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JP7319946B2 - 浚渫装置と浚渫システム、及び浚渫方法 - Google Patents

浚渫装置と浚渫システム、及び浚渫方法 Download PDF

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JP7319946B2 JP2020082855A JP2020082855A JP7319946B2 JP 7319946 B2 JP7319946 B2 JP 7319946B2 JP 2020082855 A JP2020082855 A JP 2020082855A JP 2020082855 A JP2020082855 A JP 2020082855A JP 7319946 B2 JP7319946 B2 JP 7319946B2
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Description

本発明は、浚渫装置と浚渫システム、及び浚渫方法に関する。
ダム湖等の貯水池では、雨水や河川水等とともに流れ込んだ土砂が湖底に堆積し、湖底に土砂が堆積することにより貯水池の貯水性能が低下し得る。そこで、ダム湖等においては、湖底に堆積した土砂(堆砂)が様々な方法により除去されている。
この堆砂の除去方法として、陸上掘削と浚渫が挙げられる。陸上掘削では、堆砂の掘削に際して貯水池の貯水位を低下させる必要があることから、ダムの運用制限を要する。また、貯水池の上流域に掘削範囲が限定されるといった課題を内包する。
一方、水上から浚渫する方法には、グラブ浚渫やポンプ浚渫等がある。湖底に堆積した堆砂の中には、巨礫や流木、沈木、塵芥といった異物が一般に混じっており、ポンプ浚渫においては、ポンプや配管がこの異物により閉塞し、閉塞の都度ポンプや配管から異物を取り除くメンテナンスを余儀なくされることから、堆砂除去効率が著しく低下する恐れがある。そこで、ポンプを用いた浚渫に際しては前工程として堆砂と異物を分別するのが好ましいものの、水中における堆砂と異物の分別は実質的に不可能である。
ここで、掘削手段によって水底から掘削された掘削土砂を排土する際に、掘削土砂に含まれている枝や石等の夾雑物が、排土手段に詰まってしまうことを防ぐことができ、土砂を効率良く浚渫することのできる浚渫装置が提案されている。具体的には、水底の土砂を掘削するカッタと、カッタの上方に設けられている筒体部と、カッタと筒体部の底部を閉塞している隔壁との間に形成されたチャンバと、カッタに設けられた開口部を通じて、チャンバ内に取り込まれた掘削土砂をサンドポンプによって排出する排土手段とを備えている浚渫装置である(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-214263号公報
特許文献1に記載の浚渫装置によれば、湖底に堆積した堆砂をポンプにて浚渫するに当たり、堆砂中に存在し得る巨礫や流木、沈木、塵芥といった異物がポンプや配管を閉塞する課題を解消することができる。
ところで、ポンプや配管が閉塞する原因としては、上記する異物の他にも、吸引された泥水が高い土砂濃度を有することが挙げられる。このような土砂濃度の高い泥水の吸引を防止するべく、オペレーティングによりポンプによる吸引泥水量を調節する方法や、浚渫用アタッチメントの先端回転部に鍔を設けて当該浚渫用アタッチメントの堆砂への貫入量を制限する方法が挙げられる。しかしながら、オペレーティングによる方法では、堆砂の吸引が断続的となり、浚渫用アタッチメントの堆砂への貫入量を制限する方法では、ポンプ能力を制限することになり、いずれの方法によっても浚渫効率が低下する恐れがある。さらに、大深度の浚渫に際して浚渫用アタッチメントを適用する場合に、オペレーティングによる方法では浚渫効率の低下は一層顕著になり得る。
従って、堆砂中に存在し得る異物によるポンプや配管の閉塞を解消できることに加えて、例えば高い土砂濃度の泥水によるポンプや配管の閉塞を解消することのできる浚渫装置と浚渫システム、及び浚渫方法の開発が望まれる。
本発明は、ポンプを用いて堆砂を浚渫するに当たり、ポンプや配管を閉塞させることなく、効率的な浚渫を実現することのできる浚渫装置と浚渫システム、及び浚渫方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による浚渫装置の一態様は、
アームの先端に浚渫用アタッチメントが取り付けられている水中作業機と、
コントローラと、を有し、
前記浚渫用アタッチメントは、
ポンプと、
前記ポンプに連通する吸引管及び輸送管と、
前記吸引管の吸引口を包囲して複数の開口と切削ビットを備えているスクリーンと、
前記スクリーンを回転させるアクチュエータと、を有し、
前記コントローラにより、前記アクチュエータの回転数の変更制御が実行されることを特徴とする。
本態様によれば、アクチュエータの回転数の変更制御に応じて、吸引管の吸引口を包囲するスクリーンの回転数の変更制御を実行し、例えばスクリーンの回転数を低下させることにより、土砂濃度を低下させて配管閉塞を抑制することができる。この作用は、ポンプによる吸引量が一定であるのに対して、スクリーンの回転数が低下することで切削される土砂量が低下し、開口を介して吸引管に吸引される土砂量が低下することにより、土砂濃度が低下することによるものである。従って、吸引管や輸送管において土砂濃度や土砂量(揚砂流量)等を計測し、この計測結果に基づいて土砂濃度等が高すぎる場合に、アクチュエータの回転数を低下させる変更制御を実行することにより、吸引管や輸送管、ポンプの閉塞の抑制が可能になる。
また、吸引管の吸引口を包囲するようにして、複数の開口を備えているスクリーンが配設されていることにより、巨礫や流木、沈木、塵芥といった異物がスクリーン内に取り込まれ難くなり、吸引管やポンプがこれら異物によって閉塞することも解消される。
さらに、切削ビットを備えているスクリーンがアクチュエータにて回転することから、ポンプによる吸引力にてスクリーンの開口に異物が近接した場合に、切削ビットによって異物を弾いたり砕くことができるため、異物による吸引管等の閉塞防止効果は一層高くなる。
本態様の浚渫装置を構成する水中作業機としては、湖底を走行する作業機、台船から垂下されるシャフトに沿って昇降する作業機、台船からワイヤにて吊り下げられている作業機など、様々な形態の水中作業機が挙げられる。
