JP7320638B2 - 眼科組成物による眼への刺激を緩和する方法、眼科組成物中のメントールの芳香性を持続させる方法、及び、眼科組成物によるソフトコンタクトレンズの変質を抑制する方法 - Google Patents
眼科組成物による眼への刺激を緩和する方法、眼科組成物中のメントールの芳香性を持続させる方法、及び、眼科組成物によるソフトコンタクトレンズの変質を抑制する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7320638B2 JP7320638B2 JP2022002428A JP2022002428A JP7320638B2 JP 7320638 B2 JP7320638 B2 JP 7320638B2 JP 2022002428 A JP2022002428 A JP 2022002428A JP 2022002428 A JP2022002428 A JP 2022002428A JP 7320638 B2 JP7320638 B2 JP 7320638B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ophthalmic composition
- polysorbate
- polydispersity
- menthol
- test
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、眼への刺激を緩和することが可能な眼科組成物を提供することを目的とする。
[1]ポリソルベート80と、
清涼化剤と、
を含有する、眼科組成物であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度(Mz/Mw)が1.27~1.63である、眼科組成物。
[2]ポリビニルアルコール、グリセリン、パンテノール、スルファメトキサゾール及びその塩、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、並びに、マンニトールからなる群から選択される少なくとも1種を更に含む、上記[1]に記載の眼科組成物。
[3]上記眼科組成物に含まれる上記ポリソルベート80の含有量1質量部に対して、上記清涼化剤の総含有量が、0.0001~100質量部である、上記[1]又は[2]に記載の眼科組成物。
[4]pHが4.0~9.5である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の眼科組成物。
[5]ポリソルベート80と、清涼化剤とを含有する、眼細胞への吸着速度抑制剤であって、
上記吸着速度抑制剤中の上記ポリソルベート80の多分散度(Mz/Mw)が1.27~1.63である、眼細胞への吸着速度抑制剤。
[6]ポリソルベート80と、清涼化剤とを含有する、眼科組成物用の芳香性持続剤であって、上記芳香性持続剤中の上記ポリソルベート80の多分散度(Mz/Mw)が1.27~1.63である、芳香性持続剤。
[7]ポリソルベート80と、清涼化剤とを含有する、ソフトコンタクトレンズの変質抑制剤であって、上記ソフトコンタクトレンズの変質抑制剤中の上記ポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である、ソフトコンタクトレンズの変質抑制剤。
[8]眼科組成物に、ポリソルベート80と、清涼化剤と、を配合することを含む、上記眼科組成物にリン脂質への吸着速度抑制作用を付与する方法であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度(Mz/Mw)が1.27~1.63である、方法。
[9]眼科組成物に、ポリソルベート80と、清涼化剤と、を配合することを含む、上記眼科組成物に上記清涼化剤の芳香性を持続する作用を付与する方法であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度(Mz/Mw)が1.27~1.63である、方法。
[10]眼科組成物に、ポリソルベート80と、清涼化剤と、を配合することを含む、上記眼科組成物にソフトコンタクトレンズの変質を抑制する作用を付与する方法であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度(Mz/Mw)が1.27~1.63である、方法。
また、本発明によれば、リン脂質への吸着速度を制御することが可能な眼科組成物を提供することが可能になる。具体的には、リン脂質へのポリソルベート80又は清涼化剤の吸着速度を抑制させ、眼細胞に対する刺激又は毒性を緩和する眼科組成物を提供することが可能になる。
、(A)ポリソルベート80と、(B)清涼化剤とを含有し、上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である。
(A)成分
本実施形態に係るポリソルベート80(以下、単に「ポリソルベート80」という場合がある。)は、多分散度が1.27~1.63であれば特に制限されない。上記ポリソルベート80は、市販品として得たポリソルベート80を後述する測定方法にて測定し、多分散度が1.27~1.63であるポリソルベート80を選択することで入手できる。
上記ポリソルベート80のその他の精製方法としては、例えば、晶析、樹脂クロマト、反応液をそのままスプレードライヤーで乾燥し粉末化する方法、水蒸気蒸留を行って除去する方法、有機溶媒と水とを用いた液液抽出法などが挙げられる。上記精製方法の具体例としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、ポリソルベート80をメタノールに溶解して光散乱法によって臨界ミセル濃度における分子量を測定し、限外ろ過膜の分画分子量を決定する。次に、膜ろ過は0.5~10ml/分の流速、0.1~20barの圧力の条件で行う。
ポリソルベート80の重量平均分子量、Z平均分子量を上述のような範囲にすることで、眼細胞への吸着速度の制御又は眼の不快感の緩和という本発明の効果をより顕著に発揮できる。
