JP7318846B1 - 三相三脚巻鉄心およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)平面部と該平面部に隣接するコーナー部を有し、前記平面部にラップ部を有し、前記コーナー部に屈曲部を有する巻鉄心とすること
(2)磁場の強さHが800A/mのときの磁束密度B8が1.92T以上1.98T以下となる鉄心素材(方向性電磁鋼板)を使用すること
(3)コーナー部(2つの内鉄心と1つの外鉄心のコーナー部)に2か所の屈曲部を有し、かつ、前記2か所の屈曲部の成す角が55°以下であること
(4)下記式で求められる高調波重畳下での鉄損劣化率が1.35以下
高調波重畳下での鉄損劣化率=(高調波重畳下における鉄損)/(高調波重畳がない場合の鉄損)
ここで、上記式中の高調波重畳下における鉄損および高調波重畳がない場合の鉄損は、それぞれ周波数50Hz、最大磁化1.7Tの条件で測定された鉄損(W/kg)である。かつ、前記高調波重畳下における鉄損は、励磁電圧における基本調波に対する3次高調波の重畳率40%、位相差60°の条件において測定された鉄損である。
巻鉄心は、方向性電磁鋼板などの磁性体を巻き回してコアとする。巻鉄心の製造方法として、一般的には、鋼板を筒状に巻き取った後、コーナー部をある曲率となるようにプレスし、矩形状に成形する方法がとられる。一方、別の製造方法として、巻鉄心のコーナー部となる部分を予め曲げ加工し、曲げ加工した鋼板を重ね合わせることにより巻鉄心とする方法がある。この方法により形成された鉄心は、コーナー部に折り曲げ部(屈曲部)を有する。前者の方法により形成された鉄心はトランココア、後者の方法により形成された鉄心は、設けられる鋼板接合部の数によりユニコアあるいはデュオコアと一般的に称する。磁束の集中を緩和するためには、後者の方法により形成されたコーナー部に折り曲げ部(屈曲部)を設ける構造が適する。
なお、本発明では、コーナー部に屈曲部を有する三相三脚巻鉄心を対象とする。前記巻鉄心は、例えば図4に示されるユニコアのように、隣接する2つの内鉄心と、前記2つの内鉄心を囲む1つの外鉄心から構成される。(1)の要件は、前記2つの内鉄心および前記1つの外鉄心について、それぞれ平面部と該平面部に隣接するコーナー部を設け、前記平面部にラップ部を設け、前記コーナー部に折り曲げ部(屈曲部)を設けることで満たされる。
実験的に、ユニコアの鉄心内の磁束波形歪みに及ぼす、磁束密度B8の影響を調査した結果を示す。図4に示す形状の三相三脚のユニコア(2つの内鉄心および1つの外鉄心)を、表1に示す磁束密度B8の異なる0.23mm厚の方向性電磁鋼板で作製した。作製した各ユニコアに、50巻きの巻き線を施し、磁束密度1.5T、周波数60Hzの無負荷励磁を行った。図5に示す位置に、1巻きの探りコイルを配置し、鉄心内の磁束密度波形を調査し、各磁束波形を時間微分した(dB/dt)の波形率を評価した。図9に各材料における、内鉄心の内側1/2厚さ(位置(i))での磁束波形を時間微分した(dB/dt)の波形率を示す。磁束密度B8が大きいほど、波形率が小さくなる傾向にあるが、1.98Tより大きい領域では逆に、波形率は再び大きくなった。1.92T以上1.98T以下が磁束波形歪みを小さく抑えることができる好適範囲である。
前記したように、三相励磁における磁束流れにおいて、励磁が0となる脚(図2においては右脚)への磁束の流れ込みによって、局所的な磁束波形歪みが生じる。それを抑制するためには、内鉄心と外鉄心の間を渡る磁束を増加させることが大事である。本発明者らは、図10に示すユニコアの内鉄心と外鉄心の隙間部に生じる三角窓の大きさを制御することで、内鉄心と外鉄心の間を渡る磁束を制御できるのではないかと考えた。
