受電部141との位置合わせが完了する。即ち、非接触給電装置200が凹み部150に挿入されて嵌合された際、非接触給電部210と非接触受電部141とは、底面部1602の側から見た場合に対向した位置に配置される。
また、図4(c)に示すように、非接触給電装置200が凹み部150に挿入されて嵌合された際、受電側保持部151a~151dと給電側保持部251a~251dとは、それぞれ、対向した位置に配置される。そして、非接触給電装置200が凹み部150に挿入されて嵌合された際、受電側保持部151a~151d及び給電側保持部251a~251dは、当該挿入された状態を磁力によって保持する。この際、受電側保持部151a~151d及び給電側保持部251a~251dは、図4(c)に示す配置から、底面部1602の面方向の保持力によって、挿入された状態を保持する。
以上のように、非接触給電装置200を凹み部150の近傍へと移動させることで、半自動的に非接触給電部210と非接触受電部141との位置合わせが完了する。
本実施形態においては、非接触給電部210を非接触受電部141の位置に合わせた際に、対向する受電側保持部151と給電側保持部251との間に発生する磁力の大きさは、全て同一であってもよく、また、差があってもよい。このとき、少なくとも最も磁力が強くなる受電側保持部151と給電側保持部251との対向面を一致させることで、非接触給電装置200を一意的な位置で保持することが可能である。さらに、電源ケーブル270が引っ張られるなどして非接触給電装置200がずれても、磁力によって自動的に元の位置に戻すことができる。これにより、高い充電効率で安定した非接触充電を行うことができる。
また、本実施形態においては、複数配置された受電側保持部151a~151dと給電側保持部251a~251dとのうち、凹み部150の深さが浅い方の保持部は、凹み部150の深さが深い方の保持部よりも、磁力を大きくする形態を採りうる。例えば、図4(b)に示す受電側保持部151aと給電側保持部251aとの間に発生する磁力を最も大きくする(受電側保持部151bと給電側保持部251bとの間に発生する磁力よりも大きくする)ことで、図4(c)への移行をスムーズに行うことができる。また、電磁誘導方式にて非接触充電を行う場合、図4に示すように、非接触受電部141と非接触給電部210との中心軸の向きと保持部の磁力が働く向きとを垂直方向にすることで、電磁誘導で発生する磁界の阻害を抑制することができる。
図1~図4に示す例では、受電側保持部151a~151dは、底面部1602の側から見た場合に、凹み部150の側面に配置されているが、凹み部150の上面に配置されてもいてもよい。この形態を採る場合、給電側保持部251a~251dも、非接触給電装置200の上面に配置される。
また、非接触給電装置200は、非接触給電に必要な電気部品のみを内蔵することで、小さい容積で構成することができる。非接触給電装置200は、非接触給電部210が小型であることにより、嵌合する凹み部150も小型化することが可能になる。これにより、放射線入射板161への荷重に対する強度の低下を抑制することができる。
また、非接触給電装置200には、凹み部150に装着された非接触給電装置200を取り外すためのスイッチ及び機構(不図示)が設けられていてもよい。例えば、スイッチを押すことで、非接触給電装置200から、凹み部150を押すようなピンが突出し、その反力で非接触給電装置200が押し出される機構を設けることもできる。また、受電側保持部151a~151dと給電側保持部251a~251dを全て磁石で構成した場合、スイッチを押すことで、非接触給電装置200側の磁石が反転して極が入れ替わり、磁石の斥力で非接触給電装置200を取り外すような機構を設けてもよい。
次に、放射線撮影装置100の充電方法について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置100の充電方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、放射線撮影装置100を撮影台の天板の上などに、放射線入射板161が上側となるように置く。即ち、放射線撮影装置100の底面部1602を撮影台の天板の上などに平置きする。
続いて、ステップS102において、例えば図4(a)に示すように、非接触給電装置200を放射線撮影装置100の側面部1603の側から凹み部150に近づける。
続いて、ステップS103において、例えば図4(b)に示すように、受電側保持部151と給電側保持部251の引力によって、非接触給電装置200が凹み部150の内部に引き込まれる。