また、「土砂濃度」とは、例えば、土砂の土粒子部分の体積と、土砂混じり水(泥水)の体積とから求められる体積土砂濃度のことである。ポンプや吸引管を閉塞する土砂濃度は、実施工に先んじて、実際に適用されるポンプや吸引管を用いた試験施工を行い、ポンプや吸引管を閉塞し得る土砂濃度を予め特定しておき、この土砂濃度未満に調整できる給水口の寸法を特定しておくのが望ましい。例えば、この試験施工により、吸引管等を閉塞する土砂濃度が20%程度と特定されている場合に、目標土砂濃度を15%や10%程度に設定し、この目標土砂濃度を満たすように給水口の寸法(口径)を設定することができる。また、その他、吸引管の管径、スクリーンの開口(スクリーン開口)等も、浚渫土砂の吸引効率や異物等の非閉塞性等を勘案して設定するのが好ましい。
また、本発明による浚渫装置の他の態様において、前記吸引管と輸送管には、揚砂流量計、土砂濃度計、圧力計の少なくとも一つが取り付けられており、
前記ポンプには負荷電流計が取り付けられており、
前記コントローラは、受信部と、格納部と、比較演算部と、制御部とを有し、
前記受信部は、前記揚砂流量計、前記土砂濃度計、前記圧力計及び前記負荷電流計の少なくとも一つにて計測された計測データを受信し、
前記格納部は、揚砂流量閾値、土砂濃度閾値、圧力閾値、揚砂流量と土砂濃度により特定される浚渫量の浚渫量閾値、負荷電流閾値の少なくとも一つが格納されており、
前記比較演算部により、前記計測データと、該計測データに関連する閾値とが比較され、
前記計測データが関連する前記閾値を超えている際に、前記制御部により、前記アクチュエータの回転数を下げる制御が実行されることを特徴とする。
本態様によれば、吸引管と輸送管の少なくとも一方において、揚砂流量、土砂濃度、圧力を計測し、もしくは、ポンプにおいて負荷電流を計測し、いずれかの計測データとそれらに対して予め設定されている閾値とを比較してアクチュエータの回転数を下げる制御を実行することにより、様々な指標に基づいて吸引管等の閉塞を抑制することができる。また、吸引管と輸送管のいずれか一方もしくは双方において、揚砂流量計、土砂濃度計、圧力計の全ての計器が取り付けられ、ポンプに取り付けられている負荷電流計を含めて、全ての計器から計測データを受信し、比較演算部において、全ての計測データを、格納部に格納されている、揚砂流量閾値、土砂濃度閾値、圧力閾値、揚砂流量と土砂濃度により特定される浚渫量の浚渫量閾値、負荷電流閾値と比較してもよい。この場合、一つの要素でも閾値を超える場合にアクチュエータの回転数を低下させる制御が実行されてもよいし(安全側の制御)、例えば、全ての要素が閾値を超えていなければ回転数を維持するような制御が実行されてもよく(危険側の制御)、複数の計測データを用いたアクチュエータの回転数の制御には様々な形態がある。
また、本発明による浚渫装置の他の態様において、前記スクリーンは、
鉛直方向に間隔を置いて配設された複数の環状横材と、
複数の前記環状横材の周方向に間隔を置いて配設されて各環状横材と接続される複数のU状の縦材と、を有した略半球状を呈し、複数の該環状横材と複数の該縦材が格子状に交差することにより複数の前記開口が形成されており、
前記スクリーンの回転方向に下端が傾斜した傾斜板材が、複数の前記環状横材に接続されており、該傾斜板材のうち、前記スクリーンの回転方向前側の端面には複数の切削ビットが取り付けられており、
前記スクリーンの平面視形状は円形であり、該スクリーンの平面視において、前記傾斜板材における前記回転方向前側の端面が該円形の接線方向から径方向外側に位置していることを特徴とする。
本態様によれば、スクリーンの回転方向に下端が傾斜した傾斜板材が設けられ、スクリーンの平面視において、傾斜板材における回転方向前側の端面(複数の切削ビットが取り付けられている端面)が該円形の接線方向から径方向外側に位置している(接線方向に対してすくい角θで傾斜している)ことにより、優れた切削性能を有する浚渫装置が形成される。
また、本発明による浚渫装置の他の態様において、前記浚渫用アタッチメントは、前記吸引管の途中位置に給水口をさらに備え、
前記ポンプの作動により、前記スクリーンの有する前記開口を介して前記吸引管に浚渫土砂が取り込まれ、かつ前記給水口を介して前記吸引管に清水が取り込まれ、該清水と前記浚渫土砂がともに前記吸引管を介して前記ポンプに吸引され、前記輸送管を介して輸送されることを特徴とする。
本態様によれば、吸引管の途中位置に給水口が設けられていることにより、ポンプを作動した際に、スクリーンの有する開口を介して吸引管に浚渫土砂が取り込まれ、給水口を介して吸引管に清水が取り込まれ、清水と浚渫土砂がともに吸引管を介してポンプに吸引されることにより、吸引された泥水中の浚渫土砂の濃度を清水にて低減することができる。このことにより、高い土砂濃度の泥水によるポンプや配管の閉塞を解消することができる。
また、給水口には、適宜の長さの給水管が取り付けられてもよい。また、吸引管には、直管や、直管とベント管のユニット管などが適用でき、吸引管における給水口の開設位置も、堆砂吸引時に撒き上がった堆砂が給水口に入り込まない位置(吸引口から離れた位置)に設定されるのが望ましい。さらに、給水口を介して吸引管に提供される清水としては、湖水の他、地上から供給される水道水や雨水、浄水等が含まれる。
また、本発明による浚渫装置の他の態様は、前記吸引管が外管と内管を備えた二重管であり、
前記給水口を介して前記吸引管に供給された清水が、前記外管と前記内管の間の外側流路を流れ、前記内管の吸引口を回り込んで該内管の内部の内側流路に導入され、該内側流路に取り込まれる浚渫土砂とともに前記ポンプにより吸引されることを特徴とする。
本態様によれば、給水口を介して供給された清水が、二重管からなる吸引管の外側流路を吸引口側へ流れ、内管の吸引口を回り込んで内管の内部の内側流路に導入されることにより、内管の吸引口から浚渫土砂と清水をともに吸引することができ、清水による浚渫土砂の土砂濃度をより一層効果的に低減することができる。吸引管が単管からなる場合には、吸引管の吸引口から清水の給水口までの過程で清水による土砂濃度低減を行うことはできないが、吸引管が二重管からなる場合には、内管の吸引口から清水による土砂濃度の低減を図ることが可能になるためである。