なお、本発明の三相三脚巻鉄心は、隣接する2つの内鉄心と前記2つの内鉄心を囲む1つの外鉄心から構成される。そして、図12に示すコーナー部における屈曲部(内鉄心の中央脚側のコーナー部における屈曲部)の成す角の角度と、それ以外のコーナー部における屈曲部の角度とはほぼ等しく構成される。すなわち、本発明では、2つの内鉄心のコーナー部(1つの内鉄心につき4か所)および1つの外鉄心のコーナー部(4か所)に、それぞれ2か所の屈曲部を設け、かつ、前記2か所の屈曲部の成す角の角度を55°以下とした場合に、特に局所的な磁束波形歪みを抑制でき好適である。
前述のように鉄心内側に磁束が集中し、磁束波形が台形状に歪むと、鉄損が大きくなる。その原因は、磁束波形が台形状に歪むと、その台形の側辺にあたる瞬間で磁束の急峻な変化が起き、そのために渦電流損が大きくなってしまうためである。同様に、三相励磁に起因する鉄心内の局所的な磁束波形歪みによっても、磁束の急峻な変化が起き、そのために渦電流損が大きくなってしまう。
[1]方向性電磁鋼板を素材として構成された隣接する2つの内鉄心と前記2つの内鉄心を囲む1つの外鉄心からなる三相三脚巻鉄心であって、
前記2つの内鉄心および前記1つの外鉄心は、それぞれ平面部と該平面部に隣接するコーナー部を有し、前記平面部にラップ部を有し、前記コーナー部に屈曲部を有し、
前記2つの内鉄心および前記1つの外鉄心のコーナー部には、それぞれ2か所の屈曲部が設けられ、かつ、前記2か所の屈曲部の成す角の角度が55°以下であり、
前記方向性電磁鋼板は、磁場の強さHが800A/mのときの磁束密度B8が1.92T以上1.98T以下である、三相三脚巻鉄心。
[2]前記方向性電磁鋼板は、下記式で求められる高調波重畳下での鉄損劣化率が1.35以下である、[1]に記載の三相三脚巻鉄心。
高調波重畳下での鉄損劣化率=(高調波重畳下における鉄損)/(高調波重畳がない場合の鉄損)
ここで、上記式中の高調波重畳下における鉄損および高調波重畳がない場合の鉄損は、それぞれ周波数50Hz、最大磁化1.7Tの条件で測定された鉄損(W/kg)であり、かつ、前記高調波重畳下における鉄損は、励磁電圧における基本調波に対する3次高調波の重畳率40%、位相差60°の条件において測定された鉄損である。
[3]前記方向性電磁鋼板は、非耐熱型の磁区細分化処理が施されたものである、[1]または[2]に記載の三相三脚巻鉄心。
[4]方向性電磁鋼板を素材として構成された隣接する2つの内鉄心と前記2つの内鉄心を囲む1つの外鉄心からなり、前記2つの内鉄心および前記1つの外鉄心は、それぞれ平面部と該平面部に隣接するコーナー部を有し、前記平面部にラップ部を有し、前記コーナー部に屈曲部を有する三相三脚巻鉄心の製造方法であって、
前記2つの内鉄心および前記1つの外鉄心のコーナー部に、それぞれ2か所の屈曲部を設け、かつ、前記2か所の屈曲部の成す角の角度を55°以下とし、
前記方向性電磁鋼板として、磁場の強さHが800A/mのときの磁束密度B8が1.92T以上1.98T以下である方向性電磁鋼板を用いる、三相三脚巻鉄心の製造方法。
[5]前記方向性電磁鋼板は、下記式で求められる高調波重畳下での鉄損劣化率が1.35以下である、[4]に記載の三相三脚巻鉄心の製造方法。
高調波重畳下での鉄損劣化率=(高調波重畳下における鉄損)/(高調波重畳がない場合の鉄損)
ここで、上記式中の高調波重畳下における鉄損および高調波重畳がない場合の鉄損は、それぞれ周波数50Hz、最大磁化1.7Tの条件で測定された鉄損(W/kg)であり、かつ、前記高調波重畳下における鉄損は、励磁電圧における基本調波に対する3次高調波の重畳率40%、位相差60°の条件において測定された鉄損である。
[6]前記方向性電磁鋼板は、非耐熱型の磁区細分化処理が施されたものである、[4]または[5]に記載の三相三脚巻鉄心の製造方法。
本発明によれば、磁気特性の異なる2種類以上の素材を使用した場合に必要となる素材の配置等の鉄心設計の煩雑さが低減され、鉄損が小さい磁気特性に優れた巻鉄心を、製造性高く得ることができる。
上述の通り、低鉄損となる変圧器巻鉄心を達成するには、以下の条件を満たす必要がある。