なお、重量平均分子量、Z平均分子量及び多分散度の測定方法及び算出方法は、後述の通りである。
(検量線溶液の調製)
1.分子量数十万から数百のポリエチレンオキシド(東ソー株式会社)及びポリエチレングリコール(和光純薬株式会社)を標準物質とする。標準物質としてのポリエチレンオキシドとポリエチレングリコールは、分子量が数十万であるものを3種、分子量が数万であるものを2種、分子量が数千であるものを2種、分子量が数百であるものを1種、使用することが好ましい。さらに好ましくは、分子量580000、255000、146000、44900、27000のポリエチレンオキシド及び分子量8000、1000、600のポリエチレングリコールを使用し、分子量580000、146000、27000、1000及び分子量255000、44900、8000、600に分け、溶出位置が重複しないように組み合わせる。
2.標準物質の濃度が0.1w/v%となる水溶液を調製し、標準液とする。標準物質の濃度を0.1w/v%とすることは、Z平均分子量、重量平均分子量、多分散度の相対標準偏差を抑制するために非常に重要である。
3.標準液1.0mLを正確に取り、メタノール4.0mLを正確に加えた液を検量線溶液とする。
(試料溶液の調製)
4.試験液1.0mLを正確に取り、メタノール4.0mLを正確に加えた液を試料溶液とする。
(液体クロマトグラフによる測定)
5.各検量線溶液及び試料溶液を高速液体クロマトグラフ(Agilent 1200シリーズ、Agilent Technologies製)により測定する。
6.カラムは東ソー株式会社製であり、親水性ビニルポリマーを充てんしたTSK-Gelα-4000(排除限界分子量約40万)及びTSK-Gelα-2500(排除限界分子量約5000)(両カラムともに内径7.8mm、長さ300mm)をこの順番に1本ずつ連結して設置する。カラム温度は40.0℃とする。40.0℃を一定に保つことは、Z平均分子量、重量平均分子量、多分散度の相対標準偏差を抑制するために非常に重要である。
7.溶離液は、0.10mol/L塩化ナトリウム水溶液に対してメタノールの体積が4.0倍となる混合液を測定毎に調製して使用する。試料分子間あるいは試料分子と充てん剤との相互作用を抑制するため溶離液に塩化ナトリウムを含むことは、Z平均分子量、重量平均分子量、多分散度の相対標準偏差を抑制するために非常に重要である。
8.流量は0.5mL/minである。
9.注入量は50μLである。注入の前に0.45μmのフィルターによりろ過する。
10.検量線溶液、試料溶液の順番に測定し、分析周期は検量線溶液が60分間で、試料溶液は90分間である。測定を中断せずに検量線溶液と試料溶液を連続して測定することは、Z平均分子量、重量平均分子量、多分散度の相対標準偏差を抑制するために非常に重要である。
11.検出器は示差屈折率検出器で検出器温度は35.0℃である。
(Z平均分子量、重量平均分子量及び多分散度の算出)
12.得られたクロマトグラムをSEC解析装置で解析処理を行い、クロマトグラム曲線とベースラインに挟まれた範囲を対象としてZ平均分子量及び重量平均分子量を計算する。検量線溶液から各ピークの溶出時間及び分子量値をプロットし、1次式による近似を行い検量線とし、相関係数は0.99以上とする。さらに、クロマトグラムの解析処理上の誤差を軽減するために、得られたピークを0.1分以上0.001分未満の間隔で垂直分割し平均分子量の計算を行う。
13.Mz/Mwの式より多分散度を算出する。上記4.で示される工程の試料溶液を3回測定し、それぞれで求められたZ平均分子量、重量平均分子量又は多分散度の平均値をそれぞれ、本願のZ平均分子量、重量平均分子量又は多分散度として採用する。
(B)成分は清涼化剤である。(B)成分は1種を単独で使用してもよく、又は、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は後述する(C)成分を更に含んでもよい。(C)成分はポリビニルアルコール(完全ケン化物又は部分ケン化物)、グリセリン、パンテノール、スルファメトキサゾール及びその塩、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、並びに、マンニトールからなる群から選択される少なくとも1種である。(C)成分は1種を単独で使用してもよく、又は、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。(C)成分を併用することによって、本発明の効果をより一層顕著に発揮できる。特に(C)成分を併用することによって、眼科組成物に含まれる清涼化剤の芳香性を更に持続できる。(C)成分を併用することによる、リン脂質への吸着速度の制御メカニズム等の詳細は明らかにされていないが、(C)成分を併用することによってポリソルベート80と清涼化剤とのミセル構造がわずかに異なり、リン脂質との親和性に影響することも一因として考えられる。
本実施形態に係る眼科組成物は後述する(D)成分を更に含んでもよい。(D)成分はタウリン、プロピレングリコール、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及びその塩、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トロメタモール、並びに、イプシロン-アミノカプロン酸からなる群から選択される少なくとも1種である。(D)成分は1種を単独で使用してもよく、又は、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。(D)成分を併用することによって、本発明の効果をより一層顕著に発揮できる。特に(D)成分を併用することによって、コンタクトレンズの変質を更に抑制できる。(D)成分を併用することによる、リン脂質への吸着速度の制御メカニズム等の詳細は明らかにされていないが、(D)成分を併用することによってポリソルベート80と清涼化剤とのミセル構造がわずかに異なり、リン脂質との親和性に影響することも一因として考えられる。