ここで、内管の有する吸引口が、前記外管の有する吸引口よりも吸引方向下流側に位置している形態が望ましい。この形態によれば、内管の有する吸引口が外管の有する吸引口よりも吸引方向下流側に位置していることにより、清水が二重管からなる吸引管の外側流路を流れ、内管の吸引口を回り込んで内管の内部の内側流路に導入される際に、内側流路に導入されずに外部に流れ出す清水を抑制して、効果的に清水を内側流路に導入することができる。「吸引方向下流側」とは、吸引管が取り付けられているポンプ側を意味している。尚、外管の吸引口と内管の吸引口のレベル差(外管の吸引口から内部に入り込んだ内管の吸引口までの距離)も、実際に適用されるポンプや二重管からなる吸引管を用いた試験施工を行い、効果的に清水が内側流路に導入されるレベル差を特定するのが望ましい。
また、外側流路における給水口よりも吸引方向下流側の位置においては、外側流路における清水の流通を遮蔽する遮蔽部材が設けられている形態が望ましい。この形態によれば、外側流路における給水口よりも吸引方向下流側の位置に遮蔽部材が設けられていることにより、給水口を介して外側流路に供給された清水の一部が、内管の吸引口側と反対側に流れて内側流路に導入されなくなることを解消することができる。例えば、径の異なる二つの鋼管により形成された二重管からなる吸引管においては、外管の内径を有する円盤から内管の外径の円をくり抜いたドーナツ状の遮蔽部材を適用することができる。
また、本発明による浚渫システムの一態様は、
操作室を有する台船と、
前記台船にて保持されて、湖底まで延設するシャフトと、
前記シャフトに対して旋回自在でかつ昇降自在に取り付けられている、前記浚渫装置を構成する前記水中作業機と、を有し、
前記操作室に前記コントローラが配設され、前記水中作業機の旋回及び昇降と、前記アクチュエータの回転数の変更制御が実行されることを特徴とする。
本態様によれば、台船にて保持されて湖底まで延設するシャフトに対して、浚渫装置を構成する水中作業機が旋回及び昇降自在に取り付けられていることにより、シャフトの延伸によって様々な深度の湖底に対しても浚渫装置による浚渫を行うことができる。この際、シャフトが台船と湖底の二点で安定的に支持されることから、水中作業機のアームの動作に伴う浚渫用アタッチメントによる堆砂の浚渫も安定的に行うことができ、浚渫施工計画に沿った効率的な堆砂の浚渫を実現することができる。
このシステムでは、水中作業機をシャフト周りに旋回させながらアームの伸長範囲までを浚渫することができ、台船を順次移動させながら同様に浚渫を行うことにより、広域な貯水池等であっても可及的に短工期にて堆砂の浚渫を行うことが可能になる。
また、本発明による浚渫方法の一態様は、
アームの先端に浚渫用アタッチメントが取り付けられている水中作業機を用いて浚渫する浚渫方法であって、
前記浚渫用アタッチメントは、
ポンプと、
前記ポンプに連通する吸引管及び輸送管と、
前記吸引管の吸引口を包囲して複数の開口と切削ビットを備えているスクリーンと、
前記スクリーンを回転させるアクチュエータと、を有しており、
前記吸引管と前記輸送管の少なくとも一方の閉塞を生じさせないように、前記アクチュエータの回転数を調整しながら浚渫することを特徴とする。
本態様によれば、アクチュエータの回転数の変更制御に応じて、吸引管の吸引口を包囲するスクリーンの回転数の変更制御を実行し、例えばスクリーンの回転数を低下させることにより、土砂濃度を低下させて配管やポンプの閉塞を抑制することができる。
本発明の浚渫装置と浚渫システム、及び浚渫方法によれば、ポンプを用いて堆砂を浚渫するに際し、配管やポンプを閉塞させることなく、効率的な浚渫を実現することができる。
実施形態に係る浚渫装置と浚渫システムの一例を示す全体構成図である。 実施形態に係る浚渫装置がシャフトに昇降自在でかつ旋回自在に取り付けられている状態を拡大して示す側面図である。 操作室にあるコントローラのハードウェア構成の一例を周辺機器とともに示す図である。 操作室にあるコントローラの機能構成の一例を示す図である。 浚渫装置を構成する浚渫用アタッチメントの一例の側面図であって、内部を視認できるように一部を破断して示した図である。 図5のVI方向矢視図であって、浚渫用アタッチメントの一例の正面図である。 図5のVII-VII矢視図であって、スクリーン取り付けられている傾斜板材の延設方向を説明する図である。 吸引管の一例の縦断面図であって、堆砂を吸引するとともに清水が供給されている状態をともに示す図である。 図8のVIII-VIII矢視図である。
以下、実施形態に係る浚渫装置と浚渫システム、及び浚渫方法の一例について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係る浚渫装置と浚渫システム、及び浚渫方法]
<浚渫装置と浚渫システム>
はじめに、図1乃至図4を参照して、実施形態に係る浚渫装置と浚渫システムの一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る浚渫装置と浚渫システムの一例を示す全体構成図であり、図2は、実施形態に係る浚渫装置がシャフトに昇降自在でかつ旋回自在に取り付けられている状態を拡大して示す側面図である。また、図3は、操作室にあるコントローラのハードウェア構成の一例を周辺機器とともに示す図であり、図4は、操作室にあるコントローラの機能構成の一例を示す図である。尚、必要に応じて、図5を参照する。図5は、浚渫装置を構成する浚渫用アタッチメントの一例の側面図であって、内部を視認できるように一部を破断して示した図である。
浚渫システム800は、ダム湖DLにおいて、雨水や河川水等とともに土砂が流れ込んで堆積した堆砂SEを、ポンプを用いて浚渫するシステムである。浚渫システム800は、操作室550が搭載された台船400と、台船400にて保持されて、湖底まで延設するシャフト200と、シャフト200に対して旋回自在でかつ昇降自在に取り付けられている水中作業機300と、水中作業機300の備えるアーム340の先端に取り付けられている浚渫用アタッチメント100とを有する。尚、水中作業機300は、図示例のようにシャフト200に旋回自在でかつ昇降自在に取り付けられている形態の他にも、例えば水底や陸上を走行可能な形態であってもよい。
また、浚渫用アタッチメント100を備えた水中作業機300と、操作室550の内部に配備されたコントローラ600(操作盤)により、浚渫装置700が形成される。浚渫用アタッチメント100は、図5に示すように、ポンプ30と、ポンプ30に連通する吸引管40及び輸送管35と、吸引管40の吸引口を包囲して複数の開口65と切削ビット64を備えているスクリーン60と、スクリーン60を回転させるアクチュエータ50とを有する。