(A)平面部と該平面部に隣接するコーナー部を有し、前記平面部にラップ部を有し、前記コーナー部に屈曲部を有すること
(B)コーナー部(2つの内鉄心と1つの外鉄心のコーナー部)に2か所の屈曲部を有し、かつ、前記2か所の屈曲部の成す角の角度が55°以下であること
上述の通り、低鉄損となる三相三脚変圧器巻鉄心を達成するには、以下の(C)の条件を満たす必要がある。さらに、以下の(D)の条件を満たすことが好ましい。
磁気特性の測定は、エプスタイン試験により行う。エプスタイン試験はIEC規格あるいはJIS規格等の公知の方法で実施する。あるいは、非耐熱型の磁区細分化材など、エプスタイン試験による磁束密度B8の評価が困難な場合には、単板磁気測定試験(SST)による結果を代用しても良い。巻鉄心製造に関し、上記の磁束密度B8の好適範囲による選別を行う際には、方向性電磁鋼板コイルの代表特性を用いるべきである。具体的には、前記鋼板コイルの先尾端にて、試験サンプルを採取し、エプスタイン試験を行い磁束密度B8を測定し、その平均値を代表特性として採用する。あるいは、鋼材メーカが提供する鋼板の特性値(平均値及び保証値)を基に、素材の選別を行っても良い。前記磁束密度B8は、好ましくは1.94T以上である。また、前記磁束密度B8は、好ましくは1.96T以下である。
高調波重畳下での鉄損劣化率=(高調波重畳下における鉄損)/(高調波重畳がない場合の鉄損)
上記の式中で定義される、高調波重畳下における鉄損、高調波重畳がない場合の鉄損は同一のエプスタイン試験機又は単板磁気測定装置にて周波数50Hz、最大磁化1.7Tの条件にて測定される鉄損(W/kg)であり、かつ、前記高調波重畳下における鉄損は、励磁電圧における基本調波に対する3次高調波の重畳率40%、位相差60°の条件において測定される鉄損である。高調波重畳は、一次巻き線の印加電圧に対して重畳される。一次巻き線の印加電圧に対する高調波重畳方法は、特に規定しないが、例えば波形発生器において高調波重畳した電圧波形を発生させ、それを電力アンプにて増幅させて、励磁電圧(一次巻き線に印加される電圧)とする方法がある。本発明における高調波重畳条件は、励磁電圧における基本調波に対する3次高調波の重畳率40%、位相差60°の条件である。すなわち、本発明における高調波重畳条件下での電圧波形は、基本調波となる50Hz正弦波に対し、その3次高調波である150Hz正弦波を、基本調波の振幅の40%の振幅にて、位相差60°遅らせて重畳させた波形となる。本発明では、上述のように、鉄心素材として、前記高調波重畳下での鉄損劣化率が1.35以下である方向性電磁鋼板を用いることが好ましい。前記高調波重畳下での鉄損劣化率は、1.15以下がより好ましい。なお、前記高調波重畳下での鉄損劣化率の下限は特に限定されない。一例として、前記高調波重畳下での鉄損劣化率は、1.00以上である。
本発明において、方向性電磁鋼板用スラブの成分組成は、二次再結晶が生じる成分組成であればよい。また、インヒビターを利用する場合、例えばAlN系インヒビターを利用する場合であればAlおよびNを、またMnS・MnSe系インヒビターを利用する場合であればMnとSeおよび/またはSを適量含有させればよい。勿論、両インヒビターを併用してもよい。この場合におけるAl、N、SおよびSeの好適含有量はそれぞれ、Al:0.010~0.065質量%、N:0.0050~0.0120質量%、S:0.005~0.030質量%、Se:0.005~0.030質量%である。
Cは、熱延板組織の改善のために添加をする。しかしながら、C含有量が、0.08質量%を超えると製造工程中に磁気時効の起こらない50質量ppm以下までCを低減することが困難になるため、C含有量は0.08質量%以下とすることが好ましい。なお、C含有量の下限に関しては、Cを含まない素材でも二次再結晶が可能であるので特に設ける必要はない。すなわち、C含有量は0質量%であってもよい。