続いて、ステップS104において、例えば図4(c)に示すように、凹み部150に非接触給電装置200が引き込まれ挿入されて嵌合し、受電側保持部151及び給電側保持部251によって、当該挿入された状態が保持される。電磁誘導方式の場合、この保持される位置は、非接触給電部210と非接触受電部141とのコイルの中心軸が、非接触充電を行える程度に一致するように保持される位置である。
続いて、ステップS105において、非接触給電装置200から放射線撮影装置100に対して給電を行う。
続いて、ステップS106において、ステップS105の給電により、放射線撮影装置100は、給電された電力を受けて2次電池135に充電される。
ステップS106の処理が終了すると、図5に示すフローチャートの処理が終了する。
本実施形態では、非接触給電装置200を凹み部150付近へと移動させることで、非接触給電装置200が凹み部150の内部に引き込まれ、非接触給電部210と非接触受電部141の位置合わせが半自動的に完了する。これにより、操作者による非接触給電部210と非接触受電部141の位置合わせが容易になる。これにより、安定して高い充電効率で非接触充電が行えるとともに、放射線撮影装置100の底面部1602を撮影台上に平置きしたり架台に組み込んだりした状態でも、充電作業が行える。
第1の実施形態に係る放射線撮影装置100では、撮影装置筐体160の少なくとも側面部1603に凹み部150が設けられており、非接触受電部141は、凹み部150に挿入された非接触給電装置200から電力を受電するようにしている。
かかる構成によれば、放射線撮影装置100の底面部1602を平置きした場合にも非接触給電を行うことができ、且つ、非接触給電の状態のままで適切な放射線撮影を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影装置100と非接触給電装置200の概略構成の一例を示す図である。この図6において、図1~図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。具体的に、図6(a)は、図1(b)と同様に底面部1602の側から見た放射線撮影装置100及び非接触給電装置200の平面図であって、凹み部150と非接触給電装置200の周辺の拡大図である。また、図6(b)は、図6(a)に示す側面部1603の側から見た放射線撮影装置100及び非接触給電装置200の平面図であって、凹み部150と非接触給電装置200の周辺の拡大図である。
第1の実施形態と第2の実施形態とでは、凹み部150と非接触給電装置200の形状が異なる。図6(a)及び図6(b)に示すように、凹み部150の表面には、放射線入射面側にリブ181a及び181bが形成され、筐体本体162の側面部1603と接する側面のうちの1つに突起部182が形成される。また、図6(a)及び図6(b)に示すように、非接触給電装置200には、凹み部150のリブ181a及び181bと突起部182に嵌合するように凹み部(嵌合部)281a,281b及び282が設けられる。凹み部150の上面に形成されたリブ181a及び181bにより、凹み部150の強度が向上し、また、凹み部150の側面に形成された突起部182により、放射線入射面と垂直方向の非接触給電装置200の脱落を抑制することができる。
以下、各構成について説明する。
受電側保持部151a及び151bは、凹み部150内部に配置され、また、給電側保持部251a及び251bは、非接触給電装置200に内包されている。また、受電側保持部151a及び151bと給電側保持部251a及び251bは、非接触給電装置200が凹み部150に挿入されて嵌合された際に、対向する位置に配置される。さらに、受電側保持部151aは、筐体本体162の側面部1603に可能な限り近くに配置される。非接触受電部141と非接触給電部210は、非接触給電装置200が凹み部150に嵌合されて保持されたときに、非接触充電が行える程度に中心軸が一致するように配置される。
また、上述したように、凹み部150の表面の放射線入射面側には、リブ181a及び181bが形成され、当該放射線入射面と筐体本体162の側面部1603と接する側面の1つには、突起部182が形成されている。また、非接触給電装置200の表面には、給電側上面凹み部281a及び281bと給電側側面凹み部282が形成されており、非接触給電装置200が凹み部150に挿入されたときに、リブ181a及び181bと突起部182に嵌合するように形成されている。