図1に戻り、台船400は、中空で直方体状の浮体ブロックを並設して平面視略矩形に構成され、台船400の上には、発電機510、係留ウィンチ520、油圧ユニット530、操作室550が載置されている。また、台船400の一部にはシャフト挿通用の入江410が設けられ、入江410を平面視コの字状に包囲するようにしてシャフト固定櫓500が設置されている。シャフト固定櫓500は、上下キーパーとシャフト固定ピン(いずれも図示せず)を備えており、台船400上に搭載されているクローラクレーン540にて吊り込まれたシャフト200を固定ピンにて保持しながら、延長シャフト201の継ぎ足しや取り外しが順次行わるようになっている。
台船400は、牽引船(図示せず)にて牽引されたり、台船400に装備されている走行用のプロペラ(図示せず)を駆動することにより走行する。また、図示例の浚渫システム800は、浚渫用アタッチメント100が回転するスクリーンと堆砂を吸引するポンプにより主として構成されるものであるが、バケットやツインヘッダ、リッパー、水中ブレーカー、ドレッサー、エジェクター、エアードリフター等の他種のアタッチメントが適用されてもよく、使用可能性のあるアタッチメントが台船400に搭載され得る。
シャフト200は複数本の鋼管を接続することにより構成され、図2に示すようにシャフト200の先端近傍には水中オーガー203が装備され、水中オーガー203により先端のケーシングが湖底に固定されるようになっている。すなわち、湖底にある堆砂SEの浚渫に当たり、シャフト200は、その上端がシャフト固定櫓500により固定され、その下端が湖底に固定されることにより、安定的に二点支持される。
図2に示すように、水中作業機300がX1方向に昇降できるようにシャフト200の周囲には複数本のラック202が取り付けられている。
水中作業機300は、シャフト200の備える各ラック202に係合するピニオン(図示せず)を内部に備えた昇降機構310と、昇降機構310の周囲においてX2方向に旋回自在に装備されている旋回機構320とを備え、旋回機構320が作業機本体を構成している。
作業機本体320には、ブーム330が回動自在に取り付けられ、ブーム330の先端にはアーム340が取り付けられ、作業機本体320とブーム330が油圧シリンダ機構350Aにて接続され、ブーム330とアーム340が別途の油圧シリンダ機構350Bにて接続されている。また、アーム340の先端には浚渫用アタッチメント100が取り付けられ、アーム340と浚渫用アタッチメント100がさらに別途の油圧シリンダ機構350Cにて接続されている。
台船400上にある発電機510から延びる電力ケーブル511が作業機本体320に電気的に接続され、水中作業機300の昇降駆動や旋回駆動、油圧シリンダ機構350A、350B,350Cの摺動駆動、浚渫用アタッチメント100を構成するポンプやアクチュエータの駆動等に要する電力が供給されるようになっている。
シャフト200の周囲を作業機本体320が所定角度旋回して停止し、ブーム330及びアーム340を逐次伸長しながら浚渫用アタッチメント100による浚渫を行い、これをシャフト200の全周に亘って繰り返すことにより、シャフト200周りの全方位において、ブーム330及びアーム340の伸長範囲における浚渫が可能になる。
アーム340の先端には浚渫用アタッチメント100が取り付けられている。浚渫用アタッチメント100は、浚渫した堆砂SEを輸送する輸送管35を備えている。輸送管35の内部には、揚砂流量計36、土砂濃度計37、及び圧力計38が設けられている。また、浚渫用アタッチメント100の備えるポンプ30には、負荷電流計31が設けられている。尚、揚砂流量計36、土砂濃度計37、及び圧力計38の少なくとも一つ、もしくは二つが設けられていてもよいし、揚砂流量計36、土砂濃度計37、及び圧力計38が吸引管40の内部に設けられていてもよい。
浚渫した堆砂SEが輸送管35を流通する際に、揚砂流量計36、土砂濃度計37、及び圧力計38や、負荷電流計31は対応する物理量を計測し、各計器にて計測された計測データは、操作室550に装備されたコントローラ600に随時送信されるようになっている。コンピュータにより構成されるコントローラ600では、受信した各計測データと、自身の内部に格納されている各物理量に関する閾値を比較し、スクリーン60を回転させるアクチュエータ50の回転数を必要に応じて変更制御(回転数を低下させる制御)を実行する。尚、この制御内容に関しては以下で詳説する。
固定されたシャフト200周りにおける堆砂SEの浚渫が終了した後、台船400を移動させて同様にシャフト200を湖底に吊り下ろして固定し、水中作業機300と浚渫用アタッチメント100による浚渫を同様に行い、この台船400の移動と堆砂SEの浚渫を順次繰り返すことにより、ダム湖DLの湖底に堆積する堆砂SEの浚渫を行うことができる。
図1に示すように、ダム湖DLの湖底の一角に例えば仮置きピット560を設けておき、浚渫用アタッチメント100から延設する輸送管35の先端を仮置きピット560に固定しておくことにより、浚渫用アタッチメント100にて浚渫された堆砂SEが仮置きピット560に輸送される。尚、浚渫された堆砂SEを仮置きピット560に輸送する代わりに、水上や地上に設けられている排泥ピットに輸送されてもよい。
また、ブーム330やアーム340には角度計が装備され(図示せず)、各角度計にて計測された角度データが操作室550にあるコントローラ600に送信されるようになっている。また、シャフト200の天端位置を、GPS(Global Positioning System)やトータルステーションにより計測し、シャフト200に取り付けられている傾斜計やロータリーエンコーダー(いずれも図示せず)からの計測データとともにコントローラ600に送信されるようになっている。そして、コントローラ600にて受信された各角度データや各計測データにより、水中作業機300のアーム340の先端位置(浚渫用アタッチメント100の取り付け位置)を正確に把握することができ、浚渫用アタッチメント100の位置を都度特定しながら漏れの無い浚渫作業を実施することが可能になる。