Siは、鋼の電気抵抗を高め、鉄損を改善するのに有効な元素である。Si含有量が2.0質量%以上であると、鉄損低減効果がより高められる。一方、Si含有量が8.0質量%以下であると、加工性の低下を抑制しやすくなり、また磁束密度の低下も抑制しやすくなる。そのため、Si含有量は2.0~8.0質量%の範囲とすることが好ましい。
Mnは、熱間加工性を良好にする上で必要な元素である。Mn含有量が0.005質量%以上であると、その添加効果が得られやすくなる。一方、Mn含有量が1.000質量%以下であると製品板の磁束密度の低下を抑制しやすくなる。そのため、Mn含有量は0.005~1.000質量%の範囲とすることが好ましい。
Crは、フォルステライト被膜と地鉄との界面に、緻密な酸化被膜形成を促進する元素である。Crを含有しなくても酸化被膜形成は可能であるが、Crを0.02質量%以上含有することによって他成分の好適範囲の拡大などが期待できる。また、Cr含有量が0.20質量%以下であると、酸化被膜が厚くなりすぎるのを抑制でき、耐コーティング剥離性の劣化を抑制しやすくなる。そのため、Cr含有量は0.02~0.20質量%の範囲とすることが好ましい。
上記成分組成を有するスラブを、常法に従い加熱する。加熱温度は、1150~1450℃が好ましい。
上記加熱後に、熱間圧延を行う。鋳造後、加熱せずに直ちに熱間圧延を行ってもよい。薄鋳片の場合には、熱間圧延を行うこととしてもよく、あるいは、熱間圧延を省略してもよい。熱間圧延を実施する場合は、粗圧延最終パスの圧延温度を900℃以上、仕上げ圧延最終パスの圧延温度を700℃以上で実施することが好ましい。
その後、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。このとき、ゴス組織を製品板において高度に発達させるためには、熱延板焼鈍温度として800~1100℃の範囲が好適である。熱延板焼鈍温度が800℃未満であると、熱間圧延でのバンド組織が残留し、整粒した一次再結晶組織を実現することが困難になり、二次再結晶の発達が阻害されるおそれがある。一方、熱延板焼鈍温度が1100℃を超えると、熱延板焼鈍後の粒径が粗大化しすぎるために、整粒した一次再結晶組織の実現が困難となるおそれがある。
その後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施す。中間焼鈍温度は800℃以上1150℃以下が好適である。また、中間焼鈍時間は、10~100秒程度とすることが好ましい。
その後、脱炭焼鈍を行う。脱炭焼鈍では、焼鈍温度を750~900℃とし、酸化性雰囲気PH2O/PH2を0.25~0.60とし、焼鈍時間を50~300秒程度とすることが好ましい。
その後、焼鈍分離剤を塗布する。焼鈍分離剤は、主成分をMgOとし、塗布量を8~15g/m2程度とすることが好適である。
その後、二次再結晶およびフォルステライト被膜の形成を目的として仕上げ焼鈍を施す。焼鈍温度は1100℃以上とし、焼鈍時間は30分以上とすることが好ましい。
その後、平坦化処理(平坦化焼鈍)および絶縁コーティングを施す。なお、絶縁コーティングを施す際の絶縁コーティングの塗布・焼き付け処理にて平坦化処理も同時に行い、形状を矯正することも可能である。平坦化焼鈍は、焼鈍温度を750~950℃とし、焼鈍時間10~200秒程度で実施するのが好適である。本発明では、平坦化焼鈍前または後に、鋼板表面に絶縁コーティングを施すことができる。ここでの絶縁コーティングとは、鉄損低減のために、鋼板に張力を付与するコーティング(張力コーティング)を意味する。張力コーティングとしては、シリカを含有する無機系コーティングや物理蒸着法、化学蒸着法等によるセラミックコーティング等が挙げられる。