抗アレルギー剤:クロモグリク酸塩、アンレキサノクス、イブジラスト、スプラタスト、ペミロラストカリウム、トラニラスト、オロパタジン塩酸塩、レボカバスチン塩酸塩及びアシタザノラスト等。
抗ヒスタミン剤:クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩及びケトチフェンフマル酸塩等。
血管収縮剤(充血除去剤):塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン及びdl-塩酸メチルエフェドリン等。
抗炎症剤:プラノプロフェン、グリチルリチン酸、アラントイン、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、アズレンスルホン酸、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、リゾチーム、サリチル酸、トラネキサム酸、甘草及びこれらの塩等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン及び硫酸アトロピン等。
殺菌剤:アクリノール、セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド及び塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等。
アミノ酸類:グリシン、アラニン、γ-アミノ酪酸、アスパラギン酸、L-アスパラギン酸カリウム、グルタミン酸、アルギニン、リジン、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム及びアルギン酸等。
ビタミン類:ビタミンB1、ビタミンB2(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム)、ナイアシン(ニコチン酸及びニコチン酸アミド)、パントテン酸、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール及びピリドキサミン)、ビオチン、葉酸、ビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン及びアデノシルコバラミン)、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール及び酢酸トコフェロール等。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール等。これらはd体、l体及びdl体のいずれでもよい。
非イオン性界面活性剤:モノウラリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)及びトリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;POE(10)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油10)及びPOE(35)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油35)等のPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル;POE(54)POP(39)グリコール、POE(120)POP(40)グリコール、POE(160)POP(30)グリコール、POE(196)POP(67)グリコール(ポロクサマー407、プルロニックF127)及びPOE(200)POP(70)グリコール等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ステアリン酸ポリオキシル40等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール等。なお、上記で例示する化合物において、括弧内の数字は付加モル数を示す。
両性界面活性剤:N-[2-[[2-(アルキルアミノ)エチル]アミノ]エチル]グリシン及びその塩(アルキルジアミノエチルグリシン又はアルキルポリアミノエチルグリシンとも呼ばれる)等。
陰性イオン界面活性剤:アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、α-スルホ脂肪酸エステル塩、α-オレフィンスルホン酸等。
陽性イオン界面活性剤:塩化ベンゼトニウム等。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩化亜鉛、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド、塩酸ポリヘキサニド等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
安定化剤:ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム等。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、パラフィン、プラスチベース、ラノリン等。
本発明の他の実施形態では、眼科組成物に、(A)ポリソルベート80と、(B)清涼化剤と、を配合することを含む、上記眼科組成物に眼の不快感の緩和作用を付与する方法であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である、方法を提供するものである。
また、本発明の別の他の実施形態では、(A)ポリソルベート80と、(B)清涼化剤と、を含有する眼科組成物を眼に適用する工程を含む、眼科組成物の適用による眼の不快感を緩和する方法であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である、方法を提供するものである。