さらに、水中作業機300には、マルチファンビームや超音波水中カメラ(いずれも図示せず)が搭載されており、マルチファンビームから操作室550にあるコントローラ600に湖底の三次元データが送信され、コントローラ600のモニタ画面上に湖底の三次元画像が表示されるようになっている。また、超音波水中カメラによる湖底の撮像データも操作室550にあるコントローラ600に送信されるようになっており、暗い湖底がコントローラ600のモニタ画面上で可視化され、水中作業機300のオペレータは、モニタ画面を見ながら水中作業機300や浚渫用アタッチメント100を遠隔操作できるようになっている。
次に、図3及び図4を参照して、操作室550にあるコントローラ600のハードウェア構成と機能構成の一例について説明する。
図3に示すように、コントローラ600は、CPU(Central Processing Unit)611、RAM(Random Access Memory)612、ROM(Read Only Memory)613、HDD(Hard Disc Drive)614、及びNVRAM(Non-Volatile RAM)615等を有し、それらがシステムバスによりデータ通信可能に接続されている。
ROM613には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM612は、ROM613に記憶されているプログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域として用いられる。CPU611は、RAM612にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。例えば、記憶されている最適なポンプ吸引量に応じてポンプ30の吸引制御が実行され、最適なスクリーン60の回転速度(堆砂SEを効果的に吸引管に取り込むことのできる回転速度)に応じたアクチュエータ50の回転制御が実行される。HDD614には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM615には、各種の設定情報等が記憶される。
操作室にある各種の操作レバー等をオペレータが操作すると、コントローラ600により、水中作業機300や浚渫用アタッチメント100を構成する各種機器(ハードウェア)の動作が制御される。すなわち、水中作業機300の昇降機構310の昇降駆動や、水中作業機300の旋回機構320の旋回駆動、水中作業機300の油圧シリンダ機構350A,350B,350Cの摺動駆動、浚渫用アタッチメント100のスクリーン60を回転させるアクチュエータ50の回転駆動、浚渫用アタッチメント100のポンプ30の吸引駆動等が制御される。
また、浚渫用アタッチメント100にて浚渫された堆砂SEが輸送管35を流通する際に、揚砂流量計36、土砂濃度計37、及び圧力計38や、負荷電流計31にて計測された各計測データは、コントローラ600に随時送信される。
図4に示すように、コントローラ600は、受信部602と、格納部608と、比較演算部604と、制御部606とを有する。
受信部602は、揚砂流量計36、土砂濃度計37、及び圧力計38や、負荷電流計31にて計測された計測データを受信し、格納部608に随時格納する。
格納部608には、揚砂流量閾値、土砂濃度閾値、圧力閾値、揚砂流量と土砂濃度により特定される浚渫量の浚渫量閾値、負荷電流閾値が格納されている。これらの各種閾値は、実施工に先んじて予め試験施工を行い、吸引管40や輸送管35、ポンプ30が閉塞する際の各種物理量をこの試験施工にて特定しておき、特定された物理量を閾値として格納部608に格納しておく。尚、上記する浚渫量(m/h)の特定方法は、次の通りとなる。例えば、揚砂流量が10(m/分)、土砂濃度が10(%)の場合、浚渫土砂の体積は、10(m/分)×60(分/時間)×0.1(10(%))=60(m/時間)と算定される。浚渫土砂の空隙率を40%と仮定すると、浚渫量(m/h)は、60(m/時間)÷0.6=100(m/時間)と特定することができる。
比較演算部604は、各種の計測データと、関連する閾値とを比較する。そして、比較演算部604における演算の結果、計測データが関連する閾値を超えている際には、制御部606により、アクチュエータ50の回転数を下げる制御を実行する。
ここで、比較演算部604では、各種計測データ及び特定された浚渫量と、それぞれに関連する閾値との比較演算がそれぞれに実行されるが、この際に、一つの要素でも閾値を超える場合にアクチュエータ50の回転数を低下させる制御が実行されてもよいし、例えば、全て要素が閾値を超えていなければ回転数を維持するような制御が実行されてもよく、これらの設定は管理者の裁量に基づく。例えば、一つの要素でも閾値を超える場合にアクチュエータ50の回転数を低下させる制御を実行する際には、格納部608にこの内容を設定しておき、設定内容に基づいて制御部606がアクチュエータ50の回転数の変更制御を実行する。
例えばアクチュエータ50の回転数を低下させる制御を実行すると、ポンプ30による土砂吸引量が一定であるのに対して、スクリーン60の回転数が低下することにより、切削される土砂量が低下する。この結果、開口65を介して吸引管40に吸引され、輸送管35を輸送される土砂量が低下することになり、土砂濃度が低下する。この土砂濃度を低下させることにより、吸引管40や輸送管35,ポンプ30の閉塞を抑制することが可能になる。
尚、実施形態に係る浚渫方法は、上記するように、吸引管40と輸送管35の少なくとも一方の閉塞を生じさせないように、アクチュエータ50の回転数を調整しながら浚渫する工程を含む方法となる。
<浚渫用アタッチメント>
次に、図5乃至図9を参照して、実施形態に係る浚渫装置を構成する浚渫用アタッチメントの一例について説明する。ここで、図5は、浚渫装置を構成する浚渫用アタッチメントの一例の側面図であって、内部を視認できるように一部を破断して示した図である。また、図6は、図5のVI方向矢視図であって、浚渫用アタッチメントの一例の正面図であり、図7は、図5のVII-VII矢視図であって、スクリーン取り付けられている傾斜板材の延設方向を説明する図である。さらに、図8は、吸引管の一例の縦断面図であって、堆砂を吸引するとともに清水が供給されている状態をともに示す図であり、図9は、図8のVIII-VIII矢視図である。
浚渫用アタッチメント100は、アタッチメント本体10と、アタッチメント本体10の内部に配設されているポンプ30(浚渫ポンプ)と、ポンプ30の下端においてポンプ30と流体連通可能に取り付けられている吸引管40と、アタッチメント本体10の下端において回転可能に取り付けられているスクリーン60と、スクリーン60を回転させるアクチュエータ50と、ポンプ30に連通する輸送管35とを有する。