図6に示す例では、リブ181は2つ設けられ、突起部182は1つ設けられているが、本実施形態においては、これに限定されるものではなく、少なくともどちらか一方が1つ以上あればよい。放射線撮影装置100に凹み部150を設けることで、部分的に強度の低下が生じる。そこで、本実施形態では、リブ181a及び181bを設けることによって、凹み部150を補強することができる。また、非接触給電装置200を凹み部150に挿入して嵌合したときに、突起部182と給電側側面凹み部282を嵌合させることで、非接触給電装置200の不意の脱落を抑制することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明では、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る放射線撮影装置100と非接触給電装置200の概略構成の一例を示す図である。この図6において、図1~図4,図6に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。具体的に、図7は、側面部1603の側から見た放射線撮影装置100及び非接触給電装置200の平面図であって、凹み部150と非接触給電装置200の拡大図である。
第1の実施形態と第3の実施形態とでは、非接触給電部210が異なり、また、受電側保持部151と給電側保持部251の個数が異なる。非接触給電装置200の上下面の内側には、それぞれ、非接触給電部210a及び210bが配置される。電磁誘導方式で非接触充電を行う場合、非接触給電装置200の上下方向に磁束が発生するようになっていれば、非接触給電部210a及び210bと2つ設ける必要はなく、1つのみでもよい。図7に示すように、非接触給電装置200の上下面の内側にそれぞれ非接触給電部210a及び210bを設けることによって、非接触給電装置200の上下面を逆にして凹み部150に挿入した場合であっても、非接触充電を行うことが可能になる。
また、図7に示す例では、凹み部150の開口面付近には、非接触給電装置200が凹み部150に挿入された際、側面部1603に対して垂直な線であって凹み部150の開口部の中心を通る中心線152よって分けられる2つの領域のうちの両方の領域に、受電側保持部151aと受電側保持部151dが配置されている。また、図7に示す例では、凹み部150の開口面付近には、非接触給電装置200が凹み部150に挿入された際、中心線152よって分けられる2つの領域のうちの一方の領域(受電側保持部151aの配置領域)のみに、給電側保持部251aが配置されている。
ここで、凹み部150の開口面付近の受電側保持部151a及び151dと給電側保持部251aとは別に、凹み部150の奥行き方向に、それぞれ、少なくとも1つ以上の保持部(不図示)が配置されている。また、本実施形態では、受電側保持部151a及び151dと給電側保持部251aとの少なくとも一方は、磁石で構成されており、また、例えば磁石で構成されなかった保持部については磁性体材料で構成されている。また、受電側保持部151a及び151dと給電側保持部251aとの間に働く磁力の大きさは、凹み部150に挿入された非接触給電装置200が自重によって脱落しない程度にすることが望ましい。このように受電側保持部151a及び151dと給電側保持部251aを配置することで、非接触給電装置200を凹み部150に挿入させて嵌合させるときに、非接触給電装置200の上下をどちらにしても、磁力が働く面と対向する面には磁力が働かない。かかる構成によれば、凹み部150に挿入された非接触給電装置200が自重によって脱落せず、かつ、図7の矢印Bに示す方向のように、非接触給電装置200を外しやすくなる方向をつくることができるため、操作性の向上につながる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第4の実施形態の説明では、上述した第1~第3の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1~第3の実施形態と異なる事項について説明を行う。
図8は、本発明の第4の実施形態に係る放射線撮影装置100と非接触給電装置200の概略構成の一例を示す図である。この図8において、図1~図4,図6,図7に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。具体的に、図8は、側面部1603の側から見た放射線撮影装置100及び非接触給電装置200の平面図であって、凹み部150と非接触給電装置200の拡大図である。
第3の実施形態と第4の実施形態とでは、受電側保持部151と給電側保持部251の個数と配置の関係が異なる。
図8に示す例では、凹み部150の開口面付近には、非接触給電装置200が凹み部150に挿入された際、中心線152よって分けられる2つの領域のうちの一方の領域のみに、受電側保持部151aが配置されている。また、図8に示す例では、凹み部150の開口面付近には、非接触給電装置200が凹み部150に挿入された際、中心線152よって分けられる2つの領域のうちの両方の領域に、給電側保持部251aと給電側保持部251dが配置されている。