本発明の他の実施形態では、眼科組成物に、(A)ポリソルベート80と、(B)清涼化剤と、を配合することを含む、上記眼科組成物に上記清涼化剤の芳香性を持続する作用を付与する方法であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である、方法を提供するものである。
また、本発明の別の他の実施形態では、眼科組成物に、(A)ポリソルベート80と、(B)清涼化剤と、を配合することによって、眼科組成物に含まれる清涼化剤の芳香性を持続させる方法であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である、方法を提供するものである。
本発明の他の実施形態では、眼科組成物に、(A)ポリソルベート80と、(B)清涼化剤と、を配合することを含む、上記眼科組成物にソフトコンタクトレンズの変質を抑制する作用を付与する方法であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である、方法を提供するものである。
また、本発明の別の他の実施形態では、(A)ポリソルベート80と、(B)清涼化剤と、を含有する眼科組成物をソフトコンタクトレンズに接触させる工程を含む、眼科組成物中のソフトコンタクトレンズの変質を抑制する方法であって、
上記眼科組成物中の上記ポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である、方法を提供するものである。ここで、「眼科組成物をソフトコンタクトレンズに接触させる工程」は、例えば、ソフトコンタクトレンズを保存液中で保存すること、ソフトコンタクトレンズを洗浄液で洗浄すること、ソフトコンタクトレンズの装用中に点眼剤を眼に適用すること等が挙げられる。
本実施形態に係る眼科組成物の製造においては、眼科組成物中で多分散度が1.27~1.63であるポリソルベート80と清涼化剤とを配合することによって、眼細胞への吸着速度の制御効果(制御作用)が維持又は向上した製剤の提供に貢献できると示唆される。
(1)試験方法
表1に記載の、それぞれ異なる多分散度を有するポリソルベート80を使用して、表2及び表3に記載の眼科組成物である試験液A(比較例1-A、比較例2-A、実施例1-A、実施例2-A、実施例3-A)及び試験液B(比較例1-B、比較例2-B、実施例1-B、実施例2-B、実施例3-B)を調製し、各試験液中のポリソルベート80の多分散度を測定した。次に、QCM(Quartz Crystal Microbalance)装置を用いて、水晶センサーに固定したリン脂質に対する各試験液の吸着量に応じて変動する振動数をリアルタイムに測定した。その後、対応する番号の試験液Aと試験液Bの吸着速度定数を用いて、後述する式1に基いて吸着速度の抑制率を計算した。対応する番号の試験液Aと試験液Bとは、例えば、比較例1-Aと比較例1-Bである。
吸着速度の抑制率(%)=[{(清涼化剤を含有しない試験液のKobs)-(清涼化剤を含有する試験液のKobs)}/(清涼化剤を含有する試験液のKobs)]×100 (式1)
結果を表4に示す。多分散度が異なる各種(A)成分と、(B)成分とを組み合わせることによって、試験液中の多分散度が1.21以下である(A)成分においては吸着速度の抑制効果が低下するが(比較例1~2)、試験液中の多分散度が1.27以上である(A)成分においては吸着速度の抑制効果が向上することが示された(実施例1~3)。
(1)試験方法
下記表5、表6に従って常法に準じて、眼科組成物である各試験液を調製し、各試験液中のポリソルベート80の多分散度を測定した。各試験液は、10mL容量の透明ガラスバイアル(セプタムキャップ)に9mLずつ充填した。恒温槽にて60℃、24時間静置する熱処理を行った。調製直後の各試験液と熱処理後の各試験液とを、腕に30μL滴下し、指で直径約2cmの円状に広げて臭いを嗅ぎ、VAS(Visual Analog Scale)法により評価した。すなわち、「爽快な清涼感のある香り」「良い香り」について、10cmの直線の両端において、「全く感じない」を0mm、「とても感じる」を100mmとし、各試験液の匂いの大きさに相当する直線上の一点を被験者に示させた。0mmの点からの距離(mm)を測定して、官能の点数とした。匂いに敏感な被験者を選び、5名で行い、点数の平均値を算出した。
調製直後の各試験液の芳香性の点数の平均値を表5、熱処理後の各試験液の芳香性の点数の平均値を表6に示す。(A)ポリソルベート80及び(B)l-メントール、d-カンフル又はd-ボルネオールを含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.34である試験液2-2、2-3、2-5、2-6、2-8、2-10は、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27未満である試験液2-1、2-4、2-7、2-9と比べて、調製直後に顕著に高い芳香性を示すことが確認された。さらに、熱処理後の試験液も、(A)ポリソルベート80及び(B)l-メントール、d-カンフル又はd-ボルネオールを含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である試験液2-2、2-3、2-5、2-6、2-8、2-10、2-11、2-12は、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27未満である試験液2-1、2-4、2-7、2-9と比べて、顕著に高い芳香性を示すことから、眼科組成物の長期使用中又は保管中にも、芳香性が持続することが確認された。
(1)試験方法
下記表7及び表8に従って常法に準じて、眼科組成物である各試験液を調製したことを除いて、試験例2と同様の方法によって、熱処理後の芳香性の評価を行った。匂いに敏感な被験者を選び、5名で行い、点数の平均値を算出した。