アタッチメント本体10は、左右一対の側板11と、側板11の下部の前後に横架されている横架板12と、側板11と横架板12の下端に固定されている角筒状の枠材13とを有し、全ての構成部材が鋼板や硬質の樹脂板等から形成されている。
側板11は途中で屈曲した側面形状を有しており、その上端には、水中作業機300のアーム340の先端に対して回動自在に取り付けられる回動軸21,22を備えた取付け板20が固定されている。
ポンプ30にて吸引した堆砂SEは、輸送管35を介してポンプ外に輸送されるようになっている。また、ポンプ30の下端に取り付けられている吸引管40は、鋼製の直管とベント管のユニット管となっており、吸引管40の下端はアタッチメント本体10の枠材13よりも下方に突出している。尚、吸引管は直管のみから形成されてもよく、また、鋼管以外の鋳鉄管や塩ビ管等から形成されてもよい。
スクリーン60は、鉛直方向に間隔を置いて配設された複数の環状横材61と、複数の環状横材61の周方向に間隔を置いて配設されて各環状横材61と溶接等により接続されるU状の縦材62とを有した略半球状を呈している。複数の環状横材61と複数の縦材62が格子状に交差することにより、複数の開口65が形成されている。図示例のU状の縦材62は、その下方がスクリーン60の回転方向であるX3方向に傾斜する態様で環状横材61に接続されている。尚、スクリーンは、略半球状以外にも、円錐状や切頭円錐状、円柱状等を呈していてもよい。また、U状の縦材62は、傾斜せずに鉛直態様で環状横材61に接続されてもよい。さらに、縦材62は、U状に曲げ加工された図示例の形態以外にも、直線状もしくは若干湾曲した略直線状の形態であってもよい。
環状横材61は円環状の平鋼により形成され、広幅面が水平方向となるように配設されている。一方、U状の縦材62は、平鋼もしくは鋼棒により形成されている。平鋼からなる環状横材61及び縦材62の厚み面がスクリーン60の外周に面するように配設されることにより、各開口65における所望の開口面積が確保される。
開口65の形状は、スクリーン60の上段や中段においては略矩形であり、下段は略三角形状となっている。そして、開口65の最大寸法(略矩形の対角線の長さ)は、吸引管40やポンプ30が閉塞しない程度の大きさの異物(堆砂SE中に含まれる巨礫や流木、沈木、塵芥)の寸法に設定されており、例えば60mm程度に設定することができる。
スクリーン60においては、その回転方向であるX3方向に下端が傾斜した傾斜板材63が、複数の環状横材61に対して溶接等により接続されている。ここで、傾斜板材63は、湾曲状に傾斜してもよいし、直線状に傾斜してもよい。このように、複数の環状横材61に対して、複数の縦材62に加えて複数の傾斜板材63が取り付けられている。傾斜板材63も、例えば平鋼により形成されており、縦材62と同様にU状に加工されている。そして、縦材62と異なり、傾斜板材63はその広幅面がスクリーン60の外周に面するように配設されている。
傾斜板材63のうち、スクリーン60の回転方向前側の端面には、傾斜板材63の長手方向に間隔を置いて複数の切削ビット64が取り付けられている。
ここで、図7に示すように、平面視(もしくは横断面視)において、外形が円形のスクリーン60において、その回転方向前側の端面63aが円形の接線方向から径方向外側に傾斜する(傾斜角度θ)ように傾斜板材63が取り付けられている。この構成により、端面63aに取り付けられている切削ビット64による切削性が高められる。
堆砂SEの浚渫は、吸引管40の先端の周囲においてスクリーン60が回転した状態で行われる。このことにより、巨礫や流木、沈木、塵芥といった異物がスクリーン60に近接した際に、切削ビット64によって異物を弾いたり砕くことができるため、異物によるスクリーン60の開口65の閉塞や吸引管40の閉塞、さらにはポンプ30の閉塞が効果的に抑止される。また、回転する切削ビット64により、湖底にて固結した土砂を切り崩すこともできる。
また、スクリーン60において、その回転方向であるX3方向に下端が傾斜した傾斜板材63が取り付けられ、傾斜板材63におけるスクリーン60の回転方向前側の端面に複数の切削ビット64が取り付けられていることにより、回転させながら堆砂SE中にスクリーン60を挿入する際に、回転方向の前方の下方にある切削ビット64から順に堆砂SEに接することになる。そのため、可及的に負荷なくスクリーン60を堆砂SE中に入り込ませることができ、必要に応じて異物を効果的に切削しながら堆砂SEの浚渫を行うことが可能になる。
さらに、傾斜板材63はその広幅面がスクリーン60の外周に面するように配設されていることから、複数の切削ビット64が異物を切削する際に傾斜板材63に作用する反力に対して、傾斜板材63のせん断剛性を確保することができる(広幅面の厚みがせん断剛性に寄与する)。例えば、傾斜板材63が縦材62のようにその厚み面がスクリーン60の外周に面するように配設される場合は、切削ビット64が傾斜板材63の広幅面に取付けられることになるが、切削ビット64からの反力に対して、傾斜板材63の厚み面の幅がせん断剛性に寄与することになり、図示例のように広幅面の厚みがせん断剛性に寄与する場合と比べてせん断剛性は低くなる。
アクチュエータ50はモータにより形成され、モータ50の駆動軸51とスクリーン60の基部とが動力伝達ベルト52により連結されている。
図5に示すように、吸引管40の途中位置には、給水口43が開設されており、ポンプ30を作動させて吸引管40の吸引口から堆砂SEを吸引する際に、給水口43からは湖水等の清水を吸引し、吸引された清水により堆砂SEの土砂濃度を低減することを可能にしている。尚、地上や船上から浄水等を清水として供給する形態であってもよい。
ここで、図8及び図9を参照して、吸引管40の構造と、吸引される堆砂SEの土砂濃度の低減について説明する。
図8に示すように、吸引管40は、外管41と内管42とを備えた二重管により形成され、外管41と内管42の間には外側流路44が形成され、内管42の内部には内側流路45が形成されており、外管41の途中位置に給水口43が開設されている。尚、給水口43に対して所定長さの給水配管が接続され、吸引管40から給水配管が張り出していてもよい。