鋼板の鉄損を低減させるために、磁区細分化処理を施すことは好適である。磁区細分化技術とは、鋼板の表面に対して物理的な手法で不均一性を導入することにより、磁区の幅を細分化して鉄損を低減する技術である。磁区細分化技術は大きく分けて、歪み取り焼鈍において効果が損じない耐熱型の磁区細分化と、歪み取り焼鈍により効果が減じる非耐熱型の磁区細分化に分けられる。本発明においては、磁区細分化処理がされていない鋼板、耐熱型の磁区細分化処理が施された鋼板、非耐熱型の磁区細分化処理が施された鋼板いずれにも適用することができる。
図17および表4、図18および表5に示す鉄心形状と、表6に示す鉄心素材にて、三相三脚のトランココア及びユニコアを作製した。条件1~12には成型後800℃で2時間の歪み取り焼鈍を行い焼鈍後に、条件13~50には歪み取り焼鈍を行わずに、接合部より鉄心を巻きほぐし、50Turn(50巻き)の巻き線コイルを挿入した。そして、励磁磁束密度(Bm)1.5T、周波数(f)60Hzの条件で、変圧器鉄損を測定した。同条件での、鉄心素材のエプスタイン試験結果(非耐熱型の磁区細分化の場合は単板磁気測定結果)を素材鉄損とし、その素材鉄損に対する変圧器鉄損における鉄損増加率BFを求めた。
Claims (6)
- 方向性電磁鋼板を素材として構成された隣接する2つの内鉄心と前記2つの内鉄心を囲む1つの外鉄心からなる三相三脚巻鉄心であって、
前記2つの内鉄心および前記1つの外鉄心は、それぞれ平面部と該平面部に隣接するコーナー部を有し、前記平面部にラップ部を有し、前記コーナー部に屈曲部を有し、
前記2つの内鉄心および前記1つの外鉄心のコーナー部には、それぞれ2か所の屈曲部が設けられ、かつ、前記2か所の屈曲部の成す角の角度が55°以下であり、
前記方向性電磁鋼板は、磁場の強さHが800A/mのときの磁束密度B8が1.92T以上1.98T以下である、三相三脚巻鉄心。 - 前記方向性電磁鋼板は、下記式で求められる高調波重畳下での鉄損劣化率が1.35以下である、請求項1に記載の三相三脚巻鉄心。
高調波重畳下での鉄損劣化率=(高調波重畳下における鉄損)/(高調波重畳がない場合の鉄損)
ここで、上記式中の高調波重畳下における鉄損および高調波重畳がない場合の鉄損は、それぞれ周波数50Hz、最大磁化1.7Tの条件で測定された鉄損(W/kg)であり、かつ、前記高調波重畳下における鉄損は、励磁電圧における基本調波に対する3次高調波の重畳率40%、位相差60°の条件において測定された鉄損である。 - 前記方向性電磁鋼板は、非耐熱型の磁区細分化処理が施されたものである、請求項1または2に記載の三相三脚巻鉄心。
- 方向性電磁鋼板を素材として構成された隣接する2つの内鉄心と前記2つの内鉄心を囲む1つの外鉄心からなり、前記2つの内鉄心および前記1つの外鉄心は、それぞれ平面部と該平面部に隣接するコーナー部を有し、前記平面部にラップ部を有し、前記コーナー部に屈曲部を有する三相三脚巻鉄心の製造方法であって、
前記2つの内鉄心および前記1つの外鉄心のコーナー部に、それぞれ2か所の屈曲部を設け、かつ、前記2か所の屈曲部の成す角の角度を55°以下とし、
前記方向性電磁鋼板として、磁場の強さHが800A/mのときの磁束密度B8が1.92T以上1.98T以下である方向性電磁鋼板を用いる、三相三脚巻鉄心の製造方法。 - 前記方向性電磁鋼板は、下記式で求められる高調波重畳下での鉄損劣化率が1.35以下である、請求項4に記載の三相三脚巻鉄心の製造方法。
高調波重畳下での鉄損劣化率=(高調波重畳下における鉄損)/(高調波重畳がない場合の鉄損)
ここで、上記式中の高調波重畳下における鉄損および高調波重畳がない場合の鉄損は、それぞれ周波数50Hz、最大磁化1.7Tの条件で測定された鉄損(W/kg)であり、かつ、前記高調波重畳下における鉄損は、励磁電圧における基本調波に対する3次高調波の重畳率40%、位相差60°の条件において測定された鉄損である。 - 前記方向性電磁鋼板は、非耐熱型の磁区細分化処理が施されたものである、請求項4または5に記載の三相三脚巻鉄心の製造方法。
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