芳香性の点数の平均値を表7、表8及び表9に示す。(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(l-メントール)を含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.34である試験液2-3に比べ、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(l-メントール)及び(C)ポリビニルアルコール、グリセリン、パンテノール、スルファメトキサゾール、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム又はD-マンニトールを含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.34である試験液3-1~3-8は熱処理後に顕著に高い芳香性を示すことから、眼科組成物の長期使用中又は保管中に、芳香性が持続することが確認された。また、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(d-ボルネオール)を含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.34である試験液2-5、2-6に比べ、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(d-ボルネオール)及び(C)ポリビニルアルコール又はグリセリンを含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.34である試験液3-9~3-12は熱処理後に顕著に高い芳香性を示すことから、眼科組成物の長期使用中又は保管中に、芳香性が持続することが確認された。更に、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(d-カンフル)を含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.34である試験液2-10、2-11に比べ、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(d-カンフル)及び(C)グリセリンを含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.34である試験液3-14、3-15は熱処理後に顕著に高い芳香性を示すことから、眼科組成物の長期使用中又は保管中に、芳香性が持続することが確認された。また、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(d-ボルネオール)を含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.19である試験液2-1に比べ、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(d-ボルネオール)及び(C)ポリビニルアルコールを含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.19である試験液3-13は、熱処理後に芳香性が低下した。
(1)試験方法
下記表10、表11に従って常法に準じて各試験液を調製し、各試験液中のポリソルベート80の多分散度を測定した。
生理食塩液10mL中にソフトコンタクトレンズ(USAN名 :EtafilconA;含水率58.0%、POWER-3.00、B.C.8.5、DIA14.2mm)各1枚を浸漬し、4時間以上25℃で静置した。各試験液を10mL容量の透明ガラスバイアル(セプタムキャップ)に5mLずつ充填し、生理食塩液処理を行ったソフトコンタクトレンズを1枚ずつ浸漬した。恒温槽にて25℃24時間又は60℃24時間静置する熱処理を行った。熱処理後、ガラスバイアルを室温に1時間静置し、試験液とコンタクトレンズを室温と同じ温度にした。ガラスバイアルからコンタクトレンズを取り出し、水分を拭き取り、凸形状を下向きにして目盛り付きスライドグラス上に静かに置いた。このときコンタクトレンズとスライドグラスとの接面が歪みのない円形となるように注意した。設置後5秒後に、顕微鏡で接面円の直径を測定した。その後直ちに、熱処理を行ったガラスバイアルの試験液の中へコンタクトレンズを戻し入れた。コンタクトレンズの乾燥を避けるため、ガラスバイアルから取り出してから測定まで、速やかに行った。1つの試験液についてコンタクトレンズ3枚を用い、1枚のコンタクトレンズを3回測定して平均値を算出した。
結果を表10及び表11に示す。(A)ポリソルベート80及び(B)l-メントール、d-カンフル又はd-ボルネオールを含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である試験液4-2、4-3、4-4、4-6、4-7、4-8、4-10、4-11は、多分散度が1.19である試験液4-1、4-5、4-9と比べて、変質率の絶対値が小さいことが確認された。すなわち、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である試験液は、25℃においてコンタクトレンズに及ぼす変質を抑制することが分かった。また、(A)ポリソルベート80及び(B)d-カンフルを含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である試験液4-13、4-14、4-15は、多分散度が1.19である試験液4-12と比べて、60℃処理後の変質率の絶対値が小さいことが確認された。つまり、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.27~1.63である試験液は、熱処理後もコンタクトレンズに及ぼす変質を抑制することが分かった。したがって、コンタクトレンズの長期使用中又は保管中においても変質を抑制することが分かった。
(1)試験方法
下記表12に従って常法に準じて各試験液を調製したこと以外は、試験例4と同様の方法によって、コンタクトレンズの評価を行った。