外管41の内径はφ1、内管の内径はφ2、外管41に開設される給水口43の内径はφ3であり、外管41の吸引口41aから給水口43の中心までの距離はt1である。さらに、内管42の吸引口42aは、外管41の吸引口41aよりも吸引方向下流側であるL方向に位置しており、レベル差はt2である。
外管41の吸引口41aから給水口43の中心までの距離t1は、堆砂SEを吸引する際に、撒き上がった堆砂SEが給水口43に入り込まない距離に設定されるのがよく、実施工に先んじて実施される試験施工にて設定されるのがよい。例えば、距離t1として、1m程度を設定することができる。
ポンプ30を駆動してY1方向に吸引すると、給水口43を介してY2方向に供給された清水は、外側流路44を吸引口41a側へ流れ、内管42の吸引口42aをY3方向に回り込んで内側流路45に導入される。そして、内管42の吸引口42aから内側流路45にY4方向へ吸引された浚渫土砂SEが清水とともに交じり合い、この際に当初の浚渫土砂の土砂濃度が清水により低減された濃度低減土砂が生成され、濃度低減土砂がポンプ30へY5方向に吸引される。
このように、給水口43を介して供給された清水が、外側流路44を吸引口41a側へ流れ、内管42の吸引口42aを回り込んで内側流路45に導入されることにより、内管42の吸引口42aから浚渫土砂と清水をともに吸引することができ、清水による浚渫土砂の土砂濃度を効果的に低減することができる。このことにより、高い土砂濃度の泥水によるポンプ30や吸引管40の閉塞を解消することができる。
また、内管42の有する吸引口42aが外管41の有する吸引口41aよりも吸引方向下流側に位置していることにより、清水が外側流路44を流れ、内管42の吸引口42aを回り込んで内側流路45に導入される際に、内側流路45に導入されずに外部に流れ出す清水を抑制して、二重管40に供給された清水を効果的に内側流路45に導入することができる。ここで、吸引口42aと吸引口41aのレベル差t2により、清水の外部への流れ出し量が変わることから、ポンプ30による吸引力とレベル差t2に関する最適な組み合わせも試験施工により設定されるのがよい。
また、図8に示すように、外側流路44における給水口43よりも吸引方向下流側の位置において、外側流路44における清水の流通を遮蔽する遮蔽部材46が設けられている。図9に示すように、遮蔽部材46はドーナツ状の平面形状を有しており、中空環状の外側流路44を完全に遮蔽している。
給水口43よりも吸引方向下流側の位置に遮蔽部材46が取り付けられていることにより、図8に示すように給水口43を介して供給された清水が、外側流路44において、内側流路45側と反対側の吸引方向下流側へ流れたとしても、遮蔽部材46に流れが遮られ、内側流路45側への流れであるY6方向に流されることになる。このことにより、給水口43を介して供給された清水を効果的に内側流路45に提供することができる。
尚、外管41の内径φ1、内管の内径φ2、及び給水口43の内径φ3はいずれも、ポンプ30による吸引力との関係において目標とする土砂濃度まで低減できるように、それぞれの内径が試験施工等により設定されるのがよい。例えば、清水の供給がない場合に20%程度の土砂濃度であって、この土砂濃度ではポンプ30や吸引管40が閉塞する恐れがある場合に、目標とする土砂濃度である例えば10%程度となるように、内径φ1、φ2、φ3がポンプ30の吸引力との関係において設定される。
例えば、ポンプ30の仕様として、揚程28m、流量6m/分でスクリーン60の開口65の最大寸法60mmの場合に、外管41の内径φ1を200mm、内管の内径φ2を150mm、給水口43の内径φ3を100mmに設定することができる。
[実証実験]
<実験概要>
本発明者等は、試験水槽を水と砂で満たし、実施形態に係る浚渫装置700を模擬した浚渫装置を用いて浚渫を行い、配管を経由させて水槽にリターンさせる連続運転を行った。配管には、流量計、土砂濃度計、圧力計、ポンプケーブルには電流センサを設置し、土砂流量、圧力(揚程)、土砂濃度、電流値を記録した。これらの値に基づき、目標土砂濃度10%平均を得られる形状として、適正なスクリーンの開口、スクリーンの回転数(rpm)を求めるべく、浚渫装置の性能試験と運転可能範囲の検証を行った。
浚渫用アタッチメントの能力:浚渫能力(m/h)=平均流量(m/分)×60(分)×平均土砂濃度(%)÷100÷0.6(空隙率40%)にて算定した。また、ポンプは、定格電流値以下(105A)の運転が望ましく、定格電流値を超える場合は定格電流値の125%(131A)を閾値として、この範囲内に抑えることとした。
<実験方法>
まず、試験砂を投入し、充水し、水槽内浚渫を行う。具体的には、試験水槽に砂80mを充填し、充水する。浚渫用アタッチメントを装着したバックホウにて試験水槽内を旋回動作にて5分乃至6分程度浚渫する。浚渫用アタッチメントの吸引管の先端開口度は、開口度調整板にて調整する。ケーシング回転数はバックホウ操作席手元のコントロールボックスにてバックホウ配管部の油量をコントロールし、任意の回転数に調整する。
次に、配管計測を行う。浚渫した土砂はサクションホース20mを経由して計測配管にて各項目の計測を行う。ここで、各項目とは、圧力(MPa)、流量(m/分)、土砂濃度(%)、及び電流値(A)である。
次に、配管を介して輸送し、排砂を行う。計測配管より先をSTK鋼管にて配管延長し、ポンプに適切な抵抗負荷を与える。公知のダルシーの式に基づき、揚砂時8(m/h)確保できる配管長として、最初の実験条件は配管総延長120mとした。次いで、配管を伸ばして配管長150mにて実験を行った。鋼管区間を通る排水は試験水槽にリターンして連続循環させる。排水部はバックホウの相番機にて固縛し、ホースの振れ止めを行う。本実験では、排水部が水面まで沈めるため、実揚程は0mとなる。
<実験結果>
吸引管の先端開口度とスクリーンの回転数の変化による、土砂濃度の変化を求めた。まず、配管長120mにて各先端開口度とスクリーンの回転数にて連続浚渫を行い、各項目の計測を行った。各データは、土砂濃度が安定している区間の平均値により算出した。各条件ともに清水吸引した場合、概ね流量が9.5(m/分)前後であり、吸引管の先端開口度とスクリーンの回転数がポンプ吸引性能に影響を及ぼしていないことが確認できた。実験結果を以下の表1に示す。
砂を吸引した場合の計測値傾向として下記が特定された。
(傾向1)土砂濃度が上昇すると、圧力と電流値が上昇し、流量は低下する。