ここで、凹み部150の開口面付近の受電側保持部151aと給電側保持部251a及び251dとは別に、凹み部150の奥行き方向に、それぞれ、少なくとも1つ以上の保持部(不図示)が配置されている。また、本実施形態では、受電側保持部151aと給電側保持部251a及び251dとの少なくとも一方は、磁石で構成されており、また、例えば磁石で構成されなかった保持部については磁性体材料で構成されている。また、受電側保持部151aと給電側保持部251a及び251dとの間に働く磁力の大きさは、凹み部150に装着された非接触給電装置200が自重によって脱落しない程度にすることが望ましい。
以上の構成にすることで、非接触給電装置200の上下をどちらにして凹み部150に挿入し嵌合させても、常に同じ位置で保持力が発生するため、容易に取り外せる図8の矢印Cに示す方向を一定にすることができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第5の実施形態の説明では、上述した第1~第4の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1~第4の実施形態と異なる事項について説明を行う。
図9は、本発明の第5の実施形態に係る放射線撮影装置100と非接触給電装置200の概略構成の一例を示す図である。この図9において、図1~図4,図6~図8に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。具体的に、図9は、図1(b)と同様に底面部1602の側から見た放射線撮影装置100及び非接触給電装置200の平面図であって、凹み部150と非接触給電装置200の周辺の拡大図である。
第5の実施形態は、第1の実施形態と一部の保持部が異なり、非接触給電部210を非接触受電部141へと保持するために、機械的な保持部が用いられる。凹み部150の開口部の内側には、磁石で構成された受電側保持部151a及び151dが配置されている。非接触給電装置200には、非接触給電装置200と凹み部150が嵌合したときに、受電側保持部151a及び151dと対向する位置に、それぞれ、磁石で構成された給電側保持部251a及び251dが配置されている。なお、受電側保持部151a及び151dと給電側保持部251a及び251dのうち少なくとも一方は、磁石で構成され、磁石で構成されなかった保持部については磁性体材料で構成されていてもよい。本実施形態では、磁石または磁性体材料による保持部が2対存在するが、これに限定されるものではなく、1対であってもよく、また、配置できれば3対以上あってもよい。
さらに、本実施形態においては、給電装置筐体260には、給電装置凹み部283a及び283bが形成されており、また、凹み部150には、機械的保持機構183a及び183bが形成されている。機械的保持機構183a及び183bは、先端の一部または全体が、それぞれ、給電装置凹み部283a及び283bに嵌合するように形成され、その根元にはばね部材が配置されている。なお、図9に示す例では、底面部1602の側から見た場合に凹み部150と非接触給電装置200の形状が長方形であるが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、例えば図4のように台形の形状であっても、その他の形状であってもよい。
以上の構成により、図9(a)に示すように、非接触給電装置200は、受電側保持部151a及び151dと給電側保持部251a及び251dによって、凹み部150の内部に引き込まれる。さらに、凹み部150に対して非接触給電装置200を矢印に示す挿入方向Aに押して挿入する過程で、給電装置筐体260の先端と機械的保持機構183a及び183bの先端が接触し、ばね部材が圧縮される。さらに、非接触給電装置200を挿入して、非接触給電装置200を凹み部150へ嵌合させると、図9(b)に示すように、機械的保持機構183a及び183bと給電装置凹み部283a及び283bとがそれぞれ嵌合し、ばね部材の反力によって、非接触給電装置200が凹み部150に保持される。この構成により、磁石から構成される受電側保持部151と給電側保持部251を放射線撮影装置の側面部1603の付近にのみ配置することが可能となり、磁気の影響を受けやすい電気基板131及び133や放射線センサパネル110から距離をとることができる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。