結果を表12に示す。(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(l-メントール)及び(D)タウリン、プロピレングリコール、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸カリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トロメタモール又はイプシロン-アミノカプロン酸を含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.34である試験液5-1、5-2、5-3、5-4、5-5、5-6は、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(l-メントール)を含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.34である試験液4-3と比べて、60℃処理後の変質率の絶対値が小さいことが確認された。つまり、コンタクトレンズの長期使用中又は保管中においても変質を抑制することが分かった。また、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(l-メントール)及び(D)トロメタモール又はイプシロン-アミノカプロン酸を含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.63である試験液5-7、5-8は、(A)ポリソルベート80、(B)清涼化剤(l-メントール)を含有し、試験液中のポリソルベート80の多分散度が1.63である試験液4-4と比べて、60℃処理後の変質率の絶対値が小さいことが確認された。つまり、コンタクトレンズの長期使用中又は保管中においても変質を抑制することが分かった。
Claims (7)
- ポリソルベート80及びメントールを含有する眼科組成物におけるポリソルベート80による眼への刺激を緩和する方法であって、
眼科組成物に、多分散度(Mz/Mw)が1.27~1.63であるポリソルベート80と、メントールと、を配合することを含む、
方法。 - ポリソルベート80及びメントールを含有する眼科組成物におけるポリソルベート80によるソフトコンタクトレンズの変質を抑制する方法であって、
眼科組成物に、多分散度(Mz/Mw)が1.27~1.63であるポリソルベート80と、メントールと、を配合することを含む、
方法。 - 前記眼科組成物に含まれる前記ポリソルベート80の重量平均分子量が1200~3200である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記眼科組成物に含まれる前記ポリソルベート80のZ平均分子量が1300~3500である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼科組成物に含まれる前記ポリソルベート80の含有量が0.0001~8w/v%であり、前記眼科組成物に含まれる前記メントールの含有量が0.00005~0.5w/v%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼科組成物に含まれる前記ポリソルベート80の含有量1質量部に対して、前記メントールの総含有量が、0.0001~100質量部である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- ポリビニルアルコール、グリセリン、パンテノール、スルファメトキサゾール及びその塩、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、マンニトール、タウリン、プロピレングリコール、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及びその塩、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トロメタモール、並びに、イプシロン-アミノカプロン酸からなる群から選択される少なくとも1種を更に含み、その含有量が0.00005~10w/v%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022002428A JP7320638B2 (ja) | 2020-04-02 | 2022-01-11 | 眼科組成物による眼への刺激を緩和する方法、眼科組成物中のメントールの芳香性を持続させる方法、及び、眼科組成物によるソフトコンタクトレンズの変質を抑制する方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020066849A JP2020109125A (ja) | 2020-04-02 | 2020-04-02 | 眼科組成物 |
JP2022002428A JP7320638B2 (ja) | 2020-04-02 | 2022-01-11 | 眼科組成物による眼への刺激を緩和する方法、眼科組成物中のメントールの芳香性を持続させる方法、及び、眼科組成物によるソフトコンタクトレンズの変質を抑制する方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020066849A Division JP2020109125A (ja) | 2020-04-02 | 2020-04-02 | 眼科組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022050581A JP2022050581A (ja) | 2022-03-30 |
JP7320638B2 true JP7320638B2 (ja) | 2023-08-03 |
Family