(傾向2)吸引管の先端開口度が大きくなると、土砂濃度が上昇する。
(傾向3)ケーシング回転数(スクリーン回転数)が高くなると、土砂濃度が上昇する。
(傾向4)土砂濃度10%で清水流量からの流量低下率は一割となる。
ケーシング(スクリーン)が中心の吸引管まで確実に土砂を掻き込むことにより、吸引管の先端開口度が大きくなると、より一層土砂を吸引し、土砂濃度が高くなることが特定された。また、ケーシング(スクリーン)回転数と土砂濃度はほぼ比例関係にあるため、様々な配管条件下においても、吸引管の先端開口度とケーシング回転数により土砂濃度が調整可能になることが特定された。
本実験では、ケーシング回転数が40rpmを超えた場合に、土砂濃度が高くなり、ポンプ電流値が定格電流値105Aの125%以上となり、現場作業時は過負荷によるポンプの停止や劣化が懸念される結果が得られている。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、また、本発明はここで示した構成に何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:アタッチメント本体
30:ポンプ
31:負荷電流計
35:輸送管
36:揚砂流量計
37:土砂濃度計
38:圧力計
40:吸引管(二重管)
41:外管
41a:吸引口
42:内管
42a:吸引口
43:給水口
44:外側流路
45:内側流路
46:遮蔽部材
50:アクチュエータ(モータ)
60:スクリーン
61:環状横材
62:縦材
63:傾斜板材
64:切削ビット
65:開口
100:浚渫用アタッチメント
200:シャフト
300:水中作業機
310:昇降機構
320:旋回機構(作業機本体)
330:ブーム
340:アーム
400:台船
550:操作室
560:仮置きピット
600:コントローラ(操作盤)
602:受信部
604:比較演算部
606:制御部
608:格納部
700:浚渫装置
800:浚渫システム
DL:ダム湖
SE:堆砂

Claims (6)

  1. アームの先端に浚渫用アタッチメントが取り付けられている水中作業機と、
    コントローラと、を有し、
    前記浚渫用アタッチメントは、
    ポンプと、
    前記ポンプに連通する吸引管及び輸送管と、
    前記吸引管の吸引口を包囲して複数の開口と切削ビットを備えているスクリーンと、
    前記スクリーンを回転させるアクチュエータと、を有し、
    前記コントローラにより、前記アクチュエータの回転数の変更制御が実行されるようになっており、
    前記吸引管と輸送管には、揚砂流量計、土砂濃度計、圧力計の少なくとも一つが取り付けられており、
    前記ポンプには負荷電流計が取り付けられており、
    前記コントローラは、受信部と、格納部と、比較演算部と、制御部とを有し、
    前記受信部は、前記揚砂流量計、前記土砂濃度計、前記圧力計及び前記負荷電流計の少なくとも一つにて計測された計測データを受信し、
    前記格納部は、揚砂流量閾値、土砂濃度閾値、圧力閾値、揚砂流量と土砂濃度により特定される浚渫量の浚渫量閾値、負荷電流閾値の少なくとも一つが格納されており、
    前記比較演算部により、前記計測データと、該計測データに関連する閾値とが比較され、
    前記計測データが関連する前記閾値を超えている際に、前記制御部により、前記アクチュエータの回転数を下げる制御が実行されることを特徴とする、浚渫装置。
  2. 前記スクリーンは、
    鉛直方向に間隔を置いて配設された複数の環状横材と、
    複数の前記環状横材の周方向に間隔を置いて配設されて各環状横材と接続される複数のU状の縦材と、を有した略半球状を呈し、複数の該環状横材と複数の該縦材が格子状に交差することにより複数の前記開口が形成されており、
    前記スクリーンの回転方向に下端が傾斜した傾斜板材が、複数の前記環状横材に接続されており、該傾斜板材のうち、前記スクリーンの回転方向前側の端面には複数の切削ビットが取り付けられており、
    前記スクリーンの平面視形状は円形であり、該スクリーンの平面視において、前記傾斜板材における前記回転方向前側の端面が該円形の接線方向から径方向外側に位置していることを特徴とする、請求項に記載の浚渫装置。
  3. 前記浚渫用アタッチメントは、前記吸引管の途中位置に給水口をさらに備え、
    前記ポンプの作動により、前記スクリーンの有する前記開口を介して前記吸引管に浚渫土砂が取り込まれ、かつ前記給水口を介して前記吸引管に清水が取り込まれ、該清水と前記浚渫土砂がともに前記吸引管を介して前記ポンプに吸引され、前記輸送管を介して輸送されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の浚渫装置。
  4. 前記吸引管が外管と内管を備えた二重管であり、
    前記給水口を介して前記吸引管に供給された清水が、前記外管と前記内管の間の外側流路を流れ、前記内管の吸引口を回り込んで該内管の内部の内側流路に導入され、該内側流路に取り込まれる浚渫土砂とともに前記ポンプにより吸引されることを特徴とする、請求項に記載の浚渫装置。
  5. 操作室を有する台船と、
    前記台船にて保持されて、湖底まで延設するシャフトと、
    前記シャフトに対して旋回自在でかつ昇降自在に取り付けられている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の浚渫装置を構成する前記水中作業機と、を有し、
    前記操作室に前記コントローラが配設され、前記水中作業機の旋回及び昇降と、前記アクチュエータの回転数の変更制御が実行されることを特徴とする、浚渫システム。
  6. アームの先端に浚渫用アタッチメントが取り付けられている水中作業機を用いて浚渫する浚渫方法であって、
    前記浚渫用アタッチメントは、
    ポンプと、
    前記ポンプに連通する吸引管及び輸送管と、
    前記吸引管の吸引口を包囲して複数の開口と切削ビットを備えているスクリーンと、
    前記スクリーンを回転させるアクチュエータと、を有しており、
    前記吸引管と前記輸送管の少なくとも一方の閉塞を生じさせないように、前記アクチュエータの回転数を調整しながら浚渫することを特徴とする、浚渫方法。
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