ID=87469833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022002428A Active JP7320638B2 (ja) | 2020-04-02 | 2022-01-11 | 眼科組成物による眼への刺激を緩和する方法、眼科組成物中のメントールの芳香性を持続させる方法、及び、眼科組成物によるソフトコンタクトレンズの変質を抑制する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7320638B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010064636A1 (ja) | 2008-12-02 | 2010-06-10 | ロート製薬株式会社 | 眼科用組成物 |
JP2010152088A (ja) | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Menicon Nect:Kk | コンタクトレンズ用組成物 |
JP2011207874A (ja) | 2010-03-11 | 2011-10-20 | Lion Corp | ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物 |
JP2011246449A (ja) | 2010-04-26 | 2011-12-08 | Lion Corp | ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3689123B2 (ja) * | 1993-10-22 | 2005-08-31 | ライオン株式会社 | ビタミンa類可溶化水性点眼剤 |
JPH09132526A (ja) * | 1995-11-09 | 1997-05-20 | Lion Corp | 点眼剤 |
-
2022
- 2022-01-11 JP JP2022002428A patent/JP7320638B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010064636A1 (ja) | 2008-12-02 | 2010-06-10 | ロート製薬株式会社 | 眼科用組成物 |
JP2010152088A (ja) | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Menicon Nect:Kk | コンタクトレンズ用組成物 |
JP2011207874A (ja) | 2010-03-11 | 2011-10-20 | Lion Corp | ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物 |
JP2011246449A (ja) | 2010-04-26 | 2011-12-08 | Lion Corp | ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「分析・試験報告書」,(株)東ソー分析センター,2016年07月19日,(特願2014-23088号において平成28年 8月24日付で提出された刊行物) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022050581A (ja) | 2022-03-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6120785B2 (ja) | 眼科用組成物 | |
JP5797720B2 (ja) | 眼科用組成物 | |
JP5525816B2 (ja) | 眼科用組成物 | |
JP5349317B2 (ja) | 眼科用組成物 | |
JP6315755B2 (ja) | 異物感緩和点眼剤 | |
WO2015156321A1 (ja) | 眼科組成物 | |
JP7320638B2 (ja) | 眼科組成物による眼への刺激を緩和する方法、眼科組成物中のメントールの芳香性を持続させる方法、及び、眼科組成物によるソフトコンタクトレンズの変質を抑制する方法 | |
JP2020109125A (ja) | 眼科組成物 | |
US20170056335A1 (en) | Ophthalmic Composition | |
JP5654704B1 (ja) | 眼科組成物 | |
JP2023025297A (ja) | 摩擦低減用であるコンタクトレンズ用点眼剤、その使用方法、および装用中のコンタクトレンズの摩擦低減方法 | |
JP2016088922A (ja) | 眼科組成物 | |
JP6607976B2 (ja) | 異物感緩和点眼剤 | |
JP2016088907A (ja) | 眼科組成物 | |
JP2016053014A (ja) | 眼科組成物 | |
JP2019174830A (ja) | ソフトコンタクトレンズ用組成物 | |
JP2019218369A (ja) | 異物感緩和点眼剤 | |
JP6537223B2 (ja) | ソフトコンタクトレンズ用組成物 | |
JP2024072698A (ja) | アレルギー用眼科組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220111 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20221021 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221122 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230418 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230614 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230627 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230724 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7320638 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |